JP2937912B2 - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP2937912B2
JP2937912B2 JP33462496A JP33462496A JP2937912B2 JP 2937912 B2 JP2937912 B2 JP 2937912B2 JP 33462496 A JP33462496 A JP 33462496A JP 33462496 A JP33462496 A JP 33462496A JP 2937912 B2 JP2937912 B2 JP 2937912B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の基礎など
に付設するのに好適な免震装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物等の免震装置としては、従来、以
下のようなものがある。すなわち、図5に示すように、
(A)免震装置100は、建築物102と基礎101と
の間に、凹面107、凹面108を有する下部受皿10
3と上部受皿104とが該凹面107と該凹面108を
対向かつ近接するようにして上下方向に配設し、かかる
下部受皿103と上部受皿104との間に球状の浮子球
105を配設した構造のものがある。ここで、下部受皿
103は基礎101と固定し、上部受皿104は建築物
102と連結した。かかる構造により、静止状態では建
築物102の重量で、両受皿103、104の凹面10
7、108中心及び浮子球105の中心が同一鉛直線上
に位置するように安定する。一方、地震等により建築物
102又は基礎101の一方に横方向(水平方向)の力
が加わった場合、建築物102と基礎101との横方向
の相対的な移動が可能になる。この時、両受皿107、
108がずれて浮子球105と当接する位置が受皿10
3、104の凹面の外周方向に移動するため、上部受皿
104及びその上の建築物102を上方へ押し上げるこ
ととなる。この高さの差から生じる位置エネルギ−差に
よって、両受皿107、108のずれが収束する方向に
力が働き、地震等の横揺れによる加速度は吸収、減衰さ
れる。
【0003】また、上部受皿104上部に突設されたピ
ストン110が、建築物102の底部に設けられたシリ
ンダ111に嵌合され、かつ、建築物102と上部受皿
104との間にコイルバネ等の弾性体106が弾設され
た構造である。このため、建築物102と基礎101と
の縦方向(鉛直歩行)の相対的移動が可能となり、地震
等による縦揺れ振動が減衰される。かかる従来の技術は
特開平3−228940号に公開されている。
【0004】(B)さらに、図示していないが、建築物
と基礎との間に、強力なコイルバネや積層ゴムなどの弾
性体が配設された構造の免震装置もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の免震装置に
は、以下に示す改善点がある。すなわち、(1)上記の
従来技術(A)に示す免震装置100では、その強度を
考慮し、上部受皿104と下部受皿103とがわずかな
間隔で配設されているため、上部受皿104と下部受皿
103とが略平行を保ちつつ水平方向にのみ相対的に移
動できる機構である。このため、基礎101と一体化し
た地盤が建築物102の底面と平行でない向きに動いた
場合、上部受皿104と下部受皿103とが浮子球10
5を介さずに直接当接してしまうため、かかる技術が有
効に機能せず、免震できないこととなる。
【0006】(2)また、建築物102と上部受皿10
4とを上下に摺動可能にし、建築物102の全重量を支
持するためには、その間に設けた弾性体106の弾性力
をかなり強くしなければならず、コイルバネを用いるに
せよ、空気バネを用いるにせよかなり大きな物になる。
このため、免震装置100自体が大きくなりコンパクト
化の要請に反することとなる。
【0007】(3)上記従来の技術(B)に示す免震装
置では、コイルバネや積層ゴムなどの弾性体であるた
め、かかる弾性体の圧縮、伸長方向の振動は効果的に減
衰できるが、その方向と直行方向の振動に対しては減衰
効果が十分に発揮されない。
【0008】本発明は、上記不都合を改善し、地震等に
よる地盤のあらゆる動きに対して減衰効果を発揮し、か
つ、コンパクト化の要請に沿う免震装置を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の免震装置は、地
盤に打ち込む基礎杭(上記の従来技術に記載した基礎の
一部をなす。以下同じ)に固定した下枠と、建築物に連
結する上枠との間に、凹球面(凹状に窪んだ球面を意味
する。以下同じ)を有し、当該凹球面を上方に向け、前
記下枠の上面に固定した下部受皿と、前記下部受皿と同
様の凹球面を有し、当該凹球面を前記下部受皿の凹球面
に対向するように下方に向け、前記下部受皿とに間隔を
設けて前記上枠の下面に連結した上部受皿と、赤道上
(球体の中心を通る平面と球体表面との交線を意味す
る。以下同じ)にリング状の突起部を有する球状体であ
り、この突起部が略水平になる状態で、前記下部受皿と
前記上部受皿との間に挟持するように配設した浮子球
と、前記上部受皿と前記下部受皿の凹球面により挟まれ
る空間を密閉した伸縮自在のオイルカバ−、前記空間に
オイルを送る補給路からなるオイル充填装置とを付設し
たことを特徴とする。
【0010】本発明の免震装置によれば、上記従来の技
術(A)の免震装置と同様に、建築物と基礎杭とに横方
向の相対的な移動を可能にし、相対的な移動量に応じ
て、その移動と反対方向に力を発生させることにより、
地震等の横揺れを吸収、減衰できる。それ以外に以下に
示す特有の作用が発揮できる。
【0011】(1)上部受皿と下部受皿とを間隔を設け
て配設しているため、上部受皿に連結した建築物の底面
と下部受皿に連結した基礎との横方向の相対的な平行移
動だけでなく、相対的な回転を含む非平行移動も可能に
なる。このため、地震等による地盤のあらゆる変化、振
動に対して、フレキシブルに対応し、振動の減衰機能を
発揮することができる。
【0012】(2)前記浮子球の赤道上にリング状の突
起部を有し、かつ、上部受皿と下部受皿の各凹球面によ
り挟まれる空間に、前記オイル充填装置によりオイルが
充填されているため、上記両受皿の相対的移動に伴う前
記浮子球の回転に対して適度な潤滑になると共に、適度
な粘性抵抗が働き、免震に好適なブレ−キとなる。
【0013】(3)さらに、浮子球の突起部が略水平に
なる状態で、前記下部受皿と前記上部受皿との間に挟持
するように配設したため、両受皿が一定量横方向に相対
的に移動すると、前記突起部が両受皿の凹球面に当接す
る。従って、これ以上の相対的移動は、浮子球の回転が
止まり、両受皿と浮子球との滑り運動となるため、さら
なるブレ−キがかかる。このことと上記(2)を総合す
ると、両受皿の横方向の相対的移動が大きくなるに従
い、かかる移動を制限するブレ−キも大きくなるため、
免震に好適なブレ−キとなる。また、このことは、上部
受皿と下部受皿とを間隔を設けて配設し、かつ、両受皿
の浮子球を挟持する面が単純な凹球面であるため、両受
皿は横方向に相対的に移動し易く、基礎又は建築物の一
方に横方向の大きな力を受けた場合、両受皿の位置関係
が完全に外れてしまうおそれがあるが、その弊害をも軽
減することとなる。
【0014】請求項2記載のように、請求項1記載の免
震装置における前記上枠下面と前記上部受皿との連結部
分に、前記上枠下面又は前記上部受皿上面のいずれか一
方に突設した円柱状のピストンと、他方に突設し、前記
ピストンに気密に組み合わせた円筒状のシリンダとを有
し、前記ピストン及び前記シリンダの中心軸を前記上枠
に対して垂直方向に向けたエアクッションを付加する。
請求項2記載の免震装置によれば、以下に示す作用を発
揮する。すなわち、 (1)前記上枠、上部受皿に固定した前記ピストン、シ
リンダを上枠に対して垂直方向に向け組み合わせたた
め、上枠を水平に保持すれば、従来技術(A)と同様
に、前記上枠と前記上部受皿、つまりそれらに連結した
建築物と基礎との縦方向(鉛直方向)の往復移動が可能
となる。なお、上枠に建築物を乗せるため、その自重で
上枠は水平に保たれ、前記ピストンとシリンダは鉛直に
保たれる。 (2)また、ピストンとシリンダとの摺動面(組み合わ
せ面)にパッキンを装着すること等により気密にしたた
め、このピストンとシリンダとにより構成する空間がエ
アクッション(空気バネ)となり、建築物の重量を支
え、かつ、地震による縦揺れによる振動を減衰できる機
能を有することとなる。従来、上枠と上部受皿との間に
設けた、かかるピストンとシリンダとは、縦方向に摺動
可能にするガイド的役割を有するものであるが、本発明
の免震装置はそれに建築物の重量を支え、かつ、地震に
よる縦揺れによる振動を減衰できる機能を付加してい
る。このため、従来必要であった弾性体の分、省スペ−
ス化が可能になる。 (3)さらに、請求項1記載の免震装置が有する横揺れ
振動及び地盤が傾斜する運動を含む振動に対する免震機
能と合わせることにより、地盤等のあらゆる振動に対し
て柔軟に対応でき、あらゆるパタ−ンの地震に対して免
震機能が発揮できる。
【0015】請求項3記載のように、一端を前記上枠
に、他端を前記下枠に、揺動自在に連結した複数のショ
ックアブソ−バと、前記上枠と前記下枠との間に弾設し
た外側コイルスプリングと、前記上枠と上部受皿との間
に弾設した内側コイルスプリングとを装備する。請求項
3記載の免震装置によれば、上述の作用を発揮しつつ、
さらに大きな重量の建築物に対応できるものとなる。な
お、ショックアブソ−バは、前記上枠と前記下枠に揺動
自在に連結したため、上枠と下枠との相対的な移動の邪
魔になることもない。
【0016】請求項4記載のように、布地を挟んで圧着
した複数のゴム厚板と、その上面に貼設した鋼板とを有
する基礎台受クッションを、前記上枠と建築物との間に
配設する。請求項4記載の免震装置によれば、かかる基
礎台受クッションを構成する積層ゴム厚板の弾力、剪断
応力により、さらなる免震機能を発揮できる。
【0017】請求項5記載の免震装置のように、前記上
部受皿と前記下部受皿の凹球面の曲率半径を、前記浮子
球の球状体部分の半径の8乃至12倍とする。請求項5
記載の免震装置によれば、上部受皿15、及びこれに連
結した建築物5の位置決め機能、つまり中央(静止状態
での初期位置)への復元力と、前記横方向の力に対する
移動し易さとの調整を図るのに最適である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の免震装置に係る実施の一
形態を示す。図1は当該一形態に係る免震装置の縦断面
図であり、図2はその免震装置の正面図(側面図も同
様)であり、図3はその免震装置の平面図である。本免
震装置1は、図1及び2に示すように、建築物5の基礎
杭4に固定した下枠2と、建築物5を載置する上枠3と
の間に配設した機構により、ほとんどの免震機能を発揮
する。以下、各部分ごとに分けて説明する。
【0019】まず、基礎杭4は、図1に示すように、鉄
筋7で補強したコンクリ−ト6製の柱状杭であり、地中
9に打設し易いように先端部を鋭くし、鋼板キャップ8
を被覆した。なお、かかる基礎杭4は約2mにしたが、
地中9の硬軟に合わせて伸縮させる。この基礎杭4の上
端に平板状の下枠2を、基礎杭4と垂直に固定した。従
って、基礎杭4を地中9に垂直に打ち込めば、下枠2は
水平になる。
【0020】(1)浮子球13周辺部 図1に示すように、下枠2の上面に、下部受皿11を固
定した。この下部受皿11は、円形の凹球面12を有
し、該凹球面12を鉛直上方に向けて設けた。また、こ
の下部受皿11の凹球面12上に、浮子球13を配設し
た。この浮子球13は、球状体の赤道上に、先端から根
元に近づくほど厚みを増す、リング状の突起部14を突
設した構造にした。さらに、この浮子球13の上方に当
接するように、上部受皿15を配設した。かかる上部受
皿15は、前記下部受皿11と同様に、円形の凹球面1
6を有する形状であり、該凹球面16を前記下部受皿1
1の凹球面12に対向するように鉛直下方に向け、前記
下部受皿11とに所定の間隔を設けて配設した。つま
り、前記下部受皿11と前記上部受皿15の各凹球面1
2、16間により浮子球13を上下から挟持するように
配設した構成である。この時、浮子球13は、突起部1
4が略水平になる状態にする。一方、上部受皿15に
は、エアクッション30(後述する)を介して上枠3と
連結し、この上枠3は基礎受クッション(後述する)を
介して建築物5と連結した(図1参照)。このため、上
部受皿15は建築物5と連結されている。かかる構成に
対して建築物5の重量が働くことで、両受皿11、15
の凹球面12、16の中心、及び浮子球13の中心が同
一鉛直線上に位置するように安定する。また、地震等に
より建築物5又は基礎杭4の一方に横方向の力が加わっ
た場合、上部受皿15と下部受皿11の間で浮子球13
が転がり、建築物5と基礎杭4との横方向の相対的な移
動が可能になる。この時、両受皿11、15がずれるこ
とに伴い、浮子球13に当接する位置が受皿11、15
の外周方向にずれるため、上部受皿15及びその上の建
築物5を上方へ押し上げることとなる。この高さの差に
よる位置エネルギ−差によって前記横方向の力と反対方
向の力が生じ、地震等の横揺れによる加速度は吸収、減
衰される。なお、両受皿11、15の凹球面の曲率半径
は、浮子球13の半径の約10倍にした。この程度が、
上部受皿15(連結した建築物5)の位置決め、つまり
中央への復元力と、前記横方向の力に対する移動し易さ
との調整を図るのに最適である。
【0021】さらに、上部受皿15と下部受皿11の各
凹球面12、16により挟まれる空間にオイル17を満
たすオイル充填装置20を設けた。このオイル充填装置
20は、オイルカバ−18と、前記空間にオイル17を
送る補給路19とから構成される。このオイルカバ−1
8は、伸縮性のゴム、革、ビニ−ルなどからなり、両受
皿11、15間の外周に架け渡すことで前記空間を密閉
した。また、補給路19は、凹球面12と外部とに連通
するように下部受皿11に穿った通路である。かかるオ
イル充填装置20は、補給路19を通してオイル17を
圧送することで、浮子球13を囲む前記空間に常にオイ
ル17を充填させることができる。このため、上述のよ
うな建築物5と基礎杭4との横方向の相対的な移動によ
り発生する、上部受皿15と下部受皿11の間で浮子球
13が転がりに対して、適度な粘性抵抗が働き、免震等
に対して有効に機能する適度なブレ−キとなる。なお、
補給路19にオイル17を圧送するためのオイルポンプ
等が必要であり、かつ補給路19の外端部には図示しな
いが逆流防止機構を設けるとよい。
【0022】(2)エアクッション30部 前記上部受皿15上面に固定した円柱状のピストン31
と、上枠3下面に垂直に固定した円筒状のシリンダ32
とを摺動可能に組み合わせた。また、前記ピストン31
の側面(シリンダとの摺動面)にパッキン33を突設し
た。かかる構成により、前記シリンダ32の内部空間が
気密になり、上枠3にかかる建築物5の荷重を支持し、
上枠3を一定位置に保持するエアクッション30とし
た。このため、前記上枠3と前記上部受皿15、つまり
それらにそれぞれ連結した建築物5と基礎杭4との間の
縦方向(鉛直方向)の相対的な移動が可能となり、か
つ、地震等による縦揺れの振動を減衰できる機能を有す
る。また、上枠3と上部受皿15との間に設けたかかる
ピストン31とシリンダ32とは、従来、縦方向に伸縮
自在にするガイド的役割を有するものであるが、本発明
はそれに建築物5の重量を支え、かつ、地震等による縦
揺れの振動を減衰できる機能を付加している。このた
め、従来必要であった上方への弾性力を有する弾性体の
分、省スペ−ス化が可能になる。
【0023】(3)内側コイルスプリング41、外側コ
イルスプリング40 前記上枠3と前記下枠2との間に外側コイルスプリング
40を弾設し、さらに上枠3と上部受皿15との間に内
側コイルスプリング41を弾設した。これにより、上述
の作用を発揮しつつ、さらに大きな重量の建築物5に対
応できるものとなる。また、かかるコイルスプリング4
0、41は、上方への弾力だけでなく、剪断変形に対し
ても反力を有するため、横揺れによる振動を減衰する能
力、及び建築物5のずれに対する復元力が増大できる。
【0024】(4)ショックアブソ−バ50 さらに、上端部51を前記上枠3に、下端部52を前記
下枠2に連結し、上枠3と下枠2とを離隔する方向に弾
性力を作動させることで、上枠2に働く上方への保持
力、及び、両枠2、3の水平を保つ働きを有する4本の
ショックアブソ−バ50を装備した。このショックアブ
ソ−バ50と上枠3及び下枠2との連結は所定の弾力を
有するゴム座金53を介するため、ショックアブソ−バ
50と上枠3及び下枠2とは微小範囲内で相対的に揺動
自在なる。このため、ショックアブソ−バ50が上枠3
と下枠2の相対的な移動の邪魔になることもない。ま
た、かかる連結の脱落防止のため、ダブルナット54を
採用した。さらに、上述のように、4本のショックアブ
ソ−バ50を両枠2、3に連結するため、両枠2、3の
形状を略四角形に形成した(図3参照)。また、補強や
取扱性の向上などを考慮し、ショックアブソ−バ50が
連結される各角を、連結箇所を中心とする円形に加工し
た。
【0025】(5)基礎台受クッション60 図1、2、及び3に示すように、上枠3の上面には基礎
台受クッション60を固着した。この基礎台受クッショ
ン60は、四角形の硬質ゴム厚板62を厚綿布シ−ト6
1を挟んで積層し、さらにその上面に同じ四角形の鋼板
63を貼設した構造である(図1及び3参照)。かかる
基礎台受クッション60を構成する硬質ゴム厚板62の
弾力、剪断応力により、さらなる免震機能を発揮でき
る。なお、この基礎台受クッション60と建築物5との
連結は、当該基礎台受クッション60の上に、底部に基
礎台受クッション60と合致する枠64を突設した建築
物5を載せるだけでよい。
【0026】(6)その他 上述の免震装置1は、図4に示すように、建築物5の底
部であって各角や辺の中央などに、建築物5の重量に合
わせて個数を決定して付設する。これにより、地震等に
よる振動を吸収でき、建築物5への被害を軽減する。震
度8程度の振動であっても、建築物5には震度1乃至2
程度の振動にできる。
【0027】なお、本発明に係る免震装置は、上述の一
形態に限定されず、以下に示す形態でも可能である。 a)図1及び図2に示す外側コイルスプリング40及び
内側コイルスプリング41は、建築物5の重量に合わせ
てその弾力が異なるものに変更可能であり、軽量建築物
5の場合には無くてもよい。 b)本免震装置1を構成する上部受皿15や下部受皿1
1などは、その耐久応力や年数に見合った強度の鋼を選
択すればよいが、靭性等を考慮し可鍛鋳鉄が適当であ
る。 c)前記オイル17は、所定の粘性が必要であるため、
重油や軟質グリスなどが好適である。 d)上枠3及び下枠2は、説明の容易のため単一物のよ
うに記載したが、上枠3は基礎台受クッション60を固
定した板とシリンダ32を固定した板を、下枠2は基礎
杭4を固定した板と下部受皿11を固定した板を溶接か
リベットで重ね合わせたものである。 e)エアクッション30は、ピストン31を上部受皿1
5に固定し、シリンダ32を上枠3に固定したが、逆に
してピストン31を上枠3に、シリンダ32を上部受皿
15に固定しても同様の作用がある。 f)建築物5の重量が大きい場合、前記ショックアブソ
−バ50の本数を増加させればよく、その場合両枠2、
3はショックアブソ−バ50の本数分の多角形にすると
よい。これにより、免震装置1の設置箇所を増加できな
い場合に対応できる。 g)本免震装置1は、上述のように地震等により地盤9
が振動した場合に、上部の建築物5への振動伝達を低
減、つまり免震することが本来の機能であるが、強風や
物体の衝突等により建築物5に加わった衝撃を吸収する
機能もある。
【0028】
【発明の効果】本発明の免震装置によれば、以下に示す
特有の効果がある。すなわち、 (1)上部受皿と下部受皿とを従来の装置に比して間隔
を広く設けて配設しているので、上部受皿と下部受皿の
相対的傾動幅に余裕が生じて相対的な非平行移動も可能
な機構になるため、地震等による地盤のあらゆる変化、
振動に対して、フレキシブルに対応し、振動の減衰機能
を発揮することができる。
【0029】(2)浮子球の赤道上にリング状の突起部
を有し、かつ、前記オイル充填装置により上部受皿と下
部受皿の凹球面により挟まれる空間にオイルが充填され
ているため、上記両受皿の相対的移動に伴う前記浮子球
の回転に対して、適度な粘性抵抗が働き、免震に好適な
ブレ−キとなる。
【0030】(3)前記浮子球の突起部が略水平になる
状態で、前記下部受皿と前記上部受皿との間に挟持する
ように配設したため、両受皿が一定量横方向に相対的に
移動すると、浮子球の前記突起部が両受皿の凹球面に当
接し、その回転がとまる。従って、これ以上の相対的移
動は、浮子球の回転が止まり、両受皿と浮子球との滑り
運動となり、横方向の移動にさらなるブレ−キがかか
る。また、この時も、前記オイル充填装置により、上部
受皿と下部受皿の凹球面により挟まれる空間にオイルが
充填されているため、上記両受皿の相対的移動に粘性抵
抗が働く。このように、両受皿の横方向の相対的移動が
大きくなるに従い、かかる移動を制限するブレ−キも大
きくなるため、免震に好適なブレ−キとなる。
【0031】(4)請求項2記載の免震装置によれば、
さらに、前記上枠と前記上部受皿、つまりそれらに連結
した建築物と基礎との縦方向(鉛直方向)の往復移動が
可能となり、かつ、ピストンとシリンダとで構成するエ
アクッション(空気バネ)により、建築物の重量を支
え、地震による縦揺れによる振動を減衰できる機能を有
する。また、上枠と上部受皿との間に設けたピストンと
シリンダとに、従来と同様の縦方向摺動ガイドとしての
役割に加え、建築物の重量を支え、かつ、地震による縦
揺れによる振動を減衰できる機能を付加している。この
ため、従来必要であった建築物を支持する弾性体の分、
省スペ−ス化が可能になる。さらに、請求項1記載の免
震装置が有する横揺れ振動及び地盤が傾斜する運動を含
む振動に対する免震機能と合わせることにより、地盤等
のあらゆる振動に対して柔軟に対応でき、あらゆるパタ
−ンの地震に対して免震機能が発揮できる。このため、
大震災を引き起こすような直下型の地震からでも、建築
物を効果的に保護することができる。
【0032】(5)請求項3記載の免震装置によれば、
ショックアブソーバーを有するのでさらに、大きな重量
の建築物に対応できるものとなる。
【0033】(6)請求項4記載の免震装置によれば、
さらに、かかる基礎台受クッションを構成する積層ゴム
厚板の弾力、剪断応力により、さらなる免震機能を発揮
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る免震装置を示す縦
断面図である。
【図2】図1の免震装置を示す正面図である。
【図3】図1の免震装置を示す平面図である。
【図4】図1の免震装置を建築物に配設した状態を示す
説明図である。
【図5】従来の免震装置(A)を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 免震装置 2 下枠 3 上枠 4 基礎杭 5 建築物 11下部受皿 12、16凹球面 13浮子球 15上部受皿 18オイルカバ− 19補給路 20オイル補充装置 30エアクッション 31ピストン 32シリンダ 33パッキン 40外側コイルスプリング 41内側コイルスプリング 50ショックアブソ−バ 60基礎台受クッション

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤に打ち込む基礎杭に固定した下枠と
    建築物に連結する上枠との間に、凹球面を有して該凹球
    面を上方に向けて前記下枠の上面に固定した下部受皿
    と、前記下部受皿と同様の凹球面を有して該凹球面を前
    記下部受皿の凹球面に対向するように下方に向けて前記
    下部受皿とに間隔を設けて前記上枠の下面に連結した上
    部受皿と、赤道上にリング状の突起部を有する球状体か
    らなり該突起部が略水平になる状態で前記下部受皿と前
    記上部受皿との間に挟設した浮子球と、前記上部受皿と
    前記下部受皿の凹球面により挟まれる空間を密閉した伸
    縮自在のオイルカバ−と前記空間にオイルを送る補給路
    からなるオイル充填装置とを付設したことを特徴とする
    免震装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の免震装置における前記上
    枠下面と前記上部受皿との連結部分に、前記上枠下面又
    は前記上部受皿上面のいずれか一方に突設した円柱状の
    ピストンと他方に突設しかつ前記ピストンに気密に組み
    合わせた円筒状のシリンダとからなりかつ前記ピストン
    及び前記シリンダの中心軸を前記上枠に対して垂直に向
    けたエアクッションを付加したことを特徴とする免震装
    置。
  3. 【請求項3】 一端を前記上枠に他端を前記下枠に揺動
    自在に連結した複数のショックアブソ−バと、前記上枠
    と前記下枠との間に弾設した外側コイルスプリングと、
    前記上枠と前記上部受皿との間に弾設した内側コイルス
    プリングとを装備したことを特徴とする請求項2記載の
    免震装置。
  4. 【請求項4】 布地を挟んで圧着した複数のゴム厚板と
    その上面に貼設した鋼板とを有する基礎台受クッション
    を前記上枠と前記建築物との間に配設したことを特徴と
    する請求項1、2、又は3のいずれかに記載の免震装
    置。
  5. 【請求項5】 前記上部受皿と前記下部受皿の凹球面の
    曲率半径を前記浮子球の球状体部分の半径の8乃至12
    倍としたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに
    記載の免震装置。
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