JP2010007793A - 免震構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】巨大地震に対して上部構造体を免震可能としながらも、台風等の風荷重による上部構造体の揺れを抑制し、更には、中小地震に対しても免震作用を奏し得る免震構造を提供する。
【解決手段】複数の免震支承部材51が並列に並べられてなる免震層5a,5aを、免震層区画部材52を介して上下方向に積層して構成され、最上層の免震層5aの上に配置された上部構造体1の重量を支持しつつ、最下層の免震層5aの下に配置された下部構造体2に対する前記上部構造体1の水平方向の相対変位を許容する免震構造5である。水平方向の振動を減衰するダンパ3,4が、前記免震層5aを、又は、上下に隣接する複数の免震層5a,5aを一つの振動減衰対象区域として設けられる。
【選択図】図5

Description

本発明は、上部構造体とその下方の下部構造体との間の上下方向隙間に介装される免震構造に関する。
地震時に地面GNDから建物1に伝播する揺れを低減し、建物1の安全性を高める構造として免震構造5が普及している。この免震構造5は、図1Aに示すように、下部構造体としての基礎2と上部構造体としての建物1との間に、積層ゴム等の免震支承部材51を介装して建物1を水平方向に相対変位可能に支持する構造であり、これにより、地震時の地動入力に対する建物1の振動応答の低減化を図っている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2005−248520号
そして、今までは、地震動の卓越周期が1秒前後であることや、その水平方向の揺れ量の想定値が400〜500mm程度であることから、前記免震構造5によって建物1の免震周期が3〜4秒になるように長周期化するとともに、免震構造5の水平方向の相対変位の許容値を500mm程度に設計していた。
しかし、近年の地震観測網の整備や地震動予測技術の進歩により、上述の免震周期の数倍の周期の巨大地震、又は、上記許容値の数倍の揺れ量の巨大地震の発生が懸念されている。例えば、東海地震等の海溝型地震では、従来想定の数倍の卓越周期の地震動が危惧される一方、都市直下で起こり得る活断層型の巨大地震にあっては、従来想定の数倍の揺れ量の地震動が危惧されている。
そこで、このような巨大地震にも対応すべく、免震構造5の免震周期をより長周期化し、且つ、水平方向の相対変位の許容値をより大きくする必要がある。
図1Bは、それを達成可能な免震構造5の例である。すなわち、この免震構造5は、積層ゴム51を鉛直方向に直列にN個(図1Bでは三個)積み重ねて、これを一つの積層ゴムとして用いている。そして、このようにすれば、その免震周期は、図1Aの積層ゴム一段の場合の√N倍にまで長周期化される一方、その相対変位の許容値も、積層ゴム一段の場合のN倍にまで拡大する。よって、この構造を適用すれば、巨大地震に対処可能と考えられる。
しかし、この構造では、台風等の風荷重により生じ得る水平方向の相対変位量も、積層ゴム一段の場合のN倍に拡大してしまい、建物1の居住性や使用性などが大幅に悪化してしまう虞がある。
この問題については、例えば、図1Cに示すように、建物1と基礎2との上下方向隙間Gに、積層ゴム51と並列させて摩擦ダンパ90を配置すれば、解消できる。詳しくは、摩擦ダンパ90の摩擦力を適宜設定することにより、巨大地震の地震荷重よりも小さい外力に対しては、前記摩擦力により建物1を水平方向の相対変位不能に拘束し、これにより台風等の風荷重作用下における建物1の揺れを抑制する。一方、巨大地震時には、摩擦力よりも大きな地震荷重によって摩擦ダンパ90は水平方向に摺動するので、これにより、建物1を巨大地震から免震させることができる。
但し、この構造では、中小地震等の前記摩擦力よりも小さい地震荷重に対しては、摩擦ダンパ90の前記摩擦力により建物1は基礎2に固定されてしまうので、中小地震に対して免震作用を奏し得ないという問題がある。
本発明は、かかる従来の課題に鑑みて成されたもので、巨大地震に対して上部構造体を免震可能としながらも、台風等の風荷重による上部構造体の揺れを抑制し、更には、中小地震に対しても免震作用を奏し得る免震構造を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1に示す免震構造は、
複数の免震支承部材が並列に並べられてなる免震層を、免震層区画部材を介して上下方向に積層して構成され、最上層の免震層の上に配置された上部構造体の重量を支持しつつ、最下層の免震層の下に配置された下部構造体に対する前記上部構造体の水平方向の相対変位を許容する免震構造であって、
水平方向の振動を減衰するダンパが、前記免震層を、又は、上下に隣接する複数の免震層を一つの振動減衰対象区域として設けられ、
第1の振動減衰対象区域に第1のダンパが設けられるとともに、第2の振動減衰対象区域に第2のダンパが設けられることにより、水平方向に所定荷重以下の外力が加わった時の前記第2の振動減衰対象区域の水平方向の相対速度は、前記外力が加わった時の前記第1の振動減衰対象区域の水平方向の相対速度よりも小さく設定され、
前記第2の振動減衰対象区域に前記所定荷重の外力が加わった時の前記第2の振動減衰対象区域の水平方向の相対速度は、第2所定値であり、
前記第2の振動減衰対象区域に加わる水平方向の外力が前記所定荷重を超える荷重範囲では、前記第2のダンパから前記第2の振動減衰対象区域へと付与される減衰力は、前記所定荷重を前記第2所定値で除算して得られる比率よりも小さい変化率に基づき前記相対速度に応じて変化することを特徴とする。
上記請求項1に示す発明によれば、前記所定荷重よりも大きな地震荷重の巨大地震時には、第2のダンパの減衰力の相対速度に対する前記変化率が前記比率よりも小さいので、第2のダンパは、第2の振動減衰対象区域の免震動作を阻害するような前記地震荷重以上の大きな減衰力を概ね発生しない。また、第1のダンパの方も、前記所定荷重までは前記第2のダンパよりも大きな相対速度を生じ得る。よって、これら両区域の免震層は、巨大地震に対して速やかに免震作用を発揮する。
そのため、これら両区域において免震時に許容される相対変位量の加算値を、巨大地震時の水平方向の想定揺れ量よりも大きく設定すれば、これら両区域の免震層が巨大地震に対してスペックオーバーとなることも無く、巨大地震時にも確実に対応可能となる。つまり、免震層を破損等すること無く巨大地震に対して上部構造体は確実に免震される。
また、前記所定荷重よりも小さい台風等の風荷重の作用下では、第2の振動減衰対象区域が生じる水平方向の相対速度は、第1の振動減衰対象区域よりも小さい。よって、専ら第1の振動減衰対象区域のみが水平方向に相対変位して、第2の振動減衰対象区域は概ね水平方向に相対変位せず、その結果、上部構造体の風荷重による揺れは、概ね第1の振動減衰対象区域の免震層のみに基づいて生じ、第2の振動減衰対象区域は殆ど寄与せず、もって、風荷重作用下における上部構造体の揺れは抑制される。
更には、前記所定荷重よりも小さな地震荷重の中小地震時には、第2の振動減衰対象区域よりも大きな相対速度を生じる第1の振動減衰対象区域の免震層が、前記所定荷重よりも小さな前記地震荷重に応じて速やかに相対変位する。よって、中小地震時における上部構造体の免震性は阻害されず、中小地震に対して上部構造体は有効に免震される。
以上から、上記の免震構造によれば、巨大地震に対して何等問題無く上部構造体を免震可能としながらも、台風等の風荷重による上部構造体の揺れを抑制し、更には、中小地震に対しても免震作用を奏することが可能となる。
請求項2に示す発明は、請求項1に記載の免震構造であって、
前記第1の振動減衰対象区域に前記所定荷重の外力が加わった時の前記第1の振動減衰対象区域の前記相対速度が第1所定値であり、
前記第1の振動減衰対象区域に加わる水平方向の外力が前記所定荷重を超える荷重範囲では、前記第1のダンパから前記第1の振動減衰対象区域へと付与される減衰力は、前記所定荷重を前記第1所定値で除算して得られる比率以下の変化率に基づき前記相対速度に応じて変化することを特徴とする。
上記請求項2に示す発明によれば、前記所定荷重よりも大きな地震荷重の巨大地震時には、第1のダンパの減衰力の相対速度に対する前記変化率が前記比率以下であるので、第1のダンパは、第1の振動減衰対象区域の免震動作を阻害するような前記地震荷重以上の大きな減衰力を概ね発生しない。よって、第1の振動減衰対象区域の免震層は巨大地震に対して確実に対応可能となる。
請求項3に示す発明は、請求項2に記載の免震構造であって、
前記第1の振動減衰対象区域に加わる水平方向の外力が前記所定荷重を超える荷重範囲では、前記第1のダンパから前記第1の振動減衰対象区域へと付与される減衰力は、前記所定荷重を前記第1所定値で除算して得られる比率よりも小さい変化率に基づき前記相対速度に応じて変化することを特徴とする。
上記請求項3に示す発明によれば、前記所定荷重よりも大きな地震荷重の巨大地震時には、第1のダンパの減衰力の変化率が前記比率よりも小さいので(つまり、前記変化率が前記比率未満なので)、第1のダンパは、第1の振動減衰対象区域の免震動作を阻害するような前記地震荷重以上の大きな減衰力を概ね発生しない。よって、第1の振動減衰対象区域の免震層が巨大地震に対してより確実に対応可能となる。
請求項4に示す発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の免震構造であって、
前記変化率は、前記比率の0〜0.2倍であることを特徴とする。
上記請求項4に示す発明によれば、前記変化率が、前記比率の0〜0.2倍の大きさであるので、前記所定荷重よりも大きな地震荷重の巨大地震時には、上部構造体の免震を阻害するような前記地震荷重以上の減衰力は概ね発生せず、その結果、前記振動減衰対象区域の免震層は確実に免震作用を発揮可能となる。
請求項5に示す発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の免震構造であって、
前記所定荷重は、前記上部構造体に作用する風荷重の想定値及び中小地震の地震荷重の想定値よりも大きく、巨大地震の地震荷重の想定値よりも小さいことを特徴とする。
上記請求項5に示す発明によれば、巨大地震に対して上部構造体を免震可能としながらも、台風等の風荷重による上部構造体の揺れを抑制し、更には、中小地震に対しても免震作用を奏することが可能となる。
請求項6に示す発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の免震構造であって、
前記第1の振動減衰対象区域は、前記第2の振動減衰対象区域よりも下方に設定されることを特徴とする。
上記請求項6に示す発明によれば、前記所定荷重以下の外力が加わった時に前記第2の振動減衰対象区域よりも大きな相対速度を生じる前記第1の振動減衰対象区域の方が、下方に設けられている。つまり、第2の振動減衰対象区域よりも大きな免震作用を奏する第1の振動減衰対象区域の方が、下方に設けられている。
よって、この構成の方が、これを上下反転した構成よりも、少なくとも第2振動減衰対象区域の重量及び免震層区画部材一つ分の慣性質量だけは、第1の振動減衰対象区域の免震対象の慣性質量を大きくすることができて、結果、中小地震時の免震周期の長周期化を図ることができる。
また、第1の振動減衰対象区域の免震対象の慣性質量が大きくなることに伴って、風荷重の作用時の第1の振動減衰対象区域の相対変位も小さくなるので、風荷重による上部構造体の揺れが、より抑制されることにもなる。
本発明に係る免震装置によれば、巨大地震に対して上部構造体を免震可能としながらも、台風等の風荷重による上部構造体の揺れを抑制し、更には、中小地震に対しても免震作用を奏することができる。
===本実施形態の免震構造5===
図2は、建物1に適用された本実施形態の免震構造5の概念図である。
免震構造5は、上部構造体としての建物1と、下部構造体として地面GNDに設けられた基礎2との間の上下方向隙間Gに介装されており、これにより、建物1と基礎2との水平方向の相対変位を許容しつつ建物1の重量を支持するようになっている。
この免震構造5は、免震支承部材としての複数の積層ゴム51が並列に並べられてなる免震層5aを、免震層区画部材52を介して上下方向に複数段積層して構成されている。そして、各免震層5aが、その免震層5aに作用する水平方向荷重に応じてそれぞれ水平方向に相対変位することにより、建物1は基礎2の地震動から水平免震される。
ここで、このような免震構造5によれば、免震層5aの層数をNとした場合、その免震周期は、積層ゴム51一段たる一層分の免震層5aの場合の√N倍にまで長周期化され、また、その相対変位の許容値も、一層分の免震層5aのN倍にまで拡大する。よって、巨大地震の想定卓越周期や想定揺れ量の大きさに応じて層数Nを適宜設定すれば、巨大地震に対しても対処可能である。ちなみに、ここでは説明の都合上、最も簡略な構成としてNが2の場合の二層構成を例示している。
免震層区画部材52は、各免震層5aが具備する複数の積層ゴム51を連結一体化するとともに、上下に隣り合う積層ゴム51,51同士の間で鉛直荷重を安定して伝達するための略平板部材や平面格子状部材などである。そのため、その材料としては、例えば、RC等の各種コンクリート部材や、形鋼と厚鋼板とを組み合わせた複合材等の変形し難い高剛性部材が用いられるとともに、その厚みも容易に変形しないような断面係数の厚みに設定され、これにより、曲げ変形等を抑えて免震層5aの水平方向の円滑な相対変位動作を達成している。
積層ゴム51は、鋼板とゴム板とを上下に交互に積み重ねて接合一体化したものである。その上端のフランジ部は、その上方に隣接する免震層区画部材52又は建物1の下部にボルト止め等で移動不能に固定される一方、下端のフランジ部は、その下方に隣接する免震層区画部材52又は基礎2の上部にボルト止め等で移動不能に固定される。そして、建物1と基礎2との水平方向の相対変位に伴って、積層ゴム51が水平方向に剪断弾性変形することにより、各免震層5aが水平方向に相対変位して建物1は水平免震される。なお、この免震時においては、剪断弾性変形に伴って積層ゴム51には変形方向と逆向きの弾発力が生じるが、当該弾発力は、基礎2上の所定の基準位置から変位した建物1を前記基準位置へと復帰させるための復元力として機能し、これにより建物1は水平振動する。
ところで、この免震構造5が有する二層の免震層5a,5aには、それぞれ、各免震層5a,5aの水平振動を減衰するダンパ3,4が、積層ゴム51と並列に配置されている。そして、上側の免震層5a(以下、第1免震層5aという)と下側の免震層5a(以下、第2免震層5aという)とでは、互いに異なる減衰特性のダンパ3,4が設けられている。
図3A及び図3Bは、それぞれ、第1免震層5aのダンパ3及び第2免震層5aのダンパ4の減衰特性の説明図であり、縦軸には減衰力Fを、また横軸には相対速度Vをとっている(以下、これをF−V関係図とも言う)。
図3Aに示すように、第1免震層5aのダンパ3(以下、第1ダンパ3という)には、地震時の建物1の振動抑制に通常使用されるダンパが使用されている。つまり、相対速度Vが零から第1所定値V1までの低速域A1では、ダンパ1個あたりの減衰係数C11は概ね0.3〜3.0(TON/(cm/sec))であるが、第1所定値V1を超える高速域B1では、その減衰係数C12が、上記減衰係数C11よりも小さくなる特性を有しており、この例では、減衰係数C12の値を零としている。なお、免震層5a全体の減衰係数は建物1の規模により異なり、建物1の規模が大きくなると、ダンパの個数を増やして減衰係数が大きくなるように設定する。
ここで、減衰係数C11,C12とは、相対速度Vの変化量ΔVに対する減衰力Fの変化量ΔFの比率(=ΔF/ΔV)のことであり、例えば、上記の低速域A1において相対速度Vと減衰力Fとが正比例関係の場合には、その減衰係数C11の値は、前記低速域A1における減衰力Fの上限値Flimを前記第1所定値V1で除算した値と一致する。
よって、前記低速域A1では、減衰力Fは減衰係数C11に基づいて相対速度Vの増減に応じて増減するが、相対速度Vが前記第1所定値V1に達して高速域B1に入ったら、その減衰力Fは、減衰係数C12(=0)に基づいて相対速度Vによらず一定値Flimとなる。
ちなみに、上記の「上限値Flim」及び「第1所定値V1」が、それぞれ、特許請求の範囲に係る「所定荷重」及び「第1所定値」に相当し、また、「上限値Flimを前記第1所定値V1で除算した値C11」及び「減衰係数C12」が、それぞれ、請求項2や3に係る「比率」及び「変化率」に相当する。
これに対して、第2免震層5aのダンパ4(以下、第2ダンパ4という)では、図3Bに示すように、相対速度Vが零から第2所定値V2までの低速域A2における減衰係数C21が、第1ダンパ3の減衰係数C11よりも格段に大きい値に設定されている。
よって、第2免震層5aに作用する外力が、低速域A2における減衰力Fの上限値Flim以下の場合には、その大きな減衰係数C21に基づいて極く小さな相対速度Vしか生じ得ず、つまり、第2ダンパ4によって第2免震層5aは概ね相対変位不能に拘束された状態になる。
一方、前記第2所定値V2を超える高速域B2では、その減衰係数C22は、前記低速域A2の減衰係数C21よりも小値であり、この例では、零としている。よって、前記上限値Flimを超える外力の作用下においては、前記減衰係数C22(=0)に基づいて減衰力Fは一定値Flimになり、つまり、高速域B2においては、第2ダンパ4は相対速度Vによらず一定の減衰力Flimを第2免震層5aに付与する。
ちなみに、上記低速域A2において相対速度Vと減衰力Fとが正比例関係の場合には、その減衰係数C21は、前記低速域A2における減衰力Fの上限値Flimを前記第2所定値V2で除算した値と一致する。
また、上記の「上限値Flim」及び「第2所定値V2」が、それぞれ、特許請求の範囲に係る「所定荷重」及び「第2所定値」に相当し、また、「上限値Flimを前記第2所定値V2で除算した値C21」及び「減衰係数C22」が、それぞれ、請求項1に係る「比率」及び「変化率」に相当する。
そして、このような減衰特性のダンパ3,4を用いれば、以下に説明するように、巨大地震に対して何等問題無く建物1を免震可能としながらも、台風等の風荷重による建物1の揺れを抑制し、更には、中小地震に対しても免震作用を奏することが可能となる。
図4Aは、巨大地震時の各ダンパ3,4の挙動を示すグラフであり、図4Bは、台風等の風荷重作用下又は中小地震時の各ダンパ3,4の挙動を示すグラフである。ここで、両図とも、上段に第1ダンパ3に係るグラフを示し、下段には第2ダンパ4に係るグラフを示している。また、両図とも、前述したF−V関係図の右横に、振動エネルギー吸収履歴特性のグラフを示している。なお、この振動エネルギー吸収履歴特性のグラフは、免震構造5の上下端を強制的に所定振幅で水平加振して得られるグラフであり、縦軸に減衰力Fをとり、横軸には相対変位量Dをとっている。ここで、図4A及び図4Bにおいて印可される所定振幅は、それぞれに、巨大地震時に想定される振幅量Dl、及び、台風等の風荷重作用下や中小地震時に想定される振幅量Dsであり、Dl>Dsの関係にある。以下では、これをF−D関係図とも言う。
先ず、図4AのF−V関係図に示すように、第1及び第2ダンパ3,4は、何れも、前記上限値Flimよりも大きな減衰力Fを発生しない。よって、当該上限値Flimを、巨大地震の地震荷重の想定値よりも小さく設定しておけば、巨大地震の地震荷重が基礎2に入力された場合には、第1免震層5a及び第2免震層5aのどちらもが、図4AのF−D関係図に示すように前記上限値Flimの減衰力Fで速やかに大きく相対変位し、これにより、建物1は巨大地震から確実に水平免震される(図5Aを参照)。
一方、図4BのF−V関係図に示すように、前記上限値Flim未満の外力Foが作用した場合には、第1ダンパ3と第2タンパ4の両者に同じ大きさの外力Foが作用しても、それにより生じる第2ダンパ4の相対速度V2oは、第1ダンパ3の相対速度V1oよりも格段に小さくなり、その結果、第2ダンパ4の相対変位量Dも、図4BのF−D関係図に示すように、第1ダンパ3の相対変位量Dと比べて格段に小さくなる。
よって、減衰力Fの前記上限値Flimを風荷重の想定値よりも大きく設定しておけば、風荷重が作用した際に第1ダンパ3は、ある程度の大きさでもって相対変位をするが、第2ダンパ4については、殆ど相対変位しない状態にすることができる。つまり、図5Bに示すように、建物1の風荷重による揺れは、専ら第1免震層5aのみに基づいて生じて第2免震層5aは殆ど寄与しないので、風荷重の作用下における建物1の揺れの大きさを、免震層一層分のレベルに維持できる。よって、免震構造5を二層構成にしたことに伴って風荷重による建物1の揺れが増大することは、有効に防止される。
更には、地震荷重の想定値が前記上限値Flim未満の中小地震時においては、少なくとも第1免震層5aが、第1ダンパ3の小さな減衰係数C11に基づき相対速度Vで速やかに相対変位する(図4BのF−V関係図及びF−D関係図を参照)。よって、図5Bに示すように、少なくとも第1免震層5aによって、建物1は中小地震から免震される。ちなみに、当該第1ダンパ3は、前述したように、従来の一層構成の免震構造において地震用に使用されているダンパでもある。よって、このことからも、その免震性は、少なくとも従来の一層の免震構造の免震レベルに維持されると言うこともできる。
図3Aの減衰特性を有する第1ダンパ3としては、例えば、図6A及び図6Bの模式図に示すオイルダンパ3を例示できる。このオイルダンパ3は、ケース6と、ケース6内を摺動自在に構成されたピストン7とを備えている。ピストン7には、ケース6の一端(図6A中の左端)から突出するロッド8が連結されている。ロッド8の先端に設けられた取付部8Aが建物1の下部に固定され、ケース6の他端部に設けられた取付部6Aが下方の免震層区画部材52に固定される。
ケース6は、図6Aに示すように、オイルが封入されたシリンダとしての内筒10と、内筒10の外周に配置された外筒20とを備えている。内筒10の内部は、ピストン7により、ロッド8が通される側(図中左側)の第1室11と、その反対側の第2室12とに区画されている。
ピストン7には、第1室11および第2室12を連通する室内流路7Aが形成されている。室内流路7Aには、逆止弁30が設けられている。逆止弁30は、図6Bに示すようにピストン7が収縮方向(第2室12を収縮する方向;図中右方向)に摺動する際に、室内流路7Aを開放して第2室12から第1室11へのオイルの流通を許容し、また、図6Aに示すようにピストン7が伸長方向(第2室12を拡大する方向;図中左方向)に摺動する際に、室内流路7Aを塞いで第1室11および第2室12間のオイルの流通を阻止する。
内筒10と外筒20との間には、外筒室13Aが形成されている。外筒室13Aには予備室13Bが連通している。外筒室13Aにはオイルが充満し、また、予備室13Bには所定空間を残しつつオイルが溜まっている。また、内筒10には、第1室11および外筒室13Aを連通する第1流路10Aと、第2室12および外筒室13Aを連通する第2流路10Bと、第1流路10Aと並列に、第1室11および外筒室13Aを連通する第3流路10Cとが形成されている。
第1流路10Aには、通常時は第1流路10Aを閉じ、第1室11内のオイル圧が貯蔵室13内のオイル圧よりも前記上限値Flimに基づく所定圧以上高くなった場合に第1流路10Aを開放して、第1室11内のオイルを外筒室13Aへ流すリリーフ弁31が取りつけられている。
第2流路10Bには、図6Aに示すようにピストン7が伸長方向に摺動する際に、第2流路10Bを開放して外筒室13Aから第2室12へのオイルの流通を許容し、また、図6Bに示すようにピストン7が収縮方向に摺動する際に、第2流路10Bを塞いで外筒室13Aと第2室12との間のオイルの流通を阻止する逆止弁32が取りつけられている。
第3流路10Cには、ピストン7の摺動速度に応じて第3流路10Cの開閉具合を調節して減衰力を発生させる調圧弁33が取りつけられている。
そして、このような構成のオイルダンパ3において、ピストン7が伸長方向に前記第1所定値V1以下のゆっくりした速度で摺動すると、第1室11が収縮されるとともに、第2室12から第1室11へのオイルの流れが逆止弁30により阻止される。この際、第1室11のオイル圧がリリーフ弁31の開弁圧以下であるため、調圧弁33によりピストン7の摺動速度に応じた減衰力が発生する(図3Aの低速域A1を参照)。そして、ピストン7の摺動速度がV1を超えると、第1室11のオイル圧がリリーフ弁31の開弁圧以上となってリリーフ弁31が開弁され、リリーフ弁31の開弁圧に応じた略一定たる前記Flimの減衰力が発生する(図3Bの高速域B1を参照)。
また、ピストン7が収縮方向に前記第1所定値V1以下のゆっくりした速度で摺動すると、ロッド8が内筒10内に進入して内筒10の容積が減少し、これにより第1室11および第2室12が全体として収縮される。この際、第1室11および第2室12のオイル圧がリリーフ弁31の開弁圧以下であるため、調圧弁33によりピストン7の摺動速度に応じた減衰力が発生する(図3Aの低速域A1を参照)。そして、ピストン7の摺動速度がV1を超えると、第1室11および第2室12のオイル圧がリリーフ弁31の開弁圧以上となってリリーフ弁31が開弁され、リリーフ弁31の開弁圧に応じた略一定たる前記Flimの減衰力が発生する(図3Bの高速域B1を参照)。
他方、図3Bの減衰特性を有する第2ダンパ4としては、図7A及び図7Bの模式図に示すオイルダンパ4を例示できる。このオイルダンパ4は、上述の第1ダンパ3において、調圧弁33および前記第3流路10Cの代わりにオリフィス10Dを設けた構成を有している。オリフィス10Dは、第1流路10Aと並列に、第1室11および外筒室13Aを連通するように設けられている。オリフィス10Dの内径は、例えば0.5mm以下である。
そして、このような構成のオイルダンパ4において、ピストン7が伸長方向に第2所定値V2以下のゆっくりした速度で摺動すると、第1室11が収縮されて第1室11のオイル圧が上昇して、上述の大きな減衰係数C21で荷重が急激に立ち上がる(図3Bの低速域A2を参照)。そして、ピストン7の摺動速度が前記第2所定値V2を超えて第1室11のオイル圧がリリーフ弁31の開弁圧に達すると、リリーフ弁31が開弁されて第1流路10Aにオイルが流れることにより、リリーフ弁31の開圧弁に応じた略一定値たる前記Flimの減衰力が生じる(図3Bの高速域B2を参照)。
また、ピストン7が収縮方向にV2以下のゆっくりした速度で摺動すると、第1室11および第2室12が全体として収縮されて第1室11および第2室12のオイル圧が上昇して、上述の大きな減衰係数C21で荷重が急激に立ち上がる(図3Bの低速域A2を参照)。そして、ピストン7の摺動速度がV2を超えて第1室11および第2室12のオイル圧がリリーフ弁31の開弁圧に達すると、リリーフ弁31が開弁されて第1流路10Aにオイルが流れることにより、リリーフ弁31の開圧弁に応じた略一定値たる前記Flimの減衰力が生じる(図3Bの高速域B2を参照)。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態では、免震層5aの層数を二層にするとともに、免震層毎にダンパを設けることにより各層5aをそれぞれ別々の振動減衰対象区域としたが、何等これに限るものではなく、免震層5aの層数を三層以上にするとともに、二層以上の複数の免震層5a,5a,…5aに跨って一つのダンパを設けて、当該複数の免震層5a,5a,…5aを一つの振動減衰対象区域としても良い。
例えば、図8A乃至図9Bに示すような四層の免震層5aからなる免震構造5の場合には、以下に示すバリエーションを例示できる。すなわち、図8Aに示すように、上の二層の免震層5a,5aに跨って第1ダンパ3を設けて第1の振動減衰対象区域とし、下の二層の免震層5a,5aに跨って第2ダンパ4を設けて第2の振動減衰対象区域としても良い。また、図8Bに示すように、上の一層の免震層5aにのみ第1ダンパ3を設けて第1の振動減衰対象区域とし、下の三層の免震層5a,5a,5aに跨って第2ダンパ4を設けて第2の振動減衰対象区域としても良い。更には、図9Aに示すように、上の三層の免震層5a,5a,5aに跨って第1ダンパ3を設けて第1の振動減衰対象区域とし、下の一層の免震層5aにのみ第2ダンパ4を設けて第2の振動減衰対象区域としても良い。また、上の一層にはダンパを設けずに、その下の二層の免震層5a,5aに跨って第1ダンパ3を設けて第1の振動減衰対象区域とし、その下の一層の免震層5aにのみ第2ダンパ4を設けて第2の振動減衰対象区域としても良い。
上述の実施形態では、上側の第1免震層5aに第1ダンパ3を設け、下側の第2免震層5aに第2ダンパ4を設けたが、上下の配置関係は何等これに限るものではなく、ダンパ3,4同士の上下の配置関係を逆にしても良い。すなわち、上側の第1免震層5aに第2ダンパ4を設け、下側の第2免震層5aに第1ダンパ3を設けても良い。
但し、下側の第2免震層5aに第1ダンパ3を設けた方が、上側の第1免震層5aやその下の免震層区画部材51の重量が、第1ダンパ3の設けられた前記第2免震層5aに作用し、その結果、当該第2免震層5aの免震対象の慣性質量が大きくなって、これにより、建物1の免震周期の拡大や、風荷重による建物1の揺れの抑制を図れるので、好ましい。
上述の実施形態では、免震支承部材として積層ゴム51を例示したが、何等これに限るものではなく、上下一対の滑り板からなる滑り支承や、上下一対の滑り板の間に鋼球を挟んでなる転がり支承を用いても良い。
上述の実施形態では、免震構造5を建物1と基礎2との間の上下方向隙間Gに介装したが、何等これに限るものではない。例えば、建物1が多層階からなる場合には、上部構造体としての上層階の床スラブと、下部構造体としての下層階の天井スラブとの間の上下方向隙間に免震構造5を介装しても良い。
上述の実施形態では、第2ダンパ4としてオイルダンパを例示したが、「所定荷重」としての前記上限値Flim以下の外力が加わった時の第2ダンパ4の相対速度Vが、前記外力が加わった時の第1ダンパ3の相対速度Vよりも小さいダンパであれば、何等これに限るものではなく、例えば、振動の減衰力Fに摩擦力を用いる摩擦ダンパを用いても良い。つまり、静止摩擦力未満の大きさの外力に対しては、免震層5aを相対変位不能に拘束する一方、静止摩擦力を超える大きさの外力が作用したら相対変位を許容するダンパを用いても良い。
上述の実施形態では、図3Aに示すように、第1ダンパ3の高速域B1での減衰係数C12(前記上限値Flimよりも大きい外力が作用した場合に第1ダンパ3が生じる減衰力Fの相対速度Vに対する変化率に相当)を零としたが、何等これに限るものではない。例えば、前記減衰係数C12が、低速域B2での減衰係数C11(前記上限値Flimを前記第1所定値V1で除算してなる比率に相当)以下であれば良い。但し、望ましくは、前記減衰係数C12を前記減衰係数C11よりも小さくすると良く、より望ましくは、前記減衰係数C12を、前記減衰係数C11の0〜0.2倍の範囲にすると良い。
上述の実施形態では、図3Bに示すように、第2ダンパ4の高速域B2での減衰係数C22(前記上限値Flimよりも大きい外力が作用した場合に第2ダンパ4が生じる減衰力Fの相対速度Vに対する変化率に相当)を零にしたが、何等これに限るものではない。例えば、前記減衰係数C22が、低速域A2での減衰係数C21(前記上限値Flimを前記第2所定値V2で除算してなる比率に相当)よりも小さければ良いが、好ましくは、前記減衰係数C22を、前記減衰係数C21の0〜0.2倍の範囲にすると良い。
図1Aは従来の免震構造5の説明図であり、図1Bは、巨大地震に対応し得る免震構造5の説明図であり、図1Cは、巨大地震に対応可能で、風荷重による揺れも抑制可能な免震構造5の説明図である。 建物1に適用された本実施形態の免震構造5の概念図である。 図3A及び図3Bは、それぞれ、第1免震層5aの第1ダンパ3及び第2免震層5aの第2ダンパ4の減衰特性の説明図である。 第1免震層5aの第1ダンパ3及び第2免震層5aの第2ダンパ4の減衰特性の説明図である。 第1免震層5aの第1ダンパ3及び第2免震層5aの第2ダンパ4の減衰特性の説明図である。 図5Aは、巨大地震時の免震構造5の状態を示す図であり、図5Bは、風荷重作用下及び中小地震時における免震構造5の状態を示す図である。 図6A及び図6Bは、図3Aの減衰特性を有する第1ダンパ3の模式図である。 図7A及び図7Bは、図3Bの減衰特性を有する第2ダンパ4の模式図である。 図8A及び図8Bは、免震構造5のその他のバリエーションの説明図である。 図9A及び図9Bは、免震構造5のその他のバリエーションの説明図である。
符号の説明
1 建物(上部構造体)、2 基礎(下部構造体)、
3 第1ダンパ(第1のダンパ)、
4 第2ダンパ(第2のダンパ)、
5 免震構造、5a 免震層、
6 ケース、6A 取付部、
7 ピストン、7A 室内流路、
8 ロッド、8A 取付部、
10 内筒、
10A 第1流路、10B 第2流路、10D オリフィス、
11 第1室、12 第2室、13 貯蔵室、
13A 外筒室、13B 予備室、20 外筒、
30 逆止弁、31 リリーフ弁、32 逆止弁、33 調圧弁、
51 積層ゴム(免震支承部材)、
52 免震層区画部材、
GND 地面、G 上下方向隙間

Claims (6)

  1. 複数の免震支承部材が並列に並べられてなる免震層を、免震層区画部材を介して上下方向に積層して構成され、最上層の免震層の上に配置された上部構造体の重量を支持しつつ、最下層の免震層の下に配置された下部構造体に対する前記上部構造体の水平方向の相対変位を許容する免震構造であって、
    水平方向の振動を減衰するダンパが、前記免震層を、又は、上下に隣接する複数の免震層を一つの振動減衰対象区域として設けられ、
    第1の振動減衰対象区域に第1のダンパが設けられるとともに、第2の振動減衰対象区域に第2のダンパが設けられることにより、水平方向に所定荷重以下の外力が加わった時の前記第2の振動減衰対象区域の水平方向の相対速度は、前記外力が加わった時の前記第1の振動減衰対象区域の水平方向の相対速度よりも小さく設定され、
    前記第2の振動減衰対象区域に前記所定荷重の外力が加わった時の前記第2の振動減衰対象区域の水平方向の相対速度は、第2所定値であり、
    前記第2の振動減衰対象区域に加わる水平方向の外力が前記所定荷重を超える荷重範囲では、前記第2のダンパから前記第2の振動減衰対象区域へと付与される減衰力は、前記所定荷重を前記第2所定値で除算して得られる比率よりも小さい変化率に基づき前記相対速度に応じて変化することを特徴とする免震構造。
  2. 請求項1に記載の免震構造であって、
    前記第1の振動減衰対象区域に前記所定荷重の外力が加わった時の前記第1の振動減衰対象区域の前記相対速度が第1所定値であり、
    前記第1の振動減衰対象区域に加わる水平方向の外力が前記所定荷重を超える荷重範囲では、前記第1のダンパから前記第1の振動減衰対象区域へと付与される減衰力は、前記所定荷重を前記第1所定値で除算して得られる比率以下の変化率に基づき前記相対速度に応じて変化することを特徴とする免震構造。
  3. 請求項2に記載の免震構造であって、
    前記第1の振動減衰対象区域に加わる水平方向の外力が前記所定荷重を超える荷重範囲では、前記第1のダンパから前記第1の振動減衰対象区域へと付与される減衰力は、前記所定荷重を前記第1所定値で除算して得られる比率よりも小さい変化率に基づき前記相対速度に応じて変化することを特徴とする免震構造。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の免震構造であって、
    前記変化率は、前記比率の0〜0.2倍であることを特徴とする免震構造。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の免震構造であって、
    前記所定荷重は、前記上部構造体に作用する風荷重の想定値及び中小地震の地震荷重の想定値よりも大きく、巨大地震の地震荷重の想定値よりも小さいことを特徴とする免震構造。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の免震構造であって、
    前記第1の振動減衰対象区域は、前記第2の振動減衰対象区域よりも下方に設定されることを特徴とする免震構造。
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