JP6143613B2 - 揺れ防止装置 - Google Patents

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本発明は、免震装置を備えた建物において、例えば地震以外の風や交通振動等の外部振動により建物が揺れるのを防止する揺れ防止装置に関する。
従来より、地震等の外部振動から建物を断絶する目的で、当該建物とその建物基礎との間に免震装置を設ける施工が行われているが、この免震装置が設けられた建物では地震以外の風等により建物が揺れてしまう可能性があることから、建物とその建物基礎との間には揺れ防止装置を設けるのが通常である。
前記揺れ防止装置としては特許文献1に開示されているものが知られている。この揺れ防止装置は、建築躯体に固定される球体保持機構部と、この球体保持機構部に設けられる球体と、建築基礎に固定されると共に前記球体が転走する受け皿と、前記球体保持機構部に設けられると共に油が密封された室と、当該室内の油圧を調整する油圧調整機構と、前記室に対して上下方向に進退する進退作動体と、から構成される。
そして、地震が発生していない状態では、前記進退作動体の上下方向の移動が規制され、この進退作動体と前記受け皿とが強く係合し、建物の横揺れが阻止されるようになっている。その一方で、地震が発生した際には、前記油圧調整機構の作用により前記進退作動体の上下方向の移動が許容され、進退作動体と受け皿との係合が解除される。その結果、免震装置により建物が免震されるようになっている。
特開2006−105181号公報
しかし、前記揺れ防止装置を備えた建物の場合、建物に作用する水平方向の外力は揺れ防止装置を構成する進退作動体に直接作用することになる。このため、地震以外の風等に起因した建物の揺れを確実に防止するためには前記進退作動体自体を大型化させる必要があり、ひいては揺れ防止装置全体を大型化させる必要があった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、小型化を達成することができる揺れ防止装置を提供することにある。
すなわち、本発明は、第1の構造体と第2の構造体との間に配置され、振動が一方の構造体から他方の構造体へと直接伝播するのを防止する免震装置と共に使用されるものであり、第1の構造体に結合される固定筒と、一端が第2の構造体に結合されて軸方向に進退すると共に外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたスクリューロッドと、このスクリューロッドと共にボールねじ装置を構成する一方、前記固定筒に対して回転自在に支承されるロータと、前記固定筒とロータとの間に設けられる回転抑止機構と、を備えており、前記回転抑止機構は、ピン部材と、このピン部材が挿入される貫通孔を有すると共に前記固定筒に設けられる第一ピン保持部と、この第一ピン保持部の貫通孔と対向する挿通孔を有して前記ロータに設けられる第二ピン保持部と、を備える。
本発明によれば、前記ロータとスクリューロッドからなるボールねじ装置によりロータを回転させようとする偶力がスクリューロッドを軸方向へと移動させようとする大きな軸力へと変換されるようになっているため、ピン部材が小型であっても、第1の構造体又は第2の構造体が地震以外の風等によって揺れるのを防止することができる。
本発明を適用した揺れ防止装置の第一実施形態を示す半断面図である。 スクリューロッドとロータとの組み合わせの一例を示す斜視図である。 本発明を適用した減衰装置の一例を示す斜視図である。 図3に示す減衰装置が備える回転抑止機構の一例を示す斜視図である。 図3に示す減衰装置を建物の免震構造に使用した例を示す模式図である。
以下、添付図面に沿って本発明を適用した揺れ防止装置を詳細に説明する。
図1は本発明を適用した揺れ防止装置の第一実施形態を示すものである。この揺れ防止装置1は、中空部を有すると共に一端に開口部を有して筒状に形成された固定筒2と、この固定筒2の開口端から当該固定筒2の中空部に挿入されるようにして配置されたスクリューロッド3と、多数のボール(図示外)を介して前記スクリューロッド3に螺合するロータとしてのナット部材4と、前記固定筒2とナット部材4との間に設けられた回転抑止機構5と、を備える。
この揺れ防止装置1は、第1の構造体としての建物と第2の構造体としての建物基礎との間に免震装置を備えた建物に利用され、前記固定筒2は建物に固定される一方、前記スクリューロッド3は例えばコネクティングロッドを介して建物基礎に固定される。
図2は、前記ナット部材4と前記スクリューロッド3の組合せの一例を示す斜視図である。このスクリューロッド3とナット部材4は所謂ボールねじ装置の構成をなしている。このボールねじ装置としては市販のものを利用することが可能である。尚、図2では、前記ボールねじ装置の内部構造を理解しやすくするため、ナット部材4の一部を切り欠いて描いている。
前記スクリューロッド3の外周面には螺旋状のボール転動溝31が形成されており、前記ナット部材4は当該ボール転動溝31を転動する多数のボール6を介して前記スクリューロッド3に螺合している。前記ナット部材4は前記スクリューロッド3が貫通する貫通孔を有して略円筒状に形成されており、かかる貫通孔の内周面にはスクリューロッド3のボール転動溝31と対向する螺旋状のボール転動溝41が形成されている。また、このナット部材4はボール6の無限循環路を有しており、ボール6が無限循環することでナット部材4がスクリューロッド3の周囲を螺旋状に運動することが可能となっている。更に、前記ナット部材4の外周面にはフランジ部42が形成されると共に、このフランジ部42には固定ボルトを挿通させるボルト孔43が設けられている。このナット部材4は固定ボルトの締結によって前記回転抑止機構5に結合されるようになっている。
このようなボールねじ装置において、前記スクリューロッド3の一端部は構造体としての建物基礎に固定されているので、かかる構造体の振動に伴ってスクリューロッド3が軸方向へ運動すると、この並進運動がナット部材4の回転運動に変換されるようになっている。
一方、前記回転抑止機構5は図1に示すように、ピン部材51と、前記固定筒2と一体に形成される第一ピン保持部52と、前記ナット部材4に固定される第二ピン保持部53と、を備える。前記ピン部材51は、円柱部51aと、この円柱部51aよりも大きな径で形成された鍔部51bと、を備えている。また、前記円柱部51aの外周面にはせん断溝51cが一つ形成され、ピン部材51はこのせん断溝51cからせん断破壊されるようになっている。尚、前記せん断溝51cはピン部材51のせん断を補助するものであるため、必要に応じて省略しても差支えない。
また、前記第一ピン保持部52は固定筒2の一端に形成されると共に当該固定筒2の周方向に沿って連続しており、略円盤状に形成されている。この第一ピン保持部52にはスクリューロッド3の軸方向に沿った貫通孔54が一つ形成されており、前記ピン部材51はこの貫通孔54内に挿入されるようになっている。
更に、前記第二ピン保持部53は略円盤状に形成され、固定ボルト42aによって前記ナット部材4のフランジ部42に固定される。この第二ピン保持部53は前記第一ピン保持部52と僅かな隙間を介して対向する一方、回転軸受55によって前記固定筒2に回転自在に支承されている。この回転軸受55としてはクロスローラ軸受が用いられており、前記ナット部材4から固定筒2に作用するラジアル荷重及びスラスト荷重を十分に支承することができるようになっている。また、この第二ピン保持部53には、前記第一ピン保持部52の貫通孔54と対向する位置に挿通孔56が形成されている。この挿通孔56はスクリューロッド3の軸方向に沿って貫通しており、前記貫通孔54と同一内径に形成されている。尚、本実施形態では回転軸受55としてクロスローラ軸受が用いられているが、他の回転軸受を用いても差し支えない。
このように形成された回転抑止機構5において、前記ピン部材51は第一ピン保持部52の貫通孔54から第二ピン保持部53の挿通孔56へと挿入され、これら第一ピン保持部52及び第二ピン保持部53により保持されるようになっている。このとき、ピン部材51の鍔部51bは第一ピン保持部52の軸方向端面に係止し、ピン部材51のせん断溝51cが第一ピン保持部52と第二ピン保持部53との隙間に位置するようになっている。
尚、本実施形態では第一ピン保持部52が前記固定筒2と一体に形成されているが、この第一ピン保持部52を固定筒2と別の部材としても差し支えない。更に、前記第一ピン保持部52は固定筒2の周方向に沿って連続した部材であるが、固定筒2の外周面の一部に設けられるようにしても差し支えない。また、前記第二ピン保持部53は略円盤状に形成されているが、前記第一ピン保持部52との間でピン部材51を保持できる構成であれば、略円盤状に形成されていなくとも差支えない。更に、前記ピン部材51は前記第二ピン保持部53の挿通孔56から挿入しても差し支えない。
前記構成からなる揺れ防止装置1は、建物と建物基礎との間に配置される免震装置と共に使用され、かかる建物の振動に伴ってスクリューロッド3が軸方向へ運動すると、前記ナット部材4をスクリューロッド3に対して回転させようとする偶力が当該ナット部材4に作用する。更に、この偶力に応じたせん断力がナット部材4と共に回転しようとする第二ピン保持部53と前記固定筒2に成形された第一ピン保持部52との間に配置されたピン部材51に作用するようになっている。
そして、本実施形態に係る揺れ防止装置1では、地震以外の風等が建物に作用した場合、前記回転抑止機構5によりスクリューロッド3に対するナット部材4の回転運動を制御することができ、もって免震装置を備えた建物が風等により揺れるのを防止することができるようになっている。その一方で、地震による振動が建物に作用した場合にはピン部材51がせん断破壊され、その結果前記免震装置が作動し、建物の免震が達成されるようになっている。
尚、本実施形態では、前記第一ピン保持部52及び第二ピン保持部53に対して夫々一つずつ貫通孔54及び挿入孔56が形成されているが、これら貫通孔54及び挿入孔56のうち少なくとも一方を各保持部52,53に対して周方向に沿って複数設ける構成としても差し支えない。かかる構成とすれば、地震が収束した後に再度ピン部材51を貫通孔54及び挿入孔56に挿入する際、貫通孔54と挿入孔56が連通するように前記ナット部材4を回転させる移動量が少なくてよく、その分揺れ防止装置の復元が容易となる。また、ピン部材51を再度挿入する際、せん断されたピン部材51が残存している貫通孔54及び挿入孔56以外の貫通孔54及び挿入孔56に対してピン部材51を挿入するだけでよく、その分揺れ防止装置の復元が容易となる。
前記構成からなる本実施形態に係る揺れ防止装置1において、この揺れ防止装置1に作用する軸力をFとし、ナット部材4に伝達される回転トルクをMとすると、これらは以下の式に倣った関係となる。尚、下記数式1内のLdはリードを示し、これはスクリューロッド3を1回転させた際に前記ボール転動溝31が軸方向へ進行する距離をいう。
Figure 0006143613
つまり、本実施形態に係る揺れ防止装置1ではボールねじ装置により回転トルクMが2π/Ld倍され、小さな偶力が大きな軸力Fへと変換される。そして上述したように、この偶力に応じたせん断力は前記ピン部材51に作用する。このせん断力をFtとし、前記スクリューロッド3の軸心からピン部材51までの距離をeとすると、当該せん断力Ftは回転トルクMとの関係で以下の数式であらわされる。
Figure 0006143613
そして、数式1及び数式2から、前記軸力Fとせん断力Ftとの関係は以下の数式であらわされる。尚、以下の説明において便宜上、下記数式3におけるLd/2πeを「変位係数α」という。
Figure 0006143613
このような本実施形態に係る揺れ防止装置1によれば、前記変位係数αを1未満となるように、スクリューロッド3に形成されたボール転動溝31のリードLd及びスクリューロッド3の軸心からピン部材51までの距離eを設定することで、前記ピン部材51に作用するせん断力Ftを揺れ防止装置1に作用する軸力Fよりも小さくなる。従って、本実施形態に係る揺れ防止装置1では、前記せん断力Ftが作用するピン部材51自体が小型であったとしても、第1の構造体としての建物が地震以外の風等によって揺れるのを防止することが可能となる。換言すると、前記ピン部材51自体を小径化することができる分、従来の揺れ防止装置に比べて揺れ防止装置全体の小型化に適している。
また本実施形態に係る揺れ防止装置1はでは、前記変位係数αが1未満となる範囲であれば、ボール転動溝31のリードLd及びスクリューロッド3の軸心からピン部材51までの距離eを自由に設定することが可能であり、従来の揺れ防止装置に比べて汎用性に富んでいる。
次に、本発明を適用した減衰装置について図3及び図4を用いて説明する。
図1では本発明を揺れ防止装置に適用した例を示したが、本発明は建物と建物基礎との間で伝播する振動エネルギを減衰する減衰装置としての回転慣性質量ダンパに適用することも可能である。
本実施形態に係る回転慣性質量ダンパ101は、固定筒102、スクリューロッド103及びナット部材を有しており、これらの構成は前記揺れ防止装置1のそれと同様の構成をなしている。その一方で、前記ナット部材の半径方向外側には円筒状に形成されたロータとしての回転筒106が結合されている。このため、図3では、前記ナット部材が図示されていない。この回転筒106は回転軸受により固定筒102に対して回転自在に支承され、前記ナット部材と共にスクリューロッド103に対して回転するようになっている。そして、この回転筒106の内周面と前記固定筒102の外周面とが対向しており、回転筒106と固定筒102との間に円筒状の収容室が形成されるようになっている。この収容室にはシリコーンオイル等の粘性流体が充填されている。
また、本実施形態に係る回転慣性質量ダンパ101は回転抑止機構105を有する。この回転抑止機構105を構成するピン部材、第一ピン保持部及び第二ピン保持部の構成は前記回転抑止機構5のそれと変わらないため、各部材の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
その一方で、この回転抑止機構105では、前記第一ピン保持部52が固定筒102と別に設けられ、固定ボルト52aによって固定筒102の外周面に固定されている。また、前記第二ピン保持部53は固定ボルト53aにより前記回転筒106の軸方向端面に固定されている。そして、前記回転抑止機構105では、ピン部材51が第二ピン保持部53の挿通孔56から前記第一ピン保持部52の貫通孔54へと挿入され、鍔部51bが第二ピン保持部53に係止するようになっている。
このように構成された回転慣性質量ダンパ101は、前記固定筒102がコネクタ120を介して第1の構造体としての建物に固定される一方、前記スクリューロッド103はその一端がコネクタ130を介して第2の構造体としての建物基礎に固定される。そして、前記揺れ防止装置1と同様に、スクリューロッド103及びナット部材からなるボールねじ装置によりスクリューロッド103の軸方向運動がナット部材及び回転筒106の回転運動へと変換されるようになっている。
図5は前記構成からなる回転慣性質量ダンパ101を建物の免震構造120に使用した例を示すものである。この免震構造120は、建物基礎121に対して建物122を移動自在に支承する免震案内手段123と、前記建物基礎121と建物122との間に設けられた回転慣性質量ダンパ101と、地震の収束後に建物122を建物基礎121上の所定位置に復帰させる回復手段124とから構成されている。前記免震案内手段123は、地震による建物基礎121の揺れが建物122に直接伝播するのを防止し、建物基礎121上で建物122が自由に移動できるようにするものであり、例えば、軌道レールとこれに沿って運動するスライダとを組み合わせたリニアガイドや、一対の基礎の間で鋼球が自在に転動するように構成したものが知られている。また、前記回復手段124は、免震案内手段123に支えられた建物122の建物基礎121に対する変位が地震収束後に残留してしまうのを防止すべく、建物122を建物基礎121上の所定の位置に引き戻す機能を発揮しており、例えばゴム板を多層に積み重ねて形成された積層ゴムが使用されている。
この免震構造120では、地震による振動が建物基礎121から建物122に伝播した際、前記固定筒102とスクリューロッド103との間に当該スクリューロッド103の軸方向に沿った振動が作用する。このスクリューロッド103の軸力が前記ボールねじ装置によりナット部材及び回転筒106を回転させようとする偶力に変換され、この偶力に応じたせん断力が前記ピン部材51に作用することになる。
そして、前記せん断力により前記ピン部材51がせん断破壊されると、これにより前記スクリューロッド103に螺合するナット部材が反転を繰り返しながら当該スクリューロッド103の周囲を回転できるようになる。これに伴って、前記回転筒106が固定筒102の周囲を回転することになる。このようにしてスクリューロッド103の軸方向運動が回転筒106の回転運動へと変換されることで、当該回転筒106の回転運動によって生じた慣性質量効果が反力として作用し、建物122と建物基礎121との間で伝播する振動が低減され、もって建物122の損壊や免震層の過大な変形を軽減することが可能となる。これと同時に、前記回転筒106が回転すると、前記収容室内に封入されている粘性流体が回転筒106の回転方向と逆方向の粘性力を作用させ、建物122と建物基礎121との間で伝播する振動エネルギを吸収することができるようになっている。
本実施形態に係るボールねじ装置を利用した回転慣性質量ダンパ101によれば、第一実施形態に係る揺れ防止装置1と同様に、前記変位係数αを1未満となるように、スクリューロッド103に形成されたボール転動溝のリードLd及びスクリューロッド103の軸心からピン部材51までの距離eを設定することで、前記ピン部材51に作用するせん断力Ftを回転慣性質量ダンパ101に作用する軸力Fよりも小さくすることが可能となる。このため、このせん断力を負荷するピン部材51そのもの、ひいては回転抑止機構105を小型化させることができる。このように回転抑止機構105を小型化させることができる分、ボールねじ装置を利用した従来の回転慣性質量ダンパに対して固定ボルト等の汎用品を用いて前記回転抑止機構105を容易に取り付けることが可能となり、もって従来の回転慣性質量ダンパに対して揺れ防止装置としての機能を容易に具備させることが可能となる。
このため、建物122と建物基礎121との間に、回転慣性質量ダンパ101と別に揺れ防止装置を設置する必要がない。それ故、従来では減衰装置としての回転慣性質量ダンパと揺れ防止装置を設置するためのアンカー部材が二つ必要であったのに対して、本発明を適用した回転慣性質量ダンパ101では揺れ防止装置としての機能も備えていることから、この回転慣性質量ダンパ101を設置するためのアンカー部材を一つ用意するだけで良い。
尚、図4に示す実施形態は、本発明を粘性流体の作用室を有する回転慣性質量ダンパに適用したものであるが、本発明はボールねじ装置を用いた回転慣性質量ダンパであれば、前記作用室を有しないものに適用することも可能である。また、本発明は、ボールねじ装置を利用した粘性減衰装置に適用することも可能である。
尚、図1及び図4に示す揺れ防止装置が備える回転抑止機構では、所定値より大きな水平方向の外力が建物に作用した際にピン部材がせん断破壊されるようになっているが、回転抑止機構の構成はこれに限られない。この回転抑止機構の他の構成としては、例えばピン部材を弾性部材等で第一ピン保持部又は第二ピン保持部に向けて付勢する構成とし、ピン部材に所定値より大きなせん断力が作用した際、このピン部材が前記弾性部材等の付勢力に抗して進退することで回転抑止機構が解除されるようにしても差し支えない。この実施形態によれば、ピン部材がせん断破壊されるわけではないため、新たなピン部材を準備する必要がなく、コストの増加を防ぐことができる。
1…揺れ防止装置、2…固定筒、3…スクリューロッド、4…ナット部材(ロータ)、5…回転抑止機構、51…ピン部材、52…第一ピン保持部、53…第二ピン保持部

Claims (3)

  1. 第1の構造体と第2の構造体との間に配置され、振動が一方の構造体から他方の構造体へと直接伝播するのを防止する免震装置と共に使用される揺れ防止装置であって、
    第1の構造体に結合される固定筒と、一端が第2の構造体に結合されて軸方向に進退すると共に外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたスクリューロッドと、このスクリューロッドと共にボールねじ装置を構成する一方、前記固定筒に対して回転自在に支承されるロータと、前記固定筒とロータとの間に設けられる回転抑止機構と、を備え、
    前記回転抑止機構は、ピン部材と、このピン部材が挿入される貫通孔を有すると共に前記固定筒に設けられる第一ピン保持部と、この第一ピン保持部の貫通孔と対向する挿通孔を有して前記ロータに設けられる第二ピン保持部と、を備えることを特徴とする揺れ防止装置。
  2. 第1の構造体と第2の構造体との間に配置され、振動が一方の構造体から他方の構造体へと直接伝播するのを防止する免震装置と共に使用される減衰装置であって、
    第1の構造体に結合される固定筒と、一端が第2の構造体に結合されて軸方向に進退すると共に外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたスクリューロッドと、このスクリューロッドと相まってボールねじ装置を構成すると共に円筒状に形成されたナット部材と、このナット部材の半径方向外側に設けられると共に前記固定筒に対して回転自在に支承される回転慣性質量としてのロータと、前記固定筒とロータとの間に設けられる回転抑止機構と、を備え、
    前記回転抑止機構は、ピン部材と、このピン部材が挿入される貫通孔を有すると共に前記固定筒に設けられる第一ピン保持部と、この第一ピン保持部の貫通孔と対向する挿通孔を有して前記ロータに設けられる第二ピン保持部と、を備えることを特徴とする減衰装置。
  3. 前記ロータと固定筒との間には円筒状に形成された収容室が設けられ、この収容室には粘性流体が密封されていることを特徴とする請求項2記載の減衰装置。
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