JP2018066432A - 防振装置 - Google Patents

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Ryo Ito
亮 伊東
安彦 相田
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安彦 相田
正彦 藁科
Masahiko Warashina
正彦 藁科
翔一 江波戸
Shoichi Ebato
翔一 江波戸
智一 樋口
Tomokazu Higuchi
智一 樋口
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Abstract

【課題】航空機衝突に起因する高周波振動と地震に起因する低周波振動が対象機器に伝達されることを抑制可能な防振装置を提供する。
【解決手段】対象機器の筐体10のうち部品を収容する収容部12より水平方向H1の外側に突出しているベース15と、固定構造物すなわち床5及び基部21に対して筐体10を支持しており、且つ弾性変形可能な支持用弾性体27を有する。さらに防振装置は、ベース15と距離をあけて配置されており、支持用弾性体27の弾性変形により筐体10が変位したときにベース15との間に生じる力により筐体10の変位を制限するストッパー31,33,35を有する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、機器の振動を抑制する防振装置に関し、特に、固定構造物からの振動が機器に伝達されることを抑制する防振装置に関する。
原子力プラント等にある建屋には、一般的に制御盤や電源盤等の機器が設けられている。このような機器は、一般的に多数の部品を収容する筐体を有している。このような筐体は、建屋等の固定構造物に結合されている場合がある。原子力プラントの建屋等は、一般的に耐震性を考慮して高い剛性の固定構造物として設計されている。
また、原子力プラント等においては、航空機が建屋等の固定構造物に衝突した場合であっても、制御盤や電源盤等の機器の健全性を維持することが求められている。航空機が建屋に衝突したとき、建屋の壁や床を介して機器に伝わる振動は、地震動に比べて高い周波数成分を有している。
2008−157406号公報
電子部品を収容した筐体が、建屋等の固定構造物に直接に結合されている場合、比較的高い周波数の振動は、固定構造物から直接筐体に伝達される。このような高い周波数の振動が、筐体の内部にある部品に伝達されると、当該部品の機能が失われる虞があり、制御盤や電源盤等が故障する虞もある。
特に、原子力プラントの建屋等の固定構造物においては、航空機の衝突に起因する高い周波数の振動が、制御盤や電源盤等の機器に伝達されることを抑制する必要があり、より詳細には、高い周波数の振動が、内部に部品を収容する筐体に伝達されることを抑制する必要がある。
筐体の内部に部品が収容された機器においては、航空機衝突に起因する高周波振動と、地震に起因する低周波振動が固定構造物に生じたときに、これら振動が、防振対象である機器(以下、対象機器と記す)の筐体に伝達されることを抑制する技術が要望されている。
本発明の実施形態は、上記事情に鑑みてなされたものであって、航空機衝突に起因する高周波振動と地震に起因する低周波振動から対象機器に伝達されることを抑制可能な防振装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態の防振装置は、対象機器の筐体のうち部品を収容する収容部より水平方向外側に突出しているベースと、固定構造物に対して前記筐体を支持しており、且つ弾性変形可能な支持用弾性体と、前記ベースと距離をあけて配置されており、前記支持用弾性体の弾性変形により前記筐体が変位したときに当該ベースとの間に生じる力により当該筐体の変位を制限するストッパーと、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、航空機衝突に起因する高周波振動や、地震に起因する低周波振動が固定構造物に生じた場合であっても、これら振動が対象機器に伝達されることを抑制することができる。
第1の実施形態の防振装置の構成を示す断面立面図であり、図3のI−I線による断面図である。 第1の実施形態の防振装置のうちストッパーとその周辺の構成を示す拡大断面図であり、図1に破線Eで示す部分の拡大断面図である。 第1の実施形態の防振装置の構成を示す上面図である。 筐体のロッキング1次振動について説明する説明図である。 筐体のロッキング2次振動について説明する説明図である。 筐体の上下並進振動について説明する説明図である。 第1の実施形態の防振装置において、航空機衝突に起因する高周波振動(上下並進振動)が生じた場合について説明する図であり、ストッパーとその周辺の構成を示す拡大断面図である。 第1の実施形態の防振装置において、地震に起因する低周波振動が生じた場合について説明する図であり、防振装置の全体構成を示す断面立面図である。 第1の実施形態の防振装置において、地震に起因する低周波振動が生じた場合について説明する図であり、ストッパーとその周辺の構成を示す拡大断面図である。 支持用弾性体のみを介して筐体が固定構造物に対して支持されており且つ当該筐体がストッパーからの反力を受けない場合の電子機器の固有振動数の設定手法を説明するための解析モデルを示す模式図である。 支持用弾性体のみを介して筐体が固定構造物に対して支持されており且つ当該筐体がストッパーからの反力を受けない場合の電子機器の固有振動数と加速度応答スペクトルとの関係を示すグラフである。 支持用弾性体のみを介して筐体が固定構造物に対して支持された電子機器の固有振動数の設定手法を説明するための解析モデルであって、筐体のベースが揺動制限用ストッパーに当接して当該ストッパーからの反力を受ける場合の解析モデルを示す模式図である。 筐体のうちベースの鉛直方向の変位と、当該筐体のベースがストッパーと当接したときに当該ストッパーから受ける鉛直方向の反力について説明するグラフである。 筐体のうちベースの水平方向の変位と、当該筐体のベースがストッパーと当接したときに当該ストッパーから受ける水平方向の反力について説明するグラフである。 支持用弾性体のみを介して筐体が固定構造物に対して支持されており、当該筐体のベースが揺動制限用ストッパーに当接して当該ストッパーからの反力を受ける場合の電子機器の固有振動数と加速度応答スペクトルとの関係を示すグラフである。 第2の実施形態の防振装置の構成を示す断面立面図であり、ベースとストッパーが緩衝体を介して結合されている態様を示す拡大断面図である。 第2の実施形態の防振装置の変形例の緩衝体とその周辺の構成を示す断面図であり、図16に破線E3で囲う部分の拡大断面図である。 第3の実施形態の防振装置の構成を示す断面立面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態により、本発明が限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
〔第1の実施形態〕
本実施形態の防振装置の構成について図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施形態の防振装置の構成を示す断面立面図であり、図3のI−I線による断面図である。なお、図1においては、電子機器の筐体のうち電子部品を収容する収容部の断面の表示を省略している。また、図1においては、鉛直方向上側を矢印Uで示し、鉛直方向下側を矢印Dで示している。図2は、本実施形態の防振装置のうちストッパーとその周辺の構成を示す拡大断面図であり、図1に破線Eで示す部分の拡大断面図である。図3は、本実施形態の防振装置の構成を示す上面図である。なお、図1及び図3においては、水平方向のうち所定の方向を、矢印H1で示し、水平方向のうちH1で示す方向と垂直な方向を、図3にH2で示している。
図1に示すように、防振装置の防振対象である機器(以下、単に「対象機器」と記す)は、部品を収容する筐体10を有している。本実施形態の対象機器は、筐体10内に電子部品が収容された電子機器である。電子機器の筐体10は、内部に電子部品(図示せず)を収容する部分(以下、収容部と記す)12を有している。本実施形態において、収容部12は、略直方体形状をなしており、鉛直方向に延びている。また、筐体10は、収容部12の鉛直方向下側において当該収容部12より水平方向外側に延びている部分(以下、単に「ベース」と記す)15を有している。収容部12とベース15は、溶接等により結合されている。なお、筐体10は、収容部12とベース15が一体に成形されているものとしても良い。
図3に示すように、収容部12は、水平方向H2に延びており、矩形をなしている。同様に、ベース15も矩形をなしており、収容部12より図1及び図3に矢印H1で示す水平方向外側に延びている。当該水平方向H1の外側の縁部を符号17で示す。すなわち、ベース15の縁部17は、収容部12より水平方向H1の外側に突出している。
筐体10は、図1に示すように、原子力プラントの建屋等の固定構造物のうち水平方向に延びている床5に対して支持部材20を介して支持されている。本実施形態の支持部材20は、床5上において水平方向に広がっている部分(以下、基部と記す)21を有している。床5は、例えば、コンクリート製であり、基部21は、金属製である。基部21は、床5に結合されている。なお、床5及び基部21は、剛体であるものとすることができる。
また、支持部材20は、図1及び図2に示すように、基部21の水平方向H1の外側から鉛直方向上側に延びている部分(以下、上側延伸部と記す)23と、当該鉛直方向延伸部の鉛直上側から水平方向H1の内側に延びている部分(以下、内側延伸部と記す)25とを有している。本実施形態において、上側延伸部23及び内側延伸部25は、基部21と一体に成形された金属製の剛体である。基部21、上側延伸部23及び内側延伸部25は、床5と同様に、原子力プラントの建屋等の固定構造物の一部分である。
本実施形態の防振装置は、これら固定構造物からの振動が筐体10に伝達されることを抑制するため、固定構造物に対して当該筐体10を支持しており且つ弾性変形可能な部材(以下、支持用弾性体と記す)27を有している。本実施形態の支持用弾性体27は、固定構造物である支持部材20の基部21と筐体10のベース15との間に配置されている。より具体的には、支持用弾性体27は、図1に示すように、ベース15の水平方向H1の中央部の鉛直下側において当該水平方向H1に間隔をあけて2つ配置されており、且つ図3に示すように、水平方向H2に延びている。
各支持用弾性体27は、その鉛直方向下側が基部21に結合されており、その鉛直方向上側がベース15に結合されている。すなわち、各支持用弾性体27は、固定構造物である基部21と筐体10とを接続している。支持用弾性体27は、固定構造物である床5及び基部21からの航空機衝突に起因する高周波振動(例えば、30Hz〜100Hzの振動)が、筐体10に伝達されることを抑制する。
本実施形態の支持用弾性体27は、いわゆる防振ゴム等のエラストマーで構成されており、鉛直方向に弾性変形するだけでなく、固定構造物からの振動を減衰する機能を有している。なお、本発明に係る支持用弾性体は、鉛直方向に弾性変形可能な部材であれば良く、例えば、金属製のばね等を用いることも可能である。
このような支持用弾性体27により筐体10が支持されている電子機器には、固定構造物の振動に応じて、各種の振動が生じる。当該電子機器に生じる各種の振動について、図4、図5及び図6を用いて説明する。図4は、ロッキング1次振動について説明する説明図である。図5は、ロッキング2次振動について説明する説明図である。図6は、上下並進振動について説明する説明図である。なお、図4、図5及び図6において、筐体が静止しているときの位置を二点鎖線で示しており、その水平方向の中央を一点鎖線Aで示している。
例えば、地震(横波)が生じた場合には、図4に矢印R1で示すように、筐体10のうち鉛直上側が比較的大きく搖動する振動モード、いわゆるロッキング1次振動が生じることがある。ロッキング1次振動は、「下心ロッキング振動」とも呼称される。また、図5に矢印R2で示すように、筐体10のうち鉛直下側が比較的大きく搖動する振動モード、いわゆるロッキング2次振動が生じることがある。ロッキング2次振動は、「上心ロッキング振動」とも呼称される。また、地震(縦波)が生じた場合や航空機衝突が生じた場合には、図6に矢印T1で示すように、鉛直方向にのみ振動する上下並進振動が生じる場合がある。
このような筐体10の振動を制限するために、図1に示すように、固定構造物である支持部材20には、ベース15と距離をあけてストッパー31,33,35が配置されている。ストッパー31,33,35は、支持用弾性体27の弾性変形により筐体10が変位して当接したときに、ベース15との間に生じる力により筐体10の変位を制限する。ベース15が筐体10に当接したときに、当該ベース15は、ストッパー31,33,35からの反力を受ける。これにより、ストッパー31,33,35は、それぞれ筐体10の変位を制限することが可能である。
具体的には、主に筐体10の揺動を制限するために、ベース15の鉛直方向に距離をあけて配置された揺動制限用ストッパー31,35と、筐体10の水平方向の移動を制限するために、ベース15の水平方向H1の外側に距離をあけて配置された水平動制限用ストッパー33である。これらストッパー31,33,35は、筐体10に対して水平方向H1の両側にそれぞれ配置されている。
揺動制限用ストッパー31,35は、ベース15の水平方向H1の外側の縁部17と鉛直方向に対向して配置されている。より具体的には、揺動制限用ストッパー31,35は、ベース15を含む筐体10が静止しているとき、図2に示すように、ベース15の縁部17から鉛直方向下側に所定の距離(図に寸法g1で示す)をあけて配置された下側ストッパー31と、当該縁部17から鉛直方向上側に所定の距離(図に寸法g5で示す)をあけて配置された上側ストッパー35である。
下側ストッパー31は、固定構造物である基部21に結合されており、詳細には、当該基部21の鉛直方向上側に固定されている。上側ストッパー35は、固定構造物である内側延伸部25に結合されており、詳細には、当該内側延伸部25の鉛直方向下側に固定されている。下側ストッパー31及び上側ストッパー35は、筐体10の揺動によりベース15が所定の角度傾斜して、縁部17が鉛直方向に所定の距離、変位したときに当接するように配置されている。
水平動制限用ストッパー33は、ベース15の水平方向H1の外側の縁部17と水平方向に対向して配置されている。より具体的には、水平動制限用ストッパー33は、ベース15を含む筐体10が静止しているとき、図2に示すように、縁部17から水平方向下側に所定の距離(図に寸法g3で示す)をあけて配置されている。
水平動制限用ストッパー33は、固定構造物である上側延伸部23に結合されており、詳細には、当該上側延伸部23の水平方向H1の内側に固定されている。外側ストッパー33は、筐体10の水平動によりベース15が水平方向に所定の距離、変位したときに縁部17と当接するように配置されている。
揺動制限用ストッパー31,35は、鉛直方向に所定の圧縮荷重を負荷したときの当該方向の弾性変形量が、上述した支持用弾性体27に比べて小さくなるよう構成されている。同様に、水平動制限用ストッパー33は、水平方向に所定の圧縮荷重を負荷したときの当該方向の弾性変形量が、上述した支持用弾性体27に比べて小さくなるよう構成されている。
このようなストッパー31,33,35は、支持用弾性体27に比べて体積弾性係数又はヤング率が大きい材料で構成することができる。本実施形態において、ストッパー31,33,35は、金属製であり、弾性変形可能なものが好ましい。なお、支持部材20の基部21、上側延伸部23及び内側延伸部25は、ストッパー31,33,35と同様に、支持用弾性体27に比べて体積弾性係数又はヤング率が大きい材料で構成することができ、ストッパー31,33,35と同じ材料で構成することができる。
また、本実施形態の防振装置において、図2に示す筐体10が静止しているときの揺動制限用ストッパー31,35のそれぞれとベース15との鉛直方向の距離g1,g5は、航空機衝突時の高周波振動(例えば、30Hz以上の振動)が支持用弾性体27を介して筐体10に伝達されたときに想定される筐体10の鉛直方向の変位に比べて大きい値に設定されている。同様に、水平動制限用ストッパー33とベース15との水平方向の距離g3は、航空機衝突時の高周波振動が、支持用弾性体27を介して筐体10に伝達されたときに想定される筐体10の水平方向の変位に比べて大きい値に設定されている。
以上のように構成された防振装置において、航空機衝突に起因する振動が固定構造物に生じた場合と、地震に起因する振動が固定構造物に生じた場合の各構成要素の機能について、図1、図5、図7、図8及び図9を参照して説明する。
図7は、本実施形態の防振装置において、航空機衝突に起因する高周波振動が生じた場合について説明する図であり、ストッパーとその周辺の構成を示す拡大断面図である。なお、図7は、図1に破線Eで囲う部分の拡大断面図である。図8は、本実施形態の防振装置において、地震に起因する低周波振動が生じた場合について説明する図であり、防振装置の全体構成を示す断面立面図である。図9は、本実施形態の防振装置において、地震に起因する低周波振動が生じた場合について説明する図であり、ストッパーとその周辺の構成を示す拡大断面図である。なお、図7及び図9において、筐体が静止しているときの位置を二点鎖線で示している。
航空機衝突に起因する高周波振動が、固定構造物すなわち図1に示す床5及び基部21に生じた場合、当該基部21の振動は、支持用弾性体27を介して筐体10に伝達される。航空機衝突に起因して筐体10に生じる振動は、図7に矢印T1又は矢印T2で示すような上下又は水平方向の振動であり、周波数が比較的高く(例えば、30Hz〜100Hz)振幅が比較的小さい。
基部21からの高周波振動は、支持用弾性体27において減衰されて筐体10に伝達される。このため、ベース15には、図7に示すように、比較的微小な鉛直方向及び水平方向の変位が生じる。しかし、筐体10の変位が微小なものであるため、当該ベース15の縁部17がストッパー31,33,35と接触するがことがない。航空機衝突に起因する振動は、電子機器に伝達することなく収束する。
一方、地震に起因する低周波振動が固定構造物すなわち床5及び基部21に生じた場合、当該基部21の振動は、支持用弾性体27を介して筐体10に伝達されるものの、当該支持用弾性体27だけでは地震時の応答を十分に抑制することができない。地震に筐体10には、図8に矢印T1で示す上下並進運動に加えて、矢印R1で示すロッキング1次振動が生じる場合がある。なお、ロッキング1次振動に代えて、図5に矢印R2で示すロッキング2次振動が生じる場合もある。
このような地震に起因するロッキング振動が生じると、図8に示すように、筐体10が傾斜する。ベース15の縁部17は、図9に示すように、下側ストッパー31(又は上側ストッパー35)に当接する。当該縁部17は、当接したストッパー31,35からの反力を受ける。これにより、揺動制限用ストッパー31,35は、筐体10の揺動を、所定の範囲に制限する。
なお、ロッキング振動や上下並進運動に起因して筐体10が水平方向に変位するとベース15の縁部17は、外側ストッパー33に当接し、当該外側ストッパー33からの反力を受ける。これにより、水平動制限用ストッパー33は、筐体10の水平方向の変位を、所定の距離に制限する。
(電子機器の固有振動数の設定手法)
上述した筐体10を含む電子機器の固有振動数の設定方法について説明する。なお、上述した例と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。電子機器は、筐体10に加えて当該筐体10の収容部12内に収容されている各種の電子部品(図示せず)が含まれている。当該電子機器の固有振動数は、以下の3つの手順、すなわちステップ1、ステップ2及びステップ3を順次行うことにより設定される。なお、電子機器の質量M、慣性モーメントI、重心Gの算出には、筐体10の質量、慣性モーメント及び重心のみならず、収容部12に収容された各種の電子部品の質量、及び収容部12内における位置が考慮されている。
(ステップ1:防振系固有振動数の設定)
ステップ1においては、上述した支持用弾性体27のみを介して筐体10が固定構造物(例えば、床5及び基部21)に対して支持されており且つ当該筐体10がストッパー31,33,35からの反力を受けない場合の電子機器の固有振動数を設定しており、以下に、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、支持用弾性体のみを介して筐体が固定構造物に対して支持されており且つ当該筐体がストッパーからの反力を受けない場合の電子機器の固有振動数の設定手法を説明するための解析モデルを示す模式図である。図11は、支持用弾性体のみを介して筐体が固定構造物に対して支持されており且つ当該筐体がストッパーからの反力を受けない場合の電子機器の固有振動数と加速度応答スペクトルとの関係を示すグラフである。
図10に示す解析モデルにおいて、支持用弾性体27は、鉛直方向に延びているばね27aと、水平方向に延びているばね27cで表わすことができる。ばね27aのばね定数kは、支持用弾性体27の鉛直方向の剛性を表しており、より具体的には、支持用弾性体27に所定の圧縮荷重を鉛直方向に負荷したときの当該支持用弾性体27の鉛直方向の弾性変形量と当該圧縮荷重の比を表している。同様に、ばね27cのばね定数kは、支持用弾性体27の水平方向の剛性を表しており、より具体的には、支持用弾性体27に所定の圧縮荷重を水平方向に負荷したときの当該支持用弾性体27の水平方向の弾性変形量と当該圧縮荷重との比を表している。なお、支持用弾性体27の剛性が、ベース15を含む筐体10の剛性に比べて十分に低い場合、当該筐体10は、剛体とみなすことができる。
図10に示す解析モデルの自由度は、筐体10を含む電子機器の重心Gの水平方向の変位x、鉛直方向の変位z、重心Gまわりの回転角θで表される。この振動系には、上下並進振動(図6参照)及びロッキング振動の振動モードが生じる。
ロッキング振動には、筐体10の鉛直上側が大きく揺動するロッキング1次振動(いわゆる下心ロッキング振動、図4参照)と、筐体10の鉛直下側が大きく揺動するロッキング2次振動(いわゆる上心ロッキング振動、図5参照)がある。ロッキング1次振動は、一般的に、ロッキング2次振動に比べて固有振動数が低い傾向がある。
上下並進振動の固有振動数fは、以下の式(1)で表される。
Figure 2018066432
ロッキング1次振動の固有振動数fr1は、以下の式(2)で表される。
Figure 2018066432
ロッキング2次振動の固有振動数fr2は、以下の式(3)で表される。
Figure 2018066432
上記の式(1)、式(2)及び式(3)においては、
:電子機器(筐体10と、その収容部12内に収容された電子部品を含む)の重心Gから支持用弾性体27までの水平方向の距離
:電子機器(筐体10と、その収容部12内に収容された電子部品を含む)の重心Gから支持用弾性体27までの鉛直方向の距離
M:電子機器(筐体10と、その収容部12内に収容された電子部品を含む)の質量
I:電子機器(筐体10と、その収容部12内に収容された電子部品を含む)の慣性モーメント
ここで、βは、支持用弾性体27の水平方向の剛性を示すばね定数kと、鉛直方向の剛性を示すばね定数kの比であり、以下の式(4)で表される。
Figure 2018066432
航空機の衝突を考慮した防振設計においては、電気機器の上下並進振動の固有振動数f、ロッキング1次振動の固有振動数fr1及びロッキング2次振動の固有振動数fr2を、図11に示すように、航空機衝突波の卓越振動数域(図に破線S1で示す)に比べて低くなるように設定する。例えば、ばね定数kすなわち支持用弾性体27の鉛直方向の剛性を変えることにより、固有振動数f,fr1,fr2を、航空機衝突波の卓越振動数域に比べて低いものにすることができる。航空機衝突波の卓越振動数域は、30Hz〜100Hzである。電子機器は、その固有振動数f,fr1,fr2が、それぞれ30Hz未満となるように構成される。具体的には、固有振動数f,fr1,fr2が、それぞれ30Hz未満となるように筐体10の形状や、収容部12内の電子部品の配置等が決定される。
(ステップ2:ベースとストッパーとの間隔の設定)
ステップ2においては、筐体10のうちベース15と、当該ベース15と当接するストッパーとの間の距離(間隔)を設定する。まず、評価用の航空機衝突波に対する、電子機器の筐体10の水平方向及び鉛直方向の応答変位を、時間の関数すなわち時刻歴として算出する。算出された時刻歴のうち最大の応答変位において、ベース15とストッパーが接触しないようにする。
本実施形態においては、図2に示すように、時刻歴のうちベース15の縁部17と下側ストッパー31との鉛直方向の間隔(図2に寸法g1で示す)と、当該縁部17と外側ストッパー33との水平方向の間隔(図2に寸法g3で示す)と、当該縁部17と上側ストッパー35との鉛直方向の間隔(図2に寸法g5で示す)を、それぞれ設定する。
(ステップ3:地震時の固有振動数の設定)
ステップ3においては、上述した支持用弾性体27のみを介して固定構造物(例えば、床5及び基部21)に対して筐体10が支持されており且つ当該筐体10のベース15が揺動制限用ストッパー31,35と当接して当該ストッパー31,35からの反力を受ける場合の電子機器の固有振動数を設定しており、以下に、図12〜図15を参照して説明する。
図12は、支持用弾性体のみを介して筐体が固定構造物に対して支持された電子機器の固有振動数の設定手法を説明するための解析モデルであって、筐体のベースが揺動制限用ストッパーに当接して当該ストッパーからの反力を受ける場合の解析モデルを示す模式図である。図13は、筐体のうちベースの鉛直方向の変位と、当該筐体のベースがストッパーと当接したときに当該ストッパーから受ける鉛直方向の反力について説明するグラフである。図14は、筐体のうちベースの水平方向の変位と、当該筐体のベースがストッパーと当接したときに当該ストッパーから受ける水平方向の反力について説明するグラフである。図15は、支持用弾性体のみを介して筐体が固定構造物に対して支持されており、当該筐体のベースが揺動制限用ストッパーに当該して当該ストッパーからの反力を受ける場合の電子機器の固有振動数と加速度応答スペクトルとの関係を示すグラフである。
ステップ2において設定された間隔をあけて配置されたストッパー31,33,35の存在を考慮すると、解析モデルは、図12に示すように、ストッパー31,35は、鉛直方向に延びているばね30aで表すことができ、ストッパー33は、水平方向に延びているばね30cで表わすことができる。すなわち、ばね30aのばね定数Kは、下側ストッパー31及び上側ストッパー35(図2参照)の鉛直方向の剛性を表しており、より具体的には、揺動制限用ストッパー31,35に所定の圧縮荷重を鉛直方向に負荷したときの当該ストッパー31,35の鉛直方向の弾性変形量と当該圧縮荷重との比を表している。同様に、ばね30cのばね定数Kは、外側ストッパー33の水平方向の剛性を表しており、より具体的には、水平動制限用ストッパー33に所定の圧縮荷重を水平方向に負荷したときの当該ストッパー33の水平方向の弾性変形量と当該圧縮荷重との比を表している。
ストッパー31,35を表すばね30aは、図13に示す非線形特性を有する。ストッパー31,35は、それぞれ筐体10のベース15に対して鉛直方向に間隔(図13に「±δ」で示す)をあけて配置されている。ベース15は、鉛直方向に変位することによりストッパー31,35と当接して、これらストッパー31,35からの鉛直方向の反力を受ける。
同様に、ストッパー33を表すばね30cは、図14に示す非線形特性を有する。ストッパー33は、ベース15に対して水平方向に間隔(図14に「±δ」で示す)をあけて配置されている。ベース15は、水平方向に変位することにより、ストッパー33と当接して、当該ストッパー33から水平方向の反力を受ける。
このような場合、筐体10を含む電子機器の固有振動数は、その変位振幅に依存する。簡易に固有振動数を推定する場合には、ベース15の変位とストッパーから受ける反力との関係を示すK,Kが線形に作用すると仮定して電子機器の固有振動数を計算する。
当該ステップ3においては、この仮定に基づいて、上下並進振動、ロッキング1次振動、ロッキング2次振動のそれぞれについて電子機器の固有振動数を算出する。なお、下記の式(5)〜式(8)において、支持用弾性体27の剛性を表すばね定数k,kを省略している。これらのばね定数k,kは、ストッパー31,35の剛性を表すばね定数K及びストッパー33の剛性を表すばね定数Kに比べて十分に小さいためである。
上下並進振動の固有振動数f’は、以下の式(5)で表される。
Figure 2018066432
ロッキング1次振動の固有振動数fr1’は、以下の式(6)で表される。
Figure 2018066432
ロッキング2次振動の固有振動数fr2’は、以下の式(7)で表される。
Figure 2018066432
上記の式(5)、式(6)及び式(7)においては、
:電子機器(筐体10と、その収容部12内に収容された電子部品を含む)の重心Gからストッパーまでの水平方向の距離
b:電子機器(筐体10と、その収容部12内に収容された電子部品を含む)の重心Gからストッパーまでの鉛直方向の距離
M:電子機器(筐体10と、その収容部12内に収容された電子部品を含む)の質量
I:電子機器(筐体10と、その収容部12内に収容された電子部品を含む)の慣性モーメント
ここで、β’は、ストッパー33の水平方向の剛性を示すばね定数Kと、ストッパー31,35の鉛直方向の剛性を示すばね定数Kとの比であり、以下の式(8)で表される。
Figure 2018066432
なお、上記の式(5)〜式(8)においては、筐体10を剛体と仮定している。筐体10の剛性がK,Kに対して十分に大きくない場合には、筐体10を梁等とみなして多自由度系のモデルを解析することも好適である。
耐震設計においては、電子機器の上下並進振動の固有振動数f’、ロッキング1次振動の固有振動数fr1’及びロッキング2次振動の固有振動数fr2’を、図15に示すように、地震波の卓越振動数域(図に実線S2で示す)に比べて高くなるように設定する。例えば、ばね定数kすなわち支持用弾性体27の鉛直方向の剛性を変えることにより、固有振動数f’,fr1’,fr2’を、地震波の卓越振動数域に比べて高いものに設定する。地震波の卓越振動数域は、概ね20Hz以下である。本実施形態においては、電子機器の固有振動数f’,fr1’,fr2’が、それぞれ20Hzを超えるように構成される。具体的には、固有振動数f,fr1,fr2が、それぞれ20Hzを超えるように筐体10の形状や、収容部12内の電子部品の配置等が決定される。
以上に説明したステップ1、ステップ2及びステップ3を順次行うことにより、電子機器の固有振動数が設定される。電子機器(対象機器)及び支持用弾性体27は、当該支持用弾性体27のみを介して筐体10が固定構造物に対して支持されており且つ筐体10が変位してもストッパー31,33,35からの反力を受けない場合の固有振動数が、30Hz(航空機衝突時の卓越振動数域)未満となるように構成される(ステップ1)。また、電子機器(対象機器)は、筐体10のベース15がストッパー31,33,35と当接して当該ストッパー31,33,35からの反力を受ける場合の固有振動数が、20Hzを超えるように構成される(ステップ3)。
(作用・効果)
以上に説明したように本実施形態の防振装置は、電子機器の筐体10のうち電子部品を収容する収容部12より水平方向H1の外側に突出しているベース15と、固定構造物すなわち床5及び基部21に対して筐体10を支持しており、且つ弾性変形可能な支持用弾性体27を有する。さらに防振装置は、ベース15と距離をあけて配置されており、支持用弾性体27の弾性変形により筐体10が変位したときにベース15との間に生じる力により筐体10の変位を制限するストッパー31,33,35を有するものとした。
航空機衝突に起因する高周波振動が固定構造物に生じた場合、弾性変形可能な支持用弾性体27は、当該振動を減衰させて筐体10に伝達する。このとき、ストッパー31,33,35は、筐体10のベース15から距離をあけて配置されているので、当該ベース15に微小な振動が生じても、ストッパー31,33,35と当該ベース15との間に力が生じることがない。
一方、地震に起因する低周波振動が固定構造物に生じた場合、支持用弾性体27が比較的大きく弾性変形して、上述したロッキング振動等が生じる。筐体10が所定の距離、変位したときにベース15がストッパー31,33,35と当接する。ベース15を含む筐体10は、当該ストッパー31,33、35と当接したときに当該ストッパー31,33、35からの反力を受ける。これにより、当該ベース15と当接したときに当該ストッパーから反力を受ける。当該反力により筐体10の変位が制限される。
なお、本実施形態において、ストッパー31,33,35は、ベース15の水平方向外側の縁部17と当接することにより、筐体10の移動(変位)を制限するものとしたが、本発明に係るストッパーが、電子機器の筐体の移動を制限する態様は、これに限定されるものではない。本発明に係るストッパーは、筐体の移動に応じて当該筐体に反力を付与可能なものであれば良い。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態の防振装置の構成について、図1、図16及び図17を用いて説明する。図16は、本実施形態の防振装置の構成を示す断面立面図であり、ベースとストッパーが緩衝体を介して結合されている態様を示す拡大断面図である。図17は、本実施形態の防振装置の変形例の緩衝体とその周辺の構成を示す断面図であり、図16に破線E3で囲う部分の拡大断面図である。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の防振装置は、図16に示すように、ストッパー31,33,35とベース15との間には、それぞれ緩衝体41,43,45が配置されている。具体的には、下側ストッパー31とベース15の縁部17との間には、下側緩衝体41が配置されており、上側ストッパー35と縁部17との間には、上側緩衝体45が配置されている。また、外側ストッパー33と縁部17との間には、外側緩衝体43が配置されている。
本実施形態において、ベース15は、下側緩衝体41を介して下側ストッパー31と結合されており、上側緩衝体45を介して上側ストッパー35と結合されている。また、ベース15は、外側緩衝体43を介して外側ストッパー33と結合されている。
緩衝体41,43,45は、それぞれ弾性変形可能な部材であり、例えば、ゴム等のエラストマーで構成されている。下側緩衝体41及び上側緩衝体45は、鉛直方向に所定の圧縮荷重を負荷したときの当該方向の弾性変形量が、それぞれ下側ストッパー31及び上側ストッパー35に比べて十分に大きくなるように構成されている。同様に、外側緩衝体43は、水平方向に所定の圧縮荷重を負荷したときの当該方向の弾性変形量が、外側ストッパー33に比べて十分に大きくなるように構成されている。
地震に起因して電子機器の筐体10(図1参照)が変位すると、ベース15とストッパー31,33,35との間において、それぞれ対応する緩衝体41,43,45が弾性変形する。緩衝体41,43,45は、それぞれ対応するストッパー31,33,35からの反力をベース15に伝達すると共に、弾性変形することにより、その衝撃を緩和する。
筐体10の変位により、ベース15とストッパー31,33,35との間に力が生じたときに、当該ベース15を含む筐体10に生じる加速度を低減することができ、筐体10の収容部12内に収容された電子部品が破損することを抑制することができる。
なお、本発明に係る緩衝体は、上述した態様に限定されるものではない。例えば、図17に示す変形例のように、上側緩衝体45Cは、対応する上側ストッパー35とベース15の間において積層された複数の層51,52,53,54を含むものとしても良い。
各層51,52,53,54は、ベース15からストッパー35に向かう方向、すなわち鉛直方向に所定の圧縮荷重を負荷したときの当該鉛直方向の弾性変形量、すなわち鉛直方向の剛性が異なる。本変形例においては、最もベース15側の層51が最も剛性が低く、ストッパー35側の層ほど剛性が高くなるように構成されている。なお、下側緩衝体41C及び外側緩衝体43Cについても、上側緩衝体45Cと同様に、剛性が異なる複数の層で構成されている。
筐体10(図1参照)が例えば鉛直方向上側に変位すると、当該ベース15とストッパー35との間において、まず、最も剛性が低い層51が弾性変形し、その後、層52、層53、層54の順に弾性変形する。このように緩衝体45Cを剛性が異なる層51,52,53,54で構成することにより、筐体10の変位に応じてベース15が受ける反力を徐々に変化させることができる。これにより、ベース15とストッパー31,33,35との間に力が生じたときに、当該ベース15を含む筐体10に生じる加速度を低減することができる。
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態の防振装置の構成について、図18を用いて説明する。図18は、本実施形態の防振装置の構成を示す断面立面図である。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図18に示すように、本実施形態の防振装置は、筐体10C内に電子部品(図示せず)が収容された電子機器の固有振動を抑制するための動吸振器60を有している。動吸振器60は、筐体10に対して相対的に移動可能な可動質量61と、可動質量61と筐体10とを接続するばね62とを含んでいる。加えて、本実施形態の動吸振器60は、可動質量61と筐体10とを接続する減衰要素63を含んでいる。
本実施形態において、動吸振器60は、筐体10Cの収容部12の鉛直上側に配置されている。収容部12には、動吸振器60を固定するための部材(以下、固定部材と記す)19が結合されている。ばね62及び減衰要素63は、当該固定部材19を介して収容部12と結合されている。
動吸振器60において、ばね62のばね定数は、可動質量61の固有振動数が、収容部12に電子部品を収容した筐体10Cのロッキング1次振動の固有振動数と逆位相で同調するよう設定されている。地震に起因して筐体10Cがロッキング振動したときに、動吸振器60の可動質量61が振動する。このとき筐体10Cには、動吸振器60からの反力が作用する。これにより、地震に起因して電子機器に生じるロッキング振動を抑制することができる。
なお、動吸振器60が配置される場所は、収容部12の鉛直方向上側に限定されるものではない。動吸振器60は、筐体との間で力を伝達可能な場所であれば、様々な場所に配置することができ、例えば、収容部12の鉛直方向下側に配置することができる。
〔他の実施形態〕
なお、上述した各実施形態において、ストッパー31,33、35は、筐体10のベース15から鉛直方向に距離をあけて配置され、当該筐体10の揺動を制限する揺動制限用ストッパー31,35と、ベース15から水平方向に距離をあけて配置され、当該筐体10の水平動を制限する水平動制限用ストッパー33とを備えるものとしたが、本発明に係る防振装置は、この態様に限定されるものではない。水平動制限用ストッパー33を設けることなく、揺動制限用ストッパー31,35のみを設けるものとしても良い。
また、各実施形態において、揺動制限用ストッパー31,35は、筐体10が静止しているときにベース15から鉛直方向下側に距離をあけて配置された下側ストッパー31と、ベース15から鉛直方向上側に距離をあけて配置された上側ストッパー35とを含むものとしたが、本発明に係る揺動制限用ストッパーは、この態様に限定されるものではない。揺動制限用ストッパーは、ベース15から鉛直方向の上側及び下側のうち少なくとも一方に距離をあけて配置されており、筐体10の揺動を制限可能なものであれば良い。
例えば、揺動制限用ストッパーは、上側ストッパー35のみが、筐体10に対して水平方向H1の両側にそれぞれ配置されているものとしても良い。この態様によっても、2つの揺動制限用ストッパー35は、当該ベース15との間における力の作用により、筐体10の揺動を制限することができ、また、筐体10の鉛直方向の変位を所定の距離に制限することが可能である。なお、揺動制限用ストッパーは、下側ストッパー31が、筐体10に対して水平方向H1の両側にそれぞれ配置されているものとしても良い。
また、上述した実施形態に係るストッパー31,33,35は、金属製であるものとしたが、本発明に係るストッパーは、これに限定されるものではない。本発明に係るストッパーは、所定の圧縮荷重を負荷したときの圧縮方向の弾性変形量が、支持用弾性体27に比べて十分に小さくなるように構成されていれば良い。各ストッパーには、様々な硬質のゴムを含めた様々な材料で構成することができる。なお、本発明に係るストッパーは、剛体であるものとしても良い。
また、本発明に係るストッパー31,33,35は、固定構造物の床5に結合された支持部材20に結合されているものとしたが、本発明に係るストッパーは、この態様に限定されるものではない。本発明に係るストッパーは、筐体10の静止時において、ベース15から距離をあけて配置されており、固定構造物に結合されていれば良い。
例えば、固定構造物の床5に筐体10のベース15を収容するためのリセス(凹部)を形成し、当該リセス内にストッパーを配置して、ストッパーを床5に直接に結合するものとしても良い。この場合、支持用弾性体27は、床5に形成されたリセスの底面に直接、結合することが好適である。この態様によれば、上述した支持部材20を有することなく、固定構造物に対して筐体10を支持すると共に、固定構造物から筐体10に伝達される振動を抑制することができる。
なお、上述した各実施形態において、防振装置の防振対象である対象機器は、筐体の収容部12内に電子部品を収容した、いわゆる電子機器であるものとしたが、本発明に係る対象機器は、電子機器に限定されるものではない。本発明に係る防振装置の防振の対象は、様々な機器であるものとすることができる。
本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
5:床(固定構造物)、10,10C:筐体(対象機器の筐体、電子機器の筐体)、12:収容部(筐体)、15:ベース(筐体)、17:縁部(筐体のベース)、19:固定部材、20:支持部材、21:基部(支持部材、固定構造物)、23:上側延伸部(支持部材、固定構造物)、25:内側延伸部(支持部材、固定構造物)、27:支持用弾性体(支持部材)、31:下側ストッパー(揺動制限用ストッパー)、33:外側ストッパー(水平動制限用ストッパー)、35:上側ストッパー(揺動制限用ストッパー)、41,41C:下側緩衝体(緩衝体)、43,43C:外側緩衝体(緩衝体)、45,45C:上側緩衝体(緩衝体)、51:層(緩衝体)、52:層(緩衝体)、53:層(緩衝体)、54:層(緩衝体)、60:動吸振器、61:可動質量、62:ばね、63:減衰要素

Claims (10)

  1. 対象機器の筐体のうち部品を収容する収容部より水平方向外側に突出しているベースと、
    固定構造物に対して前記筐体を支持しており、且つ弾性変形可能な支持用弾性体と、
    前記ベースと距離をあけて配置されており、前記支持用弾性体の弾性変形により前記筐体が変位したときに当該ベースとの間に生じる力により当該筐体の変位を制限するストッパーと、
    を備えることを特徴とする防振装置。
  2. 前記ストッパーは、前記筐体が所定の距離、変位したときに、前記ベースと当接するように配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記ストッパーと前記ベースとの間に配置されており、弾性変形することにより当該ストッパーと当該ベースとの間に生じる衝撃を緩和可能な緩衝体を、
    さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  4. 前記緩衝体は、
    前記ストッパーと前記ベースとの間において積層された複数の層を含み、
    各層は、当該ベースから当該ストッパーに向かう方向に所定の圧縮荷重を負荷したときの当該方向の弾性変形量が異なる
    ことを特徴とする請求項3に記載の防振装置。
  5. 前記ストッパーは、
    前記ベースと鉛直方向に距離をあけて配置されており、前記筐体の揺動を制限可能な揺動制限用ストッパーを含む
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の防振装置。
  6. 前記揺動制限用ストッパーは、
    前記ベースから鉛直方向下側に距離をあけて配置されている下側ストッパーと、
    前記ベースから鉛直方向上側に距離をあけて配置されている上側ストッパーと、
    のうち少なくとも一方を含む
    ことを特徴とする請求項5に記載の防振装置。
  7. 前記ストッパーは、
    前記ベースから水平方向外側に距離をあけて配置されており、前記筐体の水平動を制限可能な外側ストッパーを、含む
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の防振装置。
  8. 前記対象機器は、前記支持用弾性体のみを介して前記筐体が前記固定構造物に対して支持されており且つ当該筐体が変位しても前記ストッパーからの反力を受けない場合の固有振動数が、30Hz未満となるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の防振装置。
  9. 前記対象機器は、前記支持用弾性体のみを介して前記筐体が前記固定構造物に対して支持されており且つ前記ベースが前記ストッパーと当接して当該ストッパーからの反力を受ける場合の固有振動数が、20Hzを超えるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の防振装置。
  10. 前記固有振動数には、上下並進運動の固有振動数と、ロッキング1次振動の固有振動数と、ロッキング2次振動の固有振動数が含まれている
    ことを特徴とする請求項8に記載の防振装置。
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