JPH10252253A - 床制振システム - Google Patents
床制振システムInfo
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- JPH10252253A JPH10252253A JP6058097A JP6058097A JPH10252253A JP H10252253 A JPH10252253 A JP H10252253A JP 6058097 A JP6058097 A JP 6058097A JP 6058097 A JP6058097 A JP 6058097A JP H10252253 A JPH10252253 A JP H10252253A
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- JP
- Japan
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- floor
- damping
- tmd
- additional mass
- vibration
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構造簡単かつ設備施工が容易で、また小型で
もあって安価であると共に、地震動のみならず日常生じ
る微細な振動に対しても高能率の減衰性能を発揮し、さ
らにTMDにおける固有周期調整にも融通性がある減衰
手段を備えて、効果的に床を制振することができるTM
Dを備えた床制振システムを提供する。 【解決手段】 床5の上下振動を共振現象で相殺して減
衰させるべく床5上に、上下方向に弾発する圧縮コイル
バネ2と上下方向力を減衰する減衰手段1とを併設する
とともにそれらの上に付加質量体3を設置して構成した
TMD8を設け、かつTMD8の減衰手段1を、床5と
付加質量体3との間に水平に挟み込んでこれらの上下方
向相対変位で剪断変形して減衰を生じる粘弾性材4と
し、このように構成した減衰手段1および圧縮コイルバ
ネ2を複数組備え、これらを付加質量体3の外縁部に沿
って適宜間隔で配設した。
もあって安価であると共に、地震動のみならず日常生じ
る微細な振動に対しても高能率の減衰性能を発揮し、さ
らにTMDにおける固有周期調整にも融通性がある減衰
手段を備えて、効果的に床を制振することができるTM
Dを備えた床制振システムを提供する。 【解決手段】 床5の上下振動を共振現象で相殺して減
衰させるべく床5上に、上下方向に弾発する圧縮コイル
バネ2と上下方向力を減衰する減衰手段1とを併設する
とともにそれらの上に付加質量体3を設置して構成した
TMD8を設け、かつTMD8の減衰手段1を、床5と
付加質量体3との間に水平に挟み込んでこれらの上下方
向相対変位で剪断変形して減衰を生じる粘弾性材4と
し、このように構成した減衰手段1および圧縮コイルバ
ネ2を複数組備え、これらを付加質量体3の外縁部に沿
って適宜間隔で配設した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物内部の床や建
物間を結ぶ渡り廊下の床など、各種床に生ずる上下方向
振動を抑制するための床制振システムに関する。
物間を結ぶ渡り廊下の床など、各種床に生ずる上下方向
振動を抑制するための床制振システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に建物内部の床や建物間を結ぶ渡り
廊下の床など、各種床では、地震動による上下振動や、
これのみならず歩行など日常の生活活動によって上下方
向の振動が生じており、殊にこのような日常的な床の上
下振動に対する居住性の向上が注目されるようになって
きている。
廊下の床など、各種床では、地震動による上下振動や、
これのみならず歩行など日常の生活活動によって上下方
向の振動が生じており、殊にこのような日常的な床の上
下振動に対する居住性の向上が注目されるようになって
きている。
【0003】このように上下振動する床を制振する場合
に、TMD(Tuned Mass Damper) と称されるダンパー機
構を採用することが考えられる。TMDは、付加質量体
と弾性体と減衰手段とからなる共振用の振動系からな
り、床に入力された上下振動エネルギーを、その振動系
の共振現象を利用して付加質量体の運動エネルギーに変
換して吸収するもので、これにより床の上下振動に対し
て相当の制振効果を期待することができる。
に、TMD(Tuned Mass Damper) と称されるダンパー機
構を採用することが考えられる。TMDは、付加質量体
と弾性体と減衰手段とからなる共振用の振動系からな
り、床に入力された上下振動エネルギーを、その振動系
の共振現象を利用して付加質量体の運動エネルギーに変
換して吸収するもので、これにより床の上下振動に対し
て相当の制振効果を期待することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来のTMD
に組み込まれる上記減衰手段としては、オイルダンパ
ー、粘性ダンパー、摩擦ダンパーなどが知られていた。
しかしながら、これら従来のダンパーは構造が複雑であ
り、またオイルダンパーなどでは配管の設備、摩擦ダン
パーでは摩擦力の設定など、施工が煩雑であった。ま
た、上記ダンパーはケーシングなどに納められる形態で
比較的大型であり、設置に相当のスペースを要する反
面、日常の生活活動によって生じる微細な振動に対する
減衰能率が低かった。さらに、TMDの固有周期の調整
にあたっては減衰手段の減衰定数が大きく影響するが、
従来の上記ダンパーでは減衰定数がオリフィス径や摩擦
係数でほぼ一義的に決まってしまい、TMDにおける周
期調整の融通性に乏しかった。さらにまた、上述したよ
うに従来のダンパーは構造が複雑で大型であり、またそ
の設置施工も煩雑であることから、高価であるという課
題もあった。
に組み込まれる上記減衰手段としては、オイルダンパ
ー、粘性ダンパー、摩擦ダンパーなどが知られていた。
しかしながら、これら従来のダンパーは構造が複雑であ
り、またオイルダンパーなどでは配管の設備、摩擦ダン
パーでは摩擦力の設定など、施工が煩雑であった。ま
た、上記ダンパーはケーシングなどに納められる形態で
比較的大型であり、設置に相当のスペースを要する反
面、日常の生活活動によって生じる微細な振動に対する
減衰能率が低かった。さらに、TMDの固有周期の調整
にあたっては減衰手段の減衰定数が大きく影響するが、
従来の上記ダンパーでは減衰定数がオリフィス径や摩擦
係数でほぼ一義的に決まってしまい、TMDにおける周
期調整の融通性に乏しかった。さらにまた、上述したよ
うに従来のダンパーは構造が複雑で大型であり、またそ
の設置施工も煩雑であることから、高価であるという課
題もあった。
【0005】本発明は上記従来の課題に鑑みて創案され
たものであり、その目的は、構造が簡単で設備施工が容
易であり、また小型でもあって安価であるとともに、地
震動のみならず日常生じる微細な振動に対しても高能率
の減衰性能を発揮し、かつまたTMDにおける固有周期
調整にも融通性がある減衰手段を備えて、効果的に床を
制振することができるTMDを備えた床制振システムを
提供することにある。
たものであり、その目的は、構造が簡単で設備施工が容
易であり、また小型でもあって安価であるとともに、地
震動のみならず日常生じる微細な振動に対しても高能率
の減衰性能を発揮し、かつまたTMDにおける固有周期
調整にも融通性がある減衰手段を備えて、効果的に床を
制振することができるTMDを備えた床制振システムを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る床制振シス
テムは、床の上下振動を抑制するための床制振システム
において、上記床の上下振動を共振現象で相殺して減衰
させるべく該床上に、上下方向に弾発する弾性体と上下
方向力を減衰する減衰手段とを併設するとともにそれら
の上に付加質量体を設置して構成したダンパー機構を設
け、かつ該ダンパー機構の上記減衰手段を、上記床と上
記付加質量体との間に水平に挟み込んでこれらの上下方
向相対変位で剪断変形して減衰を生じる粘弾性材とした
ことを特徴とする。
テムは、床の上下振動を抑制するための床制振システム
において、上記床の上下振動を共振現象で相殺して減衰
させるべく該床上に、上下方向に弾発する弾性体と上下
方向力を減衰する減衰手段とを併設するとともにそれら
の上に付加質量体を設置して構成したダンパー機構を設
け、かつ該ダンパー機構の上記減衰手段を、上記床と上
記付加質量体との間に水平に挟み込んでこれらの上下方
向相対変位で剪断変形して減衰を生じる粘弾性材とした
ことを特徴とする。
【0007】また、前記弾性体および前記減衰手段を複
数組備え、これらを前記付加質量体の外縁部に沿って適
宜間隔で配設したことを特徴とする。
数組備え、これらを前記付加質量体の外縁部に沿って適
宜間隔で配設したことを特徴とする。
【0008】本発明の床制振システムにあっては、弾性
体、減衰手段および付加質量体から構成されて上下方向
振動に対するTMDとして機能するダンパー機構を床上
に設けていて、このTMDによる共振現象によって床の
上下振動を相殺することができ、これにより床の上下方
向振動を減衰させることができる。
体、減衰手段および付加質量体から構成されて上下方向
振動に対するTMDとして機能するダンパー機構を床上
に設けていて、このTMDによる共振現象によって床の
上下振動を相殺することができ、これにより床の上下方
向振動を減衰させることができる。
【0009】そして特に、TMDに備える減衰手段を、
上下振動発生時互いに上下方向に相対変位する床と付加
質量体との間に水平に挟み込んだ粘弾性材としていて、
この粘弾性材は床と付加質量体との上下方向相対変位に
よって剪断変形されることでTMDに必要な減衰を生じ
るようになっている。
上下振動発生時互いに上下方向に相対変位する床と付加
質量体との間に水平に挟み込んだ粘弾性材としていて、
この粘弾性材は床と付加質量体との上下方向相対変位に
よって剪断変形されることでTMDに必要な減衰を生じ
るようになっている。
【0010】殊にこの粘弾性材は、それ自体を上下方向
相対変位が生じる床と付加質量体との間に挟み込んで設
けるだけでよいので、減衰手段としての構造がきわめて
簡単であり、したがって設備施工を容易に行うことがで
きる。
相対変位が生じる床と付加質量体との間に挟み込んで設
けるだけでよいので、減衰手段としての構造がきわめて
簡単であり、したがって設備施工を容易に行うことがで
きる。
【0011】またケーシングなども不要で小型であり設
備スペースも狭くて済むとともに、かつまた粘弾性材自
体もまたその設備コストも安価である。
備スペースも狭くて済むとともに、かつまた粘弾性材自
体もまたその設備コストも安価である。
【0012】そして地震動や日常生じる微細な振動に対
して粘弾性材は高能率の減衰性能を発揮し、またその厚
みや取り付け表面積などを適宜調整することでTMDに
おける固有周期調整にも優れた融通性を発揮する。
して粘弾性材は高能率の減衰性能を発揮し、またその厚
みや取り付け表面積などを適宜調整することでTMDに
おける固有周期調整にも優れた融通性を発揮する。
【0013】さらに粘弾性材は、温度管理することによ
って所望の減衰能にコントロールすることができ、TM
Dを良好に作動させることができる。
って所望の減衰能にコントロールすることができ、TM
Dを良好に作動させることができる。
【0014】そしてこのような粘弾性材によって減衰能
を得るようにしたTMDにより、床の上下振動を適切か
つ効果的に制振することができる。
を得るようにしたTMDにより、床の上下振動を適切か
つ効果的に制振することができる。
【0015】また、弾性体および減衰手段を複数組備
え、これらを付加質量体の外縁部に沿って適宜間隔で配
設することにより、上下振動する付加質量体がロッキン
グ振動することを適切に防止でき、的確にTMDを作動
させることができて確実な床制振機能を保証することが
できる。
え、これらを付加質量体の外縁部に沿って適宜間隔で配
設することにより、上下振動する付加質量体がロッキン
グ振動することを適切に防止でき、的確にTMDを作動
させることができて確実な床制振機能を保証することが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な一実施形態
を、添付図面を参照しつつ説明する。図1および図2に
は、上下方向振動を制振すべき床の一例として鉄筋コン
クリート製の構造床5が示されている。この構造床5に
は、その上に本発明に係るダンパー機構としてTMD8
が設備されるとともに、このTMD8上方には当該TM
D8を含む構造床5全体を覆う上床7が設けられてい
て、いわゆる二重床構造となっている。
を、添付図面を参照しつつ説明する。図1および図2に
は、上下方向振動を制振すべき床の一例として鉄筋コン
クリート製の構造床5が示されている。この構造床5に
は、その上に本発明に係るダンパー機構としてTMD8
が設備されるとともに、このTMD8上方には当該TM
D8を含む構造床5全体を覆う上床7が設けられてい
て、いわゆる二重床構造となっている。
【0017】TMD8は、構造床5上に設置されて上下
方向に弾発する弾性体としての圧縮コイルバネ2と、こ
の圧縮コイルバネ2と隣り合わせで併設され上下方向力
を減衰する減衰手段1と、これら減衰手段1および圧縮
コイルバネ2上に載置された付加質量体3とから構成さ
れている。
方向に弾発する弾性体としての圧縮コイルバネ2と、こ
の圧縮コイルバネ2と隣り合わせで併設され上下方向力
を減衰する減衰手段1と、これら減衰手段1および圧縮
コイルバネ2上に載置された付加質量体3とから構成さ
れている。
【0018】そしてこのTMD8は振動入力が加わって
上下方向に振動される構造床5に対し、この構造床5の
固有振動周期に一致するように調整した付加的な振動系
を構成して、構造床5が上下振動するときにこの振動を
打ち消す共振作用を生じ、これにより振動入力を減衰さ
せて当該構造床5を制振するようになっている。
上下方向に振動される構造床5に対し、この構造床5の
固有振動周期に一致するように調整した付加的な振動系
を構成して、構造床5が上下振動するときにこの振動を
打ち消す共振作用を生じ、これにより振動入力を減衰さ
せて当該構造床5を制振するようになっている。
【0019】付加質量体3は、平面矩形状、好ましくは
正方形状の複数枚の鋼板材3aを上下に積み重ねて形成
されている。付加質量体3の外形形状を正方形にする
と、TMD8全体の振動状態に偏りが生じることがな
く、良好な性能を確保できる。
正方形状の複数枚の鋼板材3aを上下に積み重ねて形成
されている。付加質量体3の外形形状を正方形にする
と、TMD8全体の振動状態に偏りが生じることがな
く、良好な性能を確保できる。
【0020】そして本実施形態のTMD8は、1つの圧
縮コイルバネ2と1つの減衰手段1を組として、付加質
量体3の外縁部3bである四隅それぞれに4組配設され
て構成されている。このように付加質量体3の外縁部3
bに沿って適宜間隔で、圧縮コイルバネ2と減衰手段1
の組を複数組配設することにより、付加質量体3が上下
方向振動以外のロッキング振動等を生じることを防止で
き、適切にTMD8を作動させることができて良好な床
制振機能を確保することができる。
縮コイルバネ2と1つの減衰手段1を組として、付加質
量体3の外縁部3bである四隅それぞれに4組配設され
て構成されている。このように付加質量体3の外縁部3
bに沿って適宜間隔で、圧縮コイルバネ2と減衰手段1
の組を複数組配設することにより、付加質量体3が上下
方向振動以外のロッキング振動等を生じることを防止で
き、適切にTMD8を作動させることができて良好な床
制振機能を確保することができる。
【0021】図3には、上記TMD8の減衰手段1の詳
細を説明するために、図1のA部拡大側面図が示されて
いる。この減衰手段1は、減衰を生じさせる粘弾性材4
を備えるとともに、この粘弾性材4を上下振動に対して
作用させるための取付構造を有している。構造床5上に
は、付加質量体3の外縁部3b直下に圧縮コイルバネ2
と隣り合わせで断面コの字状の型鋼6が設けられてい
る。この型鋼6は、その底面が図示しない固定手段を介
して構造床5に固定されるとともに、その縦面6aには
上下方向に沿ってボルト・ナット等の締結手段9により
取付プレート10が固着されている。他方、付加質量体
3の外縁部3b下面には、断面L字状のアングル材11
がボルト・ナット等の締結手段12を介して固着され、
このアングル材11の一面が上記取付プレート10と水
平方向に間隔を隔てて相対向する縦面11aとなってい
る。これら型鋼6や取付プレート10、アングル材11
の取付施工性を考慮すると、これらは付加質量体3の下
に潜り込むことなくその外側から作業ができるように圧
縮コイルバネ2よりも外側に設置することが好ましく、
特に付加質量体3の外縁部3bの端面を利用して取り付
けるようにするときわめて取付作業性がよい。
細を説明するために、図1のA部拡大側面図が示されて
いる。この減衰手段1は、減衰を生じさせる粘弾性材4
を備えるとともに、この粘弾性材4を上下振動に対して
作用させるための取付構造を有している。構造床5上に
は、付加質量体3の外縁部3b直下に圧縮コイルバネ2
と隣り合わせで断面コの字状の型鋼6が設けられてい
る。この型鋼6は、その底面が図示しない固定手段を介
して構造床5に固定されるとともに、その縦面6aには
上下方向に沿ってボルト・ナット等の締結手段9により
取付プレート10が固着されている。他方、付加質量体
3の外縁部3b下面には、断面L字状のアングル材11
がボルト・ナット等の締結手段12を介して固着され、
このアングル材11の一面が上記取付プレート10と水
平方向に間隔を隔てて相対向する縦面11aとなってい
る。これら型鋼6や取付プレート10、アングル材11
の取付施工性を考慮すると、これらは付加質量体3の下
に潜り込むことなくその外側から作業ができるように圧
縮コイルバネ2よりも外側に設置することが好ましく、
特に付加質量体3の外縁部3bの端面を利用して取り付
けるようにするときわめて取付作業性がよい。
【0022】そしてこのようにアングル材11と取付プ
レート10との間に形成された水平方向の隙間に、上記
粘弾性材4が取り付けられるようになっている。この粘
弾性材4自体はVEM(Visco Elastic Material)として
よく知られていて、高分子材料などで作製され、弾性体
としての耐荷力よりも、粘性体としての減衰力が期待さ
れ、アングル材11と取付プレート10との間に挟み込
まれてこれら間に生じる上下方向の相対変位で剪断変形
されて減衰効果を生ずるようになっている。殊に粘弾性
材4は、その減衰特性に温度依存性があり、温度管理を
することによって所望の減衰能にコントロールすること
ができてTMD8を良好に作動させることができる。
レート10との間に形成された水平方向の隙間に、上記
粘弾性材4が取り付けられるようになっている。この粘
弾性材4自体はVEM(Visco Elastic Material)として
よく知られていて、高分子材料などで作製され、弾性体
としての耐荷力よりも、粘性体としての減衰力が期待さ
れ、アングル材11と取付プレート10との間に挟み込
まれてこれら間に生じる上下方向の相対変位で剪断変形
されて減衰効果を生ずるようになっている。殊に粘弾性
材4は、その減衰特性に温度依存性があり、温度管理を
することによって所望の減衰能にコントロールすること
ができてTMD8を良好に作動させることができる。
【0023】以上のように構成されるTMD8を設置す
るに際しては、構造床5上に圧縮コイルバネ2を配設す
るとともに、これに隣接させて型鋼6を配設し、その後
圧縮コイルバネ2上に付加質量体3を載置する。その後
型鋼6と付加質量体3それぞれに対して、粘弾性材4を
予め挟着したアングル材11と取付プレート10とを締
結手段9,12で固着する。
るに際しては、構造床5上に圧縮コイルバネ2を配設す
るとともに、これに隣接させて型鋼6を配設し、その後
圧縮コイルバネ2上に付加質量体3を載置する。その後
型鋼6と付加質量体3それぞれに対して、粘弾性材4を
予め挟着したアングル材11と取付プレート10とを締
結手段9,12で固着する。
【0024】そして地震動や日常の生活活動による上下
方向振動が構造床5に加わった場合には、上記圧縮コイ
ルバネ2、減衰手段1および付加質量体3から構成した
TMD8の共振現象によって当該構造床5の上下振動を
相殺することができ、これにより構造床5の上下方向振
動を効果的に減衰させることができる。
方向振動が構造床5に加わった場合には、上記圧縮コイ
ルバネ2、減衰手段1および付加質量体3から構成した
TMD8の共振現象によって当該構造床5の上下振動を
相殺することができ、これにより構造床5の上下方向振
動を効果的に減衰させることができる。
【0025】この際、TMD8の減衰手段1として機能
する粘弾性材4は、構造床5と圧縮コイルバネ2上に弾
性支持された付加質量体3との間に発生する上下方向相
対変位で取付プレート10とアングル材11との上下位
置がずれることによって剪断変形され、これにより減衰
を生じてTMD8に所定の減衰を発生させるようになっ
ている。
する粘弾性材4は、構造床5と圧縮コイルバネ2上に弾
性支持された付加質量体3との間に発生する上下方向相
対変位で取付プレート10とアングル材11との上下位
置がずれることによって剪断変形され、これにより減衰
を生じてTMD8に所定の減衰を発生させるようになっ
ている。
【0026】ところで以上説明した本実施形態にかかる
床制振システムによれば、粘弾性材4は、それ自体を上
下方向相対変位が生じる構造床5と付加質量体3との間
に挟み込んで設けるだけでよいので、減衰手段1として
の構造がきわめて簡単であり、したがって設備施工を容
易に行うことができる。またケーシングなども不要で小
型であり設備スペースも狭くて済むとともに、かつまた
粘弾性材4自体もまたその設備コストも安価で、コスト
ダウンを達成できる。そして地震動や日常生じる微細な
振動に対して粘弾性材4は高能率の減衰性能を発揮し、
またその厚みや取り付け表面積などを適宜調整すること
でTMD8における固有周期調整にも優れた融通性を発
揮する。そしてこのような粘弾性材4によって減衰能を
得るようにしたTMD8により、構造床5の上下振動を
適切かつ効果的に制振することができる。
床制振システムによれば、粘弾性材4は、それ自体を上
下方向相対変位が生じる構造床5と付加質量体3との間
に挟み込んで設けるだけでよいので、減衰手段1として
の構造がきわめて簡単であり、したがって設備施工を容
易に行うことができる。またケーシングなども不要で小
型であり設備スペースも狭くて済むとともに、かつまた
粘弾性材4自体もまたその設備コストも安価で、コスト
ダウンを達成できる。そして地震動や日常生じる微細な
振動に対して粘弾性材4は高能率の減衰性能を発揮し、
またその厚みや取り付け表面積などを適宜調整すること
でTMD8における固有周期調整にも優れた融通性を発
揮する。そしてこのような粘弾性材4によって減衰能を
得るようにしたTMD8により、構造床5の上下振動を
適切かつ効果的に制振することができる。
【0027】
【発明の効果】以上要するに本発明に係る床制振システ
ムによれば、弾性体、減衰手段および付加質量体から構
成されて上下方向振動に対するTMDとして機能するダ
ンパー機構を床上に設けたので、このTMDによる共振
現象によって床の上下振動を相殺することができて、こ
れにより床の上下方向振動を効果的に減衰させることが
できる。
ムによれば、弾性体、減衰手段および付加質量体から構
成されて上下方向振動に対するTMDとして機能するダ
ンパー機構を床上に設けたので、このTMDによる共振
現象によって床の上下振動を相殺することができて、こ
れにより床の上下方向振動を効果的に減衰させることが
できる。
【0028】そして特にTMDに備える減衰手段を、床
と付加質量体との間に水平に挟み込んだ形態の粘弾性材
としたので、減衰手段としての構造がきわめて簡単であ
り、したがって設備施工を容易に行うことができる。
と付加質量体との間に水平に挟み込んだ形態の粘弾性材
としたので、減衰手段としての構造がきわめて簡単であ
り、したがって設備施工を容易に行うことができる。
【0029】またケーシングなども不要で小型であり設
備スペースも狭くて済むとともに、かつまた粘弾性材自
体もまたその設備コストも安価で、コストダウンを達成
することができる。
備スペースも狭くて済むとともに、かつまた粘弾性材自
体もまたその設備コストも安価で、コストダウンを達成
することができる。
【0030】そして地震動や日常生じる微細な振動に対
して粘弾性材は高能率の減衰性能を発揮し、またその厚
みや取り付け表面積などを適宜調整することでTMDに
おける固有周期調整にも優れた融通性を発揮する。
して粘弾性材は高能率の減衰性能を発揮し、またその厚
みや取り付け表面積などを適宜調整することでTMDに
おける固有周期調整にも優れた融通性を発揮する。
【0031】さらに粘弾性材は、温度管理することによ
って所望の減衰能にコントロールすることができ、TM
Dを良好に作動させることができる。
って所望の減衰能にコントロールすることができ、TM
Dを良好に作動させることができる。
【0032】そしてこのような粘弾性材によって減衰能
を得るようにしたTMDにより、床の上下振動を適切か
つ効果的に制振することができる。
を得るようにしたTMDにより、床の上下振動を適切か
つ効果的に制振することができる。
【0033】また、弾性体および減衰手段を複数組備
え、これらを付加質量体の外縁部に沿って適宜間隔で配
設したので、上下振動する付加質量体がロッキング振動
することを適切に防止でき、的確にTMDを作動させる
ことができて確実な床制振機能を保証することができ
る。
え、これらを付加質量体の外縁部に沿って適宜間隔で配
設したので、上下振動する付加質量体がロッキング振動
することを適切に防止でき、的確にTMDを作動させる
ことができて確実な床制振機能を保証することができ
る。
【図1】本発明に係る床制振システムの好適な一実施形
態を示す側面図である。
態を示す側面図である。
【図2】本発明に係る床制振システムの好適な一実施形
態を示す平面図である。
態を示す平面図である。
【図3】図1のA部拡大側面図である。
1 減衰手段 2 圧縮コイルバネ 3 付加質量体 4 粘弾性材 5 構造床 8 TMD
Claims (2)
- 【請求項1】 床の上下振動を抑制するための床制振シ
ステムにおいて、上記床の上下振動を共振現象で相殺し
て減衰させるべく該床上に、上下方向に弾発する弾性体
と上下方向力を減衰する減衰手段とを併設するとともに
それらの上に付加質量体を設置して構成したダンパー機
構を設け、かつ該ダンパー機構の上記減衰手段を、上記
床と上記付加質量体との間に水平に挟み込んでこれらの
上下方向相対変位で剪断変形して減衰を生じる粘弾性材
としたことを特徴とする床制振システム。 - 【請求項2】 前記弾性体および前記減衰手段を複数組
備え、これらを前記付加質量体の外縁部に沿って適宜間
隔で配設したことを特徴とする請求項1に記載の床制振
システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6058097A JPH10252253A (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 床制振システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6058097A JPH10252253A (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 床制振システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10252253A true JPH10252253A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=13146335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6058097A Pending JPH10252253A (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 床制振システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10252253A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030068595A (ko) * | 2002-02-15 | 2003-08-25 | 주식회사 케이.알 | 동조질량감쇠장치 |
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JP2010281407A (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-16 | Shimizu Corp | 制振機構およびその設置方法 |
JP2013227739A (ja) * | 2012-04-24 | 2013-11-07 | Kanazawa Inst Of Technology | Tmdディバイス及びそれを用いた重量床衝撃音の低減構造 |
JP2017198228A (ja) * | 2016-04-25 | 2017-11-02 | 株式会社大林組 | チューンドマスダンパー |
-
1997
- 1997-03-14 JP JP6058097A patent/JPH10252253A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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