JPH11148143A - 構造物の耐震補強構造 - Google Patents

構造物の耐震補強構造

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JPH11148143A
JPH11148143A JP33246897A JP33246897A JPH11148143A JP H11148143 A JPH11148143 A JP H11148143A JP 33246897 A JP33246897 A JP 33246897A JP 33246897 A JP33246897 A JP 33246897A JP H11148143 A JPH11148143 A JP H11148143A
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JP
Japan
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ground
deformation
earthquake
excavated
underground
Prior art date
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Application number
JP33246897A
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English (en)
Inventor
Yozo Goto
洋三 後藤
Takashi Matsuda
隆 松田
Kiyoshi Sato
清 佐藤
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】既存構造物の地下埋設部分や杭をその地上部分
とともに巨大地震から守る。 【解決手段】本発明に係る構造物の耐震補強構造は、構
造物1の周辺地盤に地盤変形抑制領域としての地中連続
壁2を構築するとともに、該地中連続壁と構造物1との
間に緩衝領域3を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、杭や地下埋設部分
を有する構造物の耐震補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物の基礎形式は、直接基礎、杭基
礎、ケーソン基礎等に大別されるが、これらのうち、直
接基礎は、フーチング基礎やべた基礎のように構造物の
荷重がスラブ底面から地盤に直接伝えられるものであっ
て、表層近傍の地盤強度が構造物の重量に比して相対的
に大きい場合に採用される基礎形式である。かかる直接
基礎は、通常、表層部分を掘削して良質な地盤を露出さ
せた上で該地盤上に構造物が構築されるので、一定の地
下埋設部分を有することが多い。
【0003】一方、杭基礎は、表層近傍の地盤強度が相
対的に小さいため、良質な支持層まで杭を打ち込むこと
によって構造物の重量を支持する基礎形式である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、設計施工時に
おいては、予想される地盤変形に対して杭や地下埋設部
分が十分耐えられるように、あるいは地盤変形自体が抑
制されるように、杭や地下埋設部分の構築並びに必要な
地盤改良を行うが、予想に反する巨大地震に見舞われた
場合、地震時における地盤変形が過度に大きくなって、
構造物の地下埋設部分や杭が不測の損傷を受けるおそれ
がある。
【0005】そのため、このような巨大地震が想定され
るケースでは、既存の構造物の周辺に地盤改良工事を施
すことによって、地盤の剛性を向上させて該地盤の変形
を抑制することが考えられるが、地盤剛性と地震波周波
数特性との関係あるいは構造物と地盤との相互作用関係
いかんによっては、構造物への地震入力がかえって大き
くなって構造物の応答加速度が大きくなったり、構造物
に発生する部材力の分布状況が変化して例えば地表面近
傍で応力が集中するといった事態が生じるおそれがあ
り、周辺部の単なる地盤改良だけでは、構造物の地下埋
設部分や杭を巨大地震から守ることはできても、構造物
の地上部分に対しては逆に悪影響を及ぼしめる場合があ
るという問題を生じていた。また、場合によっては、地
上部分の損傷が地下部分へも及ぶことが考えられる。
【0006】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、既存構造物の地下埋設部分や杭をその地上部
分とともに巨大地震から守ることが可能な構造物の耐震
補強構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る構造物の耐震補強構造は請求項1に記
載したように、構造物の周辺地盤に地盤変形抑制領域を
構築するとともに、該領域と前記構造物との間に緩衝領
域を設けたものである。
【0008】本発明に係る構造物の耐震補強構造におい
ては、構造物が立設されている周辺地盤に地盤変形抑制
領域を構築してあるので、巨大地震の際にも地盤変形が
抑制され、構造物の杭や地下埋設部分に過大な強制変形
が作用することはない。
【0009】また、地盤変形抑制領域と構造物との間に
緩衝領域を設けてあるので、剛性が増大した地盤変形抑
制領域からの地震入力が緩和されるとともに、上部構造
物の振動がかかる緩衝領域によって減衰作用を受け、該
振動は速やかに収斂する。
【0010】地盤変形抑制領域を構築するにあたって
は、地盤を掘削しつつセメントと混合撹拌して該地盤を
固化させる、地中連続壁を構築するなどの方法が考えら
れる。
【0011】緩衝領域を構築するにあたっては、地盤変
形抑制領域と構造物との間に拡がる土壌の一部若しくは
全部を変形吸収能に富んだいわゆるクッション材、例え
ば発泡スチロール、軟弱粘土、飽和した緩い砂、軽量
土、ゴム、砂利、砕石などに置換する方法や、該土壌内
に発泡剤を注入して内部で発泡させるといった方法が考
えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る構造物の耐震
補強構造の実施の形態について、添付図面を参照して説
明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等につい
ては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0013】図1は、本実施形態に係る構造物の耐震補
強構造を示した断面図である。同図でわかるように、本
実施形態に係る構造物の耐震補強構造は、構造物1の周
辺地盤に地盤変形抑制領域としての地中連続壁2を構築
するとともに、該地中連続壁と構造物1との間に緩衝領
域3を設けてなる。
【0014】緩衝領域3には、変形吸収能に富んだクッ
ション材として例えば発泡スチロール4を充填しておく
のがよい。
【0015】本実施形態に係る構造物の耐震補強構造を
構築するには、まず、図2(a)に示すように、既存の構
造物1の周囲に地中連続壁2を構築する。地中連続壁2
の構築にあたっては、従来通り、安定液で孔壁を保護し
つつ所定の掘削機で溝を掘削し、しかる後に該溝内に鉄
筋篭を吊り込んでコンクリートを打設するようにすれば
よい。
【0016】次に、地中連続壁2の強度が発現した後、
同図(b)に示すように該連続壁と構造物1との間に拡が
る地盤を掘削する。
【0017】次に、掘削除去された空間11に発泡スチ
ロール4を充填して図1のような緩衝領域3とする。
【0018】以上説明したように、本実施形態に係る構
造物の耐震補強構造によれば、構造物1が立設されてい
る周辺地盤に地盤変形抑制領域である地中連続壁2を構
築してあるので、地震時の地盤変形を抑制することが可
能となる。
【0019】したがって、構造物1の杭5や地下埋設部
分6に過大な強制変形が作用することはなく、巨大地震
の際にもこれらの杭5や地下埋設部分6は、破損せず健
全性が維持される。
【0020】また、本実施形態に係る構造物の耐震補強
構造によれば、地中連続壁2と構造物1との間に緩衝領
域3を設けてあるので、剛性が増大した地中連続壁2近
傍からの地震入力を緩和することが可能となる。
【0021】すなわち、緩衝領域3を設けない場合、地
震波周波数特性によっては、地盤剛性を増大させたこと
によって、該地盤からの構造物1への地震入力をかえっ
て増大させてしまう可能性があるが、緩衝領域3を設け
ておけば、該緩衝領域が構造物1を周辺地盤から遮断す
る免震機構としての水平方向バネや水平方向ダンパーと
して作用することとなり、周辺地盤の変形を抑制したこ
とによる構造物1への地震入力の増大を未然に防止する
ことが可能となる。そして、その結果、巨大地震時にお
いても構造物1に損傷を与えるほどの部材力(曲げモー
メント、せん断力など)が発生するおそれはない。
【0022】言い換えれば、構造物1自体の強度が不足
しているような場合であっても、地盤変形抑制領域であ
る地中連続壁2及び緩衝領域3を設けることによって該
構造物への地震入力を低減することが可能となる。した
がって、従来の耐震補強であれば、該補強工事のため一
時的に建物の供用を停止せざるを得ないが、本実施形態
によれば、既存構造物の使用が何ら制限されることな
く、該構造物を耐震補強することが可能となり、既存建
築物への耐震補強策としてきわめて有効な手段となる。
【0023】なお、地震による構造物1の振動が緩衝領
域3によって減衰作用を受け、該振動が速やかに収斂す
るという作用効果も得られる。
【0024】ここで、本実施形態の作用効果を確認すべ
く、動的応答解析を行ったので、その結果を図3に示
す。
【0025】同図に示すグラフは、周辺地盤を改良しな
い場合(左端)、周辺地盤に地盤変形抑制領域として地
中連続壁2を設けて該地盤を固化した場合(中央)、及
び本実施形態のようにさらに緩衝領域3を設けてクッシ
ョン材としての発泡スチロール4を充填した場合(右
端)で構造物1に生ずるせん断力がどのように変化する
かを示したものである。
【0026】同図から、周辺地盤に地中連続壁2を設け
ただけでは、構造物1に生ずるせん断力が増加して耐震
性に余裕がなくなるが、本実施形態のように地盤変形抑
制領域である地中連続壁2と構造物1との間に緩衝領域
3を設けてクッション材を充填すれば、構造物1に生ず
るせん断力が大幅に減少し、周辺地盤を改良しない場合
よりもさらに低減されることがわかる。
【0027】本実施形態では、本発明の構造物を、杭5
及び地下埋設部分6を有する半地下構造物として取り扱
ったが、地上部分のない完全地下式構造物や、杭のない
直接基礎構造物に対しても本発明を適用できることは言
うまでもない。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る本発
明の構造物の耐震補強構造によれば、地盤変形抑制領域
を構築したことによって地震時の地盤変形が抑制される
ので、構造物の杭や地下埋設部分に過大な強制変形が作
用することがなくなり、巨大地震の際にもこれらの杭や
地下埋設部分は、破損せず健全性が維持される。また、
地盤変形抑制領域と構造物との間に緩衝領域を設けたこ
とによって、剛性が増大した地盤変形抑制領域からの構
造物への地震入力を緩和することが可能となり、巨大地
震時においても構造物に損傷を与えるほどの部材力が発
生するおそれはない。なお、構造物の振動がかかる緩衝
領域によって減衰作用を受け、該振動が速やかに収斂す
るという作用効果も得られる。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る構造物の耐震補強構造の図で
あり、(a)は断面図、(b)はA―A線に沿う水平断面図。
【図2】本実施形態に係る構造物の耐震補強構造の施工
手順を示した断面図。
【図3】本実施形態に係る構造物の耐震補強構造の作用
効果を確認するための動的応答解析の結果を示したグラ
フ。
【符号の説明】
1 構造物 2 地中連続壁(地盤変形抑
制領域) 3 緩衝領域 4 クッション材 5 杭 6 地下埋設部分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の周辺地盤に地盤変形抑制領域を
    構築するとともに、該領域と前記構造物との間に所定の
    緩衝領域を設けたことを特徴とする構造物の耐震補強構
    造。
JP33246897A 1997-11-17 1997-11-17 構造物の耐震補強構造 Pending JPH11148143A (ja)

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Cited By (6)

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Effective date: 20030416