JPH11124864A - 杭の免震構造 - Google Patents
杭の免震構造Info
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- JPH11124864A JPH11124864A JP30921297A JP30921297A JPH11124864A JP H11124864 A JPH11124864 A JP H11124864A JP 30921297 A JP30921297 A JP 30921297A JP 30921297 A JP30921297 A JP 30921297A JP H11124864 A JPH11124864 A JP H11124864A
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Abstract
杭頭での破壊を防止する。 【解決手段】本発明に係る杭の免震構造は、上部構造物
1を杭2で支持するとともに、水平力抵抗部材としての
管体3を、その内部に杭2が貫通するようにして上部構
造物1の下面に突設し地盤4内に埋設してある。管体3
は、上部構造物1からの地震時水平力を受けて変形する
際、該上部構造物の振動エネルギーを吸収できるよう、
履歴減衰型の材料、例えば極軟鋼で形成しておくのがよ
い。管体3と杭2との隙間には、同図(b)でよくわかる
ように弾性材としてのゴム体5を充填してある。
Description
免震構造に関する。
あり、前者は、良質な支持層が地下深くにある場合に該
支持層まで打ち込んだ杭の上に上部構造物を構築するこ
とによって、構造物重量を支持層で安定支持する形式で
あり、後者は、良質な支持層がない場合に周辺地盤との
摩擦力によって上部構造物を支持する形式の基礎形式で
ある。
対して比較的弱点を持ちやすく、地震時には、上部構造
物からの水平力によって杭頭に大きなせん断力や曲げモ
ーメントが作用する。そのため、杭の設計にあたって
は、地震荷重について十分な検討が行われる。
造物がきわめて大きな地震に遭遇した場合には、杭頭に
過大なせん断力や曲げモーメントが作用し、杭の破壊ひ
いては上部構造物の倒壊といった不測の事態を招くおそ
れがある。
たもので、上部構造物からの水平力による杭の破壊、特
に杭頭での破壊を防止することが可能な杭の免震構造を
提供することを目的とする。
め、本発明に係る杭の免震構造は請求項1に記載したよ
うに、上部構造物を所定の杭で支持するとともに、前記
上部構造物の下面に水平力抵抗部材を突設して地盤内に
埋設したものである。
水平力抵抗部材をエネルギー吸収可能に構成したもので
ある。
水平力抵抗部材を管体で構成するとともに、前記管体を
その内部に前記杭が貫通するように該管体を配置したも
のである。
管体と前記杭との隙間に弾性材を介在させたものであ
る。
杭と前記上部構造物との間に免震支承を介在させたもの
である。
部構造物からの鉛直荷重は所定の杭が支持するが、地震
時における上部構造物からの水平力は、所定の杭と該上
部構造物の下面に突設された水平力抵抗部材とにそれら
の剛性比に応じて分配され、水平力抵抗部材に分配され
た水平力は、周辺の地盤へと伝達される。
する杭の頭部には、該上部構造物からの水平力がその一
部しか伝達されず、杭頭での破損、ひいては上部構造物
への被害といった事態が未然に防止される。
任意であるが、該水平力抵抗部材をエネルギー吸収可能
に構成したならば、上部構造物の振動エネルギーを吸収
して地震による揺れを速やかに減衰させることができ
る。エネルギー吸収可能とするには、極軟鋼などの履歴
減衰型材料を用いて水平力抵抗部材を形成する、通常の
鋼に多数のスリットを設けてエネルギーを吸収しやすい
ように構成するといった方法が考えられる。
ついても任意であるが、前記水平力抵抗部材を管体で構
成するとともに、前記管体をその内部に前記杭が貫通す
るように該管体を配置したならば、杭と水平力抵抗部材
の施工場所が共通となり、施工コストの低減を図ること
が可能となる。
る場合、その隙間をそのまま放置しておいてもよいが、
該隙間に弾性材を介在させたならば、杭に伝達された水
平力を該弾性材を介して周囲の管体、さらには地盤へと
逃がすことができるので、杭の水平力に対する負担を軽
減することができる。弾性材やその使用形態としては、
上述した隙間にコイルバネを放射状に複数配置する、エ
アクッションやゴムシートを挟み込む、ゴム体やスポン
ジ体を充填するといったことが考えられる。
で杭と水平力抵抗材に伝達されるかは、水平変形に対す
るそれらの剛性比に依存するが、杭と上部構造物との間
に免震支承を介在させたならば、上部構造物からの水平
力をほとんどすべて水平力抵抗部材に流すことができる
ので、杭は鉛直荷重支持用、水平力抵抗部材は水平荷重
負担用という役割分担が可能となる。免震支承は、要す
るに上部構造物からの水平力が実質的に杭に伝達しない
支承形式であればよく、具体的には、積層ゴム支承や滑
り支承あるいはベアリング支承などが考えられる。
の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一
の符号を付してその説明を省略する。
示した全体側面図である。同図でわかるように、本実施
形態に係る杭の免震構造は、上部構造物1を杭2で支持
するとともに、水平力抵抗部材としての管体3を、その
内部に杭2が貫通するようにして上部構造物1の下面に
突設し地盤4内に埋設してある。
力を受けて変形する際、該上部構造物の振動エネルギー
を吸収できるよう、履歴減衰型の材料、例えば極軟鋼で
形成しておくのがよい。なお、管体3は、上部構造物1
からの地震時水平力ができるだけ該管体に流れるよう、
その肉厚を厚くして管体自体の剛性を大きくする、管径
をある程度大きくして地盤からの受動抵抗を大きくする
等の方法で、杭2の水平剛性よりも十分大きな水平剛性
を確保しておく。
くわかるように弾性材としてのゴム体5を充填してあ
る。
には、まず、管体3を地盤4に打ち込み、しかる後に該
管体内の土砂を掘削排土する。次に、管体3に貫通され
るようにしてその内部に杭2を打ち込む。杭2の打込み
が終了したならば、該杭2と管体3との間にゴム体5を
充填する。
は、上部構造物1からの鉛直荷重は、通常時であれ地震
時であれ杭2が支持するが、地震時における上部構造物
1からの水平力Pは、図2に示すように、杭2と該上部
構造物の下面に突設された管体3とにそれらの剛性比に
応じてそれぞれP2、P1に分配され、管体3に分配され
た水平力P1は、周辺の地盤4へと伝達される。
は、ゴム体5に取り囲まれた部分については、該ゴム体
を介してΔPだけ管体3、さらには地盤4へと伝達され
る。そして、管体3及びゴム体5の下縁においては、P
2−ΔPの水平力が作用する。
の免震構造によれば、上部構造物1を支持する杭2とは
別に水平抵抗部材としての管体3を該上部構造物の下面
に突設して地盤内に埋設するようにしたので、地震時に
おいては、上部構造物1からの水平力の一部を管体3に
逃がすことができる。
性をある程度大きくしておけば、上部構造物1から杭2
に作用する水平力を大幅に低減することが可能となり、
かくして、杭頭での破損、ひいては上部構造物1への被
害といった事態を未然に防止することが可能となる。ま
た、杭2の断面が地震時水平荷重で決まるような場合に
おいては、水平力負担が小さくなる分、杭2の断面寸法
を小さくすることが可能となる。
材としての管体3をエネルギー吸収可能に構成したの
で、上部構造物1の振動エネルギーを吸収して地震によ
る揺れを速やかに減衰させることができる。
材である管体3を杭2の周囲に配置したので、杭2と管
体3の施工場所が共通となり、施工コストの低減を図る
ことが可能となる。
との間に生じている隙間に弾性材であるゴム体5を充填
するようにしたので、杭2に伝達された水平力を該ゴム
体を介して周囲の管体3、さらには地盤4へと逃がすこ
とが可能となり、杭2の水平力に対する負担を軽減する
ことができる。
で形成するようにしたが、かかる履歴減衰をあまりとれ
ない通常の鋼であっても、図3に示すようなスリット2
2を形成した管体21とすれば、上部構造物1の振動エ
ネルギーをスリット22の変形によって吸収し、該上部
構造物の揺れを速やかに減衰させることが可能となる。
ある管体3を、その内側に杭2が貫通するように該管体
を配置したが、必ずしも杭2が貫通するように管体3を
配置する必要はなく、図4に示すように、杭2と管体3
とを別々の場所に設置するようにしてもよい。かかる構
成によっても、上部構造物1からの水平力の一部を管体
3に流して杭2の頭部破損を防止することができる点に
ついては上述したとほぼ同様である。
管状に構成する必要はなく、要するに、地震時水平力を
地盤4に伝達できるように構成すればよい。図5は、か
かる変形例を示したものであり、同図に示す水平抵抗部
材31は、鋼板を十字断面となるように溶接等で組み立
てて構成してある。
間に生じた隙間に弾性材であるゴム体を充填するように
したが、かかるゴム体に代えて上述の隙間にコイルバネ
を放射状に複数配置する、エアクッションを挟み込むな
どの方法を採用してもよいし、かかる隙間を図6に示す
ようにそのまま放置してもよい。
間に隙間を設けるようにしたが、隙間を設けずとも、こ
れら管体3と杭2との剛性比に応じて上部構造物1から
の水平力が両者に分配される点については上述したと同
様であり、杭頭の破損を未然に防止できることに変わり
はない。
らの水平力がどのような割合で杭2と水平力抵抗材であ
る管体3に伝達されるかは、それらの水平方向剛性比に
依存するが、ここで、図7に示すように、杭2と上部構
造物1との間に免震支承としての積層ゴム支承41を介
在させたならば、上部構造物1からの水平力をほとんど
すべて水平力抵抗部材である管体3に流すことができる
ので、杭2は鉛直荷重支持用、管体3は水平荷重負担用
という役割分担が可能となり、杭2の杭頭での破損をほ
ぼ確実に防止することができる。
明の杭の免震構造によれば、地震時において、上部構造
物からの水平力の一部を水平力抵抗部材に逃がすことが
可能となる。そのため、上部構造物から杭に作用する水
平力を低減し、杭頭での破損、ひいては上部構造物への
被害といった事態を未然に防止することが可能となる。
造によれば、上部構造物の振動エネルギーを吸収して地
震による揺れを速やかに減衰させることができるという
効果も奏する。
造によれば、杭と水平力抵抗部材との施工場所が共通と
なり、施工コストの低減を図ることが可能となるという
効果も奏する。
造によれば、杭に伝達された水平力を弾性材を介して周
囲の水平力抵抗部材、さらには地盤へと逃がすことが可
能となり、杭の水平力に対する負担を軽減することがで
きるという効果も奏する。
造によれば、上部構造物からの水平力をほとんどすべて
水平力抵抗部材に流すことが可能となり、杭頭での破損
をほぼ確実に防止することができるという効果も奏す
る。
(a)は側面図、(b)はA―A線に沿う水平詳細断面図。
詳細側面図。
り、一部が断面表示された詳細側面図。
(a)は全体側面図、(b)はB―B線に沿う水平断面図。
り、(a)は全体側面図、(b)はC―C線に沿う水平断面
図。
面図。
面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 上部構造物を所定の杭で支持するととも
に、前記上部構造物の下面に水平力抵抗部材を突設して
地盤内に埋設したことを特徴とする杭の免震構造。 - 【請求項2】 前記水平力抵抗部材をエネルギー吸収可
能に構成した請求項1記載の杭の免震構造。 - 【請求項3】 前記水平力抵抗部材を管体で構成すると
ともに、前記管体をその内部に前記杭が貫通するように
該管体を配置した請求項1記載の杭の免震構造。 - 【請求項4】 前記管体と前記杭との隙間に弾性材を介
在させた請求項3記載の杭の免震構造。 - 【請求項5】 前記杭と前記上部構造物との間に免震支
承を介在させた請求項1記載の杭の免震構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30921297A JP3575733B2 (ja) | 1997-10-23 | 1997-10-23 | 杭の免震構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30921297A JP3575733B2 (ja) | 1997-10-23 | 1997-10-23 | 杭の免震構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11124864A true JPH11124864A (ja) | 1999-05-11 |
JP3575733B2 JP3575733B2 (ja) | 2004-10-13 |
Family
ID=17990286
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30921297A Expired - Fee Related JP3575733B2 (ja) | 1997-10-23 | 1997-10-23 | 杭の免震構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3575733B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101081566B1 (ko) * | 2011-04-22 | 2011-11-08 | 메트로티엔씨 주식회사 | 면진 장치를 이용하는 기초 공사용 강관 파일 및 그 시공 방법 |
ITRM20100521A1 (it) * | 2010-10-05 | 2012-04-06 | Giampaolo Capaldini | Sistema di isolamento sismico e metodo di realizzazione. |
CN111206623A (zh) * | 2020-01-16 | 2020-05-29 | 西安建筑科技大学 | 一种具有低频减震特性的菱型地震超材料 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101750886B1 (ko) * | 2016-08-17 | 2017-06-29 | 유니콘스(주) | 완충기능을 갖는 표지병 |
-
1997
- 1997-10-23 JP JP30921297A patent/JP3575733B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3575733B2 (ja) | 2004-10-13 |
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