JP2001180797A - 貯槽の支持構造 - Google Patents

貯槽の支持構造

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JP2001180797A
JP2001180797A JP36625099A JP36625099A JP2001180797A JP 2001180797 A JP2001180797 A JP 2001180797A JP 36625099 A JP36625099 A JP 36625099A JP 36625099 A JP36625099 A JP 36625099A JP 2001180797 A JP2001180797 A JP 2001180797A
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curved
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JP36625099A
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Koji Ishii
宏治 石井
Atsuyuki Tada
敬幸 多田
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Ishii Iron Works Co Ltd
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Ishii Iron Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構築を簡単容易にするとともに、荷重が集
中して損傷を生じないようにして、耐久性と耐震性を向
上させた貯槽の支持構造とする。 【解決手段】 地面の基版に設置した低位の垂直材
と、該垂直材同士の上部を水平方向で連結する横枠とで
一体架構の剛構造の支持枠体を形成し、この横枠に囲ま
れた内側に貯槽の湾曲する底部外壁面を収納し、該湾曲
した底部外壁面に当接し貯槽の垂直荷重を受けるととも
に水平方向の動きを規制する大きさの曲面接触部材を、
上記支持枠体の横枠に設けてなり、上記貯槽の湾曲した
底部外壁面を固着することなく摺動可能に接触させた状
態で支承する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高圧ガス、低温
液化ガス等を貯蔵する貯槽の支持構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】球形貯槽、竪型円筒貯槽など、湾曲した
底部外壁面を有する各種貯槽の支持構造について、球形
貯槽の場合を事例にしてその支持構造の従来技術を、図
6に基づいて説明する。
【0003】図6に示すように、球形貯槽21は、地面
の基版22上の隔離した複数の基礎23から地上に高く
垂直に設けた複数本の円筒状の脚柱25によって支持さ
れ、この独立した脚柱25の相互間には傾斜し交差させ
て設けた斜材、ブレーシング28が設けられている。こ
の円筒状の脚柱25の上端部26は、固着する湾曲した
外壁面24の形状に合致するように、側面形状が斜めに
湾曲した形状の断面略楕円形状に円筒の上端縁を切断加
工し、球形貯槽21の外壁面24の底部近傍から側部赤
道に至る長い距離間の固着部27の位置に、溶接によっ
て一体に固着されている。
【0004】また、球形貯槽21に免震装置を設けて、
耐震性を配慮した従来技術が、例えば、特開平2−70
872号公報に開示されている。この発明の免震構造
は、図6に例示するように、球形貯槽21の底部中央と
基版22、基礎23との間にダンパー構造の制震装置2
9を設け、球形貯槽21の揺れをおさえとどめて制震性
能を得るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6のような球形貯槽
21の脚柱25は、地面の基版22から高い位置の固着
部27で固着されており、この固着部27は球形貯槽2
1の底部近傍から赤道部に至る長い距離間の湾曲した外
壁面24に、溶接で頑強に固着する構造である。そのた
め、球形貯槽21を構築する際に、円筒状の脚柱25の
上端部26を、外壁面24の湾曲面に合致するように略
楕円形に切断加工する製作が繁雑で、かつその箇所の溶
接作業が大変であり、さらに焼鈍などの繁雑な熱処理作
業も必要となる上に、溶接部の検査にも多大な手間を必
要とした。
【0006】そして、地震などによる基礎23の振動
は、脚柱25から固着部27の近傍に伝達し、或いは強
風などによる球形貯槽21の揺れは、固着部27から上
端部26の近傍に伝わるため、この振動と揺れの荷重集
中によって、一部の脚柱25の局部やブレーシング28
などに変形や損傷を生じる心配があった。このように、
隔離した基礎23上に、長い円筒状の各脚柱25が独立
して設けられているために、地震や強風などによる振動
や揺れに対して、各脚柱25の応答挙動がバラバラとな
り、荷重に偏りと集中が生じ易くなって、一部の脚柱2
5の局部やブレーシング28などに変形や損傷などの被
害を受けるおそれがあった。
【0007】また、耐震性を配慮した上記特開平2−7
0872号公報に開示された従来技術、図6に例示する
ダンパー構造の制震装置29を設けた従来技術は、制震
装置29によって球形貯槽21の水平方向の揺れを減衰
する制震性能には優れているものの、基礎23から伝わ
る短周期の振動や上下方向の振動などは、各脚柱25か
ら固着部27へそのまま伝達してしまった。そのため、
短周期の振動や大きな縦揺れなどを伴う地震などに対す
る免震性能については、充分な効果が得られなくなり、
前記と同様に依然として固着部27へ荷重が集中し、脚
柱25の局部やブレーシング28などに変形や損傷を生
じる心配があった。
【0008】この発明の目的は、上述のような従来技術
が有する問題点に鑑みてなされたもので、貯槽を支持す
る一体連結の組枠体を形成し、かつ貯槽との接続部は固
着することなく摺動可能に接触させて載置する支承構造
に形成し、構築を簡単容易にするとともに、接続部など
局部に荷重が集中することなく損傷を生じないようにし
て、さらに、振動が伝わらないように免震性能を有する
免震装置、及び又は揺れをおさえとどめるように制震性
能を有する制震装置を設けて、地震や強風などによる振
動や揺れによる変位を上記接続部と免震装置及び又は制
震装置とで吸収して、耐久性と耐震性をより向上させた
貯槽の支持構造とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る貯槽の支
持構造は、地面の基版から地上に垂直に設置した低位の
垂直材と、該垂直材同士の上部を水平方向で連結する横
枠とで形成した一体架構の剛構造の支持枠体によって、
湾曲する底部外壁面近傍を支承した貯槽であって、この
支持枠体の横枠に囲まれた内側に、貯槽の湾曲する底部
外壁面を収納し、該湾曲した底部外壁面に当接し、貯槽
の垂直荷重を受けるとともに水平方向の動きを規制する
大きさの曲面接触部材を、上記支持枠体の横枠に設けて
なり、上記貯槽の湾曲した底部外壁面を固着することな
く摺動可能に接触させた状態で、貯槽を載置支承するよ
うに形成したものである。
【0010】また、この貯槽の支持構造は、上記支持枠
体の下部と上記基版との間に、積層ゴム支承の免震装置
を設けたものである。
【0011】また、この貯槽の支持構造は、上記貯槽の
底部外壁面と上記支持枠体の下部との間、及び又は上記
貯槽の底部外壁面の中央下端部と上記基版との間に、す
べり支承又はダンパー構造の制震装置を設けたものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明に係る貯槽の支持構造
を、図1乃至図5に基づいて説明する。
【0013】図1は、湾曲した底部壁面3を有する貯槽
1の支持構造の実施形態例で、図2は、図1の一部を拡
大し側断面としたものである。地面の基版2から地上に
垂直に設置し、高さがそれほど高くない低位の垂直材5
と、この垂直材5同士の上部を水平方向で連結する横枠
6などを用いて、一体架構の剛構造の支持枠体4を形成
する。この支持枠体4の横枠6に囲まれた内側に、湾曲
した底部外壁面3に当接して貯槽1の垂直荷重を受ける
とともに水平方向の動きを規制する大きさの曲面接触部
材8を設ける。そして、上記支持枠体4の横枠6に囲ま
れた内側に、貯槽1の湾曲する底部外壁面3を収納し、
湾曲した底部外壁面3を上記曲面接触部材8に固着する
ことなく摺動可能に接触させた状態で載置支承する。
【0014】上記支持枠体4は、図1に示すような平面
正六角形などの平面多角形状、或いは平面円形状とし、
その多角形の頂点及び又はその辺部で垂直荷重を支える
複数本の垂直材5と、この垂直材5間の上部を水平に連
結する平面多角形状、或いは平面円形状の横枠6と、垂
直材5間の下部を水平に連結する平面多角形状、或いは
平面円形状の下部水平材7と、傾斜材など(図示省略)
とを組枠して一体架構の剛構造に形成する。これらの垂
直材5、横枠6、下部水平材7、及び傾斜材などは、例
えば型鋼材、矩形鋼材、パイプ材等を用いて製作する。
【0015】このように一体架構に組枠した支持枠体4
は、従来の独立柱構造の脚柱のように、例えば球殻の赤
道部近傍に至るように高くすることなく、後述する約4
5度の基準点Mの位置近傍までの低い高さでよい。この
支持枠体4は、一体化された剛構造でたわみや座屈を生
じることなく、強度が高く安定性が良い上に、貯槽1の
組立時には作業用架台などに使用することができるとと
もに、メンテナンスや補修などを行う際には作業用足場
などにも利用することができる。
【0016】また、上記曲面接触部材8は、上記支持枠
体4の横枠6に囲まれた内側の辺部など、複数箇所に隔
離して設ける。或いは、図示しないが、平面円形の支持
枠体の場合には、曲面接触部材8は平面円形状に沿って
連続した幅広の円環状に形成してもよい。この曲面接触
部材8は、図2に示すように、貯槽の湾曲する底部外壁
面3を断面円弧とし、その円の中心点Oを通る水平線の
交点Lから、下方約45度の角度に位置する基準点Mを
目安として、下方向近傍S1に沿って湾曲し延出した幅
広の底部曲面材8Aと、上方向近傍S2に沿って湾曲し
立ち上げた幅広の側部曲面材8Bとで形成し、この曲面
接触部材8の裏側は、取付部材8Cによって横枠6に固
着する。
【0017】上記のように形成した曲面接触部材8の底
部曲面材8Aで、垂直荷重を受けて貯槽1の重量を支承
するとともに、地震や強風などによって水平荷重を受け
た場合には側部曲面材8Bによって水平方向の動きを規
制する。この曲面接触部材8は、貯槽1の湾曲した底部
外壁面3に固着することなく、摺動可能に面接触させた
状態で、貯槽1が倒れたり飛出すことがないよう移動を
規制し、支持枠体4の横枠6内に貯槽1の湾曲する底部
外壁面を取付ける。
【0018】この曲面接触部材8は、ライニング鋼板な
どの材料を使用し、プレスなどによって、貯槽の底部外
壁面3の曲面と合致するように、接触面を凹状の湾曲面
を有する板状に加工し、摩擦しながら摺動する湾曲面の
せん断力と押圧力によって垂直荷重及び水平荷重を支え
るように形成する。また、鋼板材や型鋼材などを用いて
製作した取付部材8Cを、曲面接触部材8の裏側に取付
けてパネル状に組立てる。このようにパネル状に形成し
た曲面接触部材8は、曲げ強度に優れ、かつ取付け易い
構造となる。
【0019】さらに、この曲面接触部材8の表面接触部
には、摩擦抵抗の小さい部材、例えば磨き金属材、円滑
な合成樹脂材などを設け、所定以上の荷重がかかること
なく、より滑らかに摺動するようにしてもよい。また、
曲面接触部材8の裏側の取付部材8Cには、積層ゴム支
承の免震材、すべり支承の制震材やダンパー構造の制震
材、弾力材やバネなどを設けて、変位や荷重を一層なだ
らかに吸収緩和させるようにしてもよい。
【0020】このように、貯槽1の底部外壁面3は、支
持枠体4上に固着することなく曲面接触部材8によって
載置支承されており、従来のように溶接で頑強に固着さ
れていないので、製作加工の際に、繁雑で手間を要する
作業、つまり、垂直材を外壁面の湾曲形状に合致させる
ように略楕円形に切断加工する作業、その切断部を外壁
面に溶接する作業、その溶接部を焼鈍等により熱処理を
行う作業、及び溶接部を検査する作業などが不要とな
る。
【0021】また、底部外壁面3と曲面接触部材8との
間は、固着されておらず摩擦しながら摺動するので、貯
槽1と横枠6間相互の動きは互いに拘束されることなく
損傷や破損を生ずることがない。また、短周期の振動や
大きな揺れに対して、接触部に荷重が集中することな
く、かつ動きを拘束することなく摺動し変位を調整し、
振動エネルギーを吸収するので、従来の脚柱の固着部や
ブレーシングなどで心配されていた損傷や破損の心配が
なく、耐久性が向上し強い支持構造にすることができ
る。また、内部の貯蔵液が揺れスロッシングして内壁面
に衝突した場合にも、接触面が摺動するため、振動エネ
ルギーを減衰吸収してスロッシングを和らげる働きも生
ずる。
【0022】図3は、上記一体剛構造に形成した支持枠
体4の下部、下部水平材7と地面の基版2との間に、積
層ゴム支承の免震構造体9Aよりなる免震装置10を設
けた実施形態例で、さらに支持枠体4に設けた曲面接触
部材8によって、貯槽の底部外壁面3は固着することな
く接触した状態で支承されている。
【0023】上記積層ゴム支承の免震構造体9Aは、例
えば、天然ゴム、クロロプレンゴム、合成樹脂と合成繊
維と合成ゴムの複合材、合成ゴムと鉛などを複合した高
減衰ゴムなどを使用し、それらの薄いゴムシートと鋼板
などの硬質板とを交互に重ねて円柱形状に積層形成す
る。この積層ゴム支承の免震構造体9Aによって、貯槽
1及び貯蔵物の大きな鉛直荷重を支え、かつ縦振動を減
少させるとともに、ゴムと硬質板との間のせん断力、つ
まり摩擦移動する際の減衰力によって水平方向に柔らか
い剛性を有して、水平方向の振動や加速度をも吸収す
る。
【0024】このように積層ゴム支承の免震構造体9A
よりなる免震装置10を支持枠体4下部の水平材7と基
版2との間に設けた支持構造は、積層ゴム支承の免震構
造体9Aよりなる免震装置10によって、基版2と支持
枠体4相互の動きが絶縁され、基版2の垂直方向の振動
エネルギーは積層ゴムの免震構造体9Aで吸収され、か
つ水平材7で平均化されて支持枠体4に伝え難くなる。
そして、支持枠体4に設けた曲面接触部材8によって、
貯槽の底部外壁面3は固着することなく摺動可能に接触
し、固定接続の状態が絶縁されているため、一層振動が
伝わり難くなる。よって、地震時の短周期の振動や加速
度を吸収する免震性能が良くなるため、地震による貯槽
1の垂直方向や水平方向の振動を低減し、耐震性を向上
させた支持構造となる。
【0025】図4は、上記貯槽1の底部外壁面3と上記
一体剛構造に形成した支持枠体4の下部水平材7との間
の複数箇所、及び又は、底部外壁面3の中央下端部13
と地面の基版2との間の一箇所に、すべり支承の制震構
造体9B又はダンパー構造の制震構造体9Cよりなる制
震装置11を設けた場合を示す。なお、貯槽1の底部外
壁面3は、曲面接触部材8によって固着することなく面
接触し、支持枠体4によって支承されている。
【0026】なお、詳細構造は図示省略するが、上記す
べり支承の制震構造体9Bは、円柱体の積層ゴムの中心
部をくり抜いてその内部に円柱状鉛を設けたり、或いは
積層ゴムの外周部に円環状鉛を設けたりして形成し、ま
た、上記ダンパー構造の制震構造体9Cは、粘性体又は
流動体を封入したダンパー構造に形成する。
【0027】上記すべり支承の制震構造体9Bは、水平
方向の大きな変位をおさえとどめ減衰性や復元性を向上
させ、また、上記ダンパー構造の制震構造体9Cは、長
周期の振動や揺れをおさえとどめ振動エネルギーの減衰
吸収を一層大きくする。よって、すべり支承の制震構造
体9B及び又はダンパー構造の制震構造体9Cよりなる
制震装置11を設けた支持構造では、長周期の振動や大
きな加速度を伴う地震によって、支持枠体4から絶縁さ
れている貯槽1自体に大きな揺れなどが生じる場合にお
いても、その長周期の振動や揺れを抑制しかつ減衰する
ため、耐震性をさらに向上させた支持構造となる。
【0028】図5は、一体剛構造に形成した支持枠体4
の下部、下部水平材7と地面の基版2との間に、積層ゴ
ム支承の免震構造体9Aよりなる免震装置10を設ける
とともに、貯槽1の底部外壁面3の中央下端部13と地
面の基版2との間に、すべり支承の制震構造体9B又は
ダンパー構造の制震構造体9Cよりなる制震装置11を
設けた場合を示す。この制震装置11は、上記中央下端
部13から延出した中心軸材14と、この中心軸材14
の下端部に設けた円盤15と、粘性体又はすべり材を内
蔵し円盤15を摺動自在に収容する円筒体16とから形
成し、貯槽1の水平方向の動きを規制するとともに、中
心Oを中心にした回動をも規制するように設ける。
【0029】上記のように免震装置10及び又は制震装
置11を設けた貯槽の支持構造は、基版2と支持枠体4
は積層ゴム支承の免震構造体9Aによって相互の動きが
絶縁され、基版2の垂直方向の振動や短周期の振動エネ
ルギーは積層ゴムの免震構造体9Aよりなる免震装置1
0によって吸収緩和され、かつ水平材7で平均化されて
支持枠体4に伝え難くなる。そして、貯槽1の底部外壁
面3は、曲面接触部材8によって固着することなく接触
しているので、この貯槽1に長周期の振動、大きな揺
れ、水平方向へ移動しようとする変位や荷重を吸収緩和
する。さらに、この貯槽1の水平方向への移動や、中心
Oを中心とする回転方向の力がかかる場合には、すべり
支承の制震構造体9B又はダンパー構造の制震構造体9
Cよりなる制震装置11によって水平移動や回動を規制
し、その動きを減衰緩和する。よって、短周期の振動、
長周期の振動、大きな揺れ、回転運動など、あらゆる動
きを生じる地震や強風などに対して一層強い構造とな
り、貯槽の支持構造の安全性をより向上させることがで
きる。
【0030】なお、図示はしないが、貯槽の外壁面上に
複数本のワイヤやベルトなどの固定部材を、十文字状、
或いは測地線方向に複数本懸け渡してその両端縁を横枠
に固着し、垂直方向の動きを抑えて、より安定化を図る
ように形成してもよい。或いは、貯槽の上部外壁面と横
枠との間にワイヤやベルト、ブレース、成形材などの補
助部材を複数箇所設け、貯槽を横枠に係留する如く固定
して、垂直方向の動きを規制して、より安定性を高める
ようにしてもよい。
【0031】さらに、図示はしないが、貯槽の下部など
に設ける流入配管及び流出配管などの適所には、可撓
管、ジャバラ管、或いは伸縮継手、自在継手などを設け
て、貯槽と配管との間、或いは配管と基礎との間にかか
る垂直方向及び水平方向の振動、変位、荷重などを吸収
緩和するように形成する。
【0032】
【発明の効果】上述の説明で明らかなように、この発明
に係る貯槽の支持構造は、垂直材と横枠とによって一体
剛構造の支持枠体に形成し、この垂直材の横枠に曲面接
触部材を設け、貯槽の湾曲した底部外壁面を固着するこ
となく載置支承したので、製作加工及び構築の際に、垂
直材を固着する外壁面形状に合致するように略楕円形に
切断加工する作業、その溶接作業、焼鈍等熱処理作業、
検査作業などの繁雑で手間を要する作業が不要となり、
高さが低い垂直材によって簡単容易かつ短期間に構築す
ることができる。
【0033】また、上記曲面接触部材の底部曲面材の広
い面積で垂直荷重を受け、貯槽の重量を支持枠体全体に
分散し平均に受けて支承するので、垂直荷重に対して耐
久性に優れた支持構造となるとともに、側部曲面材で水
平荷重を受けて水平方向の動きを規制するように、貯槽
の湾曲した底部外壁面を固着することなく摺動可能に面
接触させた状態で載置したので、地震や強風などによる
振動や揺れに対して、面接触支承部に荷重が集中するこ
となく、かつ摺動し変位や振動などを吸収緩和するの
で、局部的に損傷や破損の心配がなく、水平荷重に対し
ても耐久性が一層向上した支持構造となる。
【0034】また、上記支持枠体の下部と基版との間
に、積層ゴム支承の免震装置を設けた支持構造にあって
は、地震による短周期の振動エネルギーは、積層ゴム支
承の免震構造体で吸収緩和され、振動などを上部垂直材
に伝えることが少ない上に、面接触支承部は固着するこ
となく摺動可能に接触し、固定接続の状態が絶縁されて
いるため、振動が一層伝わり難い支持構造となる。
【0035】さらに、上記貯槽の底部外壁面と上記支持
枠体の下部との間、及び又は上記貯槽の底部外壁面の中
央下端部と基版との間に、すべり支承又はダンパー構造
の制震装置を設けた支持構造にあっては、地震による長
周期の振動エネルギーや大きな揺れが生じる場合でも、
すべり支承又はダンパー構造の制震装置によって抑制さ
れ、かつ減衰緩和されるため、地震や強風などに一層強
い構造となり、安全性をより向上することができる。
【0036】さらにまた、上記支持枠体の下部と基版と
の間に、積層ゴム支承の免震装置を設けるとともに、上
記貯槽の底部外壁面の中央下端部と基版との間に、すべ
り支承又はダンパー構造の制震装置を設けた支持構造に
あっては、基版と支持枠体と貯槽とがそれぞれ絶縁され
て独自の動きをするとともに、免震装置及び制震装置の
双方が共に振動や揺れなどに対して働くので、あらゆる
動きを伴う地震や強風などに対して耐震性を一層向上し
た支持構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る貯槽の支持構造の実施形態例
を示す斜視説明図である。
【図2】 図1の一部を拡大して示す側断面説明図であ
る。
【図3】 この発明に係る貯槽の支持構造の実施形態例
で、免震装置を設けた場合の一部を拡大して示す側断面
説明図である。
【図4】 この発明に係る貯槽の支持構造の実施形態例
で、制震装置を設けた場合の一部を拡大して示す側断面
説明図である。
【図5】 この発明に係る貯槽の支持構造の実施形態例
で、免震装置と制震装置を設けた場合を示す側断面説明
図である。
【図6】 従来の貯槽の支持構造を示す側面説明図であ
る。
【符号の説明】
1 貯槽 2 基版 3 底部外壁面 4 支持枠体 5 垂直材 6 横枠 7 下部水平材 8 曲面接触部材 8A 底部曲面材 8B 側部曲面材 8C 取付部材 9A 積層ゴム支承の免震構造体 9B すべり支承
の制震構造体 9C ダンパー構造の制震構造体 10 免震装置 11 制震装置 13 底部中央下端部 14 中心軸材 15 円盤 16 円筒体 21 球形貯槽 22 基版 23 基礎 24 外壁面 25 脚柱 26 上端部 27 固着部 28 ブレーシン
グ 29 制震装置 O 中心点 L 交点 M 基準点 S1 下方向近傍 S2 上方向近傍

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地面の基版から地上に垂直に設置した低
    位の垂直材と、該垂直材同士の上部を水平方向で連結す
    る横枠とで形成した一体架構の剛構造の支持枠体によっ
    て、湾曲する底部外壁面近傍を支承した貯槽であって、
    この支持枠体の横枠に囲まれた内側に、貯槽の湾曲する
    底部外壁面を収納し、該湾曲した底部外壁面に当接し、
    貯槽の垂直荷重を受けるとともに水平方向の動きを規制
    する大きさの曲面接触部材を、上記支持枠体の横枠に設
    けてなり、上記貯槽の湾曲した底部外壁面を固着するこ
    となく摺動可能に接触させた状態で、貯槽を載置支承す
    るように形成したことを特徴とする貯槽の支持構造。
  2. 【請求項2】 上記支持枠体の下部と上記基版との間
    に、積層ゴム支承の免震装置を設けたことを特徴とする
    請求項1記載の貯槽の支持構造。
  3. 【請求項3】 上記貯槽の底部外壁面と上記支持枠体の
    下部との間、及び又は上記貯槽の底部外壁面の中央下端
    部と上記基版との間に、すべり支承又はダンパー構造の
    制震装置を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載
    の貯槽の支持構造。
JP36625099A 1999-12-24 1999-12-24 貯槽の支持構造 Pending JP2001180797A (ja)

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