JP3482743B2 - 乳酸系ポリマーから成るシュリンクフィルム - Google Patents
乳酸系ポリマーから成るシュリンクフィルムInfo
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Description
リンクフィルムに関するもので、詳しくは、透明性、耐
衝撃性及び低温での収縮性に優れ、かつ自然環境中での
生分解性を兼ね備えたシュリンクフィルムに関するもの
である。
的性能から人類の社会生活に多大の利便性をもたらし恩
恵を与えており、膨大な量が使用されている。しかしそ
の反面使用後に発生する膨大なプラスチック廃棄物は、
その強靱性、劣化のし難さから、廃棄物による、埋立地
の不足、景観阻害、海洋生物への脅威、環境汚染等の種
々の地球的環境問題を引き起こしている。
て、プラスチックと同様の機能性を保有しながら、自然
環境中で加水分解或いは微生物分解を受けて、最終的に
無害な炭酸ガスと水になる、生分解性ポリマーの研究が
各国で盛んに行われ、これまでに澱粉変成物、バイオセ
ルロース、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ乳酸系
組成物等の各種ポリマーが開発されている。しかし、こ
れらの多くは延伸に適さず、シュリンク包装用フィルム
の作成は出来なかった。
ムに関しては、特開平5−212709号公報に開示さ
れており、原料成分としてはポリ乳酸または乳酸とヒド
ロキシカルボン酸のコポリマーを主成分としたものであ
る。この特許に示されたラベル用シュリンクフィルムの
基本的熱収縮特性、自然環境下での分解性は優れたもの
であったが、製品使用時の耐衝撃性は未だに不十分であ
った。
ようとする課題は、従来の乳酸系ポリマーよりなるシュ
リンクフィルムの欠点である耐衝撃性を克服した、透明
性、光沢、低温収縮性の優れた生分解性シュリンクフィ
ルム及びその製造方法を提供することにある。
題を解決するために鋭意検討した結果、乳酸を脱水縮合
した構造単位と、ジカルボン酸とジオールを脱水縮合し
たポリエステル構造単位及び/又はジカルボン酸とポリ
エーテルポリオールを脱水縮合したポリエーテルポリエ
ステル構造単位とを含む、重量平均分子量1〜70万の
乳酸系ポリマーを用いることにより、1%収縮開始温度
が35〜80℃であり、
ンパクト試験での耐衝撃強度が、6kgf・cm以上
で、延伸方向の最大収縮率が35〜90%である乳酸系
ポリマーのシュリンクフィルムを製造することが出来る
こと、更に該シュリンクフィルムが低温収縮性、高透明
性、高光沢性を兼ね備えた耐衝撃性の優れた実用的なシ
ュリンクフィルムであることを見い出して本発明を完成
するに到った。
単位と、ジカルボン酸とジオールとを脱水縮合したポリ
エステル構造単位及び/又はジカルボン酸とポリエーテ
ルポリオールとを脱水縮合したポリエーテルポリエステ
ル構造単位とを含む、重量平均分子量1〜70万の乳酸
系ポリマーから成り、厚みが10〜120μm、1%収
縮開始温度が35〜80℃、フィルムのフィルムインパ
クト試験での耐衝撃強度が6kgf・cm以上、延伸方
向の最大収縮率が35〜90%であるシュリンクフィル
ムである。
位と、ジカルボン酸とジオールとを脱水縮合したポリエ
ステル構造単位及び/又はジカルボン酸とポリエーテル
ポリオールとを脱水縮合したポリエーテルポリエステル
構造単位と、高分子量化剤の構造単位とを含む、重量平
均分子量1〜70万の乳酸系ポリマーから成り、厚みが
10〜120μm、1%収縮開始温度が35〜80℃、
フィルムのフィルムインパクト試験での耐衝撃強度が6
kgf・cm以上、延伸方向の最大収縮率が35〜90
%であるシュリンクフィルムである。
クフィルムは、光学的特性試験法(JIS−K710
5)におけるヘイズ値(曇価)が、0.1〜20%であ
ることを特徴とする。
クフィルムフィルムは、詳しくは、乳酸系ポリマーが、
ジカルボン酸とジオールとを脱水縮合したポリエステル
構造単位及び/又はジカルボン酸とポリエーテルポリオ
ールとを脱水縮合したポリエーテルポリエステル構造単
位を、乳酸ポリマーの3〜60重量%含有することを特
徴とするものである。
明に用いられる乳酸系ポリマーは、乳酸の脱水縮合した
構造単位と、ジカルボン酸とジオールとを脱水縮合した
ポリエステル構造単位及び/又はジカルボン酸とポリエ
ーテルポリオールとを脱水縮合したポリエーテルポリエ
ステル構造単位とを含む、重量平均分子量1〜70万の
乳酸系ポリマーである。
肪族のジオールもしくはポリエーテルポリオールと、芳
香族及び/又は脂肪族のジカルボン酸を乳酸もしくは乳
酸の二量体であるラクタイドと重合させるか、それら成
分から成る芳香族ポリエステル及び/又は脂肪族ポリエ
ステル、もしくはポリエーテルポリエステルと乳酸もし
くは乳酸の二量体であるラクタイドとを共重合させるこ
とによって得られる。
ジカルボン酸成分としてはメチレン鎖長が2〜10のも
の、例えばアジピン酸、セバシン酸、コハク酸等が挙げ
られる。ジオール成分としては主鎖の炭素数が2〜6の
もの、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール等、またポリエーテルポリオ
ールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられ
る。
てはアジピン酸、セバシン酸、ジオール成分としてはプ
ロピレングリコール、ポリエーテルポリオールとしては
ポリプロピレングリコールを使用することが好ましく、
シュリンクフィルムとして十分な衝撃強度を持たせるた
めには、ポリマー中のこれらのポリエステル及び/又は
ポリエーテルポリエステル成分の割合は、3〜60重量
%程度が好ましく、実用性から考えると5〜40重量%
が更に好ましい。
二量体であるラクタイドを合成し、開環重合により高分
子量のポリ乳酸を得る方法が多く使用されているが、乳
酸から直接脱水縮合によりポリ乳酸を合成する方法も用
いられる。また、コポリマーは、ポリ乳酸重合時もしく
はポリ乳酸重合直後に脂肪族ポリエステル、芳香族ポリ
エステル、カプロラクトン、酢酸ビニル、エチレンテレ
フタレート重合体、エチレンビニルアルコール等の一種
以上の副成分を加え重合を更に進めることにより得られ
る。
の再生可能な資源を発酵する事により得られる。また、
石油化学原料からも合成可能である。製造に使用する原
料乳酸は、光学異性体であるD体、L体、メソ体、ラセ
ミ体の何れであっても良く、またこれらの混合物であっ
ても良い。その際のL体、D体の比(L/D)は100
/0〜0/100まで全ての組成で使用出来る。
その重合のどの段階でも良いが、高分子量化剤を添加す
ることにより、乳酸系ポリマーを更に高分子量化するこ
とができる。本発明に用いられる高分子量化剤は、それ
自体に生分解性を有することが好ましく、例えば、多価
カルボン酸及び/又はその酸無水物、または多価イソシ
アネートが挙げられる。多価カルボン酸としては、例え
ば、トリメリット酸、ピロメリット酸、酸化無水物とし
ては無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸等が挙げられる。
−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソ
シアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合
体、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネートキシリレンジイソシアネート、
水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフ
ェニルメタン−4,4’,4''−トリイソシアネート等
がある。
酸系ポリマーに対し0.01〜5重量%程度加えればよ
く、これら高分子量化剤を用いることにより、高分子量
化剤を用いない乳酸系ポリマー、通常、重量平均分子量
300,000程度の乳酸系ポリマーの重量平均分子量
を、600,000〜700,000程度に上げること
が可能である。
平均分子量は、通常、10,000〜700,000の
範囲であり、中でも強度が高く成形加工性に優れる点か
ら50,000〜300,000が更に好ましい。ま
た、本発明のシュリンクフィルムは乳酸系ポリマーの他
に必要に応じて第二、三成分として他のポリマーや可塑
剤、安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、防曇
剤、着色剤等の添加剤を含んでも良い。
リビニルアルコール、ポリヒドロキシブチレート−ヒド
ロキシバリレート、スターチ系ポリマー等を含んでも良
く、添加剤としては1,3ブタンジオールとアジピン酸
等のポリエステル系可塑剤やフタル酸ジオクチル、ポリ
エチレングリコールアジピン酸等の可塑剤、エポキシ化
大豆油、カルボジイミドの様な安定剤、
ェノール(BHT)、ブチル・ヒドロキシアニソール
(BHA)の様な酸化防止剤、シリカ、タルクの様なブ
ロッキング防止剤、グリセリン脂肪酸エステル、クエン
酸モノステアリルの様な防曇剤、酸化チタン、カーボン
ブラック、群青の様な着色剤等を含んでもかまわない。
による押出成形により成形加工を行うが、乳酸系ポリマ
ーは吸湿性が高く、加水分解性も強いため水分管理が必
要であり、一般的な1軸押出機を用い押出成形する場合
には、真空乾燥器等により除湿乾燥後、成膜する必要が
ある。また、ベント式2軸押出機による成膜では脱水効
果が高いため効率的に成膜できる。
も可能であり、この場合、中心層に物性の劣るポリマー
回収品を入れ、両外層に強度の優れたバージン層を使用
することにより強度の補強をすることも可能である。ま
た、中心層のみに着色剤を入れることにより食品等に直
接着色剤成分を触れさせなくすることもでき、更に両外
層のみに機能性添加剤を含ませることにより、少量の添
加で有効な効果を得ることも可能である。
融温度は、特に制限されないが、通常、融点より10〜
50℃高い温度である。溶融押出されたシ−トは通常所
定の厚みになるようにキャスティングされ、必要により
冷却される。その際シ−ト厚みが厚い場合はタッチロー
ル、エアーナイフ、薄い場合には静電ピンニングを使い
分けることにより均一なシ−トとする。溶融押出を行う
リップの間隔は、0.2〜3.0mm、成膜性を考える
ならば0.2〜1.5mmが特に好ましい。
溶融押出してシ−ト状にし、縦延伸処理を施すか、或い
はこれを省略した後、同時二軸延伸時、逐次二軸延伸時
のうちの横延伸時、或いは横一軸延伸で行うが、シュリ
ンクフィルムの採取方法としてはテンターを用いた横延
伸法が広幅な製品がとれることから実用性の上で好まし
い。
g)からTgより50℃高い温度までの範囲で行われる
が、シ−トの面状態や透明性の点からTgより10〜4
0℃高い温度範囲が特に好ましい。延伸倍率は目的に応
じて異なるが通常面倍率で3〜15倍、より好ましくは
4〜10倍である。2軸延伸の各方向の延伸倍率は、2
〜10倍、好ましくは3〜7倍、より好ましくは4〜6
倍である。
ましくは4〜6倍であり、収縮時の無延伸方向の膨張を
抑えるため、1.1〜1.9倍、好ましくは1.2〜
1.5倍の弱延伸を施しても良い。その後、直ちにTg
以下に冷却することにより延伸配向したフィルムが得ら
れる。なお、本発明では、ガラス転移温度(Tg)及び
融点はJIS−K−7121に規定されるTig、Tpmで
あり、昇温速度は10℃/minを使用した。
に限定するものではないが、耐衝撃性の点及び収縮開始
温度や収縮配向等の収縮特性が優れる点から10〜30
0μmが好ましく、実用面から見ると20〜120μm
の範囲がより好ましい。
件は、熱収縮性包装材や熱収縮ラベル用素材として使用
する場合には、加熱温度はガラス転移温度(Tg)から
融点(Tm)未満の温度で行うが、収縮到達時間、内容
物保護、エネルギーコスト等の面から、Tgより20℃
高い温度から融点(Tm)より20℃低い温度で行なう
ことが好ましい。
を避けるため、低温での収縮性能が重要であり50〜1
00℃がより好ましい。この点から、本発明のシュリン
クフィルムの1%収縮開始温度は、35〜80℃が好ま
しいが、常温での貯蔵安定性の面から45〜80℃の範
囲とすることが特に好ましい。収縮性能としては延伸方
向の最大収縮率は35〜90%、好ましくは50〜90
%、より好ましくは50〜75%である。
弛緩現象が発生することなく均一な収縮包装ができ、実
用収縮性が良好なものとなる。一方、90%以下である
場合には、安定的に延伸成膜することができる。なお、
本発明では、収縮開始温度は所定温度に加熱された温水
浴中で、60秒間浸積した時に1%の収縮が起こる最低
温度を1%収縮開始温度と定めた。
フィルムを100℃の温水浴中で、フィルムの収縮がほ
ぼ平衡に達する60秒間熱処理し、元のシュリンクフィ
ルムの長さ(L1)から熱処理して得られたフィルムの
長さ(L2)を減じた値を元のフィルムの長さで除した
ものを百分率(%)で表わしたものを言う。即ち、最大
収縮率(%)=(L1−L2)/L1×100である。
としては、製品製造時および製品輸送時等の外部からの
衝撃に耐えるため、衝撃強度値が高いことが好ましく、
また包装製品の内容物を美しく見せるため、フィルムの
透明性が重要である。耐衝撃性能としては、耐衝撃強度
は6kgf cm以上が必要であり、好ましくは6〜5
0kgf cm、より好ましくは7〜50kgf cmで
ある。透明性としてはヘイズ値0.1〜20%、好まし
くは0.1〜10%である。
134のフィルムインパクト試験法により測定されるも
の。また透明性はJIS−K−7105のヘイズ値(曇
価)で測定されるものを言う。
乳酸系ポリマーの特徴である生分解性、低燃焼カロリー
性、燃焼時の有害ガスを発生させないこと等の優れた性
質を併せ持つと同時に、良好な透明性、光沢性、耐衝撃
性、低温収縮特性を有し、更に白化の発生のないもので
あり、ペットボトル等のシュリンクラベル、キャップシ
ールやスプレー缶、ビデオテープ、飲料缶、玩具、菓子
類小分け用等の一般包装用、建材、繊維、パレット等の
工業包装用に適している。
テル(重量平均分子量:2.1万(ポリスチレン換
算)、セバシン酸50モル%、プロピレングリコール5
0モル%)7重量部にL−ラクタイド87.5重量部と
D−ラクタイド2.5重量部とを加えて、不活性ガスで
雰囲気を置換し、165℃で1時間混合させ、エステル
化触媒としてオクタン酸錫を0.02部加えて8時間反
応を行った。得られた乳酸系ポリマーは無色透明な樹脂
で、重量平均分子量はGPCの結果から22.4万、ガ
ラス転移温度は49℃、融点は156℃であった。
℃の条件で、L/D24、押出スクリュー径50mmの
押出機(田辺プラスチック社製)により押し出し、厚み
200μmシートを得た。以下このシートをS1と称す
る。
3.1万(ポリスチレン換算):セバシン酸50モル
%、ポリプロピレングリコール50モル%)30重量部
にL−ラクタイド65重量部とD−ラクタイド5重量部
とを加えて、不活性ガスで雰囲気を置換し、180℃で
1時間混合させ、エステル化触媒としてオクタン酸錫を
0.02部加えて3時間反応を行った。得られた乳酸系
ポリマーは無色透明な樹脂で、重量平均分子量はGPC
の結果から15.1万、ガラス転移温度は、55℃融点
は175℃であった。
℃の条件で、L/D24、押出スクリュー径50mmの
押出機(田辺プラスチック社製)により押し出し、厚み
200μmのシートを得た。以下このシートをS2と称
する。
酸を含むポリエステル(重量平均分子量47,000
(ポリスチレン換算)、テレフタル酸12モル%、イソ
フタル酸18モル%、アジピン酸20モル%、エチレン
グリコール20モル%、ネオペンチルグリコール30モ
ル%)20部にL−ラクタイド65部とMESO−ラク
タイド5重量部とを加えて、不活性ガスで雰囲気を置換
し、165℃で1時間、両者を溶融・混合させ、エステ
ル化触媒としてオクタン酸錫を0.02部加え6時間反
応を行った。反応終了後重量平均分子量12.5万、ガ
ラス転移温度は52℃、融点162℃の乳酸系ポリマー
を得た。
℃の条件で、L/D24、押出スクリュー径50mmの
押出機(田辺プラスチック社製)により押し出しを行っ
たところ、厚み200μmのシートを得た。以下このシ
ートをS3と称する。
2.8万(ポリスチレン換算)、コハク酸50モル%、
エチレングリコール50モル%、ガラス転移点−3.5
℃、融点105.0℃)30重量部にL−ラクタイド6
0重量部とD−ラクタイド10重量部とを加えて、不活
性ガスで雰囲気を置換し、165℃で1時間混合させエ
ステル化触媒としてオクタン酸錫を0.02部加えて7
時間反応を行った。得られた乳酸系ポリマーはやや黄色
を帯びた透明な樹脂で、重量平均分子量はGPCの結果
から15.3万、ガラス転移温度は51℃、融点165
℃であった。
℃の条件で、L/D24、押出スクリュー径50mmの
押出機(田辺プラスチック社製)により押し出しを行っ
たところ、厚み200のシートを得た。以下このシート
をS4と称する。
部に、無水ピロメリット酸をラクタイド100部に対し
て0.5部、トルエン15部を加えて、窒素ガス雰囲気
下で、175℃、0.25時間、溶解・混合させた後、
開環重合触媒としてオクタン酸錫を0.03部加え、3
時間重合を行った。
族ジカルボン酸成分を含むポリエステル(テレフタル酸
成分14モル%、イソフタル酸成分16モル%、アジピ
ン酸成分20モル%、エチレングリコール成分28モル
%、ネオペンチルグリコール成分22モル%からなる重
量平均分子量45,200、数平均分子量24,70
0)を5部を加えて、3時間反応を行った。
した乳酸系高分子量ポリエステルは重量平均分子量51
7,000、数平均分子量179,000の無色透明な
樹脂であった。これのガラス転移点は約56℃、融点は
約152℃であった。この原料を絶乾状態にし、押出温
度180℃の条件で、L/D24、押出スクリュー径5
0mmの押出機(田辺プラスチック社製)により押し出
しを行ったところ、厚み200μmのシートを得た。以
下このシートをS5と称する。
作成 原反シートとしてS1〜S5を選定し、表1に示す延伸
温度、延伸倍率でシュリンクフィルムを作成した。その
結果、これらシュリンクフィルムは表2に示すように優
れた諸性能を有していた。物性測定方法は、〜を用
いた。
での範囲で、加熱された温水浴中でフィルムを60秒間
浸積した時に1%の収縮が起こる最低温度とする。また
収縮率は100℃に加熱された温水浴中で熱処理した時
の寸法が収縮した長さを元の寸法で割った百分率(%)
で表す。
縮率がほぼ平衡に達する、100℃、60秒間の加熱を
行った場合の収縮率である。 実用収縮性:ガラス性の瓶に、余裕率プラス5%の
径で円筒状に加工したフィルムをかぶせ、シュリンクト
ンネルでボトルに被覆した時の仕上がり状態を目視にて
観察した。シュリンクトンネルの設定条件は、100
℃、5秒間とし、仕上がり状態を以下のように評価し
た。
て実用上支障のないもの。 △:小径部に収縮不足が残ったもの。 ×:完全に被覆できないもの。
て充分な透明性、耐衝撃性、及び優れた低温収縮性等の
実用特性を持つことがわかった。また、剛性も高く包装
適性にも優れており、かつコンポスト試験によりこれら
のシュリンクフィルムは容易に生分解された。
て実施例1と同様の試験を行った。その結果、耐衝撃値
が6以下となった。
て実施例1と同様の試験を行った。耐衝撃値は問題なか
ったが、収縮不足による皺の発生がみられた。
報に準じて、重量平均分子量10万、L体/D体=95
/5、Tg:51℃、Tm:161℃のポリ乳酸(以
下、PLAと略す)の200μmシートを作成し、温度
140℃で1×5倍延伸したがフィルム化できなかっ
た。
ト(重量平均分子量10万、L体/D体=95/5、T
g:51℃、Tm161℃)をシート温度70℃で1×
4倍延伸して実施例1と同様の試験を行った。その結果
耐衝撃値が6以下と低い値となり、シュリンクフィルム
としての性能を満たさなかった。
るシュリンクフィルムの欠点である耐衝撃性を克服し
た、透明性、光沢、低温収縮性の優れた生分解性シュリ
ンクフィルム及びその製造方法を提供することができ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 乳酸の脱水縮合した構造単位と、ジカル
ボン酸とジオールとを脱水縮合したポリエステル構造単
位及び/又はジカルボン酸とポリエーテルポリオールと
を脱水縮合したポリエーテルポリエステル構造単位とを
含む、重量平均分子量1〜70万の乳酸系ポリマーから
成り、厚みが10〜120μm、1%収縮開始温度が3
5〜80℃、フィルムのフィルムインパクト試験での耐
衝撃強度が6kgf・cm以上、延伸方向の最大収縮率
が35〜90%であるシュリンクフィルム。 - 【請求項2】 乳酸の脱水縮合した構造単位と、ジカル
ボン酸とジオールとを脱水縮合したポリエステル構造単
位及び/又はジカルボン酸とポリエーテルポリオールと
を脱水縮合したポリエーテルポリエステル構造単位と、
高分子量化剤の構造単位とを含む、重量平均分子量1〜
70万の乳酸系ポリマーから成り、厚みが10〜120
μm、1%収縮開始温度が35〜80℃、フィルムのフ
ィルムインパクト試験での耐衝撃強度が6kgf・cm
以上、延伸方向の最大収縮率が35〜90%であるシュ
リンクフィルム。 - 【請求項3】 乳酸系ポリマーが、ジカルボン酸とジオ
ールとを脱水縮合したポリエステル構造単位及び/又は
ジカルボン酸とポリエーテルポリオールとを脱水縮合し
たポリエーテルポリエステル構造単位を、乳酸ポリマー
の3〜60重量%含有することを特徴とする請求項1又
は2に記載の乳酸系ポリマーから成るシュリンクフィル
ム。 - 【請求項4】 プラスチックの光学的特性試験法(JI
S−K7105)におけるヘイズ値(曇価)が0.1〜
20%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
シュリンクフィルム。
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JP15604895A JP3482743B2 (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 乳酸系ポリマーから成るシュリンクフィルム |
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