JP2016050593A - 免震用ダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】地盤と構造物との相対変位の大きさに応じて、回転マスによる回転慣性質量効果を可変とすることにより、免震支承の免震機能を確保しながら、地震時における過大な相対変位を防止できる免震用ダンパを提供する。
【解決手段】本発明の免震用ダンパは、建物2及び基礎1に連結される内筒21及びねじ軸22aと、ボールナット22cと、回転マス23を備える回転マスダンパ10で構成されている。回転マス23の内周面には一対のトルク伝達部32、32が設けられ、それらの間に駆動部材31が設けられている。駆動部材31は、ボールナット22cの回転に伴って軸線方向に移動し、一方のトルク伝達部32を押圧した状態で、ボールナット22cのトルクを伝達部32を介して回転マス23に伝達する。それにより、回転マス23の慣性慣性質量効果が発揮され、地震時における基礎1と建物2との過大な相対変位が防止される。
【選択図】図3

Description

本発明は、地盤と構造物の間に免震支承とともに設けられ、地盤と構造物との相対変位を抑制するための免震用ダンパに関する。
従来のダンパとして、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。このダンパは、回転マスを有する回転マスダンパであり、構造物の制震装置として用いられている。この回転マスダンパは、内筒と、ねじ軸及びボールナットなどを有するボールねじと、ボールねじの外側に配置された円筒状の回転マスを備えている。内筒の一端部は構造物の第1部位に連結され、ねじ軸の一端部は構造物の第2部位に連結されており、ねじ軸の他端部は内筒の他端部に移動自在に嵌合している。ボールナットはねじ軸に多数のボールを介して螺合し、回転マスはボールナットに連結されている。また、内筒と回転マスの間には粘性体が充填されている。
以上の構成により、地震時に構造物が振動するのに伴い、第1部位と第2部位が相対的に変位すると、それらに連結された内筒とねじ軸が相対的に直線運動し、この直線運動がボールねじの作用によりボールナットの回転運動に変換されることによって、回転マスが回転する。この回転マスの回転に伴い、回転マスによる回転慣性質量効果と粘性体による粘性減衰効果が発揮され、それにより、第1部位と第2部位の間の相対変位が抑制され、構造物の振動が抑制される。
特開2014−132135号公報
上述したように、特許文献1では、回転マスダンパが構造物の制震装置として用いられている。これに対し、回転マスダンパを構造物の免震用ダンパとして用いた場合には、以下のような問題がある。例えば、構造物と地盤の間に、構造物の免震装置として、地盤に対する構造物の水平方向の動きを許容するための免震支承と、揺れのエネルギを吸収し、地盤と構造物との相対変位(以下、単に「相対変位」という)を抑制するための回転マスダンパとを、組み合わせて設けた場合、地震時に構造物が揺れ、相対変位が生じると、上述した回転マスダンパの構成から、回転マスは、相対変位の大きさにかかわらず駆動され、回転する。
このため、相対変位が比較的小さな範囲において、回転マスダンパの反力が地盤及び構造物に作用し、構造物の動きに影響を及ぼす結果、免震支承の本来の免震機能、すなわち、地震時における構造物の動きを許容し、構造物の揺れの周期を延長することによって、地盤の揺れを構造物に伝わりにくくし、構造物の揺れを低減するという機能が阻害されるおそれがある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、地盤と構造物との相対変位の大きさに応じて、回転マスによる回転慣性質量効果を可変とすることにより、免震支承の免震機能を確保しながら、地震時における過大な相対変位を防止することができる免震用ダンパを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、地盤と構造物の間に免震支承とともに設けられ、地震時における地盤と構造物との相対変位を抑制するための免震用ダンパであって、一端部が地盤及び構造物の一方に連結される筒体と、一端部が地盤及び構造物の他方に連結され、他端部が筒体の他端部に移動自在に嵌合するねじ軸と、ねじ軸の外側に同軸状に配置され、ねじ軸に転動自在の多数のボールを介して螺合し、ねじ軸が筒体に対して軸線方向に移動するのに伴って回転するボールナットと、筒体及びボールナットの外側に同軸状に配置された回転自在の円筒状の回転マスと、回転マスの内周面に一体に設けられ、軸線方向に互いに間隔を隔てて配置されたリング状の一対のトルク伝達部と、ボールナットと回転マスの間で且つ一対のトルク伝達部の間に、一対のトルク伝達部と所定の間隔を隔てて配置され、ボールナット及び回転マスの一方に対して回転不能に且つ軸線方向に移動自在に設けられるとともに、他方に螺合するリング状の駆動部材と、を備え、駆動部材は、ボールナットの回転に伴って軸線方向に移動することにより、一対のトルク伝達部の一方を押圧した状態で、ボールナットのトルクを一方のトルク伝達部を介して回転マスに伝達することによって、回転マスを回転させるように構成されていることを特徴とする。
この免震用ダンパは、地盤と構造物の間に免震支承とともに設けられ、免震装置を構成するものであり、本発明では、筒体と、ねじ軸及びボールナットなどから成るボールねじと、回転マスなどを有する回転マスダンパで構成されている。筒体は、地盤及び構造物の一方に連結され、ねじ軸は、地盤及び構造物の他方に連結されている。また、回転マスの内周面には、リング状の一対のトルク伝達部が一体に設けられ、ボールナットと回転マスの間で且つ一対のトルク伝達部の間には、リング状の駆動部材が設けられている。上記のように、駆動部材は、ボールナット及び回転マスに対して、次のA又はBの構成パターンで設けられている。
A.駆動部材は、ボールナットに対して回転不能に且つ軸線方向に移動自在に設けられ、回転マスに螺合している。
B.駆動部材は、回転マスに対して回転不能に且つ軸線方向に移動自在に設けられ、ボールナットに螺合している。
この免震用ダンパでは、地震時に地盤と構造物との相対変位(以下、単に「相対変位」という)が発生すると、免震支承の作用により、相対変位を許容し、構造物の揺れの周期を延長することによって、地盤から構造物に伝達される揺れを低減するという免震機能が発揮される。
また、地震時に相対変位が発生すると、地盤及び構造物の一方に連結された筒体と他方に連結されたねじ軸が、相対的に軸線方向に直線運動し、この直線運動がボールねじの作用によりボールナットの回転運動に変換されることによって、ボールナットが回転する。このときのボールナットの回転方向は相対変位の方向に応じ、ボールナットの回転量は相対変位の大きさに比例する。
このようにボールナットが回転すると、駆動部材は、その構成パターンが上記Aの場合には、ボールナットと一体に回転するとともに、回転マスとの螺合により、回転マスに対し、ボールナットの回転量すなわち相対変位に応じた移動量で、軸線方向に移動する。その後、相対変位が所定値に達したときに、例えば、駆動部材が一方のトルク伝達部に当接し、トルク伝達部を押圧した状態になる。これにより、ボールナットのトルクが駆動部材及びトルク伝達部を介して回転マスに伝達されることによって、回転マスが回転し、回転マスによる回転慣性質量効果が発揮される。
一方、駆動部材の構成パターンが上記Bの場合には、ボールナットが回転すると、駆動部材は、回転マスにより回転を阻止された状態で、ボールナットとの螺合により、回転マスに対し、ボールナットの回転量(相対変位)に応じた移動量で、軸線方向に移動する。その後、相対変位が所定値に達したときに、例えば、駆動部材が一方のトルク伝達部に当接し、トルク伝達部を押圧した状態になる。これにより、駆動部材がボールナットと一体に回転し始めると同時に、ボールナットのトルクが駆動部材及びトルク伝達部を介して回転マスに伝達されることによって、回転マスが回転し、回転マスによる回転慣性質量効果が発揮される。
以上のように、本発明によれば、地震時に相対変位が所定値に達するまでは、ボールナットは回転するものの、回転マスは回転せず、回転慣性質量効果は発揮されない。これにより、相対変位が所定値に達するまでの小さな範囲では、回転マスダンパからの反力が構造物に作用し、構造物の動きに影響を及ぼすことを回避でき、したがって、免震支承の免震機能を良好に確保することができる。
一方、相対変位が所定値に達した後には、ボールナットのトルクが駆動部材及びトルク伝達部を介して回転マスに伝達されることによって、回転マスが回転し、回転慣性質量効果が発揮される。これにより、地震の揺れのエネルギを吸収することによって、地震時における過大な相対変位を防止することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の免震用ダンパにおいて、駆動部材は、軸線方向の移動量が所定量に達したときに、トルク伝達部に当接するように構成されており、駆動部材がトルク伝達部に当接したときに、駆動部材をトルク伝達部にロックするロック機構をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、駆動部材の軸線方向の移動量が所定量に達したときに、駆動部材がトルク伝達部に当接し、トルク伝達部を直接、押圧した状態で、回転マスが駆動される。また、駆動部材は、トルク伝達部に当接したときに、ロック機構によってトルク伝達部にロックされる。これにより、駆動部材がトルク伝達部に当接した以降、すなわち相対変位が所定値に達した以降は、その後の相対変位の大きさや方向の変化にかかわらず、駆動部材とトルク伝達部は互いに一体の状態に保持される。
その結果、相対変位が所定値に達した後には、ほぼ連続的に回転マスが駆動され、回転慣性質量効果が得られるので、地震時における過大な相対変位の防止をより効果的に行うことができる。また、駆動部材がロックされた後には、相対変位の方向が反転しても、駆動部材は、移動せず、他方のトルク伝達部に当接することがないので、駆動部材が一対のトルク伝達部に繰り返し当接する場合と比較して、当接時に両部材に作用する衝撃荷重や負荷を軽減でき、それに起因する騒音や両部材の摩耗などを抑制することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の免震用ダンパにおいて、駆動部材と一対のトルク伝達部の間にそれぞれ配置された一対のばね材をさらに備え、駆動部材は、軸線方向に移動するのに伴い、ばね材を介してトルク伝達部を押圧するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、駆動部材がばね材を介してトルク伝達部を押圧するので、駆動部材がトルク伝達部に当接する場合と比較して、両部材に作用する衝撃荷重や負荷を軽減でき、それらの摩耗や騒音を抑制することができる。また、駆動部材の移動量が大きくなるにつれて、ばね材の変形量が増大し、それに応じて、トルク伝達部に作用する押圧力が増大することによって、回転マスへの伝達トルクが増大する。したがって、相対変位が大きくなるほど、回転慣性質量効果を増大させることができ、地震時における相対変位の抑制を、実際の相対変位の大きさに応じて、より適切に行うことができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の免震用ダンパにおいて、一対のばね材は、駆動部材が中立位置にある状態で、駆動部材及び一対のトルク伝達部に接するとともに、あらかじめ圧縮荷重が付与されていることを特徴とする。
この構成によれば、相対変位が0で、駆動部材が中立位置にある状態では、一対のトルク伝達部にそれぞれ作用する押圧力は、ばね材にあらかじめ付与された所定の圧縮荷重(以下「予荷重」という)に等しい。この状態から、相対変位の発生に伴い、駆動部材が中立位置から移動すると、一方のばね材が駆動部材で圧縮されることによって、そのばね材の圧縮荷重が増大すると同時に、他方のばね材が駆動部材に追随して伸長することによって、そのばね材の圧縮荷重が減少する。その結果、一方のばね材の圧縮荷重の増大分と他方のばね材の圧縮荷重の減少分が相殺されることで、トルク伝達部の押圧力は予荷重にほぼ等しい状態に保たれ、それに応じて、回転マスへの伝達トルク及び回転慣性質量効果もまた、ほぼ一定に保たれる。
その後、相対変位が増大するのに伴い、駆動部材の移動量が所定量に達すると、他方のばね材の伸長が限界に達することによって、駆動部材が他方のばね材から離れる。その後は、駆動部材が一方のばね材を引き続き圧縮することによって、そのばね材の圧縮量が増大するのに応じてトルク伝達部の押圧力が増大することにより、回転マスへの伝達トルク及び回転慣性質量効果が増大する。
以上のように、本発明によれば、相対変位が小さな範囲では、ほぼ一定の比較的小さな回転慣性質量効果が得られるとともに、相対変位がこの範囲を超えた後には、相対変位が大きくなるほど、回転慣性質量効果を増大させることができる。したがって、地震時における相対変位の抑制を、実際の相対変位の大きさに応じて、より適切に行うことができる。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4に記載の免震用ダンパにおいて、駆動部材と一対のばね材の間に介在する滑り材をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、駆動部材と各ばね材の間に介在する滑り材によって、駆動部材及びばね材に作用する衝撃荷重や負荷を軽減でき、両部材の損傷や摩耗を抑制することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の免震用ダンパにおいて、回転マスと筒体の間に充填された粘性体をさらに備えていることを特徴とする。
この構成によれば、回転マスが回転する際には、回転マスと筒体の間に充填された粘性体によって、粘性減衰効果が発揮される。この場合、粘性体が充填された回転マスと筒体との差回転速度が大きいほど、より大きな粘性減衰効果が得られる。このように、回転マスの回転時、回転マスの回転慣性質量効果に粘性体の粘性減衰効果が付加されるので、相対変位の抑制効果をさらに高めることができる。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の免震用ダンパにおいて、回転マスの外側に同軸状に配置された回転自在の円筒状の第2回転マスと、第2回転マスの内周面に一体に設けられ、軸線方向に互いに間隔を隔てて配置されたリング状の一対の第2トルク伝達部と、回転マスと第2回転マスの間で且つ一対の第2トルク伝達部の間に所定の間隔を隔てて配置され、回転マス及び第2回転マスの一方に対して回転不能に且つ軸線方向に移動自在に設けられるとともに、他方に螺合するリング状の第2駆動部材と、をさらに備え、第2駆動部材は、回転マスが回転するのに伴って軸線方向に移動することにより、一対の第2トルク伝達部の一方を押圧した状態で、回転マスのトルクを一方の第2トルク伝達部を介して第2回転マスに伝達することによって、第2回転マスを回転させるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、回転マスの外側に円筒状の第2回転マスが同軸状に配置されるとともに、両回転マスの間には、ボールナットと回転マスとの間の駆動部材及びトルク伝達部と同様の構成で、第2駆動部材及び第2トルク伝達部が設けられている。したがって、駆動部材及びトルク伝達部による回転マスの駆動によって、回転マスの回転慣性質量効果を得た後に、同じ方向の相対変位が継続する場合には、第2駆動部材及び第2トルク伝達部による第2回転マスの駆動によって、第2回転マスによる回転慣性質量効果がさらに付加される。これにより、実際の相対変位の発生状況に応じて、回転慣性質量効果を2段階で増大させることができ、特に巨大地震時における相対変位の抑制を適切に行うことができる。
本発明を適用した免震用ダンパ及び免震支承を有する免震装置の設置例を示す平面図である。 図1の免震装置の設置状況を示す図である。 免震用ダンパを構成する、第1実施形態による回転マスダンパの縦断面図である。 図3の回転マスダンパの線IV−IV線に沿う断面図である。 図3の回転マスダンパのトルク伝達特性を示す図である。 図3の回転マスダンパの振動モデルを示す図である。 図3と異なる構成の駆動部材を有する回転マスダンパの縦断面図である。 図7の回転マスダンパの線VIII−VIII線に沿う断面図である。 第1実施形態の変形例による回転マスダンパの部分縦断面図である。 図9の回転マスダンパのトルク伝達特性を示す図である。 第2実施形態による回転マスダンパの縦断面図である。 図11の回転マスダンパのトルク伝達特性を示す図である。 第3実施形態による回転マスダンパの縦断面図である。 図13の回転マスダンパの振動モデルを示す図である。 第4実施形態による回転マスダンパの縦断面図である。 図15の回転マスダンパのトルク伝達特性を示す図である。 第5実施形態による回転マスダンパの縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、本発明を適用した免震用ダンパを含む免震装置を、基礎1と建物2の間に設置した例を示している。この免震装置は、免震支承3と、免震用ダンパとしての回転マスダンパ10によって構成されている。図1に示すように、免震支承3は、建物2の平面全体にマトリックス状に計9個、配置されている。回転マスダンパ10は、建物2の四隅に2個ずつ計8個、免震支承3を取り囲むように配置されている。
図2に示すように、建物2の土台6の下側には、H形鋼を組んだ鉄骨架台9が一体に設けられている。免震支承3は、例えば転がりタイプのものであり、鉄骨架台9の下面に取り付けられた転動自在のボール3aと、基礎1上に設けられ、ボール3aが転動する転がり面4を備えている。転がり面4は、地震後にボール3aが自重で元の位置に復帰できるよう、水平面に対してわずかに傾斜した逆円錐状に形成されている。また、転がり面4の外周部には、ボール3aの転動を規制する金属製のリング状のストッパ5が設けられている。
以上の構成により、地震時に建物2の揺れが発生すると、ボール3aは、図2に示す中立位置から、ストッパ5を乗り越えない許容ストロークの範囲内において転がり面4上を転動する。これにより、地震時における建物2の水平方向の動きを許容し、建物2の揺れの周期を延長することによって、基礎1の揺れを建物2に伝わりにくくし、建物2の揺れを抑制するという免震機能が発揮される。
一方、回転マスダンパ10は、鉄骨架台9の下面に固定されたブラケット7と、基礎1の上面に固定されたブラケット8との間に設けられている。図3は、本発明の第1実施形態による回転マスダンパ10Aを示す。この回転マスダンパ10Aは、内筒21、ボールねじ22、回転マス23、及びトルク伝達機構24を有する。内筒21は、一端部が開口した円筒状の鋼材で構成されており、内筒21の他端部には、回転マスダンパ10Aが発生するトルクでは動かない程度の摩擦を有する自在継ぎ手を介して、第1フランジ25が取り付けられている。
ボールねじ22は、ねじ軸22a、多数のボール22b及びボールナット22cなどで構成されている。ねじ軸22aは、内筒21と同軸状に配置されており、一端部において、内筒21の開口した一端部に、軸線方向に移動自在に嵌合している。ねじ軸22aの他端部には、回転マスダンパ10Aが発生するトルクでは動かない程度の摩擦を有する自在継ぎ手を介して、第2フランジ26が取り付けられている。
ボールナット22cは、軸受27を介して、内筒21の一端部に回転自在に且つ軸線方向に移動不能に支持されている。また、ねじ軸22aの外周面及びボールナット22cの内周面にはねじ溝がそれぞれ形成され、両ねじ溝の間に多数のボール22bが収容されており、ボールナット22cは、ボール22bを介してねじ軸22aに螺合している。以上の構成により、ねじ軸22aが内筒21に対して軸線方向に相対的に移動すると、ボールねじ22の作用により、この相対直線運動がボールナット22cの回転運動に変換されること(以下「ボールねじ22の回転変換動作」という)によって、ボールナット22cが回転する。このときのボールナット22cの回転方向は、相対直線運動の方向に応じ、回転量は、相対直線運動の距離及びねじ溝のピッチに応じる。
回転マス23は、比重の大きな材料、例えば鉄で構成され、円筒状に形成されている。また、回転マス23は、内筒21及びボールねじ22の外側に、それらの全体を覆うように配置され、軸受28を介して、内筒21に回転自在に支持されている。
トルク伝達機構24は、ボールナット22cのトルク(回転)を回転マス23に伝達し、回転マス23を駆動するものであり、駆動部材31及び一対のトルク伝達部32、32などで構成されている。
図4に示すように、駆動部材31は、リング状で、ボールナット22cと回転マス23の間に配置されており、内側のボールナット22cにスプライン結合されるとともに、外側の回転マス23に螺合している。
具体的には、駆動部材31の内周面には、周方向に90度ごとの等間隔で、4つのスプライン穴31aが形成されている。一方、ボールナット22cの外周面には、スプライン穴31aに対応し、軸線方向に延びる4つのスプライン歯22dが形成されており、各スプライン歯22dにスプライン穴31aが嵌合している。このようなスプライン結合により、駆動部材31は、ボールナット22cに対して回転不能で且つ軸線方向に移動自在である。
一方、駆動部材31の外周面には雄ねじ31bが形成され、回転マス23の内周面には、ボールナット22cに対応する軸線方向の範囲に、雌ねじ23aが形成されており、この雌ねじ23aに雄ねじ31bが螺合している。以上のようなボールナット22cとのスプライン結合及び回転マス23との螺合により、駆動部材31は、ボールナット22cが回転するのに伴い、それと一体に回転しながら、スプライン歯22dに沿い、ボールナット22c及び回転マス23に対して軸線方向に移動する。このときの駆動部材31の移動方向は、ボールナット22cの回転方向に応じ、駆動部材31の移動量は、ボールナット22cの回転量及び雄ねじ31bのピッチなどに応じる。
一対のトルク伝達部32、32は、回転マス23の内周面に一体に設けられたリング状のものであり、駆動部材31の両側で、ボールナット22cの両端部に対応する位置に、軸線方向に互いに間隔を隔てて配置されている。
以上の構成の回転マスダンパ10Aは、図2に示すように、第1フランジ25を建物2側のブラケット7に固定し、第2フランジ26を基礎1側のブラケット8に固定した状態で、基礎1と建物2の間に設けられている。
次に、上述した構成の回転マスダンパ10Aの動作を、図5も参照しながら説明する。図5は、駆動部材31の中立位置からの移動量Xrと、ボールナット22cから回転マス23に伝達される伝達トルクTrとの関係を示す。
地震が発生していない通常時には、回転マスダンパ10Aは、図3に示す中立状態にあり、駆動部材31は、トルク伝達部32、32の間の中点である中立位置に位置し、各トルク伝達部32との間の間隙の大きさは、所定量G1になっている。
地震時に基礎1と建物2の間に水平方向の相対変位DRが発生すると、建物2及び基礎1にそれぞれ連結された内筒21及びねじ軸22aは、相対変位DRと同じ方向に同じ量で、軸線方向に相対的に直線運動し、それに伴うボールねじ22の回転変換動作によって、ボールナット22cが回転する。
ボールナット22cが回転すると、駆動部材31は、前述したボールナット22cとのスプライン結合及び回転マス23との螺合により、ボールナット22cと一体に回転しながら、中立位置(Xr=0)から軸線方向(例えば図3の右方)に移動する。相対変位DRが所定値に達するまでは、駆動部材31の移動量Xrが上記の所定量G1よりも小さく、駆動部材31がトルク伝達部32に当接しないため、回転マス23への伝達トルクTrは0であり、回転マス23は回転しない(図5の点O1〜点a1)。
その後、相対変位DRが所定値に達すると、駆動部材31の移動量Xrが所定量G1に等しくなり、駆動部材31が一方のトルク伝達部32に当接する(点a1)。この当接により、駆動部材31の移動がトルク伝達部32によって阻止されるとともに、駆動部材31がトルク伝達部32を直接、押圧した状態になる。
これにより、ボールナット22cのトルクが駆動部材31及びトルク伝達部32を介して回転マス23に伝達されることによって、回転マス23が駆動され、回転慣性質量効果が発揮される。また、このときの伝達トルクTrは、トルク伝達部32の押圧力に応じて増大し、それにより、大きな回転慣性質量効果が得られる(点b1)。
その後、相対変位DRの方向が反転すると、ボールナット22cが反対方向に回転することにより、伝達トルクTrが0まで減少するとともに、駆動部材31は、上記と反対方向(例えば左方)に移動することで、トルク伝達部32から離れ(点c1)、中立位置を通過して他方のトルク伝達部32側に向かう。
その後の動作は、方向が異なる以外は上記と同じであり、反対方向の相対変位DRが所定値に達したときに、駆動部材31の移動量Xdが所定量(−G1)に等しくなり(点d1)、駆動部材31が他方のトルク伝達部32に当接し、ボールナット22cのトルクが駆動部材31及び他方のトルク伝達部32を介して回転マス23に伝達されることによって、回転マス23が駆動され、回転慣性質量効果が発揮される。
以降、相対変位DRが収束するまで、相対変位DRの方向が反転するごとに、駆動部材31の移動方向が切り替わり、相対変位DRが所定値に達するごとに、駆動部材31及びトルク伝達部32を介した回転マス23の駆動が繰り返し行われる。
以上のように、本実施形態の回転マスダンパ10Aによれば、地震時における基礎1と建物2の間の相対変位DRが所定値に達するまでは、ボールナット22cは回転するものの、回転マス23は駆動されず、回転慣性質量効果は発揮されない。これにより、相対変位DRが小さな範囲において、回転マスダンパ10Aからの反力が建物2に作用し、建物2の動きに影響を及ぼすことを回避でき、したがって、免震支承3の免震機能を良好に確保することができる。
一方、相対変位DRが所定値に達した後には、駆動部材31及びトルク伝達部32を介して回転マス23が駆動され、その回転慣性質量効果によって地震の揺れのエネルギを吸収するので、地震時における過大な相対変位を防止することができる。例えば、免震支承3のボール3aの転動量を、ストッパ5を乗り越えない許容ストロークの範囲内に抑制できる。
また、上述した相対変位DRの所定値は、回転マス23が回転し始める相対変位DRの大きさに相当しており、例えば、駆動部材31とトルク伝達部32との間隙の大きさ(=所定量G1)などの設定によって、容易に変更することが可能である。したがって、想定する地震動のレベル(例えば、L1:稀に発生する地震動、L2:極めて稀に発生する地震動、L3:安全余裕度レベル)に応じて、相対変位DRの所定値を設定することにより、地震時における過大な相対変位を、想定する地震動のレベルに合わせて適切に防止することができる。
以上の構成の回転マスダンパ10Aをモデル化すると、図6のように表される。すなわち、回転マスダンパ10Aでは、ねじ軸22aなどから成る弾性要素に、回転マス23から成る慣性接続要素が、駆動部材31及びトルク伝達部32などから成るトルク伝達機構24を介して接続された関係になっている。したがって、駆動部材31がトルク伝達部32に当接し、トルク伝達機構24を介して回転マス23にトルクが伝達されている状態において、回転マス23が駆動され、回転慣性質量効果が得られる。また、ボールナット22cから成る慣性接続要素は、トルク伝達機構24及び回転マス23と並列の関係にあるため、ボールナット22cによる小さな回転慣性質量効果が、トルク伝達機構24の動作状態にかかわらず得られる。
なお、上述した例では、駆動部材31は、ボールナット22cとスプライン結合され、回転マス23と螺合しているが、この関係を逆にしてもよい。具体的には、図7及び図8に示すように、駆動部材31の外周面及び内周面にスプライン穴31c及び雌ねじ31dをそれぞれ形成するとともに、スプライン穴31cが回転マス23の内周面のスプライン歯23bに嵌合し、雌ねじ31dがボールナット22cの外周面の雄ねじ22eに螺合するように構成してもよい。
この構成では、ボールナット22cが回転するのに伴い、駆動部材31は、回転マス23のスプライン歯23bに沿って、非回転の状態でスライドするとともに、相対変位DRが所定値に達したときに、トルク伝達部32に当接し、移動が阻止されることで、ボールナット22cと一体に回転し、回転マス23を駆動する。したがって、図5に示した第1実施形態のトルク伝達特性を同様に得ることができる。
次に、図9を参照しながら、第1実施形態の変形例について説明する。この変形例は、上述した回転マスダンパ10Aに、駆動部材31をロックするロック機構41を追加したものである。同図に示すように、ロック機構41は、駆動部材31に設けられた一対の嵌合部42、42と、各トルク伝達部32に設けられた係止ピン43などで構成されている。
一対の嵌合部42、42は、駆動部材31と一体に設けられ、軸線方向の両側に突出している。各嵌合部42は、駆動部材31と同心のリング状のものであり、所定の外径を有するとともに、前記スプライン穴31aを除く周方向位置に配置されている。各嵌合部42の外周面には、周方向に延びる係止溝42aが形成されている。
一方、各トルク伝達部32の周方向の所定位置には、径方向に延びるピン収容室44が形成されており、このピン収容室44に係止ピン43が収容されている。係止ピン43は頭部43a及び軸部43bを有し、頭部43aは、ピン収容室44の段部に抜け止め状態で係合している。軸部43bの先端部は、ピン収容室44からトルク伝達部32の内孔32aに若干、突出しており、その先端部にはRが付けられている。また、係止ピン43は、ピン収容室44に設けられたばね45によって、内孔32a側に付勢されている。
以上の構成によれば、相対変位DRが発生するのに応じ、駆動部材31が図9(a)に示す中立位置から移動するのに伴い、駆動部材31が一方のトルク伝達部32に当接するとともに、駆動部材31の嵌合部42がトルク伝達部32の内孔32aに嵌合する(同図(b))。この嵌合動作の途中で、嵌合部42は、内孔32aに突出している係止ピン43の軸部43bに当接し、係止ピン43をばね45の付勢力に抗して押圧し、ピン収容室44内に待避させる。
そして、駆動部材31がトルク伝達部32に当接し、嵌合部42が内孔32aに完全に嵌合したときに、嵌合部42の係止溝42aが係止ピン43に合致することで、係止ピン43がばね45の付勢力によってピン収容室44から突出し、軸部43bが係止溝42aに係合する(図9(b))。これにより、駆動部材31は、トルク伝達部32に当接した状態でロックされる。このように駆動部材31がロックされると、その後は、相対変位DRの大きさや方向にかかわらず、駆動部材31はトルク伝達部32と一体の状態に保持される。
以上の動作から、この変形例によるトルク伝達特性は、例えば図10のように表される。すなわち、駆動部材31がトルク伝達部32に当接するまでの動作は、前述した第1実施形態と同じであり、相対変位DRが所定値に達したときに(移動量Xr=所定量G1)、駆動部材31がトルク伝達部32に当接することで、回転マス23が回転し始め(図10の点b1)、伝達トルクTrが0からトルク伝達部32の押圧力に応じて増大する。
また、駆動部材31がトルク伝達部32に当接すると、それと同時に駆動部材31がトルク伝達部32にロックされることで、その後は、相対変位DRの大きさや方向にかかわらず、移動量Xrが所定量G1のまま、互いに一体の駆動部材31及びトルク伝達部32を介して、ボールナット22cのトルクが回転マス23に伝達される(点b1以降)。
以上のように、この変形例によれば、相対変位DRが所定値に達した後には、駆動部材31がトルク伝達部32に当接し、ロックされることによって、ほぼ連続的に回転マス23が駆動され、回転慣性質量効果が得られるので、地震時における過大な相対変位をより効果的に防止することができる。
また、駆動部材31がロックされた後には、相対変位DRの方向が反転しても、駆動部材31は移動せず、他方のトルク伝達部32に当接することがない。したがって、駆動部材31が往復動し、一対のトルク伝達部32、32に繰り返し当接する前述の第1実施形態と比較して、当接時に両部材31、32に作用する衝撃荷重や負荷を軽減でき、それに起因する騒音や両部材31、32の摩耗などを抑制することができる。
次に、図11及び図12を参照しながら、本発明の第2実施形態による回転マスダンパ10Bについて説明する。図11に示すように、この回転マスダンパ10Bは、図3に示した第1実施形態の回転マスダンパ10Aに対し、駆動部材31と一対のトルク伝達部32、32の間に一対のばね材51、51を付加したものである。
各ばね材51は、リング状の皿ばねやコイルばねで構成され、所定の剛性(ばね定数)を有しており、ボールナット22cの外側に配置され、各トルク伝達部32の駆動部材31に対向する側の面に取り付けられている。また、各ばね材51の駆動部材31に対向する側の端部には、フッ素樹脂などから成る滑り材52が取り付けられている。図11に示すように、駆動部材31が中立位置にあるときの、駆動部材31と各滑り材52の間の間隙の大きさは、所定量G2になっている。
以上の構成によれば、相対変位DRが発生すると、第1実施形態の回転マスダンパ10Aと同様、駆動部材31は、ボールナット22cと一体に回転しながら、図11に示す中立位置(Xr=0)から移動するとともに、相対変位DRが上記の所定量G2に対応する所定値に達するまでは、ばね材51に当接しない。このため、回転マス23への伝達トルクTrは0であり、回転マス23は駆動されない(図12の点O2〜点a2)。
その後、相対変位DRが所定値に達すると、駆動部材31の移動量Xrが所定量G2に等しくなり(点a2)、駆動部材31が滑り材52を介して一方のばね材51に当接する。これにより、駆動部材31がばね材51を介してトルク伝達部32を押圧した状態になり、ボールナット22cのトルクが、駆動部材31、ばね材51及びトルク伝達部32を介して回転マス23に伝達されることによって、回転マス23が駆動される。
相対変位DRがさらに増加すると、駆動部材31の移動によってばね材51が圧縮され、その圧縮量に比例して、トルク伝達部32の押圧力が増大することによって、回転マス23への伝達トルクTrが増大する(点a2〜点b2)。
その後、相対変位DRの方向が反転すると、ボールナット22cが反対方向に回転することにより、伝達トルクTrの正負が反転する(回転マス23の駆動方向が切り替わる)(点b2〜点c2)とともに、駆動部材31が反対方向に移動するのに応じて、ばね材51の圧縮量及び伝達トルクTrが減少する。そして、相対変位DRが所定値まで減少したときに、伝達トルクTrが0になるとともに、駆動部材31がばね材51から離れ始める(点d2)。その後、相対変位DRが0になったときに、駆動部材31が中立位置に復帰する。
その後の動作は、方向が異なる以外は上記と同じであり、反対方向の相対変位DRが所定値に達したときに、駆動部材31の移動量Xdが所定量(−G2)に等しくなり、駆動部材31が他方のばね材51に当接することによって、回転マス23が駆動される(点e2)とともに、相対変位DRが増加するにつれて、他方のばね材51の圧縮量が増大し、それに応じて伝達トルクTrが増大する(点f2)。
以降、相対変位DRが収束するまで、相対変位DRの方向が反転するごとに、駆動部材31の移動方向が切り替わり、相対変位DRが所定値に達するごとに、駆動部材31、ばね材51及びトルク伝達部32を介した回転マス23の駆動が、繰り返し行われる。
以上のように、本実施形態の回転マスダンパ10Bによれば、駆動部材31がばね材51を介してトルク伝達部32を押圧するので、駆動部材31がトルク伝達部32に当接する第1実施形態と比較して、両部材31、32に作用する衝撃荷重や負荷を軽減でき、それらの損傷や摩耗を抑制することができる。
また、駆動部材31の移動量Xrが大きくなるにつれて、ばね材51の圧縮量が増大し、それに応じて、トルク伝達部32の押圧力及び回転マス23への伝達トルクTrが増大する。これにより、相対変位DRが大きくなるほど、回転慣性質量効果を増大させることができ、したがって、地震時における相対変位の抑制を、実際の相対変位DRの大きさに応じて、より適切に行うことができる。
また、駆動部材31とばね材51の間に介在する滑り材52によって、駆動部材31及びばね材51に作用する衝撃荷重や負荷を軽減でき、それらの損傷や摩耗をさらに抑制することができる。
なお、図12中の破線の傾きは、ばね材51の圧縮量(駆動部材31の移動量)に対する伝達トルクTrの増減割合を表しており、ばね材51の剛性(ばね定数)や滑り材52の摩擦係数の設定によって、変更することが可能である。
次に、図13及び図14を参照しながら、本発明の第3実施形態による回転マスダンパ10Cについて説明する。同図に示すように、この回転マスダンパ10Cは、図11に示した第2実施形態の回転マスダンパ10Bに対し、内筒21と回転マス23の間に、粘性減衰効果を得るための粘性体61を付加したものである。
本実施形態では、内筒21の中央の部分が、外径の大きな拡径部21aになっており、この拡径部21aと回転マス23の間に、一対のリング状のシール材62、62が設けられている。そして、シール材62、62で密閉された拡径部21aと回転マス23との間の空間に、シリコンオイルなどから成る粘性体61が充填されている。
また、第2実施形態と比較して、ばね材51の長さが大きくなっており、その分、駆動部材31が中立位置にあるときの、駆動部材31と各滑り材52の間の間隙の大きさは、より小さな所定量G3になっている。
以上の構成の回転マスダンパ10Cをモデル化すると、図14のように表される。すなわち、回転マスダンパ10Cでは、ねじ軸22aなどから成る弾性要素に、駆動部材31やばね材51などから成るトルク伝達機構24を介して、回転マス23から成る慣性接続要素と粘性体61から成る粘性要素が並列に接続された関係になっている。
したがって、この回転マスダンパ10Cによれば、相対変位DRが上記の所定量G3に対応する所定値に達したときに、駆動部材31がばね材51に当接し、トルク伝達機構24を介して回転マス23が駆動されるのに伴い、回転マス23による回転慣性質量効果に加えて、粘性体61による粘性減衰効果を得ることができ、相対変位の抑制効果をさらに高めることができる。
この粘性体61の粘性減衰効果は、回転マス23の回転速度に比例して増大する。また、粘性減衰効果は、粘性体61の密度及び粘度や、粘性体61が充填される内筒21と回転マス23との間の容積などの設定によって、変更することが可能である。
次に、図15及び図16を参照しながら、本発明の第4実施形態による回転マスダンパ10Dについて説明する。同図に示すように、この回転マスダンパ10Dは、図11に示した第2実施形態の回転マスダンパ10Bと比較し、中立状態において、両ばね材51、51が滑り材52を介して駆動部材31に接するとともに、両ばね材51、51にあらかじめ所定の圧縮荷重(以下「予荷重」という)Pcが付与されている点が異なる。なお、本実施形態では、図7に示した例と同様、駆動部材31は、ボールナット22cに螺合し、回転マス23とスプライン結合されている。
したがって、この回転マスダンパ10Dによれば、相対変位DRが0で、駆動部材31が図15に示す中立位置にある状態では、各トルク伝達部32の押圧力は予荷重Pcに等しい。この状態から、相対変位DRの発生に伴い、駆動部材31が軸線方向に移動すると、一方のばね材51が駆動部材31によって圧縮されることで、そのばね材51の圧縮荷重が増大すると同時に、他方のばね材51が駆動部材31に追随して伸長することで、そのばね材51の圧縮荷重が減少する。
その結果、一方のばね材51の圧縮荷重の増大分と他方のばね材51の圧縮荷重の減少分が相殺されることによって、一方のトルク伝達部32の押圧力は予荷重Pcにほぼ等しい状態に保たれ、それにより、回転マス23への伝達トルクTr及び回転慣性質量効果は、比較的小さなほぼ一定の値に保たれる(図16の点O4〜点a4)。
相対変位DRがさらに増大し、所定値に達すると、駆動部材31の移動量Xrが所定量G4になり、他方のばね材51の伸長が限界に達することで、駆動部材31は、他方のばね材51から離れた(点a4)後、一方のばね材51を引き続き圧縮する。このため、一方のばね材51の圧縮量が増大するのに応じて、トルク伝達部32の押圧力が増大することにより、回転マス23への伝達トルクTr及び回転慣性質量効果が増大する(点a4〜点b4)。
その後の動作は、第2実施形態の回転マスダンパ10Bの場合と基本的に同じであり、相対変位DRの方向が反転するのに伴い、伝達トルクTrの正負が反転する(点b4〜点c4)とともに、駆動部材31が反対方向に移動するのに応じて、ばね材51の圧縮量及び伝達トルクTrが減少する(点c4〜点d4)。そして、相対変位DRが所定値まで減少したときに、駆動部材31が他方のばね材51に再び接するようになり(点d4)、その後、相対変位DRが0になったときに、駆動部材31が中立位置に復帰する。この状態から相対変位DRが反対方向に増大するときの動作は、駆動部材31の移動方向が上記と逆の関係になるだけなので、その説明は省略する。
以上のように、本実施形態の回転マスダンパ10Dによれば、相対変位DRが小さな所定の範囲では、ほぼ一定の比較的小さな回転慣性質量効果が得られるとともに、相対変位DRが所定の範囲を超えた後には、相対変位DRが大きくなるほど、回転慣性質量効果を増大させることができる。したがって、第2実施形態と同様、地震時における相対変位の抑制を、実際の相対変位DRの大きさに応じて適切に行うことができる。
次に、図17を参照しながら、本発明の第5実施形態による回転マスダンパ10Eについて説明する。同図に示すように、この回転マスダンパ10Eは、図3に示した第1実施形態の回転マスダンパ10Aに、第2回転マス123及び第2トルク伝達機構124を付加したものである。
第2回転マス123は、回転マス23と同様、比重の大きな材料、例えば鉄で構成され、円筒状に形成されている。また、第2回転マス123は、回転マス23よりも大きな径を有し、その外側に同軸状に配置されるとともに、軸受128を介して回転マス23に回転自在に支持されている。
第2トルク伝達機構124は、回転マス23から第2回転マス123にトルクを伝達することによって、第2回転マス123を駆動するものであり、その基本構成は、トルク伝達機構24と同じである。具体的には、第2トルク伝達機構124は、回転マス23と第2回転マス123の間に配置され、内周面及び外周面にそれぞれスプライン穴及び雄ねじ(いずれも図示せず)が形成されたリング状の第2駆動部材131と、第2回転マス123の内周面に一体に設けられ、第2駆動部材131の両側に配置されたリング状の一対の第2トルク伝達部132、132などで構成されている。
第2駆動部材131のスプライン穴は、回転マス23の外周面に一体に形成されたスプライン歯23cに嵌合し、第2駆動部材131の雄ねじは、第2回転マス123の内周面に形成された雌ねじ123aに螺合している。また、図17に示す中立状態では、駆動部材31と各トルク伝達部32との間隙の大きさは、第1所定量G5に設定され、第2駆動部材131と各第2トルク伝達部132との間隙の大きさは、第2所定量G6に設定されている。
以上の構成によれば、前述した回転マスダンパ10Aの動作に加えて、第2回転マス123による回転慣性質量効果を得ることができる。すなわち、相対変位DRが上記の第1所定量G5に対応する第1所定値に達したときに、駆動部材31がトルク伝達部32に当接することによって、ボールナット22cから回転マス23にトルクが伝達され、回転マス23の回転慣性質量効果が得られる。
また、上記の回転マス23の回転に伴い、第2駆動部材131が軸線方向に移動し、その移動量が第2所定量G6に達したとき、すなわち回転マス23の回転量が所定量に達したときに、第2駆動部材131が第2トルク伝達部132に当接する。これにより、回転マス23から第2回転マス123にトルクが伝達され、第2回転マス123が駆動されることによって、第2回転マス123による回転慣性質量効果が発揮される。
以上のように、回転マス23の回転慣性質量効果を得た後に、同じ方向の相対変位DRが継続する場合には、第2トルク伝達機構124によって第2回転マス123が駆動され、第2回転マス123の回転慣性質量効果が付加される。これにより、実際の相対変位DRの発生状況に応じて、回転慣性質量効果を2段階で増大させることができ、特に巨大地震時における相対変位の抑制を適切に行うことができる。
なお、本発明は、これまでに説明した第1〜第5実施形態や変形例に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、第2、第3及び第5実施形態では、駆動部材31がボールナット22cとスプライン結合され、回転マス23と螺合し、第4実施形態では、駆動部材31が回転マス23とスプライン結合され、ボールナット22cと螺合しているが、各実施形態において、これらの関係を逆にしてもよい。
また、第3実施形態に適用した粘性体61を、他の実施形態のボールナット22cと回転マス23の間に同様に用いてもよく、さらに、第5実施形態の回転マス23と第2回転マス123の間に用いてもよい。それにより、回転マス23、123の回転慣性質量効果に粘性体61の粘性減衰効果が付加されることによって、相対変位の抑制効果をさらに高めることができる。
さらに、第5実施形態では、ボールナット22cと回転マス23の間にトルク伝達機構24を配置し、回転マス23と第2回転マス123の間に第2トルク伝達機構124を配置しているが、このうち、トルク伝達機構24を省略してもよい。この場合には、ボールナット22cと回転マス23が直接、連結されることにより、相対変位DRの発生の初期の段階から、回転マス23が駆動され、回転慣性質量効果が発揮される。
また、変形例として示したロック機構41は、あくまで例示であり、駆動部材31をトルク伝達部32に当接した状態でロックできるものである限り、他の任意の構成を採用することが可能である。
さらに、免震支承3は、実施形態では転がりタイプのものであるが、滑りタイプなどの他のタイプでもよいことは、もちろんである。また、実施形態は、構造物が建物2である例であるが、本発明による免震用ダンパは、他の構造物、例えば鉄塔や橋梁などにも適用可能であり、さらに、基礎免震だけでなく中間階免震に適用してもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 基礎(地盤)
2 建物(構造物)
3 免震支承
10 回転マスダンパ(免震用ダンパ)
21 内筒(筒体)
22 ボールねじ
22a ねじ軸
22b ボール
22c ボールナット
23 回転マス
24 トルク伝達機構
31 駆動部材
32 トルク伝達部
41 ロック機構
51 ばね材
52 滑り材
61 粘性体
123 第2回転マス
124 第2トルク伝達機構
131 第2駆動部材
132 第2トルク伝達部
Xr 駆動部材の移動量
G1 所定量

Claims (7)

  1. 地盤と構造物の間に免震支承とともに設けられ、地震時における前記地盤と前記構造物との相対変位を抑制するための免震用ダンパであって、
    一端部が前記地盤及び前記構造物の一方に連結される筒体と、
    一端部が前記地盤及び前記構造物の他方に連結され、他端部が前記筒体の他端部に移動自在に嵌合するねじ軸と、
    当該ねじ軸の外側に同軸状に配置され、前記ねじ軸に転動自在の多数のボールを介して螺合し、前記ねじ軸が前記筒体に対して前記軸線方向に移動するのに伴って回転するボールナットと、
    前記筒体及び前記ボールナットの外側に同軸状に配置された回転自在の円筒状の回転マスと、
    当該回転マスの内周面に一体に設けられ、前記軸線方向に互いに間隔を隔てて配置されたリング状の一対のトルク伝達部と、
    前記ボールナットと前記回転マスの間で且つ前記一対のトルク伝達部の間に、当該一対のトルク伝達部と所定の間隔を隔てて配置され、前記ボールナット及び前記回転マスの一方に対して回転不能に且つ前記軸線方向に移動自在に設けられるとともに、他方に螺合するリング状の駆動部材と、を備え、
    当該駆動部材は、前記ボールナットの回転に伴って前記軸線方向に移動することにより、前記一対のトルク伝達部の一方を押圧した状態で、前記ボールナットのトルクを前記一方のトルク伝達部を介して前記回転マスに伝達することによって、当該回転マスを回転させるように構成されていることを特徴とする免震用ダンパ。
  2. 前記駆動部材は、前記軸線方向の移動量が所定量に達したときに、前記トルク伝達部に当接するように構成されており、
    前記駆動部材が前記トルク伝達部に当接したときに、前記駆動部材を前記トルク伝達部にロックするロック機構をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の免震用ダンパ。
  3. 前記駆動部材と前記一対のトルク伝達部の間にそれぞれ配置された一対のばね材をさらに備え、前記駆動部材は、前記軸線方向に移動するのに伴い、前記ばね材を介して前記トルク伝達部を押圧するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の免震用ダンパ。
  4. 前記一対のばね材は、前記駆動部材が中立位置にある状態で、前記駆動部材及び前記一対のトルク伝達部に接するとともに、あらかじめ所定の圧縮荷重が付与されていることを特徴とする、請求項3に記載の免震用ダンパ。
  5. 前記駆動部材と前記一対のばね材との間に介在する滑り材をさらに備えることを特徴とする、請求項3又は4に記載の免震用ダンパ。
  6. 前記回転マスと筒体の間に充填された粘性体をさらに備えていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の免震用ダンパ。
  7. 前記回転マスの外側に同軸状に配置された回転自在の円筒状の第2回転マスと、
    当該第2回転マスの内周面に一体に設けられ、前記軸線方向に互いに間隔を隔てて配置されたリング状の一対の第2トルク伝達部と、
    前記回転マスと前記第2回転マスの間で且つ前記一対の第2トルク伝達部の間に所定の間隔を隔てて配置され、前記回転マス及び前記第2回転マスの一方に対して回転不能に且つ前記軸線方向に移動自在に設けられるとともに、他方に螺合するリング状の第2駆動部材と、をさらに備え、
    当該第2駆動部材は、前記回転マスが回転するのに伴って前記軸線方向に移動することにより、前記一対の第2トルク伝達部の一方を押圧した状態で、前記回転マスのトルクを前記一方の第2トルク伝達部を介して前記第2回転マスに伝達することによって、当該第2回転マスを回転させるように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の免震用ダンパ。
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