JPH0483070A - 屋上設置物の支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高層ビル、タワー、ペンシルビルなどの建物
の屋上に設置される冷却塔、水槽または蓄熱槽などの屋
上設置物の支持構造に関する。

〔従来の技術〕

一般に、建物の屋上には、冷却塔、水槽または蓄熱槽な
どの設置物が設けられており、従来、これらの設置物は
建物の屋上にボルト等で強く固定されていた。

したがって、地震等で建物が震動すると、前記屋上設置
物に対しても、該建物と同様の振動加速度が伝達されて
いた。

また、高層ビルや各種のタワーなど、高い建物では、震
動エネルギーを吸収して耐震強度を向上させるため、柔
構造方式が採用されている。

このような柔構造方式の建物では、風や地震による建物
の震動を抑える制振装置として、付加質量をバネで支持
し、ダイナミックダンパー効果を利用するマスダンパー
が提案されている。

このような建物用制振装置については、例えば、特開平
１−１０５８７８号公報に開示されている。

この従来の建物用制振装置は、数十トン−数百トンに及
ぶ大きな付加質量を平面上（二次元）に沿って運動させ
るものであり、そのためのＸＹ運動機構としてリニアベ
アリングを使用することが多く、装置の耐候性性が要求
されることから、建物の屋内に設置されていた。

このため、従来の制振装置では、建物の震動抑制には効
果があったが、設置するための専用室内スペースが必要
であった。

〔発明が解決しようとする技術的課題］上記従来の屋上
設置物の支持構造では、前述のごとく、屋上設置物をボ
ルト等で固定していたので、地震等に際して建物に印加
される震動がほぼそのまま屋上設置物に伝達されていた
。

一方、上記従来の建物用制振装置では、前述のごと（、
大重量の付加質量をコンクリートや鋼材で用意し、これ
をＸＹ方向運動機構に積載して構成した大型の装置を室
内に設置していたので、その分居室等に使用できるスペ
ースが減少し、デッドスペース（オフィス等として有効
利用できないスペース）が生じるという技術的課題、並
びに、前記大重量の付加質量を余分に設け、建物強度を
アップするためのコストが嵩むという技術的課題があっ
た。

本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもの
であり、屋上設置物を免震支持することができるととも
に、専用の室内スペースおよび専用の付加質量を必要と
せずに、建物用制振装置を構成し得る屋上設置物の支持
構造を提供することを目的とする。

〔課題解決のための手段］ 本発明は、建物の屋上に冷却塔、水槽または蓄熱槽など
の屋上設置物を支持するための屋上設置物の支持構造に
おいて、エラストマー層と補強板とを交互に積層した積
層ゴムを１段当たり３個以上の複数個配置するとともに
、安定板を介して複数段積み重ねた多段積層ゴムにより
、前記屋上設置物を支持する構成とすることにより、屋
上設置物を免震支持するとともに、専用の室内スペース
および専用の付加質量を必要とせずに、建物用制振装置
を構成し得る屋上設置物の支持構造を提供するものであ
る。

請求項２の発明は、上記構成に加えて、前記安定板の各
段の間に振動減衰手段を取り付ける構成とすることによ
り、建物に作用する震動を一層効果的に制振し得る屋上
設置物の支持構造を提供するものである。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本発明の詳細な説明する。

第１図は本発明による屋上設置物の支持構造を備えた建
物の模式的立面図である。

地盤（または基礎）１の上にタワー状の建物２が構築さ
れており、該建物２の屋上３に冷却塔、水槽または蓄熱
槽などの屋上設置物４が設けられている。

前記建物２としては、例えば、−辺が１０〜２５ｍの正
方形、長方形または菱形等の断面を有し、高さが６０〜
２００ｍに達する鉄骨構造で作られ、風圧を受ける時、
例えば、２〜６秒程度の振動周期および１ｍ程度の振幅
で揺れるものが多い。

また、冷却塔、水槽または蓄熱槽などの前記屋上設置物
４の重量は、水槽等のように貯水量等によって変化する
ものもあるが、−船釣には、５トン−４０トン程度のも
のが多い。

そこで、前記屋上設置物４は、多段積層ゴム５によって
、特に水平方向に揺動可能に支持されている。

前記多段積層ゴム５は、ゴム等のエラストマー層と硬質
プラスチック板または金属板等の補強板とを交互に積層
した積層ゴムを、１段当たり３個以上の複数個配置する
とともに、水平方向の安定板を介して複数段積み重ねた
構造を有している。

また、図示の例では、屋上設置物４は１個の多段積層ゴ
ム５によって支持されているが、平面面積の大きい屋上
設置物の場合は、適宜配置された複数個（例えば、４個
）の多段積層ゴムで支持されることもある。

第２図は前記屋上設置物４およびその支持構造（多段積
層ゴム）５を示す正面図であり、第３図は第２図中の線
■−■に沿った水平断面図である。

第２図および第３図において、前記多段積層ゴム５は、
同一階層の複数個（図示の例では４個）の積層ゴム６の
上下端部を連結する安定板７にょリ、複数段（開示の例
では４段）に積み重ねて構成されている。

各段の安定板７は、それぞれ剛体の連結板であり、地震
や風で横荷重を受けた場合に、座屈を生じることなく大
きな水平変位吸収能力を発揮でき、積み重ねた積層ゴム
６だけで支持する場合に比べ、単位面積当たりの支持荷
重を増大させることができる。

なお、場合によっては、前記多段積層ゴム５の代わりに
、１個の積層ゴム６のみを使用することも可能である。

また、第２図の実施例では、各安定板７の間に水平震動
に有効に左様する減衰器（ダッシュポット）１９が連結
されており、場合によっては、建物２（屋上３）と屋上
設置物４との間に減衰器を連結することもできる。

なお、この減衰器１９は、前記エラストマー層１１で充
分な減衰能が得られる場合は、省略される。

こうして、前記屋上設置物４は１個の多段積層ゴム５に
よって弾性支持されている。

第４図は前記積層ゴム６の縦断面を示し、第５図は第４
図中のＩｖ−ｖに沿った水平断面を示す。

第４図および第５図に示す積層ゴム６は、ゴムその他の
エラストマー材の層１１と金属板や硬質プラスチック板
などの補強板１２とを交互に一体的に積層した構造をし
ており、通常、その上下端に取り付は孔１３を有するフ
ランジプレート１４が焼付けや接着等で一体的に固着さ
れている。

このような積層ゴム６は、縦方向には高いバネ定数を有
し、横方向には比較的小さいバネ定数を有している。

この第４図および第５図に示す積層ゴム６は、所謂、中
実（ソリッド）構造になっている。

こうして、多段積層ゴム５によって屋上設置物４を支持
することにより、該屋上設置物を免震支持すると同時に
、該多段積層ゴムをバネ要素（荷重支持要素）とすると
ともに屋上設置物４自体を付加質量とし、地震や風によ
る振動を抑制する動吸振手段として機能する屋上設置物
の支持構造が構成されている。

この支持構造を組み付けるに際しては、先ず、各積層ゴ
ム６の上下端に固着されたフランジプレート１４（それ
らの取り付は孔１３）を、各安定板７にボルト等で締結
することにより、多段積層ゴム５を組み立てる。

次いで、前記多段積層ゴム５の上下端の安定板７を、屋
上設置物４および建物２（屋上３）にボルト締結等で固
定することにより、該屋上設置物４は屋上３に弾性支持
される。

以上第１図〜第５図について説明した屋上設置物の支持
構造によれば、耐候性に優れた積層ゴム６を使用して屋
上設置物を弾性支持するので、次のような効果が得られ
た。

（ｉ）水平方向の変位吸収能力に優れた積層ゴムで屋上
設置物４を支持するので、屋上設置物４に伝達される地
震や風等の震動エネルギーを効果的に低減することがで
き、該屋上設置物の耐久性を向上させることができた。

（１１）屋上に設置される冷却塔、水槽または蓄熱槽な
どの既存の屋上設置物を付加質量として、動吸振装置を
構成することができるので、専用の付加質量を必要とし
ない安価な建物用制振装置を構成することができた。

（山）動吸振装置を屋上に配設できるので、専用の室内
スペースを必要とせず、建物のデッドスペースを無くし
得る、建物用制振装置を構成することができた。

（１ｖ）多段積層ゴム５は、上下方向には硬く、水平方
向には柔らかく、大きな水平方向変位を吸収できる特質
を有するので、屋上設置物４を良好に免震支持できると
ともに、優れた動吸振効果により建物の居住性を向上さ
せ得る屋上設置物の支持構造が得られた。

（Ｖ）アクチュエータ、制御装置および振動検出器を付
加することにより、アクティブ制振装置としての機能を
容易に付与することができる屋上設置物の支持構造が得
られた。

（ｖｉ）前記多段積層ゴム５の段数は自由に選定でき、
かつ容易に増減できるので、屋上設置物４のバネ系を容
易に調節できの支持構造が得られた。

第６図は本発明による屋上設置物の支持構造の他の実施
例の要部構成を示す縦断面図であり、第７図は第６図中
の線■−■に沿った水平断面図である。

本実施例においては、各安定板７の共通した所定位置（
図示の例では５箇所）に貫通孔４１が形成され、これら
の貫通孔４１にモード修正棒４２が挿通されている。

各モード修正棒４２の下端は支点４３を介して建物２の
屋上３に枢着され、該モード修正棒の上端は屋上設置物
４に掛止されている。

各安定Ｆｉ７の貫通孔４１は、モード修正棒４２が隙間
をもって遊嵌するような径で形成されている。

前記モード修正棒４２は、積層ゴム６を多段に積み重ね
て構成された多段積層ゴム５の水平方向振動モードの乱
れを修正し、制振効果の低下を防止するためのものであ
る。

本実施例は、前記モード修正棒４２を設ける点を除き、
前述の実施例と同じ構成を有しており、それぞれ対応す
る部分を同一符号で表示し、それらの詳細説明は省略す
る。

第８図は前記モード修正棒４２を有しない屋上設置物４
の支持構造の振動モードを模式的に示す図であり、第９
図は前記モード修正棒４２を設けた場合の振動モードを
模式的に示す図である。

第８図および第９図から明らかなごとく、屋上３から各
安定板７を貫通して屋上設置物４へ至るモード修正棒４
２を設けることにより、第８図に示すようなモードの乱
れを無くし、モードの線型性を保持し制振効果の低下を
防止し得る支持構造が得られた。

第１０図は前記積層ゴム６の他の構造例を示す縦断面図
であり、第１１図は第１０図中の線ＸＩＸＩに沿った水
平断面図である。

本構造においては、エラストマー層１１と補強板１２か
ら成る積層ゴム６の内部に空腔１６が形成され、上下の
フランジプレート１４．１４に前記空腔１６内へ突出す
る突起１７．１７が設けられ、さらに、前記空腔１６内
には充填材１８が密封されている。

この充填材１Ｂは、積層ゴム６が水平方向に変位する時
に前記空腔１６内で流動し、その時の摩擦抵抗や弾性抵
抗による内部損失によって、振動減衰能を発揮するため
のものである。

前記充填材としては、例えば、水や油等の液体、ゴムや
プラスチック等の弾性体、あるいはアスファルトや粘土
等の可塑性体など、流動抵抗または変形抵抗を示す材質
であれば、種々の材料を使用することができる。

このような積層ゴム６を使用することにより、屋上設置
物４を弾性支持する場合に、適正かつ充分な振動減衰能
を発揮し得る支持構造が得られた。

第１２図は充填材封入式の積層ゴム６のさらに他の構造
例を示す縦断面図であり、第１３図は第１２図中の線ｘ
ｎｒ−ｘｍに沿った水平断面図である。

本構造例は、充填材１８が密封される空腔（中空内部）
１６内に設ける突起を、中空円筒形部材２１．２１で形
成する点で、前記第１０図および第１ｆ図の構造例と相
違しており、その他の部分は実質上同じであり、対応す
る部分をそれぞれ同一符号で表示し、それらの説明は省
略する。

このような積層ゴム６を使用することによっても、屋上
設置物４を弾性支持する場合に、適正かつ充分な振動減
衰能を発揮し得る支持構造が得られた。

第１４図は充填材封入式の積層ゴム６のさらに他の構造
例を示す縦断面図であり、第１５図は第１４図中の線ｘ
ｖ−ｘｖに沿った水平断面図である。

本構造例は、内部に形成された密閉中空部１６内に生ゴ
ムなど粘性の高い塑性材料２２が充填され、さらに、該
塑性材料２２内に複数の同心円筒状のバイアス金ｗ４２
３が埋め込むようにして配置されている。

本構造例は、この点で第１０図〜第１３図の構造例と相
違しているが、その他の部分では実質上同構造をしてお
り、したがって、対応する部分をそれぞれ同一符号で表
示し、それらの説明は省略する。

本構造例のように粘性の高い材料２２と金網２３を充填
することにより、内部損失が大きく微少震動時にも充分
な減衰性能を発揮し得る屋上設置物の支持構造が得られ
た。

以上、第１Ｏ図〜第１５図に例示したような震動減衰手
段を積層ゴム６の内部に設けることにより、他に減衰器
等を設けなくとも、前記多段積層ゴム５の震動減衰性能
を高めることができ、屋上設置物４の免震性能に優れる
とともに、建物の動吸振性能にも優れた支持構造を、コ
ンパクトで施工性に優れた構造で提供することができた
。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、建物
の屋上に冷却塔、水槽または蓄熱槽などの屋上設置物を
支持するための屋上設置物の支持構造において、エラス
トマー層と補強板とを交互に積層した積層ゴムを１段当
たり３個以上の複数個配置するとともに、安定板を介し
て複数段積み重ねた多段積層ゴムにより、前記屋上設置
物を支持する構成としたので、屋上設置物を免震支持す
るとともに、専用の室内スペースおよび専用の付加質量
を必要とせずに、建物用制振装置を構成し得る屋上設置
物の支持構造が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による屋上設置物の支持構造を備えた建
物の模式的立面図、第２図は本発明による屋上設置物の
支持構造の一実施例を示す側面図、第３図は第２図中の
線■−■に沿った水平断面図、第４図は第２図中の積層
ゴムの構造例を示す縦断面図、第５図は第４図中の線Ｖ
−■に沿った水平断面図、第６図は本発明による屋上設
置物の支持構造の他の実施例を示す一部破断側面図、第
７図は第６図中の線■−■に沿った水平断面図、第８図
は第２図の支持構造の振動モードを示す模式図、第９図
は第６図の支持構造の振動モードを示す模式図、第１Ｏ
図は積層ゴム単体の他の構造例を示す縦断面図、第１１
図は第１０図中の線ＸＩ−ＸＩに沿った水平断面図、第
１２図は積層ゴムのさらに他の構造例を示す縦断面図、
第１３図は第１２図中の線ｘｍ−ｘｍに沿った水平断面
図、第１４図は積層ゴムのさらにまた他の構造例を示す
縦断面図、第１５図は第１４図中の線ｘｖ−ｘｖに沿っ
た水平断面図である。 以下に、図面中の主要な構成部分を表す符号を列挙する
。 １−・−−−−一地盤、２・・・・・・・建物、３−−
−−−一屋上、４−−−屋上設置物、５−・・−多段積
層ゴム、６−・−・−積層ゴム、７−・−・・安定板、
１１−・−エラストマー層１２−−−−一・・補強板、
１４−　・−フランジプレート、１６・−・−空腔（中
空部）、１７−−−−突起、１８−充填材、１９・−・
・・・減衰器、２１−−−−−一突起、２２充填材、２
３−・−・・・・バイアス金網、４２−−−−−モード
修正棒。 株式会社　ブリヂストン 第 図 第 図 第 図 第 図 第 ５図 第 図 第 図 第１０図 第 １１因 第１２ 図 第 図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）建物の屋上に冷却塔、水槽または蓄熱槽などの屋
   上設置物を支持するための屋上設置物の支持構造におい
   て、エラストマー層と補強板とを交互に積層した積層ゴ
   ムを１段当たり３個以上の複数個配置するとともに、安
   定板を介して複数段積み重ねた多段積層ゴムにより、前
   記屋上設置物を支持することを特徴とする屋上設置物の
   支持構造。
2. （２）前記安定板の各段の間に振動減衰手段を取り付け
   ることを特徴とする請求項１に記載の屋上設置物の支持
   構造。