JP3280927B2 - 分解性記録シートおよび記録カード - Google Patents
分解性記録シートおよび記録カードInfo
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Description
および記録カードに関する。
重合体からなるシートは、これまでのポリオレフィン
類、ポリスチレン、芳香族ポリエステルまたは塩ビ等に
代わり、ネームプレートやカード類、さらにはシートか
らの熱成形品等に使用され始めている。なかでも脂肪族
ポリエステルは、生分解した後、無毒で安全な低分子量
になることから、特に研究が盛んである。
ラクトン類を開環重合したポリエステル、合成系脂肪族
ポリエステル、菌体内で生合成されるポリエステル、脂
肪族多官能アルコールと脂肪族多官能カルボン酸を縮合
して得られるポリエステル等ガ挙げられる。さらにオキ
シカルボン酸類を直接、または間接的に重合して得られ
るポリグリコール酸やポリ乳酸がある。
て得られるポリエステルとして、ポリ−ε−カプロラク
トン、ポリ−δ−バレロラクトン、ポリ−β−メチル−
δ−バレロラクトン等が挙げられる。合成系脂肪族ポリ
エステルとしては、環状酸無水物とオキシラン類、例え
ば、無水コハク酸とエチレンオキサイド等との共重合体
等が挙げられる。菌体内で生合成されるポリエステルと
しては、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブ
チレート/バリレート等が挙げられる。また、脂肪族多
官能アルコールと脂肪族多官能カルボン酸を縮合して得
られるポリエステルとしては、コハク酸またはアジピン
酸、あるいはこれら両者からなるジカルボン酸成分と、
エチレングリコールまたはブタンジオール、あるいはこ
れら両者からなるジオール成分を主な構造単位とする脂
肪族ポリエステルが代表的に挙げられる。さらに異なる
ポリエステルとして、酸成分としてスベリン酸、セバシ
ン酸、ドデカン二酸等の化合物、または、これらの無水
物や誘導体を縮合して得られるポリエステル、アルコー
ル成分に、ヘキサンジオール、オクタンジオール、シク
ロヘキサンジメタノール等の化合物、およびこれらの誘
導体を縮合して得られるポリエステル、また、溶融粘度
向上のためポリマー中に分岐を設ける目的で、3官能以
上のカルボン酸、あるいはヒドロキシカルボン酸を極少
量共重合して得られるポリエステル等が挙げられる。
ラス転移点が低く、室温以下で、柔軟性が高く、シート
としては剛性にやや欠ける。したがって、上記用途に用
いる場合、シートを厚くしたり、無機充填剤等を混合し
てシートの腰を上げる工夫がなさられることが少なくな
い。
し、ガラス転移点が室温以上にあるポリ乳酸は剛性に富
み、厚みを比較的薄くしても十分な腰を持ち、ポリスチ
レンや芳香族ポリエステル、塩ビからなるシートに劣る
ことはない。しかし、ポリ乳酸は、延伸・配向していな
い限りにおいて、単体では非常に脆く、わずかな衝撃に
おいても割れ・欠けが生じやすい欠点をもつ。
1107号公報等にて開示するように、ポリ乳酸に上記
に代表されるガラス転移点が0℃以下の脂肪族ポリエス
テルを混合することが有効な方法となる。しかし、この
ようにして得た生分解性シートも物性の面では実用性の
高いものであるが、この表面に印刷を行う点では、まだ
まだ問題がある。ポリ乳酸等の表面は極性が低く、これ
までに使用されている汎用樹脂シート(具体的には、ポ
リスチレン製、非晶性ポリエステル製、塩ビ製シート)
用の印刷インキでは十分な密着性が得らず、一旦インキ
はシート上に定着するもの、容易に剥離してしまうこと
がる。
ー等をこのポリ乳酸/脂肪族ポリエステルシート上に密
着するものを選定して、あらたにインキを配合すること
もできるが、現在の印刷色は何十〜何百色にもおよび、
これらをいちいち配合し直すことは労力と時間を要して
しまう。また、シートの表面をより極性の高い状態す
る、表面処理を行うことも考えられる。表面の極性を高
める方法には、化学的(薬品)処理、活性ガス処
理、プライマー処理、放電処理等がある。
化、エッチングしてインキ等との親和性を向上させる方
法、 オゾン、プラズマ、紫外線等により表面を酸化、エッ
チングしてインキ等に含まれるバインダーとの親和性を
高める方法、 インキ等に含まれるバインダーと被着材との両方に親
和性のある化合物を塗布し、定着性・密着性の向上をは
かる方法、さらには コロナ処理に代表されるように、放電により空気中に
ラジカル(特に酸素ラジカル)が発生し、これが表面に
衝突して水酸基、カルボニル基等を生成し、極性が増大
し、インキバインダーとの親和性が高められる方法等が
ある。
をシート状に押出し、続けて連続的に処理装置に通し
て、あるいは一旦、巻き取った後に、あるいは所定サイ
ズにカットしたシートを、処理装置に通して処理され
る。しかし、特に、カットしたシートを再度、処理装置
にかけるには手間のかかるものとなる。さらに、これら
の処理装置を揃えるにはそのための作業場とコストがか
かる。
は、これらの処理を行うことなく、インキの密着性・定
着性に優れたシートを得ることにあり、さらにこれらの
シートをカード基材の表面に備えていることで、カード
作製後に、文字・図柄を容易に印刷できるものにするこ
とにある。
た結果、ポリビニルアルコール系重合体の添加により上
記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち本発明の本旨は、ポリ乳酸系重合体とガラ
ス転移点が0℃以下の他の脂肪族ポリエステルが100
/0〜60/40の混合体に、下記一般式(1)で示さ
れるポリビニルアルコール系重合体が上記混合体100
重量部に対し1〜30重量部混合されていることを特徴
とする分解性記録シートに存する。
+n≧150かつ97≧100m/(m+n)≧40を
満たす正数である。]
ては、これはポリ乳酸系重合体とガラス転移点が0℃以
下の脂肪族ポリエステルとの量比が100/0の場合も
含んでいる。すなわち上記の「混合体」とは、「ポリ乳
酸系重合体またはポリ乳酸系重合体とガラス転移点が0
℃以下の他の脂肪族ポリエステルの混合物」を意味す
る。
を、支持体となるコア層の片面または両面に積層してい
ることを特徴とする分解性記録カードが挙げられる。コ
ア層は、カードの厚みを構成するときの主成分となるも
ので、カードの機械的物性を決定づけるものである。通
常コア層とは、両面にオーバー層を設けた場合の中間層
のことをあらわすが、本発明では印刷面となるオーバー
層を貼り合わせる支持層として定義する。
本発明における記録シートとは、シートの表面に文字・
図柄が単に印刷されたものから、同時に磁気テープを貼
り合わせたものや、ICチップを貼り付けたり・埋め込
みんだものも含み、また、感熱記録層を設け、なんらか
の情報を記録させたものも含む。また、これらの印刷や
貼り合わせ加工する前の状態、これら情報記録を入力す
る前の状態でも、これらを目的とする場合には記録シー
トとして扱う。
は、成形方法にもよるが、透明な基材シートを得ること
のできる分解性重合体である。ポリ乳酸の構造単位に
は、2種類の光学異性体のL−乳酸単位とD−乳酸が単
位があり、これら2種の構造単位の割合で結晶性が異な
る。例えば、L−乳酸単位とD−乳酸単位の割合がおお
よそ80:20〜20:80のランダム共重合体では全
く結晶性をもたず、ガラス転移点60℃程度であるが、
180℃以上の融点を有する半結晶性重合体となる。こ
の半結晶性ポリ乳酸は、溶融押出した後、直ちに急冷す
ることで、透明性の優れた非晶性の材料になる。
らに好ましい方法は、ポリ乳酸を1軸延伸もしくは2軸
延伸して分子を配向させた後、熱処理することにある。
これによって、可視光線の波長以上の大きさを持つ球晶
の成長を抑制しながら、結晶化させることができる。従
って、本発明の記録シートも同様の延伸および熱処理を
行うのが好ましい。
のポリ乳酸だけでなく、必要なポリ乳酸の性質を損なわ
ない程度に、他のヒドロキシカルボン酸等を共重合した
ものであってもよい。具体的にはグルコール酸、3−ヒ
ドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉
草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン
酸等が挙げられる。さらに、少量の鎖延長剤、例えば、
ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物等
を使用して分子量を増大したものでもよい。ポリ乳酸系
重合体の重量平均分子量は6万から70万の範囲のもの
が好ましい。この範囲を下回る場合は、実用物性がほと
んど発現されず、上回る場合には、溶融粘度が高すぎ成
形加工性に劣る。
重合法、開環重合等、公知の諸方法を採用することがで
きる。例えば、宿重合法では、L−乳酸、D−乳酸また
はこれらの混合物を、直接脱水宿重合し任意の組成を持
つポリ乳酸を得ることが出来る。また、開環重合法で
は、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて
重合調整剤等を用い、選ばれた触媒の存在下で重合して
ポリ乳酸を得ることが出来る。ラクチドには、L−乳酸
の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体である
D−ラクチド、さらにL−乳酸とD−乳酸からなるDL
−ラクチドがあり、これらを適切な比率で混合して重合
することにより、任意の組成、結晶性を持つポリ乳酸を
得ることが出来る。特に、ポリ乳酸を2軸延伸した後、
熱処理することで透明性を維持しつつ結晶化させ、熱収
縮性を抑制することができる。この場合、その結晶性を
考慮すると、重合体中のL−乳酸単位とD−乳酸単位の
割合が100:0〜90:10もしくは10:90〜
0:100の範囲内であることが特に好ましい。また、
最も好ましくは重合体中のL−乳酸単位とD−乳酸単位
の割合が100:0〜94:6もしくは6:94〜0:
100である。
トは非常に脆く、われ・かけが生じやすい。また、非晶
性のポリ乳酸ではガラス転移点を超えると剛性が極度に
低下する。これに対する方策としては、ポリ乳酸重合体
以外のガラス転移点が0℃以下である生分解性の脂肪族
ポリエステルを混合することがよく、該分解性の脂肪族
ポリエステルの融点が80℃以上であればより好まし
い。すなわち、脆さを改良するためには少なくとも室温
で柔軟な成分が必要であり、またポリ乳酸のガラス転移
点を超えても混合される成分によって剛性の低下を抑え
るためには少なくとも80℃以上の融点を持つものが好
ましい。このような効果を導く材料としては結晶性脂肪
族ポリエステルを挙げることができる。結晶性脂肪族ポ
リエステルとしては、ポリ乳酸の耐衝撃性を向上できる
もの、60℃を超えて剛性を保持するものなら特に制限
はなく、2種類以上混合してもかまわない。通常ガラス
転移点が0℃以下、好ましくは−20℃以下であるもの
が使用される。また、60℃を超えて剛性を保持するに
は融点(流動開始温度)が80℃以上もつもので効果が
ある。
しい重量平均分子量は、5万〜100万、好ましくは7
万〜50万であり、小さすぎると溶融張力が低く、溶融
押出した時のシートが引き取りにくく、大きすぎると溶
融粘度が高すぎ成形加工性に劣る。脂肪族ポリエステル
のガラス転移点および溶融温度は、組成や分子量によっ
ても相違するが、−60〜0℃および80〜170℃程
度である。本発明における脂肪族ポリエステルの具体例
としては、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合
して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開
環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエス
テル、菌体内で生合成される脂肪族ポリエステル等のう
ちガラス転移点が0℃以下のものが挙げられ、好ましく
は脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得ら
れる脂肪族ポリエステルである。
合して得られる脂肪族ポリエステルは、脂肪族ジオール
であるエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール等と、脂肪族ジカ
ルボン酸であるコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セ
バシン酸、ドデカン二酸等の中からそれぞれ1種以上を
選択し、縮合重合して得られる。最も好ましくは1,4
−ブタンジオールとコハク酸またはアジピン酸とを縮合
重合したものである。必要に応じてイソシアネート化合
物でジャンプアップして所望のポリマーを得ることがで
きる。
エステルとしては、環状モノマーであるδ−バレロラク
トン、β−メチル−δ−バレロラクトン等が挙げられ、
これらから1種以上を選択し重合する。
酸無水物とオキシラン類、例えば、無水コハク酸とエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド等との共重合体
等が挙げられる。
としては、アルカリゲネスユートロファスを始めとする
菌体内でアセチルコエンチームA(アセチルCoA)に
より生合成される脂肪族ポリエステルが知られている。
この脂肪族ポリエステルは、主にポリ−β−ヒドロキシ
酪酸(ポリ3HB)であるが、プラスチックとしての実
用特性向上のために、吉草酸ユニット(HV)を共重合
し、ポリ(3HB−co−3HV)の共重合体にするこ
とが工業的に有利である。HV共重合体は一般的に0〜
40%である。さらに長鎖のヒドロキシアルカノエート
を共重合してもよい。
系重合体60〜100重量%、好ましくは70〜90重
量%、特に好ましくは70〜80重量%およびガラス転
移点が0℃以下の脂肪族ポリエステル40〜0重量%、
好ましくは30〜10重量%、特に好ましくは30〜2
0重量%からなる。ポリ乳酸系重合体が少なすぎると透
明性が不十分である。さらにポリ乳酸を部分を結晶化さ
せるとより透明性が損なわれるので、上記の範囲内で脂
肪族ポリエステルの割合は少ないほど好ましい。
乳酸系重合体またはポリ乳酸系重合体とガラス転移点が
0℃以下の他の脂肪族ポリエステルの混合物に、インキ
に含まれるバインダーとの親和性を高める高分子化合物
成分を混合することでシートにしたときのインキの密着
性・定着性を向上させることができる。選択される高分
子化合物としては、多糖類のヒアルロン酸、アガロー
ス、たんぱく質類のコラーゲン等の天然高分子化合物が
挙げられる。また、天然化合物として、でんぷんやセル
ロースに、アクリルニトリル、アクリル酸、ビニルスル
ホン酸、アクリルアミド等をグラフト重合したもの等が
挙げられる。合成高分子化合物としては、ポリアミド系
重合体、ポリビニルアルコール(酢酸ビニル)系重合
体、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)系重合体、ア
クリル系重合体、ポリエーテル系重合体、さらには無水
マレイン酸系重合体等が挙げられる。
のとして、ポリビニルアルコール(酢酸ビニル)系重合
体、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)系重合体、ポ
リエーテル系重合体(ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール等)等の極性の高い重合体が挙げら
れ、上記のポリ乳酸系重合体またはポリ乳酸系重合体と
ガラス転移点が0℃以下の他の脂肪族ポリエステルの混
合物と混合が可能である。中でも、最も好ましいのはポ
リビニルアルコール系重合体であり、生分解性を有して
いる。上記高分子化合物の内、天然由来の化合物は、も
ちろん生分解性であるが、ポリ乳酸系重合体およびポリ
乳酸系重合体とガラス転移点が0℃以下の脂肪族ポリエ
ステルとの混合においては、特に用いられる溶融混合装
置における温度域100〜250℃に耐えられず、劣化
しやすい性質があり、押出し成形には向かない。
分子化合物としては、生分解性とともに加熱溶融混合を
考慮する必用があり、下記一般式(1)で示されるポリ
ビニルアルコール系重合体であることが好ましい。
+n≧150かつ97≧100m/(m+n)≧40を
満たす正数である。]
(上記一般式中(1)中、m+n)が、少なくとも15
0であることが好ましいく、特に300以上であること
が好ましい。重合度が低いと、シートにした後、水分等
により表面にしみ出しが生じ易くなり、印刷後のインキ
の脱離も生じる。また、ケン化率、すなわちケン化して
できる水酸基の割合(上記一般式(1)中、100m/
(m+n))は、40〜97%の範囲内であることが好
ましい。これより小さい場合、極性が減少し、インキの
定着性が低下するばかりか、ガラス転移点は室温近く
(おおよそ40℃以下)になり、特にこのポリビニルア
ルコール系重合体が多い範囲では、シート全体の軟化点
を引き下げ、耐熱性をも低下させる。一方、上記一般式
(1)式中のmの割合、すなわち水酸基成分が多いと極
性が増大し、シートへの印刷インキの密着性・定着性が
増大することになる。ただし、水酸基が増加すると分子
内、分子間での水素結合が増加し、ポリビニルアルコー
ル系重合体は結晶化してしまい、ケンカ率が97%を超
える範囲では分解温度よりも高い融点をもつことにな
り、実質溶融押出ししてシートを製造することは不可能
になる。分解温度よりも低い温度で融解するポリビニル
アルコール系重合体において、脂肪族ポリエステルの溶
融押出し温度(これらの融点にもよるが)は、おおよそ
100〜250℃の範囲である。融点からして、より好
ましい水酸基の割合は50〜95%(おおよそ融点14
0〜200℃)の範囲内である。
を、ポリ乳酸系重合体またはポリ乳酸系重合体とガラス
転移点が0℃以下の他の脂肪族ポリエステル混合物に混
合する割合は、これら100重量部に対して1〜30重
量部であり、好ましくは3〜10重量部である。ポリビ
ニルアルコール系重合体が多すぎると、先述したよう
に、特に酢酸ビニル成分の多いポリビニルアルコール系
重合体は、ガラス転移点が室温近くにあり、耐熱性を低
下させる。さらに、シートの剛性を落とし、カードとし
て使用するにあたる腰が不足する。ポリビニルアルコー
ル系重合体が少なすぎると、インキ定着性・密着性を向
上しない。インキ定着性・密着性を向上する効果を得る
ためには、熱分解することなく溶融混合押出しが可能な
範囲でケン化率の高いポリビニルアルコール系重合体を
使用し、かつ耐熱性を低下させないためにも配合する割
合はできるだけ少なくすることが好ましい。
体、ガラス転移点が0℃以下の脂肪族ポリエステル、ポ
リビニルアルコール系重合体以外に、他の重合体、添加
剤成分を含んでいてもよい。他の重合体としては先述し
た多糖類のヒアルロン酸、アガロース、たんぱく質類の
コラーゲン、でんぷんやセルロースなどの天然高分子化
合物等の生分解性材料が挙げられ、その含有量は、溶融
押出性、耐熱性、シートの剛性、さらには必要によって
は透明性を損なわない範囲であれば特に制限はない。添
加剤成分としては滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安
定剤、抗菌剤、各種顔料や着色剤、さらには金属粒子、
無機化合物粒子、結晶核剤等が挙げられる。その添加量
は0.01〜5重量部である。
重合体およびポリビニルアルコール系重合体、またはポ
リ乳酸系重合体、脂肪族ポリエステルおよびポリビニル
アルコール系重合体を、必要に応じ他の重合体または添
加剤成分とともに押出機に投入し、直接シートを作製す
る方法によることもできるし、一旦ストランド状に押出
し切断してペレットとした後、再び押出機に投入してシ
ートを作製する方法によってもよい。溶融押出温度は、
組成物中の重合体の溶融温度および組成を考慮して適宜
選択するが、通常、100〜250℃の範囲内から選ば
れる。
は、回転するキャスティングドラム(冷却ドラム)と接
触させて冷却するのが好ましい。キャスティングドラム
の温度は組成物中の重合体の種類および組成によっても
相違するが、通常、60℃以下が適当である。これより
高い温度ではポリマーがキャスティングドラムに粘着し
て引き取れない。また、シートを延伸する場合には、ポ
リ乳酸部分の結晶化が促進され、球晶が発達しないよ
う、急冷によってポリ乳酸部分を実質上非晶性にしてお
くことが好ましい。
て説明する。先に述べたように、ポリ乳酸の非晶シート
はガラス転移点を超えると急激に剛性が低下し、特に本
質的に結晶化しないポリ乳酸ではそのまま流動しはじめ
る。一方、延伸・熱処理したポリ乳酸シートの利点は、
特開平7−2027041号公報、特開平7−2052
78号公報に記述しているように強度の向上、脆さの改
良、透明性を維持しつつ結晶化させることができるとこ
ろにあり、透明シート用途、特にカードのオーバー層と
して好適である。
方向、横(幅)方向に、それぞれ1.5〜5倍、好まし
くは2〜4倍の範囲で、延伸温度は50〜90℃、好ま
しくは55〜80℃の範囲で適宜選択される。延伸工程
は、シートを周速差のある2個のロール間で延伸するロ
ール延伸、および/または、テンターを用いクリップで
シートを把持しながら、クリップ列の列間隔を拡大させ
て延伸するテンター延伸によって行われる。2軸に延伸
する場合は、同時または逐次延伸法、どちらでも差し支
えない。逐次2軸延伸法による場合は、第1段の延伸後
のシートの面内配向度Δnが、3.0×10−3〜30
×10−3、好ましくは5.0×10−3〜30×10
−3であることが好ましい。この範囲よりも小さいと、
引張強伸度が不十分になり、また大きいと、第2段の延
伸時にシートの破断が起こる等の問題が生じる。
伸後、テンター内で熱固定ができるので有利である。熱
固定は、例えば、ガラス転移点から融点(Tm)の温度
範囲内で3秒以上熱処理することにより、シートの熱収
縮性を制御(抑制)することができる。
らに酸化チタン、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、タル
ク等の無機充填剤を混入し、隠蔽性シートとしとしても
よい。
トの片面あるいは両面に透明なオーバーシート(本願発
明の記録シート)を接着させることもできる。接着方法
は、主に熱融着させる方法と接着剤(特に多いのがホッ
トメルト型)を介する方法とがあり、熱プレスで圧力5
〜40kgf/cm2、温度80℃以上に数分〜数十分
間置かれ、貼り合わされる。なお、コアシートの片面あ
るいは両面にシルク印刷、オフセット印刷等で文字・図
柄を印刷しておくのがよい。
表面に印刷した文字、図柄はオーバー層を通して見える
必要性があるので、オーバー層には透明性が必要とな
り、ポリ乳酸系重合体に混合する脂肪族ポリエステル、
さらにポリビニルアルコール重合体の割合を考慮しなけ
ればならない。
バー層はポリビニルアルコール系重合体を含んでいるの
で、このオーバー層に印刷を行いたい場合には、コロナ
処理等の表面処理を行わずに、容易に印刷できるところ
にある。実際には、スクリーン印刷、オフセット印刷、
熱転写印刷等が用いられ、必要な情報等が書き込まれ
る。
記録層等を設けることもできる。その場合、コア層また
はオーバー層の表面または層間に設けることが好まし
い。また、磁気記録層等を設ける場合は、オーバー層の
表面に、適当な方法で、磁気ストライプを形成したり、
ICを埋め込むことが好ましい。
も相違するが、キャッシュカードやクレジットカードの
場合には、500μm〜900μm程度の厚手のもの
が、また、テレホンカードやプリペイドカードの場合に
は、50〜350μm程度の薄手のものが用いられる。
オーバー層の厚さは、厚手のもので20〜140μm、
薄手のものでも20〜100μm程度が好ましいが、特
に制限はない。
る。実施例中に示す測定、評価は次に示すような条件で
行った。 (1)ポリ乳酸および脂肪族ポリエステルのガラス転移
温度Tg、融点Tmの測定 パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用
いて測定した。試料10mgをセットし、昇温速度10
℃/分で200℃まで昇温し、その温度で2分間保持し
て試料を完全に融解させた。その時の、降温速度10℃
/分で降温した時のDSC曲線に現れる融解の吸熱ピー
ク温度を融点Tmとし、JISK7122に基づいて求
めた。さらに降温を続け、一度−60℃まで下げて2分
間保持し、再度10℃/分で昇温を行い、JISK71
21に基づいて、転移曲線の中間値をガラス転移温度T
gとして求めた。なお、0℃以下の測定を行うための冷
却媒体として、液体窒素を用いた。
3℃、相対湿度50%下で測定を行った。シートを5m
m幅、長さ300mmの短冊状に切り出し、チャック間
250mm、引張速度5mm/minで引張試験を行
い、降伏点強度の1/2の強度とひずみを求めて算出し
た。値が高いほど、剛性に富むシートである。シートの
押出し流れ方向をMD、その垂直方向をTDと表記し
た。
色インキ(東洋インキ製造(株)、商品名NEWLPス
ーパーF523)を用いてシルク印刷方式で図柄・文字
を印刷し、40℃で24時間放置した。ニチバン(株)
製粘着テープ(商品名、セロテープ)を印刷部分に強く
接着させ、次いで印刷面に沿って素早く粘着テープを剥
離し、シート表面上のインクの残り具合を目視観察し
た。インクが残っているものを○、ほとんど残っていな
いものを×と表記した。
500gの鋼球を30cmの高さからその上に落とした
とき、カードに割れ、ひび等を生じない場合は○、生じ
た場合は×と表記した。なお、この試験は、磁気ストラ
イプ付きクレジットカード規格JISX6310に準拠
している。
下(溶剤除去・エージング)でのシートの外観・寸法変
化について調べた。特に変化のないものを○、平面性が
損なわれるものを×と表記した。
字・図柄が、カードにした後、オーバー層を通して鮮明
に見えるか目視観察した。鮮明に見えるものを○、やや
くもりがちにみえるものを△、鮮明にみえないものを×
と表記した。
して行った。すなわち、日当たりが良く、やや水はけの
悪い草地を10cm掘り起こし、次いで、掘り起こした
土を1cmのふるいにかけながら、掘り起こしたところ
の深さ5cmになるまで戻した。その上にサンプルを置
き、再度ふるいにかけながら土を戻してサンプルが完全
に埋まるようにした。サンプルの大きさは、30mm×
120mmで、厚みが100μmの場合、約450mg
となる。1年間放置した後、サンプルを取り出し、外観
観察した。崩壊が進行しているものを○、崩壊していな
いものを×と表記した。
取り出し、100mlのクロロホルムにて十分溶解さ
せ、平均孔径約0.5μmテトラフルオロエチレン製ポ
アフィルターで2回ろ過し、不溶成分を除去した。この
クロロホルム100mlと蒸留水100mlを分液ロー
とに入れ、水溶性成分を蒸留水に抽出した。この水溶液
の水分を加熱乾燥して、水溶性成分を抽出した。この成
分の分子量測定を行い、試験前との比較を行い、分子量
低下(保持率90%以下)が見られるものを○、見られ
ないものを×と表記した。分子量測定は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーHLC−8120GPC
(東ソー(株)社製)を用い、標準ポリスチレンと分子
量を比較して求めた。測定条件は以下の通りである。
島津製作所社製) 溶媒:クロロホルム サンプル溶液濃度:0.2wt/vol% サンプル溶液注入量:200μl 溶媒流速:1.0ml/分 ポンプ・カラム・検出温度:40℃
コール共重合体)を使用したものについては、試験後の
サンプル50mgをクロロホルム中に溶解させ、不溶成
分を取り出した。クロロホルムで3回デカンテーション
し、減圧乾燥して不溶成分の重量を測定した。このと
き、仕込み量に対して不溶成分の重量比が、試験前の不
溶成分の重量比と同等もしくわ上回っている場合は分解
による重量減少がないことを表わす。重量減少のあるも
のを○、ないものを×と表記した。
のあるものを×、それ以外のものを○と記した。×と記
されたものは実用性の低いものであり、○のものは実用
性が高いことを表わす。なお、下記実施例で使用したポ
リ乳酸および脂肪族ポリエステルの詳細を表1に示し、
下記実施例および比較例の評価結果を表2および表3に
示す。表2中の樹脂成分A〜Dは、それぞれ表1中の
(A)〜(D)に対応している。
製)に重合度約500、水酸基の割合(ケン化率)約8
0%のポリビニルアルコール系重合体をポリブチレンサ
クシネート/アジペート共重合体(商品名:ビオノーレ
#3001、昭和高分子製)を5重量部になるよう混合
して、シリンダー温度210℃、ダイス温度200℃で
同方向2軸押出機にて溶融混練し、真空ポンプにてベン
ト孔から除水しながらシート形状に押し出し、表面温度
58℃の冷却ロール上に押し出し約700μmの透明シ
ートを得た。このシートを金属ロールで予熱した後、赤
外線ヒーターで加熱しつつ周速差のあるロール間で縦方
向に2.5倍延伸した。続いてテンターで3.0倍に横
延伸し、引き続きテンター内で熱処理し、厚さ100μ
mの延伸・熱固定シートを得た。延伸および熱処理の際
の条件は、次の通りであった。
製)80重量%にポリブチレンサクシネート/アジペー
ト共重合体(商品名:ビオノーレ#3001、昭和高分
子社製)を20重量%混合し、さらに重合度約170
0、水酸基の割合(ケン化率)約80%のポリビニルア
ルコール系重合体を20重量部混合し、シリンダー温度
210℃、ダイス温度200℃で同方向二軸押出機にて
溶融混練し、真空ポンプにてベント孔から除水しながら
シート形状に押し出し、表面温度35℃の冷却ロール上
に押し出し、厚さ100μmのシートを得た。
のポリビニルアルコール系重合体を20重量部の代わり
に、重合度約2000、水酸基の割合(ケン化率)約5
0%のポリビニルアルコール系重合体を40重量部混合
した以外は実施例2と同様にして、厚さ100μmのシ
ートを得た。
のポリビニルアルコール系重合体を20重量部の代わり
に、重合度約1700、水酸基の割合(ケン化率)約3
0%のポリビニルアルコール系重合体を20重量部混合
したのと、シリンダー温度を200℃とした以外は実施
例2と同様にして、厚さ100μmのシートを得た。
製)70重量%にポリブチレンサクシネート/アジペー
ト共重合体(商品名:ビオノーレ#3001、昭和高分
子社製)を30重量%混合し、さらに重合度約500、
水酸基の割合(ケン化率)約98%のポリビニルアルコ
ール系重合体を5重量部混合し、それぞれシリンダー温
度210℃、ダイス温度200℃で同方向二軸押出機に
て溶融混練し、真空ポンプにてベント孔から除水しなが
らシート形状に押し出しそうとした。しかし、シート表
面の平滑性はなく、しだいに押出機のモーターにかかる
負荷が上昇し始めた。このポリビニルアルコール系重合
体を使用する場合では良好なシートを押出して作製する
ことは困難であった。
製)80重量%にポリヒドロキシブチレート/バリレー
ト共重合体(商品名:バイオポールD600G、モンサ
ント社製)を20重量%混合し、さらに重合度約170
0、水酸基の割合(ケン化率)約80%のポリビニルア
ルコール系重合体を5重量部混合して、シリンダー温度
210℃、ダイス温度200℃で同方向二軸押出機にて
溶融混練し、真空ポンプにてベント孔から除水しながら
シート形状に押し出し、表面温度45℃の冷却ロール上
に押し出し、厚さ100μmのシートを得た。
名:バイオポールD600G、モンサント社製、Tg=
−10℃)20重量%の代わりにポリヒドロキシブチレ
ート/バリレート共重合体(商品名:バイオポールD3
10G、モンサント社製、Tg=10℃)を20重量%
混合した以外は実施例3と同様にして厚さ100μmの
シートを得た。
製)にポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体
(商品名:ビオノーレ#3001、昭和高分子製)を3
0重量%になるよう混合して、シリンダー温度200
℃、ダイス温度200℃で同方向2軸押出機にて溶融混
練しながらストランド形状に押し出し、回転刃にてチッ
プ状にカットした。このチップを十分に乾燥して水分を
除去した後、シリンダー温度200℃、ダイス温度20
0℃でTダイ押出機を用いて、表面温度55℃の冷却ロ
ール上に押し出し、厚さ100μmのシートを得た。
製)にポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体
(商品名:ビオノーレ#3001、昭和高分子製)を2
0重量%になるよう混合して、さらにエチレン−ビニル
アルコール共重合体(商品名エバールEP−H101、
(株)クラレ製)を10重量部混合し、シリンダー温度
200℃、ダイス温度200℃で同方向2軸押出機にて
溶融混練しながらストランド形状に押し出し、回転刃に
てチップ状にカットした。このチップを十分に乾燥して
水分を除去した後、シリンダー温度200℃、ダイス温
度200℃でTダイ押出機を用いて、表面温度55℃の
冷却ロール上に押し出し、厚さ100μmのシートを得
た。
製)70重量%にポリブチレンサクシネート/アジペー
ト共重合体(商品名:ビオノーレ#3001、昭和高分
子社製)を30重量%混合し、さらにルチル型二酸化チ
タン(商品名:TR−700、富士チタン工業(株)
製)を10重量部、さらに重合度約1700、水酸基の
割合(ケン化率)約80%のポリビニルアルコール系重
合体を10重量部混合して、シリンダー温度200℃、
ダイス温度200℃で同方向二軸押出機にて溶融混練
し、真空ポンプにてベント孔から除水しながらシート形
状に押し出し、表面温度35℃の冷却ロール上に押し出
し、厚さ560μmのシートを得た。
製)80重量%にポリブチレンサクシネート/アジペー
ト共重合体(商品名:ビオノーレ#3001、昭和高分
子社製)を20重量%混合し、さらにルチル型二酸化チ
タン(商品名:TR−700、富士チタン工業(株)
製)を10重量部混合してシリンダー温度210℃、ダ
イス温度200℃で同方向二軸押出機にて溶融混練しな
がらストランド形状に押し出し、回転刃にてチップ状に
カットした。このチップを十分に乾燥して水分を除去し
た後、シリンダー温度210℃、ダイス温度200℃で
Tダイ押出機を用いて、表面温度50℃の冷却ロール上
に押し出し、厚さ560μmのシートを得た。
製)80重量%にポリブチレンサクシネート/アジペー
ト共重合体(商品名:ビオノーレ#3001、昭和高分
子社製)を20重量%混合し、さらに重合度約120、
水酸基の割合(ケン化率)約80%のポリビニルアルコ
ール系重合体を20重量部混合し、シリンダー温度21
0℃、ダイス温度200℃で同方向二軸押出機にて溶融
混練し、真空ポンプにてベント孔から除水しながらシー
ト形状に押し出し、表面温度35℃の冷却ロール上に押
し出し、厚さ100μmのシートを得た。
い、該シートを幅30cm、長さ40cmに断裁し、両
面に朱色インキを用いてシルク印刷方式で文字・図柄を
印刷した。また、必要に応じて接着剤を使用した。コア
層の両面に共重合ポリエステル系ホットメルト型接着剤
バイロン300(東洋紡績(株)製)100重量部にポ
リイソシアネート化合物デスモデュールL−75(バイ
エル社製)8重量部混合したトルエン/MEK溶液を塗
布し、室温で十分に乾燥して溶剤を揮発させ、接着剤が
約3μm厚になるよう調整した。
o.1)のシートを用い、30cm×40cmのオーバ
ーシート2枚で印刷されたコアシートを挟み、その両面
にそれぞれ1枚ずつ、合計2枚のクロムメッキ鋼板で挟
んだ。次いで、真空に吸引された雰囲気下で、表3に記
載している温度、かつ圧力10kg/cm2の条件で熱
プレスした。熱プレス時間は、恒温時間は10分、昇温
を開始して終了する合計時間は30〜40分である。
用い、オーバーシートとして実施例3(シートNo.
3)のシートを用いた以外は実施例5と同様にしてカー
ドを作成した。
層) コア層として比較例7(シートNo.11)のシートを
用い、オーバーシートとして比較例5(シートNo.1
1)のシートを用いた以外は実施例5と同様にしてカー
ドを作成した。
比較例1〜8を意味する。
10は比較例9、10を意味する。実施例1〜4のシー
トは、本発明の範囲内にあり耐衝撃性、耐熱性が良好で
ありながら印刷図柄・文字の定着にも優れている。
ール系重合体が含まれず、印刷適性に優れない。比較例
1は、ポリビニルアルコール系重合体の配合部数が発明
の範囲よりも多く含まれ、シートとしての腰が低く、さ
らに印刷後のエージングに耐えられないほど耐熱性が低
下している。比較例2では、ポリビニルアルコール系重
合体の水酸基の割合が低く、印刷適性に劣る。比較例3
では、水酸基の割合が高すぎ、ポリビニルアルコール系
重合体の結晶化が高すぎ、押出機内で溶融しきらずに押
出しが不能となった。
した脂肪族ポリエステルのガラス転移点が0℃を超えて
おり、耐衝撃性に劣る結果となった。比較例6では、印
刷性は優れているが生分解性に乏しい。比較例8では、
ポリビニルアルコール系重合体の重合度が低く、シート
からしみだしやすくなっている。そのため、印刷図柄・
文字の定着性が劣っている。
に比較例5と同様のシートを貼り合わせて評価した比較
例10では、カードにすることは可能であり、コア層の
印刷部分は鮮明に見ることができたが、オーバー層への
印刷においてはインクの定着性に劣る結果となった。実
施例5および比較例9ではコア層の印刷部分の鮮明さが
やや劣るものもあったが、オーバー層への印刷したイン
クの定着性、耐衝撃性、耐熱性に優れていることがわか
る。
きの、あるいはカード基材にしたときの、その表面への
印刷性とともに衝撃強さ、耐熱性等に優れた生分解性プ
ラスチックシートならびにそのカードを提供することが
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリ乳酸系重合体とガラス転移点が0℃
以下の他の脂肪族ポリエステルが100/0〜60/4
0の混合体に、下記一般式(1)で示されるポリビニル
アルコール系重合体が上記混合体100重量部に対し1
〜30重量部混合されていることを特徴とする分解性記
録シート。 【化1】 [上記一般式(1)中、mおよびnは、m+n≧150
かつ97≧100m/(m+n)≧40を満たす正数で
ある。] - 【請求項2】 請求項1記載のシートを、支持体となる
コア層の片面または両面に積層していることを特徴とす
る分解性記録カード。
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ID=18411744
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1998
- 1998-10-30 JP JP35062498A patent/JP3280927B2/ja not_active Expired - Fee Related
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