JP2014095406A - 振動低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体式慣性質量ダンパーにおける慣性質量を増大させることができる有効適切な振動低減装置を実現する。
【解決手段】流体を封入したメインシリンダー11内をメインピストン12により第1隔室14と第2隔室15とに区画し、メインシリンダーよりも小径の第1サブシリンダー17、第2サブシリンダー18を第1隔室、第2隔室に連通せしめる。それら第1サブシリンダーおよび第2サブシリンダーの先端部どうしを同軸状態で対向配置し、そこに第1サブピストン19および第2サブピストン20の基端部を出没自在に挿入し、それら第1サブピストンおよび第2サブピストンの先端どうしを錘21を介して一体に連結している。錘をメインシリンダーの側部においてスライドガイド機構23を介して支持して設置する。メインピストンには過負荷防止機構としてのリリーフ弁を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】流体を封入したメインシリンダー11内をメインピストン12により第1隔室14と第2隔室15とに区画し、メインシリンダーよりも小径の第1サブシリンダー17、第2サブシリンダー18を第1隔室、第2隔室に連通せしめる。それら第1サブシリンダーおよび第2サブシリンダーの先端部どうしを同軸状態で対向配置し、そこに第1サブピストン19および第2サブピストン20の基端部を出没自在に挿入し、それら第1サブピストンおよび第2サブピストンの先端どうしを錘21を介して一体に連結している。錘をメインシリンダーの側部においてスライドガイド機構23を介して支持して設置する。メインピストンには過負荷防止機構としてのリリーフ弁を設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は相対振動する二部材間に介装されてその相対振動を低減させるための振動低減装置、特に流体の慣性質量を利用した流体式慣性質量ダンパーの範疇に属する振動低減装置に関する。
周知のように、慣性質量ダンパーはダンパー両端の相対加速度に比例した反力を生じる装置であり、近年、ボールねじ機構を利用して回転錘の実際の質量の数千倍もの慣性質量効果が得られる装置が実用化されているが、複雑かつ高価なボールねじ機構を用いることから必然的に複雑かつ高価な装置とならざるを得ない。
また、ボールねじ機構を利用する慣性質量ダンパーよりも簡易かつ安価な構成のものとして、たとえば特許文献1や特許文献2に示されるような流体の慣性質量を利用するいわゆる流体式慣性質量ダンパー(慣性ポンプダンパーとも称される)も知られている。
これは、シリンダー内で分割された流体(液体)に対してダンパー変位により圧力を加えてシリンダー径よりも小径のバイパス管を通して還流させるもので、ダンパー変位速度より還流速度が高速になることでバイパス管内の流体質量よりも大きな慣性質量効果が得られるものである。
これは、シリンダー内で分割された流体(液体)に対してダンパー変位により圧力を加えてシリンダー径よりも小径のバイパス管を通して還流させるもので、ダンパー変位速度より還流速度が高速になることでバイパス管内の流体質量よりも大きな慣性質量効果が得られるものである。
この種の流体式慣性質量ダンパーの原理と基本構成について、特許文献1に示される振動低減装置を例にとって図3(a)、(b)を参照して説明する。
図3(a)において符号1はシリンダー、2はピストン、3はロッドであって、シリンダー1内はピストン2によって第1流体室4と第2流体室5とに区画され、それら第1流体室4と第2流体室5とはバイパス管6により連通されている。
この流体式慣性質量ダンパーは、シリンダー1の一端(図3(a)において左端)およびロッド3の先端(同、右端)がそれぞれ相対振動する二部材(図示せず)に対して接続されるものであり、それによりたとえば図3(b)に示す構造モデルのように、シリンダー1が支持構造体7に対して接続され、ロッド3がその支持構造体7に対して相対振動する制振対象の構造体8に対して接続される。
図3(a)において符号1はシリンダー、2はピストン、3はロッドであって、シリンダー1内はピストン2によって第1流体室4と第2流体室5とに区画され、それら第1流体室4と第2流体室5とはバイパス管6により連通されている。
この流体式慣性質量ダンパーは、シリンダー1の一端(図3(a)において左端)およびロッド3の先端(同、右端)がそれぞれ相対振動する二部材(図示せず)に対して接続されるものであり、それによりたとえば図3(b)に示す構造モデルのように、シリンダー1が支持構造体7に対して接続され、ロッド3がその支持構造体7に対して相対振動する制振対象の構造体8に対して接続される。
この場合、図3(b)に示すように、シリンダー1の内径D1、ロッド3の径D2、バイパス管6の内径d(d<D1)、バイパス管6の全長lとすると、バイパス管6内の流体質量m2は流体密度をρとすると次式となる。
バイパス管6とシリンダー1との断面積比α、構造体8の絶対変位x、ダンパーの絶対変位(すなわち支持構造体7の絶対変位)zとすると、断面積比αおよびバイパス管6内の流体の移動量yは次式で表される。
この系において構造体8の質量m1とすると、振動系の運動エネルギーはUkは次式となる。
流体減衰を含む径全体の減衰係数をcとすると、ラグランジュの運動方程式から次式の関係が得られる。
これは、制振対象の構造体の剛性kと並列に、次式で表される慣性質量Ψが付加されたことと等価である。
上式から、慣性質量Ψはシリンダー1の内径D1を大きくするほど、バイパス管6の内径dを小さくするほど、バイパス管6の全長lを長くするほど、大きくすることができることがわかる。
上記のような流体式慣性質量ダンパーは流体の慣性質量を利用するものではあるが、たとえば建物等の構造物に制振装置として使用する場合には、支障なく設置し得る程度の現実的な大きさで十分な慣性質量が得られるものではない。
たとえば、図3に示したものにおいて、シリンダー1の内径D1=400mm、ロッド3の径D2=80mm、バイパス管6の内径d=80mm、バイパス管6の全長l=5000mmとし、流体として密度ρ=0.9ton/m3のオイルを用いる場合、流体質量m2=0.0226ton、断面積比α=24となり、その場合の慣性質量ΨはΨ=13tonに過ぎない。
これは、同等サイズの慣性質量ダンパーをボールねじ機構を利用して構成する場合に容易に得られる数千tonもの慣性質量に比べて1%にもならない程度であり、その点でこの種の流体式慣性質量ダンパーは建物等の大規模な構造物を対象とする大容量の制振装置として適用することは困難であり現実的ではない。
これは、同等サイズの慣性質量ダンパーをボールねじ機構を利用して構成する場合に容易に得られる数千tonもの慣性質量に比べて1%にもならない程度であり、その点でこの種の流体式慣性質量ダンパーは建物等の大規模な構造物を対象とする大容量の制振装置として適用することは困難であり現実的ではない。
なお、特許文献2には同様の原理に基づく振動衝撃装置やサスペンション装置についての開示があり、それにはバイパス管に慣性力増加手段を備えることも記載されている。しかし、そのような慣性力増加手段を付加することによっても必ずしも十分な慣性質量を得られるものではなく、車両用のサスペンション装置としてはともかくとしても構造物における大容量の制振装置として適用することは現実的ではない。
特に、特許文献2における慣性力増加手段はバイパス管内を通過する流体によって複雑な歯車機構を介して質量部材を回転させる構成であることから、ダンパー全体の構成が過度に複雑化してしまうばかりでなく十分な保守点検も必要となり、その点で建物に設置する制振装置としては好適なものではない。
特に、特許文献2における慣性力増加手段はバイパス管内を通過する流体によって複雑な歯車機構を介して質量部材を回転させる構成であることから、ダンパー全体の構成が過度に複雑化してしまうばかりでなく十分な保守点検も必要となり、その点で建物に設置する制振装置としては好適なものではない。
上記事情に鑑み、本発明は特許文献1に示されるような流体式慣性質量ダンパーの基本構成を踏襲しつつ、それに簡易な改良を加えることで慣性質量を数十倍以上にも増大させることができる有効適切な振動低減装置を実現することを目的とする。
請求項1記載の発明は、相対振動する二部材間に介装されてその相対振動を低減させるための振動低減装置であって、流体を封入したメインシリンダー内にメインピストンを軸方向に移動自在に収納し、該メインピストンに接続したロッドの先端部を前記メインシリンダーの一端部から延出せしめて、該ロッドの先端部を前記二部材の一方に対して接続するとともに、前記メインシリンダーの他端部を前記二部材の他方に対して接続し、前記メインシリンダー内を前記メインピストンによって第1隔室と第2隔室とに区画し、前記メインシリンダーよりも小径の第1サブシリンダーの基端を前記第1隔室に対して連通せしめるとともに、該第1サブシリンダーと同径の第2サブシリンダーの基端を前記第2隔室に対して連通せしめて、それら第1サブシリンダーおよび第2サブシリンダーの先端部どうしを同軸状態でかつ双方の先端どうしの間に間隔をおいた状態で対向配置し、前記第1サブシリンダーおよび前記第2サブシリンダーの先端部に第1サブピストンおよび第2サブピストンの基端部をそれぞれ出没自在に挿入するとともに、それら第1サブピストンおよび第2サブピストンの先端どうしを錘を介して一体に連結してなることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の振動低減装置であって、前記第1サブシリンダーおよび第2サブシリンダーの先端部の軸線方向を前記メインシリンダーの軸線方向と平行として、前記錘を前記メインシリンダーの側部において該メインシリンダーの軸線方向に移動自在に配置し、該錘を前記メインシリンダーの外周部に設けたスライドガイド機構を介して前記メインシリンダーにより支持してなることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の振動低減装置であって、前記メインピストンに、前記第1隔室内の前記流体の圧力が所定のリリーフ圧となった際に該流体を該第1隔室から前記第2隔室に流出せしめる第1リリーフ弁と、前記第2隔室内の前記流体の圧力が前記リリーフ圧となった際に該流体を該第2隔室から前記第1隔室に流出せしめる第2リリーフ弁を備えてなることを特徴とする。
本発明によれば、二部材間の相対振動によってメインピストンがメインシリンダーに対して変位した際には第1サブシリンダーおよび第2サブシリンダー内の流体が逆方向に高速で移動し、それに伴い、第1サブピストンと錘と第2サブピストンの全体が同方向に同量だけ高速で移動せしめられる。それにより、ダンパー両端間の相対速度に比べて錘の移動速度も流体と同時に拡大されるので、従来の流体のみによる慣性質量と比較すると桁違いに大きな慣性質量が得られる。
本発明の実施形態である振動低減装置について図1(a)、(b)を参照して説明する。
本実施形態の振動低減装置は、基本的には図3に示した従来の流体式慣性質量ダンパーである振動低減装置と同様に、相対振動する二部材間に介装されてそれら二部材間に生じる相対振動を低減させるための振動低減装置であるが、上記従来の流体式慣性質量ダンパーの基本構成を踏襲しつつそのバイパス管の一部を切除してそこに錘を移動可能に組み込むことによって慣性質量を有効に増大させるようにしたものである。
本実施形態の振動低減装置は、基本的には図3に示した従来の流体式慣性質量ダンパーである振動低減装置と同様に、相対振動する二部材間に介装されてそれら二部材間に生じる相対振動を低減させるための振動低減装置であるが、上記従来の流体式慣性質量ダンパーの基本構成を踏襲しつつそのバイパス管の一部を切除してそこに錘を移動可能に組み込むことによって慣性質量を有効に増大させるようにしたものである。
具体的には、本実施形態の振動低減装置は、流体を封入したメインシリンダー11内にメインピストン12を軸方向に移動自在に収納し、メインシリンダー11内をメインピストン12によって第1隔室14と第2隔室15とに区画している。
メインピストン12の両側にはそれぞれロッド13を接続して、それらロッド13の先端部をメインシリンダー11の一端部および他端部から延出せしめたうえで、メインシリンダー11の一端部(図では右端部)から延出している一方のロッド13の先端部(図では右側のロッド13の右端部)を二部材の一方(たとえば図3(b)に示す構造体8)に対して接続するとともに、メインシリンダー11の他端部(図では左端部)を二部材の他方(同、支持構造体7)に対して接続している。
また、メインシリンダー11よりも小径の第1サブシリンダー17の基端を第1隔室14に対して連通せしめるとともに、その第1サブシリンダー17と同径の第2サブシリンダー18の基端を第2隔室15に対して連通せしめて、それら第1サブシリンダー17および第2サブシリンダー18の先端部どうしを同軸状態でかつ双方の先端どうしの間に間隔をおいた状態で対向配置している。
そして、第1サブシリンダー17および第2サブシリンダー18の先端部に第1サブピストン19および第2サブピストン20の基端部をそれぞれ出没自在に挿入するとともに、それら第1サブピストン19および第2サブピストン20の先端どうしを錘21を介して一体に連結している。
本実施形態においては、第1サブシリンダー17および第2サブシリンダー18の先端部の軸線方向はメインシリンダー11の軸線方向と平行とされていて、それら第1サブシリンダー17および第2サブシリンダー18の先端部は支持部材22を介してメインシリンダー11に対して支持されている。
これにより、上記の錘21はメインシリンダー11の側部においてそれら第1サブシリンダー17および第2サブシリンダー18の先端部の軸線方向(すなわちメインシリンダー11の軸線方向)に移動自在に配置され、その錘21はメインシリンダー11の外周部に設けたスライドガイド機構23を介して滑らかにスライド可能な状態でメインシリンダー11により支持されて設置されている。スライドガイド機構23としては汎用市販品であるいわゆるリニアガイドが好適に採用可能である。
これにより、上記の錘21はメインシリンダー11の側部においてそれら第1サブシリンダー17および第2サブシリンダー18の先端部の軸線方向(すなわちメインシリンダー11の軸線方向)に移動自在に配置され、その錘21はメインシリンダー11の外周部に設けたスライドガイド機構23を介して滑らかにスライド可能な状態でメインシリンダー11により支持されて設置されている。スライドガイド機構23としては汎用市販品であるいわゆるリニアガイドが好適に採用可能である。
以上の構成からなる本実施形態の振動低減装置は、図3に示した従来の流体式慣性質量ダンパーである振動低減装置におけるバイパス管6の一部を切除してその切除部の両側をそれぞれ第1サブシリンダー17および第2サブシリンダー18とし、それらの間において錘21を第1サブピストン19および第2サブピストン20と一体に移動させる構成としたものであるといえる。
これにより、二部材間の相対振動によってメインピストン12がメインシリンダー11に対して変位した際には第1サブシリンダー17および第2サブシリンダー18内の流体が逆方向に高速で移動し、それに伴い、第1サブピストン19と錘21と第2サブピストン20の全体がそれと同方向に同量だけ高速で移動せしめられる。
したがって、ダンパー両端間の相対速度に比べて錘21の移動速度も流体と同時に拡大されるので、従来の流体のみによる慣性質量と比較すると桁違いに大きな慣性質量が得られる。
これにより、二部材間の相対振動によってメインピストン12がメインシリンダー11に対して変位した際には第1サブシリンダー17および第2サブシリンダー18内の流体が逆方向に高速で移動し、それに伴い、第1サブピストン19と錘21と第2サブピストン20の全体がそれと同方向に同量だけ高速で移動せしめられる。
したがって、ダンパー両端間の相対速度に比べて錘21の移動速度も流体と同時に拡大されるので、従来の流体のみによる慣性質量と比較すると桁違いに大きな慣性質量が得られる。
具体的には、図3(b)に示したように構造体8の絶対変位x、ダンパー(支持構造体7)の絶対変位zとした場合、本実施形態においては第1サブピストン19および第2サブピストン20も含めた錘21の全体の移動量がyとなる。
図1(a)に示すように錘21の厚さL’、第1サブピストン19および第2サブピストン20も含めた錘21の全長L、その質量Mとすると、見かけ上の流体質量m2’は次式となる。
したがって、この振動系の運動エネルギーUk、慣性質量Ψ’はそれぞれ次式となる。
具体例として、錘21の有無を除いて従来の振動低減装置と同等の諸元とした場合の双方の慣性質量を試算して比較してみる。
上述したように、従来の振動低減装置(図3参照)の諸元を、シリンダー1の内径D1=400mm、ロッド3の径D2=80mm、バイパス管6の内径d=80mm、バイパス管6の全長l=5000mmとし、流体として密度ρ=0.9ton/m3のオイルを用いる場合、流体質量m2=0.0226ton、断面積比α=24となり、したがって慣性質量はΨ=13tonに過ぎない。
上述したように、従来の振動低減装置(図3参照)の諸元を、シリンダー1の内径D1=400mm、ロッド3の径D2=80mm、バイパス管6の内径d=80mm、バイパス管6の全長l=5000mmとし、流体として密度ρ=0.9ton/m3のオイルを用いる場合、流体質量m2=0.0226ton、断面積比α=24となり、したがって慣性質量はΨ=13tonに過ぎない。
それに対し、本実施形態の振動低減装置の諸元を、メインシリンダー11の内径D1=400mm、ロッド13の径D2=80mm、第1サブシリンダー17および第2サブシリンダー18の内径(従来におけるバイパス管6の内径に相当)d=80mm、錘21を鋼材としてその幅B=450mm、高さD=700mm、厚さL’=300mm、錘21の全長(第1サブピストン19および第2サブピストン20を含む)L=1300mm、錘21の質量(第1サブピストン19および第2サブピストン20を含む)M=0.78tonとすると、慣性質量Ψ’は次式となる。
すなわち、従来の振動低減装置における長さl=5000mmのバイパス管6の一部を切除してそこに1ton足らずの錘21を組み込むことのみで慣性質量Ψ’は450ton以上にもなり、単に流体の慣性質量を利用する場合に比べて35倍にも増大させることができることになる。
なお、他の条件は同じにしてバイパス管6をl=3500mmと短くした場合における慣性質量Ψ’は次式となり、その場合でも慣性質量はわずかに低下する程度に留まることがわかる。
図2は本発明の振動低減装置の他の実施形態を示すものである。これは、上記実施形態の振動低減装置におけるメインピストン12に対してダンパー負担力(軸力)を頭打ちするためのフェールセーフ機構(過負荷防止機構)を付加したものである。
すなわち、図2に示すように、上記のメインピストン12に、第1隔室14内の流体の圧力が所定のリリーフ圧となった際に流体を第1隔室14から第2隔室15に流出せしめる第1リリーフ弁24を設けるとともに、第2隔室15内の流体の圧力がリリーフ圧となった際に流体を第2隔室15から第1隔室14に流出せしめる第2リリーフ弁25を設けることにより、メインシリンダー11内における流体の圧力がリリーフ圧以上となることを防止でき、それによりダンパー負担力を頭打ちして過大な負担力が生じないようにすることができる。
すなわち、図2に示すように、上記のメインピストン12に、第1隔室14内の流体の圧力が所定のリリーフ圧となった際に流体を第1隔室14から第2隔室15に流出せしめる第1リリーフ弁24を設けるとともに、第2隔室15内の流体の圧力がリリーフ圧となった際に流体を第2隔室15から第1隔室14に流出せしめる第2リリーフ弁25を設けることにより、メインシリンダー11内における流体の圧力がリリーフ圧以上となることを防止でき、それによりダンパー負担力を頭打ちして過大な負担力が生じないようにすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、以下にその効果を列挙する。
(1)従来の流体式慣性質量ダンパーに対し、バイパス管の管径を過小化したりその管長を過大にしたりせずに、単に錘を移動させる構成とするだけで大きな慣性質量を付与できる。特に錘を付加することによる寄与が大きいのでバイパス管の長さを多少短くしても慣性質量はほとんど変化しない。
(1)従来の流体式慣性質量ダンパーに対し、バイパス管の管径を過小化したりその管長を過大にしたりせずに、単に錘を移動させる構成とするだけで大きな慣性質量を付与できる。特に錘を付加することによる寄与が大きいのでバイパス管の長さを多少短くしても慣性質量はほとんど変化しない。
(2)従来のオイルダンパーと同様のリリーフ弁を設けることで、ダンパーに過大な負担力が生じないようにすることができる。
(3)ボールねじ機構を利用する従来の慣性質量ダンパーでは複雑なボールねじ機構の他に軸受けやトルクに抵抗するシリンダー等も必要であるが、本発明によればそれらが不要であり、構成部品が減り、メカニズムが大幅に簡略化される。そのためオイルダンパー製造技術を応用してローコストに製造できる。
(4)流体を用いているため、粘性抵抗による減衰効果が付加され、使用する流体の種類(水、オイル、各種粘性流体等)を選択することで、慣性質量に加え所望の減衰を得ることができる。このため、ボールねじ機構を用いた慣性質量ダンパーにおいては並設する必要のある減衰装置を省略することができる。
(5)ダンパー変位に対し、サブシリンダー(従来におけるバイパス管に相当)内における流体および錘の移動量がメインシリンダーとサブシリンダーとの断面積比αによりα倍となるので、変位拡大機構として機能するものとなる。具体的には、上記試算例のように断面積比α=24の場合においてダンパー変位が±20mmの場合には、錘21の移動量は±480mmとなり、24倍の変位拡大機構となる。
そのため、サブシリンダー(バイパス管)内の流体および錘の合計質量のα2倍の慣性質量が得られることになる。
そのため、サブシリンダー(バイパス管)内の流体および錘の合計質量のα2倍の慣性質量が得られることになる。
(6)錘をサブシリンダーの外部に配置するので大きな錘であっても支障なく設置することができ、それにより大きな慣性質量を容易に実現でき、従来の流体式慣性質量ダンパーと比較してコンパクトに大きな慣性質量が得られる。
なお、サブシリンダー内に設けたサブピストンのストロークはダンパー全体のストロークのα倍となるため、本発明はダンパーのストロークが小さい場合に効果的な装置といえる。
なお、サブシリンダー内に設けたサブピストンのストロークはダンパー全体のストロークのα倍となるため、本発明はダンパーのストロークが小さい場合に効果的な装置といえる。
11 メインシリンダー
12 メインピストン
13 ロッド
14 第1隔室
15 第2隔室
17 第1サブシリンダー
18 第2サブシリンダー
19 第1サブピストン
20 第2サブピストン
21 錘
22 支持部材
23 スライドガイド機構
24 第1リリーフ弁
25 第2リリーフ弁
12 メインピストン
13 ロッド
14 第1隔室
15 第2隔室
17 第1サブシリンダー
18 第2サブシリンダー
19 第1サブピストン
20 第2サブピストン
21 錘
22 支持部材
23 スライドガイド機構
24 第1リリーフ弁
25 第2リリーフ弁
Claims (3)
- 相対振動する二部材間に介装されてその相対振動を低減させるための振動低減装置であって、
流体を封入したメインシリンダー内にメインピストンを軸方向に移動自在に収納し、該メインピストンに接続したロッドの先端部を前記メインシリンダーの一端部から延出せしめて、該ロッドの先端部を前記二部材の一方に対して接続するとともに、前記メインシリンダーの他端部を前記二部材の他方に対して接続し、
前記メインシリンダー内を前記メインピストンによって第1隔室と第2隔室とに区画し、前記メインシリンダーよりも小径の第1サブシリンダーの基端を前記第1隔室に対して連通せしめるとともに、該第1サブシリンダーと同径の第2サブシリンダーの基端を前記第2隔室に対して連通せしめて、それら第1サブシリンダーおよび第2サブシリンダーの先端部どうしを同軸状態でかつ双方の先端どうしの間に間隔をおいた状態で対向配置し、
前記第1サブシリンダーおよび前記第2サブシリンダーの先端部に第1サブピストンおよび第2サブピストンの基端部をそれぞれ出没自在に挿入するとともに、それら第1サブピストンおよび第2サブピストンの先端どうしを錘を介して一体に連結してなることを特徴とする振動低減装置。 - 請求項1記載の振動低減装置であって、
前記第1サブシリンダーおよび第2サブシリンダーの先端部の軸線方向を前記メインシリンダーの軸線方向と平行として、前記錘を前記メインシリンダーの側部において該メインシリンダーの軸線方向に移動自在に配置し、該錘を前記メインシリンダーの外周部に設けたスライドガイド機構を介して前記メインシリンダーにより支持してなることを特徴とする振動低減装置。 - 請求項1または2記載の振動低減装置であって、
前記メインピストンに、前記第1隔室内の前記流体の圧力が所定のリリーフ圧となった際に該流体を該第1隔室から前記第2隔室に流出せしめる第1リリーフ弁と、前記第2隔室内の前記流体の圧力が前記リリーフ圧となった際に該流体を該第2隔室から前記第1隔室に流出せしめる第2リリーフ弁を備えてなることを特徴とする振動低減装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017053135A (ja) * | 2015-09-09 | 2017-03-16 | 千博産業株式会社 | 建物の制振構造 |
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