JP2017186860A - 長周期地震対応免震建物 - Google Patents

長周期地震対応免震建物 Download PDF

Info

Publication number
JP2017186860A
JP2017186860A JP2016084005A JP2016084005A JP2017186860A JP 2017186860 A JP2017186860 A JP 2017186860A JP 2016084005 A JP2016084005 A JP 2016084005A JP 2016084005 A JP2016084005 A JP 2016084005A JP 2017186860 A JP2017186860 A JP 2017186860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
period
long
base
building
seismic isolation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016084005A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6384817B2 (ja
Inventor
大亦 絢一郎
Junichiro Omata
絢一郎 大亦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omata Shinichiro
Original Assignee
Omata Shinichiro
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omata Shinichiro filed Critical Omata Shinichiro
Priority to JP2016084005A priority Critical patent/JP6384817B2/ja
Publication of JP2017186860A publication Critical patent/JP2017186860A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6384817B2 publication Critical patent/JP6384817B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】通常の短周期地震動に対する免震効果が高く、且つ長周期地震動による共振を抑制できるような免震建物を提供すること。
【解決手段】積層ゴム3乃至6とダンパー(図示せず)から成る通常の免震装置に加えて、漸硬型復元力特性を与えるための追加の積層ゴム8乃至11と、漸硬型減衰力特性を与えるための追加のダンパー16乃至19を、ガタ発生機構12乃至15を介して建物基礎部1aと床2の間に取り付けた。これにより、短周期地震動時には、通常の免震装置のみが作動して免震効果を与え、長周期地震動により建物1が共振し、ガタを超えて振動した時には、通常の免震装置に加えて追加の積層ゴムとダンパーが作動し、共振を抑制する。
【選択図】図5

Description

本発明は、免震建物に係わり、通常の短周期地震動のみならず、長周期地震動に対しても、振動を減少させるような免震装置を用いた免震建物に関する。
任意の水平方向から大きな地震動が到来すると、建物は大きく振動する。この大きな地震動による建物の振動をできるだけ小さくすることを目的として、1980年代の中頃から免震ビルが数多く建設されてきた。又、近年には、戸建て免震住宅も多数建設されている。
(一般的な免震建物)
一般的な免震建物を図1に示す。図1では、建物1と地面(床)2の間に複数の積層ゴム(鋼板とゴム板を交互に重ね合わせたもの)、及び複数のダンパー(減衰機構)が取り付けられている。
積層ゴムは、上下方向には非常に硬く、水平方向には柔らかいばね特性を有しており、建物の水平振動を抑えると共に、地震収束後に建物1と地面2の相対的な位置関係を元の状態に復帰させる役目をする。又、ダンパーは、建物の振動による運動エネルギーを熱に変えて、振動を減少させる役目をする。
上述の積層ゴムとダンパーを併せて「通常の免震装置」と呼ぶことにする。積層ゴムに減衰性の大きいゴムを使用したり、あるいは積層ゴムの中に鉛の丸棒を封入したりして、減衰性を高めることにより、ダンパーを使用しないこともある。本発明で提示する免震建物においては、図面を簡明にするために、図1の点線で示したダンパー(20a乃至20h)を省略することにする。
図1に示す免震建物の固有周期Tn[秒]は、積層ゴムの水平方向の合計ばね定数をk[N/m]、建物の全質量をm[kg]とし、減衰の影響を無視すると、(1)式で与えられる。
Tn=2π(m/k1/2 ・・・・・・・・・・(1)
(免震建物の免震効果)
大きな被害をもたらした、阪神大震災(1995年)、新潟県中越地震(2004年)、新潟県中越沖地震(2007年)、あるいは東日本大震災(2011年)における地震動は、周期が0.2〜1秒程度の短周期成分が卓越した地震動であった。
このような短周期成分が卓越した速い地震動を、以後、「通常の地震動」と呼ぶことにする。
従来の免震建物は、主として通常の地震動を対象としており、高い免震効果を得るために、免震建物の固有周期が通常の地震動の卓越周期よりも大きくなるように、設計されている。
例えば、高さが十数階以下の低中層免震建物では、固有周期が2〜4秒程度になるように設計される場合が多い。このように設計された免震建物は、地震動の最大加速度を1/3〜1/5程度に低減させるとされている。
ところが、固有周期が2〜4秒となるように設計された免震建物に、通常の地震動とは異なり、周期が2〜4秒のゆっくりとした長周期卓越成分を含む地震動(例えば、1964年6月に発生した新潟地震動)が到来して、地震動の卓越周期と免震建物の固有周期がほぼ一致した場合には、免震建物が共振し、建物が許容変位範囲を超えて大きく振動することになる。
(ダンパーの減衰を増大させて共振を抑制する方法)
長周期地震動による建物の共振を抑制するためには、ダンパーの減衰を大きくすればよい。しかしながら、ダンパーの減衰を一定値以上に大きくし過ぎると、通常の地震動に対する免震効果(加速度低減効果)は、低下してしまう。
通常の地震動に対して高い免震効果を与え、且つ長周期地震動による免震建物の共振を抑制するという、二つの課題を同時に解決するためには、一定相対変位までは減衰力が小さく、一定相対変位を超えると減衰力が増大するような、段階的な非線形減衰力特性を持つダンパーを用いることが有効である。長周期地震動は、卓越周期が2秒以上のゆっくりとした地震動であり、長周期地震動による建物のゆっくりとした振動に対しては、摩擦ダンパーが適している。
相対変位とは:建物の、地面に対する相対的な変位(建物と地面の絶対変位の差)
(振動系の固有周期を変化させて共振を回避する方法)
長周期地震動によって共振状態にある免震建物の振動を抑制するもう一つの方法は、共振時に免震建物の固有周期を変化させて、長周期地震動の卓越周期から離れるようにすることである。このような特性は、一定相対変位まではばねの強さ(ばね定数)が小さく、一定相対変位を超えるとばねの強さが増して、固有周期が減少するような、非線形復元力特性を持つばね機構を用いることによって得られる。
通常の地震動に対する免震効果と、長周期地震動に対する共振抑制効果の両方を考慮した免震建物は見当たらないが、2種類の地震動を考慮した免震テーブルとしては、下記特許文献が知られている。
特開2012−67840号公報
上記文献1に記載の免震テーブル装置は、漸硬型非線形復元力特性及び漸硬型非線形摩擦力特性を有しているが、共に非線形性が小さいので、長周期地震動による免震テーブルの共振を抑制する効果は、あまり大きくないと考えられる。
漸硬型非線形特性とは:変位が増すに従って、段々に硬くなるタイプの非線形特性
又、上記文献1で用いられている非線形復元力及び非線形摩擦力を発生する方法は、免震テーブルのような機器の免震には適用できるが、免震建物のような大重量物の免震には適用できない。
[発明の目的]
本発明は、通常の免震装置に、長周期地震動による共振を抑制するための免震装置(以後、「長周期地震用免震装置」と呼ぶ)を加えた、新しい免震装置を考案し、この新しい免震装置を用いた免震建物を提供することを、その目的とする。
本発明の新しい免震装置において、その片一方を構成する通常の免震装置は、従来のものと同様であり、複数の積層ゴム、又は複数の積層ゴムとダンパーによって構成される。
新しい免震装置の残りの片方を構成する長周期地震用免震装置は、複数組の積層ゴムとガタ発生機構、及びダンパーから成っている。ガタ発生機構は、水平面内の東西方向(X方向)と南北方向(Y方向)のみならず、水平面内の全ての方向にεのガタ(隙間)を持っている。一端を地面に固着された、長周期地震用の積層ゴムとダンパーは、このガタ発生機構を介して建物に取り付けられる。
従って、水平面内の任意の方向において、建物と地面の間の相対変位がεに達するまでは、長周期地震用免震装置は作動せず、建物には、通常の免震装置による復元力と減衰力のみが作用することになる。
長周期地震動により免震建物が共振して、ある方向の相対変位がεを超えると、その方向では、通常の免震装置に加えて長周期地震用免震装置が作動し、建物には漸硬型非線形復元力と漸硬型(階段状)摩擦力が作用することになる。これによって、免震建物の共振が回避・抑制される。
新聞等の報道によると、30年以内に70%程度の確率で起こるとされる南海トラフ沿いの巨大地震によって、東京、名古屋、大阪等の大都市に長周期地震動が到達し、建物に大きな被害を与えることが予測されている。長周期地震動は超高層ビルのみならず、免震建物にも被害を与えることが考えられる。
本発明の免震建物のように、通常の免震装置と、長周期地震用免震装置を併用すれば、通常の地震動に対する免震効果に加えて、長周期地震動による免震建物の共振を抑制する効果も得ることができる。
通常の免震建物の構成を示す。図1(A)は正面図であり、図1(B)は平面断面図である。 本発明の第1実施形態における、長周期地震用免震装置のみで支持された免震建物を示す。図2(A)は正面断面図であり、図2(B)は平面断面図である。 本発明の第1実施形態で用いられるガタ発生機構と、その下に取り付けられた長周期地震用積層ゴムを示す。図3(A)は正面図、図3(B)は正面断面図を示し、図3(C)は平面図を示す。 本発明の第1実施形態及び第2実施形態で用いられる、長周期地震用ダンパーの一例を示す。本例では、回転型の摩擦ダンパーが示されている。図4(A)は正面図であり、図4(B)は平面図である。 本発明の第1実施形態における、通常の免震装置と長周期地震用免震装置の両方で支持された、免震建物を示す。図5(A)は正面断面図であり、図5(B)は平面断面図である。 本発明の第1実施形態及び第2実施形態で用いられる、免震装置全体の抵抗力特性を示す。図6(A)は全積層ゴムの合計の復元力特性を示し、図6(B)は長周期地震用ダンパー(摩擦ダンパー)のみの全摩擦力特性を示す。 本発明の第2実施形態で用いられるガタ発生機構と、その下に取り付けられた長周期地震用積層ゴムを示す。図7(A)はシャフト支持板を取り除いた場合の鳥瞰図、図7(B)は正面図であり、図7(C)は側面図である。 本発明の第2実施形態における、通常の免震装置と長周期地震用免震装置の両方で支持された、免震建物を示す。図8(A)は正面断面図であり、図8(B)は平面断面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係わる免震建物100を、図1乃至図6に基づいて説明する。
図1は、通常の免震建物の構成を示したものである。建物基礎部1a及び建物本体1bから成る免震建物1と地面2との間には、スペーサー7a乃至7dを介して複数の積層ゴム3乃至6が取り付けられており、更に、取付柱21a乃至21hを介して複数のダンパー20a乃至20hが取り付けられている。
高減衰積層ゴムや鉛入り積層ゴムを用いる場合には、ダンパー20a乃至20hは省略されることもある。
図2は、本発明の免震装置の主要部分である、長周期地震用免震装置のみを免震建物1に取り付けた場合を示している。免震建物の基礎部1aは、平面内の任意の方向にεなるガタを発生する機構12乃至15を介して、複数の長周期地震用積層ゴム8乃至11によって支持されている。加えて、複数の長周期地震用ダンパー16乃至19が、ガタ発生機構12乃至15と地面2との間に取り付けられている。
図3は、長周期地震用積層ゴム8にガタ発生機構12を取り付けた状態を示している。図3(A)は正面図、図3(B)は正面断面図を示し、図3(C)は平面図を示す。
長周期地震用積層ゴム8は、通常の免震装置における積層ゴムと同様に、上下両端の取付鋼板8a、8bと、複数のゴム板8cと、複数の鋼板8dと、を重ね合わせて接着したものである。
他の長周期地震用積層ゴム9乃至11とガタ発生機構13乃至15の取付け状態も、図3と全く同様である。
長周期地震用積層ゴム8乃至11を用いる代わりに、それぞれコイルばね(図示せず)を用いてもよい。
ガタ発生機構12は、円形のフライパン状容器12aと、フライパン状容器の中を任意の水平方向に移動可能な円柱12bと、円柱下面に取り付けた複数の接触子(鋼球を嵌め込んだ接触子)12cと、円柱の回りに貼り付けた緩衝材12dと、によって構成されている。フライパン状容器12aの内壁と緩衝材12cとの間の隙間は、全ての方向においてεである。
図4は、長周期地震用ダンパーの一例として、回転式摩擦ダンパーの構造を示したものである。図4(A)は正面図を示し、図4(B)は平面図を示す。この摩擦ダンパーは、上側のダンパー17Aと、下側のダンパー17B及び左右両側のダンパー取付板17n、17mとを備えている。上側のダンパー17Aは、回転式摩擦発生部17aと、両側のアーム17b、17cと、アーム支持部17d、17eと、によって構成されている。下側のダンパー17Bも、上側のダンパー17Aと全く同じ構成となっている。ダンパー取付板17nは地面2に固定され、ダンパー取付板17mはガタ発生機構の円形フライパン状容器12aの外周に取り付けられる。
他の回転摩擦式ダンパー16、18、19も、前記回転摩擦式ダンパー17と全く同様な構造を持っている。
長周期地震用ダンパーは、図4に示した回転式摩擦ダンパーのみならず、普通にドアの上部に取り付けられる回転式オイルダンパー(ドアクローザー)や、通常の筒型オイルダンパー、あるいは筒型摩擦ダンパーであってもよい。
通常の免震装置3乃至6を、地面2と建物基礎部1aの間に取り付けると共に、ガタ発生機構の円形フライパン状容器12a乃至15aの下面を、地面に固着された長周期地震用積層ゴム8乃至11の上部に固定し、ガタ発生機構の円柱12b乃至15bの上面を建物基礎部1aに取り付け、更に長周期地震動用ダンパー16乃至19を、ガタ発生機構の円形フライパン状容器12a乃至15aの外周と地面2との間に取り付ければ、通常の地震動と長周期地震動の両方に有効な免震建物となる。
即ち、免震建物1が水平面内の任意の方向に振動する場合において、建物1の相対変位が±ε未満の時は、長周期地震用積層ゴム及びダンパーは作動せず、建物には、通常の免震装置のみが復元力と減衰力を与える。免震建物の共振により、任意の方向の相対変位が±εを超えると、建物には通常の免震装置に加えて長周期地震用免震装置が作動し、建物に漸硬型非線形復元力と漸硬型(階段状)摩擦力を与えて、共振を抑制する。
図5は、本発明の、通常の免震装置と長周期地震用免震装置から成る、新しい免震装置で支持された免震建物を示す。即ち、本免震建物1は、その基礎部1aを、通常の免震装置3乃至6(ダンパー20a乃至20hは図示せず)と、長周期地震用免震装置(8、12、16)乃至(11、15、19)と、によって支持されている。
図6は、本発明の免震装置が発生する、水平面内X方向の抵抗力特性を示したものである。図6(A)は、X方向における相対変位(地面に対する相対変位)uと、全復元力Fsの関係を示す。図6(A)から、相対変位uが±εを超えると、全積層ゴムの合計のばね定数が、kからkへと大きく変化することがわかる。
又、図6(B)は、X方向における相対変位uと、長周期地震用ダンパーの全摩擦力Fcとの関係を示す。図6(B)から、uが±εを超えると、大きな摩擦力(減衰力)が作用することがわかる。免震建物が受ける全減衰力は、図6(B)の摩擦力に、通常の免震装置の減衰力を加えたものに等しい。
X方向以外の任意の方向でも、X方向と同じ復元力特性と減衰力特性を示す。
図5の免震建物に、通常の短周期成分が卓越した地震動が到来した時は、通常の免震装置によって、高い免震効果が得られる。又、免震建物の固有周期に近い卓越成分を含む長周期地震動が到来して、免震建物が共振し、相対変位がεを超えて大きく振動しようとすると、長周期地震用免震装置によって免震建物の固有周期が大きく減少し、減衰力が大きく増大して、共振が抑制されることになる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係わる免震建物200を、図6乃至図8に基づいて説明する。
図7は、長周期地震用積層ゴム8に、第1実施形態とは異なるタイプのガタ発生機構22を取り付けた状態を示している。図7(A)は鳥瞰図(ただし、シャフト両端の支持板22d、22eは図示せず)を示し、図7(B)は正面図、図7(C)は側面図を示す。
長周期地震用積層ゴム8は、第1実施形態における積層ゴムと同様で、上下両端の取付鋼板8a、8bと、複数のゴム板8cと、複数の鋼板8dと、を重ね合わせて接着したものである。
他の長周期地震用積層ゴム9乃至11とガタ発生機構23乃至25の取付け状態も、図7と全く同様である。
長周期地震用積層ゴム8乃至11を用いる代わりに、それぞれコイルばね(図示せず)を用いてもよい。
ガタ発生機構22は、X方向とY方向に幅のある長孔(平面的な幅のある長孔)を持った中空ブロック22aと、その長孔の表面に張られた厚さtの緩衝材22bと、長孔を挿通するシャフト22cと、シャフトの両端部を支持する支持板22d、22eと、によって構成されている。長孔の幅(即ち、中空ブロックの幅)は、ダンパーを取り付けるのに十分な寸法であればよく、長孔の奥行きは、<シャフトの直径+2t+2ε>であり、長孔の高さは<シャフトの直径+2t>よりもわずかに大きければよい。又、シャフトの有効長さ(シャフト支持板間の内のり)は、<中空ブロックの幅+2ε>である。
中空ブロック22a乃至25aの下面は長周期地震用積層ゴム8乃至11に固着され、シャフト支持板の上面は建物基礎部1aに固着される。
図8は、第2実施形態における、本発明の免震装置で支持された免震建物を示す。即ち、本免震建物1は、その基礎部1aを、通常の免震装置3乃至6(ダンパー20a乃至20hは図示せず)と、長周期地震用免震装置(8、22、16)乃至(11、25、19)と、によって支持されている。
第2実施形態で用いる、長周期地震用免震装置のX・Y方向の復元力特性及び摩擦力特性は、第1実施形態における長周期地震用免震装置の抵抗力特性と同様で、図6(A)及び図6(B)で表される。
X・Y方向共に、相対変位uが±εを超えると、全積層ゴムの合計のばね定数がkからkへと大きく変化し、加えて、大きな摩擦力(減衰力)が作用する。
これにより、免震建物の固有周期が大きく減少し、減衰力が大きく増大して、共振が抑制されることになる。
又、任意の方向からの地震動については、地震動及び建物の応答を、X方向成分とY方向成分に分解して考えればよい。X・Y以外の方向では、ガタは±εよりも大きくなる。
図8の免震建物に、通常の短周期成分が卓越した地震動が到来した時は、通常の免震装置によって、高い免震効果が得られる。又、免震建物の固有周期に近い卓越成分を含む長周期地震動が到来して、免震建物が共振し、相対変位がガタを超えて大きく振動しようとすると、通常の免震装置と共に長周期地震用免震装置が作動して、免震建物の固有周期と減衰力が大きく変化し、共振が抑制されることになる。
本発明は、通常の地震動に対する免震効果のみならず、長周期地震動による共振を抑制する効果も備えた免震建物を実現するものであって、最近問題となっている、長周期地震動に対する対策として、実用化の可能性を有する。
100‥‥第1実施形態における免震建物
200‥‥第2実施形態における免震建物
1‥‥建物
1a‥‥建物基礎部
1b‥‥建物本体
2‥‥地面(床)
3、4、5、6‥‥短周期地震(通常の地震)用積層ゴム
7a、7b、7c、7d‥‥積層ゴム取付け用スペーサー
8、9、10、11‥‥長周期地震用積層ゴム
12(12a乃至12d),13(13a乃至13d)、14(14a乃至14d)、15(15a乃至15d)‥‥第1実施形態におけるガタ発生機構
16(16A、16B)、17(17A、17B)、18(18A、18B)、19(19A、19B)‥‥長周期地震用ダンパー
20a乃至20h‥‥短周期地震用ダンパー
21a乃至21h‥‥短周期地震用ダンパー取付柱
22(22a乃至22e),23(23a乃至23e)、24(24a乃至24e)、25(25a乃至25e)‥‥第2実施形態におけるガタ発生機構

Claims (4)

  1. 複数の積層ゴム若しくは複数の積層ゴムとダンパーから成る通常の短周期地震用免震装置と、
    水平面内の任意の方向にガタを持つ複数のガタ発生機構と当該ガタ発生機構の各下面に固着される複数の積層ゴムとを備えた長周期地震用免震装置と、
    により支持された免震建物であって、
    前記ガタ発生機構を、円形のフライパン状容器と、当該フライパン状容器の中を任意の水平方向に移動可能な円柱と、当該円柱の下面に取り付けた複数の転がり接触子と、円柱の周囲に貼った緩衝材と、により構成したことを特徴とする免震建物。
  2. 請求項1に記載の免震建物において、ガタ発生機構と地面(床)の間に複数のダンパーを取り付けたことを特徴とする免震建物。
  3. 請求項1又は2に記載の免震建物において、前記円形フライパン状容器と緩衝材を貼った円柱と転がり接触子から成るガタ発生機構の代わりに、
    前記ガタ発生機構を、緩衝材を貼った直方体状の孔を持つ中空ブロックと、直方体状の孔を挿通するシャフトと、シャフトの両端を支持し建物下面に固着される支持板と、により構成したことを特徴とする免震建物。
  4. 請求項1、2又は3に記載の免震建物において、長周期地震用積層ゴムの代わりに、コイルばねを用いたことを特徴とする免震建物。
JP2016084005A 2016-04-04 2016-04-04 長周期地震対応免震建物 Expired - Fee Related JP6384817B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016084005A JP6384817B2 (ja) 2016-04-04 2016-04-04 長周期地震対応免震建物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016084005A JP6384817B2 (ja) 2016-04-04 2016-04-04 長周期地震対応免震建物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017186860A true JP2017186860A (ja) 2017-10-12
JP6384817B2 JP6384817B2 (ja) 2018-09-05

Family

ID=60044662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016084005A Expired - Fee Related JP6384817B2 (ja) 2016-04-04 2016-04-04 長周期地震対応免震建物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6384817B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101933870B1 (ko) * 2018-05-04 2019-01-02 조청환 아파트 구조물의 저층부 측 내진설계를 갖는 내진 보강방법
CN113757305A (zh) * 2021-09-07 2021-12-07 云南电网有限责任公司电力科学研究院 一种多维地震组合隔震支座

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03183839A (ja) * 1989-12-12 1991-08-09 Taisei Corp 構築物の免震・制振装置
JP2000249188A (ja) * 1999-02-26 2000-09-12 Kurashiki Kako Co Ltd 免震装置
JP2011256947A (ja) * 2010-06-09 2011-12-22 Shimizu Corp 時間領域切替型免震装置
JP2014111974A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Hayashi Bussan Co Ltd 免震部材
JP2015168997A (ja) * 2014-03-07 2015-09-28 明義 西野 建造物の防震基礎構造

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03183839A (ja) * 1989-12-12 1991-08-09 Taisei Corp 構築物の免震・制振装置
JP2000249188A (ja) * 1999-02-26 2000-09-12 Kurashiki Kako Co Ltd 免震装置
JP2011256947A (ja) * 2010-06-09 2011-12-22 Shimizu Corp 時間領域切替型免震装置
JP2014111974A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Hayashi Bussan Co Ltd 免震部材
JP2015168997A (ja) * 2014-03-07 2015-09-28 明義 西野 建造物の防震基礎構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101933870B1 (ko) * 2018-05-04 2019-01-02 조청환 아파트 구조물의 저층부 측 내진설계를 갖는 내진 보강방법
CN113757305A (zh) * 2021-09-07 2021-12-07 云南电网有限责任公司电力科学研究院 一种多维地震组合隔震支座

Also Published As

Publication number Publication date
JP6384817B2 (ja) 2018-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9394967B2 (en) Three-dimensional shock-absorbing device
KR101778155B1 (ko) 전방향 내진 성능을 갖는 배전반
KR101960160B1 (ko) 지진저감용 스프링 면진 모듈
JP2019035493A (ja) 滑り支承装置
JP6384817B2 (ja) 長周期地震対応免震建物
JP5621101B1 (ja) 建造物の防震基礎構造
JP2012042016A (ja) 3次元免震装置
JP6482373B2 (ja) 免震構造
JP6378494B2 (ja) 免震構造
JP2013053653A (ja) 除振架台の減震ストッパ
JP2016125636A (ja) 減震装置
JP5917751B2 (ja) 除振架台の減震ストッパ
JP6420012B1 (ja) 建物用受動型制振装置
JP2015105554A (ja) 免震構造
JP5801139B2 (ja) 衝撃ダンパ
JP2011144892A (ja) 制振装置
JP2888807B2 (ja) 上下衝撃吸収型積層ゴム支承
JP6274172B2 (ja) 免震テーブル装置
JP5095015B1 (ja) 免震装置
JP2018145981A (ja) 制振装置、制振構造
JP2015140853A (ja) 免震部材
JP2017089109A (ja) 塔状構造物
JP2005330799A (ja) 免震構造
JP2012219879A (ja) 上下免震装置
JP6629650B2 (ja) 免震構造に発生する加速度のピークを低減する方法及び免震構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180724

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6384817

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees