JP6420012B1 - 建物用受動型制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存の建物にも適用可能なコンパクトな制振装置であって、小規模の地震から大地震まで振動レベルに応じて最大限に制震機能を発揮することができる建物用受動型制振装置を提供する。【解決手段】制振装置1の外殻をなし制振の対象となる建物に固定される外殻構造体2と、外殻構造体2内にクリアランスCをおいて収納され、水平バネ手段4を介して水平面内の全方向に振動可能な水平断面における外郭縁が円形または楕円形の付加マス3と、付加マス3の水平振動に対して減衰力を与える減衰手段5とを備える。建物の固有振動数に応じて、TMDとして機能するように水平バネ手段4のバネ定数および減衰手段5の減衰定数を設定する。付加マス3の水平方向の振幅がクリアランスC以上に達すると、付加マス3が外殻構造体2の外壁部2a内面に衝突し、衝突によって生ずる衝撃エネルギーによって建物の振動を減衰させる。【選択図】図1

Description

本発明は、地震や風による建物の振動を抑制するための建物用受動型制振装置に関するもので、従来のTMD(チューンド・マス・ダンパー)の機能に加え、インパクトダンパーの機能を付加したものである。
地震国である我が国おいては、過去の大地震による教訓をもとに、耐震、制振に関する考え方が都度見直されている。そのような状況下において、旧耐震の設計による既存の建物の構造では、今後予想される大地震に対しては耐震性能が十分ではないという問題がある。
このようなことから、既存の建物については、建て替えによらずに耐震性能を大幅に向上させることができる耐震補強構造あるいは耐震補強方法が望まれており、種々の構造、方法が提案されている。
ところで、都会など地価が高価な地域では、ペンシルビルなど間口の狭い多層階のビルが多数建設されている。このようなペンシルビルはその形態から、桁行き方向は比較的耐震性が高いが、梁間方向の固有周期が長く、比較的長周期の地震動による横揺れが大きくなる傾向があるという問題がある。
また、ペンシルビルはもともと狭隘な敷地に建設されることが多いため、建物外部からの耐震補強が難しいといった問題もある。
従来、建物の頂部などに設置される代表的な制振装置としては、建物の質量に対し、0.5〜3%程度の重り(付加質量)と、建物と重りをつなぐばね手段および減衰手段とから構成される受動型の動吸振器(TMD)、重り(付加質量)にアクチュエーターにより強制的な力を加えて建物の振動を抑制する能動型の動吸振器(AMD:アクティブマスダンパー)がある。
その他、TMDとAMDの両者の機能を有するハイブリッド型の動吸振器や、重りの衝突によってエネルギーを吸収する衝撃ダンパーあるいはインパクトダンパーなどが知られている。
AMDの場合、理論的には理想的な制御が行われれば、コンパクトな装置で高い制震効果が得られるが、設計や装置のメンテナンスが難しく、制御に異常が生じた場合には逆効果となって装置を停止せざるを得ないという問題がある。
TMDについても、従来の既存のTMDでは、高い制振効果とコンパクト化を両立させるのが難しいという問題がある。また、既存のTMDは特定の一方向に機能する装置が一般的であり、異なる2方向の振動に対応するための装置や配置方法も提案されているが実用的なものがない。
また、建物の制振のための衝撃ダンパーも検討されてはいるが、従来検討されている構造では、実用化に多くの課題がある。
上述のような課題に対し、特許文献1では、受動型の動吸振器であるTMDの一種として、付加質量としての重りを積層ゴムで支えるタイプのTMDについて、重りの水平方向の変位量の制限や安定性の課題に対し、間隔をおいて複数設けた多段積層ゴムと、重りのX軸方向およびY軸方向の変位の最大量を制限する緩衝装置と、揺動リンクアームなどを備え、摩擦抵抗が小さく、固有周期の微調整も精密に行なえ、安定性を高めることができる2次元パッシブ制振装置が提案されている。
特許文献2では、振動方向によって異なる固有振動数を有する構造物を制振するための制振装置として、構造物の質量に応じた大きさの第1の付加質量と、第1の付加質量の内部に形成された空間に挿入されるように設けられた第2の付加質量と、第1の付加質量を揺動可能に支持する積層ゴムとよりなる。第1の付加質量は、四隅が4個の積層ゴムにより支持され、第2の付加質量はリニアベアリングによりX方向に摺動可能に支持された装置が提案されている。
また、特許文献3には、異なる周期特性を有する直交する水平2方向に加えて水平斜め方向の構造物の揺れにも対応できるスロッシングダンパーとして、長径D、短径Dの平面視楕円形の筒状容器内に所定の水深hを有する水が貯留されたものであり、楕円形の長軸方向Lと短軸方向Sのスロッシング周期が、構造物の主軸2方向の固有周期とそれぞれ同調するようにしたスロッシングダンパーが記載されている。
また、特許文献4には、従来のスロッシングダンパーでは、小さな風圧力や中小地震には有効であるが、水槽の水が破砕するような大きな風圧力や大地震に対しては制振効果がなくなる、長方形の水槽を使用するスロッシングダンパーでは、X、Yの2方向の制振装置が必要となる、といった課題に対し、構造物の上部に設置した円形流体容器の底面に、円柱状慣性質量体を滑動自在に載置し、同慣性質量体と前記容器との間に微弱なばねを介装するとともに、慣性質量体より放射状に岐出され、かつ夫々中間部にオリフィスを具えた可動隔壁の先端を、微弱なばねを介して容器に支持して構成されるパッシブマス制振装置が記載されている。
特許文献5には、衝撃ダンパーを用いた高層構造物における制振構造として、付加重錘が重畳的に配された2自由度以上のダイナミックダンパーが独立的に配され、主振動系である高層構造物に揺れが生じたとき、小さい振動幅に対しては付加重錘は衝突せず、大きい振動幅に対しては付加重錘が衝突する被衝突物体を主振動系側に配した高層構造物における制振構造が提案されている。
また、特許文献6には、動吸振器ではないが、ダンパーを構成する鉛体が水平方向に塑性変形を受け、この塑性変形に伴うエネルギー吸収をもって構造物の振動を吸収する鉛ダンパーに関し、上下方向への鉛体の応力の高まりを抑え、鉛体の実質的な純せん断変形を保証するために、軸方向移動調整機構を設け、塑性変形部の鉛体の変形において、塑性変形に伴う軸方向の変位は軸方向移動調整機構部により吸収されるとともに、その反力機構部により軸方向の変位に応じた引き戻し力が発生し、その結果、塑性変形部の鉛体に過大な引張り抵抗が作用せず、鉛体に作用する軸方向変形応力が緩和されるようにした鉛ダンパーが開示されている。
非特許文献1の「副質量を有する建物制振用マスダンパに関する研究」(第1報)では、建物頂部に設置される受動型の動吸振器(TMD)や能動型のアクティプマスダンパ(AMD)の場合、付加質量の質量や移動距離が制限されて十分な制振効果が得られないという課題に対し、主質量と副質量の2質量から構成される制振装置を基本とし、地震の入力レベルの大きさに従い、小レベル入力ではアクティブモード、中レベル入力ではパッシブモード、大地震の大レベル入力では衝撃力を応用したパッシブモードと段階的に変更させる制振装置の検討がなされている。
非特許文献2の「副質量を有する建物制振用マスダンパに関する研究」(第2報)では、非特許文献1の研究の延長として、五層建物モデルを試験体とした振動実験が述べられている。実験に用いられた試験体は、主質量(ダンパー1)上に副質量(ダンパー2)を搭載し、各質量のばね要素にはコイルスプリング、減衰要素には粘性せん断形ダンパーを用いた構造となっており、主質量に副質量を固定することで1質量化したTMD、2つの質量が動作する2質量形TMD、副質量が建物頂部に設置したストッパーに衝突し主質量の変位を抑制する衝突2質量形TMDという構成とし、従来の制振装置と同等の制振性能を確保しつつ、主質量の最大駆動距離を低減できることを確認した旨の記載がある。
さらに、非特許文献3の「副質量を有する建物制振用マスダンパに関する研究」(第3報)では、非特許文献1、非特許文献2の研究の延長として、建物高さ122m、地下3階、地上29階の鉄骨構造建物を解析対象として解析が行われている。
特許第4259641号公報 特開平09−310534号公報 特開2005−256943号公報 特許第2915126号公報 特許第3394330号公報 特許第3616425号公報
藤田聡・里本好示・下田郁夫・持丸昌巳・永井潔・木本幸一郎・、副質量を有する建物制振用マスダンパに関する研究(第1報;応答解析による制振性能の予備的検討)、日本機械学会論文集C編、Vol. 61、No. 587 (1995)、pp. 2800-2805 藤田聡・河相崇・下田郁夫・持丸昌巳・永井潔・木本幸一郎、"副質量を有する建物制振用マスダンパに関する研究(第2報;振動実験による制振性能の検討)",日本機械学会論文集C編,Vol. 62, No. 597 (1996), pp. 1719-1725. 藤田聡・渋谷真・河相崇・下田郁夫・持丸昌巳・永井潔・木本幸一郎、副質量を有する建物制振用マスダンパに関する研究(第3報;実物大建物モデルを用いた制振性能の検討)、日本機械学会論文集C編、Vol. 63、No. 615 (1997)、pp. 3840-3847.
TMDに関しては、設置された複数のTMDの総質量が約1800tにも及ぶ超高層ビル用の大型のTMDも実用化されているが、無数に存在する旧耐震基準で設計された既存のビルにも設置可能なコンパクトでかつ制振性能に優れたTMDがないのが現状である。
すなわち、重り(マス)の質量や水平方向の変位量の制限がネックとなっており、既存の建物の頂部にTMDやAMDなどの動吸振器型の制振装置の設置は困難と考えられている。前述した特許文献1〜5記載の発明も、基本的には新築の建物を対象としており、既存の建物への適用は難しい。
また、前述のように、AMDの場合、設計や装置のメンテナンスが難しく、制御に異常が生じた場合には逆効果となり、装置を機能させることができなくなるという問題がある。
また、前述した特許文献1〜4記載の発明のように、特定の一方向だけでなく、二方向あるいは全方向に機能させる構造も提案されているものの構造が複雑になるなど実用化が難しい。
また、特許文献5や非特許文献1〜3には、構造物の振動レベルに応じてAMD,TMD、衝撃ダンパーと切り替わる制振装置が提案されているが、一方向のみに機能する2質量形TMDを基本とし、小レベル入力ではアクティブモード、中レベル入力ではパッシブモード、大地震の大レベル入力では衝撃力を応用したパッシブモードと変化させようとするものであり、複雑な設計を必要とし、コンパクトな形態とはなっていない。
本発明は上述のような背景のもとに開発されたものであり、既存の建物にも適用可能なコンパクトな制振装置であって、かつコンパクトな構造という制約の中で小規模の地震から大地震まで振動レベルに応じて最大限に制震機能を発揮することができ、またAMDのような誤作動の恐れがない建物用受動型制振装置を提供することを目的としている。
本発明の建物用受動型制振装置は、装置の外殻をなし制振の対象となる多層階建物に固定される外殻構造体と、前記外殻構造体内にクリアランスをおいて収納され、水平バネ手段を介して水平面内の全方向に振動可能な水平断面における外郭縁が円形または楕円形の付加マスと、前記付加マスの水平振動に対して減衰力を与える減衰手段とを備え、中小の地震に対しては、前記建物の固有振動数に応じて、水平方向の振動に対する受動型動吸振器として機能するように前記水平バネ手段のバネ定数および前記減衰手段の減衰定数を設定してあり、大地震の際にのみ前記付加マスの水平方向の振幅が前記クリアランス以上に達し、前記外殻構造体の外壁部内面に衝突し、前記付加マスと前記外壁部内面の衝突によって生ずる衝撃エネルギーによって建物の振動を減衰させるように構成したことを特徴とするものである。
本発明の制振装置は、付加マス(重り)と、水平バネ手段と、減衰手段からなる受動型動吸振器であるTMDの構成を備えた制振装置であるが、大地震の際に付加マスに上述のクリアランスを超える水平方向の変位が生じると、付加マスが外殻構造体の外壁部内面に衝突し、衝突によって生じるエネルギーによって建物の振動を減衰させるものである。
また、本発明では付加マスの水平断面形状(外郭形状)を円形または楕円形とし、水平面内の全方向に振動可能としているため、地震の入力方向に応じて付加マスを振動させることができる。すなわち1つの制振装置で建物の全方向の揺れに対処させることができる。
例えば、建物の直交するX方向、Y方向の2方向で固有周期など振動特性が大きく異なる場合には、付加マスの水平断面形状を円形ではなく楕円形とすればよい。外殻構造体の外壁部の断面も付加マスの水平断面形状に応じて円形または楕円形のリング状に形成することができる。
本発明においては、付加マスと外殻構造体の外壁部の衝突によって、付加マスまたは外壁部あるいは双方に変形や場合によっては損壊が生じることも許容される。例えば、外殻構造体の外壁部を鋼製の弾塑性ダンパーとして機能させ、衝突時の鋼製の外壁部の弾塑性変形によってもエネルギーを吸収させることができる。
なお、付加マスと外壁部を直接衝突させると、付加マスの表面および外壁部の内面の衝突部に応力が集中し、いきなり損傷を生じる恐れがあるため、付加マスの外周面または外殻構造体の内周面、あるいはその双方にゴム系部材、あるいはバネ材などの緩衝部材を取り付けて衝突時の応力の集中を緩和することが望ましい。
水平バネ手段として、従来のTMDでは付加マスを下から支持する積層ゴム支承が多用されている。ただし、本発明の制振装置では、大地震に対する衝撃ダンパーの構成において、通常のTMDより大きなストロークが必要となるため、鉛直荷重に対する安定性を維持した上で水平変形能力の大きい積層ゴムを用いる必要がある。
また、付加マスの鉛直荷重の支持については、水平バネ手段と切り離してすべり支承(摩擦係数の小さいすべり面など)などを介して水平方向に摺動可能に支持することができる。すべり支承としては、例えば、従来、すべり式の免震構造に用いられているステンレス板と低摩擦のすべり材を組み合わせたすべり支承や、ボールベアリング支承などがある。また、磁力を利用した磁気浮上または疑似磁気浮上によって付加マスを支持する方式を利用したり、あるいはすべり支承と併用することも考えられる。
また、従来、付加マスの鉛直荷重の支持について、付加マスを1本または複数本の吊り材によって振り子式に支持し、振り子を水平バネとして機能させる構造も採用されている。ただし、その場合、建物の固有周期との関係で振り子の高さが高くなるという欠点がある。
水平バネ手段としては、積層ゴム、鉛プラグ入り積層ゴム、積層減衰ゴム、コイルバネ、あるいはこれらの組み合わせを用いることができる。
積層ゴムに付加マスの鉛直荷重を支持させた場合、付加マスの振動範囲としてのストロークが制限され、水平バネとしての機能にも影響が生じることも考えられるため、積層ゴム鉛プラグ入り積層ゴム、積層減衰ゴムなどを用いる場合は、付加マスを上述のすべり支承を介して支持し、付加マスと外殻構造体の上部内面(外殻構造体の上部に設けた天井部あるいは支持部材など)との間に積層ゴムなどを設置すれば、積層ゴムには実質的に鉛直荷重が作用しないため、水平バネとして外殻構造体の外壁部までのクリアランス分も含め大きなストロークを確保することができる。
また、水平バネ手段としてコイルバネを用いる場合、付加マスと外殻構造体の外壁部とがコイルバネ近傍で衝突する場合、コイルバネが衝突の支承となることが考えられるが、例えば付加マスにコイルバネの一端を収納する穴状または溝状の収納部を形成しておけば、コイルバネを衝突まで支障なく機能させることができる。
減衰手段は種々の形態が考えられる。基本的には従来のTMDと同様であり、各種ダンパー装置を上述の水平バネ手段と併用することができるが、鉛プラグ入り積層ゴムや積層減衰ゴムなどの場合、それ自体が水平バネ手段と減衰手段の一部または全部を兼ねている。
従来のTMDやAMDでは付加質量として鋼材を用いるのが一般的であり、本発明においても鋼材を用いることができる。しかしながら、鋼材は高価で加工あるいは組立てにも手間がかかるため、比重が大きく、変形加工が容易で、価格的にも安価な鉛を用いることが考えられる。
鉛は特許文献6にも記載されるように、水平方向に塑性変形することに伴うエネルギー吸収によって構造物の振動を吸収する機能があるが、付加マスを鉛のみで構成すると外殻構造体の外壁部との衝突によって容易に変形してしまい、繰り返しの揺れに対応できなくなるため、鋼製あるいは合成ゴムなどの弾性体からなる外殻部材の内部に鉛を充填するかまたは鉛の塊を収納するなどして用いることができる。
本発明の制振装置は、付加マスと、水平バネ手段と、減衰手段からなる受動型動吸振器であるTMDの構成を備え、かつ大地震の際に付加マスに所定のクリアランスを超える大きな水平方向の変位が生じると、付加マスが外殻構造体の外壁部内面に衝突し、衝突によって生じるエネルギーによって建物の振動を減衰させるものであり、コンパクトな構成によって地震レベルに応じた大きな制振効果を得ることができる。
また、本発明では付加マスの水平断面形状を円形または楕円形とし、水平面内の全方向に振動可能としているため、地震の入力方向に応じて付加マスを振動させることができ、1つの制振装置で建物の全方向の揺れに対処させることができる。
このように構造的にも機能的にもコンパクトな制振装置としたことで、既存の建物にも適用することができる。また、装置を安価に製作することができる。
本発明の建物用受動型制振装置の一実施形態を示したもので、(a)は装置の鉛直断面図、(b)はそのA−A断面図である。 本発明の建物用受動型制振装置を多層階建物の頂部に設置した状態を概略的に示した立面図である。 図1の実施形態における装置の作動原理を示す説明図である。 本発明の建物用受動型制振装置の他の実施形態を示す鉛直断面図である。 本発明の建物用受動型制振装置のさらに他の実施形態を示す鉛直断面図である。 付加マスおよび外殻構造体の外壁部の水平断面を楕円形とした実施形態についての建物屋上への配置例を示す概略平面図である。 本発明の建物用受動型制振装置の建物への設置位置のバリエーションを示したもので、(a)は建物の内部の最上階に設置した場合の概略立面図、(b)は新築の建物について建物内に制振装置を設置するための専用の階を設けた場合の概略立面図、(c)は建物の屋上のほか建物の内部にも設置した場合の概略立面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の建物用受動型制振装置1の一実施形態を示したもので、(a)は制振装置1の鉛直断面図、(b)はそのA−A断面図である。
本発明の制振装置1は、図2に示すように主として多層階建物10の屋上など建物の頂部に設置することができる。場合によっては、建物10の内部に設置してもよい。図3は制振装置1の作動原理を示したものである。
制振装置1は、装置の外殻をなし制振の対象となる建物に固定される外殻構造体2と、外殻構造体2内にクリアランスCをおいて収納され(図3(a)参照)、水平バネ手段4を介して水平面内の全方向に振動可能な水平断面における外郭縁が円形または楕円形の付加マス3と、付加マス3の水平振動に対して減衰力を与える減衰手段5とを備え、建物10の固有振動数に応じて、TMDとして機能するように水平バネ手段4のバネ定数および減衰手段5の減衰定数を設定してあり(図3(b)参照)、付加マス3の水平方向の振幅がクリアランスC以上に達すると、外殻構造体2の外壁部2a内面に衝突し(図3(c)参照)、付加マス3と外壁部3a内面の衝突によって生ずる衝撃エネルギーによって建物10の振動を減衰させる構成となっている。
すなわち、この制振装置1は、中小の地震に対してはTMDとして機能するものであり、円筒リング状の外殻構造体2の内側に、水平断面における外郭縁が円形または楕円形の付加マス3と、建物側に固定される外殻構造体2と付加マス3間をつなぐバネ手段および減衰手段を基本的な構成要素として備え、本実施形態では、1つの付加マス3がすべり支承を構成する低摩擦係数のすべり面6上を水平全方向に摺動可能となっている。
この制振装置1は、上述のように大地震の際には、付加マス3が外殻構造体2の外壁部2a内面に衝突することを許容するものであり、衝突によって生じる衝撃エネルギーによって建物10の振動を減衰させる。
また、外殻構造体2の外壁部2aを鋼製とし、衝突時の鋼製の外壁部2aの弾塑性変形によっても弾塑性ダンパーとしてエネルギーを吸収させることができる。
本実施例では、付加マス3として鋼殻3a内に鉛3bを充填したものを用いている。鉄の比重が約7.9であるのに対し、鉛の比重は約11.3であり、少ない体積で質量をかせぐことができる。
従来のTMDにおける付加マス1の質量は建物10の質量の1〜3%が一般的であるが、本発明の制振装置1は中小の地震にはTMDとして機能し、大地震に対しては衝撃ダンパーとして機能させることができるため、付加マス3の質量は建物10の質量の0.5〜1.5%程度が好ましい。例えば、質量が800tのペンシルビルを想定した場合、4t〜12t程度となる。鉛の体積で換算すると、0.35〜1.06m3程度となる。
このように、制振装置1をコンパクトな構造とし、かつ付加マス3の質量を抑えることで、従来、TMDの利用が困難であった旧耐震の設計による既存建物への適用が容易となる。
また、鉛は金属材料としては安価である他、鉛は容易に塑性変形する材料であるため、付加マス3が外殻構造体2の外壁部に衝突する際、この塑性変形に伴うエネルギー吸収によって建物の振動を吸収することができる。なお、付加マス3を鉛3bのみで構成しようとすると、衝突の際の変形が大きくなりすぎて付加マス3としての機能が損なわれるため、本実施形態では上述のように鋼殻3a内に鉛3bを充填する構成としている。
水平バネ手段4としては、本実施形態では合成ゴムと薄鋼板を互層に配置し、上下に取付用のプレートを設けた積層ゴム4aを用いている。本実施形態において、積層ゴム4aは付加マス3上面と外殻構造体2の天井部2bとの間に、後述する減衰手段5としてのサンドイッチ型粘性ダンパー5aを介在させた形で設置されている。
付加マス3は前述のようにすべり面6上を水平全方向に摺動するように構成され、積層ゴム4aおよびサンドイッチ型粘性ダンパー5aには実質的に鉛直荷重が作用しないため、大きな水平変形でも安定性を保つことができ、付加マス3のクリアランスC全領域での移動に対応可能となっている。
減衰手段5としてのサンドイッチ型粘性ダンパー5aは、上下2枚の鋼板の間に粘性体を挟み込んだものであり、鋼板間の距離と面積、粘性体あるいは粘弾性体の種類などによって、装置の減衰定数を調整することができる。
減衰手段5としてのサンドイッチ型粘性ダンパー5aは、上下2枚の鋼板の間に粘性体を挟み込んだものであり、鋼板間の距離と面積、粘性体あるいは粘弾性体の種類などによって、装置の減衰定数を調整することができる。
本実施形態で用いているすべり支承6は、例えばステンレス鋼板などで摩擦係数の非常に小さいすべり面を形成し、その上を付加マス3が摺動するようにしたものであり、付加マス3の下面にフッ素樹脂のコーティングを施すといったことが行われる。
また、本実施形態において、大地震の際に衝突する外殻構造体2の外壁部2aの内面および付加マス3の側面には、それぞれ合成ゴムなどからなる緩衝材2c、3cを取り付けてある。
図4は本発明の建物用受動型制振装置1の他の実施形態を示したものである。図1の実施形態との相違点としては、本実施形態では水平バネ手段4としてコイルバネ4bを用い、減衰手段5としてコイルバネ4bと平行にシリンダー形式の粘性ダンパー5bを用いている。
図4では特定の鉛直断面のみを示しているが、コイルバネ4bは付加マス3を中心に複数本放射状に配置し、一端を付加マス3に形成した穴状または溝状の収納部3dに固定し、他端を外殻構造体2の外壁部2aの内面側に固定している。
このように構成することで、すべり支承6上を摺動する付加マス4の移動に対し、コイルバネ4bおよび粘性ダンパー5bが伸縮し、大地震による付加マス3が外壁部2aに衝突する際には、コイルバネ4bおよび粘性ダンパー5bが収納部3d内に納まった状態で衝突するようになっている。
図5は本発明の建物用受動型制振装置1のさらに他の実施形態を示したものである。図1の実施形態との相違点として、本実施形態では、鉛3bを主体とする付加マス3を水平バネ手段4としての積層ゴム4cで支持する形態としている。
付加マス3を水平バネ手段4としての積層ゴム4cで支持する上で、安定性を確保するために付加マス3をより扁平な形態としている。また、水平バネ手段4としての積層ゴム4cとして安定した大きな水平変形を確保するため、取付け用の端板としての上下の鋼板間に比較的高さの高い小断面の複数(例えば周方向に6個)の積層ゴム4cを配置した構成としている。
図6は付加マス3および外殻構造体2の外壁部2aの水平断面を楕円形とした制振装置1の建物10屋上への配置例を示したものである。
図6に示すように建物10の直交するX方向、Y方向の2方向で固有周期など振動特性が大きく異なる場合には、付加マス3の水平断面形状を円形ではなく楕円形とすればよい。
図6の例はペンシルビルなど間口方向(図ではY方向)が狭い細長い建物10を想定しており、この場合X方向の固有周期が短く、Y方向の固有周期が長くなっている。そのため長周期の地震動に対してY方向の振幅が大きくなる恐れがある。
そのため、図6の実施例では付加マス3および外殻構造体2の外壁部2aの水平断面をY方向に長い楕円形とした制振装置1を建物10の屋上に2台並列させて設置している。なお、図5では、作図上、水平バネ手段、減衰手段等の記載は省略している。
図7は本発明の建物用受動型制振装置の建物への設置位置のバリエーションを示したものである。
図7(a)は建物10の内部の最上階に制振装置1を設置した場合である。既存の建物10において屋上に制振装置1を設置するスペースがない場合、建物10の内部に設置してもよい。入力地震動と建物10の固有振動数との関係で1次の振動モードが卓越する場合には、建物の頂部に近い階に設置するのが効果的である。
なお、建物10内に設置することで、設置階の有効スペースが減少する反面、装置が風雨にさらされることがなく、メンテンス作業も容易となるというメリットがある。
図7(b)は新築の建物10について、建物10内に制振装置1を設置するための専用の階を設けた場合である。図7(b)の例では基準階の階高Lに対し、制振装置1の階高L=L+Lとし、Lの高さの床内に制振装置1を設置している。なお、制振装置1の設置スペースを階高の小さい(階高L)の独立した階としてもよい。
図7(c)は建物10の屋上のほか建物10の内部にも設置した場合である。建物10の細長比が大きい場合、入力地震動と建物10の固有振動数との関係で2次の振動モードの影響も大きくなる場合が考えられる。そのため、図7(c)の例では建物10の頂部に加え、2次の振動モードの腹に位置する階にも制振装置1を設置している。
なお、1次モードに対する制振装置1は屋上でなく、図7(a)、(b)のように建物10内部に設置することもできる。
以上、本発明の制振装置1について好ましい複数の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない
1…制振装置、2…外殻構造体、2a…外壁部、2b…天井部、2c…緩衝材、3…付加マス、3a…外殻、3b…鉛、3c…緩衝材、3d…収納部、4…水平バネ手段、4a…積層ゴム、4b…コイルバネ、4c…積層ゴム、5…減衰手段、5a…サンドイッチ型粘性ダンパー、5b…粘性ダンパー、6…すべり支承、
10…建物

Claims (8)

  1. 装置の外殻をなし制振の対象となる多層階建物に固定される外殻構造体と、
    前記外殻構造体内にクリアランスをおいて収納され、水平バネ手段を介して水平面内の全方向に振動可能な水平断面における外郭縁が円形または楕円形の付加マスと、
    前記付加マスの水平振動に対して減衰力を与える減衰手段と、
    を備え、中小の地震に対しては、前記建物の固有振動数に応じて、水平方向の振動に対する受動型動吸振器として機能するように前記水平バネ手段のバネ定数および前記減衰手段の減衰定数を設定してあり、
    大地震の際にのみ前記付加マスの水平方向の振幅が前記クリアランス以上に達し、前記外殻構造体の外壁部内面に衝突し、前記付加マスと前記外壁部内面の衝突によって生ずる衝撃エネルギーによって建物の振動を減衰させるように構成したことを特徴とする建物用受動型制振装置。
  2. 請求項1記載の建物用受動型制振装置において、前記外殻構造体は建物の屋上、または建物の頂部に近い階、または建物の2次振動モードの腹に位置する階に設置されていることを特徴とする建物用受動型制振装置。
  3. 請求項1または2記載の建物用受動型制振装置において、前記外殻構造体の外壁部は弾塑性変形によりエネルギー吸収する弾塑性材料からなることを特徴とする建物用受動型制振装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物用受動型制振装置において、前記付加マスの外周面または前記外殻構造体の内周面には緩衝部材が取り付けられていることを特徴とする建物用受動型制振装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の建物用受動型制振装置において、前記付加マスはすべり支承を介して水平方向に摺動可能に支持されていることを特徴とする建物用受動型制振装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の建物用受動型制振装置において、前記水平バネ手段は、積層ゴム、合成ゴム、コイルバネ、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする建物用受動型制振装置。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に1記載の建物用受動型制振装置において、前記外殻構造体の内部下面には、前記付加マスの鉛直荷重を支持するすべり支承が形成されており、前記水平バネ手段は前記付加マスの上面と前記外殻構造体の上部内面との間をつなぐ積層ゴムであることを特徴とする建物用受動型制振装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に1記載の建物用受動型制振装置において、前記付加マスは外殻部材の内部に鉛を充填または収納したものであることを特徴とする建物用受動型制振装置。
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