JPH062450A - 多折れ線型減衰係数を持つ制震構造物用高減衰装置 - Google Patents

多折れ線型減衰係数を持つ制震構造物用高減衰装置

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JPH062450A
JPH062450A JP16292392A JP16292392A JPH062450A JP H062450 A JPH062450 A JP H062450A JP 16292392 A JP16292392 A JP 16292392A JP 16292392 A JP16292392 A JP 16292392A JP H062450 A JPH062450 A JP H062450A
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鐸二 小堀
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治彦 栗野
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武治 鎭目
Kunio Furukawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 受動型の制震構造物を実現するためのコンパ
クトで、減衰性能が高く、さらに安全性に優れた高減衰
装置を提供する。 【構成】 シリンダー形式のダンパーであり、構造物の
柱梁架構内に設置する。第1調圧弁17a、17b、第
2調圧弁27a、27b、及びリリーフ弁29a、29
bをピストン12を貫通する流路に並列に設け、作動媒
体としての油が直接、反対側の油圧室14a(または1
4b)へ流れる構造とする。風外力に対しては、第1調
圧弁17a、17bが作動し、風外力による応答を低減
するための最適減衰係数ca を与える。風外力以上の振
動レベルを与える地震動に対しては、第2調圧弁27
a、27bが開き、地震動による応答を低減するための
最適減衰係数cb を与える。装置の許容耐力を越える荷
重を生ずる地震動に対しては、リリーフ弁29a、29
bが開き、高減衰装置10の減衰係数を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は地震や風等の振動外力に
対する構造物の応答について、高い減衰性を与え、その
振動を低減するための多折れ線型減衰係数を持つ制震構
造物用高減衰装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】出願人は構造物の柱梁架構内に、ブレー
スや壁等の形で可変剛性要素(耐震要素)を組み込み、
可変剛性要素自体の剛性、あるいは架構本体と可変剛性
要素との連結状態を可変とし、地震や風等の振動外力に
対し、振動外力の特性をコンピューターにより解析し
て、非共振となるよう構造物の剛性を変化させて構造物
の安全を図る能動型制震システム、可変剛性構造等を種
々開発している(例えば特開昭62−268479号、
特開昭63−114770号、特開昭63−11477
1号等)。
【0003】また、装置の減衰係数を可変とした油圧式
の制震装置を用い、構造物の非共振性や減衰性を考慮し
た種々の能動型制震システムを提案している(例えば特
開平2−209568〜71号等)。
【0004】さらに、これらの能動型制震システムに利
用可能な制震装置として、例えば特開平3−18660
2号のシリンダーロック装置等がある。シリンダーロッ
ク装置の基本原理は、シリンダー本体内の両ロッド形ピ
ストンの両側に油圧室を設け、両油圧室内の圧油を切換
弁により閉止し、または流動させることにより、前記ピ
ストンを固定し、または移動自在とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の可変剛性要素を
組み込んだ形式の能動型制震システムは、主として地震
動等の卓越周期と、構造物の固有振動数との関係に着目
し、卓越周期に対し、構造物の固有振動数を能動的にず
らすことにより、共振現象を避け、応答量の低減を図っ
ている。
【0006】しかし、能動型制震システムの場合、制御
用のコンピューターの他、駆動装置や、各種センサーを
用いるため、何らかの異常があった場合に対し、種々の
安全維持機構を必要とする等、制御機構が複雑となり、
コスト面での問題も考えられる。また、制御の遅れによ
り十分な効果を発揮するまで時間を要するような場合も
考えられる。
【0007】これに対し、柱梁架構内にダンパーとして
の減衰装置を設置し、減衰装置の減衰係数c(t/kine)
を適切な値に設定することで、建物の振動を低減する受
動型制振システムが構成されるが、この場合、振動低減
の目標とする外力が地震であるか、風外力であるかによ
って、最適な減衰係数cの値が異なる。
【0008】例えば、風による構造物の揺れは、日常、
頻繁に起こるものであり、特に高層建物等では固有周期
が長くなるため、風により長周期の大きな揺れが生じや
すく、船酔い現象の原因となっている。このような風に
よる構造物の揺れは、構造物の1次振動モードが支配的
であるため、1次の減衰定数が大きいほど、構造物の応
答が低減される。また、構造物の剛性が大きい(短周
期)ほど、揺れは小さくなる。これに対し、比較的規模
の大きい地震を振動低減の目標と考えた場合、最適な減
衰係数cは、風外力に対する最適な減衰係数cに比べ、
小さい値となる。
【0009】また、減衰係数cがすべての振動レベルに
ついて一定である場合、さらに規模の大きい大地震によ
り、減衰装置に装置の耐力以上の力が生じるという問題
がある。
【0010】本発明の多折れ線型減衰係数を持つ制震構
造物用高減衰装置は、構造物に適切に設置することによ
り、コンピュータープログラム等による制御システムを
必要としない受動型の制震を可能とするものであり、遭
遇頻度の高い風外力と地震動の力の大きさに応じて、そ
れぞれ最適な減衰係数を与えることで、大きな振動低減
効果を与え、それにより快適な居住空間を提供するとと
もに、装置の能力以上の地震動に対しては装置の損傷、
破壊を防止することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の高減衰装置は上
述したシリンダーロック装置と同様、構造物の柱梁架構
内に設置されるシリンダー形式のダンパー装置であり、
例えばシリンダー本体を架構の梁に連結し、シリンダー
本体より出入するピストンロッドをブレースまたは耐震
壁等の耐震要素側に連結する。構造物に地震等の振動外
力が作用した場合、架構と耐震要素間の相対変位に対
し、高減衰装置がその減衰係数に応じた抵抗力を与え、
構造物の振動を減衰させる。
【0012】架構または耐震要素に対するシリンダー本
体及びロッドの連結関係は上述した場合の逆であっても
よく、また架構内の耐震要素間に設置し、耐震要素どう
しを連結する形でもよい。
【0013】また、本発明の高減衰装置は大きな振動低
減効果を与えるための最適減衰係数が大きくなる風外力
と、通常、風外力の場合に比べ最適減衰係数が小さくな
る地震動の双方に機能するようにしたもので、装置が必
要とする能力は、構造物の規模や構造物内に設置する個
数にもよるが、コンパクトな装置で、例えば保持力10
0t、風外力に対しては減衰係数 100t/kine、あるい
はそれ以上の保持力及び高減衰係数を想定している。ま
た、所定レベル(例えば25kineレベル)を越えるよう
な地震に対しては装置部の荷重増加を生じないように減
衰係数を減少させる。
【0014】このような条件を実現するため、本願の第
1の発明の高減衰装置は下記の構成要素を備えている。
【0015】 構造物の架構または耐震要素に固定さ
れるシリンダー本体 前記シリンダー本体内を移動するピストン 前記シリンダー本体の一端から出入し、前記シリン
ダー本体が固定された架構または耐震要素と対向する架
構または耐震要素に固定されるピストンロッド 前記ピストンの両側に形成された油圧室 前記ピストンを貫通して前記両油圧室を連通させる
複数の流路 前記流路に設けられた第1調圧弁、第2調圧弁及び
リリーフ弁(前記両油圧室の一方から他方へ向かう各方
向についてそれぞれ分散させて設ける) 前記両油圧室を連結するバイパスに設けたアキュム
レーター アキュムレーターからそれぞれの油圧室へ向かう油
のみ流すための一対のチェック弁 前記各チェック弁と並列に設けられ、油圧室の圧ご
もりを解消するためのオリフィス。
【0016】第1調圧弁、第2調圧弁及びリリーフ弁を
ピストン内に形成した流路に設けることで、シリンダー
外部への油漏れが防止され、高減衰性を得るためのシー
ル性が確保される。
【0017】第1調圧弁は風外力に対する最適な減衰係
数ca を規定することを目的としたものであり、第2調
圧弁及び前記リリーフ弁が閉じた状態で、例えば 100t
/kineといった減衰係数を装置に与える。
【0018】第2調圧弁は一種のリリーフ弁であり、地
震動に対する最適な減衰係数cb (cb <ca )を規定
することを目的とし、地震動によって装置の油圧が上昇
する際、所定の第1の油圧によって開くことで、第1調
圧弁とともに、例えば 100t/kineといった減衰係数を
装置に与える。
【0019】また、リリーフ弁は装置に設計以上の力が
作用した場合に開き、油圧を逃がすことを目的としたも
ので、所定の第2の油圧によって開き、装置の減衰係数
を減少させることで、装置を破壊の危険から解放する。
【0020】なお、第1調圧弁、第2調圧弁としては、
ポペット弁を使用することで、流体抵抗を乱流状態とし
て温度に依存しない減衰特性が実現される。
【0021】アキュムレーターは主として負圧時に発生
する気泡によるガタの防止及び温度変化(火災時を含
む)による油の伸縮に対応するためのものであり、これ
により安定性、安全性が確保される。
【0022】また、チェック弁と並列に設けたオリフィ
スは、地震時等にシリンダー本体とロッドが繰り返し相
対変位(振動)している際の油圧室における圧ごもりを
解消するとともに、装置の減衰特性を線形化する目的で
設けられている。
【0023】本願の第2の発明の高減衰装置は、上記第
1の発明の高減衰装置の構成において、第1調圧弁及び
第2調圧弁を設ける代わりに、1つの調圧弁で油圧に応
じて、風外力に対する最適な減衰係数ca と、地震動に
対する最適な減衰係数cb (cb <ca )を与えるよう
にしたもので、例えば、バルブ形状を上述した第1の油
圧で減衰係数が代わるような形状とすることにより、減
衰装置をca からcbに移行させる。装置に設計以上の
力が作用した場合には、調圧弁と並列に設けたリリーフ
弁が開き、上記第1の発明の高減衰装置の場合と同様、
圧力を逃がし、装置を破壊を防止する。
【0024】
【実施例】図1は本発明の高減衰装置10の基本構造を
示したもので、シリンダー11内に両ロッド形式のピス
トン12が組み込まれている。
【0025】高減衰、高剛性を確保するための条件とし
ては、まずピストン12移動方向と反対側の油圧室(図
中、左側の油圧室を14a、右側の油圧室を14bで示
している)を負圧としないことが必要で、そのためピス
トン12を貫通する流路に第1調圧弁17a、17bを
設け、移動油量が直接的に反対側の油圧室へ流れる構造
としている。
【0026】また、第1調圧弁17a、17bと並列
に、第2調圧弁27a、27bと、リリーフ弁29a、
29bが設けられており、地震動に対応する第1の油圧
において、第2調圧弁27a、27bが開き、所定レベ
ル以上の地震を想定した第2の油圧において、リリーフ
弁29a、29bが開く。
【0027】図1(b) はピストン12の断面における上
記第1調圧弁17a、17b、第2調圧弁27a、27
b、及びリリーフ弁29a、29bの配置例を示したも
ので、ピストン12を貫通する12の流路を形成し、両
方向の第1調圧弁17a、17b、第2調圧弁27a、
27b、及びリリーフ弁29a、29bを均等に配置し
ている。
【0028】図2は高減衰装置10全体を概略的に示し
たものである。ただし、図2の場合にはピストンロッド
は一方向のみシリンダー11から突出し、その突出する
側のロッド12a及びシリンダー11の反対側に、耐震
要素または柱梁架構と連結するための取付部15、16
を設けている。
【0029】また、本発明の高減衰装置10では、作動
中の油の圧縮を考慮して不足油量を補償する必要がある
ので、補給用のアキュムレーター18が必要となり、バ
イパス19にはチェック弁20a、20bを設けてい
る。さらに停止すると、油が元の状態に戻る(膨張)の
で、補償された油をアキュムレーター18に戻す必要が
あり、チェック弁20a、20bと並列にオリフィス
(絞り)21a、21bを設けている。
【0030】図3は本発明の高減衰装置10の具体的な
実施例を示したもので、基本的な構造は前述した通りで
あり、外部への油漏れ防止及び高減衰を得るためのシー
ル性を確保する目的で、第1調圧弁17a、17bがピ
ストン12内に設置されている。また、図3中には示し
ていないが、上述した第2調圧弁27a、27b及びリ
リーフ弁29a、29bもピストン12内に設置されて
いる。なお、図3ではアキュムレーター18部分を省略
して示している。
【0031】この他、本実施例では、耐久性及び信頼性
の向上のため、ピストンシール39aに多段の金属シー
ルを用い、固定シールも金属シール39bとしている。
また、メンテナンスに関してはロッド部についてフッ素
樹脂製シール39cを2段設け、外側のシール39cを
カートリッジ式として取り換え可能としている。このよ
うに、各部のシール性、精度を増すことにより、高い減
衰係数が可能となる。
【0032】また、取付部15については3方向回転自
由なクレビスを用いている。
【0033】図4は第1調圧弁17として用いられる円
錐形のポペット弁を示したもので、流体抵抗を乱流状態
として、温度に依存しない減衰特性を実現することがで
きる。この第1調圧弁17は、弁本体に図に示すような
スリット25を形成した比例弁であり、油圧により弁本
体がスプリング26に抗して押し下げられるに従い、ス
リット25位置の開口面積が広がり、スリット形状の規
定により、装置部における荷重と速度との関係が線形と
なり、風荷重に対する最適減衰係数ca を維持する。
【0034】第2調圧弁27も同様の構成とすることが
できるが、その場合、図4におけるスプリング26に相
当する部材に圧縮側のプレストレスを導入しておき、所
定の第1の油圧で弁が作動するようにし、またスリット
形状を規定することで、第1調圧弁17とともに、地震
荷重に対する最適減衰係数cb を維持できるようにす
る。
【0035】図5はリリーフ弁29の一例を示したもの
で、図中30は開放圧力設定用スプリングである。リリ
ーフ弁29は地震が所定レベル以上で、バルブ全面の流
入部における圧力が設計以上の圧力に達すると、スプリ
ング30の抵抗に逆らってバルブが開き、圧力を解放す
る構造となっている。なお、弁の作動原理は上述した第
2調圧弁27の作動原理と同じである。
【0036】次に、本発明の高減衰装置10の適用例と
して、鉄骨ラーメン構造の建家を対象とした高減衰構造
物の設計方法について説明する。
【0037】図6は本発明の高減衰装置を用いた高層建
物1を概念的に示したもので、柱2、梁3等からなる柱
梁架構内に局所的に耐震要素としてのブレース4と減衰
装置10を設置して、その部分で建家の振動エネルギー
を吸収する。図7は1つの柱梁架構内における逆V字型
ブレース4と減衰装置10の納まりの一例を示したもの
である。
【0038】図8は1層分を振動モデルとして表したも
ので、図中cは装置の減衰係数、kf は柱梁架構の剛
性、kb はブレースの剛性、mは1層分の質量である。
【0039】このような高減衰装置10を設けた構造物
について、減衰係数cを種々の値に変化させて複素固有
値解析を行うことで、それぞれの減衰係数cに応じて構
造物の複素固有値λi が求まる。
【0040】この複素固有値から、まず、 hi =−Re (λi ) /|λi | …(1) (ただし、λi は構造物のi次振動モードを与える複素
固有値、Re(λi )はその実数部)によって求まる構
造物のi次振動モードに対するi次減衰定数hi の最大
値を与える減衰係数ci と、 T1 =2π/Imag (λ1 ) …(2) (ただし、Imag (λ1 ) は複素固有値λ1 の虚数
部) によって求まる1次固有周期T1 が短くなってほぼ安定
する値を与える減衰係数cT を求める。
【0041】より具体的には、1次減衰定数h1 の最大
値を与える減衰係数c1 、2次減衰定数h2 の最大値を
与える減衰係数c2 、3次減衰定数h3 の最大値を与え
る減衰係数c3 、及びcT を求め、減衰特性が (a) 主として頻度の高い風振動に対応する第1振動レベ
ルに対しては、 c1 <c<cT …(3) (b) 第1振動レベルより大きい振動レベルであり、主と
して比較的規模の大きい地震動に対応する第2振動レベ
ル(高減衰装置10についてみた場合、装置に前述した
第1の油圧以上の油圧が生ずる状態)に対しては、 c3 <c<c1 …(4) (c) 第2振動レベルより大きい振動レベルであり、高減
衰装置10に所定の設計荷重Fy 以上の減衰力が生じる
第3振動レベル(高減衰装置10についてみた場合、装
置に前述した第2の油圧以上の油圧が生ずる状態)に対
しては、 c<c3 …(5) となるよう高減衰装置10の第1調圧弁17、第2調圧
弁27、及びリリーフ弁29の設定を行う。
【0042】図9は固有値解析結果をまとめて示したも
のである。
【0043】まず、減衰係数cと、1次減衰定数h1
び1次固有周期T1 との関係をみると、1次減衰定数h
1 は、減衰係数cが増大するに従いが次第に増大し、あ
る減衰係数c1 でピークに達した後、減少する。一方、
1次固有周期T1 は減衰係数cが小さい状態では長い周
期で安定し、ある減衰係数の近傍で短い周期に移行した
後、短い周期で安定する。この1次固有周期T1 が短く
なってほぼ安定するときの減衰係数をcT とする。
【0044】風による構造物の揺れは、1次減衰定数h
1 が大きいほど、構造物の応答が低減され、また構造物
の剛性が大きい(短周期)ほど、揺れが小さくなるとい
う特性があるため、主として頻度の高い風振動に対応す
る第1振動レベルの範囲においては、減衰係数cを、 c1 <c<cT …(3) となるよう設定することによって、風応答制御として最
適の減衰効果が得られる。
【0045】すなわち、減衰係数cがc1 以下では、そ
の値が小さくなるにつれ、急激に構造物の減衰性が減少
するとともに、1次固有周期T1 が長いため、揺れも大
きくなる。また、減衰装置として、減衰係数cをcT
上とすることは困難であり、可能であるとしても装置の
コストが増す他、構造物の減衰性も徐々に減少するの
で、かえって揺れ低減効果も小さくなる。
【0046】また、好ましくは、減衰係数cを、1次固
有周期T1 が比較的安定するcT 寄りに近づけることが
望ましく、図4においては、より好ましい範囲として、 cT1<c<cT …(3') となる範囲aを与えている。
【0047】次に、第1振動レベルより大きく、主とし
て地震動が問題となる第2振動レベルについては、各次
の減衰定数h1 、h2 、h3 が10〜40%を示す範囲
bに、減衰係数cを設定すれば、地震動に対し大きな応
答低減効果が得られる。この範囲bとしては、3次減衰
定数h3 のピークと1次減衰定数h1 のピークの間が適
当である。すなわち、3次のモードに対する減衰定数h
3 の最大値を与える減衰係数c3 と、1次のモードに対
する減衰定数h1 の最大値を与える減衰係数c1 とを求
め、前記高減衰装置の減衰係数cが c3 <c<c1 …(4) となるように設定すればよい。
【0048】減衰係数cがc3 より小さいと、各次減衰
定数h1 、h2 、h3 が急激に小さくなり、またc1
り大きいと、減衰定数が徐々に減少して行くとともに、
1次固有周期T1 について示されているように、構造物
の固有周期が短くなり、地震動に共振しやすくなり、架
構の変形が大きくなる傾向にある。
【0049】図10は地震応答スペクトルでみた応答低
減効果を示したものである。実線が高減衰装置10を用
いない通常の建物の場合(減衰定数h≒2%)であり、
破線が高減衰装置10の減衰係数cを上記bの範囲に設
定した場合(減衰定数h≒10〜40%)である。図に
示すように、地震応答に関しては、周期が長くなるにつ
れ応答が低減する傾向にある。
【0050】以上は、高減衰装置10の減衰係数cを規
定して解析を行ったものであるが、本発明では高減衰装
置10の許容耐力も考慮する。すなわち、装置に作用す
る荷重は地震の速度に略比例しており、減衰係数cが一
定の場合、地震のレベルに応じて装置に作用する荷重も
大きくなる。これに対し、上記第2振動レベル以上の大
きな地震を想定した所定以上のレベルの地震(例えば2
5kineレベル)を第3振動レベルとして、減衰係数c
が、 c<c3 …(5) となるよう減少させ、高減衰装置10の破壊を防止する
ことができる。そのため、本発明では、設計荷重以上の
荷重に対し、リリーフ弁29を作動させ、流路の抵抗を
十分小さくして、減衰係数cを減少させることで、装置
保護面での確実性を期している。
【0051】図11は本発明の高減衰装置10につい
て、上述の各振動レベルに応じて減衰係数を設定した場
合の、その特性を示したものである。
【0052】すなわち、頻度の高い風振動時に生じる減
衰力Fc まで(第1振動レベル)は、c=ca (cT1
a <cT )とし、地震時にそれ以上の減衰力に対して
(第2振動レベル)は、c=cb (c3 <cb <c1
に変化させる。また、装置の保護及び設計の簡便性を図
るために、設計荷重Fy 以上の力が生じる場合(第3振
動レベル)は、さらに減衰係数cを低下させる。
【0053】図12は図11の特性を第1調圧弁17、
第2調圧弁27、及びリリーフ弁29との関係で示した
もので、(a) 第1振動レベルの範囲において、所定の減
衰係数ca (c1 <ca <cT )を与える第1調圧弁1
7と並列に、(b) 第1振動レベルの範囲において生じる
減衰力Fc に対応する第1の油圧によって開き、第1調
圧弁17とともに所定の減衰係数cb (c3 <cb <c
1 )を与える第2調圧弁27と、(c) 設計荷重Fy に対
応する第2の油圧によって開き、減衰係数cを十分減少
させる(流路抵抗をできるだけ小さくする)リリーフ弁
29とを設けることで、(d) 高減衰装置10の減衰特性
が図7(d) の形となる。
【0054】なお、減衰係数cの値の設定は、第1調圧
弁17、第2調圧弁27、リリーフ弁29の形状等の設
計(第2リリーフ弁29については、流路抵抗をできる
だけ小さくする)により実現され、また第2調圧弁2
7、リリーフ弁29の作動圧はこれらの弁を閉じる方向
に付勢するスプリングのバネ値の設計等により実現され
る。
【0055】図13は本発明の高減衰装置10の他の実
施例を示したもので、図1に示される高減衰装置10の
構成において、第1調圧弁17a,17b及び第2調圧
弁27a,27bを設ける代わりに、1種類の調圧弁3
1a,31bで油圧に応じて、風外力に対する最適な減
衰係数ca と、地震動に対する最適な減衰係数cb (c
b <ca )を与えるようにしたものである。
【0056】図14は図13の実施例に用いる調圧弁3
1の一例を示したもので、基本原理は図4で説明したス
リット25を有する比例弁と同様であるが、調圧弁31
の上下に形成したスリット32について、風外力に対す
る減衰係数ca を与える第1区間33と地震動に対する
減衰係数cb を与える第2区間34とで、スリット32
部分の勾配を代えている。このようなバルブ形状によ
り、前面の油圧Pに応じて、1つの調圧弁で2つの減衰
係数ca ,cb を与えることができる。また、図11を
参照し、設計荷重Fy に対応する第2の油圧によって、
リリーフ弁29が開き、減衰係数cを減少させる。
【0057】
【発明の効果】 油圧シリンダー形式の簡単な機構
で、かつコンパクトな装置で高減衰性能を実現してお
り、構造物内への適用が容易である。
【0058】 調圧弁及びリリーフ弁をピストン内部
に設けた構造であり、シール性を確保することで、性能
安定性及び信頼性の高い装置が作れる。
【0059】 調圧弁としてポペット弁を用いること
により、温度変化による性能変動の少ない装置が作れ
る。
【0060】 多折れ線型減衰係数を有する装置であ
り、風外力、地震動に応じて、それぞれ最適な減衰係数
を実現し、構造物の振動を効果的に抑制することができ
る。
【0061】 所定以上のレベルの大地震に対しては
リリーフ弁により減衰係数を減少させることで、装置に
作用する荷重を減少させることができ、装置の保護が図
れる。
【0062】また、建物等、各階に設置する減衰装置の
数が規定でき、装置に過大な荷重がかからないことで、
設計が容易となり、取り付け構造等の周りの部材の省力
化も図れ、コンパクトな納まりを実現できる。
【0063】 本発明の装置を構造物に適用すること
により、受動型の高減衰構造物が実現でき、高い制震効
果が得られる。これにより地震、風等の外乱による揺れ
を大幅に低減でき、建物の構造安全性を高めるととも
に、快適な居住空間を提供できる。
【0064】 受動的制震機構を与えるものであるた
め、設置の際の構造物の特性に応じた設計及び調整を必
要とするだけであり、複雑な制御システムや付帯設備を
必要とせず、能動型制震機構に比べ低コストで設置する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高減衰装置の基本構造を示したもの
で、(a) は鉛直断面図、(b) はそのA−A断面図であ
る。
【図2】本発明の高減衰装置全体の概要を示すモデル図
である。
【図3】本発明の高減衰装置の一実施例を示す断面図で
ある。
【図4】第1調圧弁の例を示したもので、(a) は正面
図、(b) は側面図(一部断面)である。
【図5】リリーフ弁の一例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る高減衰構造物を概念的に示した立
面図である。
【図7】柱梁架構内における高減衰装置と耐震要素とし
てのブレースの配置の一例を示す立面図である。
【図8】本発明を適用した構造物の一層分の振動モデル
図である。
【図9】減衰係数cと、複素固有値解析より求めた架構
の1〜3次の減衰定数h1 、h2 、h3 及び1次固有周
期T1 との関係を1つにまとめたグラフである。
【図10】地震応答スペクトルでみた応答低減効果を示
すグラフである。
【図11】本発明の高減衰装置によって与えられる減衰
係数に関する減衰特性を概略的に示すグラフである。
【図12】本願の第1の発明の高減衰装置における減衰
係数設定方法を説明するためのグラフである。
【図13】本願の第2の発明の高減衰装置の基本構造を
示したもので、(a) は鉛直断面図、(b) はそのB−B断
面図である。
【図14】本願の第2の発明の高減衰装置に用いる調圧
弁の例を示す概略的な断面図である。
【符号の説明】
1…高減衰構造物、2…柱、3…梁、4…ブレース、1
0…高減衰装置、11…シリンダー、12…ピストン、
14…油圧室、15、16…取付部、17…第1調圧
弁、18…アキュムレーター、19…バイパス、20…
チェック弁、21…オリフィス、25…スリット、26
…スプリング、27…第2調圧弁、29…リリーフ弁、
30…スプリング、31…調圧弁、32…スリット、3
3…第1区間、34…第2区間、35…スプリング、3
9a…ピストンシール、39b…金属シール、39c…
フッ素樹脂製シール
フロントページの続き (72)発明者 小堀 鐸二 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 高橋 元一 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 栗野 治彦 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 鎭目 武治 神奈川県相模原市麻溝台1丁目12番1号 カヤバ工業株式会社相模工場内 (72)発明者 古川 邦雄 神奈川県相模原市麻溝台1丁目12番1号 カヤバ工業株式会社相模工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダー本体と、前記シリンダー本体
    内を移動するピストンと、前記シリンダー本体の一端か
    ら出入するピストンロッドと、前記ピストンの両側に形
    成された油圧室と、前記ピストンを貫通して前記両油圧
    室を連通させる複数の流路と、前記両油圧室を連結する
    バイパスに設けたアキュムレーターと、前記バイパスの
    前記油圧室のそれぞれと前記アキュムレーターとの間に
    設けられ、前記油圧室からの油の流出を阻止するための
    一対のチェック弁と、前記バイパスに前記各チェック弁
    と並列に設けたオリフィスとを有し、前記ピストンを貫
    通する前記複数の流路に、前記両油圧室の一方から他方
    へ向かう各方向の第1調圧弁と、各方向の第2調圧弁
    と、各方向のリリーフ弁とを並列に分散配置してなり、
    前記第1調圧弁は前記第2調圧弁及び前記リリーフ弁が
    閉じた状態で、所定の減衰係数ca を与え、前記第2調
    圧弁は所定の第1の油圧によって開き、前記第1調整圧
    弁とともに所定の減衰係数cb (cb <ca )を与え、
    前記リリーフ弁は前記第1の油圧より大きい所定の第2
    の油圧によって開き、装置の減衰係数を減少させるよう
    設定したことを特徴とする多折れ線型減衰係数を持つ制
    震構造物用高減衰装置。
  2. 【請求項2】 シリンダー本体と、前記シリンダー本体
    内を移動するピストンと、前記シリンダー本体の一端か
    ら出入するピストンロッドと、前記ピストンの両側に形
    成された油圧室と、前記ピストンを貫通して前記両油圧
    室を連通させる複数の流路と、前記両油圧室を連結する
    バイパスに設けたアキュムレーターと、前記バイパスの
    前記油圧室のそれぞれと前記アキュムレーターとの間に
    設けられ、前記油圧室からの油の流出を阻止するための
    一対のチェック弁と、前記バイパスに前記各チェック弁
    と並列に設けたオリフィスとを有し、前記ピストンを貫
    通する前記複数の流路に、前記両油圧室の一方から他方
    へ向かう各方向の調圧弁と、各方向のリリーフ弁とを並
    列に分散配置してなり、前記調圧弁は前記リリーフ弁が
    閉じた状態で、所定の第1の油圧までは、所定の減衰係
    数ca を与え、前記第1の油圧から該第1の油圧より大
    きい所定の第2の油圧までは、所定の減衰係数cb (c
    b <ca )を与え、前記リリーフ弁は前記第2の油圧に
    よって開き、装置の減衰係数を減少させるよう設定した
    ことを特徴とする多折れ線型減衰係数を持つ制震構造物
    用高減衰装置。
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