JP4703971B2 - エネルギー吸収ブレース制振装置およびエネルギー吸収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物に用いるエネルギー吸収ブレース制振装置およびエネルギー吸収装置に関する。
高層ビル等の建築物においては、地震や風等の水平外力による水平方向の揺れ(振動)の発生が問題となる。建築物の揺れが大きくなると、建築物の変形や倒壊の可能性があるからである。この振動を低減するために、建築物のブレースにエネルギーを吸収するダンパー装置を備えるブレースを建築物に適用する技術が知られている(たとえば、特許文献1等)。
特開2003−343116号公報(図19等)
ところで、ダンパー装置付きのブレースを建築物に適用するには、階の上下の梁と梁または土台、基礎の間にブレースを設置する必要があり、ダンパー装置付きのブレースが大型化し、建築物への施工作業が大変になる。
一方、ダンパー装置を小型化しようとすると、効率のよい制振が困難になる。
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は、建築物に発生する振動を効率良く吸収することができるとともに、建築物への施工が容易なエネルギー吸収ブレース制振装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記のエネルギー吸収ブレース制振装置に用いて適切で効率の良い制振を行うことができるエネルギー吸収装置を提供することにある。
本発明のエネルギー吸収ブレース制振装置は、建築物の骨組を構成する骨組部材間に固定され、該骨組部材間に生じる相対変位を受容可能な変形フレーム部と、平面視矩形の保持部材、該保持部材の長手方向の一方の端部側に、第1の粘弾性体を介して接続される板状の第1の連結部材、および前記保持部材の長手方向の他方の端部側に、前記第1の粘弾性体とはエネルギー吸収特性の異なる第2の粘弾性体を介して前記第1の連結部材と対向し、かつ離隔して接続される板状の第2の連結部材、を有するエネルギー吸収装置と、を備え、前記第1の粘弾性体は前記保持部材および前記第1の連結部材に接着して挟持され、前記第2の粘弾性体は、前記第1の粘弾性体から離隔して前記保持部材および前記第2の連結部材に接着して挟持され、前記第1の連結部材の一部が、前記保持部材の長手方向の一方の端部から外側に突出し、前記第2の連結部材の一部が、前記保持部材の長手方向の他方の端部から外側に突出して前記エネルギー吸収装置の長手方向の両端部を形成し、該両端部が前記変形フレーム部にブレース状に接続されている。
好適には、2つの前記エネルギー吸収装置が前記変形フレームに交差してブレース状に接続されている
好適には、互いに剛接合された複数のフレーム部材からなる剛フレーム部が、さらに前記変形フレーム部と接合されている
本発明のエネルギー吸収ブレース制振装置に使用されるエネルギー吸収装置は、上記の通り、保持部材と、該保持部材に第1の粘弾性体を介して接続される第1の連結部材と、前記保持部材に第2の粘弾性体を介して前記第1の連結部材と対向して接続される第2の連結部材とを有し、前記第1の粘弾性体は前記保持部材および前記第1の連結部材に接着し、前記第2の粘弾性体は前記保持部材および前記第2の連結部材に接着して配置され、前記保持部材の長手方向から引張力または圧縮力が付与されたとき、前記保持部材、前記第1の連結部材および前記第2の連結部材は相対変位し、前記第1の粘弾性体および前記第2の粘弾性体はせん断変形するように構成されている。
好適には、本発明のエネルギー吸収ブレース制振装置に使用されるエネルギー吸収装置は、前記第1の粘弾性体のせん断変形量、前記第2の粘弾性体のせん断変形量、または前記第1および第2の粘弾性体の両方のせん断変形量を一定範囲に規制する変形量規制手段を有する。
本発明の制振装置では、地震時等に建築物に水平外力が作用し振動すると、建築物の骨組部材間に相対変位が発生する。このとき、フレームの剛フレーム部は、変形フレーム部に対しては剛体とみなせるので、剛フレーム部は変形せず、変形フレーム部に振動の変位が集中する。変形フレーム部には、エネルギー吸収ブレースが設けられており、このエネルギー吸収ブレースによって集中する建築物の振動が効率的に吸収される。
本発明のエネルギー吸収装置では、粘弾性特性や形状の異なる第1および第2の粘弾性体によって、周波数や振幅の異なる振動がそれぞれ吸収される。変形量規制手段は、第1および第2の粘弾性体の一方に発生するせん断ひずみ量を一定範囲に規制するため、当該粘弾性体の破壊が防止される。
本発明によれば、建築物に発生する振動を効率良く吸収することができるとともに、建築物への施工が容易な制振装置が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエネルギー吸収ブレース制振装置を建築物の骨組に適用した状態を示す図である。
図1において、制振装置1は、上側フレーム部2、下側フレーム部4および中間フレーム部6から構成されている。
なお、上側フレーム部2、下側フレーム部4および中間フレーム部6は本発明のフレームを構成している。
また、上側フレーム部2および下側フレーム部4は本発明の剛フレーム部と第1および第2のフレーム部の一実施態様であり、中間フレーム部6は本発明の変形フレーム部と第3のフレーム部の一実施態様である。
建築物の骨組100は、土台BSに複数の柱CNが接合金具50によって接合されており、これらの柱CN上に梁BMが接続金具60によって接合されている。柱CN、土台BSおよび梁BMは、たとえば、木質部材によって形成されている。
なお、建築物の骨組100の隣合う柱CN、梁BM、土台BSで囲まれる部分は壁となるが、制振装置1は、この壁に内蔵される。
図2は、制振装置1の構成を説明するための図である。
制振装置1の上側フレーム部2は、フレーム部材FLa、2本のフレーム部材FLbおよびフレームCFLと、2本のブレースBRと、これらのフレームおよびブレース間を接合するための4つの接合板FLPとから構成される。
なお、フレーム部材FLa,FLb,CFLおよびブレースBRは、たとえば、L形綱等の鉄骨によって形成されている。また、接合板FLPは、たとえば、鋼板で形成されている。
フレーム部材FLa,FLb,CFLの端部間と接合板FLPとの間は、溶接によって接合され、フレーム部材FLa,FLb,CFLの端部間は一体化されており、外形が矩形状のフレームを構成している。すなわち、フレームFLa,FLb,CFLの端部間は剛接合されている。
ブレースBRは、水平力に抵抗する筋かいとして用いられ、両端部が接合板FLPに溶接またはボルトによって接合され、接合板FLPに一体化されている。
2本のブレースBRの交差する箇所は、ボルト状のピンBLPによって接合されている。
下側フレーム部4は、上側フレーム部2と同様の構成となっている。
上側フレーム部2および下側フレーム部4のフレーム部材FLaには、梁BMおよび土台BSとフレーム部材FLaを接合するための図1に示すビス70が挿入される挿入穴HLが複数形成されている。フレーム部材FLaの挿入穴HLを通じてビス70を梁BMおよび土台BSにねじ込むことで、上側フレーム部2および下側フレーム部4は、梁BMおよび土台BSにそれぞれ固定される。
中間フレーム部6は、上側フレーム部2および下側フレーム部4と共通のフレーム部材CFL、および、2本のフレーム部材FLdと、2本のエネルギー吸収ブレース20とから構成される。
フレーム部材CFLには、フレーム部材FLdの端部と連結するための連結部CAが一体に形成されており、この連結部CAには、2本のピンPN1,PN2が所定位置に固定されている。
フレーム部材FLdには、フレーム部材CFLの一方のピンPN1が挿入されるピン穴PHLが形成されており、このピン穴PHLにピンPN1が挿入されることにより、フレーム部材FLdとフレーム部材CFLの端部はピンPN1を中心に回転変位可能に連結される。
フレーム部材FLdの両端部を上下のフレーム部材CFLに連結することにより、上側フレーム部2と下側フレーム部4とが鉛直フレーム部材FLdによって連結される。
鉛直フレーム部材FLdは、上側フレーム部2と下側フレーム部4とに回転変位可能に連結されているので、上側フレーム部2および下側フレーム部4とは水平方向に相対変位可能となっている。
エネルギー吸収ブレース20は、筋かいに配置され、上下のフレーム部材CFLの連結部CAにピンPN2を介して連結されている。エネルギー吸収ブレース20の両端部には、ピン穴が形成されており、このピン穴にピンPN2が挿入される。
上側フレーム部2と下側フレーム部4とは相対変位可能となっているが、上側フレーム部2と下側フレーム部4に外力が作用しないときは、エネルギー吸収ブレース20により上側フレーム部2と下側フレーム部4との相対位置は一定に保持される。
上記した上側フレーム部2、下側フレーム部4および中間フレーム部6により構成されるフレームは、図1に示すように、隣合う柱CNの間に設置されるが、柱CNとの間には、柱CNとの干渉の発生を防ぐために、一定のクリアランスCLaを有するようにする。
次に、エネルギー吸収ブレース20の構成について説明する。
なお、エネルギー吸収ブレースは本発明のエネルギー吸収装置の一実施態様である。
図3は、エネルギー吸収ブレース20の構造を示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A’線方向の断面図である。図4は、図3(a)のB−B’線方向の拡大断面図である。
図3(b)に示すように、エネルギー吸収ブレース20は、保持板25と、第1および第2の粘弾性体30A,30Bと、第1および第2の連結板21A,21Bとを有する。 保持板25は本発明の保持部材の一実施態様であり、第1および第2の連結板21A,21Bは本発明の連結部材の一実施態様である。
第1および第2の連結板21A,21Bは、同一形状を有しており、スチールやステンレス等の金属板で形成されている。第1および第2の連結板21A,21Bの一端部には、フレームCFLの連結部CAに設けられたピンPN2が挿入されるピン穴22がそれぞれ形成されている。第2の連結板21Bの一方の面(図3(b)では上方)には、円柱状の突起部材28が長手方向に沿った2箇所に固定されている。突起部材28は、たとえば、ステンレスやスチール等の金属で形成されており、第2の連結板21Bに、たとえば、スポット溶接によって固定されている。
なお、第1の連結板21Aには、突起部材28は設けられていない。
保持板25は、ステンレスやスチール等の金属板で形成されており、第1および第2の粘弾性体30A,30Bが全面的に接着されている。この接着は、たとえば、樹脂を用いて行う。
図4に示すように、保持板25は、長手方向を横切る方向の両端部25eが第1および第2の粘弾性体30A,30B側に折り曲げ加工されている。これは、保持板25の曲げや座屈に対する強度を高めるためである。
保持板25には、第2の連結板21Bに設けられた2つの突起部材28に対応する位置に、当該突起部材28が挿入される円形の挿入穴25Hが形成されている。
この挿入穴25Hは、突起部材28が中心部に挿入された状態において、突起部材28との間に所定のクリアランスCLが形成される直径の穴である。クリアランスCLは、第1の粘弾性体30Aよりも剛性の低い第2の粘弾性体30Bの剛性に応じて設定されている。具体的には、第2の粘弾性体30Bの許容可能な変形量に応じた値となっている。
なお、突起部材28と挿入穴25Hは、本発明の変形量規制手段の一実施形態を構成している。
また、第1および第2の粘弾性体30A,30B、第1および第2の連結板21A,21B、および、保持板25の形状は、目的に応じて変更することができる。たとえば、制御目的とする変形の大きさや周期領域に応じて第1および第2の粘弾性体30A,30Bの形状や特性を決定、変更した場合に、それにあわせて第1および第2の連結板21A,21B、および、保持板25の形状の厚さ、面積等も適宜変更する。また、連結板21A,21Bおよび保持板25を板状部材でなく、角材や筒材を用いることも可能である。
第1および第2の粘弾性体30A,30Bは、粘性物質であって、弾性体の性質をも兼ね備える材料で形成されており、たとえば、高分子材料で形成されている。第1および第2の粘弾性体30A,30Bに用いる粘弾性体の具体的特性としては、例えば、20℃、3Hzでは、せん断弾性係数が5〜25N/cm2 以上、減衰定数が0.30以上好ましくは0.35以上である。
弾性例しては、たとえば、商品名がソフランVEMとして製造されているものが挙げられる。
第1および第2の粘弾性体30A,30Bは、シート状に形成されており、一方の面が全面的に第1および第2の連結板21A,21Bに接着されている。
第1および第2の粘弾性体30A,30Bの第1および第2の連結板21A,21Bへの接着は、たとえば、樹脂を用いて行う。
第1および第2の粘弾性体30A,30Bは、それぞれ異なるエネルギー吸収特性を有している。このエネルギー吸収特性としては、たとえば、等価剛性、等価減衰係数、貯蔵せん断弾性率等である。このエネルギー吸収特性を決定する要素としては、粘弾性体30A,30Bの形成材料自体の特性以外に、形状(厚さと面積)も含まれる。したがって、第1および第2の粘弾性体30A,30Bの形状を適宜決定することによっても第1および第2の粘弾性体30A,30Bのエネルギー吸収特性を異ならせることができる。
第1および第2の粘弾性体30A,30Bのエネルギー吸収特性を異ならせることで、効率良く振動エネルギーを吸収可能し、振幅を低減させることができる。
本実施形態では、第1および第2の粘弾性体30A,30Bの剛性は、第1の粘弾性体30Aの方が第2の粘弾性体30Bよりも大きく、第1の粘弾性体30Aの方が第2の粘弾性体30Bよりも許容可能な変形量が大きいものとする。
エネルギー吸収ブレース20の第1および第2の連結板21A,21Bのピン穴22間に力が作用していないときは、第1および第2の粘弾性体30A,30Bは、図5(a)に示すように、変形していない。
エネルギー吸収ブレース20の両端のピン穴22間において、引張り力あるいは圧縮力が作用すると、第1および第2の連結板21A,21Bと保持板25との間に変位が発生し、図5(b)に示すように、第1および第2の粘弾性体30A,30Bがせん断変形する。この第1および第2の粘弾性体30A,30Bのせん断変形によりエネルギーが吸収される。
また、エネルギー吸収ブレース20は、無負荷状態(図6(a))から大きな圧縮力Fcが作用した場合(図6(b))や、大きな引張力Ftが作用した場合(図6(c))には、第2の連結板21Bに設けられた突起部材28が保持板25に形成された挿入穴25Hに接触し、第2の連結板21Bと保持板25との相対変位が規制される。
大きな圧縮力Fcが作用した場合には、図6(b)に示すように、粘弾性体30A,30Bにせん断変形が生じて第1および第2の連結板21A,21Bが互いに接近する向きに相対変位し、大きな引張力Ftが作用した場合には、図6(c)に示すように、粘弾性体30A,30Bにせん断変形が生じて第1および第2の連結板21A,21Bが互いに離隔する向きに相対変位する。
第2の連結板21Bと保持板25との相対変位が規制されると、第2の粘弾性体30Bに発生するせん断変形量がクリアランスCLで規定される量(第2の粘弾性体30Bが許容可能なせん断変形量)に制限される。このため、第2の粘弾性体30Bのせん断変形量が過大となりすぎて、第2の粘弾性体30Bが破壊することを防ぐことができる。
突起部材28が保持板25に形成された挿入穴25Hに接触し、第2の連結板21Bと保持板25との相対変位が制限されたとしても、第1の粘弾性体30Aは変形可能であり、第1の粘弾性体30Aのみによりエネルギーが吸収されることになる。
本実施形態では、第2の連結板21Bと保持板25との相対変位が規制されるまでは、第1および第2の粘弾性体30A,30Bの双方により振動エネルギーを吸収するので、効率のよいエネルギー吸収が可能となる。
また、エネルギー吸収ブレース20に異なるエネルギー吸収特性の第1および第2の粘弾性体30A,30Bを備えることにより、幅広い範囲の振幅や周波数の振動を吸収できる。
さらに、第2の粘弾性体30Bのせん断変形量が所定の範囲を越える場合には、第2の連結板21Bと保持板25との相対変位の規制により第2の粘弾性体30Bの破壊を防ぎつつ、第1の粘弾性体30Aによってエネルギーの吸収を継続することができる。
次に、上記構成のエネルギー吸収ブレース20を備える制振装置1の作用について説明する。
建築物が地震等により振動すると、建築物に水平力が作用し、図7に示すように、柱CNに横揺れが発生し、梁BMと土台BSとの間に相対変位が発生する。なお、建築物が地震等により振動すると土台BSも変位するが、図7では梁BMと土台BS間の相対変位のみを示している。
梁BMと土台BSとの間に相対変位が発生すると、制振装置1のフレームが変形し、梁BMと土台BS間の変位を有効に吸収する。
制振装置1の上側フレーム部2および下側フレーム部4は、フレーム部材FLa,FLb,CFLおよびブレースBR間が剛接合されていることから、中間フレーム部6と比較して剛体とみなせる。このため、上側フレーム部2および下側フレーム部4は変形せず、中間フレーム部6のみが変形する。
したがって、制振装置1のフレームの変形は、全て中間フレーム部6に集中する。この変形による力は、2本のエネルギー吸収ブレース20に圧縮力および引張り力として作用し、上記した第1および第2の粘弾性体30A,30Bにせん断変形が発生する。
この結果、建築物に作用する振動エネルギーが中間フレーム部6で吸収され、建築物(柱CN)の変形が抑制される。
本実施形態では、建築物に発生する振動を制振装置1の中間フレーム部6に集中させ、この中間フレーム部6においてエネルギー吸収ブレース20により振動エネルギーを吸収することにより、効率良く建築物の振動を抑制することができる。
また、本実施形態では、エネルギー吸収ブレース20を中間フレーム部6にのみ設けるため、エネルギー吸収ブレース20自体のサイズを小型化することができる。
さらに、制振装置1の上側フレーム部2、下側フレーム部4および中間フレーム部6は一体のフレームを構成しており、このフレームを建築物の壁として施工すればよいので、建築物への施工作業が非常に容易となる。
なお、本実施形態に係る制振装置1では、上側フレーム部2、下側フレーム部4および中間フレーム部6で構成されるフレームは同一面内に配置されているが、発生する振動等の条件によっては、当該同一面外に向かう変形が発生する可能性がある。この面外変形を防止するには、たとえば、上側フレーム部2の下部および下側フレーム部4の上部に水平部材を配置し、この水平部材によってフレームの面外変形を防止する方法や、壁面全体に平板部材を設けてフレームの面外変形を防止する方法や、上側フレーム部および下側フレーム部4を梁BMおよび土台BSに強固に固定することによりフレームの面外変形を防止する方法等が挙げられる。
本発明は上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、本発明の変形量規制手段として突起部材28と挿入穴25Hの場合について説明したが、これ以外の構造によって変形量規制手段を構成してもよい。
また、上述した実施形態では、第2の粘弾性体30Bの側に本発明の変形量規制手段を設けた場合について説明したが、第2の粘弾性体30B側ではなく第1の粘弾性体30A側に設けてもよい。また、第1および第2の粘弾性体30A,30Bの両方に変形量規制手段を設ける構成とすることも可能である。
また、上述した実施形態では、本発明のエネルギー吸収装置としてエネルギー吸収ブレース20を例に挙げて説明したが、本発明のエネルギー吸収装置はブレース以外としても使用可能である。
たとえば、フレームを用いずに、建築物の骨組にエネルギー吸収ブレース20を直接適用することもできる。また、エネルギー吸収ブレース20を建築物の床面に水平に配置して利用することもできる。
また、上述した実施形態では、制振装置1のフレームに本発明の剛フレーム部としての上側フレーム部2および下側フレーム部4を備える場合について説明したが、制振装置1のフレームを本発明の変形フレーム部としての中間フレーム部6のみで構成することも可能である。この場合には、中間フレーム部6の鉛直フレーム部材FLdを延長し、上下のフレーム部材CFLを梁BMおよび土台BSに直接固定する構成とすればよい。
また、上側フレーム部2および下側フレーム部4の一方を除いて、制振装置1のフレームを中間フレーム部6と、上側フレーム部2または下側フレーム部4とで構成することも可能である。この場合には、中間フレーム部6の上下のフレーム部材CFLの一方を梁BMまたは土台BSに固定する構成とすればよい。
本発明の一実施形態に係るエネルギー吸収ブレース制振装置を建築物の骨組に適用した状態を示す図である。 制振装置の構成を説明するための図である。 エネルギー吸収ブレースの構造を示す図である。 図3(a)のB−B線方向の断面図である。 粘弾性体に発生するせん断変形を説明するあための図である。 エネルギー吸収ブレースの変形量規制手段の作用を説明するための図である。 制振装置が適用された建築物に振動が作用した状態を示す概略図である。
符号の説明
1…制振装置
2…上側フレーム部(剛フレーム部、第1のフレーム部)
4…下側フレーム部(剛フレーム部、第2のフレーム部)
6…中間フレーム部(変形フレーム部、第3のフレーム部)
BM…梁
CN…柱
BS…土台
20…エネルギー吸収ブレース
21A,21B…第1および第2の連結板(第1および第2の連結部材)
25…保持板(保持部材)
25H…挿入穴
28…突起部材
30A,30B…第1および第2の粘弾性体

Claims (4)

  1. 建築物に用いるエネルギー吸収ブレース制振装置であって、
    前記建築物の骨組を構成する骨組部材間に固定され、該骨組部材間に生じる相対変位を受容可能な変形フレーム部と、
    平面視矩形の保持部材、該保持部材の長手方向の一方の端部側に、第1の粘弾性体を介して接続される板状の第1の連結部材、および前記保持部材の長手方向の他方の端部側に、前記第1の粘弾性体とはエネルギー吸収特性の異なる第2の粘弾性体を介して前記第1の連結部材と対向し、かつ離隔して接続される板状の第2の連結部材、を有するエネルギー吸収装置と、を備え、
    前記第1の粘弾性体は前記保持部材および前記第1の連結部材に接着して挟持され、前記第2の粘弾性体は、前記第1の粘弾性体から離隔して前記保持部材および前記第2の連結部材に接着して挟持され、
    前記第1の連結部材の一部が、前記保持部材の長手方向の一方の端部から外側に突出し、前記第2の連結部材の一部が、前記保持部材の長手方向の他方の端部から外側に突出して前記エネルギー吸収装置の長手方向の両端部を形成し、
    両端部が前記変形フレーム部にブレース状に接続されている、
    エネルギー吸収ブレース制振装置。
  2. 2つの前記エネルギー吸収装置が前記変形フレームに交差してブレース状に接続されている、
    請求項1記載のエネルギー吸収ブレース制振装置。
  3. 互いに剛接合された複数のフレーム部材からなる剛フレーム部が、さらに前記変形フレーム部と接合されている、
    請求項1または2に記載のエネルギー吸収ブレース制振装置。
  4. 前記エネルギー吸収ブレース制振装置は前記建築物の壁に内蔵される、
    請求項に記載のエネルギー吸収ブレース制振装置。
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