JP2020186744A - 制振装置及び制振構造 - Google Patents

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【課題】慣性質量ダンパーと減衰ダンパーとを用いた制振装置において、慣性質量ダンパーによって構造物の躯体に直接作用する加速度を低減することを可能にする。【解決手段】制振装置10は、慣性質量ダンパー100と、減衰ダンパーの一例としてのオイルダンパー200と、が数値解析モデルとして直列に連結された構造である。【選択図】図1

Description

本発明は、制振装置及び制振構造に関する。
特許文献1に開示されている制振ダンパーは、筒状の筐体の中に軸部が軸方向に移動可能に挿入されていると共に、回転慣性質量ダンパー部とオイルダンパー部とが直列に接合された構成である。また、軸部は、同一軸線上に配置された回転慣性質量ダンパー部のシャフトとオイルダンパー部のピストンロッドとが繋がった構成となっている。そして、軸部におけるシャフトの剛性は、ピストンロッドの剛性以上になるように設定されている。
特開2012−117564号公報
特許文献1では、外見上は回転慣性質量ダンパー部とオイルダンパー部とが直列に接合された構成であるが、回転慣性質量ダンパー部のシャフトとオイルダンパー部のピストンロッドとが繋がり、筐体も一体である。よって、回転慣性質量ダンパー部の伸縮量とオイルダンパー部の伸縮量とは、同じ伸縮量となる。
したがって、数値解析におけるモデルは、図2に示す後述する比較例の制振装置11と同じ、慣性質量ダンパー100とオイルダンパー200とが並列に配置された並列モデルである。
このような、慣性質量ダンパー100とオイルダンパー200とが並列に配置された並列モデルの場合は、構造物の周期が長くなり、地震動の入力低減効果が期待される。しかし、地動加速度は、単体の慣性質量ダンパー100を介して、構造物の躯体(例えば、梁、柱及びスラブ等)に直接作用するため、応答加速度が増幅することがある。
本発明は、上記事実を鑑み、慣性質量ダンパーと減衰ダンパーとを用いた制振装置において、慣性質量ダンパーによって構造物の躯体に直接作用する加速度の低減を可能にすることが目的である。
第一態様は、第一筐体の一端部から第一軸部が突出し、前記第一軸部の軸方向の変位が回転体の回転に変換されることで回転慣性質量が発生する慣性質量ダンパーと、第二筐体の一端部から第二軸部が突出し、前記第二軸部の軸方向の変位に抵抗力を与え減衰させる減衰ダンパーと、を有し、前記第一軸部と前記第二筐体の他端部とが接合され、前記慣性質量ダンパーと前記減衰ダンパーとが直列に連結された制振装置である。
第二態様は、第一筐体の一端部から第一軸部が突出し、前記第一軸部の軸方向の変位が回転体の回転に変換されることで回転慣性質量が発生する慣性質量ダンパーと、第二筐体の一端部から第二軸部が突出し、前記第二軸部の軸方向の変位に抵抗力を与え減衰させる減衰ダンパーと、を有し、前記第一軸部と前記第二軸部とが接合され、前記慣性質量ダンパーと前記減衰ダンパーとが直列に連結された制振装置である。
第三態様は、第一筐体の一端部から第一軸部が突出し、前記第一軸部の軸方向の変位が回転体の回転に変換されることで回転慣性質量が発生する慣性質量ダンパーと、第二筐体の一端部から第二軸部が突出し、前記第二軸部の軸方向の変位に抵抗力を与え減衰させる減衰ダンパーと、を有し、前記第一筐体の他端部と前記第二軸部とが接合され、前記慣性質量ダンパーと前記減衰ダンパーとが直列に連結された制振装置である。
第四態様は、第一筐体の一端部から第一軸部が突出し、前記第一軸部の軸方向の変位が回転体の回転に変換されることで回転慣性質量が発生する慣性質量ダンパーと、第二筐体の一端部から第二軸部が突出し、前記第二軸部の軸方向の変位に抵抗力を与え減衰させる減衰ダンパーと、を有し、前記第一筐体の他端部と前記第二筐体の他端部とが接合され、前記慣性質量ダンパーと前記減衰ダンパーとが直列に連結された制振装置である。
第一態様〜第四態様では、慣性質量ダンパーと減衰ダンパーとが数値解析モデルとして直列に連結された制振装置となる。よって、並列モデルの場合では困難であった慣性質量ダンパーによって構造物の躯体に直接作用する加速度の低減が可能となる。
第五態様は、慣性質量ダンパーと減衰ダンパーとが、数値解析モデルとして直列になるように連結されている、制振装置である。
第五態様では、慣性質量ダンパーと減衰ダンパーとが数値解析モデルとして直列に連結された制振装置であるので、並列モデルの場合では困難であった慣性質量ダンパーによって構造物の躯体に直接作用する加速度の低減が可能となる。
第六態様は、前記減衰ダンパーは、粘性ダンパー又は減衰要素と剛性要素とを並列に配置したダンパーである、第一態様〜第五態様のいずれか一態様に記載の制振装置である。
減衰ダンパーを、粘性ダンパー又は減衰要素と剛性要素とを並列に配置したダンパーとすることで、定点理論を用いた最適設計において、新たな振動モードが生じ、制御するモードのみならず、高次モードに対して効果的に減衰を与えることができ、また応答加速度を効果的に低減することができる。
なお、「減衰要素」とは減衰力を持つ減衰部材であり、「剛性要素」とは復元力を持つ剛性部材である。また、減衰要素と剛性要素の二つの要素を有するダンパーには、粘弾性ダンパーが含まれる。
第七態様は、前記減衰ダンパーは、予め定めた荷重を超えると減衰力の上昇を抑制する機構を有している、第一態様〜第六態様のいずれか一態様に記載の制振装置である。
第七態様では、減衰ダンパーは、予め定めた荷重を超えると減衰力の上昇を抑制する機構を有しているので、制振装置に過大な力が作用することが防止される。
第八態様は、第一態様〜第七態様のいずれか一態様に記載の制振装置に対して直列に配置されたバネ要素を備えた制振構造である。
第八態様では、慣性質量ダンパーと減衰ダンパーとが数値解析モデルとして直列に連結された制振装置にバネ要素を直列に配置することで、定点理論を用いた最適設計において、新たな振動モードが生じ、制御するモードのみならず、高次モードに対して効果的に減衰を与えることができ、また応答加速度を効果的に低減することができる。
なお、「バネ要素」とは、コイルばね等のばね剛性又は制振装置を取り付ける装置形式(ガセットプレート、ブレース、シアリンク及びトグルの腕等)の取付剛性等である。また、制振装置とバネ要素の配置の順番は限定されない。
本発明によれば、慣性質量ダンパーと減衰ダンパーとを用いた制振装置であっても、慣性質量ダンパーによって構造物の躯体に直接作用する加速度の低減が可能になる。
本発明の直列モデルの制振装置の数値解析モデルの図である。 比較例の並列モデルの制振装置の数値解析モデルの図である。 (A)は本発明の一実施形態の直列モデルの制振装置を構成する慣性質量ダンパーの軸方向に沿った断面図であり、(B)はオイルダンパーの軸方向に沿った断面図である。 本発明の第一構成例の直列モデルの制振装置の軸方向に沿った断面図である。 本発明の第二構成例の直列モデルの制振装置の軸方向に沿った断面図である。 本発明の第三構成例の直列モデルの制振装置の軸方向に沿った断面図である。 本発明の第四構成例の直列モデルの制振装置の軸方向に沿った断面図である。 (A)は相対座標系において、比較例の並列モデルの制振装置を用いて制振している構造物の数値解析モデルであり、(B)は(A)の数値解析モデルの振動方程式であり、(C)は絶対座標系において、比較例の並列モデルの制振装置を用いて制振している構造物の数値解析モデルであり、(D)は(C)の数値解析モデルの振動方程式である。 (A)は相対座標系において、本実施形態の直列モデルの制振装置を用いて制振している構造物の数値解析モデルであり、(B)は(A)の数値解析モデルの振動方程式であり、(C)は絶対座標系において、本実施形態の直列モデルの制振装置を用いて制振している構造物の数値解析モデルであり、(D)は(C)の数値解析モデルの振動方程式である。 (A)、(B)及び(C)は、cd値及びmd値の設定の違いによる本実施形態の直列モデルの制振装置の減衰力の特性のグラフである。 固有周期が長周期である免震建築物の数値解析モデルである。 図11の免震建築物における最上階のフーリエスペクトル比と周期との関係を示す共振曲線のグラフである。 図11の免震建築物における(A)は各階の最大応答変位のグラフである、(B)は各階の最大応答速度のグラフである、(C)は各階の最大応答加速度のグラフである。 図11の免震建築物における制振装置の応答値をまとめた表である。 本実施形態の直列モデルの制振装置にバネ要素を直列に配置した直列同調モデルである。 比較例の並列モデルの制振装置にバネ要素を直列に配置した並列同調モデルである。 八層せん断型モデルにおける最上階のフーリエスペクトル比と周期との関係を示す共振曲線のグラフである。 八層せん断型モデルにおける(A)は各層の加速度のグラフであり、(B)は各層の変位のグラフである。 C型モデルの制振装置を備えたトグル制振装置又は本実施形態の直列モデルの制振装置を備えたトグル制振装置を設置した建築物の柱梁架構のモデル図である。 図19の建築物における最上階のフーリエスペクトル比と周期との関係を示す共振曲線のグラフである。 図19の建築物における(A)は各階の最大応答変位のグラフであり、(B)は各階の最大応答加速度のグラフであり、(C)は各階の最大応答層間変形角のグラフである。 図19の建築物における(A)は各階の最大応答せん断力のグラフであり、(B)は各階の最応答層せん断力係数のグラフであり、(C)は各階の最大応答転倒モーメントのグラフである。 比較例の制振装置を備えたパンタグラフ制振装置又は本実施形態の直列モデルの制振装置を備えたパンタグラフ制振装置を設置した鉄塔構造物を模式的に示す立面図である。 図23の比較例の制振装置を備えたパンタグラフ制振装置又は本実施形態の直列モデルの制振装置を備えたパンタグラフ制振装置を設置した鉄塔構造物の下部を模式的に示す斜視図である。 図23及び図24の鉄塔構造物における頂部のフーリエスペクトル比と周期との関係を示す共振曲線のグラフである。 図23及び図24の鉄塔構造物における(A)は最大応答変位のグラフであり、(B)は最大応答加速度のグラフである。 図23及び図24の鉄塔構造物における(A)は最大応答変位の非制振の場合とパンタグラフ制振装置を備えた場合の比のグラフであり、(B)は最大応答加速度の非制振の場合とパンタグラフ制振装置を備えた場合との比のグラフである。 図23及び図24の鉄塔構造物における(A)は主柱材の最大応力検定比の非制振の場合とパンタグラフ制振装置を備えた場合との比のグラフであり、(B)は斜材の最大応力検定比の非制振の場合とパンタグラフ制振装置を備えた場合との比のグラフである。 リリーフ機構を備えたオイルダンパーの復元力特性の一例を示すグラフである。 粘弾性ダンパーを慣性質量ダンパーに直列に連結した制振装置に、バネ要素を直列に配置した数値解析モデルの図である。
<実施形態>
本発明の一実施形態の制振装置について説明する。
[構造]
先ず制振装置の構造について説明する。
図1に示すように、制振装置10は、慣性質量ダンパー100と、減衰ダンパーの一例としてのオイルダンパー200と、が数値解析モデルとして直列に連結された構造になっている。
(慣性質量ダンパー)
次に、慣性質量ダンパー100の構造の一例について説明する。
図3(A)に示すように、慣性質量ダンパー100は、筐体110、回転体120及びシャフト130を有し、筐体110の一端部112の開口部114からシャフト130が突出している。
シャフト130の外周面には、雄ネジ溝132が形成されている。このシャフト130は、雌ネジ溝122が内周面に形成された回転体120のねじ穴124に挿入されている。
回転体120は、筐体110の内部において軸回りに回転可能に保持されている。回転体120は、円柱部120D、第一円盤部120A、第二円盤部120B及び第三円盤部120Cで構成されている。
回転体120の一方の端部側は、筐体110の開口部114から外側に延出し、延出した先端部には前述した第一円盤部120Aが形成されている。
回転体120の他方の先端部には第三円盤部120Cが形成されている。また、第二円盤部120B及び第三円盤部120Cは、円柱部120Dより径が大きく、筐体110内に配置されている。
筐体110内における第二円盤部120B及び第三円盤部120Cに対応する部位には、第二円盤部120B及び第三円盤部120Cが嵌る凹部116B、116Cが形成されている。そして、凹部116B、116Cに軸受け(ボールベアリング)117が設けられている。このような構成により回転体120は、軸回りには回転するが、軸方向への移動が規制されている。
回転体120の第一円盤部120Aには、複数の円盤状の質量体140が重ねられた状態でボルト締結されている。各質量体140の中央部には、それぞれ円形の開口部142が形成され、この開口部142の中をシャフト130が通っている。
また、回転体120の軸心、質量体140の軸及びシャフト130の軸心は同一軸線上にある。
慣性質量ダンパー100は、このような構成により、シャフト130が軸方向に移動すると、シャフト130の外周面の雄ネジ溝132と回転体120の雌ネジ溝122とが螺合して回転体120が軸周りに回転し、更に、回転体120とボルト締結された複数の質量体140が軸回りに回転する。つまり、シャフト130が軸方向に移動すると、回転体120と質量体140とが一体となって回転する。
このように、慣性質量ダンパー100は、シャフト130の軸方向の直線変位を、回転慣性質量である質量体140(及び回転体120)の回転変位に変換する機構を有する。
なお、ここで説明した慣性質量ダンパー100の構造は、一例であって、本実施形態に限定されるものではない。例えば、慣性質量ダンパーの回転体が回転する機構は、どのような機構であってもよい。例えば、液圧で駆動する歯車モータ等を利用した機構であってもよい。更に、慣性質量ダンパーは、回転体が回転する構成以外の構成で慣性質量を発生させるものでもよい。例えば、慣性質量効果を有する流体ダンパー等の相対加速度に比例した反力(慣性力)を持つ慣性質量ダンパーであってもよい。また、慣性質量ダンパー100は慣性力の増加を停止するリミッター機構を有してもよい。
(オイルダンパー)
次に、オイルダンパー200の構造の一例について説明する。
図3(B)に示すように、本実施形態のオイルダンパー200は、筐体210の一端部212の開口部214からピストンロッド230が突出し、ピストンロッド230の軸方向の変位に抵抗力を与えて減衰させるオイルダンパーである。
オイルダンパー200は、内筒220の外側に外筒である筐体210が設けられた二重構造になっている。
内筒220の中にピストンロッド230が挿入されている。ピストンロッド230の筐体210側の端部にはピストンバルブ232が設けられている。内筒220の底部にはベースバルブ222が設けられている。ピストンバルブ232には、オイル経路となるオリフィス234が形成されている。同様に、ベースバルブ222には、オイル経路となるオリフィス224が形成されている。
内筒220の中にはオイルEが充填されている。なお、筐体210の開口部214とピストンロッド230との間には、オイルEが漏れでないようにオイルシール216によってシールされている。
内筒220の中に充填されたオイルEは、ベースバルブ222のオリフィス224を通って、筐体210と内筒220との隙間に導かれる。
そして、ピストンロッド230の軸方向の直線変位によって、ピストンバルブ232が内筒220内を軸方向に移動する際にピストンバルブ232のオリフィス234及びベースバルブ222のオリフィス224を通過する際の抵抗によって減衰力が発揮される。
なお、基本的にオイルEは殆ど圧縮及び膨張しないので、オイルダンパー200が発揮する減衰力(減衰値)は、ピストンバルブ232のオリフィス234及びベースバルブ222のオリフィス224の大きさによって決定される。
つまり、オリフィス224、234が小さければピストンバルブ232が動く際の抵抗は大きくなり減衰力が大きくなる。逆に、オリフィス224、234が大きければ抵抗は小さくなり減衰力が小さくなる。
また、図29に示すように、本実施形態のオイルダンパー200は、予め定めたリリーフ荷重Fyを超えるとリリーフ弁(図示略)が開き、減衰力の上昇が抑制されるリリーフ機構(図示略)が設けられている。本実施形態では、減衰力の上昇率Cがリリーフ荷重を超えると上昇率Cに抑制される。なお、「減衰力の上昇が抑制」とは、減衰力の上昇が停止(頭打ち)する場合も含まれる。
なお、ここで説明したオイルダンパー200の構造は、一例であって、本実施形態に限定されるものではなく、所望の形式や特性のものを、任意に採用することができる。
(制振装置)
次に、図1に示す慣性質量ダンパー100とオイルダンパー200とを数値解析モデルで直列になるように連結した制振装置10の具体的な構成例について説明する。
・第一構成例
図4に示す第一構成例の制振装置10Aは、シャフト130とピストンロッド230とが同一直線上になるように、慣性質量ダンパー100のシャフト130の端部138とオイルダンパー200の筐体210の他端部218とが連結されている。
・第二構成例
図5に示す第二構成例の制振装置10Bは、シャフト130とピストンロッド230とが同一直線上になるように、慣性質量ダンパー100のシャフト130の端部138とオイルダンパー200のピストンロッド230の端部238とが、連結されている。
・第三構成例
図6に示す第三構成例の制振装置10Cは、シャフト130とピストンロッド230とが同一直線上になるように、慣性質量ダンパー100の筐体110の他端部118とオイルダンパー200のピストンロッド230の端部238とが連結されている。
・第四構成例
図7に示す第四構成例の制振装置10Dは、シャフト130とピストンロッド230とが同一直線上になるように、慣性質量ダンパー100の筐体110の他端部118とオイルダンパー200の筐体210の他端部218とが連結されている。
なお、制振装置10は、これら第一構成例の制振装置10A、第二構成例の制振装置10B、第三構成例の制振装置10C及び第四構成例の制振装置10Dに限定されるものではない。
例えば、慣性質量ダンパー100とオイルダンパー200とが、別部材を介して接連結されていてもよい。要は、図1に示すように、慣性質量ダンパー100とオイルダンパー200とを数値解析モデルで直列になるように連結した構成であればよい。
<作用及び効果>
次に、本実施形態の制振装置10の作用及び効果を、主に図2に示す慣性質量ダンパー100とオイルダンパー200とが数値解析モデルで並列に配置された比較例の制振装置11と比較しながら説明する。なお、以降、比較例の制振装置11は「並列モデルの制振装置11」と記し、本実施形態の慣性質量ダンパー100とオイルダンパー200とを数値解析モデルで直列になるように連結した制振装置10は「直列モデルの制振装置10」と記す。
図2に示す比較例の並列モデルの制振装置11では、両端のA点とB点との二点間に一つの自由度を有し、慣性質量ダンパー100とオイルダンパー200とが、同じ相対応答量Xd(t)に応じて、「質量効果」と「減衰力」とを発揮する。つまり、慣性質量ダンパー100は相対応答量Xd(t)による相対加速度に応じて「質量効果」を発揮し、オイルダンパー200も同じ相対応答量Xd(t)による相対速度に応じて「減衰力」を発揮する。
これに対して、図1に示す本実施形態の直列モデルの制振装置10では、両端のA点及びB点に加え、慣性質量ダンパー100とオイルダンパー200と間のC点の三点におけるA点−C点間とB点−C点間との二つの自由度を有し、慣性質量ダンパー100は相対応答量Xd1(t)による相対加速度に応じて「質量効果」を発揮し、オイルダンパー200は相対応答量Xd2(t)による相対速度に応じて「減衰力」を発揮する。
この比較例の並列モデルの制振装置11は、構造物に設置すると、付加減衰効果があり、構造物の周期が長くなり、地震動の入力低減効果がある。しかし、地動加速度は、単体の慣性質量ダンパー100を介して構造物の躯体(例えば、梁、柱及びスラブ等の主構造体)に直接作用する。
これに対して本実施形態の直列モデルの制振装置10は、構造物に設置すると、付加減衰効果があり、構造物の周期が長くなり、地震動の入力低減効果がある。更に、慣性質量ダンパー100によって構造物の躯体に直接作用する加速度を低減することが可能である。
よって、次に、構造体の躯体に直接作用する加速度の低減について詳しく説明する。
図8(A)は、相対座標系において、比較例の並列モデルの制振装置11を用いて制振している構造物50の数値解析モデルであり、図8(B)は、その振動方程式である。図8(C)は、絶対座標系において、比較例の並列モデルの制振装置11を用いて制振している構造物50の数値解析モデルであり、図8(D)は、その振動方程式である。
なお、mは構造物50の質量であり、kは構造物50のバネ定数であり、yは地動変位である。図8(A)の相対座標系では、xは構造物50の変位量及び制振装置11の変位量(伸縮量)であり、図8(C)の絶対座標系では、x−yは構造物50の変位量及び制振装置11の変位量(伸縮量)である。
そして、振動方程式から比較例の並列モデルの制振装置11を設置すると以下の効果が得られる。
構造物50の固有周期ωは、1/η1/2倍に長くなる。
減衰定数hは、η1/2倍に低減する。
構造物50への地震動の入力値は、η倍に低減する。
なお、絶対座標系における地動加速度は、(1−η)y”(「y”」は二階微分の意味)で構造物の躯体に直接作用する。
一方、図9(A)は、相対座標系において、本実施形態の直列モデルの制振装置10を用いて制振している構造物50の数値解析モデルであり、図9(B)は、その振動方程式である。図9(C)は、絶対座標系において、本実施形態の直列モデルの制振装置10を用いて制振している構造物50の数値解析モデルであり、図9(D)は、その振動方程式である。
なお、mは構造物50の質量であり、kは構造物50のバネ定数であり、yは地動変位である。図9(A)の相対座標系では、xdは制振装置10の慣性質量ダンパー100の変位量(伸縮量)であり、x-xdは制振装置10のオイルダンパー200の変位量(伸縮量)であり、xは構造物50の変位量である。また、図9(C)の絶対座標系では、xdは制振装置10の慣性質量ダンパー100の変位量(伸縮量)であり、x−y‐xdは制振装置10のオイルダンパー200の変位量(伸縮量)であり、x−yは構造物50の変位量である。
そして、振動方程式から本実施形態の直列モデルの制振装置10を設置すると以下の効果が得られる。
(1)xd=0(md=∞)の場合は、
慣性質量ダンパー100が作動しないため、減衰定数はhである。
(2)xd=x(cd=∞)場合は(xは相対座標系のものとする)。
構造物50の固有周期ωは、1/η1/2倍に長くなる。
構造物50への地震動の入力値は、η倍に低減する。
なお、絶対座標系における地動加速度は、(1−η)y”(「y”」は二階微分の意味)で構造物の躯体に直接作用する。
本実施形態の直列モデルの制振装置10は、各種諸元の設定によって、上記(1)と(2)との間を自由に設定することができる。
また、図10(A)、図10(B)及び図10(C)は、cd値及びmd値の設定の違いによる制振装置10の減衰力の特性の違いの例を示すグラフ(振幅:40mm、周波数:0.25Hz)である。なお、本モデルでは、cd値は5.0(kN・s/mm)であり、md値は5,000(ton)である。この図10の各グラフを見ると判るように、本実施形態の制振装置10は、減衰力の特性を自由に設定することができる。
このように、本実施形態の直列モデルの制振装置10は、構造物に設置すると、付加減衰効果があり、構造物の周期が長くなり、地震動の入力低減効果があると共に、慣性質量ダンパー100によって構造物の躯体に直接作用する加速度を低減することが可能となっている。
また、図29に示すように、本実施形態のオイルダンパー200は、予め定めたリリーフ荷重Fyを超えるとリリーフ弁(図示略)が開き、減衰力が抑制される所謂リリーフ機構(図示略)が設けられている(本実施形態では、減衰力の上昇率Cが上昇率Cに抑制される)。よって、制振装置10全体に過大な力が作用することが防止される。
(免震建築物への適用例)
次に、図11に示す既存の免震建築物52への適用例について、制振装置を設置しない場合、オイルダンパー200(図1及び図2参照)のみで構成されたC型モデルの制振装置13(制振装置「13」は以降の説明のために符号を付しており、図示はない)」を設置した場合、比較例の並列モデルの制振装置11(図2を参照)を設置した場合及び本実施形態の直列モデルの制振装置10(図1を参照)を設置した場合を比較しながら説明する。
図11に示す数値解析モデルの免震建築物52は、八層構造の免震建築物である。免震建築物52における免震層変位の設計クライテリアは500mm以下であり、免震層速度の設計クライテリアは1500mm/s以下である。検討用入力地震動は、建築基準法で定められたレベル2地震動の2.5倍の地震動とする。
また、制振装置10、11、13のオイルダンパー200は同じデバイス量に設定し、制振装置10、11の慣性質量ダンパー100は同じデバイス量に設定している。
図12は、図11に示す数値解析モデルの既存の免震建築物52における最上階のフーリエスペクトルと周期との関係を示す共振曲線である。
この図12の共振曲線から、比較例の並列モデルの制振装置11を設置した場合は、1次モードの応答倍率は制振装置を設置していない場合(図中のG1部分)よりも低減しているが、逆に高次モードの応答倍率が増幅している(図中のG2部分)。
これに対して、本実施形態の直列モデルの制振装置10を設置した場合は、1次モードの応答倍率及び高次モードの応答倍率の両方が低減している。
また、図13は、応答解析結果を示している。具体的には、図13(A)は各階の最大応答変位、図13(B)は各階の最大応答速度、図13(C)は各階の最大応答加速度を、それぞれ示している。また、図14は、制振装置の各応答値をまとめた表である。
図13の応答解析結果では、図13(B)に示すように、オイルダンパー200のみの制振装置13を設置した場合は、限界速度1500mm/sを超え、設計クライテリアの1500mm/s以下を満足していない。
これに対して、比較例の並列モデルの制振装置11及び本実施形態の直列モデルの制振装置10を設置した場合は、設計クライテリア1500mm/s以下を満足している。
しかし、図13(C)に示すように、並列モデルの制振装置11を設置した場合は、上部構造部分の加速度が低減することなく、増幅している。
これに対して、本実施形態の直列モデルの制振装置10を設置した場合は、上部構造部分の加速度が小さくて安定しており、本実施形態の直列モデルの制振装置10の方が応答制御効果に優れていることが判る。
つまり、固有周期が長周期である免震建築物52(図11参照)では、比較例の並列モデルの制振装置11を設置した場合は、高次モードの応答が増幅するのに対して、本実施形態の直列モデルの制振装置10を設置した場合は、各ダンパーのデバイス量が同じ設定でも、高次モードの応答の増幅が抑制され、ダンパーの抵抗力も過大にならないことから、優れていることが判る。
(定点理論を用いた最適設計への適用例)
次に、定点理論を用いた最適設計への適用例について、比較例の並列モデルの制振装置11の場合と本実施形態の直列モデルの制振装置10の場合とを比較しながら説明する。
図15は、本実施形態の直列モデルの制振装置10に取付剛性やばね剛性等のバネ要素70を直列に配置した直列同調モデル20である。なお、制振装置10とバネ要素の配置の順番は限定されない。図16は、比較例の並列モデルの制振装置11に取付剛性やばね剛性等のバネ要素70を直列に配置した並列同調モデル21である。
図16に示す比較例の並列モデルの制振装置11にバネ要素70を直列に配置した並列同調モデル21では、既往の研究で、定点理論を用いた最適設計が提案されている。よって、ここでは、図15に示す本実施形態の直列モデルの制振装置10にバネ要素70を直列に配置した直列同調モデル20で、同様に定点理論を用いた最適設計が可能であることを説明する。なお、制振装置10とバネ要素の配置の順番は限定されない。
なお、本検討では、八層構造の構造物のせん断型モデルを用いた。また、各層の質量は1.0tonとし、層剛性はコイルバネ要素を用いて、剛性比が最上層で0.5、最下層で1.0となる台形分布で、1次固有周期が2.10秒となるように設定した。内部減衰は、レーリー減衰で1次及び2次にそれぞれ2%与えている。また、検討用入力地震動は、BCJ―L2(位相:乱数)とした。
複素固有値結果における同調した一次、一次(D.M.)モードの減衰定数(但し、内部減衰は除く)は、モデル20とモデル21ともに同値となっている。なお、一次(D.M.)モードとは、モデル20またはモデル21により、新たに生じる振動モードである。
並列同調モデル21では、
一次モード:0.200
一次(D.M.)モード:0.200
二次モード:0.008
三次モード:0.002
四次モード:0.001
五次モード:0.001
六次モード:0.000
七次モード:0.000
になる。
これに対して、本実施形態の直列同調モデル20では、
一次モード:0.200
一次(D.M.)モード:0.200
二次モード:0.040
三次モード:0.026
四次モード:0.020
五次モード:0.015
六次モード:0.009
七次モード:0.005
になる。
よって、モデル20のほうが高次モードに対して付加減衰が得られる。
図17は、最上階のフーリエスペクトル比と周期との関係を示す共振曲線のグラフである。
そして、前述した固有値結果における減衰定数及び図17のグラフのG4部分から本実施形態の制振装置10の直列同調モデル20は、比較例の制振装置11の並列同調モデル21よりも、高次モードに対しても効果的に減衰を与えられることが判る。
また、図18は、応答解析結果を示している。具体的には、図18(A)は各層の最大応答加速度、図18(B)は各層の最大応答変位を、それぞれ示している。そして、この図18の応答解析結果(図18(A))から、本実施形態の制振装置10の直列同調モデル20は、比較例の制振装置11の並列同調モデル21よりも、応答加速度が低減されているので、本実施形態の制振装置10の直列同調モデル20の方が応答制御効果に優れていることが判る。
別の観点から説明すると、慣性質量ダンパー100と減衰ダンパー200とが数値解析モデルとして直列に連結された制振装置10にバネ要素70を直列に配置することで、定点理論を用いた最適設計において、新たな振動モードが生じ、制御するモードのみならず、高次モードに対して効果的に減衰を与えることができ、また応答加速度を効果的に低減することができる。
(トグル制振装置への適用例)
次に、トグル制振装置への適用例について、オイルダンパー200(図1及び図2参照)のみで構成されたC型モデルの制振装置13を用いた場合と、本実施形態の直列モデルの制振装置10(図1参照)を用いた場合と、を比較しながら説明する。
本検討は、図19に示す14階建ての鉄骨造建築物54の柱梁架構55に、C型モデルの制振装置13を備えたトグル制振装置23を設置した場合と、本実施形態の直列モデルの制振装置10を備えたトグル制振装置22を設置した場合と、で行った。
なお、両モデルのオイルダンパー200(図1及び図2参照)は、最大減衰力850kNのバイリニア型とする。入力地震動は、高層等建築物における南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動対策による大阪地域の長周期地震動OS1とした。
図20は、鉄骨造建築物54における最上階のフーリエスペクトル比と周期との関係を示す共振曲線のグラフである。そして、この図20のグラフのG5部分を見ると判るように、本実施形態の直列モデルの制振装置10を備えたトグル制振装置22を設置した場合は、比較例のC型モデルの制振装置13を備えたトグル制振装置23を設置した場合よりも一次モードの応答倍率がより低減されていることが判る。
また、図21及び図22は、応答解析結果を示している。具体的には、図21(A)は各階の最大応答変位、図21(B)は各階の最大応答加速度、図21(C)は各階の最大応答層間変形角を示し、図22(A)は各階の最大応答せん断力、図22(B)は各階の最大応答層せん断力係数、図22(C)は各階の最大応答転倒モーメントを示している。
これら図21及び図22の応答解析結果から本実施形態の直列モデルの制振装置10を備えたトグル制振装置22を設置した場合は、比較例のC型モデルの制振装置13を備えたトグル制振装置23を設置した場合よりも応答が低減されており、トグル制振装置22の方が応答制御効果に優れていることが判る。
別の観点から説明すると、比較例のC型モデルの制振装置13を備えたトグル制振装置23に、直列に慣性質量ダンパー100(図1参照)を付加して、本実施形態のトグル制振装置22にすることで、制振効果を向上させ、応答を低減させることができる。
(パンタグラフ制振装置への適用例)
次に、パンタグラフ制振装置への適用例について、比較例の並列モデルの制振装置11(図2参照)を用いた場合と、本実施形態の直列モデルの制振装置10(図1参照)を用いた場合と、を比較しながら説明する。
本検討は、図23及び図24の100m級の鉄塔構造物56の下端部に、比較例の制振装置11を備えたパンタグラフ制振装置25を設置した場合と、本実施形態の直列モデルの制振装置10を備えたパンタグラフ制振装置24を設置した場合と、をそれぞれ前述の並列同調モデル21及び直列同調モデル20で行った。
なお、パンタグラフ制振装置は、特開2012−007451号公報に記載の制振装置と同様であり、倍率は4.5倍とした。
また、鉄塔構造物56は、柱状に設置され主に鉛直荷重を負担する主柱材56A、ブレース状に斜めに配置された斜材56B及び水平材56Cで構成されている。なお、図24では、図が見づらくなるのを避けるため、斜材56Bの図示は省略している。
入力地震動は、建築基準法で定められたレベル2地震動の2.0倍の地震動とし、入力方向は0度及び45度の2種類とする。
図25は、鉄塔構造物56における頂部のフーリエスペクトル比と周期との関係を示す共振曲線を示している。この図25のグラフのG6部分を見ると判るように、本実施形態の制振装置10(直列同調モデル20)を備えたパンタグラフ制振装置24を設置した場合は、比較例の並列モデルの制振装置11(並列同調モデル21)を備えたパンタグラフ制振装置25を設置した場合よりも、高次モードの応答倍率がより低減されていることが判る。
また、図26、図27及び図28は応答解析結果を示している。具体的には、図26(A)は最大応答変位、図26(B)は最大応答加速度を示している。
また、図27(A)は最大応答変位における制振装置が無い場合に対するパンタグラフ制振装置24及びパンタグラフ制振装置25の比(非制振と制振モデルとの比)、図27(B)は最大応答加速度における制振装置が無い場合に対するパンタグラフ制振装置24及びパンタグラフ制振装置25の比(非制振と制振モデルとの比)を示している。図28(A)は主柱材56Aの最大応力検定比における制振装置が無い場合に対するパンタグラフ制振装置24及びパンタグラフ制振装置25の比(非制振と制振モデルとの比)、図28(B)は斜材56Bの最大応力検定比における制振装置が無い場合に対するパンタグラフ制振装置24及びパンタグラフ制振装置25の比(非制振と制振モデルとの比)を示している。
これら図26、図27及び図28の応答解析結果から、本実施形態の直列モデルの制振装置10を備えたパンタグラフ制振装置24は、比較例の制振装置11を備えたパンタグラフ制振装置25よりも応答が低減されており、応答制御効果が優れていることが判る。
<その他>
本発明は上記実施形態及び適用例に限定されない。
例えば、上記実施形態では、減衰ダンパーは、粘性ダンパーの一例であるオイルダンパー200であったが、これに限定されない。オイルダンパー200以外の減衰ダンパー(減衰機能を有するダンパー)であってもよい。例えば、粘弾性ダンパー等であってもよい。また、予め定めたリリーフ荷重を超えると減衰力の上昇が抑制される機構が設けられていない減衰ダンパーであってもよい。
なお、図30は、減衰要素22と剛性要素72とを並列に配置したダンパーの一例としての粘弾性ダンパー202を慣性質量ダンパー100に直列に連結した制振装置10に、バネ要素70を直列に配置した数値解析モデルの図である。なお、制振装置10とバネ要素70の配置の順番は限定されない。
このように制振装置10にバネ要素70を直列に連結することで、定点理論を用いた最適設計において、新たな振動モードが生じ、制御するモードのみならず、高次モードに対して効果的に減衰を与えることができ、また応答加速度を効果的に低減することができる。
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
10 制振装置
10A 制振装置
10B 制振装置
10C 制振装置
10D 制振装置
70 バネ要素
100 慣性質量ダンパー
110 筐体(第一筐体の一例)
112 一端部
118 他端部
120 回転体
130 シャフト(第一軸部の一例)
140 質量体(回転慣性質量の一例)
200 オイルダンパー(減衰ダンパーの一例)
210 筐体(第二筐体の一例)
212 一端部
218 他端部
230 ピストンロッド(第二軸部の一例)

Claims (8)

  1. 第一筐体の一端部から第一軸部が突出し、前記第一軸部の軸方向の変位が回転体の回転に変換されることで回転慣性質量が発生する慣性質量ダンパーと、
    第二筐体の一端部から第二軸部が突出し、前記第二軸部の軸方向の変位に抵抗力を与え減衰させる減衰ダンパーと、
    を有し、
    前記第一軸部と前記第二筐体の他端部とが接合され、前記慣性質量ダンパーと前記減衰ダンパーとが直列に連結された制振装置。
  2. 第一筐体の一端部から第一軸部が突出し、前記第一軸部の軸方向の変位が回転体の回転に変換されることで回転慣性質量が発生する慣性質量ダンパーと、
    第二筐体の一端部から第二軸部が突出し、前記第二軸部の軸方向の変位に抵抗力を与え減衰させる減衰ダンパーと、
    を有し、
    前記第一軸部と前記第二軸部とが接合され、前記慣性質量ダンパーと前記減衰ダンパーとが直列に連結された制振装置。
  3. 第一筐体の一端部から第一軸部が突出し、前記第一軸部の軸方向の変位が回転体の回転に変換されることで回転慣性質量が発生する慣性質量ダンパーと、
    第二筐体の一端部から第二軸部が突出し、前記第二軸部の軸方向の変位に抵抗力を与え減衰させる減衰ダンパーと、
    を有し、
    前記第一筐体の他端部と前記第二軸部とが接合され、前記慣性質量ダンパーと前記減衰ダンパーとが直列に連結された制振装置。
  4. 第一筐体の一端部から第一軸部が突出し、前記第一軸部の軸方向の変位が回転体の回転に変換されることで回転慣性質量が発生する慣性質量ダンパーと、
    第二筐体の一端部から第二軸部が突出し、前記第二軸部の軸方向の変位に抵抗力を与え減衰させる減衰ダンパーと、
    を有し、
    前記第一筐体の他端部と前記第二筐体の他端部とが接合され、前記慣性質量ダンパーと前記減衰ダンパーとが直列に連結された制振装置。
  5. 慣性質量ダンパーと減衰ダンパーとが、数値解析モデルとして直列になるように連結されている、
    制振装置。
  6. 前記減衰ダンパーは、粘性ダンパー又は減衰要素と剛性要素とを並列に配置したダンパーである、
    請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の制振装置。
  7. 前記減衰ダンパーは、予め定めた荷重を超えると減衰力の上昇を抑制する機構を有している、
    請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の制振装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の制振装置に対して直列に配置されたバネ要素を備えた制振構造。
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