JP5801139B2 - 衝撃ダンパ - Google Patents
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Description
しかしながら、従来の衝撃ダンパには隙間を微調整するための機構が用意されておらず、制振対象物の特性に応じて隙間を柔軟に加減することができないために、十分な制振効果が得られないという問題があった。
また、制振対象物の振動を加速度で評価する必要がある場合に、従来の衝撃ダンパの構造では、始動加速度を設定することができないという問題もあった。
またこの発明は、始動加速度を容易に設定可能な衝撃ダンパを提供することを第2の目的としている。
上記「ハウジングの内面」には、ハウジングの内面に設けられた凸部(突起部)や凹部も含まれるものとする(以下同様)。
また、制振対象物で発生する振動に複数の卓越振動数が存在している場合に、制御対象外の卓越振動数に同調させたバネが用いられるため、衝撃ダンパの始動特性を向上させることが可能となる。
同様に、下側レベル調整機構26、下側接触材料28及び突起部30の設置個数についても限定はない。
これに対し、調整ボルト46を反対方向に回転させると、第2の楔状板部材42は第1の楔状板部材40と第3の楔状板部材44の間から離れる方向(図中の右方向)に移動し、第1の楔状板部材40と第3の楔状板部材44との間が付勢ピンの作用によって狭まるため、全体の高さhが減少する。
下側レベル調整機構26の構成も上側レベル調整機構22と同じであり、単に設置の方向が反対となるだけの違いであるため、重複の説明は省略する。
なお、レベル調整機構は図2に例示した構成に限定されるものではなく、高さを自在に調整できる機能を備えた他の装置類を用いることも当然に可能である。
つぎに、可動質量16は反対方向に移動し、下側接触材料28が、ハウジング14の底面14bに立設された突起部30に衝突する。この結果、制振対象物12の振動を打ち消す方向に力が加えられる。
以上の動作を繰り返すことにより、制振対象物12の振動が徐々に低減されていく。
すなわち、振幅が比較的大きい場合には隙間を比較的大きく設定し、振幅が比較的小さい場合には隙間を比較的小さく設定することが求められ、制振対象物の特性によっては0.数mmオーダーでの調整が要求される。
このため、事前に制振対象物12において発生する振動のデータを解析し、工場出荷前に最適な隙間d1, d2を個別に設定しておくことが可能となる。
あるいは、設置現場において制振効果を示すデータを測定しつつ、隙間d1, d2を簡易迅速に修正することも可能となる。
この第2の衝撃ダンパ50は、図示の通り、作動開始前の状態において上側接触材料24がハウジング14の天井面14aに接触しており、両者間に隙間d1が設けられていない点に特徴があり、他の構成は第1の衝撃ダンパ10と異ならない。このため、同一の部材については同一の符号を付することとし、重複の説明は省略する。
このため、上側レベル調整機構22の調整ボルト46を必要方向に必要量回転させ、上側接触材料24とハウジング14の天井面14aとの間の接触力を調整することで、その始動加速度を任意の値に設定することが可能となる。
具体的には、接触力をf(N)、可動質量をmとした場合、始動加速度a(m/s2)は以下の式で求められる。
a=f/m
したがって、この隙間d2を制振対象物12の振幅に最適化することで、その制振効果を高めることが可能となる。
この第3の衝撃ダンパ60も、第2の衝撃ダンパ50と同様、上側接触材料24とハウジング14の天井面14aとの間には隙間d1が形成されておらず、作動開始前から接触状態となされている。
このため、上側レベル調整機構22の調整ボルト46を必要方向に必要量回転させ、上側接触材料24とハウジング14の天井面14aとの間の接触力を微調整することで、第3の衝撃ダンパ60の始動加速度を任意の値に設定することが可能となる。
まず前提として、バネ18の固有振動数がどの卓越振動数にも同調させていない場合、図5(a)に示すように、入力された外力が比較的小さいため予め設定しておいた可動隙間範囲d(隙間d1, d2)よりも可動質量16の応答変位量が小さくなる場合には、上側接触材料24がハウジング14の天井面14aに衝突することなく、また下側接触材料28が突起部30に衝突することもなく、衝撃ダンパとしての機能を発揮することができないことになる。
k=(2πf0)・m
つぎに、このバネ定数を備えたバネ18を、第1の衝撃ダンパ10に装着する。
これに対し、第2の衝撃ダンパ50のバネ18の固有振動数を制御対象外の卓越振動数に同調させておくと、図7(b)に示すように、制御対象外の卓越振動に共振応答し、その加速度成分が加算されることにより、始動加速度の設定値を超えやすくなる。
図示は省略したが、第3の衝撃ダンパ60についても同様の理屈が当てはまる。
図8はその一例を示すものであり、第1の衝撃ダンパ10において、上側レベル調整機構24をハウジング14の天井面14a側に取り付けると共に、その表面に上側接触材料24を取り付け、また下側レベル調整機構26を突起部30の表面に取り付けると共に、その表面に下側接触材料28を取り付けた構成を備えている。
また、下側レベル調整機構26の調整ボルト46を回転させることにより、下側接触材料28と可動質量16の下面との間の隙間d2を微調整することが可能となる。
12 制振対象物
14 ハウジング
16 可動質量
18 バネ
20 減衰機構
22 上側レベル調整機構
24 上側接触材料
26 下側レベル調整機構
28 下側接触材料
30 突起部
40 第1の楔状板部材
42 第2の楔状板部材
44 第3の楔状板部材
46 調整ボルト
50 第2の衝撃ダンパ
60 第3の衝撃ダンパ
Claims (5)
- 制振対象物に対して接触固定されるハウジングと、
このハウジング内に収納された可動質量と、
この可動質量を弾性支持するバネと、
上記可動質量の一面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第1のレベル調整機構と、
この第1のレベル調整機構の表面に取り付けられた第1の接触材料と、
上記可動質量の反対面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第2のレベル調整機構と、
この第2のレベル調整機構の表面に取り付けられた第2の接触材料とを備え、
上記第1のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の一面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第1の接触材料との間の隙間が調整されると共に、上記第2のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の反対面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第2の接触材料との間の隙間が調整され、
さらに、上記制振対象物において発生する振動に複数の卓越振動数が存在し、その中のいくつかが制御対象となる卓越振動数であり、残りが制御対象外の卓越振動数である場合に、上記バネとして、上記制御対象外の卓越振動数の中のどれか一つに同調させたものを用いたことを特徴とする衝撃ダンパ。 - 制振対象物に対して接触固定されるハウジングと、
このハウジング内に収納された可動質量と、
この可動質量を弾性支持するバネと、
上記可動質量の一面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第1のレベル調整機構と、
この第1のレベル調整機構の表面に取り付けられた第1の接触材料と、
上記可動質量の反対面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられた第2のレベル調整機構と、
この第2のレベル調整機構の表面に取り付けられた第2の接触材料とを備え、
上記第1のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の一面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第1の接触材料との間の接触力が調整されると共に、上記第2のレベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の反対面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記第2の接触材料との間の隙間が調整されることを特徴とする衝撃ダンパ。 - 制振対象物に対して接触固定されるハウジングと、
このハウジング内に収納された可動質量と、
この可動質量を弾性支持するバネと、
上記可動質量の一面、またはこれと対向する上記ハウジングの内面に取り付けられたレベル調整機構と、
このレベル調整機構の表面に取り付けられた接触材料とを備え、
上記レベル調整機構の高さを加減することにより、上記可動質量の一面またはこれと対向する上記ハウジングの内面と、上記接触材料との間の接触力が調整されることを特徴とする衝撃ダンパ。 - 上記制振対象物において発生する振動に複数の卓越振動数が存在し、その中のいくつかが制御対象となる卓越振動数であり、残りが制御対象外の卓越振動数である場合に、上記バネとして、上記制御対象外の卓越振動数の中のどれか一つに同調させたものを用いたことを特徴とする請求項2または3に記載の衝撃ダンパ。
- 上記レベル調整機構が、
第1の楔状板部材、第2の楔状板部材及び第3の楔状板部材を重ね合わせた積層体と、
上記第1の楔状板部材及び第3の楔状板部材間を接合する方向に付勢する付勢手段と、
上記第2の楔状板部材に係合された調整ボルトとを備え、
この調整ボルトの回転に応じて第1の楔状板部材及び第3の楔状板部材間における第2の楔状板部材の位置が往復移動し、第1の楔状板部材及び第3の楔状板部材間の距離が増減することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の衝撃ダンパ。
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