JP2000055119A - 免震構造物のストッパ装置及びこの装置が設けられてなる軽重量構造物の免震構造 - Google Patents

免震構造物のストッパ装置及びこの装置が設けられてなる軽重量構造物の免震構造

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JP2000055119A
JP2000055119A JP10233593A JP23359398A JP2000055119A JP 2000055119 A JP2000055119 A JP 2000055119A JP 10233593 A JP10233593 A JP 10233593A JP 23359398 A JP23359398 A JP 23359398A JP 2000055119 A JP2000055119 A JP 2000055119A
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rubber
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Fumio Takagi
文雄 高木
Shigeru Hirano
茂 平野
Hiroshi Hagiwara
萩原  浩
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Ichijo Co Ltd
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Ichijo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 免震装置およびストッパー装置を提供する。 【解決手段】 構造物側又は地盤側の何れかに固定され
た一方のストッパ部材3と、地盤側又は構造物側の何れ
かに固定され一方のストッパ部材3と当接する他方のス
トッパ部材2とを備え、一方のストッパ部材3は、内側
にリング状の開口が形成され、この開口を形成する内周
面又は他方のストッパ部材2の外周面の少なくとも何れ
か一方には、ゴム又は弾性発泡体からなる衝撃吸収材
6,7が固定されてなり、一方のストッパ部材3の内周
面から他方のストッパ部材2の外周面に固定された衝撃
吸収材6の外周面までの距離又は一方のストッパ部材3
の内周面に固定された衝撃吸収材7と他方のストッパ部
材2の外周面までの距離は、免震装置により免震される
地震の振幅ストロークの最大許容長さの約半分の長さよ
りもやや短い長さとされてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震の振動から建
物を保護するために使用される免震装置と共に使用され
る免震構造物のストッパ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、従来から地震による振動か
ら建物を保護するための免震装置としては、例えば
(1)ゴム板と鉄板を交互に重ね合わせた積層ゴムによ
り上部構造物を下方から支持するもの(積層ゴム免震)
や、(2)地震による震動をダンパー装置により吸収す
るもの、(3)地盤と上部構造物との間を絶縁するもの
等が提案されている。そして、例えば上記(3)の絶縁
方法としては、液体や磁力で上部構造物を浮上させるも
のや、地盤と上部構造物とを滑らせるもの(滑り支承又
は滑り免震)、或いはロールベアリング等の球体を転動
させるもの(コロ免震)等がそれぞれ提案され、一部で
は実用化されているものもある。また、従来の免震装置
又は免震構造では、上述した(1)の装置又は構造と
(3)の装置又は構造を併用させたもの等も提案されて
いる。したがって、これらの免震装置又は免震構造を採
用することにより、地震の震動から建物又は構造物を保
護することができ、地震による被害を回避することが可
能となる。
【0003】ところで、上述した各免震装置又は免震構
造を採用する場合であっても、あらゆる地震の規模又は
程度にも対応することができる構造とすることは事実上
不可能である。例えば、上述した(1)の所謂積層ゴム
を利用した免震装置又は免震構造とする場合では、地震
による地盤側と構造物側との相対的変位長さをどの程度
まで許容するか否か(最大許容範囲)は、設計上当然に
決定されるべき事項である。また、上述した所謂滑り支
承又は滑り免震と称される免震装置又は免震構造を採用
する場合において決定されるべき滑り面を形成する部材
の上面又は下面の面積は、振幅ストロークが長い場合で
も常に効果的に免震機能を期待する場合には、それに応
じた面積とすることで理論上足りるが、建物の敷地面積
は通常限られているとともに、施工する建物と隣接する
家屋や塀その他の構造物との距離を考慮すると、無制限
に広い面積とすることは事実上不可能である。このこと
は、上述した所謂コロ免震と称される免震装置又は構造
を採用する場合においても同様であり、地盤側に固定さ
れた下部支承板や構造物側に固定された上部支承板の面
積を無制限に広いものとすることは、コスト面から考慮
しても事実上できない。したがって、具体的に採用され
る免震装置又は免震構造は、施工する建物の敷地面積や
周辺の構造物等の環境に応じて、免震可能な振幅ストロ
ークに一定の範囲又は限界を設け、その範囲又は限界以
上の振幅ストロークを有する地震が発生した場合には、
該免震装置が破壊されたり、又はそれまで支承していた
上部構造物が支承できなくなり該上部構造物のみが所定
の部材上から脱落してしまう等の事態を回避するための
構造又は装置を設けなければならない(所謂フェイルセ
ーフ機能を有する技術が要求される。)。
【0004】そこで、このように免震可能な振幅ストロ
ークに一定の範囲又は限界を設け、その範囲や限界以上
の振幅ストロークを有する地震が発生した場合を考慮し
て、上記フェイルセーフ機能を有する構造を備えた免震
装置や、免震装置とは別体として、こうしたフェイルセ
ーフ機能を備えた装置が提案されている。例えば、特開
平6−158912号記載の免震装置は、下部支承板
(球体ケース1B)の上面外周縁と上部支承板(球体ケ
ース1A)の下面外周縁とからそれぞれ起立し又は垂下
してなるストッパ部(内壁10)が形成され、また、該
下部支承板と上部支承板とが相対的に水平移動するのを
一定の範囲で規制する多数の引っ張りバネ6が構成要素
とされている。この免震装置によれば、地震の振動によ
り、間に備えた球体の転動を介して相対的に下部支承板
と上部支承板とが水平移動を開始し、やがて球体がスト
ッパ部まで到ると、該ストッパ部によりそれ以上下部支
承板と上部支承板との水平移動が規制される。また、こ
うした下部支承板と上部支承板との水平移動は、上記多
数の引っ張りバネの弾性力によっても規制されるととも
に、該引っ張りバネは、この免震装置が地震発生以前の
状態に復帰させる復元力としても作用する。また、上述
したように、免震可能な地震の振幅ストロークに一定の
範囲又は限界を設け、その範囲又は限界以上の振幅スト
ロークを有する地震が生じた場合には、免震効果を制限
する装置として、免震装置の設置位置とは離れた位置
に、ダンパやストッパ等を設けたものも提案されてい
る。ダンパに関しては、実公平7−23442号に開示
された鋼棒ダンパのように、地震によるあらゆる方向の
揺れに対し、鋼棒5に曲げ、捩じれ等の変形を与えるこ
とによって得られる復元力により地震による震動や衝撃
を吸収するものがある。また、オイルダンパに代表され
る粘性ダンパは、シリンダとピストンと、を備え、ピス
トンに設けられたオリフィスをシリンダ内の流体が通過
する際の粘性抵抗により地震による震動や衝撃を吸収す
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平6−158912号記載の免震装置では、免震
可能な範囲を越える振幅ストロークの地震が発生した場
合には、球体がストッパに衝突することとなり、衝撃の
度に大きな衝撃力と衝撃音が発生することとなる。ま
た、この免震装置では、多数の引っ張りバネによっても
下部支承板と上部支承板との相対的な水平移動を規制す
る作用を有するが、引っ張りバネの弾性率をどのように
設定するかは技術的に困難であり、取替え作業にも手間
がかかることとなる。また、実公平7−23442号に
開示された鋼棒ダンパでは、地震が強く、地盤の振幅ス
トロークが大きい場合には、鋼棒に残留変形が残り、地
震の発生の度に交換が必要になりコスト高となる。ま
た、粘性ダンパを設ける場合には、あらゆる方向の地震
動に対応しなければならないことを考慮すると、一つの
構造物に対して極めて多く設置する必要があるととも
に、施工上も工期が大幅に延長され又コスト高となるこ
とから、一般の戸建住宅を対象とした場合には現実的に
は採用することが難しい。
【0006】そこで、本発明は、上述した従来の免震装
置又はダンパー等が有する種々の課題を解決するために
提案されたものであって、対応可能な地震の振幅ストロ
ークに一定の範囲又は限界を有する免震構造物に対し
て、その範囲又は限界を越える振幅ストロークの地震が
発生した場合であっても、免震装置が破損することを防
止する等のフェイルセーフ機能を有するばかりではな
く、地震の振動による大きな衝撃力や衝撃音の発生を有
効に低減することができるとともに上部構造物への影響
も低減し、取替え作業にも大きな手間を必要とせず、さ
らには、工期の著しい延長を招くことがなく、価格も抑
制することができる画期的な免震構造物のストッパ装置
及びこの装置が設けられてなる軽重量構造物の免震構造
を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであり、第1乃至第3の発
明は、ストッパ装置に係る発明であり、第4の発明は、
該ストッパ装置が設けられた軽重量構造物の免震構造に
係る発明である。そこで、この第1の発明(請求項1記
載の発明)は、免震装置により免震される免震構造物に
使用されるものであって、構造物側又は地盤側の何れか
に固定された一方のストッパ部材と、地盤側又は構造物
側の何れかに固定され上記一方のストッパ部材と当接す
る他方のストッパ部材と、を備え、上記一方のストッパ
部材は、内側にリング状の開口が形成され、この開口を
形成する内周面又は上記他方のストッパ部材の外周面の
少なくとも何れか一方には、ゴム又は弾性発泡体からな
る衝撃吸収材が固定されてなり、上記一方のストッパ部
材の内周面から上記他方のストッパ部材の外周面に固定
された衝撃吸収材の外周面までの距離又は上記一方のス
トッパ部材に固定された上記衝撃吸収材の内周面から上
記他方のストッパ部材の外周面までの距離若しくは上記
一方及び他方のストッパ部材の双方に固定された衝撃吸
収材の内周面から外周面の距離は、上記免震装置により
免震される地震の振幅ストロークの最大許容長さの約半
分の長さよりもやや短い長さとされてなることを特徴と
するものである。
【0008】なお、上記第1の発明を構成する衝撃吸収
材の材料であるゴムとしては、例えば、天然ゴム(ラテ
ックスゴム)や、スチレンゴム,ブタジエンゴム,スチ
レン−ブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ブチルゴ
ム,ニトリルゴム,エチレン−プロピレンゴム,アクリ
ルゴム,ウレタンゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,
多硫化ゴム等の合成ゴムや、或いは熱可塑性エラストマ
ーを使用することができる。この熱可塑性エラストマー
としては、オレフィン系エラストマー(ポリエチレンエ
ラストマー,ポリプロピレンエラストマー),アミド系
エラストマー(ポリアミドエラストマー),スチレン系
エラストマー(スチレン−ブタジエン−スチレンコポリ
マー,スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー,ス
チレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマー),ポ
リウレタン,ウレタン系エラストマーを使用することが
できる。また、このウレタン系エラストマーとしては、
熱可塑性ポリエーテルポリウレタン,熱可塑性ポリエス
テルポリウレタン等の熱可塑性ポリウレタンを揚げるこ
とができる。なお、こうしたゴムとして、より具体的に
は、内外ゴム株式会社の製造に係る商標「ハネナイト」
や第一電工株式会社の製造に係る商標「ハプラゲル」を
使用しても良い。また、衝撃吸収材の他の材料として
は、スポンジ状のポリウレタン多孔質体,ポリビニルポ
ルマール多孔質体や或いは、ウレタンフォーム,セルロ
ースフォーム,ナイロンフォーム等の弾性発泡体を使用
することができる。こうした弾性発泡体として、より具
体的には、株式会社ケーシーシー商会の販売に係るポリ
ウレタンフォームを材料とした商標「メモリーフォー
ム」を使用しても良い。
【0009】また、第2の発明(請求項2記載の発明)
は、上記第1の発明において、前記一方のストッパ部材
の内周面は、上端側から下端側に亘って徐々に拡径され
又は上端側から下端側に亘って徐々に縮径され、前記他
方のストッパ部材の外周面は、上記一方のストッパ部材
の内周面の形状に対応して上端側から下端側に亘って徐
々に拡径され又は上端側から下端側に亘って徐々に縮径
されてなることを特徴とするものである。
【0010】また、第3の発明(請求項3記載の発明)
は、前記第1の発明において、前記衝撃吸収材は、硬度
がそれぞれ異なる複数のゴム又は弾性発泡体の層から構
成されてなるとともに、前記一方のストッパ部材の内周
面に該衝撃吸収材が固定されている場合には、該衝撃吸
収材の内周面、前記他方のストッパ部材の外周面に固定
されている場合には、該衝撃吸収材の外周面は、最も硬
質の層により形成されてなることを特徴とするものであ
る。
【0011】また、第4の発明(請求項4記載の発明)
は、上記第1又は第2の発明において、前記衝撃吸収材
は、前記衝撃吸収材は、硬質のゴム又は弾性発泡体から
なる硬質層と、この硬質層を構成するゴム又は弾性発泡
体よりも硬度が低いゴム又は弾性発泡体からなる中質層
と、この中質層を構成するゴム又は弾性発泡体よりも硬
度がさらに低いゴム又は弾性発泡体からなる軟質層とが
該衝撃吸収材の径方向に任意の順に積層されてなること
を特徴とするものである。
【0012】なお、この第4の発明を構成する硬質層,
中質層,軟質層は、前述したゴムの中から、硬度の異な
る三つの材料を適宜抽出し、それらの材料を衝撃吸収材
の径方向に任意の順に積層すれば良く、積層の順序は特
に限定されない。そして、上記硬質層として使用できる
ゴムの種類は、他の中質層や軟質層に使用されるゴム又
は弾性発泡体の硬度との関係で相対的に決定されるもの
であるが、例えばウレタンゴム,アクリルゴム,フッ素
ゴム等を使用することができる。また、上記中質ゴムと
しては、例えば、ニトリルゴム,ブチルゴム,エチレン
プロピレンゴム等を使用することができ、軟質層として
は、天然ゴム,スチレンゴム,シリコンゴム或いは熱可
塑性エラストマーや前記第一電工株式会社の製造に係る
商標「ハプラゲル」を使用することもできる。
【0013】また、第5の発明(請求項5記載の発明)
は、地盤側と構造物側とが水平方向に相対的に変位する
ことを許容する免震装置が設けられてなるとともに、上
記請求項1,2,3又は4記載の免震構造物のストッパ
装置が設けられてなることを特徴とするものである。
【0014】なお、上記免震装置は、少なくとも地盤側
と構造物側とが水平方向に相対的に変位することを許容
するものであれば、前記従来の技術の欄で述べた所謂積
層ゴム免震や、滑り支承又は滑り免震、或いはコロ免震
等の構造を用いたものを含むものであり、これらの構造
を併用させた装置も含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る免震構造物の
ストッパ装置及びこのストッパ装置が設けられた軽重量
構造物の免震構造の実施の形態について、図面を参照し
ながら詳細に説明する。
【0016】先ず、本発明に係る免震構造物のストッパ
装置が用いられる軽重量構造物の免震構造について、簡
単に説明し、次いで、この免震構造に用いられているス
トッパ装置について詳細に説明する。この免震構造は、
図1に示すように、地盤である基礎コンクリートA上に
第1の実施の形態に係る免震構造物のストッパ装置1を
構成する他方のストッパ部材2が固定され、この免震構
造物のストッパ装置1とは離れた場所に、該免震構造物
のストッパ装置1とともに該免震構造を構成する免震装
置20の下部支承板21が図示しないベース板を介して
固定されている。この下部支承板21は、円盤状に成形
されてなる底盤部21aと、この底盤部21aの周縁か
ら起立してなりリング状となされた下側ストッパ部21
bとから構成されている。この下部支承板21の上面に
は間に鉄により成形された球体22が介され後述する第
1の土台の下面に図示しないボルトにより固定された上
部支承板23が設けられている。この上部支承板23は
円盤状に成形されてなる上盤部23aと、この上盤部2
3aの周縁から垂下してなりリング状となされた上側ス
トッパ部23bとから構成されている。また、上記第1
の土台の下面であって、上記免震構造物のストッパ装置
1を構成する他方のストッパ部材2の上方には、該免震
構造物のストッパ装置1を構成する一方のストッパ部材
3が固定されている。すなわち、本実施の形態において
は、本発明に係る免震構造は、上記免震構造物のストッ
パ装置1と、上記免震装置20とから構成されている。
そして、上記上部支承板23及び一方のストッパ部材3
の上面には、第1の土台としてのH型鋼Sが図示しない
ボルトにより固定され、このH型綱Sの上面には第2の
土台である木製土台Wが固定されている。そして、この
木製土台Wの上面に柱Pが起立させられ、全体として軽
重量構造物を構成している。したがって、地震が発生し
た場合(上記免震装置20により免震可能な振幅ストロ
ークの地震が発生した場合)には、地盤である基礎コン
クリートAと図示しないベース板と下部支承板21とが
振幅し、この下部支承板21の振幅に伴い球体22が転
動することから、該振幅が上部支承板23に伝達され
ず、その結果H型綱S,木製土台W及び図示しない柱を
含めた軽重量構造物全体が地震動から保護される。な
お、上述した構成に係る免震装置20は、図1において
は、1つのみ記載されているに過ぎないが、木製土台W
と木製土台Wとが交差する各部位の下方にそれぞれ設け
るものとし、軽重量構造物全体をこれらの免震装置20
で支持するものとする。
【0017】次に、上述した第1の実施の形態に係る免
震構造物のストッパ装置1について詳細に説明する。こ
の免震構造物のストッパ装置1は、図2及び図3に示す
ように、軽重量構造物を構成する第1の土台としてのH
型鋼Sの下面に上面が固定されてなる一方のストッパ部
材3と、上記基礎コンクリートA上に複数のアンカーボ
ルト4,4により固定された他方のストッパ部材2と、
上記一方のストッパ部材3の内周面に接着されてなる一
方の衝撃吸収材7と、上記他方のストッパ部材3の周面
に接着されてなる他方の衝撃吸収材6と、を備えてい
る。
【0018】先ず、説明の都合上、上記他方のストッパ
部材2から説明する。この他方のストッパ部材2は、鉄
により円盤状に成形されてなる台座板部2aと、この台
座板部2aから上方に起立してなる凸部2bと、から構
成されている。そして、上記台座板部2aの周縁側に
は、上記アンカーボルト4,4が挿通される挿通孔(符
号は省略する)が形成されている。また、上記凸部2b
は、図3に示すように、上記台座板部2aと一体成形さ
れてなるものであって、該台座板部2aの中央から上方
に起立され半球状に成形されている。そして、この凸部
2bの上面の中央を除く周面には、上記他方の衝撃吸収
材6が接着されている。この他方の衝撃吸収材6は、図
3に示すように、全体形状は下部から上部に亘ってそれ
ぞれ徐々に厚みが薄くなされてなるとともに、それぞれ
硬度の異なる3種類のゴムが積層されてなるものであ
る。すなわち、この衝撃吸収材6は、上記凸部2bの外
周面に内周面が接着されてなる第1の軟質層8と、この
第1の軟質層8の外周面に内周面が接着されてなる第1
の中質層9と、この第1の中質層9の外周面に内周面が
接着されてなる第1の硬質層10と、から構成されてい
る。なお、本実施の形態においては、上記第1の軟質層
8は、スチレンゴムにより成形され最も硬度が低い層で
あり、上記第1の中質層9は、ブチルゴムにより成形さ
れ上記第1の軟質層8よりも硬度が高い層である。ま
た、上記第1の硬質層10は、アクリルゴムにより成形
され上記第1の中質層9よりも硬度がさらに高い層とさ
れている。
【0019】次に、上記一方のストッパ部材3について
説明する。この一方のストッパ部材3は、鉄により一体
成形されてなるものであって、上面が平面とされてなる
とともにリング状に成形されてなる枠部3aと、この枠
部3aの外周縁から垂下されてなるとともに内周面は、
上記他方のストッパ部材2を構成する凸部2bの周面に
対応した円弧状に成形されてなる垂下部3bとから構成
されている。なお、この垂下部3bは、上記凸部2bを
囲むように形成されてなり、上記枠部3aの上面は上記
H型鋼Sにボルト11,11(図2参照)により固定さ
れている。そして、この一方のストッパ部材3の内周面
には、一方の衝撃吸収材7が接着されている。この一方
の衝撃吸収材7は、図3に示すように、全体形状は下部
から上部に亘って徐々に厚みが薄くされてなるととも
に、上記他方の衝撃吸収材6と同様に、それぞれ硬度の
異なる3種類のゴムが積層されてなるものである。すな
わち、上記一方の衝撃吸収材7は、上記一方のストッパ
部材3の内周面に外周面が接着されてなる第2の軟質層
12と、この第2の軟質層12の内周面に外周面が接着
されてなる第2の中質層13と、この第2の中質層13
の内周面に外周面が接着されてなる第2の硬質層14
と、から構成されている。なお、上記第2の軟質層12
は、上記他方のストッパ部材2に接着された第1の軟質
層8と同一の硬度となされたスチレンゴムにより成形さ
れてなり、上記第2の中質層13は、上記第1の中質層
9と同一の硬度となされたブチルゴムによって成形され
ている。また、上記第2の硬質層14は、上記第1の硬
質層10と同一の硬度となされたアクリルゴムにより成
形されている。
【0020】なお、上記一方の衝撃吸収材7の内周面か
ら上記他方の衝撃吸収材6の外周面までの距離は、上記
免震装置20により免震される地震の振幅ストロークの
最大許容長さの約半分の長さよりもやや短い長さとされ
ている。したがって、前記免震装置20により免震可能
な地震の振幅ストロークの最大許容長さを越える振幅ス
トロークの地震又はそれに近い振幅ストロークの地震が
発生した場合において、上記一方のストッパ部材3の内
周面に接着された第2の軟質層12と、上記他方のスト
ッパ部材2の凸部2bの周面に接着された第1の軟質層
8とは、硬度が最も低いものであることから、他の層
(符号は省略する。)に先立ち一番最初に圧縮される層
であり、上記第1及び第2の中質層9,13は、該第1
及び第2の軟質層8、12の圧縮幅がほぼ限界に達した
時に圧縮される層である。また、上記第1及び第2の硬
質層10,14は、上記第1及び第2の軟質層8、12
の圧縮幅と、上記第1及び第2の中質層9,13の圧縮
幅がほぼ限界に達した時(地震の振幅ストロークが、前
記免震装置20により免震可能な振幅ストロークの最大
許容長さに近いものとなった時)に圧縮される層である
が、該第1及び第2の硬質層10,14の圧縮幅は、該
第1及び第2の軟質層8,12或いは第1や第2の中質
層9,13の圧縮幅と比較すると非常に小さい硬度に設
定されている。すなわち、上記一方及び他方の衝撃吸収
材7,6が、互いに当接した場合には、該地震の振幅ス
トロークの長さに応じて各層が単独或いは複合して圧縮
される。
【0021】次に、この免震構造物のストッパ装置1の
作用及び効果について説明する。先ず、発生した地震の
振幅ストロークが上記免震装置20により免震可能な範
囲内の長さであれば、該地震の震動による荷重は、上記
球体22の転動(往復運動)により、上記上部支承板2
3,H型綱S,木製土台W及び柱Pを含めた軽重量構造
物に殆どかかることはない。すなわち、地震の震動から
この軽重量構造物は充分に保護される。これに対して、
地震の振幅ストロークが上記免震装置20により免震可
能な範囲の長さよりも長い場合においては、上記球体2
2が下部支承板21を構成する下側ストッパ部21bの
内周面及び上部支承板23を構成する上側ストッパ部2
3bの内周面に衝突する前に、前述したストッパ装置1
を構成する一方の衝撃吸収材7の内周面と、他方の衝撃
吸収材6の外周面とが当接するとともに該一方の衝撃吸
収材7を構成する第2の軟質層12,第2の中質層1
3,第2の硬質層14及び他方の衝撃吸収材6を構成す
る第1の軟質層8,第1の中質層9,第1の硬質層10
の全てが圧縮される。これをさらに詳述すると、先ず、
上記一方及び他方の衝撃吸収材7,6を構成する第1及
び第2の軟質層8,12が最初に圧縮され、上記第1及
び第2の軟質層8,12の圧縮幅がほぼ限界に達する
と、次いで、該第1及び第2の軟質層8,12に加えて
上記第1及び第2の中質層9,13が圧縮される。な
お、この状態では、上記第1及び第2の軟質層8,12
が圧縮される時の荷重に加えて上記第1及び第2の中質
層9,13が圧縮される時の荷重が加わるので、上記球
体22上に支持されている構造物にかかる荷重はやや増
加するが、急激に荷重が増加するものではないことか
ら、該球体22に支持されている構造物は充分に地震動
から保護される。そして、さらに上記第1及び第2の軟
質層8,12の圧縮幅と、上記第1及び第2の中質層
9,13の圧縮幅がほぼ限界に達すると、これらに加え
て上記第1及び第2の硬質層10,14が圧縮される。
この場合、上記第1及び第2の硬質層10,14の圧縮
幅は、上記第1及び第2の中質層9,13の圧縮幅と比
較すると小さいが、充分衝撃吸収効果を有する。そし
て、また、上記第1及び第2の軟質層8,12の圧縮幅
と、上記第1及び第2の中質層9,13の圧縮幅と、上
記第1及び第2の硬質層10,14の圧縮幅が全て限界
に達したとしても、図4に示すように、上記球体22が
該下部支承板21を構成する下側ストッパ部21bの内
周面及び上部支承板23を構成する上側ストッパ部23
bの内周面に衝突することはない。したがって、該球体
22上に支持されている構造物には、急激に大きな荷重
がかかることはないとともに、球体22と下側ストッパ
部21bや上側ストッパ部23bとの衝撃や衝撃音の発
生は充分抑制することができる。
【0022】したがって、この免震構造物のストッパ装
置1によれば、免震装置20と組み合わせて使用するこ
とにより、地震の振幅ストロークが、該免震装置20に
より免震される地震の振幅ストロークの最大許容長さを
越える場合であっても、該免震構造物のストッパ装置1
を構成する一方のストッパ部材3の内周面と、他方のス
トッパ部材2の外周面とが当接するので、上記球体22
に支持されている構造物が該球体22上から脱落された
り、上記下側ストッパ部21b又は上側ストッパ部23
bが破損する事態を防止することが可能となる。また、
上記一方のストッパ部材3の内周面に接着された一方の
衝撃吸収材7と、上記他方のストッパ部材5の内周面に
接着された他方の他方の衝撃吸収材6が圧縮されて緩衝
材となり、地震により上記球体22に支持されている構
造物に伝達されるあらゆる方向の急激な衝撃や震動を大
幅に抑制する。また、上記一方及び他方の衝撃吸収材
7,6の圧縮幅が限界に達しても、上記球体22は、上
記免震装置20の構成要素である上記下部支承板21を
構成する下側ストッパ部21bの内周面及び上部支承板
23を構成する上側ストッパ部23bの内周面に衝突す
ることはないので、大きな衝撃音の発生を有効に防止す
ることができる。特に、この実施の形態に係る免震構造
物のストッパ装置1は、構造が簡単であるので施工コス
トを大幅に削減することができ、従来高価なものとされ
た免震装置及び免震構造が設けられた住宅等を低廉な価
格で購入者に提供することが可能となる。さらに、この
第1の実施の形態に係る免震構造物のストッパ装置1
は、他方の衝撃吸収材6の外周面が半球状に成形され、
一方の衝撃吸収材7の内周面が、該他方の衝撃吸収材6
の外周面の形状に対応する円弧状に成形されているの
で、該一方及び他方の衝撃吸収材7,6が当接する際に
剪断面に剪断応力が作用し、これにより衝撃吸収効果を
一層高めることができる。さらに、この免震構造物のス
トッパ装置1では、上記一方及び他方の衝撃吸収材7,
6の表面は、第1及び第2の硬質層10,14からなる
ので、地震の発生により圧縮が繰り返されることによ
り、割れやちぎれ等を有効に防止することができる。
【0023】なお、この第1の実施の形態に係る免震構
造物のストッパ装置1は、該免震構造物のストッパ装置
1を構成する他方のストッパ部材2が上記基礎コンクリ
ートA上に固定され、該免震構造物のストッパ装置1を
構成する一方のストッパ部材3が上記H型鋼Sに固定さ
れてなるものであるが、本発明に係る免震構造物のスト
ッパ装置1は、図5に示すように、該他方のストッパ部
材2が該H型鋼Sに固定されてなり、該一方のストッパ
部材3が該基礎コンクリートA上に固定されてなるもの
であっても地震によるあらゆる方向の衝撃や震動に対し
て有効に機能する。
【0024】次に、第2の実施の形態に係る免震構造物
のストッパ装置30について説明する。この免震構造物
のストッパ装置30は、図6に示すように、上記基礎コ
ンクリートA上に複数のアンカーボルト31,31によ
り固定された他方のストッパ部材32と、軽重量構造物
を構成する第1の土台としてのH型鋼Sの下面に上面が
固定されてなるとともに上記他方のストッパ部材32の
上方に形成されてなる一方のストッパ部材34と、上記
他方のストッパ部材32の周面に接着されてなる他方の
衝撃吸収材35と、該一方のストッパ部材34の内周面
に接着されてなる一方の衝撃吸収材36と、を備えてい
る。
【0025】上記他方のストッパ部材32は、鉄により
円盤状に成形されてなる台座板部32aと、この台座板
部32aと一体成形されてなる凸部32bと、を備えて
いる。そして、上記台座板部32aの周縁側には、上記
アンカーボルト31,31が挿通される挿通孔(符号は
省略する。)が形成されている。また、上記凸部32b
は、上記第1の実施の形態で説明した凸部2bと同様
に、上記台座板部32aの中央から上方に起立してなる
ものであり、円柱状に成形されている。そして、この凸
部32bの外周面には、他方の衝撃吸収材35の内周面
が接着されている。この他方の衝撃吸収材35は、上記
第1の実施の形態で説明した一方及び他方の衝撃吸収材
7,6と同様に、硬度の異なる3種類のゴムが積層され
てなるものである。すなわち、上記他方の衝撃吸収材3
5は、リング状に成形されてなるものであって、図6に
示すように、上記凸部32bの周面に内周面が接着され
てなりシリコンゴムからなる第1の軟質層37と、この
第1の軟質層37の外周面に内周面が接着されてなりエ
チレンプロピレンゴムからなる第1の中質層38と、こ
の第1の中質層38の外周面に内周面が接着されてなり
フッ素ゴムからなる第1の硬質層39と、から構成され
ている。
【0026】次に、上記一方のストッパ部材材34につ
いて説明する。この一方のストッパ部材34は、鉄によ
り上面は平面となされたリング状に成形されてなるフラ
ンジ部34aと、このフランジ部34aの内周縁から垂
下されてなるリング状の垂下部34bとから構成されて
いる。そして、この垂下部34bは、上記凸部32bを
囲むようにに配設されてなり、上記フランジ部34aの
上面は上記H型鋼Sに図示しないボルトにより固定され
ている。そして、この垂下部34bの内周面には、一方
の衝撃吸収材36が接着されている。この一方の衝撃吸
収材36は、図6に示すように、ゴムにより全体形状が
リング状に成形されてなるとともにそれぞれがリング状
に形成されてなり硬度の異なる3種類のゴムを積層する
ことによって成形されている。すなわち、上記一方の衝
撃吸収材36は、上記一方のストッパ部材34の内周面
に外周面が接着されてなり上記第1の軟質層37と同一
の硬度となされシリコンゴムからなる第2の軟質層40
と、この第2の軟質層40の内周面に外周面が接着され
てなり上記第1の中質層38と同一の硬度となされエチ
レンプロピレンゴムからなる第2の中質層41と、この
第2の中質層41の内周面に外周面が接着されてなり上
記第1の硬質層40と同一の硬度となされフッ素ゴムか
らなる第2の硬質層42と、から構成されている。な
お、この実施の形態に係るストッパ装置30において
も、上記一方の衝撃吸収材36の内周面から上記他方の
衝撃吸収材35の周面までの距離は、前記第1の実施の
形態において説明した免震装置20により免震される地
震の振幅ストロークの最大許容長さの約半分の長さより
もやや短い長さとされている。
【0027】この第2の実施の形態に係るストッパ装置
30による場合も、前述した第1の実施の形態に係るス
トッパ装置1と同様に、免震装置20により免震される
地震の振幅ストロークの最大許容長さを越えた地震が発
生した場合であっても、上記一方の衝撃吸収材36と他
方の衝撃吸収材35との当接により、該免震装置20を
構成する下側ストッパ部21bや上側ストッパ部23b
と球体22とが急激に衝突して該球体22上に支持され
ている構造物に対して急激に荷重をかけることがなく、
また、上記衝撃による大きな衝撃音の発生を充分抑制す
ることができる。特に、この第2の実施の形態に係る免
震構造物のストッパ装置30は、上記他方のストッパ部
材33を半球状に加工したり、上記一方のストッパ部材
の内周面を円弧状に加工する必要がなく、各部がシンプ
ルな形状で構成されてなるので、製造がより容易であ
り、より低廉な価格で提供することが可能となる。
【0028】なお、上述した各実施に形態で説明した免
震構造物のストッパ装置1,30を構成する衝撃吸収材
は、硬度の異なる3種類のゴムを衝撃吸収材の径方向に
積層して成形されたものであるが、本発明に係る衝撃吸
収材は、必ずしも3層が積層されたものである必要はな
く、例えば、軟質層と中質層の2層のみでもよく、中質
層,軟質層,中質層,硬質層の4層が積層されてなるも
のであってもよく、5層以上が積層されてなるものであ
ってもよい。また、この衝撃吸収材は、1種類のゴムに
より一体成形されたものであっても良い。また、前記各
実施の形態においては、本発明を構成する衝撃吸収材
を、一方のストッパ部材と他方のストッパ部材との双方
に接着したものを図示して説明したが、本発明において
は、上記衝撃吸収材は、該一方のストッパ部材又は他方
のストッパ部材の少なくとも何れかに接着されてなるも
のであっても良い。さらに、本発明に係る免震構造物の
ストッパ装置は、必ずしも上述した各実施に形態で説明
した免震装置20のような球体の転動作用により免震効
果を発揮する免震装置とともに用いられなければならな
いというものではなく、ゴムと金属板とを交互に上下方
向に積層されてなる積層ゴムによる免震装置や所謂滑り
免震と称される免震装置とともに設置されてもよい。
【0029】
【発明の効果】上述した本発明の各実施の形態に係る免
震構造物のストッパ装置の説明からも明らかなように、
先ず第1の発明(請求項1記載の発明)に係る免震構造
物のストッパ装置及び第5の発明(請求項5記載の発
明)によれば、免震装置と併用して用いられることによ
り、発生した地震の振幅ストロークが、使用された免震
装置により免震可能な地震の振幅ストロークよりも長い
場合であっても、該免震装置により支持されてなる構造
物が所定の部材から脱落したり或いは該免震装置が破損
することがない。さらに、このストッパ装置では、一方
のストッパ部材の内周面又は他方のストッパ部材の外周
面の少なくとも何れか一方には、ゴム又は弾性発泡体か
らなる衝撃吸収材が固定されてなることから、一方のス
トッパ部と他方のストッパ部との衝突により大きな衝撃
が発生し急激に大きな荷重が構造物にかかることがな
く、また該衝撃により大きな衝撃音の発生も有効に防止
することができる。また、このストッパ装置によれば、
鋼棒を使用したダンパ等のように、地震の発生の度に交
換する必要はなく、また、粘性ダンパのように一つの構
造物に対して極めて多く設置する必要がない。したがっ
て、施工上も工期を短縮することができ、コストも削減
することができる。
【0030】また、第2の発明(請求項2記載の発明)
に係る免震構造物のストッパ装置では、前記一方のスト
ッパ部材と他方のストッパ部材との剪断面に剪断応力が
作用するので、より効果的に急激な荷重が構造物にかか
ることを防止することができる。
【0031】また、第3の発明(請求項3記載の発明)
に係る免震構造物のストッパ装置では、衝撃吸収材は、
硬度がそれぞれ異なる複数のゴム又は弾性発泡体の層か
ら構成されてなるとともに、前記一方のストッパ部材の
内周面に該衝撃吸収材が固定されている場合には、該衝
撃吸収材の内周面、前記他方のストッパ部材の外周面に
固定されている場合には、該衝撃吸収材の外周面は、最
も硬質の層により形成されてなることから、地震の震動
により圧縮された場合、衝撃吸収材の表面の割れやちぎ
れ等を有効に防止することができる。
【0032】また、第4の発明(請求項4記載の発明)
では、前記衝撃吸収材は、硬質層,中質層,軟質層の3
種類の硬度の異なる層が該衝撃吸収材の径方向に任意の
順に積層されているので、地震の振幅ストロークの長さ
に対応して単独又は複数の層が圧縮されることから、単
一の衝撃吸収材を使用した場合と比較すると、より一層
効果的に急激な荷重が構造物にかかることを防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る免震
構造物のストッパ装置を用いた免震構造を示す正断面図
である。
【図2】図2は、第1の実施の形態に係る免震構造物の
ストッパ装置を示す斜視図である。
【図3】図3は、第1の実施の形態に係る免震構造物の
ストッパ装置を示す断面図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態に係る免震構造物の
ストッパ装置を構成する一方及び他方の衝撃吸収材が圧
縮された状態を示す正断面図である。
【図5】図5は、第1の実施の形態に係る免震構造物の
ストッパ装置を構成する他方のストッパ部材をH型鋼の
下面に固定し、該免震構造物のストッパ装置を構成する
一方のストッパ部材を基礎コンクリートの上面に固定し
た状態を示す断面図である。
【図6】図6は、第2の実施の形態に係る免震構造物の
ストッパ装置を示す正断面図である。
【符号の説明】
1 免震構造物のストッパ装置 2 他方のストッパ部材 3 一方のストッパ部材 6 他方の衝撃吸収材 7 一方の衝撃吸収材 8 第1の軟質層 9 第1の中質層 10 第1の硬質層 12 第2の軟質層 13 第2の中質層 14 第2の硬質層 20 免震装置 30 免震構造物のストッパ装置 32 他方のストッパ部材 34 一方のストッパ部材 35 他方の衝撃吸収材 36 一方の衝撃吸収材 37 第1の軟質層 38 第1の中質層 39 第1の硬質層 40 第2の軟質層 41 第2の中質層 42 第2の硬質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 浩 静岡県浜松市倉松町4040番地 株式会社一 条工務店浜松工場内 Fターム(参考) 3J048 AA07 AB01 AC01 BD03 BG02 CB07 EA38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免震装置により免震される免震構造
    物に使用されるものであって、構造物側又は地盤側の何
    れかに固定された一方のストッパ部材と、地盤側又は構
    造物側の何れかに固定され上記一方のストッパ部材と当
    接する他方のストッパ部材と、を備え、 上記一方のストッパ部材は、内側にリング状の開口が形
    成され、この開口を形成する内周面又は上記他方のスト
    ッパ部材の外周面の少なくとも何れか一方には、ゴム又
    は弾性発泡体からなる衝撃吸収材が固定されてなり、 上記一方のストッパ部材の内周面から上記他方のストッ
    パ部材の外周面に固定された衝撃吸収材の外周面までの
    距離又は上記一方のストッパ部材に固定された上記衝撃
    吸収材の内周面から上記他方のストッパ部材の外周面ま
    での距離若しくは上記一方及び他方のストッパ部材の双
    方に固定された衝撃吸収材の内周面から外周面の距離
    は、上記免震装置により免震される地震の振幅ストロー
    クの最大許容長さの約半分の長さよりもやや短い長さと
    されてなることを特徴とする免震構造物のストッパ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記一方のストッパ部材の内周面
    は、上端側から下端側に亘って徐々に拡径され又は上端
    側から下端側に亘って徐々に縮径され、 前記他方のストッパ部材の外周面は、上記一方のストッ
    パ部材の内周面の形状に対応して上端側から下端側に亘
    って徐々に拡径され又は上端側から下端側に亘って徐々
    に縮径されてなることを特徴とする請求項1記載の免震
    構造物のストッパ装置。
  3. 【請求項3】 前記衝撃吸収材は、硬度がそれぞれ
    異なる複数のゴム又は弾性発泡体の層から構成されてな
    るとともに、前記一方のストッパ部材の内周面に該衝撃
    吸収材が固定されている場合には、該衝撃吸収材の内周
    面、前記他方のストッパ部材の外周面に固定されている
    場合には、該衝撃吸収材の外周面は、最も硬質の層によ
    り形成されてなることを特徴とする請求項1記載の免震
    構造物のストッパ装置。
  4. 【請求項4】 前記衝撃吸収材は、硬質のゴム又は
    弾性発泡体からなる硬質層と、この硬質層を構成するゴ
    ム又は弾性発泡体よりも硬度が低いゴム又は弾性発泡体
    からなる中質層と、この中質層を構成するゴム又は弾性
    発泡体よりも硬度がさらに低いゴム又は弾性発泡体から
    なる軟質層とが該衝撃吸収材の径方向に任意の順に積層
    されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の免震
    構造物のストッパ装置。
  5. 【請求項5】 地盤側と構造物側とが水平方向に相
    対的に変位することを許容する免震装置が設けられてな
    るとともに、上記請求項1,2,3又は4記載の免震構
    造物のストッパ装置が設けられてなることを特徴とする
    軽重量構造物の免震構造。
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