JP4242109B2 - 粘着テープ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着テープに関するものであり、さらに詳しくは、生分解性を有し、直線引裂性や手切れ性に優れた粘着テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、基材フィルムとこの基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着層とを有する粘着テープが、広く用いられている。基材フィルムとしては、セロハン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムが知られている。しかし、セロハンは耐湿性に乏しいためその利用分野が限られるという問題がある。また、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートフィルム等は耐湿性は有するものの、自然環境下では生分解又は加水分解しないかまたは分解速度が極めて遅いために、その廃棄処分に問題がある。例えば、埋設処理した場合には土中に残存したり、自然環境中に投棄した場合は景観を損ねたり生物の生活環境を破壊することがあり、焼却処理した場合でも有害なガスを生じたり、焼却炉を劣化させたりするという問題がある。
【0003】
このような問題を解決するために、特開平9−125016号公報や特開2000−313857号公報には、生分解性を有する樹脂を主成分とする樹脂にて基材フィルムを形成した粘着テープが、特開2000−281984号公報には、生分解性を有する脂肪族ポリエステルからなる二軸延伸フィルムを基材フィルムとする粘着テープが、それぞれ開示されている。
【0004】
ところで粘着テープは、帯状のテープから所望の長さが得られるようにテープを幅方向に手で切りとって使用するのが一般的である。そのため、粘着テープには、テープを直線的に引き裂くことができる「引裂直線性」と、粘着テープを手で容易に引き裂くことができるいわゆる「手切れ性」とを有することが要求される。上記従来の粘着テープは、いずれも基材フィルムが生分解性を有する樹脂にて形成されているため廃棄処理の問題は解決できるものの、引裂直線性や手切れ性の点では未だ十分であるとはいえず、さらなる引裂直線性および手切れ性の向上が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記問題点を解決し、生分解性を有し、引裂直線性に優れるとともに良好な手切れ性を有する粘着テープを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に至ったものである。すなわち本発明は、基材フィルムと前記基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着層とを有する粘着テープであって、前記基材フィルムは、ポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとを含むフィルムであり、ポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの配合割合が、(ポリ乳酸系重合体)/(脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜60/40(質量%)の範囲であることを特徴とする粘着テープを要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の粘着テープは、基材フィルムとこの基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着層とを有するものであり、基材フィルムは、ポリ乳酸系重合体を主成分とし、このポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとが特定の割合で配合された樹脂からなる必要がある。このように、ポリ乳酸系重合体を主成分とすることで、機械的強力と耐熱性に優れたフィルムが得られる。また、ポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとでは結晶性が異なるため、ポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとを特定の割合で配合した樹脂をフィルム化する際に、ポリ乳酸系重合体中に脂肪族−芳香族共重合ポリエステルが相分離した形態で島状に微細に分散するようになる。その結果、得られたフィルムは、直線引裂性や手切れ性に優れたものとなる。なお、ポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの間には、製膜安定性のために適度な相溶性も必要である。
【0008】
ポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの配合割合は、(ポリ乳酸系重合体)/(脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜60/40(質量%)の範囲である必要がある。ポリ乳酸系重合体の配合割合が95質量%を越えると、フィルムの直線引裂性や手切れ性が低下する傾向にある。また、ポリ乳酸系重合体の配合割合が60質量%未満であると、機械的強力や寸法安定性や耐熱性や透明性等が低下する傾向にあり、また、ブロッキングが発生しやすくなって操業性が低下する。従って、ポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの配合割合は、(ポリ乳酸系重合体)/(脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=90/10〜70/30(質量%)であることが好ましく、(ポリ乳酸系重合体)/(脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=85/15〜75/25(質量%)であることがさらに好ましい。
【0009】
また、本発明における脂肪族−芳香族共重合ポリエステルは、その結晶融解熱量が40J/g以下であることが好ましく、引裂直線性や手切れ性を考慮すると、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの結晶融解熱量は25J/g以下であることがより好ましい。結晶融解熱量は、結晶性の指標となるものであり、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルが結晶融解熱量を有するとは、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルが結晶性を有し、さらに融点および結晶融解ピークを有するということである。このように結晶融解熱量が40J/g以下である脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを用いると、引裂直線性や手切れ性の一層の向上が図れる。
【0010】
本発明におけるポリ乳酸系重合体としては、主成分として乳酸成分を有するものであればよく、ポリ乳酸、乳酸またはラクチドと他のヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、ジオール、環状ラクトン等との共重合体あるいはブレンド体が挙げられる。乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸が、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸や、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、マロン酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオールや、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエ−テルポリオールや、ビス−ヒドロキシメチルベンゼン、トルエンジオール等の芳香族ジオールが挙げられる。環状ラクトンとしては、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、ピバロラクトン、グリコリド等が挙げられる。
【0011】
これらのポリ乳酸系重合体には、生分解性に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合等を導入することができる。ポリ乳酸系重合体の数平均分子量は5〜30万であることが好ましく、より好ましくは8〜15万である。数平均分子量が5万よりも小さいと基材フィルムの機械的強力が不十分となり、また、基材フィルム製造時の延伸、巻取工程中での切断が起こりやすくなり操業性の低下を招く。一方、数平均分子量が30万を超えると加熱溶融時の流動性が乏しくなって製膜性が低下する。
【0012】
ポリ乳酸系重合体を合成するための重合方法は特に限定されるものではないが、縮合重合法、開環重合法などが挙げられる。また、ポリ乳酸の重合時もしくは重合直後に、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、脂肪族−芳香族ポリエステル、グリコリド、カプロラクトン等から選ばれる1種以上の副成分を加え、重合をさらに進める方法も可能である。また、分子量を増大するために少量の鎖延長剤、例えばジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを添加してもよい。
【0013】
本発明における脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの重合方法についても、特に限定されるものではない。また、重合のどの段階でもかまわないが、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを添加してもよい。
【0014】
脂肪族−芳香族共重合ポリエステルは、脂肪族成分と芳香族成分とを有するポリエステルであればよく、例えば、L−乳酸またはD−乳酸以外のヒドロキシカルボン酸類、ラクチド以外の環状ラクトン類、ジカルボン酸類、ジオール類、環状酸無水物類、オキシラン類を成分とし、脂肪族成分と芳香族成分を有する共重合体等が挙げられ、中でも、脂肪族成分としてコハク酸やアジピン酸、エチレングリコールや1,4−ブタンジオールを、芳香族成分としてテレフタル酸やイソフタル酸を有する共重合ポリエステルであることが好ましい。また、これらには、生分解性に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合等を導入することができる。
【0015】
本発明の粘着テープを構成する基材フィルムには、その特性を損なわない範囲において、可塑剤、滑剤、無機フィラー、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、顔料、酸化防止剤等の添加剤、改質剤、あるいは他の高分子材料等を添加またはコートすることができる。
【0016】
また、基材フィルムの少なくとも一方の面には粘着層が形成されるが、基材フィルムと粘着層との密着性を高めるために、基材フィルムの粘着層形成面には、コロナ放電処理、プラズマ処理、サンドプラスト処理等の表面処理を行ってもよい。
【0017】
本発明の粘着層を形成する粘着剤としては、天然ゴム、合成ゴム、ニトリルゴム、SBRゴム等のゴム系粘着剤、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系、メラミン系、フェノール系、酢酸ビニル系樹脂を主成分とする合成樹脂粘着剤等が挙げられる。生分解性の観点からは、天然ゴムや合成ゴム等が好ましい。これらの粘着剤には、必要に応じて、架橋剤、有機溶剤、界面活性剤、充填剤、着色剤等を添加しても良い。
【0018】
また、本発明における粘着テープの厚みは特に限定されるものではなく、その用途や要求性能や価格等によって適宜設定すればよい。通常は、基材フィルムの厚みは10〜100μm程度であり、20〜70μm程度であることがより好ましい。また、粘着層の厚みはあまりに薄いと粘着性に劣り、その厚みが厚すぎると直線引裂性や手切れ性に劣るため、その厚みは5〜100μmの範囲であることが好ましく、10〜50μmの範囲であることがより好ましい。
【0019】
以下に本発明の粘着テープの製造方法について、一例を挙げて説明する。まず、粘着テープの基材フィルムを製造する。原料を十分に乾燥し水分を除去した後、ポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとを所定量だけ配合して、混合する。混合方法としては、リボンブレンダーやタンブラー等で混合するか、押出機を用いてあらかじめ加熱溶融混練してもよい。
【0020】
混合物をフィルム化する方法は特に限定されるものではなく、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法などが挙げられるが、中でもTダイ法が好ましい。Tダイ法によりフィルム化する場合には、ポリ乳酸系重合体、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、さらには必要に応じて添加剤等を適宜混合したものを押出機のホッパーに供給し、組成に適した溶融温度140℃〜260℃で溶融混練して押出機より所定の厚みに押出し、20〜60℃に制御された冷却ロールにて冷却し、厚さ50〜500μmの未延伸シートを作成する。
【0021】
得られた未延伸シートには、延伸処理が施される。延伸方法は特に限定されるものではなく、一軸延伸法でも二軸延伸法のいずれでもよい。二軸延伸の方法は特に限定されるものではなく、テンター方式による同時二軸延伸法や、ロールとテンターによる逐次二軸延伸法などが適用できる。例えば、逐次二軸延伸法により製造する場合には、まず未延伸シートを駆動ロールの回転速度比によってMD方向に延伸温度50℃〜100℃、延伸倍率1.5〜5.0倍で延伸し、引き続き連続してTD方向に延伸温度50℃〜110℃、延伸倍率1.5〜8.0倍に延伸し、次に温度70℃〜170℃で熱処理することにより二軸延伸フィルムを製造することができる。
【0022】
本発明の粘着テープの基材フィルムを製造するためには、MD方向のTD方向に対する延伸倍率の比(MD/TD)を0.5〜2.0倍とすることが好ましい。MD方向のTD方向に対する延伸倍率の比(MD/TD)が0.5未満であると、フィルムのMD方向の配向が不十分となり、また延伸倍率の比(MD/TD)が2.0倍を超えるとTD方向の配向が不十分となって、上記の性能が低下する傾向にある。従って、フィルムのMD方向とTD方向の両方向の機械的強力に優れ、さらに加えて良好な手切れ性を有する基材フィルムを安定して製造するためには、上記の延伸倍率比とすることが好ましい。また、上述のように粘着テープを使用する際にテープを幅方向に引き裂くことが一般的であることを考慮すると、延伸倍率が高い方がテープの幅方向の直線引裂性が良好となるため好ましい。具体的には、MD方向のTD方向に対する延伸倍率の比(MD/TD)が1以下であることがさらに好ましい。
【0023】
延伸処理後の延伸フィルムの熱処理方法は特に限定されるものではないが、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法等が挙げられる。均一に精度よく加熱できる点からは、フィルムに熱風を吹き付ける方法が好ましい。また、延伸フィルムには、70℃〜170℃の温度範囲で3秒以上熱処理することが好ましい。
【0024】
上記のように作成された基材フィルムの少なくとも一方の面に粘着層が形成されて本発明の粘着テープが得られる。粘着層は、フィルム基材に粘着剤を積層、塗布することにより得られる。この方法は特に限定されないが、溶液法、熱カレンダー法等が挙げられる。例えば、溶液法では、粘着剤を石油系溶剤、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に溶解し、粘着剤を塗布したセパレーター(剥離紙)を用いる反転塗工やナイフコーター、ロールコーター、グラビアコーター等により直接塗工するダイレクト塗工により、積層、塗布し、次いで赤外線、熱風、蒸気などにより乾燥して、粘着加工を行う。あるいは、ラミネート加工、あるいはコーティング加工等により接着層を設けても良い。また、上記のように基材フィルムと粘着層とを別々に形成する代りに、基材フィルムと粘着層とを共押出によって同時に作成しても良い。
【0025】
得られた粘着テープは、生分解性を有し、機械的強力や耐熱性に優れ、引裂直線性や手切れ性にも優れたものであるため、各種の分野で好適に使用できる。
【0026】
【実施例】
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性値の測定は以下の方法により実施した。
【0027】
(1)結晶融解熱量(J/g):パーキンエルマー社製の示差走査型熱量計DSC−7を用い、試料質量を7mg、昇温速度を20℃/分として測定し、得られた融解吸熱曲線の吸熱ピークの面積を結晶融解熱量とした。
【0028】
(2)粘着テープの引張強度(MPa)および引張伸度(%):JIS K−7127に記載の方法に準じて、試料長100mm、幅10mmの試料を用いて測定を行った。
【0029】
(3)引裂直線性:幅50mmの粘着テープの一方の側部にテープの幅方向の長さが5mmの切り込みを入れて、この切り込みをきっかけにしてテープを幅方向に手で引き裂いた。そして、前記切り込みから他方の側部に向かうテープ幅方向の仮想線からの実際の引き裂きの終点部のずれが左右3mm以内であった回数が10回中8回以上あった場合を◎、6〜7回あった場合を○、5回以下であった場合を×とした。
【0030】
(4)手切れ性:幅50mmの粘着テープの任意の位置を一方の側部から他方の側部に向かって手で引き裂いた。そして、10人のモニタ中6人以上がテープを容易に手で裂けたと判断した場合を○、5人以下であった場合を×で評価した。
【0031】
実施例1
D体含有率が4%であるポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポリマーズ社製)80質量%と、結晶融解熱量が19.5J/gである脂肪族−芳香族共重合ポリエステル(BASF社製、エコフレックスF)20質量%とを用い、溶融温度225℃でTダイから押出し、25℃のキャストロールに密着させて、未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを80℃のテンター内で縦方向に3倍、横方向に3倍に同時二軸延伸した後、125℃で熱処理し、厚み25μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0032】
この二軸延伸フィルムを基材フィルムとして、このフィルムの片面に、天然ゴム6重量部と天然ロジン4重量部とトルエン90重量部とからなる粘着剤溶液を塗布して80℃の熱風炉で乾燥し、厚さ30μmの粘着層を形成した。その後、粘着層を形成したフィルムを幅50mmにスリットして、粘着テープを得た。
【0033】
得られた粘着テープの物性などを表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0004242109
【0035】
実施例2
ポリ乳酸としてD体含有率が1%であるポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポリマーズ社製)を用い、ポリ乳酸以外の他の生分解性ポリマーとして、結晶融解熱量が18.5J/gの脂肪族−芳香族共重合ポリエステル(イーストマンケミカル社製、イースターバイオ GP コポリエステル)を用いた。そしてこのポリ乳酸70質量%と脂肪族−芳香族共重合ポリエステル30質量%とを配合して、溶融温度を230℃として、25℃のキャストロールに密着させて、未延伸シートを得た。この未延伸シートを予熱ロール60℃で予熱し、70℃の延伸ロールで縦方向に3倍延伸し、引き続いて80℃のテンター内で横方向に4倍延伸した後、横方向のリラックス率を5%として125℃で熱処理し、厚み25μmの二軸延伸フィルムを作成し、実施例1と同様にして粘着テープを作成した。
【0036】
得られた粘着テープの物性などを表1に示す。
比較例1
ポリ乳酸以外の他の生分解性ポリマーとして、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの代わりに結晶融解熱量が45.6J/gの脂肪族ポリエステル(昭和高分子社製、ビオノーレ#3001)を用いた。そしてそれ以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た。
得られた粘着テープの物性などを表1に示す。
【0037】
比較例2
D体含有率が1%であるポリ乳酸と、結晶融解熱量が47.9J/gのポリエステルカーボネート(三菱瓦斯化学社製、ユーペック550)とを用いた。このポリ乳酸90質量%とポリエステルカーボネート10質量%とを配合して、逐次二軸延伸を行う際の延伸倍率を縦方向に3倍、横方向に3.5倍とした。そしてそれ以外は実施例2と同様にして粘着テープを作成した。
【0038】
得られた粘着テープの物性などを表1に示す。実施例1〜2は、比較例1〜2に比べ、粘着テープを構成する基材フィルムにおいて、いずれもポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとが本発明の範囲内で配合されていたため、機械的強力に優れ、引裂直線性と手切れ性とに優れた粘着テープが得られた。
【0039】
比較例3
D体含有率が1%であるポリ乳酸のみを用い、溶融温度230℃でTダイより押出し、25℃のキャストロールに密着させて、未延伸シートを得た。この未延伸シートを80℃のテンター内で縦方向に3倍、横方向に3倍に同時二軸延伸した後、125℃で熱処理し、厚み25μmの二軸延伸フィルムを得た。そしてそれ以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た。
【0040】
得られた粘着テープの物性などを表1に示す。
比較例4
D体含有率が4%であるポリ乳酸の配合割合を本発明の範囲よりも多く98質量%とし、結晶融解熱量が19.5J/gの脂肪族−芳香族共重合ポリエステル(BASF社製、エコフレックスF)の配合割合を2質量%として、溶融温度を225℃とした。また、逐次二軸延伸を行う際の延伸倍率を縦方向に3.5倍、横方向に3倍とした。そしてそれ以外は実施例2と同様にして二軸延伸フィルムを作成し、粘着テープを得た。
【0041】
得られた粘着テープの物性などを表1に示す。
比較例5
D体含有率が4%であるポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポリマーズ社製)の配合割合を本発明の範囲よりも少なく50質量%とし、結晶融解熱量が19.5J/gの脂肪族−芳香族共重合ポリエステル(BASF社製、エコフレックスF)の配合割合を50質量%とした。そしてそれ以外は実施例2と同様にして二軸延伸フィルムを作成しようとしたが、ブロッキングが発生してフィルムを作成できなかった。
【0042】
比較例3は粘着テープを構成する基材フィルムがポリ乳酸のみからなるものであり、比較例4はポリ乳酸の配合割合を本発明の範囲よりも多かったため、得られた粘着テープは引裂直線性や手切れ性に劣るものであった。比較例5は、粘着テープを構成する基材フィルムにおいて、ポリ乳酸の配合割合が本発明の範囲よりも少なかったため、基材フィルムを作成することができなかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の割合で配合されたポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとを含むフィルムにて基材フィルムを構成することで、ポリ乳酸系重合体中に脂肪族−芳香族共重合ポリエステルが相分離した形態で島状に微細に分散して、引裂直線性や手切れ性に優れた基材フィルムが得られる。また、ポリ乳酸系重合体を主成分とすることで、機械的特性や耐熱性に優れた基材フィルムとなり、廃棄処理を良好に行える。
【0044】
従って、この基材フィルムを用いてなる粘着テープは、生分解性を有し、機械的特性や耐熱性に優れると共に、引裂直線性や手切れ性に優れたものとなる。

Claims (2)

  1. 基材フィルムと前記基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着層とを有する粘着テープであって、前記基材フィルムは、ポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとを含むフィルムであり、ポリ乳酸系重合体と脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの配合割合が、(ポリ乳酸系重合体)/(脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/5〜60/40(質量%)の範囲であることを特徴とする粘着テープ。
  2. 生分解性ポリマーの結晶融解熱量が40J/g以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
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