JP2014111974A - 免震部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】主として地震震動発生面側と免震対象部材側との間に介在させることに依って、短周期地震動と長周期地震動の何れの地震に対しても免震作用が奏されるようにした免震部材。
【解決手段】可撓性及び伸縮性を具えたゴム製下半部筒体1を地震震動発生面側に立設すると共に、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製上半部筒体2を、上記ゴム製下半部筒体1と同軸状にしてかつ所定間隔を保って垂設し、当該両筒体1,2の外面側に対してコイルスプリング3を遊嵌させると共に、両筒体1,2の中心軸線部分に弾性素材製軸状連係体4を伸縮自在に収装するように構成した免震部材。
【選択図】図3
【解決手段】可撓性及び伸縮性を具えたゴム製下半部筒体1を地震震動発生面側に立設すると共に、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製上半部筒体2を、上記ゴム製下半部筒体1と同軸状にしてかつ所定間隔を保って垂設し、当該両筒体1,2の外面側に対してコイルスプリング3を遊嵌させると共に、両筒体1,2の中心軸線部分に弾性素材製軸状連係体4を伸縮自在に収装するように構成した免震部材。
【選択図】図3
Description
本発明は、主として地震震動発生面側と免震対象部材側との間に介在させることに依って、地震発生時において免震作用が奏されるようにした免震部材に関する。
従来、例えば地震の震動に対する免震化を図る機構において、横揺れ等を吸収するための部材たる柱状を呈する支持用部材(小棒状部材)は、積層ゴムなどのゴム柱とすることを通例とした(例えば、特許文献1参照。)。
上記したようなゴム柱であると、その可撓性及び伸縮性の調整が非常に困難であり、殆どゴム素材の特性に委ねざるを得ない。 従って、例えば強度的に太いゴム柱を用いた場合、その可撓性が強すぎて免震作用に齟齬をきたしてしまうこととなる。
更に、地震には短周期地震動(周期1秒前後)と長周期地震動(周期5秒以上)とがあり、上記のようなゴム柱に依存した免震装置であると、縦揺れ的振動である直下型地震と、細かな横揺れである短周期地震動に対する対応は可能であっても、極めてゆっくりとした横揺れ的な振動である長周期地震動が発生した場合は、その振幅が大きいため、ゴム柱自体の長さ不足によりその振幅に対応できず、また、対応できるだけの長さのものを用いた場合は座屈等が生じてしまうと推定された。
そのため従来にあっては、短周期地震用と長周期地震動用の二つの免震用部材を設置する必要性が生じ、必然的に設置コストの高騰性並びに施工作業の煩雑化と言うような問題が伴った。
本発明はこのような従来の問題点の解消化を企図した「免震用部材」と言う新規な製品の提供を図ったものである。
本発明は請求項1に記載のように、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製下半部筒体1を地震震動発生面側Aに立設すると共に、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製上半部筒体2を、上記ゴム製下半部筒体1と同軸状にしてかつ所定間隔Sを保って垂設し、当該両筒体1.2の外面側に対して主コイルスプリング3を遊嵌させると共に、両筒体1.2の中心軸線部分に弾性素材製軸状連係体4を伸縮自在に収装するように構成した免震部材に係る。
本発明は請求項2に記載のように、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製下半部筒体1を地震震動発生面側Aに立設固定すると共に、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製上半部筒体2を、上記ゴム製下半部筒体1と同軸状にしてかつ所定間隔Sを保って免震対象部材側Bに垂設固定し、当該両筒体1.2の外周に対して主コイルスプリング3を遊嵌させ、当該両筒体1.2の中心軸線部分に、弾性素材製軸状連係体4を伸縮自在に収装すると共に、当該弾性素材製軸状連係体4の下半部には下側コイルスプリング5を、また、その上半部には上側コイルスプリング6を夫々遊嵌させると共に、当該両コイルスプリング5,6は弾性素材製軸状連係体4の伸縮性の復元が図られるような形態で両筒体1,2内に収装し、前記主コイルスプリングは、上下震動である直下型地震と周期の早い横震動である短周期地震動に対して、その上下方向及び横方向の揺れ動きに基づき夫々の免震作用を生じさせ、前記弾性素材製軸状連係体3は、長周期地震動のようにゆっくりとした大きな揺れ動きに対して、当該揺れ動き振幅に対応可能とする長さの自動調節的な伸縮性に基づき免震作動を奏させるように構成した請求項1に記載の免震用部材を実施の態様とする
本発明は請求項3に記載のように、地震震動発生面側Aを地盤とし、免震対象部材側Bとして建物等構築部材として成る請求項1または請求項2の何れかに記載の免震用部材を実施の態様とする。
本発明は請求項1に記載のような構成、すなわち、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製下半部筒体1を地震震動発生面側Aに立設すると共に、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製上半部筒体2を、上記ゴム製下半部筒体1と同軸状にしてかつ所定間隔Sを保って垂設し、当該両筒体1.2の外面側に対して主コイルスプリング3を遊嵌させると共に、両筒体1.2の中心軸線部分に弾性素材製軸状連係体4を伸縮自在に収装するように構成したから、構成が極めてシンプルな形態にも関わらず、良好なる免震作用を奏させることができる。 そして、間隔Sの存在に基づき強い直下型地震(縦揺れ)に対する免震作用(間隔Sの増減的動きに基づく縦揺れ吸収に基づく)も良好に果たされる。
更に、弾性素材製軸状連係体4を具備させたから、その伸縮性に基づき長周期地震動に対する免震作用が奏されることとなる。
そして、本発明は、建物または橋の橋脚等、地表上の各種構築物に対する免震部材としての使用、更には、墓石または石灯篭の中間材または土台に対する免震材としての使用、更には、ショーケース、各種棚、フロアー上の美術品或いはコンピュータ等に対する免震用部材としての利用を図ることも可能化される。
そして、本発明は、建物または橋の橋脚等、地表上の各種構築物に対する免震部材としての使用、更には、墓石または石灯篭の中間材または土台に対する免震材としての使用、更には、ショーケース、各種棚、フロアー上の美術品或いはコンピュータ等に対する免震用部材としての利用を図ることも可能化される。
本発明は請求項2記載のような構成、すなわち、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製下半部筒体1を地震震動発生面側Aに立設固定すると共に、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製上半部筒体2を、上記ゴム製下半部筒体1と同軸状にしてかつ所定間隔Sを保って免震対象部材側Bに垂設固定し、当該両筒体1.2の外周に対して主コイルスプリング3を遊嵌させ、当該両筒体1.2の中心軸線部分に、弾性素材製軸状連係体4を伸縮自在に収装すると共に、当該弾性素材製軸状連係体4の下半部には下側コイルスプリング5を、また、その上半部には上側コイルスプリング6を夫々遊嵌させると共に、当該両コイルスプリング5,6は弾性素材製軸状連係体4の伸縮性の復元が図られるような形態で両筒体1,2内に収装し、前記主コイルスプリングは、上下震動である直下型地震と周期の早い横震動である短周期地震動に対して、その上下方向及び横方向の揺れ動きに基づき夫々の免震作用を生じさせ、前記弾性素材製軸状連係体3は、長周期地震動のようにゆっくりとした大きな揺れ動きに対して、当該揺れ動き振幅に対応可能とする長さの自動調節的な伸縮性に基づき免震作動を奏させるように構成したから、一つの免震部材で直下型地震動、短周期地震動、並びに、長周期地震動という振動の方向、速さ、揺れ幅の著しく異なる各タイプの地震に対する免震作用を発揮することができる。 従って、これをそれぞれ別の免震部材に依存するようにしていた従来における問題点である、設置コストの高騰性並びに施工作業の煩雑性と言うような事柄は全く解消化される。
本発明は請求項3記載のような構成、すなわち、地震震動発生面側Aを地盤とし、免震対象部材側Bとして建物等構築部材とすることに依り、一般の建築用免震部材として広くその実施が図られる。
図2及び図3は本発明に係る免震部材を、地震震動発生面側Aと免震対象部材側Bとの間に取付けた状態を表したものである。 同図において、1は可撓性及び伸縮性を具えたゴム製の下半部筒体であって、地震震動発生面側Aに立設固定してある。 2は可撓性及び伸縮性を具えたゴム製の上半部筒体であって、免震対象部材側Bに垂設固定してある。 そして、当該下半部筒体1と上半部筒体2の端部は、所定間隔Sを保った状態で同軸的に対向させてある。
上記した両筒体1,2の地震震動発生面側Aと免震対象部材側Bに対するそれぞれの固定手段は、主として接着剤に依る固定を図るものである。 然し乍、これに限定されるものではなく、例えば螺子止め、楔止め、その他適宜な固定手段に依存する様に構成しても良い。
3は上記した両筒体1及び2の外周に対して摺動自在に遊嵌させた主コイルスプリングであって、両筒体1,2に対する弾力的かつ連動的なる連結を図るためのものである。
そして、上記した主コイルスプリング3の両端は、両筒体1,2の基端に固定しても良く、また、固定することなくフリーな状態に保ってくことに依り、両筒体1,2間を自由動可能とするように構成しても良い。 更に、当該主コイルスプリング3はゴム製の伸縮筒状体として実施することも可能である。 換言すれば、当該スプリング3は両筒体1,2間の間隙を地震に応じて弾力的変化可能とする手段であれば、如何なる形態のものであっても可とする。
4はゴム材またはスプリング材のような弾性素材で製した軸状連係体であって、その下半部は下半部筒体1内に、また、その上半部は上半部筒体2内の中心軸線部分に、夫々収容された状態で収装してある。 4a及び4bは当該軸状連係体4の下端部及び上端部に取付けたフランジ状係止片であって、ナット4c及び4dの回動に基づきその位置の微調整が行われように構成してある。
1a及び2aは両筒体1及び2の開放端側に形成した小径口部であって、前記した弾性素材製軸状連係体4を自由に挿通させるためのものである。 そして、当該小径口部1a及び2aはその開放側面を拡げるような漏斗状拡開面1b及び2bを形成することに依り、当該弾性素材製軸状連係体4の屈曲的変形(図1参照)がスムーズに成されるように構成してある。
5は弾性素材製軸状連係体4の下半部に遊嵌させた下側コイルスプリングであって、フランジ状係止片4aと小径口部1aの内面側顎部との間でその端部抑止が図られるように構成してある。 6は弾性素材製軸状連係体4の上半部に遊嵌させた上側コイルスプリングであって、フランジ状係止片4aと小径口部1aの内面側顎部との間でその端部抑止が図られるように構成してある。
図3に示すような状態において、短周期地震動を感知した際、これが横揺れの場合は、主コイルスプリング2の揺れ動きに基づき、更には、当該震動の強さに依っては、可撓性を具えた下半部筒体1と上半部筒体2の協調的振れ動きに基づき、地震震動発生面側Aを動点とするような振れ動きを生じさせ、これに依り、免震対象部材側Bに対する横方向の震動の伝達を吸収して所謂免震作用を奏させる。
また、短周期地震動であり直下型地震のような縦揺れが生じた場合も、主コイルスプリング2の縦方向の揺れ動きに基づき(両筒体1,2の間隔Sの範疇において、縦方向の震動の伝達を吸収する)、地震震動発生面側Aを動点とするような振れ動きを生じさせ、これに依り、免震対象部材側Bに対する縦方向の震動の伝達を吸収して所謂免震作用を奏することとなる。
更に、当該縦方向の震動が極めて強い地震を感知した場合は(両筒体1,2の端部が接触してしまうような強い震動を感知した場合)、可撓性を具えた下半部筒体1と上半部筒体2の縦方向の同期的伸縮性が働き出し、上記免震作用の強化性が発揮される。
なお、下半部筒体1と上半部筒体2の上記免震作用が働くのは、両者が接触するような強い縦揺れが生じた際である。 そしてこの際、軸状連係体4の存在は、これがゴム材またはスプリング材のような弾性素材で製させたものであるため、屈曲して自由変形化が生じ、上記した下半部筒体1と上半部筒体2の接触作動に対する阻害性は回避される。
一方、長周期地震動が発生した場合は、その震動は横方向に大きくかつゆっくりとした (周期5秒以上の横振れ)のものであるため、図1に矢印で示すように地震震動発生面側Aのゆっくりとしたかつ大きな揺れ振幅に即応して、下半部筒体1と上半部筒体2に対する軸状連係体4の伸縮性を具えた結合性に基づく伸長作用(長さの自動調節的な伸縮性)により、すなわち、当該軸状連係体4の伸縮作動が、地震震動発生面側Aの図1に矢印で示す方向への反復移動(地震の震動に即応した移動)に即応してなされ、これによりその震動を免震対象部材側Bに対する伝達を回避させるため、長周期地震動の吸収に基づく免震作用が奏されることとなる。
この時、下側コイルスプリング5と上側コイルスプリング6は、上記軸状連係体4の伸縮変形と同調した伸縮性を生じ、これにより、当該連係体4の伸縮作動の伸長及び復元性に対する補助作用が奏され、当該連係体4の地震に対応した変形及び復元の各作動に対する良好なるアシストがなされる。 なお、図1においては示していないが、長周期地震動が極めて強い場合は、下半部筒体1と上半部筒体2自体もこれと即応した反り的変形が生じ、強力なる免震作用の発揮に対する貢献が図られる。
ところで、本発明は地震震動発生面側Aを地表とし、免震対象部材側Bを建物等構築部材とすることに依り一般的な構築物に対する免震部材としての利用を主たる目的とするものである。 すなわち、本発明を例えばビル等の構築物に対する免震用部材として用いる場合は、図3に示すように地震震動発生面側A及び免震対象部材側B間に介在させ、このような介在点を所要数にして所要箇所に配置することに依り、当該構築物に対する免震作用が奏されることとなる。
また、地震震動発生面側Aを建物のフロアーとし、免震対象部材側Bを美術品またはコンピュータ等保護対象物とすることに依り、これらに対する免震部材としての利用を図ることができる。
すなわち、本発明は建物等の構築部材に対する免震用としての使用以外、例えばフロアー上に載置する美術品、コンピュータ機具等に対する免震用部材として用いることができる。
A 地震震動発生面側
B 免震対象部材側
1 ゴム製下半部筒体
1a 小径口部
1b 漏斗状拡開面
2 ゴム製上半部筒体
2a 小径口部
2b 漏斗状拡開面
3 主コイルスプリング
4 軸状連係体
4a フランジ状係止片
4b フランジ状係止片
4c ナット
4d ナット
5 下側コイルスプリング
6 上側コイルスプリング
B 免震対象部材側
1 ゴム製下半部筒体
1a 小径口部
1b 漏斗状拡開面
2 ゴム製上半部筒体
2a 小径口部
2b 漏斗状拡開面
3 主コイルスプリング
4 軸状連係体
4a フランジ状係止片
4b フランジ状係止片
4c ナット
4d ナット
5 下側コイルスプリング
6 上側コイルスプリング
Claims (3)
- 可撓性及び伸縮性を具えたゴム製下半部筒体を地震震動発生面側に立設すると共に、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製上半部筒体を、上記ゴム製下半部筒体と同軸状にしてかつ所定間隔を保って垂設し、当該両筒体の外面側に対して主コイルスプリングを遊嵌させると共に、両筒体の中心軸線部分に弾性素材製軸状連係体を伸縮自在に収装するように構成した免震部材。
- 可撓性及び伸縮性を具えたゴム製下半部筒体を地震震動発生面側に立設固定すると共に、可撓性及び伸縮性を具えたゴム製上半部筒体を、上記ゴム製下半部筒体と同軸状にしてかつ所定間隔を保って免震対象部材側に垂設固定し、当該両筒体の外周に対して主コイルスプリングを遊嵌させ、
当該両筒体の中心軸線部分に、弾性素材製軸状連係体を伸縮自在に収装すると共に、当該弾性素材製軸状連係体の下半部には下側コイルスプリングを、また、その上半部には上側コイルスプリングを夫々遊嵌させると共に、当該両コイルスプリングは弾性素材製軸状連係体の伸縮性の復元が図られるような形態で両筒体内に収装し、
前記主コイルスプリングは、上下震動である直下型地震と周期の早い横震動である短周期地震動に対して、その上下方向及び横方向の揺れ動きに基づき夫々の免震作用を生じさせ、
前記弾性素材製軸状連係体は、長周期地震動のようにゆっくりとした大きな揺れ動きに対して、当該揺れ動き振幅に対応可能とする長さの自動調節的な伸縮性に基づき免震作動を奏させるように構成した請求項1に記載の免震用部材。 - 地震震動発生面側を地盤とし、免震対象部材側として建物等構築部材として成る請求項1または請求項2の何れかに記載の免震用部材。
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- 2012-12-05 JP JP2012266768A patent/JP2014111974A/ja active Pending
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