JPH0941713A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JPH0941713A
JPH0941713A JP19828195A JP19828195A JPH0941713A JP H0941713 A JPH0941713 A JP H0941713A JP 19828195 A JP19828195 A JP 19828195A JP 19828195 A JP19828195 A JP 19828195A JP H0941713 A JPH0941713 A JP H0941713A
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seismic isolation
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isolation device
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Yasushi Hattori
靖 服部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造物に発生するねじれ振動やロッキング振動
を抑制すると共に、これらの振動による水平方向と上下
方向の過大な変形を抑制して水平方向と上下方向の免震
効果に優れた免震装置を提供する。 【解決手段】請求項1記載の発明に係る免震装置37は、
基礎2上にて構造物3を支持する水平方向及び上下方向
に作用する弾性体38と、同じく基礎2と構造物3との間
に介挿して構造物3の下面の単位面積あたりの減衰容量
が構造物3の下面において内側領域より外周領域で大き
くなるように不均等に配置した水平方向及び上下方向に
作用する複数の減衰機構39とからなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物を支持する
と共に地震に対して構造物の振動を免震により抑制する
免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より地震による振動に起因して、建
屋を始めとした各種設置物などの構造物が破壊すること
を防止するために、各種の免震装置が提案されている。
従来の一般的な免震装置は図26の一部切断構成図に示す
ように、掘削した地盤1に施工した基礎2上に構造物3
を構築する。
【0003】この際に構造物3と基礎2との間に水平方
向用の免震装置4を複数基介挿して、この免震装置4に
より構造物を支持すると共に、地震時に免震機能を発揮
して構造物3に過大な振動が加わることにより破壊され
ることを防止する。また、図27の一部切断構成図は他の
免震装置5を示すもので、水平方向の免震装置4は架台
6の下部と地盤1上に設けられた基礎2との間に複数基
介挿すると共に、上下方向の免震機構7を構造物3と架
台6との間に複数基介挿する。
【0004】さらに、架台6の内側面と構造物3の外側
面との間に上下方向に容易に移動し、かつ水平方向を拘
束するベアリング8を介挿している。これにより前記免
震機構7は架台6上で構造物3を支持し、さらに、免震
装置4は基礎2上で架台6を支持している。これにより
免震装置5は、地震時にそれぞれ水平方向及び上下方向
に免震機能を発揮して、構造物3が振動により破壊され
ることを防止する。
【0005】次に、前記免震装置4,5における各構造
の詳細について説明する。免震装置4は図28の正面図に
示すように、水平に設置して水平方向だけに免震機能を
発揮するように構成されている。すなわち、基礎2上部
に支持台9を固定し、この支持台9と構造物3の下部と
の間に支持体10を介挿して、この支持体10により構造物
3を支持する構造になっている。
【0006】なお支持体10は、防震ゴムあるいは薄いゴ
ム板などの弾性体11と、鉄板12を相互に重ねて接着した
積層体で、水平方向に比較的低い剛性を有し、垂直方向
には剛性が十分高くなるようにしてある。さらに、前記
弾性体11の上部と下部には、それぞれ上端板13と下端板
14が固着され、上端板13が構造物3の下部に、下端板14
は支持台9の上部に固定して構成されている。
【0007】ここで、水平方向の地震が発生した際に
は、その地震動によって弾性体11で形成された支持体10
が水平方向に変形することにより、地震力を緩和して構
造物3に伝達される地震力が低減される。また、この免
震装置4においては、前記したように支持体10の積層ゴ
ムのような弾性体11は、水平方向のみの弾性を有し、垂
直方向は剛性が高いので、図27の免震装置5において
は、これを横置きとして構造物3の側面に取り付けて、
ベアリング8として用いることができる。
【0008】前記したように免震装置4において、支持
体10である弾性体11は、水平方向のみに弾性を有して垂
直方向は剛性が高いので、水平方向の地震動に対しては
良好な免震機能を発揮するが、上下方向の地震動には免
震機能を発揮しない。このために、直下型地震のように
上下方向の揺れが大きな地震動が生じた場合には、構造
物3は支持体10を介して基礎2に支持されているため、
上下方向の揺れはそのまま、あるいは増幅されて構造物
3に伝わり、構造物3や構造物内部の設置物に大きな地
震力が作用することがある。
【0009】この対策として、水平方向と上下方向を免
震する3次元免震構造が提案されており、図29〜34に従
来の3次元免震を行う免震装置の概要を示す。図29の正
面図に示した免震装置15は、支持体16である積層ゴムな
どの弾性体17の垂直方向厚みを、前記図28に示した水平
方向に有効な免震装置4における弾性体11の厚みより十
分厚くすると共に、弾性体17の層数を少なくして垂直方
向にも弾性を有するように構成している。
【0010】したがって地震が発生した際には、その水
平方向及び上下方向に揺れを持つ地震動により、支持体
16が水平方向及び上下方向にそれぞれ弾性変形すること
により、それぞれ水平方向と上下方向の地震動を吸収し
て3次元の免震機能を発揮する。また、上記免震装置5
において、この免震装置15を免震機構7として採用する
ことにより、上下方向の地震動を吸収して3次元の免震
機能が得られる。
【0011】図30の正面図に示した免震装置18は、基礎
2と構造物3との間に、水平方向及び上下方向に弾性を
有する両端が基礎2と構造物3に固着した、金属製のコ
イルスプリング19で構成している。このコイルスプリン
グ19は、水平方向及び上下方向にそれぞれ弾性変形する
ことから、水平方向と上下方向の地震動を吸収して3次
元の免震機能が得られる。したがって、この免震装置18
も上記免震装置5において、免震機構7として用いるこ
とにより、上下方向の地震動を吸収して免震機能を発揮
する。
【0012】図31の正面図に示した免震装置20は、基礎
2と構造物3との間に、両面が支持部材21で固着された
ゴム膜22内に空気、あるいは他の気体を密封した空気ば
ね23を介挿して、これにより構造物3を支持する構成に
なっている。
【0013】この免震装置20では、空気ばね23の水平方
向と上下方向の弾性によって、水平方向と上下方向の地
震動を吸収して3次元の免震機能が得られる。また、上
記免震装置5においては、この免震装置20を免震機構7
としても用いることにより、上下方向の地震動を吸収し
て免震機能を発揮する。
【0014】図32の正面図に示した免震装置24は、基礎
2と構造物3との間に、前記した積層ゴムなどによる支
持体10と、その上部に空気ばね23を直列に接続した状態
で介挿して構成されている。この構成によれば、水平方
向の免震は主に支持体10で行い、上下方向の免震は主に
空気ばね23で行う。したがって、積層ゴムなどの支持体
10の水平方向の弾性と、空気ばね23の上下方向の弾性に
より、水平方向と上下方向の地震動を吸収して3次元の
免震機能を発揮する。
【0015】図33の一部切断正面図に示した免震装置25
は、前記積層ゴムなどの支持体10の上に、複数の皿ばね
26を積層して取り付けた構成としている。この構成によ
る作用としては、皿ばね26が皿ばねの孔に挿入された軸
方向のみ移動する上部ガイド27および下部ガイド28によ
り、水平方向の動きが拘束され、上下方向のみが容易に
変形する。したがって、支持体10の水平方向の弾性と、
皿ばね26の上下方向の弾性により、水平方向と上下方向
の地震動を吸収して3次元の免震機能を発揮する。
【0016】図34の正面図に示した免震装置29は、基礎
2に固着したすべり板30あるいは転がり板上を、水平方
向に自在に移動するボールベアリング31あるいは摩擦板
を設けた台車32と、その上部に植立されたガイド軸33に
金属性のコイルスプリング34を介挿して、このコイルス
プリング34により構造物3を支持している。さらに前記
台車32の周囲には、基礎2に固定した固定具35,35に一
端を固着したばね36,36を結合して構成されている。
【0017】以上の構成により免震装置29では、水平方
向の免震は転がり板30上をボールベアリング31を介して
台車32が円滑に移動することにより得られると共に、ば
ね36,36の変位により台車32に水平方向の移動制限と復
原力が発生する。また、上下方向の免震はコイルスプリ
ング34の弾性変形により行うことから、水平方向と上下
方向の地震動を吸収して3次元の免震機能を発揮する。
しかしながら、上記した図28乃至図34に示した免震装置
4,15,18,20,24,25,29においては、いずれも次の
ような支障があった。
【0018】図28に示す免震装置4においては、支持体
10の弾性体11は水平方向のみに弾性を有し垂直方向は剛
性が高いので、水平方向の地震動に対しては良好な免震
機能を発揮するが、上下方向の地震動に対しては免震機
能を発揮せず、むしろ構造物3の上下方向の揺れを増幅
する恐れがある。
【0019】このために、直下型地震のように上下方向
の揺れが大きな地震動が生じた場合に、構造物3は支持
体10を介して基礎2に支持されているため、上下方向の
揺れがそのまま、あるいは、増幅されて構造物3に伝わ
り、構造物3や構造物内部に設置された設置物に過大な
地震力が作用する恐れがあった。
【0020】図29に示す免震装置15においては、支持体
16である弾性体17が複数の肉厚ゴム層で形成されて上下
方向にも柔らかく、構造物3の自重が常に加わっている
ことから、初期状態では上下方向に大きな圧縮変形が生
じる。また、長期的にはクリープ変形を生じて弾性が失
われ易い。
【0021】地震時には上下,水平方向の揺れのエネル
ギーを吸収するため、弾性体17は水平,上下方向に大き
な変形を受ける。さらに、免震装置15により、構造物3
は上下方向に柔らかい構造となっているため、構造物3
の水平方向の揺れによりロッキング振動が生じる。
【0022】このロッキング振動から、構造物3の下面
両側と基礎2との間には、免震装置15による大きな上下
変形が追加される。これらの変形が重なり合うと、弾性
体17は過大な変形による力を受けて容易に破断する恐れ
がある。
【0023】初期状態の自重による圧縮変形が大きいた
め、強度設計の観点からは、地震による揺れを吸収する
許容変形量は小さくせざるを得ない。したがって、この
免震装置15では、吸収できる地震力レベルを小さく設定
せざるを得ないことから、大地震時には充分な免震機能
を発揮できないばかりか、免震装置が過大な変形により
破断し、構造物3が破損する恐れがある。
【0024】図30に示した免震装置18においては、コイ
ルスプリング19の弾性のみで構造物3の自重を支持して
いるので、初期状態ではコイルスプリング19には上下方
向に大きな圧縮変形が生じている。このために、コイル
スプリング19には前記免震装置15と同様の問題がある。
したがって、上下方向変形に関して初期の圧縮状態か
ら、地震による揺れを吸収するコイルスプリング19の材
料強度的許容変位量は小さい。
【0025】また、水平方向に免震するためにコイルス
プリング19が水平方向に変形すると、幾何学的な上下方
向の変位変動が生じる。これらの変形が重なり合い、コ
イルスプリング19が破断する恐れがあるばかりか、構造
物3に複雑な連成振動を誘発させると、構造物3が破損
する恐れがある。したがって、この免震装置18では許容
できる地震力レベルを小さく設定せざるを得ないため、
大地震時には十分な免震機能を発揮できなかった。
【0026】また、図31に示した免震装置20において
は、空気ばね23はゴム膜22の変形上の制約によって水平
方向及び上下方向に大きな変形が許容されないので、地
震時の変形による地震力吸収能力が低く、したがって、
大地震時には良好な免震機能を発揮できない。
【0027】また空気ばね23は、回転に対する剛性が比
較的低いので、水平方向及び上下方向の地震動によって
ねじれが生じたり、構造物3にロッキング振動が発生す
る恐れがある。このように、空気ばね23は水平方向及び
上下方向に弾性を有するため、前記免震装置15,18と同
様に構造物3に複雑な連成振動を誘発して、構造物3を
破損させる恐れがあった。
【0028】図32に示す免震装置24においては、大地震
時の揺れによって基礎2と構造物3の間の水平方向の変
位が大きくなった場合に、積層ゴムなどの弾性体11で形
成される変位吸収能力の大きい支持体10よりも、変形吸
収能力が小さい空気ばね23が先に破断する恐れがある。
【0029】このために、この免震装置24の適用限界
は、空気ばね23の変位吸収能力に依存するので、大地震
時には十分な免震機能を発揮でき難い。また空気ばね23
は、回転に対する剛性が低いので、水平方向及び上下方
向の地震動によってねじれが生じたり、構造物3にロッ
キング振動が発生するなど構造物3に複雑な連成振動を
誘発して、構造物を破損させる恐れがあった。
【0030】図33に示した免震装置25においては、皿ば
ね26により上下方向に弾性が与えられ、積層ゴムなどの
弾性体11で形成される支持体10により水平方向の弾性が
与えられている。また、皿ばね26は上部ガイド27と下部
ガイド28により、水平方向の動きが拘束されている。
【0031】したがって、この免震装置25では上下方向
に弾性を有しているので、弾性体の種類に関わらず、上
記免震装置18,20,24と同様に構造物3の水平方向の揺
れにより構造物3にはロッキング振動が生じ、構造物3
の下面両側と基礎2との間で免震装置25には、上下地震
動による上下方向の変位にこのロッキングによる上下変
形が追加される。
【0032】免震装置25本体の上下地震動による変形と
構造物3の自重による変形に、このロッキングによる変
形が重なり合うと、皿ばね26には過大な変形状態が発生
する可能性があり、皿ばね26が破断する恐れがあった。
【0033】図34に示した免震装置29においては、上下
方向の地震動に対してはコイルスプリング34の弾性によ
って免震を行う機能であるが、この上下方向の弾性は弾
性体の種類に関わらず、上記免震装置18,20,24と同様
に構造物3の水平方向の揺れにより構造物3にはロッキ
ング振動が生じる。
【0034】これにより、構造物3の下面両側と基礎2
との間の免震装置29には、上下地震動による上下方向の
変位に、このロッキングによる上下変形が追加される。
これらの変形が重なり合うとコイルスプリング34には過
大な変形による力を受け、破断する恐れがある。また、
このような構成であると複雑な連成振動を生じるため、
大地震時には良好な免震機能を発揮できなかった。
【0035】前記免震装置5についても次のような問題
がある。水平方向用の免震装置4と上下方向用の免震機
構7とを分離し、上下方向用の免震機構7による構造物
3のロッキング振動や水平方向の変形を抑えるために、
架台6の内側面と構造物3の側面との間に上下方向に容
易に移動し、かつ水平方向を拘束するベアリング8を介
挿している。
【0036】しかしながら、このベアリング8にガタが
ある場合には、ガタ振動が励起されたり、構造物3の水
平方向の慣性力や回転力により、ベアリング8を支持す
る架台6が変形するので、構造物3のロッキング振動を
十分抑え込むことができない。このために、大地震時に
は水平方向及び上下方向の3次元における良好な免震機
能を発揮できなかった。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】従来の免震装置4では
水平方向のみの免震作用しかなく。また免震装置5,1
5,18,20,24,25,29では、水平方向及び上下方向に
免震作用があるが、構造物3の自重により上下方向の免
震機構に過大な初期変形が生じたり、水平方向及び上下
方向の地震動によって構造物3に、水平方向及び上下方
向の振動だけでなく、構造物の垂直軸の回動振動のねじ
り振動や、水平軸の回動振動のロッキング振動など複雑
な振動を発生させる不具合があった。
【0038】また、上下方向の免震を行う厚肉の積層ゴ
ムで構成された支持体16及びコイルスプリング19と、空
気ばね23や皿ばね26は、通常の免震装置の大きさの範囲
では吸収できる許容変形量が小さい。このために、これ
らの各免震装置は構造物3の自重による過大な初期変形
を生じている場合には、上下方向震動を吸収するための
変形量が制約されるため、大地震などで大きな変形が発
生した場合に、十分な免震作用が得られないという支障
があった。
【0039】さらに、免震効果を高めるためには各種免
震装置の弾性を低くして、構造物3の固有振動数を低く
する必要があるが、上下方向の免震の場合は弾性を低く
すると水平方向の揺れにより、ロッキング振動が励起さ
れ易くなり、構造物3が複雑な振動をするために、免震
効果が発揮できなくなる。なお、ロッキング振動を防止
するためには、水平方向用の免震装置と上下方向用の免
震装置とを架台6をはさんで分離し、架台6内側の側面
と構造物3の側面との間に上下方向用のベアリング8を
用いる場合がある。
【0040】しかしながら、ベアリング8のガタや、ベ
アリング8を支持する架台6と構造物3の水平方向の大
きな慣性力や、回転力による変形などにより構造物3の
ロッキング振動を十分抑制することができないので、大
地震時には良好な免震機能を発揮できないという問題が
あった。
【0041】本発明の目的とするところは、構造物に発
生するねじれ振動やロッキング振動を抑制すると共に、
これらの振動による水平方向と上下方向の過大な変形を
抑制して水平方向と上下方向の免震効果に優れた免震装
置を提供することにある。
【0042】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る免震装置は、基礎上にて構造
物を支持する水平方向及び上下方向に作用する弾性体
と、同じく基礎と構造物との間に介挿して構造物下面の
単位面積あたりの減衰容量が構造物の下面において内側
領域より外周領域で大きくなるように不均等に配置した
水平方向及び上下方向に作用する複数の減衰機構とから
なることを特徴とする。
【0043】構造物は水平方向及び上下方向に作用する
弾性体で支持されて、地震により励起される震動は弾性
体により免震を行なう。また、構造物の下面における単
位面積あたりの減衰容量は、内側領域より外周領域でよ
り大きい。したがって、水平方向及び上下方向に作用す
る複数の減衰機構を内側領域より外周領域に多く不均等
に、あるいは外周領域に減衰容量の大きなものを配置す
ることで、効率的な免震と水平方向の地震によるねじり
振動、及びロッキング振動に対しても減衰力を高く、そ
の揺れを良好に抑制する。
【0044】請求項2記載の発明に係る免震装置は、基
礎上に水平方向に作用する弾性体及び減衰機構を介して
支持された第一の架台と、この第一の架台上に構造物を
支持する上下方向に作用する弾性体と、前記第一の架台
と構造物との間に介挿して構造物の水平方向の動きを規
制すると共に上下方向に移動自在に案内する案内機構
と、前記第一の架台と構造物との間に介挿して構造物の
下面においては単位面積あたりの減衰容量が構造物下面
の内側領域より外周領域で大きくなるように不均等に配
置した上下方向に作用する減衰機構とからなることを特
徴とする。
【0045】基礎と第一の架台間の弾性体及び減衰機構
で水平方向を、また、第一の架台と構造物の間の弾性体
及び減衰機構で上下方向の免震を独立して行う。さら
に、第一の架台と構造物との間に介挿した案内機構によ
り、構造物の水平方向の動きを規制し、上下方向の平行
移動のみを円滑にして、ロッキング振動を抑制する。
【0046】また、構造物の下面において単位面積あた
りの減衰容量が内側領域より外周領域にて大きくなるよ
うに減衰機構を配置することで、ロッキング振動も効率
よく抑制して、良好な3次元的免震性能が発揮できる。
【0047】請求項3記載の発明に係る免震装置は、基
礎上に水平方向に作用する弾性体及び減衰機構を介して
支持されて内部に液体を収容した浮体収容室と、構造物
を浮体収容室内に収容して液体に浮遊させると共に、浮
体収容室の底部と構造物との間に介挿した上下方向に作
用する弾性体及び減衰機構と、浮体収容室側面と構造物
側面との間に介挿されて構造物の水平方向の動きを規制
すると共に上下方向に移動自在に案内する案内機構とか
らなることを特徴とする。
【0048】水平方向の震動は浮体収容室の下の弾性体
及び減衰機構で、また、浮体収容室底部の弾性体及び減
衰機構により構造物の支持と上下方向の免震をそれぞれ
独立して行うと共に、案内機構により水平方向の動きを
規制し、上下方向に移動自在に案内する。
【0049】さらに、構造物は浮体収容室内で液体中に
収容されているので、構造物の自重は浮力に分担されて
弾性体には初期負荷がかからず、許容される変形量には
余裕がでてくるため、より大きな地震動に対しても優れ
た3次元的免震効果を発揮する。
【0050】請求項4記載の発明に係る免震装置は、基
礎上に水平方向に作用する弾性体及び減衰機構を介して
支持した第一の架台と、この第一の架台の側面上部の対
向する両端に固定した連続した複数のばね線材または連
結金具を介してひと続きとなった複数のばね線材と、こ
のばね線材に積載した構造物を設置する第二の架台と、
この第二の架台と前記第一の架台との側壁間に介挿した
上下方向のみに移動して水平方向の動きを拘束する案内
機構とからなることを特徴とする。
【0051】構造物に加わる水平方向の震動は、第一の
架台を支持する弾性体と減衰機構にて抑制され、上下方
向の免震は構造物を設置した第二の架台を支持するばね
線材が伸縮することで行なわれる。また、第一の架台と
第二の架台は側壁間に介挿された案内機構により上下方
向のみに移動を許し、水平方向の動きを拘束するので、
地震時の構造物に対する水平方向と上下方向の免震をそ
れぞれ独立して行い、ロッキング振動も効率よく抑制し
て3次元的免震を行う。
【0052】請求項5記載の発明に係る免震装置は、両
端を支持された上部架台と、この上部架台からワイヤま
たはばねとワイヤを介して吊り下げられて振り子構造を
構成する中間架台と、この中間架台の上面または下面に
直接またはばねを介して構造物を設置することを特徴と
する。構造物を上部架台から吊り下げたワイヤとばねに
よる振り子構造の中間架台に支持したことにより、水平
方向は振り子構造で免震し、鉛直方向はばねにより免震
することで、良好な3次元の免震を行う。
【0053】請求項6記載の発明に係る免震装置は、基
礎上で構造物との間に挿入して構造物を支持するばね
が、基礎と構造物間の相対変位が一定値以下では柔らか
く、前記一定値を越えると剛くなる荷重変位特性を備え
ていることを特徴とする。地震による構造物の相対変位
が一定値以下では、構造物を柔らかいばね力で支持して
震動を抑制し、変位が一定値を越えると、ばね力を剛く
変化させて、構造物のロッキング振動と共に、大きな地
震動での鉛直方向の大きな応答変位を抑制する。
【0054】請求項7記載の発明に係る免震装置は、基
礎上で構造物との間に挿入して構造物を支持するばね
が、一定の荷重以下では変位せず、前記一定の荷重を越
えたときに弾性体として働く荷重変位特性を備えている
ことを特徴とする。構造物における荷重が一定値以下で
はばねは変位せず、地震などにより構造物の荷重が一定
値を越えるとばねは弾性体として働く。これにより、免
震の必要がないような小さな地震に対しては免震せず、
大きな地震に対しては免震機能が作動して、構造物に対
して効率的な免震を行う。
【0055】請求項8記載の発明に係る免震装置は、構
造物の下面あるいは基礎上の片側に設置された支柱と、
反対側に設置された架台と、前記支柱と架台あるいはこ
れらと構造物の下面及び基礎との間に並列に複数の上下
方向ばねを設置することを特徴とする。
【0056】構造物を支柱及び架台と、その間に複数の
上下方向ばねを並列で多層に配置にして支持しているの
で、これにより、1層で並列ばねを配置する場合に比べ
て上下方向免震のばねを配置する面積が小さくてきる。
また、多層構造にしたものをユニット化することによ
り、ユニット数を大幅に減少できると共に、各ユニット
を設置するときの上下方向の位置合わせが容易となる。
【0057】請求項9記載の発明に係る免震装置は、基
礎上に設置すると共に内蔵するピストンを構造物の両端
に取り付けて構造物を支持する一対のシリンダーと、一
方のシリンダーのピストンヘッド側空間と他方のピスト
ンヘッド反対側空間、及び一方のピストンヘッド反対側
空間と他方のピストンヘッド側空間とをパイプで結合し
て非圧縮性液体を封入したことを特徴とする。
【0058】構造物の両端における変位を、その変位に
見合った大きさと逆方向に、それぞれに設置したピスト
ン及びシリンダーと内封した非圧縮性液体を介して補償
する。これにより、構造物のロッキング振動が抑制され
る。
【0059】請求項10記載の発明に係る免震装置は、基
礎上に設置した中央で回動自由に支持した2本のリンク
を中央側で互いに上下方向変位が容易に結合すると共
に、それぞれの外側端においてばね及び減衰機構を介し
て構造物の両端を支持することを特徴とする。構造物の
両端に生じた上下方向の変位は、2本のリンクのそれぞ
れ中央側における結合部と、両外側で上下方向変位を同
じにすると共に、ばね及び減衰機構で抑制してロッキン
グ振動を抑制する。
【0060】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例について図面を
参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ構成
部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。第1
実施例は請求項1に係り、図1の構成図に示すように免
震装置37は、構造物3と基礎2との間に介挿して構造物
3を支持し、水平方向及び上下方向に作用する弾性体38
と、上下方向及び水平方向に作用する免震機構39とから
なる。
【0061】弾性体38は、例えば厚肉積層ゴム、コイル
スプリングなどからなり、これらの各弾性体38に並列し
て減衰機構39が取り付けられている。このときに減衰機
構39を、構造物3の下面の単位面積あたりの減衰容量
が、構造物3下面の内側領域より外周領域で、より大き
くなるように不均等に配置して構成する。
【0062】次に、上記構成による作用について説明す
る。前記弾性体38により構造物3を弾力的に支持すると
共に、減衰機構39を配置することにより、水平方向の地
震により励起される構造物3の垂直軸の回動振動、すな
わち、ねじり振動及び構造物水平軸の回動振動のロッキ
ング振動に対する減衰力を高めることができるので、地
震により構造物3にねじり振動及びロッキング振動が発
生しても、その揺れを良好に抑制することができる。
【0063】このねじり変位やロッキング変位は、構造
物3の内周より外周に行くほど大きくなるので、これら
の変位が大きくなる構造物3の外周領域に、より多数の
減衰機構39、あるいは、より容量の大きい減衰機構39を
配置することにり、発生したねじり振動やロッキング振
動を効果的に抑制される。また、構造物3の下面の内側
領域に配置された減衰機構39は、ねじり振動やロッキン
グ振動などの揺れに対しては、外周領域に配置した減衰
機構39に比べて変位成分が小さいため、その抑制効果は
小さい。
【0064】したがって、ねじり振動やロッキング振動
を効率的に抑制するためには、構造物3の下面に取り付
けた減衰機構39を、構造物3の下面に単位面積あたりの
減衰容量を全領域が均一となるようにするよりも、本発
明のように構造物3の下面において内側領域より外周領
域にて、より大きくなるように不均等に水平方向及び上
下方向に配置する方がよい。
【0065】図2の模式図によりロッキング振動を抑制
する効果について説明する。なお、ここでは原理を理解
し易くするために作動を単純化して、構造物3が水平地
震動によってロッキング振動している場合を想定し、ロ
ッキング振動成分のみを取り出して説明する。
【0066】図2に点線で示す構造物は、地震力により
実線のように0を中心として回転する。この回転角θは
正弦振動しているとするとθ=θ0 sin ωt となる。た
だし、θ0 は回転角振幅、ωは角速度、tは時刻を表
す。また、各減衰機構39の設置場所A〜Eにおける減衰
機構39の減衰係数を、それぞれC0 ,C1 ,C2 とし、
その減衰力は相対速度に比例するとする。中央0から各
設置場所A〜Eの減衰機構39の距離lをそれぞれ0,1
/2,1とする。この時にロッキングによる回転減衰力
c は次の式(1) の通りとなる。
【0067】 Fc =(C1 ×l2 /2+2C2 ×l2 )×(θ0 ω×cos ωt )…(1)
【0068】構造物3に取り付けられた5つの減衰機構
39の全体の減衰定数(容量)を10とし、各減衰機構39の
容量を2づつの均等配置とした場合の回転減衰力Fc1
次の式(2) の通りである。
【0069】 Fc1=5×l2 ×(θ0 ω×cos ωt )…(2)
【0070】また、減衰機構39による構造物3の下面の
単位面積あたりの減衰容量が、構造物3下面の内側領域
より外周領域にて、より大きくなるように不均等する例
として、C0 =0、C1 =1、C2 =4とする。この場
合の回転減衰力Fc2は次の式(3) の通りである。なお、
全体の減衰容量は均等配置の場合と同じとする。
【0071】 Fc2=8.5 ×l2 ×(θ0 ω×cos ωt )…(3)
【0072】このときに上記より上下方向並進の減衰定
数は、どの配置でも同じ10であるが、回転減衰力は減衰
機構39を本第1実施例のように減衰容量を外周側で大き
い不均一配置とすると、均一配置とした場合に比べて、
c2/Fc1=1.7 倍に大きくなる。したがって、減衰容
量を外周側で大きくした不均一配置にすることにより、
構造物3のロッキング振動をより効率的に抑制ができ
る。
【0073】このように減衰機構39を本第1実施例のよ
うな配置にすると、上記に説明したロッキング振動だけ
でなく、水平方向のねじり振動に対しても同様の原理に
て抑制効果は有効に作用する。なお、本第1実施例では
構造物3の外周側の単位面積あたりの減衰容量を大きく
するために、各減衰機構39の1体の減衰容量を変えた
が、各場所に取り付けられた減衰機構39の数を増減して
も同様の効果が得られる。
【0074】以上のことから、減衰機構39を基礎2と構
造物3との間に適宜配置することにより、水平方向の地
震により励起される構造物3の水平面に対する垂直軸回
りの回転振動であるねじり振動が減衰できる。また、構
造物3の水平軸回りの回転振動、すなわちロッキング振
動に対する減衰力を、減衰容量を均等配置にした場合に
比べて、より大きくすることができるので、構造物3の
ねじり振動及びロッキング振動など複雑な振動を効果的
に抑制して、上下方向及び水平方向で良好な3次元の免
震効果が得られる。
【0075】第2実施例は請求項2に係り、図3の構成
図と図4の一部切断拡大正面図に示すように、免震装置
40は基礎2と平板状の架台6との間に水平方向に作用す
る支持体10及び減衰機構41を配置する。この支持体10は
積層ゴムなどを、減衰機構41は弾塑性ダンパーとして鋼
棒ダンパーなどを使用する。
【0076】また架台6と構造物3との間には、上下方
向に作用する弾性体38としてコイルスプリングなどを設
置して構造物3を支持する。さらに、架台6の側面と構
造物支持壁42の側面との間に案内機構43を介挿する。こ
の案内機構43は構造物3の水平方向の動きを規制し、上
下方向に移動自在に案内するが、案内機構43は積層ゴム
を横置きに使用する。さらに、架台6と構造物3との間
には上下方向に作用する減衰機構44を設置して構成す
る。
【0077】なお、減衰機構44にはオイルダンパーや弾
塑性ダンパーなどを用い、構造物3のロッキング振動に
対する抑制効果を高めるために、両脇の減衰機構44の減
衰容量を大きく選定する。この免震装置40は単体でも使
用されるが、大型の構造物3の免震を行うためには、図
4に示すように構造物3の下部に複数設置することによ
り、優れた免震効果を得ることができる。
【0078】なお、この場合に構造物3のロッキング振
動に対する抑制効果を高めるために、各免震装置40の上
下方向用減衰機構44は、構造物3の下面の単位面積あた
りの減衰容量を構造物下面の内側領域より外周領域で、
より大きくなるように不均等に配置する。
【0079】同じく、構造物3のねじり振動に対する抑
制効果を高めるための水平方向用減衰機構41は、構造物
3の下面における単位面積あたりの減衰容量を構造物3
の下面で内側領域より外周領域にて、より大きくなるよ
うに不均等に配置する。これにより構造物3は、さらに
良好な免震効果が得られる。
【0080】第3実施例は請求項2に係り、上記第2実
施例の変形例で図5の一部切断構成図に示すように、免
震装置45は、基礎2と両側に壁のある架台6との間に水
平方向に作用する支柱体10、及び減衰機構41を配置す
る。この支柱体10は積層ゴム、及び減衰機構41は弾塑性
ダンパーとして鋼棒ダンパーなどが用いられる。また、
架台6と構造物3との間には上下方向に作用する弾性体
38を介挿して構造物3を支持する。さらに、架台6の側
面壁と構造物3の両側壁面との間に案内機構43を介挿す
る。
【0081】この案内機構43は構造物3の水平方向の動
きを規制し、上下方向に移動自在に案内するが、案内機
構43は積層ゴムを横置きにしたものなどを用いることが
できる。さらに、架台6と構造物3との間には、前記弾
性体38と併設して上下方向に作用する減衰機構44を設置
する。なお、この減衰機構44はオイルダンパーや弾塑性
ダンパーなどが用いられる。
【0082】また、減衰機構44は構造物3のロッキング
振動に対する抑制効果を高めるために、構造物3の下面
の単位面積あたりの減衰容量が構造物3の下面で、内側
領域より外周領域にて、より大きくなるように不均一に
配置して構成する。
【0083】上記構成による作用として、大地震時には
基礎2上に配置された水平方向に作用する支持体10及び
減衰機構41により、架台6に伝わる水平地震力が減少す
るので、ロッキング振動を励起する構造物3の水平方向
振動が減少する。また、水平方向用の減衰機構41を構造
物3の下面における単位面積あたりの減衰容量が構造物
3の下面で内側領域より、外周領域にてより大きくなる
ように不均等に配置しているので、ねじりに対する回転
減衰力が大きくなり、構造物3のねじり振動に対する抑
制効果が高く得られる。
【0084】さらに、架台6と構造物3との間に介挿さ
れた案内機構43は、架台6と構造物3との水平方向の相
対変位を拘束すると共に、上下方向の動きを円滑にす
る。また、架台6上に配置された上下方向に作用する弾
性体38と減衰機構44は、架台6を介して構造物3に伝わ
る上下方向の地震力を減少させる。
【0085】この減衰機構44は、構造物3の下面におい
ては単位面積あたりの減衰容量が構造物3の下面で内側
領域より外周領域にて、より大きくなるように不均等に
配置されているので、減衰機構44を均等に配置した場合
より、ロッキング振動に対する減衰効率を高めて、ロッ
キング振動や複雑な連成振動を効率よく抑制する。
【0086】したがって、大地震時の構造物3に対する
水平方向と上下方向の動き、及びロッキング振動などの
連成振動を最小限に抑えて、構造物3のロッキング振動
とねじり振動に対する減衰力を高めることができるの
で、それぞれの振動を効率よく抑制して良好な3次元免
震性能を発揮する。
【0087】第4実施例は請求項3に係り、図6の一部
切断構成図に示すように免震装置46は、基礎2と浮体収
容室47の下部との間に水平方向に作用する支持体10、及
び減衰機構41を配置する。なお、この支持体10は積層ゴ
ム、減衰機構41は弾塑性ダンパーとして鋼棒ダンパーな
どが用いる。
【0088】前記浮体収容室47は、免震対象となる構造
物3を内部に収容し、構造物3と間のには水などの液体
48を満し、液体48によって構造物3には浮力が作用す
る。また、構造物3の下部と浮体収容室47との間には上
下方向に作用する弾性体38、及び減衰機構44を介挿し
て、構造物3を上下方向に支持すると共に上下方向の免
震を行なう。
【0089】構造物3の側面と浮体収容室47の側面との
間には案内機構43を介挿し、構造物3の水平方向の動き
を規制して上下方向に移動自在に案内する。なお、弾性
体38にはコイルスプリングを、減衰機構44はオイルダン
パーや弾塑性ダンパーが、また案内機構43は積層ゴムや
シアキー構造などを用いる。
【0090】さらに減衰機構41,44は、それぞれ構造物
3のロッキング振動及び浮体収容室47のねじり振動に対
する減衰抑制効果を高めるために、構造物3の下面、及
び浮体収容室47の下面で単位面積あたりの減衰容量が構
造物3の下面の内側領域より外周領域にて、より大きく
なるように不均一に配置して構成する。
【0091】上記構成による作用として、大地震時に
は、基礎2上に配置された水平方向に作用する支持体10
及び減衰機構41により、浮体収容室47に伝わる水平地震
力が抑制されるので、構造物3のロッキング振動を励起
する構造物3の水平方向振動が減少する。
【0092】また、水平方向用の減衰機構41を浮体収容
室47の下面における単位面積あたりの減衰容量が浮体収
容室47の下面で内側領域より外周領域にて、より大きく
なるように不均等に配置しているので、ねじりに対する
回転減衰力が大きくなり、構造物3のねじり振動に対す
る抑制効果が高まる。
【0093】さらに、浮体収容室47と構造物3の側面と
の間に介挿された案内機構43により、浮体収容室47と構
造物3との水平方向の相対変位を拘束し、上下方向の動
きを円滑にする。また、浮体収容室47上に配置された上
下方向に作用する弾性体38と減衰機構44により、構造物
3に伝わる上下方向の地震力が減少する。
【0094】この減衰機構44は、構造物3の下面におい
ては単位面積あたりの減衰容量が構造物3の下面で内側
領域より外周領域にて、より大きくなるように不均等に
配置されているので、減衰機構44を均等に配置した場合
よりロッキング振動に対する減衰効率を高め、ロッキン
グ振動や複雑な連成振動が効率よく抑制される。
【0095】さらに、構造物3を浮体収容室47内にて液
体48中に浮かばせたことにより、構造物3の自重の一部
を浮力に分担させることができるので、構造物3の下部
に設置された上下方向に作用する弾性体38には初期負荷
が加わらず、許容される変形量に余裕がでてくるため、
より大きな地震動に対しても免震効果を発揮できるよう
になる。
【0096】例えば、上下方向の免震効果を大きくする
ためには、弾性体38を柔らかくすることにより構造物3
の固有振動数を1〜 1.5Hz程度にする必要がある。この
場合に、構造物3の自重により初期の沈み込み変位は1
Hzで約0.25m、 1.5Hzで約0.11mとなり、弾性体38にと
っては過大な初期負荷となる。
【0097】しかしながら、本第3実施例では、この構
造物3の自重による初期負荷を液体48の浮力に負担させ
ることから、上下方向に作用する弾性体38には地震によ
る変動荷重のみしか作用しなくなるので、弾性体38はよ
り大きな地震動にまで対応できるようになると共に、強
度的にも余裕が増して安全性が向上する。また、構造物
3が地震時に液体48中を上下方向に移動する時に、構造
物3には流体減衰力が作用するので、上下方向の振動抑
制効果がさらに向上し、これにより、構造物3は良好な
3次元的免震が得られる。
【0098】第5実施例は請求項4に係り、図7の一部
切断構成図に示すように、免震装置49は基礎2と側面壁
を備えた第一の架台50との間に水平方向に作用する支持
体10及び減衰機構41を配置する。なお、支持体10は積層
ゴムなどで、減衰機構41は弾塑性ダンパーとして鋼棒な
どを用いる。また、前記第一の架台50の側面上部の対向
する両端に固定して、滑車51を介して連続した複数のば
ね線材52を吊り下げるが、このばね線材52は図示しない
連結金具を介して十分に長いひと続きとなったばね線材
52でもよい。
【0099】また、このばね線材52上に少なくとも両端
に2つ以上の滑車53を介して、第二の架台54を支持させ
ると共に、この第二の架台54上には構造物3を設置す
る。さらに、前記第一の架台50の側壁と第二の架台54の
との間に、上下方向のみに移動を許し水平方向の動きを
拘束する案内機構43を介挿して構成する。
【0100】上記構成によれば、構造物3を設置した第
二の架台54の滑車53間に張られた、ばね線材52の水平方
向の伸縮により、第二の架台54は上下方向に変位して弾
性を有するようになる。また、前記第一の架台50の側壁
と第二の架台54間に介挿された水平方向の相対的な動き
を拘束する案内機構43は、第二の架台54の上下方向の動
きをスムーズにしている。
【0101】したがって、第二の架台54上に搭載した構
造物3には、水平方向と上下方向の免震をそれぞれ独立
して行わせることにより、良好な3次元的免震性能が得
られる。すなわち、基礎2上に配置された水平方向に作
用する支持体10により、構造物3に伝わる水平方向の地
震力を減少させ、第一の架台50に固定したばね線材52が
伸縮する弾性変形により第二の架台54に伝わる上下方向
の地震力を吸収する。
【0102】さらに、第一の架台50と第二の架台54との
間に介挿された案内機構43によって第二の架台54及び構
造物3の上下方向の動きを円滑にすると共に、第一の架
台50と第二の架台54との間の水平方向の相対的な動きを
規制する。ばね線材52は第二の架台54の下部で水平方向
に引っ張り力が作用し、それを滑車51,53にて上下方向
の力に変換している。この構造は、ばね線材52の変形に
対して強度的に最も適している引っ張り状態にて使用で
きる。
【0103】また、第二の架台54及びその上に積載され
ている構造物3の自重の力に対しても、ばね線材52の変
形を十分大きくとることができるので、上下方向の弾性
を小さく設定することができ、構造物3の固有振動数を
低くできるので、前記の圧縮方向で使用している弾性体
38に比べて、より大きな上下方向の免震効果が得られ
る。
【0104】図8の一部切断構成図は第5実施例の第1
の変形例を示し、さらに上下方向の減衰力を得るため
に、ばね線材52と並列にばね線材52の伸縮方向に作用す
る減衰機構44aを設けた構成としている。
【0105】また、図9の要部切断構成図は第5実施例
の第2の変形例を示したもので、ばね線材52の一端を第
一の架台50の中央に固定し、第一の架台50に取り付けた
滑車51,51を介して他端を第二の架台54に固定して、第
二の架台54を吊り下げる構成である。これにより、第二
の架台54に上下方向の弾性を与えているので、ばね線材
52の動きは第二の架台54の上下の動きに対しては、ばね
の伸縮だけとなる。したがって、良好な3次元的免震性
能が発揮できる。
【0106】第6実施例は請求項5に係り、図10の一部
切断構成図に示すように免震装置55は、地盤1を堀削し
たピット56の開口上部に渡した上部架台57からワイヤ58
により中間架台59を吊り下げる。さらに、この中間架台
59の下面には上下免震用のばね60により構造物3を吊り
下げて構成する。
【0107】上記構成による作用は、構造物3をワイヤ
58で中間架台59に吊り下げることにより振り子構造とな
っている。したがって、このワイヤ58の長さを調節する
ことにより、上部架台57での地震応答の卓越振動数成分
に比べて、振り子の振動数を低く設定することにより、
上部架台57における水平方向地震応答と比較して、構造
物3での水平方向加速度応答を低減することができる。
【0108】また、上下方向の地震応答については、上
部架台57と中間架台59とはほとんど同じ動きをするが、
中間架台59の下面と構造物3の間は、上下免震用のばね
60により構造物3の上下方向加速度応答を低減すること
ができる。
【0109】第7実施例は請求項5に係り、第6実施例
の変形例で、図11の一部切断構成図に示すように免震装
置61は、ピット56の開口上部に渡した上部架台57からワ
イヤ58により中間架台59を吊り下げる。このときに構造
物3は上下免震用のばね62を介して中間架台59の上に設
置して構成されている。
【0110】上記構成による作用は、前記第6実施例と
同様に中間架台59が振り子構造となっているため、水平
方向に対する免震効果を有する。特に、免震効果を大き
くするためにはワイヤ58を長くする必要がある。
【0111】なお、振り子作用のための上下方向空間が
大きく得られない場合にも、構造物3を中間架台59の上
に設置することにより、前記第6実施例に比べて上下方
向空間を有効に使用することができる。また、中間架台
59上面と構造物3との間に挿入した上下免震用のばね62
により、構造物3の上下方向加速度の応答が低減でき
る。
【0112】第8実施例は請求項5に係り、第6実施例
の他の変形例で、図12の一部切断構成図に示す免震装置
63は、上部架台64の中央に左右に同じ剛性を持つばね65
を水平に取り付けると共に、それぞれのばね65の一端に
ワイヤ58を接続する。
【0113】この水平方向に移動可能なワイヤ58の他端
は、上部架台64に取り付けた滑車66を介してピット56内
の中間架台59に固定して、構造部3を設置した中間架台
59を吊り下げる。さらに、ピット56内では前記中間架台
59と構造物3の一部、もしくは全部が液体48中に沈めら
れて構成している。
【0114】上記構成による作用としては、免震装置63
は上記第6実施例と同じように振り子構造となっている
ため、水平方向に対する免震効果を持つ。また上下方向
については、上部架台64の中央からそれぞれ左右に取り
付けられた同じ剛性を持つばね65が働き、上部架台64に
おける上下方向の振動は、このばね65にて免震されて構
造物3に入力される。
【0115】さらに、中間架台59と構造物3の一部、も
しくは全部が液体48中にあることから、中間架台59及び
構造物3に浮力が発生して、常時ばね65やワイヤ58に加
わる中間架台59と構造物3の自重による引っ張り荷重が
低減される。また、中間架台59と構造物3は液体48中で
振動するために、付加質量効果により動的な中間架台59
と構造物3の見掛け質量は増加する。このために、同一
条件であれば空間中での場合に比べて振動数を低くする
ことができることから、短いワイヤ58長で同一の固有振
動数を実現することができる効果がある。
【0116】第9実施例は請求項6に係り、図13の構成
図に示す免震装置67は、基礎2と構造物3の間に介挿し
て、両端が基礎2と構造物3に取り付けられた剛性K0
を持つばね68と、その両側に静止時に下端は基礎2に接
触する。また、上端は構造物3とギャップδを有して配
置された剛性K1 を持つばね69,70を設置し、このセッ
トを基礎2と構造物3の間に構造物3の自重を均等に受
けられるように適宜複数設置して構成する。
【0117】上記構成による作用について説明する。図
14の特性曲線図は、前記免震装置67における各ばね68〜
70の組み合わせによる荷重と変位の特性を示したもの
で、これらのばねの組み合わせを1つのセットとする。
基礎2と構造物3の間に設置した剛性K0 を持つばね68
は、下側にギャップδ以内では上下免震ばねとして働
く。したがって、構造物3がロッキングを起こすと、両
端では大きな上下方向変位が発生して、下側のギャップ
δを越える可能性がでてくる。
【0118】ここで、ロッキングにより構造物3の一端
で下側に変位が発生したと想定すると、ギャップδを越
えて剛性K0 を持つばね68が圧縮を受けると、その両側
にある剛性K1 を持つ上下ばね69,70もばねとして働き
始める。これらのばね68〜70の組み合わせによりK0
2K1 の剛性を持つことになる。これはギャップδ以内
のときの剛性K0 に比べて硬くなるため、同じ荷重に比
べて変位量は小さくなる。すなわち、この点における構
造物3のロッキングによる沈み込みは制限を受けること
になる。
【0119】また、ロッキングのみならず、大きな地震
の入力のために、これらばねの69,70でギャップδを越
えて沈み込みが起こった場合にも、ギャップδ以内での
剛性K0 に比べてK0 +2K1 という大きな剛性にな
る。これにより、より大きな沈み込みを制限することに
なる。
【0120】ギャップδを、構造物3側の要求あるいは
剛性K0 を持つばね68の応力上の要求のうち、小さい方
に若干の余裕を持たせて設定すれば、ギャップδを僅か
に越える程度で沈み込みは制限されるので、構造物3側
の要求及びばね68の応力上の要求は満足されることにな
る。
【0121】第10実施例は請求項6に係り、上記第9実
施例の変形例で、図15の構成図に示す免震装置71は、基
礎2と構造物3の間に両端が基礎2と構造物3に取り付
けられた剛性K0 を持つばね68を設ける。さらに、静止
時に下端は基礎2に接触して上端は構造物3と上下両方
向にギャップδのストッパー72を介してばね68に近接し
て配置された剛性2K1 をもつばね73を設置し、このセ
ットを基礎2と構造物3の間に構造物3の自重を均等に
受けられるように適宜複数設置して構成する。
【0122】次に上記構成による作用について説明す
る。図16の特性曲線図は、前記免震装置71における各ば
ね68,70とストッパー72との組み合わせを、1つのセッ
トとして荷重と変位の特性を示す。
【0123】上記第9実施例と同様に、基礎2と構造物
3の間に設置した剛性K0 を持つばね68は、ギャップδ
以内では上下方向の免震ばねとして働く。ただし、本第
10実施例におけるギャップδは、剛性K0 を持つばね68
とセットして配置された上下方向にそれぞれギャップδ
を持つストッパー72のばね73の影響を受ける。これによ
り、下側にギャップδを持つだけではなく上側にもギャ
ップδを持つている。
【0124】図17の一部切断拡大構成図に各ばね68,73
とストッパー72の組み合わせの詳細を示す。構造物3が
静止した状態では、剛性2K1 を持つばね73の上部先端
は、ストッパー72内で構造物3の下面に取り付けられた
架台74の中間点に位置して、上下のいづれにも接触して
いない。
【0125】このときストッパー72において、ばね73の
上部先端と構造物3の下面、及び架台74の先端までの距
離はギャップδに設定されている。構造物3が上下方向
に±δの範囲内で振動するときは、ストッパー72と構造
物3及び架台74の先端で接触は起こらず、したがって、
このばね73は働かない。
【0126】ここで構造物3が上下方向に±δ以上の変
位を起こすと、ストッパー72は構造物3または架台74の
先端で接触し、このばね73が働き始める。このとき2つ
のばね68,73で形成されるこれらのセットの剛性はK0
+2K1 になる。また、構造物3がロッキングを起こす
と、その両端では大きな上下方向変位が発生し、ギャッ
プδを越える可能性がでてくる。ここで、ロッキングに
より構造物3の一端で下側に変位が発生したと想定とす
る。この時は当然のことながら、構造物3のもう一端は
上側に変位が発生する。
【0127】下側、上側が共にギャップδ内のときは、
剛性がK0 のばね68による免震機能が働きく。次に下側
のみがギャップδを越えて沈み込むと、この点でK0
2K1 のばね剛性となり、この沈み込みを制限すること
になる。また、上側のみがギャップδを越えて浮き上が
ると、この点でK0 +2K1 のばね剛性となり、浮き上
がりが制限される。
【0128】さらに、下側がギャップδを越えて沈み込
み、かつ上側がギャップδを越えて浮き上がると、両点
でK0 +2K1 のばね剛性となり、沈み込み及び浮き上
がりが制限されることになる。このときには、ギャップ
δ以内のときの剛性K0 に比べて硬くなるため、同じ荷
重に比べて変位量は小さくなる。すなわち、構造物3の
ロッキングによる沈み込み、または浮き上がりは制限を
受けることになる。
【0129】また、ロッキングのみならず、大きな地震
入力のためにこれらの複数のばねのセットで、ギャップ
δを越えて沈み込み、または浮き上がりが起こった場合
にも、ギャップδ以内での剛性K0 に比べて、K0 +2
1 という大きな剛性になるために、これらの点でより
大きな沈み込み、または浮き上がりを制限する。
【0130】したがって、ギャップδを構造物3側の要
求、あるいは剛性K0 を持つばね68の応力上の要求のう
ちで、小さい方に若干の余裕を持たせて設定すれば、ギ
ャップδを僅かに越える程度での沈み込み、または浮き
上がりが制限されるので、構造物3側の要求及び剛性K
0 を持つばね68の応力上の要求は満足される。
【0131】第11実施例は請求項7に係り、図18の構成
図に示す免震装置75は、基礎2と構造物3の間に、両端
が基礎2と構造物3に取り付けられた剛性K0 を持つば
ね68と、静止時に引っ張り荷重を受けるように設定した
剛性K1 を持つばね69をストッパー72aと共に設置し、
このセットを基礎2と構造物3の間に構造物3の自重を
均等に受けられるように適宜複数設置して構成する。
【0132】上記構成による作用について説明する。図
19の一部切断拡大構成図は前記各ばね68,69とストッパ
ー72aとの組み合わせた1つのセットの詳細を示す。ば
ね69の両端にはそれぞれプレート76,77が取り付けてあ
り、基礎2から取り付けられた架台78が中間部に設けた
プレート79,80のそれぞれ外側で接触している。
【0133】また、このプレート79,80の距離は、ばね
69の無負荷時の長さよりも大きくすることにより、静止
時にばね69には引っ張り荷重FT が働いている。構造物
3には鉛直方向に中央部と先端との2カ所に突起81,82
を持つ柱83が取り付けられていて、この突起81は前記プ
レート76の下側に、また、突起82は前記プレート77の上
側と接触して構成されている。
【0134】このように構成されたばね68,69とストッ
パー72aの組み合わせによる荷重と変位を図20の特性曲
線図に示す。例えば上下方向の地震入力により、構造物
3が基礎2に対して相対的に上に移動する場合を想定す
る。上下方向の地震入力が小さい場合で、ばね69を引っ
張る力がFT 以下のときは、ばね69の長さは変化せず、
構造物3と基礎2の距離は静止時と変わらない。
【0135】しかし、地震入力が大きくなり、ばね69を
引っ張る力がFT を越えると、ばね69の引っ張り力を上
回るために、突起81はプレート76を引き上げるので、ば
ね69は機能するようになる。このときの、ばね68,69の
組み合わせによる剛性はK0 +K1 となる。構造物3が
基礎2に対して相対的に下に移動する場合も同様で、ば
ね69の引っ張り力FT を越えるまでは、ばねとして働か
ず、FT を越えるとK0 +K1 の剛性を持つばねとして
働く。
【0136】したがって、地震入力が小さい場合には免
震のばね68が働かず、地震入力が大きい場合にのみばね
68が働いて効率的な免震性能を発揮する。すなわち、小
さな地震入力に対して免震装置75が働くと、構造物3の
応答加速度は入力加速度に対して小さくなるものの、も
ともと小さいために、それほど低減されない。
【0137】一方、変位は免震装置75が働くことによっ
て増幅され、加速度がそれほど低減されないのであれ
ば、変位が増幅するデメリットのみが問題となる。そこ
で、応答が設定変位を越えないような小さな地震入力時
には、免震装置75の免震機能を働かせなようにすること
により、効率的な免震効果が発揮できる。
【0138】第12実施例は請求項8に係り、図21の一部
切断構成図に示すように免震装置84は、構造物3の下面
から先端が平板85に連なった支柱86を張り出し、この平
板85を囲むように基礎2に固定された架台87を配置す
る。
【0139】さらに、基礎2と平板85の間と平板85と架
台87の間、また、架台87と構造物3の下面の間にばね剛
性Kを持つばね88を、それぞれ1つまたは複数挿入して
構成する。なお、このばね88の種類としては、コイルば
ねや皿ばねなどの金属ばねを始めとして、空気ばね、ゴ
ムブロックなどがあり、変位と荷重特性が制御可能で、
ばねとしての特性を持つものであればよい。
【0140】上記構成による作用としては、構造物3が
例えば下側にδだけ動く場合に、基礎2と平板85の間に
置かれたばね剛性Kを持つn個のばね88は圧縮を受け
て、その反力として1個当たりKδの力で構造物3を押
し上げようとする。また、平板85と架台87の間に置かれ
たばね剛性Kを持つp個のばね88は、引っ張りを受け
て、その反力として1個当たりKδの力で構造物3を押
し上げようとする。
【0141】さらに、架台87と構造物3の下面の間に置
かれたばね剛性Kを持つq個のばね88は、圧縮を受けて
その反力として1個当たりKδの力で構造物3を押し上
げようとする。すなわち、(n+p+q)個の剛性Kを
持つばね88が、構造物3と基礎2の間に1層で並列に入
っているのと同じ作用をする。
【0142】この並列のばね88を上下方向に多層に配置
することにより、1層で並列のばね88を配置する場合に
比べて、上下方向の免震ばねを配置する面積を小さくす
ることが可能となる。また、上下方向の免震ばねを多層
構造にしたものをユニット化することにより、ユニット
数を大幅に減少することができ、各ユニットを設置する
ときの上下方向の位置合わせ作業が容易となり作業性が
向上する。
【0143】第13実施例は請求項8に係り第12実施例の
変形例で、図22の一部切断構成図に示す免震装置89は、
構造物3の下面から中間部及び先端が複数の平板90に連
なった支柱91を張り出し、この複数の平板90を囲む構造
を持ち、かつ基礎2に固定された架台92を配置する。基
礎2と平板90の間、及び平板90と架台92の間、さらに平
板90と構造物3の下面の間に、ばね剛性Kを持つばね88
をそれぞれ1つ、または複数挿入して構成する。
【0144】上記構成による作用としては、構造物3が
例えば下側にδだけ動く場合に、基礎2と先端の平板90
の間に置かれたばね剛性Kを持つn個のばね88は圧縮を
受け、その反力として1個当たりKδの力で構造物3を
押し上げようとする。また、先端の平板90と下端の架台
92の間に置かれたばね剛性Kを持つp個のばね88は引っ
張りを受け、その反力として1個当たりKδの力で構造
物3を押し上げようとする。
【0145】同様に、下端の架台92と中間の平板90の間
で圧縮を受けるばね剛性Kを持つq個のばね88、及び中
間の平板90と上部の架台92の間で引っ張りを受けるばね
剛性Kを持つr個のばね88、上部架台92と構造物3の下
面の間で圧縮を受けるばね剛性Kを持つs個のばね88
は、それぞれ1個当たりKδの力で構造物3を押し上げ
ようとする。
【0146】すなわち、(n+p+q+r+s)個のば
ね剛性Kを持つばね88が構造物3と基礎2の間に1層で
並列に入っているのと同じ作用をする。なお、並列のば
ね88を上下方向に多層に配置することにより、1層で並
列のばね88を配置する場合に比べて、上下免震用のばね
88を配置する面積を小さくすることが可能となる。
【0147】また、上下免震用のばね88を多層構造にし
たものをユニット化することにより、ユニット数を大幅
に減らすことができ、各ユニットを設置するときの上下
方向の位置合わせが容易で、作業効率が向上する。
【0148】第14実施例は請求項8に係り、第12実施例
の変形例で、図23の一部切断構成図に示す免震装置93
は、構造物3の下面から複数に分岐した鉛直平板94を張
り出し、この鉛直平板94の中央部及び外側に、鉛直に基
礎2に固定された架台95を設置する。鉛直平板94と架台
95の間には、積層ゴムなどの支持体10を横置きにして、
それぞれ1つまたは複数個を上下方向に挿入して構成す
る。
【0149】上記構成による作用は、構造物3が例えば
下側にδだけ動く場合に、複数の鉛直平板94と基礎2に
固定された架台95の間に配置されたばね剛性K(δ)を
持つ全ての支持体10には、K(δ)×δの荷重が加わっ
ていることになる。
【0150】ここで、剛性K(δ)は、支持体10の荷重
と変位の曲線が必ずしも一定の傾きを持つ1本の直線で
はなく、変位依存性を明示する。このときに支持体10
は、1個当たりK(δ)×δで構造物を押し上げようと
する。これにより、上下方向に多層構造にして入れてあ
る各支持体10は、全て並列ばねとして作用することにな
る。
【0151】このように、支持体10を上下方向に多層に
配置することにより、1層で支持体10を配置する場合に
比べて、支持体10を配置する面積を小さくすることが可
能となる。また、支持体10を多層構造にしたものをユニ
ット化することにより、ユニット数を大幅に減らすこと
ができ、各ユニットを設置するときの上下方向の位置合
わせが容易で作業効率が向上する。
【0152】第15実施例は請求項9に係り、図24の構成
断面図に示す免震装置96は、構造物3の両側で下部端9
7,98に相対的に同一の動きをするピストン99, 100を
取り付けると共に、これらを内蔵したシリンダー 101,
102を基礎2に設置する。
【0153】また、前記シリンダー 101のシリンダーヘ
ッド側空間 103と別のシリンダー 102のシリンダーヘッ
ド反対側空間 104、及び前記シリンダー 101のシリンダ
ーヘッド反対側空間 105と別のシリンダー 102のシリン
ダーヘッド空間 106とを、それぞれパイプ 107, 108で
接続して、内部に非圧縮性に近い液体 109を封入して構
成する。
【0154】上記構成による作用は、構造物3がロッキ
ング振動を起こそうとして両下部端97,98での上下方向
変位に違いが発生すると、これに伴いピストン99とピス
トン100の上下方向位置が変化する。
【0155】例えば構造物3が左に回動した場合は、下
部端97のピストン99の位置は、下部端98のピストン 100
の位置に比べて相対的に下方になる。このときに下部端
97のシリンダー 101のシリンダーヘッド側空間 103と、
下部端98のシリンダー 102のシリンダーヘッド反対側空
間 104、及びこれらを結ぶパイプ 107に含まれるされ
る。
【0156】この圧縮された液体 109により、下部端97
のピストン99には上方に、また下部端98のピストン 100
には下方に動かそうとする力が働く。これと同時に下部
端97のシリンダーヘッド反対側空間 105と下部端98のシ
リンダーヘッド側空間 106、及びこれらを結ぶパイプ 1
08に含まれる液体 109は膨脹される。
【0157】この膨脹された液体 109により、下部端97
のピストン99は上方に、下部端98のピストン 100には下
方に動かそうとする力が働く。したがって、下方に変位
していたピストン99は上方に動き、一方、上方に変位し
ていたピストン 100は下方に変位して同一変位において
安定する。このために、ピストン99, 100に直結されて
いる構造物3の両端の上下方向変位は同じになり、ロッ
キング振動が防止される。
【0158】第16実施例は請求項10に係り、図25の構成
図に示す免震装置 110は、左側リンク 111と右側リンク
112の2本のリンクを、それぞれの中央で回動自由に支
持して基礎2に設置すると共に、この2本のリンク 11
1, 112は互いに中央側の一端で連結している。
【0159】この中央側の連結は、それぞれのリンク 1
11, 112に開けられた楕円孔 113,114を重ね合わせ
て、ボルト 115で離反しないように止めている。また、
この連結部は楕円孔 113, 114であるために遊びがあ
り、上下方向に変位することが可能である。さらに、左
側リンク 111と右側リンク 112の両外端 116,117 は、
それぞれ構造物3の両端にばね 118及び減衰機構のダッ
シュポット 119を介して結合されて構成する。
【0160】上記構成による作用としては、構造物3が
ロッキング振動を起こそうとして、その両端で上下方向
変位に違いが発生すると、ばね 118とダッシュポット 1
19を介して変位に応じた力が伝わり、2本の左側リンク
111と右側リンク 112の両外端 116,117 での位置が変
化しようとする。
【0161】例えば図25の点線で示すように構造物3が
左に回動した場合は、構造物3下面の左端は下がり、右
端は上がることになる。このときに左端に取り付けられ
たばね 118は圧縮を受けて、左側リンク 111の外端 116
を押し下げようとする。また、構造物3下面の右端に取
り付けられたばね 118は、引っ張りを受けて右側リンク
112の外端 117を引き上げようとする。
【0162】左側リンク 111の左端が下がろうとするこ
とにより、左側リンク 111の右端は上がろうとするが、
同時に右側リンク 112の右端が上がろうとすることによ
り右側リンク 112の左端が下がろうとする。しかしなが
ら、左側リンク 111の右端と右側リンク 112の左端は中
央側で連結されていることから、中央側での上下方向変
位は拘束されて動かない。
【0163】このために、左側リンク 111の左端である
外端 116も拘束されて、ばね 118とダッシュポット 119
を介して構造物3の左端の沈み込みを制限する。また、
右側リンク 112の右端である外端 117も拘束されて、ば
ね 118とダッシュポット 119を介して構造物3の右端の
浮き上がりを制限する。これにより、全体としてロッキ
ング振動が制限される。
【0164】一方、構造物3が回動することなく左右均
等に上下する場合で、例えば全体が沈み込む場合を想定
すると、左側リンク 111の左端と右側リンク 112の右端
は同様に下がり、両リンク 111, 112の連結部は同様に
上がるため、構造物3の動きが拘束されることはない。
【0165】これにより構造物3の下面両端における上
下方向変位が同じになり、ロッキング振動が拘束され
る。このために、構造物3の下面両端における上下免震
用ばねの大きな伸縮が制限されるため、ばね 118に大き
な荷重が加わるのを防ぐことができ、ばね 118の応力設
計が容易になり、使用可能なばねの適用範囲が拡大し
て、より経済的で信頼度の高いばねの使用が可能とにな
る。
【0166】
【発明の効果】以上本発明によれば、基礎上に設置する
構造物を直接あるいは架台などを介して水平方向及び上
下方向に単独に作用する弾性体と減衰機構により、地震
に起因する構造物の震動を3次元的に免震する。また、
複数の減衰機構の配置と減衰容量を構造物の下面におい
て、単位面積あたりの減衰容量を内側領域より外周領域
で、より大きくなるように不均等に配置して、水平方向
の地震により励起されるねじり振動及びロッキング振動
に対する減衰力を高めて、その揺れを効果的に抑制す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の免震装置の構成図。
【図2】本発明に係る第1実施例のロッキング振動を示
す模式図。
【図3】本発明に係る第2実施例の免震装置の構成図。
【図4】本発明に係る第2実施例の一部切断拡大正面
図。
【図5】本発明に係る第3実施例の免震装置の一部切断
構成図。
【図6】本発明に係る第4実施例の免震装置の一部切断
構成図。
【図7】本発明に係る第5実施例の免震装置の一部切断
構成図。
【図8】本発明に係る第5実施例の第1変形例を示す一
部切断構成図。
【図9】本発明に係る第5実施例の第2変形例を示す要
部切断構成図。
【図10】本発明に係る第6実施例の免震装置の一部切
断構成図。
【図11】本発明に係る第7実施例の免震装置の一部切
断構成図。
【図12】本発明に係る第8実施例の免震装置の一部切
断構成図。
【図13】本発明に係る第9実施例の免震装置の構成
図。
【図14】本発明に係る第9実施例の荷重と変位の特性
曲線図。
【図15】本発明に係る第10実施例の免震装置の構成
図。
【図16】本発明に係る第10実施例の荷重と変位の特性
曲線図。
【図17】本発明に係る第10実施例の一部切断拡大構成
図。
【図18】本発明に係る第11実施例の免震装置の構成
図。
【図19】本発明に係る第11実施例の一部切断拡大構成
図。
【図20】本発明に係る第11実施例の荷重と変位の特性
曲線図。
【図21】本発明に係る第12実施例の免震装置の一部切
断構成図。
【図22】本発明に係る第13実施例の免震装置の一部切
断構成図。
【図23】本発明に係る第14実施例の免震装置の一部切
断構成図。
【図24】本発明に係る第15実施例の免震装置の構成断
面図。
【図25】本発明に係る第16実施例の免震装置の構成
図。
【図26】従来の第1の免震装置の一部切断構成図。
【図27】従来の第2の免震装置の一部切断構成図。
【図28】従来の第1の免震装置の正面図。
【図29】従来の第3の免震装置の正面図。
【図30】従来の第4の免震装置の正面図。
【図31】従来の第5の免震装置の正面図。
【図32】従来の第6の免震装置の正面図。
【図33】従来の第7の免震装置の一部切断正面図。
【図34】従来の第8の免震装置の正面図。
【符号の説明】
1…地盤、2…基礎、3…構造物、4,5,15,18,2
0,24,25,29,37,40,45,46,49,55,61,63,6
7,71,75,84,89,93,96, 110…免震装置、6,7
4,78,87,92,95…架台、7…免震機構、8…ベアリ
ング、9…支持台、10,16…支持体、11,17,38…弾性
体、12…鉄板、13…上端板、14…下端板、19,34…コイ
ルスプリング、21…支持部材、22…ゴム膜、23…空気ば
ね、26…皿ばね、27…上部ガイド、28…下部ガイド、30
…すべり板、31…ボールベアリング、32…台車、33…ガ
イド軸、35…固定具、36,60,62,65,68,69,70,7
3,88,118 …ばね、39,41,44,44a…減衰機構、42
…構造物支持壁、43…案内機構、47…浮体収容室、48,
109…液体、50…第一の架台、51,53…滑車、52…ばね
線材、54…第二の架台、56…ピット、57,64…上部架
台、58…ワイヤ、59…中間架台、66…滑車、72,72a…
ストッパー、76,77,79,80…プレート、81,82…突
起、83…柱、85,90…平板、86,91…支柱、94…鉛直平
板、97,98…下部端、99,100…ピストン、 101, 102
…シリンダー、 103, 106…シリンダーヘッド側空間、
104, 105…シリンダーヘッド反対側空間、 107,108
…パイプ、 111…左側リンク、 112…右側リンク、 11
3, 114…孔、 115…ボルト、 116, 117…リンク外端
部、 119…ダッシュポット。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎上にて構造物を支持する水平方向及
    び上下方向に作用する弾性体と、同じく基礎と構造物と
    の間に介挿して構造物下面の単位面積あたりの減衰容量
    が構造物の下面において内側領域より外周領域で大きく
    なるように不均等に配置した水平方向及び上下方向に作
    用する複数の減衰機構とからなることを特徴とする免震
    装置。
  2. 【請求項2】 基礎上に水平方向に作用する弾性体及び
    減衰機構を介して支持された第一の架台と、この第一の
    架台上に構造物を支持する上下方向に作用する弾性体
    と、前記第一の架台と構造物との間に介挿して構造物の
    水平方向の動きを規制すると共に上下方向に移動自在に
    案内する案内機構と、前記第一の架台と構造物との間に
    介挿して構造物の下面においては単位面積あたりの減衰
    容量が構造物下面の内側領域より外周領域で大きくなる
    ように不均等に配置した上下方向に作用する減衰機構と
    からなることを特徴とする免震装置。
  3. 【請求項3】 基礎上に水平方向に作用する弾性体及び
    減衰機構を介して支持されて内部に液体を収容した浮体
    収容室と、構造物を浮体収容室内に収容して液体に浮遊
    させると共に、浮体収容室の底部と構造物との間に介挿
    した上下方向に作用する弾性体及び減衰機構と、浮体収
    容室側面と構造物側面との間に介挿されて構造物の水平
    方向の動きを規制すると共に上下方向に移動自在に案内
    する案内機構とからなることを特徴とする免震装置。
  4. 【請求項4】 基礎上に水平方向に作用する弾性体及び
    減衰機構を介して支持した第一の架台と、この第一の架
    台の側面上部の対向する両端に固定した連続した複数の
    ばね線材または連結金具を介してひと続きとなった複数
    のばね線材と、このばね線材に積載した構造物を設置す
    る第二の架台と、この第二の架台と前記第一の架台との
    側壁間に介挿した上下方向のみに移動して水平方向の動
    きを拘束する案内機構とからなることを特徴とする免震
    装置。
  5. 【請求項5】 両端を支持された上部架台と、この上部
    架台からワイヤまたはばねとワイヤを介して吊り下げら
    れて振り子構造を構成する中間架台と、この中間架台の
    上面または下面に直接またはばねを介して構造物を設置
    することを特徴とする免震装置。
  6. 【請求項6】 基礎上で構造物との間に挿入して構造物
    を支持するばねが、基礎と構造物間の相対変位が一定値
    以下では柔らかく、前記一定値を越えると剛くなる荷重
    変位特性を備えていることを特徴とする免震装置。
  7. 【請求項7】 基礎上で構造物との間に挿入して構造物
    を支持するばねが、一定の荷重以下では変位せず、前記
    一定の荷重を越えたときに弾性体として働く荷重変位特
    性を備えていることを特徴とする免震装置。
  8. 【請求項8】 構造物の下面あるいは基礎上の片側に設
    置された支柱と、反対側に設置された架台と、前記支柱
    と架台あるいはこれらと構造物の下面及び基礎との間に
    並列に複数の上下方向ばねを設置することを特徴とする
    免震装置。
  9. 【請求項9】 基礎上に設置すると共に内蔵するピスト
    ンを構造物の両端に取り付けて構造物を支持する一対の
    シリンダーと、一方のシリンダーのピストンヘッド側空
    間と他方のピストンヘッド反対側空間、及び一方のピス
    トンヘッド反対側空間と他方のピストンヘッド側空間と
    をパイプで結合して非圧縮性液体を封入したことを特徴
    とする免震装置。
  10. 【請求項10】 基礎上に設置した中央で回動自由に支
    持した2本のリンクを中央側で互いに上下方向変位が容
    易に結合すると共に、それぞれの外側端においてばね及
    び減衰機構を介して構造物の両端を支持することを特徴
    とする免震装置。
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