JP2601070B2 - 高減衰構造物 - Google Patents

高減衰構造物

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JP2601070B2 JP3219959A JP21995991A JP2601070B2 JP 2601070 B2 JP2601070 B2 JP 2601070B2 JP 3219959 A JP3219959 A JP 3219959A JP 21995991 A JP21995991 A JP 21995991A JP 2601070 B2 JP2601070 B2 JP 2601070B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は構造物の柱梁架構内に設
置した受動型の制震装置である高減衰装置により、地震
等の振動外力に対し、高い減衰機能を発揮できるように
した高減衰構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】出願人は構造物の柱梁架構内に、ブレー
スや壁などの形で可変剛性要素(耐震要素)を組み込
み、可変剛性要素自体の剛性、あるいは架構本体と可変
剛性要素との連結状態を可変とし、地震や風などの振動
外力に対し、振動外力の特性をコンピューターにより解
析して、非共振となるよう構造物の剛性を変化させて構
造物の安全を図る能動的制震システム、可変剛性構造等
を種々提案している(例えば特開昭62−268479号、特開
昭63−114770号、特開昭63−114771号など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の能動
的制震システムは、主として地震動などの卓越周期と、
構造物の固有振動数(通常、1次の固有振動数が問題と
なる場合が多い)との関係に着目し、卓越周期に対し、
構造物の固有振動数を能動的にずらすことにより、共振
現象を避け、応答量の低減を図っている。
【0004】しかし、特に地震動などの場合、非定常振
動であることから、例えば卓越周期がはっきりしない場
合や卓越周期が複数ある場合など、必ずしも最適な制御
とならない場合も考えられる。
【0005】また、能動的制震システムの場合、制御用
のコンピューターの他、各種センサーを用いるため、何
らかの異常があった場合に対し、種々の安全維持機構を
必要とするなど制御機構が複雑となり、コスト面での問
題も考えられる。その他、制御の遅れにより十分な効果
を発揮するまで時間を要するような場合も考えられる。
【0006】本発明の高減衰構造物はコンピュータープ
ログラムなどによる制御システムを必要としない受動的
制震を可能とするもので、柱梁架構内に適切にブレース
等の耐震要素を高減衰装置を介在させて設置することに
より、構造物に高い減衰機能を持たせ、地震や風等の外
乱による構造物の揺れを低減するとともに、快適な居住
空間を実現することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の基本概念は、例
えば通常の設計で必要となる架構の半分の剛性、耐力で
ラーメン構造を設定し、その柱梁架構内に適切にブレー
ス等の耐震要素を高減衰装置を介して設置するものであ
る。
【0008】架構の剛性、耐力を低く抑えることによ
り、部材断面あるいは部材数等を低減することができ、
地震等に対する変形の増大に対しては、あらかじめ高減
衰装置の減衰係数を適切な値に設定しておくことによ
り、構造物に対し最大限の減衰性能を与え、構造物の応
答が最小となるようにしている。
【0009】架構の剛性、耐力は必ずしも半分でなけれ
ばならないのではなく、減衰性能等に関連する構造物の
応答、経済性等を考慮して種々の設計が可能である。す
なわち、剛性及び耐力に関しては、通常の耐震設計法に
基づき設計された構造物に対し、0.3〜1.0倍程度
の柱梁架構を設定する。剛性が1.0倍以上では、減衰
効果が付加されても、一般的に地震応答スペクトルが増
加するので、応答低減効果が薄くなる。また、耐力が
0.3倍以下では柱梁架構が負担するせん断力に対して
部材設計が実質的に不可能となる。
【0010】さらに、本発明では予め設定したレベル以
上の地震に対しては、高減衰装置の減衰係数を徐々に
少させることにより、装置部の荷重増加を生じないよう
にする。
【0011】より具体的には、構造物の所定の柱梁架構
内に耐震要素を設け、柱梁架構と耐震要素間または耐震
要素どうしを、地震に対し構造物の応答を最小とする減
衰係数を含む所定の範囲の減衰係数cを調圧弁の設定に
より付与可能な能動型制震装置としての油圧ダンパ形式
高減衰装置により連結する。
【0012】高減衰装置の設計に関しては、構造物の各
次振動モードの減衰定数を下式(1)によって求めること
ができる
【0013】 hi =−Re (λi ) /|λi | … (1) ただし、 λi : i次複素固有値 hi : i次減衰定数 Re (λi ) : i次複素固有値の実数部 予め設定したレベル(例えば地震動の速度で25kineレ
ベル)以下における高減衰装置の減衰係数cについて
は、1次から3次の振動モードに対する減衰定数h1
2 、h3 の最大値を与える減衰係数c1 、c2 、c3
の近傍の特定の値c a に設定するものとする。
【0014】通常、 c3 ≦c a ≦c1 となるように設定することにより、構造物の減衰性能に
関しては最も有利な状態が得られる。
【0015】設定したレベル以上の地震動に対しては
高減衰装置に設けたリリーフ弁が作動するよう設定する
ことで高減衰装置の減衰係数を徐々に減少させる。
【0016】構造物における同様の制震機構は、高減衰
装置の減衰係数cの設定の面からみた場合、所定の振動
レベル以内の地震に対しては、減衰係数cを、 ca =Fa /Vl (ただし、Fa は高減衰装置の許容耐力、Vl は前記所
定の振動レベルの地震による構造物の応答速度)に保持
し、前記所定の振動レベル以上の地震に対しては、 cx =Fa /Vx (ただし、Fa は高減衰装置の許容耐力、Vx は地震に
よる構造物の応答速度)といった形でも実現することが
できる。
【0017】最も一般的な場合として、1台の高減衰装
置の許容耐力Fa が100tとして、例えば25kineレ
ベル(構造物の応答速度Vx =Vl =25kine)までの
地震動に対して、減衰係数を所定の値25t/kineで一
定に保ちながら構造物に最大の減衰を与え、25kineレ
ベル以上では徐々に減衰係数を減少させることで、荷重
を許容耐力の100t近傍に保ち、大きな地震に対して
は装置を破壊の危険から守りつつ、装置の能力範囲内で
構造物にできる限りの減衰を与えることができる。な
お、所定の振動レベル内での減衰係数ca はc3 〜c1
t/kineの範囲内が望ましく、これより小さい場合は、
減衰性の面での効果が小さく、これより大きい場合は高
減衰装置の負担する荷重が大きくなるか、あるいは台数
が多くなり、設計が難しくなる。
【0018】
【実施例】次に、実施例として、まず鉄骨ラーメン構造
の建家を対象とした具体的な設計方法について説明す
る。
【0019】図1(a) は本発明の高減衰構造物1を概念
的に示したもので、図1(b) の一般構造物1’に対し
て、柱梁架構を約半分とし、局所的に耐震要素としての
ブレース4と高減衰装置10を設置して、その部分で建
家の振動エネルギーを吸収する。
【0020】図2は一層分を振動モデルとして表したも
ので、図中cは装置の減衰係数、kF は柱梁架構の剛
性、kV はブレースの剛性である。
【0021】上記モデルによる多層建物の複素固有値を
求め、前述した式(1) により構造体の各次モードごとの
減衰定数を算定する。
【0022】図3は複素固有値より求めた架構の減衰定
数と、各層の高減衰装置の減衰係数c(t/kine)の関
係を1〜3次のモードについて示したもので、図3にお
いて各次の減衰定数h1 、h2 、h3 が10〜40%を
示す範囲aに、高減衰装置の減衰係数cを設定すれば、
十分な応答低減効果が得られる。この範囲aとしては、
3次減衰定数h3 のピークと1次減衰定数h1 のピーク
の間が適当である。すなわち、3次のモードに対する減
衰定数h3 の最大値を与える減衰係数c3 と、1次のモ
ードに対する減衰定数h1 の最大値を与える減衰係数c
1 とを求め、前記高減衰装置の減衰係数cが c3 ≦c a ≦c1 となるように設定すればよい。
【0023】減衰係数c a がc3 より小さいと、架構の
変形が急激に大きくなり、またc1より大きいと、振動
抑制効果としてはあまり差がないものの、高減衰装置の
必要耐力が大きくなる。
【0024】図4は地震応答スペクトルでみた応答低減
効果を示したものである。一般構造物の固有周期T1
対して、柱梁架構を約半分とすることで、固有周期が伸
び(T2 )、スペクトルそのものが低下する。それとと
もに、減衰効果が2%程度から10〜40%に増加する
ことで、さらに応答スペクトルが低下し、固有周期がわ
ずかに短くなる(T3 )。このとき、通常問題となる変
形の増加は減衰効果が増加することで抑制できる。
【0025】以上は、高減衰装置の減衰係数cを規定し
て解析を行ったものであるが、本発明では高減衰装置の
許容耐力も考慮する。すなわち、装置に作用する荷重は
地震の速度に略比例しており、減衰係数cが一定の場
合、地震のレベルに応じて装置に作用する荷重も大きく
なる。これに対し、本発明では所定以上のレベルの地震
(例えば25kineレベル)に対しては減衰係数cを徐々
減少させ、作用する荷重が高減衰装置の許容耐力に応
じた一定の値近傍に収まるようにしている。
【0026】図5及び図6はこのような装置の特性をグ
ラフで表したものである。図5はF=cV〔Fは装置に
作用する荷重(tf)、cは装置の減衰係数(t/kin
e)、Vは地震応答の速度(kine)〕の仮定のもと、正
弦波に対する荷重−変位関係を示したもので、図中δ25
は25kineレベルの地震応答の変位、δ50は50kineレ
ベルの地震応答の変位である。また、図6は荷重−速度
関係を示したもので、荷重100tに上限をおき、25
kineレベルの地震応答の速度V25を境に減衰係数cが減
少するのが分かる。
【0027】一例として24階建て、建物の高さが9
8.1m、基準階高さ3.90m、基準階床面積126
9m2 程度の鉄骨ラーメン構造の高層建物で、入力地震
動の最大速度振幅を50kineレベルに想定する。必要な
高減衰装置は1層に4台として、その許容耐力が非常に
大きい場合、例えば200tの場合には、減衰係数cを
25t/kineに設定すればよいことになる。しかし、本
発明では装置に余裕を持たせ、高減衰装置に作用する最
大荷重を100tに抑えるため、25kineレベルの地震
に対しては減衰係数を25t/kineに設定し、それ以上
の地震に対しては減衰係数cを減少させ、装置部におけ
る荷重の増加を生じさせず、振幅の増加に伴った減衰効
果を発揮させることとする。
【0028】なお、高減衰装置は各階に設けてもよい
が、各次の振動モードの節にあたる階のみとして、効率
化を図ることも可能である。
【0029】本発明で使用する高減衰装置は装置部に生
じる荷重Fと速度Vの関係が線形に近くなる特性を有す
る装置であり、構造物にとって最適となる減衰係数(F
/V〔t/kine〕) を実現できるものであれば、特に限定
されない。
【0030】ただし、従来のオイルダンパ等のダンパの
場合、得られる減衰係数は0.5〜1.0t/kine程度
であるが、本発明では例えば許容耐力100t、最大の
減衰係数が25t/kine程度といった高減衰装置を用い
る必要がある。
【0031】図7は本発明で使用する高減衰装置10の
一例として、その基本構造を示したもので、シリンダー
11内に両ロッド形式のピストン12が組み込まれてい
る。
【0032】高減衰、高剛性を確保するための条件とし
ては、まずピストン12の移動方向と反対側の油圧室
(図中、左側の油圧室を14a、右側の油圧室を14b
で示している)を負圧としないことが必要で、そのため
ピストン12を貫通する流路に調圧弁17a、17bを
設け、移動油量が直接的に反対側の油圧室へ流れる構造
としている。
【0033】また、所定レベル(例えば25kineレベ
ル)以上の地震に対しては、高減衰装置10に作用する
荷重が増加しないよう、ピストン12を貫通する流路に
リリーフ弁27a、27bを設け、設計以上の圧力が作
用したときに、このリリーフ弁27a、27bが開き、
圧力を逃がす。
【0034】図7の(b) はピストン12の断面における
上記調圧弁17a、17b及びリリーフ弁27a、27
bの配置例を示したもので、ピストン12を貫通する8
つの流路を形成し、両方向の調圧弁17a、17b及び
リリーフ弁27a、27bを均等に配置している。
【0035】図8は高減衰装置10全体を概略的に示し
たものである。ただし、図8の場合にはピストンロッド
は一方向のみシリンダー11から突出し、その突出する
側のロッド12a及びシリンダー11の反対側に、耐震
要素または柱梁架構と連結するための取付部15、16
を設けている。
【0036】また、この高減衰装置10では、作動中の
油の圧縮を考慮して不足油量を補償する必要があるの
で、補給用のアキュムレーター18が必要となり、バイ
パス19にはチェック弁20a、20bを設けている。
さらに停止すると、油が元の状態に戻る(膨張)ので、
補償された油をアキュムレーター18に戻す必要があ
り、チェック弁20a、20bと並列にオリフィス(絞
り)21a、21bを設けている。
【0037】図9は高減衰装置10の具体的な実施例を
示したもので、図10はその調圧弁17部分の詳細を示
したものである。なお、図9ではアキュムレーター18
部分を省略して示している。
【0038】基本的な構造は前述した通りであり、外部
への油漏れ防止及び高減衰を得るためのシール性を確保
する目的で、調圧弁17a、17bがピストン12内に
設置されている。調圧弁17a、17bとしては、円錐
形のポペット弁等を使用し、流体抵抗を乱流状態とし
て、温度に依存しない減衰特性を実現している。また、
図9中には示していないが、上述したリリーフ弁27
a、27bもピストン12内に設置されている。
【0039】この他、耐久性及び信頼性の向上のため、
ピストンシール29aに多段の金属シールを用い、固定
シールも2段の金属シール29bとしている。また、メ
ンテナンスに関してはロッド部についてフッ素樹脂製シ
ール29cを2段設け、外側のシール29cをカートリ
ッジ式として取り換え可能としている。このように、各
部のシール性、精度を増すことにより、高い減衰係数が
可能となる。
【0040】また、取付部15については3方向回転自
由なクレビスを用いている。
【0041】図11はリリーフ弁27の一例を示したも
ので、図中28は開放圧力設定用スプリングである。リ
リーフ弁27は地震が所定レベル以上で、バルブ全面の
流入部における圧力が設計以上の圧力に達すると、スプ
リング28の抵抗に逆らってバルブが開き、圧力を解放
する構造となっている。
【0042】図12は高減衰装置10の本体側面に取り
付けられたバイパス19及びアキュムレーター18の一
例を示したもので、油圧室14aとアキュムレーター1
8との間に油圧室14a側へ向かう油の流れを阻止する
ためのチェック弁20aを設け、油圧室14bとアキュ
ムレーター18との間に油圧室14b側へ向かう油の流
れを阻止するためのチェック弁20bを設けている。ま
た、各チェック弁20a、20b部分にはこれらを貫通
する(回路図的には並列となる)オリフィス21a、2
1bが設けられ、高減衰装置10の減衰特性を線形化す
るとともに、油圧室14a、14b内での圧ごもりを解
消する。
【0043】図13〜図20は柱梁架構内への高減衰装
置10の設置例を示したものである。
【0044】第13の例では柱梁架構31と耐震要素と
しての逆V型ブレース35の間に高減衰装置10を介在
させている。
【0045】図14の例は柱梁架構31と上下の梁34
より立設したまたは垂下させたフレーム41どうしの間
に高減衰装置10を介在させて、耐震要素としてのモー
メント抵抗フレームを構成した場合である。
【0046】図15の例では柱梁架構31と耐震要素と
してのRC耐震壁42との間に高減衰装置10を介在さ
せている。
【0047】図16の例は免震構造物の基部に積層ゴム
等の免震ゴム43と併用して高減衰装置10を設けた場
合の例であり、高減衰装置10が免震構造におけるダン
パの役割を果たしている。この場合の耐震要素は構造物
の基礎と考えることができる。
【0048】図17の例では柱梁架構31内に設けたX
型ブレース44を耐震要素としており、X型の中央に高
減衰装置10を横向きに介在させている。
【0049】図18の例は図17の例と同様、X型ブレ
ース45に適用した例であり、図17図の例が高減衰装
置10を横向きに設けた横型だったのに対し、本例では
高減衰装置10を縦向きに設け、縦型としている。
【0050】図19の例は図15の例と同様、柱梁架構
31と、耐震要素としてのRC耐震壁46との間に高減
衰装置10を介在させたものであるが、高減衰装置10
を出入口等の開口部47の上方に設けた点に特徴を有し
ている。
【0051】図20の例は大架構のX型ブレース48の
中央に高減衰装置10を介在させたもので、中間の大梁
49とブレース48は分離されている。
【0052】
【発明の効果】 一般構造物に対して、柱梁架構を 1
/2程度に減らすことができることで、建築計画の自由度
を増すとともに、躯体コストの低減が図れる。
【0053】 地震に対する構造物の応答が低減され
るので、居住性が増し、構造体としての安全性も増大す
る。
【0054】 強風時の応答加速度を低減すること
で、日常的な居住性も増す。
【0055】 受動的制震機構を与えるものであるた
め、設置の際の構造物の特性に応じた設計及び調整を必
要とするだけであり、複雑な制御システムや付帯設備を
必要とせず、能動的制震機構に比べ低コストで設置する
ことができる。
【0056】 所定以上のレベルの地震動に対しては
減衰係数を徐々に減少させることで、高減衰装置に作用
する荷重を減少させおり、建物各階に設置する装置の
数が規定できる。また、装置に設計荷重以上かからない
ことで、取り付け構造等の周りの部材の省力化が図れ、
コンパクトな納まりを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明の高減衰構造物、(b) は比較例と
しての一般構造物を概念的に示した立面図である。
【図2】本発明の高減衰構造物の一層分の振動モデル図
である。
【図3】複素固有値より求めた架構の減衰定数と、高減
衰装置の減衰係数関係を1〜3次のモードについて示し
たグラフである。
【図4】地震応答スペクトルでみた応答低減効果を示す
グラフである。
【図5】本発明で用いる高減衰装置の荷重−変位関係の
特性を示すグラフである。
【図6】本発明で用いる高減衰装置の荷重−速度関係の
特性を示すグラフである。
【図7】本発明で使用する高減衰装置の基本構造を示し
たもので、(a) は鉛直断面図、(b) はそのA−A断面図
である。
【図8】高減衰装置全体の概要を示すモデル図である。
【図9】高減衰装置の一実施例を示す断面図である。
【図10】調圧弁部分の詳細を示す断面図である。
【図11】リリーフ弁の一例を示す断面図である。
【図12】バイパス及びアキュムレーター部分の構造の
一例を示す断面図である。
【図13】高減衰装置の設置位置の一例を示す概要図で
ある。
【図14】高減衰装置の設置位置の他の例を示す概要図
である。
【図15】高減衰装置の設置位置の他の例を示す概要図
である。
【図16】高減衰装置の設置位置の他の例を示す概要図
である。
【図17】高減衰装置の設置位置の他の例を示す概要図
である。
【図18】高減衰装置の設置位置の他の例を示す概要図
である。
【図19】高減衰装置の設置位置の他の例を示す概要図
である。
【図20】高減衰装置の設置位置の他の例を示す概要図
である。
【符号の説明】
1…高減衰構造物、2…柱、3…梁、4…ブレース、1
0…高減衰装置、11…シリンダー、12…ピストン、
14…油圧室、15、16…取付部、17…調圧弁、1
8…アキュムレーター、19…バイパス、20…チェッ
ク弁、21…オリフィス、25…スリット、27…リリ
ーフ弁、28…スプリング、29a…ピストンシール、
29b…金属シール、29c…フッ素樹脂製シール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 雅利 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 畑田 朋彦 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 倉田 成人 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−209570(JP,A) 特開 平2−240340(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の低剛性に設計した構造物の所定の
    柱梁架構内に耐震要素を設け、前記柱梁架構と前記耐震
    要素間または耐震要素どうしを、所定の振動レベル以内
    の地震に対して調圧弁により前記構造物の応答を最小と
    する減衰係数を含む所定の範囲の減衰係数cを設定可能
    であり、かつ所定の振動レベル以上の地震に対しリリー
    フ弁が作動して減衰係数を徐々に減少させる特性を持た
    せた油圧ダンパ形式の高減衰装置により連結し、前記所
    定の振動レベル以内の地震に対する前記高減衰装置の減
    衰係数cの値を、構造物の1次から3次の振動モードに
    対する減衰定数h1 、h2 、h3 の最大値を与える減衰
    係数c1 、c2 、c3 の近傍の特定の値c a に設定し
    前記所定の振動レベル以上の地震に対しては減衰係数を
    前記特定の値c a から徐々に減少させるよう構成した
    とを特徴とする高減衰構造物。
  2. 【請求項2】 前記所定の振動レベル以上の地震に対し
    ては、 cx =Fa /Vx (ただし、Fa は高減衰装置の許容耐力、Vx は地震に
    よる構造物の応答速度)となるよう設定したことを特徴
    とする請求項1記載の高減衰構造物。
  3. 【請求項3】 柱梁架構の剛性及び耐力を、通常の耐震
    設計法に基づき設計される構造物の柱梁架構の剛性及び
    耐力の0.3倍より大きく、1.0倍より小さく設定し
    てある請求項1または2記載の高減衰構造物。
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