JP2019052674A - 減衰装置、及び、免震構造 - Google Patents

減衰装置、及び、免震構造 Download PDF

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Abstract

【課題】段階的なフェールセーフ機構を実現し、装置の破損を防止する。【解決手段】2つの部材の間に設けられて2つの部材の相対変位による振動を減衰する減衰装置であって、外周に螺旋状のねじ溝が形成され、相対変位に応じて軸方向に直線運動するねじ軸と、ねじ軸が貫入され、ねじ軸の直線運動に応じてねじ軸の周方向に回転する回転体と、回転体の外側に配置され、周方向に回転可能な第1質量体と、回転体の外側に第1質量体と軸方向に並んで配置され、周方向に回転可能な第2質量体と、第1質量体に設けられ、回転体に圧接される第1摩擦材と、第2質量体に設けられ、回転体に圧接される第2摩擦材と、を備え、第1摩擦材と回転体との間の摩擦力と、第2摩擦材と回転体との間の摩擦力とが異なる。【選択図】図4

Description

本発明は、減衰装置、及び、免震構造に関する。
免震構造において積層ゴムなどとともに用いられる装置として、相対変位する2つの部材の間に設けられ、相対変位による振動を減衰する減衰装置が知られている。例えば、特許文献1では、ねじ軸の直線運動を質量体の回転運動に変換する変換機構を備え、質量体の回転慣性質量効果によって振動を低減させている。
特開2011−7323号公報
しかしながら、上述したような装置では、2つの部材の相対変位によって生じる応答加速度が大きいとき(過大入力時)、装置に大きな負荷がかかり破損するおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その主な目的は、段階的なフェールセーフ機構を実現し、装置の破損を防止することにある。
かかる目的を達成するために本発明の減衰装置は、2つの部材の間に設けられて前記2つの部材の相対変位による振動を減衰する減衰装置であって、外周に螺旋状のねじ溝が形成され、前記相対変位に応じて軸方向に直線運動するねじ軸と、前記ねじ軸が貫入され、前記ねじ軸の直線運動に応じて前記ねじ軸の周方向に回転する回転体と、前記回転体の外側に配置され、前記周方向に回転可能な第1質量体と、前記回転体の外側に前記第1質量体と前記軸方向に並んで配置され、前記周方向に回転可能な第2質量体と、前記第1質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第1摩擦材と、前記第2質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第2摩擦材と、を備え、前記第1摩擦材と前記回転体との間の摩擦力と、前記第2摩擦材と前記回転体との間の摩擦力とが異なることを特徴とする。
このような減衰装置によれば、応答加速度の大きさに応じて段階的なフェールセーフ機構を実現することができ、装置の破損を防止することができる。
かかる減衰装置であって、前記第1摩擦材の摩擦係数と、前記第2摩擦材の摩擦係数が異なっていてもよい。
このような減衰装置によれば、第1摩擦材と回転体との間の摩擦力と、第2摩擦材と回転体との間の摩擦力とを異ならせることができる。
かかる減衰装置であって、前記第1摩擦材と前記回転体との間の圧接力と、前記第2摩擦材と前記回転体との間の圧接力が異なっていてもよい。
このような減衰装置によれば、第1摩擦材と回転体との間の摩擦力と、第2摩擦材と回転体との間の摩擦力とを異ならせることができる。
かかる減衰装置であって、前記第1質量体と前記第1摩擦材との間に皿ばねを重ねて配置され、前記第1摩擦材を前記回転体に圧接させる第1皿ばね部と、前記第2質量体と前記第2摩擦材との間に前記皿ばねを重ねて配置され、前記第2摩擦材を前記回転体に圧接させる第2皿ばね部と、を有し、前記第1皿ばね部の前記皿ばねの枚数と、前記第2皿ばね部の前記皿ばねの枚数とが異なることが望ましい。
このような減衰装置によれば、圧接力を簡易に調整できる。
かかる減衰装置であって、前記回転体と前記軸方向に並び、転がり軸受けを介して前記回転体と接続された筒状部材を備え、前記ねじ軸は、前記2つの部材のうちの一方の部材に接続され、前記筒状部材は、前記2つの部材のうちの他方の部材に接続されていることが望ましい。
このような減衰装置によれば、2つの部材の相対変位によって、ねじ軸を直線運動させ、且つ、回転体を回転運動させることができる。
かかる減衰装置であって、前記筒状部材は、前記第2質量体の内側に配置されており、
前記筒状部材と前記第2質量体との間には粘性体又は粘弾性体が設けられていることが望ましい。
このような減衰装置によれば、減衰力を高めることができる。
かかる減衰装置であって、前記第2摩擦材と前記回転体との間の摩擦力は、前記第1摩擦材と前記回転体との間の摩擦力よりも小さいことが望ましい。
このような減衰装置によれば、フェールセーフ機構をより効率的に発揮することができる。
また、かかる目的を達成するために本発明の免震構造は、上部構造と下部構造との間に、一端が前記上部構造に接続され、且つ、他端が前記下部構造に接続されて水平方向の振動を減衰する減衰装置を備えた免震構造であって、前記減衰装置は、外周に螺旋状のねじ溝が形成され、前記上部構造と前記下部構造と前記水平方向の相対変位に応じて軸方向に直線運動するねじ軸と、前記ねじ軸が貫入され、前記ねじ軸の直線運動に応じて前記ねじ軸の周方向に回転する回転体と、前記回転体の外側に配置され、前記周方向に回転可能な第1質量体と、前記回転体の外側に前記第1質量体と前記軸方向に並んで配置され、前記周方向に回転可能な第2質量体と、前記第1質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第1摩擦材と、前記第2質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第2摩擦材と、
を備え、前記第1摩擦材と前記回転体との間の摩擦力と、前記第2摩擦材と前記回転体との間の摩擦力とが異なることを特徴とする。
このような免震構造によれば、水平方向の応答加速度の大きさに応じて段階的なフェールセーフ機構を実現することができ、装置の破損を防止することができる。
また、かかる目的を達成するために本発明の免震構造は、上部構造と下部構造との間に、上端が前記上部構造に接続され、且つ、下端が前記下部構造に接続されて上下方向の振動を減衰する減衰装置を備えた免震構造であって、前記減衰装置は、外周に螺旋状のねじ溝が形成され、前記上部構造と前記下部構造と前記上下方向の相対変位に応じて軸方向に直線運動するねじ軸と、前記ねじ軸が貫入され、前記ねじ軸の直線運動に応じて前記ねじ軸の周方向に回転する回転体と、前記回転体の外側に配置され、前記周方向に回転可能な第1質量体と、前記回転体の外側に前記第1質量体と前記軸方向に並んで配置され、前記周方向に回転可能な第2質量体と、前記第1質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第1摩擦材と、前記第2質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第2摩擦材と、を備え、前記第1摩擦材と前記回転体との間の摩擦力と、前記第2摩擦材と前記回転体との間の摩擦力とが異なることを特徴とする。
このような免震構造によれば、上下方向の応答加速度の大きさに応じて段階的なフェールセーフ機構を実現することができ、装置の破損を防止することができる。
かかる免震構造であって、前記減衰装置の前記上端と前記上部構造との接合、及び、前記減衰装置の前記下端と前記下部構造との接合はピン接合であってもよい。
このような免震構造によれば、上部構造と下部構造との水平方向の相対変位に対応することができる。
かかる免震構造であって、前記減衰装置の前記上端と前記上部構造との接合と、前記減衰装置の前記下端と前記下部構造との接合のうちの一方はピン接合であり、他方はローラー接合であってもよい。
このような免震構造によれば、上部構造と下部構造が水平方向に相対変位する際に垂直保持することが可能である。
かかる免震構造であって、前記減衰装置の前記上端と前記上部構造との接合、及び、前記減衰装置の前記下端と前記下部構造との接合はローラー接合であってもよい。
このような免震構造によれば、上部構造と下部構造が水平方向に相対変位する際に、変位の方向に関わらずに垂直保持することが可能である。
かかる免震構造であって、前記減衰装置の前記上端と前記上部構造との接合、及び、前記減衰装置の前記下端と前記下部構造との接合の少なくとも一方の接合の取付部が振動部材であることが望ましい。
このような免震構造によれば、建物の振動に同調させて減衰装置の振動を励起させることができ、上下方向の減衰をより大きくすることができる。
本発明によれば、段階的なフェールセーフ機構を実現でき、装置の破損を防止することができる。
本実施形態のダイナミックマスダンパー10を適用した免震構造のモデル(多質点系モデル)図である。 図1の免震層5に配置されている装置の構成例を示す概略断面図である。 参考例のダイナミックマスダンパー100の構成を示す断面図である。 本実施形態のダイナミックマスダンパー10の構成を示す断面図である。 応答加速度が小さい場合の動作の説明図である。 図6A及び図6Bは応答加速度がある程度大きい場合の動作の説明図である。図6Aは引張時の図であり、図6Bは圧縮時の図である。 図7A及び図7Bは応答加速度が大きい場合の動作の説明図である。図7Aは引張時の図であり、図7Bは圧縮時の説明図である。 接合部の構成例の説明図である。 本実施形態の通常時と地震時の状態を示す立面図である。 第1変形例の通常時と地震時の状態を示す立面図である。 図11A〜図11Dは、第2変形例の説明図である。図11Aは、第2変形例の構成を示す概略俯瞰図であり、図11Bは、相対変位の状態を示す図である。また、図11Cは、図11Bのように変位するときの通常時と地震時の状態を示すX方向立面図であり、図11Dは、図11Bのように変位するときの通常時と地震時の状態を示すY方向立面図である。
===実施形態===
<<免震構造について>>
図1は、本実施形態のダイナミックマスダンパー10を適用した免震構造のモデル(多質点系モデル)図であり、図2は、図1の免震層5に配置されている装置の構成例を示す概略断面図である。なお、図1では上部構造1よりも上の各層(フロア)の質量を質点で示している。
本実施形態の免震構造は、建物の上部構造1と下部構造3との間の免震層5に設けられており、ダイナミックマスダンパー10(減衰装置に相当)、積層ゴム20、摩擦皿ばね支承30を備えている。
ダイナミックマスダンパー10は、上端が上部構造1に接続されており、下端が下部構造3に接続されている。本実施形態ではダイナミックマスダンパー10の上端及び下端は、それぞれ、ボールジョイント方式によって上部構造1及び下部構造3に接続されている。そして、ダイナミックマスダンパー10は、上部構造1(ダイナミックマスダンパー10の上端)と下部構造3(ダイナミックマスダンパー10の下端)とが上下方向に相対変位するときの振動(上下方向の引張と圧縮の振動)を減衰する。なお、ダイナミックマスダンパー10の詳細については後述する。
積層ゴム20は、例えば、円形の鋼板21aとゴム層21bとを上下に交互に積層してなる円柱状の積層体21を、上下一対のフランジ板(上フランジ板22、下フランジ板23)で挟んで構成されている。また、下フランジ板23は、不図示のボルトなどにより下部構造3に固定され、上フランジ板22は、不図示のボルトなどにより上部構造1に固定されている。そして、積層ゴム20は、上部構造1と下部構造3との相対変位による水平力に応じて積層体21が水平方向に剪断変形して、上端の上フランジ板22と下端の下フランジ板23とが水平方向に相対変位することにより、上部構造1の水平振動を長周期化する。また、積層ゴム20は、下部構造3に対する上部構造1の位置を初期状態に戻す復元機能を備えている。なお、積層ゴム20は上部構造1を免震支承する機能も備えているが、本実施形態では主に摩擦皿ばね支承30が上部構造1を支承している。
摩擦皿ばね支承30(ディスクダンパー)は、上部構造1を支承するとともに、上部構造1と下部構造3とが水平方向に相対変位することによる振動(水平振動)を抑制(減衰)するものであり、滑り板31と、滑り材32と、皿ばね部33を備えている。
滑り板31は、下部構造3の上面に設けられた金属(例えばステンレス)製の板状部材である。本実施形態の滑り板31の平面形状は円形であるが、これには限られず、例えば正方形や多角形であってもよい。
滑り材32は、滑り板31の上面(滑り面)上において水平方向へ滑動自在に配置されている。また、滑り材32は、皿ばね部33によって下側に付勢されて滑り板31(滑り面)に圧接している。滑り材32としては、滑り板31との摩擦係数が大きい樹脂板(超高分子量ポリエチレンなど)が用いられている。この滑り材32は、皿ばね部33の底面に不図示のビスなどで取り付けられている。
皿ばね部33は、滑り材32を滑り板31に圧接させるためのものである。皿ばね部33は、下面に滑り材32が取り付けられ、その反対側(上側)に筒状部を有する下部筒体331と、当該下部筒体331の筒状部と嵌合する嵌合部を有する上部筒体332とを備えており、上部筒体332の嵌合部内に下部筒体331の筒状部がスライド自在に挿入されている。上部筒体332は、上部構造1の下面に固定されている。また下部筒体331のフランジにはその周方向に適宜間隔を隔ててボルト穴(不図示)が設けられるとともに、上部筒体332のフランジにはこのボルト穴に対応させてボルト穴(不図示)が形成されている。そして、この上下のボルト穴を貫通したボルト333の先端にナット334が螺合されている。
皿ばね部33内には、複数枚の単体の皿ばねを同じ向きに重ね合わせた皿ばね積層体33sが逆向きに(上下一対に)重ね合わせて収容されている。これにより、上部構造1と下部構造3との間の上下方向の隙間が変化したときに、これに追従してその高さ方向(上下方向)に伸び縮みするようになっている。なお、本実施形態では皿ばね積層体33sの重ね合わせの数(上下一対の組み合わせの数)は1つであるが、これには限られず、2つ以上であってもよい。
以上の構成により、建物周期を長周期化することができ、また、摩擦皿ばね支承30により水平方向の振動を減衰できる。さらに、上部構造1と下部構造3との間にダイナミックマスダンパー10を設けているので、上下方向の振動に対しても十分な減衰性能を確保することができる。
<<ダイナミックマスダンパー10の構成について>>
本実施形態のダイナミックマスダンパー10の構成について説明する前に、参考例について説明する。
<参考例>
図3は、参考例のダイナミックマスダンパー100の構成を示す断面図である。
参考例のダイナミックマスダンパー100は、ボールジョイント11、ねじ軸120、ボールナット130、軸受け140、付加錘150、内筒160、及び、粘性体170を備えている。
ボールジョイント11は、ダイナミックマスダンパー100の上端と下端にそれぞれ(一対)設けられている。そして、上側のボールジョイント11は上部構造1にピン接合され、下側のボールジョイント11は下部構造3にピン接合されている。
ねじ軸120は、外周にねじ溝121が螺旋状に設けられた軸部材であり、上側のボールジョイント11の下側に連続するように設けられて、上下方向に沿って配置されている。また、ねじ溝121とボールナット130との間には複数のボール(例えば金属球)が配置されている。
ボールナット130は、円筒形の部材であり、内部にねじ軸120が貫入されている。
軸受け140は、ボールナット130の外側に配置された所定の摩擦係数の摩擦材141と、付加錘150の内壁に皿ばねを重ねて設けられて摩擦材141をボールナット130に押し付ける(圧接させる)皿ばね部142を備えて構成されている。
付加錘150は、ダイナミックマスダンパー100の外筒を構成する円筒形の部材(質量体)である。
内筒160は、下側のボールジョイント11と連結して設けられており、付加錘150の内側に配置されている。内筒160は、ボールベアリング181を介してボールナット130と接続されている。なお、ボールベアリングとは、回転軸との間に(円周上に)複数の転動体(例えば金属球)が配置されて、それぞれ間隔を保ちながら円滑な転がり運動をする軸受け(転がり軸受け)である。また、内筒160は、ボールベアリング180を介して付加錘150と接続されている。また、内筒160の内部には、ねじ軸120の先端が挿入可能である。
粘性体170は、付加錘150と内筒160との間に設けられている。粘性体170としては、ポリイソブチレンその他の合成ゴム等を好適に使用することができる。また、シリコンなどの粘弾性体を用いてもよい。
以上の構成により、上部構造1と下部構造3との間の間隔が変化(上下方向に相対変位)すると、ねじ軸120が上下方向(ねじ軸120の軸方向)に移動する。このねじ軸120の軸方向の直線運動は、ボールナット130の回転運動に変換され、その回転に応じて、軸受け140を介して付加錘150が回転する。つまり、ボールナット130及び軸受け140(摩擦材141、皿ばね部142)は、ねじ軸120の直線運動を付加錘150の回転運動に変換する。また、付加錘150と内筒160の間には粘性体170が配置されているので、粘性体170の粘性力によってさらに減衰力が増加する。
このように、上部構造1と下部構造3との上下方向の相対移動量は、直線運動(軸運動)として、ねじ軸120に伝えられ、ボールナット130によって速度が増幅された付加錘150の回転運動に変換される。すなわち、ダイナミックマスダンパー100は、上部構造1と下部構造3との相対移動量を増幅して付加錘150の回転運動に換えている。
そして、この付加錘150が回転することによる回転慣性質量効果、及び、粘性体170によって内筒160の間に生じる粘性抵抗力が減衰性能を発揮し、振動(上下方向の振動)を減衰することができる。
しかしながら、振動入力(相対変位の応答加速度)が小さい場合に減衰がよく効くようにすると、入力が大きい場合に装置が故障するおそれがあった。そこで、本実施形態では、段階的なフェールセーフ機構を実現し、装置の故障を抑制できるようにしている。
<本実施形態>
図4は、本実施形態のダイナミックマスダンパー10の構成を示す断面図である。なお、参考例と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
本実施形態のダイナミックマスダンパー10は、ボールジョイント11、ねじ軸12、ボールナット13、軸受け14A〜14C、付加錘15A〜15C、内筒16、及び、粘性体17を備えている。
ねじ軸12は、参考例のねじ軸120と同様の軸部材であり、外周に一定ピッチの螺旋状のねじ溝12aが形成されている。ただし、本実施形態のねじ軸12は、参考例のねじ軸120よりも軸方向(ここでは上下方向)の長さが長い。ねじ軸12は、上側のボールジョイント11の下側に連続するように設けられて、上下方向に沿って配置されている。また、ねじ溝12aとボールナット13との間には複数のボール(例えば金属球)が配置されている。
ボールナット13(回転体に相当)は、参考例のボールナット130と同様の円筒形の部材であり、内側にねじ軸12が貫入されている。
軸受け14Aは、ボールナット13と付加錘15Aとの間に設けられており、摩擦係数μ1の摩擦材61と、付加錘15Aの内壁に皿ばねを重ねて設けられて摩擦材61をボールナット13に押し付ける(圧接させる)皿ばね部62を備えている。
軸受け14Bは、ボールナット13と付加錘15Bとの間に設けられており、摩擦係数μ2の摩擦材71と、付加錘15Bの内壁に皿ばねを重ねて設けられて摩擦材71をボールナット13に押し付ける(圧接させる)皿ばね部72を備えている。
軸受け14Cは、ボールナット13と付加錘15Cとの間に設けられており、摩擦係数μ3の摩擦材81と、付加錘15Cの内壁に皿ばねを重ねて設けられて摩擦材81をボールナット13に押し付ける(圧接させる)皿ばね部82を備えている。
なお、摩擦材61の摩擦係数μ1と摩擦材71の摩擦係数μ2と摩擦材81の摩擦係数μ3には、μ1>μ2>μ3の関係が成り立っている。つまり、摩擦材81の摩擦係数μ3が最も小さく、摩擦材61の摩擦係数μ1が最も大きい。また、本実施形態では、皿ばね部62、皿ばね部72、皿ばね部82の皿ばねの枚数は同じであり、ボールナット13と各摩擦材(摩擦材61、摩擦材71、摩擦材81)との間の圧接力は全て同じである。
付加錘15A〜15Cは、ダイナミックマスダンパー10の外筒を構成する円筒形の部材(質量体)であり、ボールナット13の外側に、上下方向(ねじ軸12の軸方向)に並んで設けられている。付加錘15Aは、ボールベアリング18Aを介して付加錘15Bと接続されており、付加錘15Bは、ボールベアリング18Bを介して付加錘15Cと接続されている。また、付加錘15Cは、ボールベアリング18Cを介して内筒16と接続されている。これにより、付加錘15A〜15Cは、それぞれ独立して、ボールナット13の外側を回転可能となっている。
内筒16(筒状部材に相当)は、下側のボールジョイント11と連結して設けられており、付加錘15Cの内側に配置されている。また、内筒160は、ボールベアリング18D(転がり軸受けに相当)を介して、ボールナット13(回転体に相当)と接続されている。また、内筒16には、ねじ軸12の先端が挿入可能である。
粘性体17は、付加錘15Cと内筒16との間に設けられている。粘性体17も参考例の粘性体170と同様に、ポリイソブチレンその他の合成ゴム等を好適に使用することができる。また、シリコンなどの粘弾性体を用いてもよい。
<<ダイナミックマスダンパー10の動作について>>
図5〜図7は、本実施形態のダイナミックマスダンパー10の動作の説明図である。
図5は、応答加速度の小さい場合の動作の説明図である。また、図6A及び図6Bは応答加速度がある程度大きい場合の動作の説明図である。図6Aは引張時の図であり、図6Bは圧縮時の図である。また、図7A及び図7Bは応答加速度が大きい場合の動作の説明図である。図7Aは引張時の図であり、図7Bは圧縮時の説明図である。
参考例で説明したように、上部構造1と下部構造3との間の間隔が変化(上下方向に相対変位)すると、ねじ軸12が軸方向(この場合上下方向)に直線運動し、それに応じてボールナット13が(ねじ軸12の周方向に)回転運動する。
応答加速度が小さい場合は、図5に示すように、ボールナット13が回転運動することにより、摩擦材61、71、81により拘束された全ての付加錘(付加錘15A、15B、15C)がボールナット13と同じ方向(周方向)に回転する。
応答加速度がある程度大きい場合、ボールナット13の回転力が大きくなり、摩擦力(ここでは摩擦係数)の小さい摩擦材から滑りが生じる。本実施形態では、摩擦材61の摩擦係数μ1、摩擦材71の摩擦係数μ2、摩擦材81の摩擦係数μ3のうち、μ3が最も小さい。よって、摩擦材81とボールナット13との間に滑りが生じ、付加錘15Cが回転しなくなる。つまり、図5の場合よりも回転質量効果が小さくなる。なお、これは引張時(図6A)及び圧縮時(図6B)の各場合について同様である。
応答加速度が大きい場合、ボールナット13の回転力がさらに大きくなり、摩擦係数の小さい方の摩擦材に滑りが生じる。本実施形態では、摩擦材61の摩擦係数μ1、摩擦材71の摩擦係数μ2のうちμ2の方が小さいので、摩擦材71とボールナット13との間に滑りが生じ、付加錘15Bが回転しなくなる。これにより回転質量効果がさらに小さくなる。なお、引張時(図7A)及び圧縮時(図7B)の各場合について同様である。
なお、応答加速度がさらに大きい場合には、全ての摩擦材(摩擦材61、71、81)とボールナット13との間に滑りが生じる。これにより、質量体15A〜15Cが全て回転しなくなる。
このように本実施形態のダイナミックマスダンパー10では、応答加速度に応じて段階的にフェールセーフ機構を実現することができる。これにより、応答加速度が大きい場合においても、ねじ軸12等の装置の破損を防止することができる。
特に、本実施形態では、摩擦材81の摩擦係数μ3が最も小さく、内筒16との間に粘性体17が設けられた付加錘15Cが最初に回転しなくなるので、フェールセーフ機構をより効率的に発揮することができる。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
<ダイナミックマスダンパー10について>
ダイナミックマスダンパー10の構成が上下逆であってもよい。すなわち、下端側のボールジョイント11に、ねじ軸12が設けられていてもよい。
また、前述の実施形態では、ダイナミックマスダンパー10の端部と、上部構造1及び下部構造3との接続はそれぞれボールジョイント方式であったがこれには限られない。
図8は接合部の構成例の説明図である。ここでは、3種類(本実施形態、第1変形例、第2変形例)の構成が記載されている。また、図9は、本実施形態における通常時と地震時の状態を示す立面図であり、図10は、第1変形例における通常時と地震時の状態を示す立面図である。また、図11A〜図11Dは、第2変形例の説明図である。図11Aは、第2変形例の構成を示す概略俯瞰図であり、図11Bは、相対変位の状態を示す図である。また、図11Cは、図11Bのように変位するときの通常時と地震時の状態を示すX方向立面図であり、図11Dは、図11Bのように変位するときの通常時と地震時の状態を示すY方向立面図である。
前述の実施形態の接合方式(ダイナミックマスダンパー10の上端と下端がともにピン接合)の場合、図9に示すように、上部構造1と下部構造3との間に水平方向の相対変位が生じると、ダイナミックマスダンパー10はその変位に応じて傾くことになる。これにより、上部構造1と下部構造3との水平方向の相対変位に対応することができる。ただし、この構成では、ダイナミックマスダンパー10は垂直保持されない。なお、前述の実施形態ではボールジョイント11によるピン接合であったが、これには限らずクレビスでもよい。
第1変形例では、上端と下端のうちの一方(この例では下端)がリニアスライダー41とリニアブロック42によるローラー接合である。他方(この例では上端)はボールジョイントによるピン接合である。リニアスライダー41は、下部構造3の上面に設けられており、リニアブロック42は、ダイナミックマスダンパー10の下端においてリニアスライダー41上を摺動可能に設けられている。
この場合、図10に示すように、上部構造1と下部構造3との間に水平方向の相対変位が生じると、リニアブロック42がリニアスライダー41上を移動(摺動)する。これにより、ダイナミックマスダンパー10は垂直に支持される。
第2変形例では、上端と下端の両方をローラー接合としている。図11A〜図11Dに示すように、下部構造3の上面にはリニアスライダー41がY方向に沿って配置されており、上部構造1の下面にはリニアスライダー43がX方向に沿って配置されている。なお、X方向及びY方向は、ともに水平方向であり互いに直交する方向である。また、ダイナミックマスダンパー10の下端には、リニアブロック42がリニアスライダー41対して摺動可能に設けられている。また、ダイナミックマスダンパー10の上端には、リニアブロック44がリニアスライダー43に対して摺動可能に設けられている。
以上の構成により、上部構造1と下部構造3と間の水平変位の方向が、図11BのようにX方向、Y方向のそれぞれに対して傾いている場合であっても、図11C及び図11Dに示すようにダイナミックマスダンパー10を垂直に維持したまま移動させることができる。このように、第2変形例では、上部構造1と下部構造3が水平方向に変位する場合に、変位の方向に関わらずにダイナミックマスダンパー10を垂直保持することができる。
なお、リニアブロック42及びリニアブロック44としては、固定振動数を有する振動部材(例えばH形鋼)を用いるとよい。このように、ダイナミックマスダンパー10の上端側と下端側の少なくとも一方の接合の取付部を振動部材とすることで、建物の振動に同調させて、ダイナミックマスダンパー10の振動を励起させることができる。これにより、上下方向の減衰をより大きくすることができる。また、図9及び図10のピン接合の部位においても、ダイナミックマスダンパー10の端(上端、下端)と構造体(上部構造1、下部構造3)間に振動部材を介入させてもよい。この場合も同様にダイナミックマスダンパー10の振動を励起させることができ、上下方向の減衰をより大きくすることができる。なお、振動部材は、上記のH形鋼には限られず、例えば、鋼材や、コンクリート材を用いてもよい。
また、本実施形態のダイナミックマスダンパー10は、上部構造1と下部構造3との上下方向の振動を減衰させていたがこれには限られず、水平方向の振動を減衰させるのに用いてもよい。すなわち、上下免震構造に限らず、水平免震構造にも適用できる。例えば、上部構造1の下面から下方に突出する突出部(不図示)と、下部構造3の上面から上方に突出する突出部(不図示)との間に、ねじ軸12の軸方向が水平方向と平行になるようにダイナミックマスダンパー10を配置し、一端を上部構造1の突出部に接続し、他端を下部構造3の突出部に接続してもよい。また、例えば、下部構造3に上部構造1の周りを囲む擁壁(不図示)が設けられている場合、上部構造1と下部構造3の擁壁との間に水平に配置してもよい。これにより、水平方向の振動を減衰させることができ、また、水平方向の振動に対して段階的なフェールセーフ機構を発揮することができる。
また、ダイナミックマスダンパー10の取り付け(振動減衰の対象物)は、上部構造1と下部構造3には限られず、相対変位する2つの部材であればよい。これにより、相対変位する2つの部材間の振動を減衰させることができる。
また、前述の実施形態では、摩擦材61の摩擦係数μ1と摩擦材71の摩擦係数μ2と摩擦材81の摩擦係数μ3の大きさを変えることで、ボールナット13と各摩擦材(摩擦材61、摩擦材71、摩擦材81)との間の摩擦力を異ならせていたがこれには限らない。例えば、各皿ばね部(皿ばね部62、皿ばね部72、皿ばね部82)の皿ばねの枚数を異ならせることにより、ボールナット13と各摩擦材(摩擦材61、摩擦材71、摩擦材81)との間の圧接力が異なるようにしてもよい。この場合、各摩擦材(摩擦材61、摩擦材71、摩擦材81)の摩擦係数が同じであっても、ボールナット13と各摩擦材との間の摩擦力が異なることになる。
<積層ゴム20について>
前述の実施形態では復元機構として積層ゴム20を用いていたが、これには限られない。例えば、ばね等を用いてもよい。
<摩擦皿ばね支承30について>
摩擦皿ばね支承30の構成は前述したものには限られない。また、摩擦皿ばね支承30の構成が、前述の実施形態と上下逆であってもよい。つまり、上部構造1に滑り板31を設け、滑り材32を滑り板31に向けて圧接させてもよい。また、摩擦皿ばね支承以外の支承(例えば、転がり支承)を用いてもよい。また、水平方向の振動を減衰する装置として、例えばダンパー(オイルダンパー、摩擦ダンパー等)を用いてもよい。
1 上部構造、3 下部構造、5 免震層、
10 ダイナミックマスダンパー(減衰装置)、
11 ボールジョイント、
12 ねじ軸、12a ねじ溝、
13 ボールナット(回転体)、14A〜14C 軸受け、
15A〜15C 付加錘、
16 内筒、17 粘性体、
18A ボールベアリング、18B ボールベアリング、
18C ボールベアリング、18D ボールベアリング(転がり軸受け)、
20 積層ゴム、21 積層体、21a 鋼板、21b ゴム層、
22 上フランジ板、23 下フランジ板、
30 摩擦皿ばね支承、31 滑り板、
32 滑り材、33 皿ばね部、33s 皿ばね積層体、
41 リニアスライダー、42 リニアブロック、
43 リニアスライダー、42 リニアブロック、
61 摩擦材、62 皿ばね部、
71 摩擦材、72 皿ばね部、
81 摩擦材、82 皿ばね部、
100 ダイナミックマスダンパー(参考例)、
120 ねじ軸、121 ねじ溝、
130 ボールナット、
140 軸受け、141 摩擦材、142 皿ばね部、
150 付加錘、160 内筒、170 粘性体、
180 ボールベアリング、181 ボールベアリング、
331 下部筒体、332 上部筒体、
333 ボルト、334 ナット

Claims (13)

  1. 2つの部材の間に設けられて前記2つの部材の相対変位による振動を減衰する減衰装置であって、
    外周に螺旋状のねじ溝が形成され、前記相対変位に応じて軸方向に直線運動するねじ軸と、
    前記ねじ軸が貫入され、前記ねじ軸の直線運動に応じて前記ねじ軸の周方向に回転する回転体と、
    前記回転体の外側に配置され、前記周方向に回転可能な第1質量体と、
    前記回転体の外側に前記第1質量体と前記軸方向に並んで配置され、前記周方向に回転可能な第2質量体と、
    前記第1質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第1摩擦材と、
    前記第2質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第2摩擦材と、
    を備え、
    前記第1摩擦材と前記回転体との間の摩擦力と、前記第2摩擦材と前記回転体との間の摩擦力とが異なる
    ことを特徴とする減衰装置。
  2. 請求項1に記載の減衰装置であって、
    前記第1摩擦材の摩擦係数と、前記第2摩擦材の摩擦係数が異なる、
    ことを特徴とする減衰装置。
  3. 請求項1に記載の減衰装置であって、
    前記第1摩擦材と前記回転体との間の圧接力と、前記第2摩擦材と前記回転体との間の圧接力が異なる、
    ことを特徴とする減衰装置。
  4. 請求項3に記載の減衰装置であって、
    前記第1質量体と前記第1摩擦材との間に皿ばねを重ねて配置され、前記第1摩擦材を前記回転体に圧接させる第1皿ばね部と、
    前記第2質量体と前記第2摩擦材との間に前記皿ばねを重ねて配置され、前記第2摩擦材を前記回転体に圧接させる第2皿ばね部と、
    を有し、
    前記第1皿ばね部の前記皿ばねの枚数と、前記第2皿ばね部の前記皿ばねの枚数とが異なる、
    ことを特徴とする減衰装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の減衰装置であって、
    前記回転体と前記軸方向に並び、転がり軸受けを介して前記回転体と接続された筒状部材を備え、
    前記ねじ軸は、前記2つの部材のうちの一方の部材に接続され、
    前記筒状部材は、前記2つの部材のうちの他方の部材に接続されている、
    ことを特徴とする減衰装置。
  6. 請求項5に記載の減衰装置であって、
    前記筒状部材は、前記第2質量体の内側に配置されており、
    前記筒状部材と前記第2質量体との間には粘性体又は粘弾性体が設けられている、
    ことを特徴とする減衰装置。
  7. 請求項6に記載の減衰装置であって、
    前記第2摩擦材と前記回転体との間の摩擦力は、前記第1摩擦材と前記回転体との間の摩擦力よりも小さい、
    ことを特徴とする減衰装置。
  8. 上部構造と下部構造との間に、一端が前記上部構造に接続され、且つ、他端が前記下部構造に接続されて水平方向の振動を減衰する減衰装置を備えた免震構造であって、
    前記減衰装置は、
    外周に螺旋状のねじ溝が形成され、前記上部構造と前記下部構造と前記水平方向の相対変位に応じて軸方向に直線運動するねじ軸と、
    前記ねじ軸が貫入され、前記ねじ軸の直線運動に応じて前記ねじ軸の周方向に回転する回転体と、
    前記回転体の外側に配置され、前記周方向に回転可能な第1質量体と、
    前記回転体の外側に前記第1質量体と前記軸方向に並んで配置され、前記周方向に回転可能な第2質量体と、
    前記第1質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第1摩擦材と、
    前記第2質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第2摩擦材と、
    を備え、
    前記第1摩擦材と前記回転体との間の摩擦力と、前記第2摩擦材と前記回転体との間の摩擦力とが異なる、
    ことを特徴とする免震構造。
  9. 上部構造と下部構造との間に、上端が前記上部構造に接続され、且つ、下端が前記下部構造に接続されて上下方向の振動を減衰する減衰装置を備えた免震構造であって、
    前記減衰装置は、
    外周に螺旋状のねじ溝が形成され、前記上部構造と前記下部構造と前記上下方向の相対変位に応じて軸方向に直線運動するねじ軸と、
    前記ねじ軸が貫入され、前記ねじ軸の直線運動に応じて前記ねじ軸の周方向に回転する回転体と、
    前記回転体の外側に配置され、前記周方向に回転可能な第1質量体と、
    前記回転体の外側に前記第1質量体と前記軸方向に並んで配置され、前記周方向に回転可能な第2質量体と、
    前記第1質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第1摩擦材と、
    前記第2質量体に設けられ、前記回転体に圧接される第2摩擦材と、
    を備え、
    前記第1摩擦材と前記回転体との間の摩擦力と、前記第2摩擦材と前記回転体との間の摩擦力とが異なる、
    ことを特徴とする免震構造。
  10. 請求項9に記載の免震構造であって、
    前記減衰装置の前記上端と前記上部構造との接合、及び、前記減衰装置の前記下端と前記下部構造との接合はピン接合である、
    ことを特徴とする免震構造。
  11. 請求項9に記載の免震構造であって、
    前記減衰装置の前記上端と前記上部構造との接合と、前記減衰装置の前記下端と前記下部構造との接合のうちの一方はピン接合であり、他方はローラー接合である、
    ことを特徴とする免震構造。
  12. 請求項9に記載の免震構造であって、
    前記減衰装置の前記上端と前記上部構造との接合、及び、前記減衰装置の前記下端と前記下部構造との接合はローラー接合である、
    ことを特徴とする免震構造。
  13. 請求項10乃至請求項12の何れかに記載の免震構造であって、
    前記減衰装置の前記上端と前記上部構造との接合、及び、前記減衰装置の前記下端と前記下部構造との接合の少なくとも一方の接合の取付部が振動部材である、
    ことを特徴とする免震構造。
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