JP2003301152A - 粘着テープ - Google Patents

粘着テープ

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JP2003301152A
JP2003301152A JP2002108631A JP2002108631A JP2003301152A JP 2003301152 A JP2003301152 A JP 2003301152A JP 2002108631 A JP2002108631 A JP 2002108631A JP 2002108631 A JP2002108631 A JP 2002108631A JP 2003301152 A JP2003301152 A JP 2003301152A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性を有し、引裂直線性に優れるととも
に良好な手切れ性を有する粘着テープを提供する。 【解決手段】 基材フィルムと前記基材フィルムの少な
くとも一方の面に形成された粘着層とを有する粘着テー
プである。基材フィルムは、ポリ乳酸系重合体と前記ポ
リ乳酸系重合体以外の他の生分解性ポリマーとを含むフ
ィルムであり、ポリ乳酸系重合体と他の生分解性ポリマ
ーとの配合割合が、(ポリ乳酸系重合体)/(他の生分
解性ポリマー)=95/5〜60/40(質量%)の範
囲である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着テープに関す
るものであり、さらに詳しくは、生分解性を有し、直線
引裂性や手切れ性に優れた粘着テープに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、基材フィルムとこの基材フィ
ルムの少なくとも一方の面に形成された粘着層とを有す
る粘着テープが、広く用いられている。基材フィルムと
しては、セロハン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート等のプラスチックフィルムが知られている。
しかし、セロハンは耐湿性に乏しいためその利用分野が
限られるという問題がある。また、ポリプロピレンやポ
リエチレンテレフタレートフィルム等は耐湿性は有する
ものの、自然環境下では生分解又は加水分解しないかま
たは分解速度が極めて遅いために、その廃棄処分に問題
がある。例えば、埋設処理した場合には土中に残存した
り、自然環境中に投棄した場合は景観を損ねたり生物の
生活環境を破壊することがあり、焼却処理した場合でも
有害なガスを生じたり、焼却炉を劣化させたりするとい
う問題がある。
【0003】このような問題を解決するために、特開平
9−125016号公報や特開2000−313857
号公報には、生分解性を有する樹脂を主成分とする樹脂
にて基材フィルムを形成した粘着テープが、特開200
0−281984号公報には、生分解性を有する脂肪族
ポリエステルからなる二軸延伸フィルムを基材フィルム
とする粘着テープが、それぞれ開示されている。
【0004】ところで粘着テープは、帯状のテープから
所望の長さが得られるようにテープを幅方向に手で切り
とって使用するのが一般的である。そのため、粘着テー
プには、テープを直線的に引き裂くことができる「引裂
直線性」と、粘着テープを手で容易に引き裂くことがで
きるいわゆる「手切れ性」とを有することが要求され
る。上記従来の粘着テープは、いずれも基材フィルムが
生分解性を有する樹脂にて形成されているため廃棄処理
の問題は解決できるものの、引裂直線性や手切れ性の点
では未だ十分であるとはいえず、さらなる引裂直線性お
よび手切れ性の向上が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
解決し、生分解性を有し、引裂直線性に優れるとともに
良好な手切れ性を有する粘着テープを提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、本発明に至ったもの
である。すなわち本発明は、基材フィルムと前記基材フ
ィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着層とを有
する粘着テープであって、前記基材フィルムは、ポリ乳
酸系重合体と前記ポリ乳酸系重合体以外の他の生分解性
ポリマーとを含むフィルムであり、ポリ乳酸系重合体と
他の生分解性ポリマーとの配合割合が、(ポリ乳酸系重
合体)/(他の生分解性ポリマー)=95/5〜60/
40(質量%)の範囲であることを特徴とする粘着テー
プを要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の粘着テープは、基材フィルムとこの基材
フィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着層とを
有するものであり、基材フィルムは、ポリ乳酸系重合体
を主成分とし、このポリ乳酸系重合体とポリ乳酸系重合
体以外の他の生分解性ポリマーとが特定の割合で配合さ
れた樹脂からなる必要がある。このように、ポリ乳酸系
重合体を主成分とすることで、機械的強力と耐熱性に優
れたフィルムが得られる。また、ポリ乳酸系重合体とポ
リ乳酸系重合体以外の他の生分解性ポリマーとでは結晶
性が異なるため、ポリ乳酸系重合体とポリ乳酸系重合体
以外の他の生分解性ポリマーとを特定の割合で配合した
樹脂をフィルム化する際に、ポリ乳酸系重合体中に他の
生分解性ポリマーが相分離した形態で島状に微細に分散
するようになる。その結果、得られたフィルムは、直線
引裂性や手切れ性に優れたものとなる。なお、ポリ乳酸
系重合体と他の生分解性ポリマーとの間には、製膜安定
性のために適度な相溶性も必要である。
【0008】ポリ乳酸系重合体と他の生分解性ポリマー
との配合割合は、(ポリ乳酸系重合体)/(他の生分解
性ポリマー)=95/5〜60/40(質量%)の範囲
である必要がある。ポリ乳酸系重合体の配合割合が95
質量%を越えると、フィルムの直線引裂性や手切れ性が
低下する傾向にある。また、ポリ乳酸系重合体の配合割
合が60質量%未満であると、機械的強力や寸法安定性
や耐熱性や透明性等が低下する傾向にあり、また、ブロ
ッキングが発生しやすくなって操業性が低下する。従っ
て、ポリ乳酸系重合体と他の生分解性ポリマーとの配合
割合は、(ポリ乳酸系重合体)/(他の生分解性ポリマ
ー)=90/10〜70/30(質量%)であることが
好ましく、(ポリ乳酸系重合体)/(他の生分解性ポリ
マー)=85/15〜75/25(質量%)であること
がさらに好ましい。
【0009】また、本発明におけるポリ乳酸系重合体以
外の他の生分解性ポリマーは、その結晶融解熱量が40
J/g以下であることが好ましく、引裂直線性や手切れ
性を考慮すると、生分解性ポリマーの結晶融解熱量は2
5J/g以下であることがより好ましい。結晶融解熱量
は、結晶性の指標となるものであり、他の生分解性ポリ
マーが結晶融解熱量を有するとは、生分解性ポリマーが
結晶性を有し、さらに融点および結晶融解ピークを有す
るということである。このように結晶融解熱量が40J
/g以下である生分解性ポリマーを用いると、引裂直線
性や手切れ性の一層の向上が図れる。
【0010】本発明におけるポリ乳酸系重合体として
は、主成分として乳酸成分を有するものであればよく、
ポリ乳酸、乳酸またはラクチドと他のヒドロキシカルボ
ン酸、ジカルボン酸、ジオール、環状ラクトン等との共
重合体あるいはブレンド体が挙げられる。乳酸として
は、L−乳酸、D−乳酸が、ヒドロキシカルボン酸とし
ては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草
酸、ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。ジカルボン
酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸や、コハク酸、セ
バシン酸、アジピン酸、マロン酸等の脂肪族ジカルボン
酸が挙げられる。ジオールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ブタ
ンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネ
オペンチルグリコール等の脂肪族ジオールや、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチ
レングリコール等のポリエ−テルポリオールや、ビス−
ヒドロキシメチルベンゼン、トルエンジオール等の芳香
族ジオールが挙げられる。環状ラクトンとしては、カプ
ロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ブチ
ロラクトン、ピバロラクトン、グリコリド等が挙げられ
る。
【0011】これらのポリ乳酸系重合体には、生分解性
に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、
エーテル結合等を導入することができる。ポリ乳酸系重
合体の数平均分子量は5〜30万であることが好まし
く、より好ましくは8〜15万である。数平均分子量が
5万よりも小さいと基材フィルムの機械的強力が不十分
となり、また、基材フィルム製造時の延伸、巻取工程中
での切断が起こりやすくなり操業性の低下を招く。一
方、数平均分子量が30万を超えると加熱溶融時の流動
性が乏しくなって製膜性が低下する。
【0012】ポリ乳酸系重合体を合成するための重合方
法は特に限定されるものではないが、縮合重合法、開環
重合法などが挙げられる。また、ポリ乳酸の重合時もし
くは重合直後に、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエス
テル、脂肪族−芳香族ポリエステル、グリコリド、カプ
ロラクトン等のから選ばれる1種以上の副成分を加え、
重合をさらに進める方法も可能である。また、分子量を
増大するために少量の鎖延長剤、例えばジイソシアネー
ト化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを添加しても
よい。
【0013】本発明における上記ポリ乳酸系重合体以外
の他の生分解性ポリマーとしては、脂肪族ポリエステ
ル、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、ポリエステル
カーボネートから選ばれる少なくとも1種以上のポリマ
ーが好適に使用できる。これらの生分解性ポリマーの重
合方法についても、特に限定されるものではない。ま
た、重合のどの段階でもかまわないが、分子量増大を目
的として、少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート
化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを添加してもよ
い。
【0014】脂肪族ポリエステルとしては、L−乳酸ま
たはD−乳酸以外のヒドロキシカルボン酸、ラクチド以
外の環状ラクトンの重合体や共重合体およびそれらの混
合物、例えば、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシブチ
レート、ポリヒドロキシバリレート、ポリヒドロキシブ
チレートバリレート、ポリカプロラクトン等が挙げられ
る。また、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを主成
分とする重合体や共重合体およびそれらの混合物、例え
ば、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネー
ト、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンアジペー
ト、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネ
ートアジペート等が挙げられる。中でも、ポリカプロラ
クトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサク
シネートアジペートが好適に用いられる。
【0015】脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとして
は、脂肪族成分と芳香族成分とを有するポリエステルで
あればよく、例えば、L−乳酸またはD−乳酸以外のヒ
ドロキシカルボン酸類、ラクチド以外の環状ラクトン
類、ジカルボン酸類、ジオール類、環状酸無水物類、オ
キシラン類を成分とし、脂肪族成分と芳香族成分を有す
る共重合体等が挙げられ、中でも、脂肪族成分としてコ
ハク酸やアジピン酸、エチレングリコールや1,4−ブ
タンジオールを、芳香族成分としてテレフタル酸やイソ
フタル酸を有する共重合ポリエステルであることが好ま
しい。また、これらには、生分解性に影響を与えない範
囲で、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合等を導
入することができる。
【0016】ポリエステルカーボネートとしては、ジオ
ールとジカルボン酸又はそのアルキルエステルあるいは
ジオールと炭酸ジエステルを反応させることにより得ら
れるものを用いることができる。炭酸ジエステルとして
は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
プロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェ
ニルカーボネート、ビスクロロフェニルカーボネート等
が挙げられる。中でも、ジオールとして1,4−ブタン
ジオール、ジカルボン酸としてコハク酸又はアジピン
酸、炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネートを有
するものが好ましい。
【0017】本発明の粘着テープを構成する基材フィル
ムには、その特性を損なわない範囲において、可塑剤、
滑剤、無機フィラー、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶
核剤、顔料、酸化防止剤等の添加剤、改質剤、あるいは
他の高分子材料等を添加またはコートすることができ
る。
【0018】また、基材フィルムの少なくとも一方の面
には粘着層が形成されるが、基材フィルムと粘着層との
密着性を高めるために、基材フィルムの粘着層形成面に
は、コロナ放電処理、プラズマ処理、サンドプラスト処
理等の表面処理を行ってもよい。
【0019】本発明の粘着層を形成する粘着剤として
は、天然ゴム、合成ゴム、ニトリルゴム、SBRゴム等
のゴム系粘着剤、シリコーン系、ウレタン系、アクリル
系、エポキシ系、メラミン系、フェノール系、酢酸ビニ
ル系樹脂を主成分とする合成樹脂粘着剤等が挙げられ
る。生分解性の観点からは、天然ゴムや合成ゴム等が好
ましい。これらの粘着剤には、必要に応じて、架橋剤、
有機溶剤、界面活性剤、充填剤、着色剤等を添加しても
良い。
【0020】また、本発明における粘着テープの厚みは
特に限定されるものではなく、その用途や要求性能や価
格等によって適宜設定すればよい。通常は、基材フィル
ムの厚みは10〜100μm程度であり、20〜70μ
m程度であることがより好ましい。また、粘着層の厚み
はあまりに薄いと粘着性に劣り、その厚みが厚すぎると
直線引裂性や手切れ性に劣るため、その厚みは5〜10
0μmの範囲であることが好ましく、10〜50μmの
範囲であることがより好ましい。
【0021】以下に本発明の粘着テープの製造方法につ
いて、一例を挙げて説明する。まず、粘着テープの基材
フィルムを製造する。原料を十分に乾燥し水分を除去し
た後、ポリ乳酸系重合体と他の生分解性ポリマーとを所
定量だけ配合して、混合する。混合方法としては、リボ
ンブレンダーやタンブラー等で混合するか、押出機を用
いてあらかじめ加熱溶融混練してもよい。
【0022】混合物をフィルム化する方法は特に限定さ
れるものではなく、Tダイ法、インフレーション法、カ
レンダー法などが挙げられるが、中でもTダイ法が好ま
しい。Tダイ法によりフィルム化する場合には、ポリ乳
酸系重合体、他の生分解性ポリマー、さらには必要に応
じて添加剤等を適宜混合したものを押出機のホッパーに
供給し、組成に適した溶融温度140℃〜260℃で溶
融混練して押出機より所定の厚みに押出し、20〜60
℃に制御された冷却ロールにて冷却し、厚さ50〜50
0μmの未延伸シートを作成する。
【0023】得られた未延伸シートには、延伸処理が施
される。延伸方法は特に限定されるものではなく、一軸
延伸法でも二軸延伸法のいずれでもよい。二軸延伸の方
法は特に限定されるものではなく、テンター方式による
同時二軸延伸法や、ロールとテンターによる逐次二軸延
伸法などが適用できる。例えば、逐次二軸延伸法により
製造する場合には、まず未延伸シートを駆動ロールの回
転速度比によってMD方向に延伸温度50℃〜100
℃、延伸倍率1.5〜5.0倍で延伸し、引き続き連続
してTD方向に延伸温度50℃〜110℃、延伸倍率
1.5〜8.0倍に延伸し、次に温度70℃〜170℃
で熱処理することにより二軸延伸フィルムを製造するこ
とができる。
【0024】本発明の粘着テープの基材フィルムを製造
するためには、MD方向のTD方向に対する延伸倍率の
比(MD/TD)を0.5〜2.0倍とすることが好ま
しい。MD方向のTD方向に対する延伸倍率の比(MD
/TD)が0.5未満であると、フィルムのMD方向の
配向が不十分となり、また延伸倍率の比(MD/TD)
が2.0倍を超えるとTD方向の配向が不十分となっ
て、上記の性能が低下する傾向にある。従って、フィル
ムのMD方向とTD方向の両方向の機械的強力に優れ、
さらに加えて良好な手切れ性を有する基材フィルムを安
定して製造するためには、上記の延伸倍率比とすること
が好ましい。また、上述のように粘着テープを使用する
際にテープを幅方向に引き裂くことが一般的であること
を考慮すると、延伸倍率が高い方がテープの幅方向の直
線引裂性が良好となるため好ましい。具体的には、MD
方向のTD方向に対する延伸倍率の比(MD/TD)が
1以下であることがさらに好ましい。
【0025】延伸処理後の延伸フィルムの熱処理方法は
特に限定されるものではないが、熱風を吹き付ける方
法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法
等が挙げられる。均一に精度よく加熱できる点からは、
フィルムに熱風を吹き付ける方法が好ましい。また、延
伸フィルムには、70℃〜170℃の温度範囲で3秒以
上熱処理することが好ましい。
【0026】上記のように作成された基材フィルムの少
なくとも一方の面に粘着層が形成されて本発明の粘着テ
ープが得られる。粘着層は、フィルム基材に粘着剤を積
層、塗布することにより得られる。この方法は特に限定
されないが、溶液法、熱カレンダー法等が挙げられる。
例えば、溶液法では、粘着剤を石油系溶剤、酢酸エチ
ル、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に溶解
し、粘着剤を塗布したセパレーター(剥離紙)を用いる
反転塗工やナイフコーター、ロールコーター、グラビア
コーター等により直接塗工するダイレクト塗工により、
積層、塗布し、次いで赤外線、熱風、蒸気などにより乾
燥して、粘着加工を行う。あるいは、ラミネート加工、
あるいはコーティング加工等により接着層を設けても良
い。また、上記のように基材フィルムと粘着層とを別々
に形成する代りに、基材フィルムと粘着層とを共押出に
よって同時に作成しても良い。
【0027】得られた粘着テープは、生分解性を有し、
機械的強力や耐熱性に優れ、引裂直線性や手切れ性にも
優れたものであるため、各種の分野で好適に使用でき
る。
【0028】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物
性値の測定は以下の方法により実施した。 (1)結晶融解熱量(J/g):パーキンエルマー社製
の示差走査型熱量計DSC−7を用い、試料質量を7m
g、昇温速度を20℃/分として測定し、得られた融解
吸熱曲線の吸熱ピークの面積を結晶融解熱量とした。 (2)粘着テープの引張強度(MPa)および引張伸度
(%):JIS K−7127に記載の方法に準じて、
試料長100mm、幅10mmの試料を用いて測定を行
った。 (3)引裂直線性:幅50mmの粘着テープの一方の側
部にテープの幅方向の長さが5mmの切り込みを入れ
て、この切り込みをきっかけにしてテープを幅方向に手
で引き裂いた。そして、前記切り込みから他方の側部に
向かうテープ幅方向の仮想線からの実際の引き裂きの終
点部のずれが左右3mm以内であった回数が10回中8
回以上あった場合を◎、6〜7回あった場合を○、5回
以下であった場合を×とした。 (4)手切れ性:幅50mmの粘着テープの任意の位置
を一方の側部から他方の側部に向かって手で引き裂い
た。そして、10人のモニタ中6人以上がテープを容易
に手で裂けたと判断した場合を○、5人以下であった場
合を×で評価した。 実施例1 D体含有率が4%であるポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポ
リマーズ社製)80質量%と、結晶融解熱量が19.5
J/gである脂肪族−芳香族共重合ポリエステル(BA
SF社製、エコフレックスF)20質量%とを用い、溶
融温度225℃でTダイから押出し、25℃のキャスト
ロールに密着させて、未延伸シートを得た。得られた未
延伸シートを80℃のテンター内で縦方向に3倍、横方
向に3倍に同時二軸延伸した後、125℃で熱処理し、
厚み25μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0029】この二軸延伸フィルムを基材フィルムとし
て、このフィルムの片面に、天然ゴム6重量部と天然ロ
ジン4重量部とトルエン90重量部とからなる粘着剤溶
液を塗布して80℃の熱風炉で乾燥し、厚さ30μmの
粘着層を形成した。その後、粘着層を形成したフィルム
を幅50mmにスリットして、粘着テープを得た。
【0030】得られた粘着テープの物性などを表1に示
す。
【0031】
【表1】 実施例2 ポリ乳酸以外の他の生分解性ポリマーとして、脂肪族−
芳香族共重合ポリエステルの代わりに結晶融解熱量が4
5.6J/gの脂肪族ポリエステル(昭和高分子社製、
ビオノーレ#3001)を用いた。そしてそれ以外は実
施例1と同様にして粘着テープを得た。
【0032】得られた粘着テープの物性などを表1に示
す。 実施例3 ポリ乳酸としてD体含有率が1%であるポリ乳酸(カー
ギル・ダウ・ポリマーズ社製)を用い、ポリ乳酸以外の
他の生分解性ポリマーとして、結晶融解熱量が18.5
J/gの脂肪族−芳香族共重合ポリエステル(イースト
マンケミカル社製、イースターバイオ GP コポリエ
ステル)を用いた。そしてこのポリ乳酸70質量%と脂
肪族−芳香族共重合ポリエステル30質量%とを配合し
て、溶融温度を230℃として、25℃のキャストロー
ルに密着させて、未延伸シートを得た。この未延伸シー
トを予熱ロール60℃で予熱し、70℃の延伸ロールで
縦方向に3倍延伸し、引き続いて80℃のテンター内で
横方向に4倍延伸した後、横方向のリラックス率を5%
として125℃で熱処理し、厚み25μmの二軸延伸フ
ィルムを作成し、実施例1と同様にして粘着テープを作
成した。
【0033】得られた粘着テープの物性などを表1に示
す。 実施例4 D体含有率が1%であるポリ乳酸と、結晶融解熱量が4
7.9J/gのポリエステルカーボネート(三菱瓦斯化
学社製、ユーペック550)とを用いた。このポリ乳酸
90質量%とポリエステルカーボネート10質量%とを
配合して、逐次二軸延伸を行う際の延伸倍率を縦方向に
3倍、横方向に3.5倍とした。そしてそれ以外は実施
例3と同様にして粘着テープを作成した。
【0034】得られた粘着テープの物性などを表1に示
す。実施例1〜4は、粘着テープを構成する基材フィル
ムにおいて、いずれもポリ乳酸系重合体と他の生分解性
ポリマーとが本発明の範囲内で配合されていたため、機
械的強力に優れ、引裂直線性と手切れ性とに優れた粘着
テープが得られた。特に、実施例1と実施例3は、他の
生分解性ポリマーの結晶融解熱量が本発明において特に
好ましい範囲である40J/g以下であったため、より
一層優れた引裂直線性を有する粘着テープが得られた。 比較例1 D体含有率が1%であるポリ乳酸のみを用い、溶融温度
230℃でTダイより押出し、25℃のキャストロール
に密着させて、未延伸シートを得た。この未延伸シート
を80℃のテンター内で縦方向に3倍、横方向に3倍に
同時二軸延伸した後、125℃で熱処理し、厚み25μ
mの二軸延伸フィルムを得た。そしてそれ以外は実施例
1と同様にして粘着テープを得た。
【0035】得られた粘着テープの物性などを表1に示
す。 比較例2 D体含有率が4%であるポリ乳酸の配合割合を本発明の
範囲よりも多く98質量%とし、結晶融解熱量が19.
5J/gの脂肪族−芳香族共重合ポリエステル(BAS
F社製、エコフレックスF)の配合割合を2質量%とし
て、溶融温度を225℃とした。また、逐次二軸延伸を
行う際の延伸倍率を縦方向に3.5倍、横方向に3倍と
した。そしてそれ以外は実施例3と同様にして二軸延伸
フィルムを作成し、粘着テープを得た。
【0036】得られた粘着テープの物性などを表1に示
す。 比較例3 D体含有率が4%であるポリ乳酸(カーギル・ダウ・ポ
リマーズ社製)の配合割合を本発明の範囲よりも少なく
50質量%とし、結晶融解熱量が19.5J/gの脂肪
族−芳香族共重合ポリエステル(BASF社製、エコフ
レックスF)の配合割合を50質量%とした。そしてそ
れ以外は実施例3と同様にして二軸延伸フィルムを作成
しようとしたが、ブロッキングが発生してフィルムを作
成できなかった。
【0037】比較例1は粘着テープを構成する基材フィ
ルムがポリ乳酸のみからなるものであり、比較例2はポ
リ乳酸の配合割合を本発明の範囲よりも多かったため、
得られた粘着テープは引裂直線性や手切れ性に劣るもの
であった。比較例3は、粘着テープを構成する基材フィ
ルムにおいて、ポリ乳酸の配合割合が本発明の範囲より
も少なかったため、基材フィルムを作成することができ
なかった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、特定の割合で配合され
たポリ乳酸系重合体とこのポリ乳酸系重合体以外の他の
生分解性ポリマーとを含むフィルムにて基材フィルムを
構成することで、ポリ乳酸系重合体中に他の生分解性ポ
リマーが相分離した形態で島状に微細に分散して、引裂
直線性や手切れ性に優れた基材フィルムが得られる。ま
た、ポリ乳酸系重合体を主成分とすることで、機械的特
性や耐熱性に優れた基材フィルムとなり、廃棄処理を良
好に行える。
【0039】従って、この基材フィルムを用いてなる粘
着テープは、生分解性を有し、機械的特性や耐熱性に優
れると共に、引裂直線性や手切れ性に優れたものとな
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK41A AK42A AK45A AL01A AL05A AN01 AT00A BA02 CB05B EH46 EJ38 JA04A JC00A JJ03 JK01 JK02 JL13 YY00A 4J004 AA04 AA05 AA09 AA10 AA11 AA12 AA13 AA14 AB01 CA06 CC02 4J040 CA011 CA071 CA081 DE021 DF041 EB031 EB131 EC001 EF001 EK031 JA09 JB09 LA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムと前記基材フィルムの少な
    くとも一方の面に形成された粘着層とを有する粘着テー
    プであって、前記基材フィルムは、ポリ乳酸系重合体と
    前記ポリ乳酸系重合体以外の他の生分解性ポリマーとを
    含むフィルムであり、ポリ乳酸系重合体と他の生分解性
    ポリマーとの配合割合が、(ポリ乳酸系重合体)/(他
    の生分解性ポリマー)=95/5〜60/40(質量
    %)の範囲であることを特徴とする粘着テープ。
  2. 【請求項2】 生分解性ポリマーが、脂肪族ポリエステ
    ル、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル、ポリエステル
    カーボネートから選ばれる少なくとも1種以上のポリマ
    ーであることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
  3. 【請求項3】 生分解性ポリマーの結晶融解熱量が40
    J/g以下であることを特徴とする請求項1または2記
    載の粘着テープ。
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