JPH10252081A - 制振構造物 - Google Patents
制振構造物Info
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- JPH10252081A JPH10252081A JP5950397A JP5950397A JPH10252081A JP H10252081 A JPH10252081 A JP H10252081A JP 5950397 A JP5950397 A JP 5950397A JP 5950397 A JP5950397 A JP 5950397A JP H10252081 A JPH10252081 A JP H10252081A
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Abstract
とともに、地震時において上部構造体の安全性が保たれ
るような制振構造物を提供する。 【解決手段】 地盤11中に構築される下部構造体15
と、下部構造体15により支持された上部構造体16と
を備えた制振構造物13において、下部構造体15を、
地盤11の一部を固結させることにより地盤11中に形
成された地盤改良体19を備えた構成とし、地盤改良体
19と上部構造体16との間に、地盤改良体19から上
部構造体16への振動の伝達を抑制するための免震装置
22を介装した。
Description
応答を抑制するための機構を備え、特に軟弱地盤上に構
築されて好適な制振構造物に関するものである。
築するための基礎工法としては、近年、種々のものが実
現しており、その一例としては、図6に示すように構造
物1を地盤2上に構築する工法が知られている。
に構築された下部構造体3と、下部構造体3によって支
持された上部構造体4とを備えて構成されている。下部
構造体4は、地盤2中の支持地盤6上に位置する表層地
盤7の一部を、深礎混合処理等を施して固結させること
によって形成された地盤改良体8と、支持地盤6に少な
くともその下端が到達するように、表層地盤7中に打設
された基礎杭9,9,…とから構成されている。図6
(b)は、下部構造体3の水平断面を示す図である、図
中に示すように地盤改良体8は、表層地盤7中の上部構
造体4の下方の中心付近に形成されており、その周囲
に、基礎杭9,9,…が打設された構成とされている。
は、地盤改良体8により、表層地盤7の地震時の変形や
経年的な変形を抑制でき、これにより基礎杭9に対して
作用する応力を低減して、構造物1の安定化を図ること
が可能となる。
ては、地盤2の変形を抑制する目的で地盤改良体8が形
成されているが、これにより、上部構造体4が、地盤改
良体8を介して連結される構成となり、地震時には、上
部構造体4の振動応答が抑制されず、上部構造体4の安
全性を保つことが困難となっていた。
の変形を抑制してその安定性を保つとともに、地震時に
おいて上部構造体の安全性が保たれるような制振構造物
を提供することをその目的とする。
課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわ
ち、請求項1記載の制振構造物は、地盤中に構築される
下部構造体と、該下部構造体により支持された上部構造
体とを備えてなり、前記下部構造体は、該地盤の一部を
固結させることにより前記地盤中に形成された地盤改良
体を備えて構成され、該地盤改良体と前記上部構造体と
の間には、該地盤改良体から該上部構造体への振動の伝
達を抑制するための免震装置が介装されていることを特
徴とする。
して形成された地盤改良体が、地盤の変形を抑制すると
ともに、地震時には、免震装置が上部構造体の安全を保
つ。
載の制振構造物であって、前記下部構造体は、基礎杭を
備えて構成され、該基礎杭は、水平方向の変位を許容す
るように、前記上部構造体を支持していることを特徴と
する。
一部に基礎杭が用いられることにより、地盤が軟弱地盤
である場合においても、上部構造体の下方の地盤の全て
を改良する必要がない。また、地震時に、構造物に水平
応力が作用した場合には、基礎杭と上部構造体との水平
変位が許容されることにより、基礎杭を介しての地盤か
ら上部構造体への水平振動の伝達が抑制されることとな
る。
載の制振構造物であって、前記地盤改良体は、前記上部
構造体の下方を平面視した場合に、その一定領域に形成
され、前記基礎杭は、該地盤改良体の周囲に打設されて
いることを特徴とする。
改良体の周囲に打設されることにより、基礎杭に対する
地盤変形による外部応力の作用が抑制される。
ら3のいずれかに記載された記載の制振構造物であっ
て、前記免震装置は、積層ゴムと前記上部構造体の振動
を吸収するためのダンパーとを備えて構成されているこ
とを特徴とする。
力が作用した場合に、積層ゴムが上部構造体と地盤改良
体と間のアイソレーターの役割を果たし、これにより、
地盤改良体からの上部構造体への振動の伝達が抑制され
る。また、上部構造体に振動が伝達された場合には、そ
の振動エネルギーが上記ダンパーにより減衰されること
となる。
図面に基づいて説明する。図1は、地盤11に構築され
た制振構造物13を示す図である。制振構造物13は、
地中に構築された下部構造体15と、下部構造体15に
よって支持された上部構造体16とを備えて構成されて
いる。
18上に形成された地盤改良体19と、地盤改良体19
の周囲に打設された基礎杭20,20,…とを備えて構
成される。地盤改良体19は、支持地盤18上に位置す
る表層地盤21に、石灰またはセメントなどの安定材を
混合し、さらに、これらを攪拌することによって、表層
地盤21の一部を固結させて形成したものである。また
基礎杭20は、その先端20aが、支持地盤18に到達
するように、表層地盤21中に打設されている。
の間には、免震装置22,22,…が、基礎杭20の頭
部20bと上部構造体16との間には、滑り支承23,
23,…が、それぞれ介装されている。したがって、上
部構造体16は、これら免震装置22および滑り支承2
3を介して、下部構造体15から支持されることとな
る。
た図である。図2に示すように、地盤改良体19は、上
部構造体16の下方の中心付近の一定領域に形成されて
おり、基礎杭20,20,…は地盤改良体19の周囲に
打設されている。
である。免震装置22は、積層ゴム24と積層ゴム24
に内蔵された鉛プラグからなる図示しないダンパーとか
ら構成されている。また、図中に示すように、免震装置
22は、その下端22aが、地盤改良体19上に打設さ
れたコンクリート25に対して、アンカーボルト26に
より固定されるともに、その上端22bが、支持台28
に対して、同様にアンカーボルト26により固定されて
いる。これにより、免震装置22は、支持台28を介し
て上部構造体13の基礎梁29を支持する構成とされて
いる。
である。図中に示すように、滑り支承23は、基礎杭2
0,20の頭部20b,20bに固定されたコンクリー
ト板31と、上部構造体16の基礎梁29の下方に配置
された支持台32との間に設けられたものであり、コン
クリート板31の表面に固定された鉄板33と、支持台
32の下面に固定された四フッ化エチレン樹脂からなる
樹脂層36とから構成されている。鉄板33と樹脂層3
6との間は、固定されることなく、単に滑り面37にお
いて当接する構成とされている。
が、次に地震時における制振構造物13の作用について
説明する。上述のように、上部構造体16は、地盤改良
体19からは免震装置22,22,…を介して、基礎杭
20,20,…からは、滑り支承23,23,…を介し
て支持された構成とされている。これにより、地震時に
おいて、地盤11が水平方向に振動した場合には、免震
装置22の積層ゴム24が水平方向に変形するととも
に、滑り支承23においては、鉄板33と樹脂層36と
の間の滑り面37において滑りが発生することとなり、
これにより地盤改良体19および基礎杭20,20,…
を介しての地盤11から上部構造体16への振動の伝達
が抑制されることになる。さらに、上部構造体16に伝
達した振動は、積層ゴム24に内蔵された鉛プラグから
なるダンパーが塑性変形することによって、吸収される
ことになる。
表層地盤21の変形が抑えられ、制振構造物13の安全
が保たれることとなる。また、地盤改良体19の周囲の
表層地盤21が局所的に変形したとしても、基礎杭20
と上部構造体16との間に介装された滑り支承23にお
いて滑りが生じるため、基礎杭20に過大な応力が発生
することがない。
ては、表層地盤21を固結させることによって地盤改良
体19が形成されるため、表層地盤21が軟弱地盤であ
る場合にも、その地震時の変形や経年的な変形が抑制さ
れ、したがって、制振構造物13の安全性が保たれるこ
ととなる。特に、地震時においては、地盤改良体19と
上部構造体16との間に介装された免震装置22によっ
て、地盤改良体19を介しての地盤11からの振動の伝
達が抑制され、これにより上部構造体16の安全が保た
れる。
体19とともに基礎杭20,20,…が用いられるた
め、上部構造体16の下方の表層地盤21の全てを改良
する必要がなくなる。さらに、これら基礎杭20,2
0,…は、滑り支承23,23,…を介して上部構造体
16を支持する構成とされているため、地震時において
は、地盤11から上部構造体16へ振動を伝達すること
がないだけでなく、免震装置22の働きを妨げることも
ない。さらに、基礎杭20,20,…は、平常時には、
上部構造体16による鉛直方向の荷重を、免震装置2
2,22,…と分担して支持する働きをすることから、
基礎杭20,20,…を滑り支承23,23,…ととも
に設けることによって、免震装置22の数を減らすこと
ができ、これによりコストの低減化を図ることが可能と
なる。また、上部構造体16と基礎杭20,20,…と
の間に滑り支承23が設けられるために、表層地盤21
が局所的に変形した場合においても、基礎杭20,2
0,…には過大な応力が作用せず、これにより下部構造
体15の健全性が保たれることとなる。したがって、制
振構造物13の安全性が向上する。
20,20,…が地盤改良体19の周囲に打設される構
成とされるため、基礎杭20,20,…の近傍において
表層地盤21が変形する可能性が少なく、したがって、
下部構造体15の安全性が保たれることとなる。
もに、鉛プラグからなる図示しないダンパーを備えてい
るため、上部構造体16が振動した場合においても、そ
の振動エネルギーが、ダンパーによって吸収され、これ
により上部構造体16の地震時の安全性が保たれること
となる。
が、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、
制振構造物13の各部の構造や材質等について、他のい
かなる構成を採用するようにしてもよい。
は、上記のようなものである必要はなく、図5に示すよ
うなものであっても構わない。図5は、滑り支承23
を、コンクリート板31上に形成されたならしコンクリ
ート層38と、上部構造体16の床スラブ40の下面に
配置された四フッ化エチレン樹脂からなる樹脂層36と
によって形成した場合の例である。ならしコンクリート
層38は、その樹脂層36との接触面38aが、平面的
に均されており、地震時には、この接触面38aにおい
て、樹脂層36との間に滑りが発生し、基礎杭20と上
部構造体16との水平方向の相対変位が許容されること
となる。
振構造物においては、上部構造体を支持する下部構造体
が、地盤の一部を固結させて形成した地盤改良体からな
るとともに、地盤改良体と上部構造体との間に免震装置
が介装された構成とされている。したがって、地盤改良
体により、地盤の地震時の変形や経年的な変形が抑制さ
れ、安全性が保たれる。また、それだけでなく、特に地
震時においては、免震装置によって、地盤から上部構造
体への振動の伝達が抑制されることとなり、これにより
上部構造体の安全が保たれることとなる。
部構造体は、地盤改良体とともに基礎杭を備えて構成さ
れており、地盤が軟弱地盤である場合にも、基礎杭を支
持地盤まで打設することにより、上部構造体の下方の地
盤を全て改良することなく上部構造体を安定的に支持す
ることが可能である。また、基礎杭は、上部構造体の水
平方向の変位を許容するように上部構造体を支持する構
成とされている。これにより、地震時においては、基礎
杭から上部構造体への振動が伝達されることがないだけ
でなく、基礎杭によって、免震装置の働きが妨げられる
こともない。さらに、基礎杭は、平常時には、上部構造
体による鉛直方向の荷重を、免震装置と分担して支持す
る働きをすることから、上記のような基礎杭を設けるこ
とによって、免震装置の数を減らすことができ、これに
より請求項1に係る発明のコストの低減化を図ることが
可能となる。さらに、基礎杭は上部構造体との水平方向
の相対変位を許容するように上部構造体を支持すること
から、地盤が局所的に変形した場合においても、基礎杭
に過大な応力が作用することがなく、下部構造体の健全
性が保たれる。
礎杭が地盤改良体の周囲に打設される構成とされるた
め、基礎杭の近傍において、地盤の変形が地盤改良体に
より抑制されることとなり、これにより、下部構造体の
安全性が保たれることとなる。
震装置が積層ゴムとダンパーとを備えた構成とされてい
るため、上部構造体の振動エネルギーが、ダンパーによ
って吸収され、上部構造体の地震時の安全性が保たれる
こととなる。
造物の立断面図である。
の平断面図である。
詳細を示すための立断面図である。
造体と連結部分に介装された滑り支承に係る詳細を示す
ための立断面図である。
立断面図である。
(a)は、構造物の立断面図、(b)は、構造物の下部
構造体の平断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 地盤中に構築される下部構造体と、該下
部構造体により支持された上部構造体とを備えてなり、 前記下部構造体は、該地盤の一部を固結させることによ
り前記地盤中に形成された地盤改良体を備えて構成さ
れ、 該地盤改良体と前記上部構造体との間には、該地盤改良
体から該上部構造体への振動の伝達を抑制するための免
震装置が介装されていることを特徴とする制振構造物。 - 【請求項2】 請求項1記載の構造物であって、 前記下部構造体は、基礎杭を備えて構成され、該基礎杭
は、水平方向の変位を許容するように、前記上部構造体
を支持していることを特徴とする制振構造物。 - 【請求項3】 請求項2記載の構造物であって、 前記地盤改良体は、前記上部構造体の下方を平面視した
場合に、その一定領域に形成され、前記基礎杭は、該地
盤改良体の周囲に打設されていることを特徴とする制振
構造物。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載された
記載の構造物であって、 前記免震装置は、積層ゴムと前記上部構造体の振動を吸
収するためのダンパーとを備えて構成されていることを
特徴とする制振構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05950397A JP3677696B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 制振構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10252081A true JPH10252081A (ja) | 1998-09-22 |
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002047668A (ja) * | 2000-08-01 | 2002-02-15 | Takenaka Komuten Co Ltd | 建て替え時に既存杭を再利用する工法及び既存杭を再利用した建物構造 |
JP2003096796A (ja) * | 2001-09-21 | 2003-04-03 | Tenox Corp | 構造物の基礎構造 |
CN102031789A (zh) * | 2010-12-15 | 2011-04-27 | 哈尔滨工程大学 | 一种承台与桩的柔性连接结构 |
JP2011106103A (ja) * | 2009-11-13 | 2011-06-02 | Ohbayashi Corp | 免震構造 |
JP2015010435A (ja) * | 2013-07-01 | 2015-01-19 | 株式会社竹中工務店 | 基礎構造及び基礎構造の設計方法 |
-
1997
- 1997-03-13 JP JP05950397A patent/JP3677696B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002047668A (ja) * | 2000-08-01 | 2002-02-15 | Takenaka Komuten Co Ltd | 建て替え時に既存杭を再利用する工法及び既存杭を再利用した建物構造 |
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JP4707287B2 (ja) * | 2001-09-21 | 2011-06-22 | 株式会社テノックス | 構造物の基礎構造 |
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