JP2019035493A - 滑り支承装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常程度の地震動等に対して高い免震効果を発揮しながら、巨大地震動や長周期大振幅地震動等に対する免震効果も得ることができる、滑り支承装置を提供する。【解決手段】第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4と、第1被滑り部材3と第2被滑り部材4との間に配置された支承本体部5と、支承本体部5に固定され、第1被滑り部材3に滑り接触する第1摺動部材6と、支承本体部5に固定され、第2被滑り部材4に滑り接触する第2摺動部材7とを有する滑り支承装置1であって、第1被滑り部材3と第1摺動部材6との間で滑り接触面積を制限する第1ストッパ機構5aと、第2被滑り部材と第2摺動部材との間で滑り接触面積を制限する第2ストッパ機構5bとをさらに有し、第2被滑り部材4と第2摺動部材7との間の第2摩擦係数は、第1被滑り部材3と第1摺動部材6との間の第1摩擦係数よりも小さく、第2滑り接触面積は、第1滑り接触面積よりも大きい。【選択図】図1

Description

この発明は、滑り支承装置に関する。
地震動等の揺れが発生した場合の設備や建物等の構造物の免震手段として、滑り支承装置が採用されている。滑り支承装置は、滑り接触する2つの部材同士の摺動によって、支持する構造物に伝わる、例えば水平方向の振動を吸収させている。
例えば、特許文献1においては、鋼材やステンレス等で形成された支承体の鉛直方向両面に摺動部材を配置した滑り支承装置が提案されている。
さらに、特許文献2においては、支承本体部の鉛直方向両面の摺動部材のうち、支承本体部の鉛直方向両面における面圧を異なるものとして、最初に滑り出す面を特定し、構造物に一定以上の揺れが発生した場合に、他方の面が滑り出す構造としている。
特開2004−300776号公報 特開2002−39266号公報
しかしながら、従来技術では、水平方向に長周期で振幅する巨大地震動等に対する免震効果が十分でなく、この点に改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、通常程度の地震動等に対して高い免震効果を発揮しながら、巨大地震動や長周期大振幅地震動等に対する免震効果も得ることができる、滑り支承装置の提供にある。
本発明の滑り支承装置は、互いに鉛直方向に離隔した、第1被滑り部材及び第2被滑り部材と、前記第1被滑り部材と前記第2被滑り部材との間に配置された、支承本体部と、前記支承本体部に固定され、前記第1被滑り部材に滑り接触する、第1摺動部材と、前記支承本体部に固定され、前記第2被滑り部材に滑り接触する、第2摺動部材と、を有する滑り支承装置であって、前記第1被滑り部材と前記第1摺動部材との間で滑り接触可能な滑り接触面積を、所定の第1滑り接触面積に制限する、第1ストッパ機構と、前記第2被滑り部材と前記第2摺動部材との間で滑り接触可能な滑り接触面積を、所定の第2滑り接触面積に制限する、第2ストッパ機構と、をさらに有し、前記第2被滑り部材と前記第2摺動部材との間の第2摩擦係数は、前記第1被滑り部材と前記第1摺動部材との間の第1摩擦係数よりも小さく、前記第2滑り接触面積は、前記第1滑り接触面積よりも大きいことを特徴とする。
本発明の滑り支承装置によれば、通常程度の地震動等に対して高い免震効果を発揮しながら、巨大地震動や長周期大振幅地震動等に対する免震効果も得ることができる。
本発明の滑り支承装置においては、前記支承本体部は、金属板とゴム板とが交互に積層された積層体を含むことが好適である。
この構成によれば、構造物を支持しながら、より高い揺れの減衰効果を得ることができる。
本発明の滑り支承装置においては、前記支承本体部は、前記積層体の積層方向両側にフランジを有することが好適である。
この構成によれば、支承本体部がストッパ機構に当接した際に、積層体への衝撃を緩和することができる。
本発明の滑り支承装置においては、前記第1ストッパ機構は、前記第1被滑り部材の一部が前記支承本体部側に突出してなる、第1突出部を備え、前記第2ストッパ機構は、前記第2被滑り部材の一部が前記支承本体部側に突出してなる、第2突出部を備えることが好適である。
この構成によれば、ストッパ機構を簡易に形成することができる。
本発明の滑り支承装置においては、前記第1突出部及び前記第2突出部の少なくとも一方は、前記第1被滑り部材側又は前記第2被滑り部材側から前記支承本体部側に向かって鉛直方向に延在する鉛直部と、該鉛直部の該支承本体部側の端部から前記支承本体部側に向かって水平方向に延在する水平部と、からなることが好適である。
この構成によれば、支承本体部がストッパ機構を超えて脱落してしまうのを防ぐことができる。
本発明の滑り支承装置においては、前記第1摩擦係数及び前記第2摩擦係数の少なくとも一方は、平面視で、前記第1被滑り部材又は前記第2被滑り部材の中央部から周縁部に向かって漸増することが好適である。
この構成によれば、水平方向の外力を効率的に吸収し、支承本体部等に与える衝撃を緩和することができる。
本発明により、通常程度の地震動等に対して高い免震効果を発揮しながら、巨大地震動や長周期大振幅地震動等に対する免震効果も得ることができる、滑り支承装置を提供することができる。
本発明の滑り支承装置の一実施形態を示す、鉛直方向断面図である。 図2(a)は、図1の滑り支承装置における、第1被滑り部材を支承本体部側から見た平面図であり、図2(b)は、図1の滑り支承装置における、第2被滑り部材を支承本体部側から見た平面図である。 図1の滑り支承装置の作用を説明するための鉛直方向概略断面図であり、(a)は、水平方向振動不発生時における、滑り支承装置の状態を示すための図であり、(b)及び(c)は、水平方向振動発生時における、滑り支承装置の状態を示すための図である。 本発明の滑り支承装置の他の実施形態を示す、鉛直方向断面図である。
以下に、図面を参照しつつ、本発明に係る滑り支承装置の実施形態を例示説明する。
まず、本発明の一実施形態(実施形態1)に係る滑り支承装置について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の滑り支承装置の一実施形態を示す、鉛直方向断面図である。
図1に示すとおり、滑り支承装置1は、構造体2A及び構造体2Bとの間に配置され、互いに鉛直方向に離隔した、第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4と、第1被滑り部材3と第2被滑り部材4との間に配置された、支承本体部5と、支承本体部5に固定され、
第1被滑り部材3に滑り接触する、第1摺動部材6と、支承本体部5に固定され、第2被滑り部材4に滑り接触する、第2摺動部材7と、を有している。
ここで、鉛直方向は、図1では紙面上下方向(紙面上方向が鉛直方向上方、紙面下方向が鉛直方向下方)を指し、滑り接触とは、互いに接触する面同士の間で滑ることが可能であるように接触していることをいう。
構造体2Aは、例えば、高層ビル等の高層構造物や、一戸建て等の低層構造物である。なお、建築物に限られず、設備等であってもよい。また、構造体2Bは、例えば建物基礎や地盤である。
図1に示すとおり、滑り支承装置1は、互いに鉛直方向に離隔した第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4を有している。本実施形態において、第1被滑り部材3は構造体2Aに固定され、第2被滑り部材4は構造体2Bに、任意の方法、例えばボルト等で固定されている。
第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4は、例えば、ステンレス鋼板、クロム等の硬質メッキを施した鋼板、フッ素樹脂を塗布した鋼板等からなる、平坦な面を有する部材である。
本実施形態では、第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4は、平面視円形状を呈しており、厚みは任意である。また、第1被滑り部材3は、後述する第1摺動部材6と当接可能な面F1を有し、第2被滑り部材4は、後述する第2摺動部材7と当接可能な面F2を有し、これら面F1及び面F2についても円形状である。
さらに、本実施形態において、第1摺動部材6及び第2摺動部材7は、それぞれ、第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4に対して滑ることができれば、任意のものを用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂やPTFE(四フッ化エチレン樹脂)等からなるものとすることができる。また、第1摺動部材6又は第2摺動部材7を上記素材又はステンレス鋼板等とした上で、第1被滑り部材3又は第2被滑り部材4との接触面にグリースや油等の潤滑油を塗布してもよい。
第1摺動部材6及び第2摺動部材7は、後述の支承本体部5(より具体的には、支承本体部5の上フランジ5a又は下フランジ5b)に固定されており、また、平面視にて、第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4の面F1及び面F2よりも面積の小さい、円形状を呈している。
このような構成によれば、地震動等の水平方向の入力が発生した場合に、支承本体部5が、第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4に対し、それぞれ第1摺動部材6及び第2摺動部材7を介して滑ることにより、もとの位置から水平方向に相対移動して、水平方向の外力を吸収することができる。
また、図2(a)は、図1の滑り支承装置における、第1被滑り部材を支承本体部側から見た平面図であり、図2(b)は、図1の滑り支承装置における、第2被滑り部材を支承本体部側から見た平面図である。なお、図2(a)において、第1摺動部材6の設置当初の位置を点線で概念的に示し、図2(b)においても、第2摺動部材7の設置当初の位置を点線で概念的に示している。
図2に示すとおり、本実施形態において、第1被滑り部材3は、第1摺動部材6と当接可能な面F1において、設置当初の配置から、第1摺動部材6との間で水平移動可能な領域である、滑り接触領域f1を有する。同様に、第2被滑り部材4は、第2摺動部材7と当接可能な面F2において、接地当初の配置から、第2摺動部材7との間で水平移動可能な領域である、滑り接触領域f2を有する。ここで、滑り接触領域f1の面積を、滑り接触面積S1とし、滑り接触領域f2の面積を、滑り接触面積S2とする。
本実施形態において、滑り支承装置1は、第1被滑り部材3と第1摺動部材6との間で水平移動可能な上記滑り接触面積S1を、所定の第1滑り接触面積S10に制限する、第1ストッパ機構と、第2被滑り部材4と第2摺動部材7との間で水平移動可能な上記滑り接触面積S2を、所定の第2滑り接触面積S20に制限する、第2ストッパ機構と、を、さらに有している。
本実施形態においては、第1ストッパ機構は、図1の例では第1被滑り部材3の外周縁に沿って、第1被滑り部材3の一部が支承本体部5側に突出してなる、第1突出部30を備えているとともに、第2ストッパ機構は、図1の例では第2被滑り部材4の外周縁に沿って、第2被滑り部材4の一部が支承本体部5側に突出してなる、第2突出部40を備えている。従って、本実施形態では、上記第1被滑り部材3の突出部30(より具体的には、突出部30の内周面)と、後述する支承本体部5の上フランジ5a(より具体的には、上フランジ5aの外周面)と、により、第1ストッパ機構が構成されており、また、上記第2被滑り部材4の突出部40(より具体的には、突出部40の内周面)と、後述する支承本体部5の下フランジ5b(より具体的には、下フランジ5bの外周面)と、により、第2ストッパ機構が構成されている。即ち、地震動等の水平振動入力時に、第1被滑り部材3の突出部30(より具体的には、突出部30の内周面)と、後述する支承本体部5の上フランジ5a(より具体的には、上フランジ5aの外周面)と、が当接することにより、第1被滑り部材3と第1摺動部材6との間で滑り接触可能な滑り接触面積が制限され、また、第2被滑り部材4の突出部40(より具体的には、突出部40の内周面)と、後述する支承本体部5の下フランジ5b(より具体的には、下フランジ5bの外周面)と、が当接することにより、第2被滑り部材4と第2摺動部材7との間で滑り接触可能な滑り接触面積が制限される。この構成によれば、簡易な構成で、ストッパ機能を効果的に発揮させることができる。
但し、第1ストッパ機構及び第2ストッパ機構は、滑り接触可能な滑り接触面積S1及びS2を、それぞれ、所定の滑り接触面積S10及びS20に制限することができる限り、上記の構成によらず、任意の構成とすることができる。例えば、第1突出部及び第2突出部のいずれか一方を、被滑り部材ではなく、支承本体部のフランジに設け、例えば当該フランジの外周縁に沿って設けて、当該支承本体部のフランジの突出部の内周面と平板状の被滑り部材の外周面とにより、第1ストッパ機構又は第2ストッパ機構を構成してもよい。
なお、図1に示す例では、第1突出部30及び第2突出部40は、それぞれ、第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4の一部が、支承本体部5側に向かうように鉛直方向に延在する形状を有するが、支承本体部5側に弧状の延在する形状とすることもできる。また、第1被滑り部材3及び第2被滑り部材の一部が、支承本体部5側に球状に突出してなる形状としてもよい。
また、図1に示す例では、第1突出部30及び第2突出部40はそれぞれ、第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4と一体に形成されているが、別体に形成された突出部を平板状の被滑り部材に固着して、被滑り部材としてもよい。
ここで、所定の第1滑り接触面積S10及び所定の第1滑り接触面積S20は、後述するように、S10<S20である限り、任意に設定することができる。
また、本実施形態において、支承本体部5は、金属板とゴム板とが交互に積層された積層体を含むとともに、積層体の積層方向両側にフランジを有するものである。即ち、支承本体部5は、上フランジ5a及び下フランジ5bと、上フランジ5aと下フランジ5bとの間に配置された積層体5cとからなっている。積層体5cは、鉛直方向上下が、上フランジ5a及び下フランジ5bに固定され、金属板5dとゴム板5eとが交互に積層され、外周面が被覆ゴム5fで被覆されている。本実施形態において、積層体5cは、平面視で円形状である。
積層体5cを、金属板5dとゴム板5eとが交互に積層された形状とすることによって、鉛直荷重に対して構造体2Aを支持することができ、さらに、水平方向の外力に対してゴム板5eが水平方向に変形して、地震動による水平方向の外力を吸収することができる。従って、構造体2Aを支持しながら、より高い免震効果を得ることができる。
なお、金属板5dは、例えば、金属やプラスチック等の剛性の高い板材からなるものとすることができ、ゴム板5eは、天然ゴムや高減衰ゴム等からなるものとすることができる。
また、図1に示すとおり、上フランジ5a及び下フランジ5bは、積層体5cよりも外径が同等か、又は大きくされている。
この構成によれば、振動発生時、支承本体部5が水平変位して、第1突出部30又は第2突出部40に当接した際に、積層体5cへの衝撃を緩和することができる。
なお、上フランジ5a及び下フランジ5bは、例えば、金属やプラスチック等の剛性の高い板材からなるものとすることができる。
また、積層体5cは、柱状の金属(例えば、鉛、錫等)製の金属プラグ(図示せず)の周囲に金属板とゴム板とが交互に積層されてなるものとしてもよい。この構成によれば、水平方向の外力に対してより高い減衰効果を発揮させることができる。
さらに、本実施形態における、第1被滑り部材及び第2被滑り部材について図2を参照して説明する。図2(a)及び図2(b)に示すとおり、第2滑り接触面積S20は、第1滑り接触面積S10よりも大きい(S10<S20)。なお、本実施形態において、第1被滑り部材3及び第1被滑り部材において第1摺動部材6と当接可能な面F1並びに第2被滑り部材4及び第2被滑り部材4において第2摺動部材7と当接可能な面F2は、平面視にて円形状であるが、楕円形状や多角形状等、その他の形状とすることもできる。
さらに、本実施形態において、第2被滑り部材4と第2摺動部材7との間の第2摩擦係数は、第1被滑り部材3と第1摺動部材6との間の第1摩擦係数よりも小さい。
ここで、摩擦係数とは、静摩擦係数及び動摩擦係数を含むが、少なくとも静摩擦係数が上記の関係であることが必要である。本実施形態では、静摩擦係数及び動摩擦係数の双方が上記関係を満たしている。摩擦係数は、例えば、被滑り部材及び摺動部材の材質や、表面粗さ、面積、潤滑材の塗布の有無等によって調整することができる。
本実施形態の効果について、図3(a)〜(c)を参照しながら、以下に説明する。
図3は、図1の滑り支承装置1の作用を説明するための鉛直方向概略断面図であり、図3(a)は、水平方向振動不発生時における、滑り支承装置1の状態を示すための図であり、図3(b)及び図3(c)は、水平方向振動発生時における滑り支承装置1の状態を示すための図である。
なお、本実施形態において、第1突出部30及び第2突出部40は、図2(a)及び図2(b)に示すとおり円環状に連続して延在しているが、ここでは、説明の便宜上、図3(a)〜(c)に示すように、鉛直方向断面における水平方向一方側を、第1突出部30a及び第2突出部40aとし、水平方向他方側を、第1突出部30b及び第2突出部40bと称する。また、同図では、積層体5cの詳しい構造については省略している。
地震動等による振動が発生していない状況下では、図3(a)に示すように、滑り支承装置1は、鉛直方向上側に位置する構造体2Aを支持し、支承本体部5は、第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4の中央部に配置されている。
地震動等による揺れが発生し、滑り支承装置1に水平方向の力(図の例では、滑り支承装置1の構造体A側に紙面右方向への力がかかると、構造体2Aと構造体2Bとの間に水平方向のずれが生じる。まず、積層体5cの水平方向変形(せん断変形)で若干の当該水平変形を吸収するが、水平方向変位が一定以上になると、摩擦係数が相対的に低い、第2被滑り部材4と第2摺動部材7との間で滑り作用が発生する。即ち、支承本体部5が、第2被滑り部材4に対し、第2摺動部材7を介して滑り出して水平変位する。
さらに、地震動等の揺れが大きく、支承本体部5の水平変位量が大きくなると、図3(b)に示すように、支承本体部5の下フランジ5bが第2突出部40aに当接する。すると、今度は、摩擦係数が相対的に高い、第1被滑り部材3と第1摺動部材6との間で滑り作用が発生する。支承本体部5は、第1被滑り部材3に対して、第1摺動部材6を介して滑り出して水平変位する。
次いで、さらに支承本体部5の水平変位量が大きくなると、図3(c)に示すように、支承本体部5の上フランジ5aが第1突出部30bに当接する。支承本体部5は、上フランジ5aが第1突出部30bに当接し、下フランジ5bが第2突出部40aに当接して、第1突出部30b及び第2突出部40aに挟まれた状態となる。すると、図3(c)に示すとおり、支承本体部5は、今度は免震支承として機能し、水平方向の外力に対して、積層体5cのゴム板5eが水平方向に変形して、水平方向の外力を吸収することができる。
即ち、本実施形態の滑り支承装置1は、通常の地震時には低摩擦係数滑り支承として機能し、巨大地震時にフランジがストッパ機構に当たるまでは低摩擦係数滑り支承、当たってからは、高摩擦係数滑り支承として機能する。さらに高摩擦係数滑り支承として機能して、フランジがストッパ機構に当たると、積層ゴム支承体として機能する。このように、地震動等の揺れの大きさに応じて高い免震効果を発揮することができる。
また、本実施形態における滑り支承装置1は、図2(a)及び図2(b)に示すとおり、滑り接触領域f2の第2滑り接触面積S2が、滑り接触領域f1の第1滑り接触面積S1よりも大きく、通常の地震動に対しては、滑り接触領域f1の範囲で建物が長周期化されることで地震力が軽減される。ところが、極稀に起こるとされる長周期地震動のような振動に対しては周期が共振し、滑り接触領域f1を超えるような振幅に増幅されることになる。そこで、摩擦係数が大きく、建物の固有周期を短くする滑り接触領域f2によって振動周期をずらすことができるため、長周期大振幅の巨大地震動等との共振を抑制することができる。
また、本実施形態において、第1摩擦係数及び前記第2摩擦係数の少なくとも一方は、平面視で、前記第1被滑り部材又は前記第2被滑り部材の中央部から周縁部に向かって漸増する。即ち、本実施形態の滑り支承装置1では、図2(a)に示す、第1摺動部材6が設置当初の中央部に位置しているときの、第1摺動部材6と第1被滑り部材3との間の摩擦係数よりも、第1摺動部材6が突起部30側の周縁部に向かって水平移動したときの、第1摺動部材6と第1被滑り部材3との間の摩擦係数の方が大きくなっている。同様に、図2(b)に示す、第2摺動部材7が設置当初の中央部に位置しているときの、第2摺動部材7と第2被滑り部材4との間の摩擦係数よりも、第2摺動部材7が突起部40側の周縁部に向かって水平移動したときの、第2摺動部材7と第2被滑り部材4との間の摩擦係数の方が大きくなっている。
即ち、摺動部材と被滑り部材との間の摩擦係数は、図2(a)及び図2(b)に示すところの、摺動部材が中央部から周縁部に向かうに従い、漸増している。
このような構成によれば、第2摺動部材7が、第2被滑り部材4上を滑り出して周縁部に向かって水平移動すると、第2摺動部材7と第2被滑り部材4との間の摩擦係数が漸増するため、中央部から周縁部に向かうにつれて摩擦抵抗が生じ、揺れを効率良く減衰させることができる。さらに、第1摺動部材6が、第1被滑り部材3上を滑り出して周縁部に向かって水平移動すると、第1摺動部材6と第1被滑り部材3との間の摩擦係数が漸増するため、中央部から周縁部に向かうにつれて摩擦抵抗が生じ、揺れを効率よく減衰させることができる。さらに、突出部30又は突出部40に上フランジ5a又は下フランジ5bが当接したときの衝撃も緩和することができるため、支承本体部5や構造体2A及び2Bに与える衝撃を緩和することができる。
次に、本発明の他の実施形態(実施形態2)に係る滑り支承装置について、図4を参照しながら説明する。実施形態2は、第1被滑り部材3及び第2被滑り部材4の構成が実施形態1と異なる以外は、実施形態1と同様である。以下、実施形態2における滑り支承装置1について、実施形態1と異なる点を中心に説明する。
図4は、本発明の滑り支承装置の他の実施形態を示す、鉛直方向断面図である。
本実施形態の滑り支承装置1において、第1突出部300及び第2突出部400の少なくとも一方は、第1被滑り部材3側又は第2被滑り部材4側から支承本体部5側に向かって鉛直方向に延在する鉛直部と、該鉛直部の該支承本体部5側の端部から前記支承本体部5側に向かって水平方向に延在する水平部と、からなる。
本実施形態では、図4に示すとおり、第1突出部300は、第1被滑り部材3側から支承本体部5側に向かって鉛直方向(即ち、鉛直方向下方)に延在する鉛直部300aと、該鉛直部300aの支承本体部5側の端部から支承本体部5側に向かって水平方向(即ち、水平方向内方)に延在する、水平部300bとからなり、第2突出部400は、第2被滑り部材4側から支承本体部5側に向かって鉛直方向(即ち、鉛直方向上方)に延在する鉛直部400aと、該鉛直部400aの支承本体部5側の端部から支承本体部5側に向かって水平方向(即ち、水平方向内方)に延在する水平部400bと、からなる。
この構成によれば、上フランジ5a又は下フランジ5bが、第1突出部300又は第2突出部400に当接した際に、第1突出部300又は第2突出部400から脱落して破損したりするのを防ぐことができる。
1:滑り支承装置、 2A、2B:構造体、 3:第1被滑り部材、 4:第2被滑り部材、 5:支承本体部、 5a:上フランジ(フランジ、第1ストッパ機構)、 5b:下フランジ(フランジ、第2ストッパ機構)、 5c:積層体、 5d:金属板、 5e:ゴム板、 5f:被覆ゴム、 6:第1摺動部材、 7:第2摺動部材、 30、300:第1突出部、 40、400:第2突出部、 300a、400a:鉛直部、 400a、400b:水平部、 F1:第1摺動部材6と当接可能な面、 F2:第1摺動部材7と当接可能な面、 f1、f2:滑り接触領域、 S1、S2:第1滑り接触面積、 S10:第1滑り接触面積、 S20:第2滑り接触面積

Claims (6)

  1. 互いに鉛直方向に離隔した、第1被滑り部材及び第2被滑り部材と、
    前記第1被滑り部材と前記第2被滑り部材との間に配置された、支承本体部と、
    前記支承本体部に固定され、前記第1被滑り部材に滑り接触する、第1摺動部材と、
    前記支承本体部に固定され、前記第2被滑り部材に滑り接触する、第2摺動部材と、を有する滑り支承装置であって、
    前記第1被滑り部材と前記第1摺動部材との間で滑り接触可能な滑り接触面積を、所定の第1滑り接触面積に制限する、第1ストッパ機構と、
    前記第2被滑り部材と前記第2摺動部材との間で滑り接触可能な滑り接触面積を、所定の第2滑り接触面積に制限する、第2ストッパ機構と、をさらに有し、
    前記第2被滑り部材と前記第2摺動部材との間の第2摩擦係数は、前記第1被滑り部材と前記第1摺動部材との間の第1摩擦係数よりも小さく、
    前記第2滑り接触面積は、前記第1滑り接触面積よりも大きいことを特徴とする、
    滑り支承装置。
  2. 前記支承本体部は、金属板とゴム板とが交互に積層された積層体を含む、請求項1に記載の滑り支承装置。
  3. 前記支承本体部は、前記積層体の積層方向両側にフランジを有する、請求項2に記載の滑り支承装置。
  4. 前記第1ストッパ機構は、前記第1被滑り部材の一部が前記支承本体部側に突出してなる、第1突出部を備え、前記第2ストッパ機構は、前記第2被滑り部材の一部が前記支承本体部側に突出してなる、第2突出部を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の滑り支承装置。
  5. 前記第1突出部及び前記第2突出部の少なくとも一方は、前記第1被滑り部材側又は前記第2被滑り部材側から前記支承本体部側に向かって鉛直方向に延在する鉛直部と、該鉛直部の該支承本体部側の端部から前記支承本体部側に向かって水平方向に延在する水平部と、からなる、請求項4に記載の滑り支承装置。
  6. 前記第1摩擦係数及び前記第2摩擦係数の少なくとも一方は、
    平面視で、前記第1被滑り部材又は前記第2被滑り部材の中央部から周縁部に向かって漸増する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の滑り支承装置。
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