JP2001041283A - 三次元免震装置 - Google Patents
三次元免震装置Info
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- JP2001041283A JP2001041283A JP11215660A JP21566099A JP2001041283A JP 2001041283 A JP2001041283 A JP 2001041283A JP 11215660 A JP11215660 A JP 11215660A JP 21566099 A JP21566099 A JP 21566099A JP 2001041283 A JP2001041283 A JP 2001041283A
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Abstract
下免震を行う上下免震装置とを並設することにより、そ
れぞれの免震装置で負担する鉛直荷重を分担し、もって
水平免震装置による水平免震機能を十分に確保しつつ、
上下免震装置の上下免震機能をも十分に確保して、三次
元方向に優れた免震機能を発揮する三次元免震装置を提
供する。 【解決手段】 支持構造物12と、その上方に間隔を隔
てる免震構造物14との間に、水平免震装置16と上下
免震装置18とを並列配置する。水平免震装置16と支
持構造物12または免震構造物14の少なくとも一方と
の間に緩衝用弾性体20を介在する。上下免震装置18
と緩衝用弾性体20とのばね剛性を異ならせることによ
り、上下方向の長周期化を図る。
Description
下方向の免震機能を備えた三次元免震装置に関する。
よる影響を極力無くす建築物として構築されるが、その
重要施設を立地条件にかかわらず構築できる立地拡大を
目指したサイトフリーと、設備の標準化によるコスト低
減を目指した標準化プラント構築とを可能とする免震構
造の採用が望まれる。
等を用いた水平免震構造が採用されるが、これに上下免
震構造を併用することにより三次元免震を達成して地震
から建築物を効率良く保護することができ、これを上記
重要施設に適用することにより建築物の標準化が可能と
なる。
特開平8−218678号公報に開示されるものが提案
されている。この三次元免震装置は、積層ゴム等の水平
免震装置の下部または上部に上下免震機構を付加して構
成され、つまり、水平免震装置と上下免震機構とを上下
方向に直列配置して構成されるようになっており、建築
物の重量がこれら水平免震装置および上下免震機構に入
力されるようになっている。
従来の三次元免震装置にあっては、建築物が地震入力時
の上下振動に共振するのを避けるためには、該建築物側
の上下方向の固有振動数を長周期化することが望まし
い。つまり、地震により入力される上下振動の卓越周期
は0.5秒以下の範囲に存在するため、上下免震機構で
決定される建築物側の上下方向の振動周期は0.5秒以
上に設定する必要がある。このように建築物を長周期化
するためには、上下免震機構のばね剛性を小さく、つま
り上下ばねを柔らかくする必要がある。
を柔らかくすると、建築物の荷重を確実に支持できなく
なるとともに、建築物のロッキング振動が励起されるこ
とになる。このため、どうしても上下免震機構のばね剛
性を大きくして固めに設定せざるを得ず、建築物の上下
振動周期が免震領域から短周期方向にずれて効果的に上
下免震できないおそれがある。そして、このように免震
領域からずれると建築物の上下振動が大きくなり、延い
ては該建築物に引抜き力が大きく作用して、積層ゴム等
で構成される水平免震装置が損傷されるおそれもある。
上下免震機構のばね剛性を大きくした場合には、この上
下免震機構の当該ばね剛性に起因する上下変動荷重が水
平免震装置の性能に大きな影響を与える。例えば、上記
特開平8−218678号公報に開示されるように水平
免震装置の上に直列に該上下免震機構を設けて構成した
場合に、水平力によって積層ゴムにせん断力が発生する
が、このせん断抵抗は大きな上下変動荷重によって大き
く変動する。すなわち、水平免震装置自身が備える水平
ばね剛性で本来達成されるべき水平免震性能に対して、
上記上下免震機構の大きなばね剛性に起因する上下変動
荷重が影響し、水平免震装置単体を目的通りの性能で設
計することが困難になる。
は、水平および上下の三次元方向の免震機能を的確かつ
十分に発揮できているとはいえず、従って、これを上記
重要施設等に適用して建築物の標準化を達成すること
は、著しい困難を伴うという課題があった。
て成されたもので、専ら水平免震を行う水平免震装置
と、専ら上下免震を行う上下免震装置とを並設すること
により、それぞれの免震装置で負担する鉛直荷重を分担
し、もって水平免震装置による水平免震機能を十分に確
保しつつ、上下免震装置の上下免震機能をも十分に確保
して、三次元方向に優れた免震機能を発揮させることが
できる三次元免震装置を提供することを目的とする。
めに本発明の三次元免震装置は、支持構造物と、これの
上方に間隔を設けて配置される免震構造物との間に、こ
れら両構造物間を水平免震する水平免震装置と、両構造
物間を上下免震する上下免震装置とを並列配置するとと
もに、該水平免震装置と支持構造物または免震構造物の
少なくとも一方との間に緩衝用弾性体を介在させたこと
を特徴とする。
震装置とを並列配置したことにより、これら両免震装置
にかかる免震構造物の鉛直荷重をそれぞれで分担支持す
ることができる。このときの荷重分担割合は、上下免震
装置のばね剛性と、水平免震装置に直列配置される緩衝
用弾性体のばね剛性とを異ならせることによって任意に
設定することができる。従って、水平免震装置で負担す
る鉛直荷重を少なくして十分な水平免震機能を発揮する
ことができる。
震装置で負担するため、当該上下免震装置のばね剛性を
適宜設定することにより、上下免震装置に支持される免
震構造物の上下方向の長周期化が可能となって、十分な
上下免震機能を発揮させることができる。
が減少されることにより、該緩衝用弾性体のばね剛性を
小さくできるため、水平免震装置に作用する上下振動の
軸力変動をより小さくし、水平免震装置の安定した免震
性能を確保することができる。
平免震装置に対して上下免震装置が並列配置されるた
め、該上下免震装置の剛性により免震構造物のロッキン
グ振動を抑制することができる。
を的確かつ十分に確保しつつ、上下免震装置による上下
免震機能をも適切かつ十分に確保して三次元方向に優れ
た免震機能を発揮し、もって、これを建築物に適用する
ことにより建築物の標準化やサイトフリーを達成できる
三次元免震装置を得ることができる。
たは免震構造物の少なくとも一方との間に両者の相対移
動を許容する滑動機構を介在することが望ましい。
物との間の水平振動が上下免震装置に入力されるのを滑
動機構によって低減し、もって、該上下免震装置のばね
剛性が水平免震装置の免震性能に影響するのを低減する
ことができる。また、上記滑動機構が滑動するときの摩
擦抵抗値を適宜設定しておくことにより、この摩擦抵抗
を水平振動の減衰要素として機能させることができる。
は滑り支承であることが望ましい。
り支承により支持構造物と免震構造物との間の水平振動
が上下免震装置に入力されるのを著しく低減し、該上下
免震装置のばね剛性が水平免震装置に影響するのをほと
んど無くすことができるため、該水平免震装置は予め設
定した水平免震機能を発揮でき、該水平免震装置の設計
が容易になる。
緩衝用弾性体の弾性定数よりも大きくして、緩衝用弾性
体を上下免震装置よりも柔軟に設定することが望まし
い。
ねは緩衝用弾性体に比較してそのばね剛性が大きいた
め、免震構造物の鉛直荷重の分担割合を上下免震装置で
大きくすることができる。このため、上記緩衝用弾性体
と直列配置された水平免震装置に作用する鉛直荷重が低
減され、該水平免震装置によって的確かつ十分な水平免
震機能を確保することができる。
ばね剛性が小さいことにより、水平免震装置に入力され
る上下振動の軸力変動を小さなものとすることができ
て、該水平免震装置による水平免震性能を安定に確保す
ることができる。
に等方性の復元性能を有する、例えば積層ゴムなどであ
ることが望ましい。
方向に対しても適切な水平免震機能を発揮させることが
できる。
体であることが望ましい。
皿ばねはその錐体部分が拡縮されることとなり、この拡
縮変形により互いに積層された皿ばねどうしで擦り合う
ため、このときの摩擦効果により剛性および減衰効果を
得ることができる。
収装置を付加することができる。
エネルギー吸収装置が作動して上下方向の振動エネルギ
ーを吸収することができる。
積層体であることが望ましい。
動を低減できることに加えて、皿ばねはその錐体部分が
拡縮されることとなり、この拡縮変形により互いに積層
された皿ばねどうしで擦り合うため、このときの摩擦効
果により剛性および減衰効果を得ることができる。
装置が荷重支持機能を喪失したことに応じて、上記免震
構造物の荷重を支持するフェールセーフ機能を備える。
よって水平免震装置が破損などした場合に、上下免震装
置により免震構造物の全荷重を支持でき、免震構造物が
落下したり大きく傾いたりして倒壊するのを防止でき
る。
面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の三次元免
震装置10の基本的な構造を示し、支持構造物12と、
これの上方に所定間隔を設けて配置される免震構造物1
4との間に、これら両構造物12,14間を水平免震す
る水平免震装置16と、両構造物12,14間を上下免
震する上下免震装置18とを並列配置するとともに、該
水平免震装置16と支持構造物12または免震構造物1
4の少なくとも一方との間に緩衝用弾性体20を介在さ
せることにより構成してある。
震装置10の具体的な実施例が示されている。図2は三
次元免震装置の正面図、図3は図2中A−A線断面図、
図4は水平免震装置および緩衝用弾性体の一部を断面し
た正面図、図5は上下免震装置の一部を断面した正面
図、図6は上下免震装置のばね特性図、図7は緩衝用弾
性体のばね特性図である。
は、支持構造物12と免震構造物14との間に介在さ
れ、該三次元免震装置10によって免震構造物14の鉛
直荷重を支持するようになっている。該三次元免震装置
10は、水平免震装置16と、これに並列配置される上
下免震装置18と、水平免震装置16の上方に直列配置
される緩衝用弾性体20とを備えて構成される。これら
水平免震装置16,上下免震装置18および緩衝用弾性
体20で同図に示す1つのユニットとなり、このユニッ
トが免震構造物14の下面に複数個配置されて全体の三
次元免震を行うようになっている。他方、並列配置であ
れば、必ずしもユニット化する必要はなく、個数も同数
である必要はない。
うにゴム層と鋼板とが交互に積層される積層ゴム22で
構成され、この積層ゴム22には下方フランジ22aと
上方フランジ22bとが設けられる。該積層ゴム22の
設置部位には支持構造物12から所定高さの鉄筋コンク
リート造の設置台24が突設され、この設置台24上に
下方フランジ22aを固定して積層ゴム22が設置され
る。
示すように皿ばね26aを積層した皿ばね積層体26を
用いて構成される。ここで、皿ばね26aの重ね方法に
関し、同一向きに重ねたときは並列となり、反対向きに
重ねたときは直列となる。該皿ばね積層体26は、複数
枚の並列皿ばね26aが交互に逆向きに直列となるよう
に積層され、本実施形態では一組もしくは図3に示すよ
うに複数組、例えば4組の皿ばね積層体26が配置され
る。そして、これら4組の皿ばね積層体26の下側は、
支持構造物12に載置される滑動機構としての転がり支
承28もしくは滑り支承上に搭載される。皿ばね積層体
26の上側は、免震構造物14に固定される上方取付板
30に取り付けられる。
示すように上記上下免震装置18と同様な皿ばね積層体
32を用いて構成され、該皿ばね積層体32は、複数枚
の並列皿ばね32aが交互に逆向きに直列となるように
積層される。また、該皿ばね積層体32は一組もしくは
図3に示すように複数組、例えば4組が配置され、それ
ぞれの下側は上記積層ゴム22の上方フランジ22bに
載置されるとともに、上側は免震構造物14に固定され
る上方取付板34に取り付けられる。
は、図5に示すように下面が平坦となった支持脚28a
と、該支持脚28aの周縁部を適宜隙間を設けて覆う外
殻28bと、これら支持脚28aと外殻28bとの間の
空間部に収納される多数の小球28cとを備えて構成さ
れる。そして、上記支持脚28aは上記小球28cを介
在させた状態で支持構造物12上面に敷設されるスライ
ド基板36に載置され、介在された小球28cが転動す
ることにより、該転がり支承28と支持構造物12とは
極小さな滑動抵抗をもって滑動自在となっている。
ばね26aは一般に知られるように、中央部に開口部を
形成したドーナツ状を成し、その周縁部は緩やかな錘体
をなし、全体として中央が開口された笠状に形成されて
いる。そして、各皿ばね積層体26を構成する皿ばね2
6aは、その中央開口が同図に示すように上方取付板3
0から垂設される筒状ポール38外周に嵌合される。ま
た、該筒状ポール38の下端部は上記転がり支承体28
の支持脚28a上面との間に所定の隙間δ1 が設けられ
るとともに、当該下端部の内周には摺動穴38aが若干
拡径して形成される。
a上面には、筒状ポール38に対向する位置にダボピン
40が突設され、該ダボピン40が上記摺動穴38a内
に摺動自在に嵌合される。これらダボピン40と摺動穴
38aとの嵌合量および上記隙間δ1 は、入力される上
下振動により予め想定される支持構造物12と免震構造
物14との間の上下相対変位量に応じて決定される。ま
た、ダボピン40が摺動する摺動穴38a部分には、図
示しない空気抜き孔が形成されている。
体32は、図4に示すように上記上下免震装置18と同
様、皿ばね32aの中央開口が上方取付板34から垂設
される筒状ポール42外周に嵌合されるとともに、該筒
状ポール42の下端部に形成した摺動穴42aに、積層
ゴム22の上方フランジ22bから突設されるダボピン
44が摺動自在に嵌合される。勿論、この場合にあって
もダボピン44と摺動穴42aとの嵌合量および筒状ポ
ール42と上方フランジ22bとの間の隙間δ2 は、予
め想定される支持構造物12と免震構造物14との間の
上下相対変位量に応じて決定される。
性は、図6の荷重−変位曲線に示すように変位に対する
荷重の立ち上がりを大きくする一方、上記緩衝用弾性体
20のばね剛性は、図7の荷重−変位曲線に示すように
変位に対する荷重の立ち上がりを小さくし、上下免震装
置18に比較して緩衝用弾性体20のばね剛性を小さく
してある。
装置10では、支持構造物12と免震構造物14との間
で水平免震装置16と上下免震装置18とが並列配置さ
れることにより、地震による振動が入力されると水平免
震装置16により水平振動エネルギーが吸収されて水平
免震されるとともに、上下免震装置18により上下振動
エネルギーが吸収されて上下免震され、これら水平免震
と上下免震とをもって三次元免震される。また、水平免
震装置16の上部に直列配置された緩衝用弾性体20
は、該水平免震装置16に作用する上下振動に起因する
軸力変動を緩和する機能を備える。
震装置18とが並列配置されたことにより、図1に示し
たようにこれら両免震装置16,18にかかる免震構造
物14の鉛直荷重Wをそれぞれで分担支持することがで
きる。このときの荷重分担割合、例えば、水平免震装置
16で負担する鉛直荷重をβとした場合に、上下免震装
置18で負担する鉛直荷重はW−βとなり、このβは上
下免震装置18のばね剛性と上記緩衝用弾性体20のば
ね剛性とを異ならせることによって任意に設定すること
ができる。従って、水平免震装置16で負担する鉛直荷
重βは全荷重Wに対して少なくなるため、水平免震装置
16を構成する積層ゴム22の負担荷重が低減する。こ
のため、積層ゴム22のゴム層の面圧依存性を低下する
ことができ、積層ゴム22は的確かつ十分な水平免震機
能を発揮することができる。
荷重が減少することにより、免震構造物14の下側に配
置する該水平免震装置16の総個数を少なくすることが
でき、この個数削減によって水平免震に関して長周期化
を確保し易くなり、かつコストの低減をも達成すること
ができる。
6に対して荷重分担割合を多くした場合にも、鉛直荷重
Wの一部が該水平免震装置16で負担されることによ
り、該上下免震装置18で負担する鉛直荷重が減少する
ことになる。従って、地震時の上下変動荷重を主に上下
免震装置18にて負担させることができ、そのばね剛性
を任意に設定することにより、該上下免震装置18に支
持される免震構造物14に対し上下方向の最適な長周期
(例えば、0.5秒以上)へのチューニングを容易にす
ることができるとともに、支持荷重の調整範囲も広く確
保することができる。
水平免震装置16に作用する上下方向の軸力変動を緩和
できることを上述したが、該緩衝用弾性体20は水平免
震装置16と直列配置されるため、該水平免震装置16
と等しい鉛直荷重βがかかり、これによって緩衝用弾性
体20のばね剛性を上下免震装置18に比較して小さく
でき、それぞれのばね剛性は図6,図7に示したように
なっている。従って、上記緩衝用弾性体20を柔らかく
設定できるため、積層ゴム22の面圧依存性を更に低減
し、水平免震時のゴムの性状の不安定性が解消して安定
した性能を得ることができる。このため、地震の上下振
動や水平振動による荷重変動の水平免震装置16への作
用を押さえることができ、このような荷重変動によって
水平免震装置16のばね特性に悪影響が生じることを防
止できて、水平免震装置16の設計が容易になる。
下部に転がり支承28を設けて、水平方向の自由な滑動
が可能となっているため、支持構造物12と免震構造物
14との間の水平振動が上下免震装置18に入力される
のを該転がり支承28によって大幅に低減し、もって、
該上下免震装置18のばね剛性が水平免震装置16に影
響するのを極力低減することができる。この点からも該
水平免震装置16は予め設定した水平免震機能を発揮で
き、該水平免震装置16の設計が容易になるとともに、
上記転がり支承28や滑り支承が滑動するときの摩擦抵
抗を水平振動の減衰要素として機能させることもでき
る。
は、水平免震装置16および緩衝用弾性体20に並列に
上下免震装置18が配置されるため、該上下免震装置1
8によっても免震構造物14を支持していることによっ
てロッキング振動を抑制することができる。
8とを並列配置したことにより、過大な振動入力により
水平免震装置16に用いた積層ゴム22が破損した場合
に、上下免震装置18によって免震構造物14の全荷重
を支持できるため、該免震構造物14が落下したり大き
く傾いたりして倒壊するのを防止できるフェールセーフ
機能を享有することになる。
弾性体20はそれぞれ皿ばね積層体26,32で構成さ
れるが、該皿ばね積層体26,28を構成する皿ばね2
6a,32aの錘体部分は上下振動の入力により拡縮さ
れ、この拡縮変形により互いに積層された皿ばね26
a,32aどうしで擦り合うため、このときの摩擦効果
により上下振動に対する剛性および減衰効果を得ること
ができる。また、図2中仮想線で示したように上下免震
装置18の上方取付板30と転がり支承28との間に油
圧ダンパー50等のエネルギー吸収装置を別途設けるこ
とにより、上下振動の入力により該油圧ダンパー50が
作動して振動エネルギーを吸収できるため、この構成に
よって必要な減衰を確保できるとともに、上下免震装置
18としての減衰量の設定が容易になる。
では、水平免震装置16による水平免震機能を確保しつ
つ、上下免震装置18による上下免震機能をも十分に確
保して、三次元方向に優れた免震機能を発揮することが
できる。このため、該三次元免震装置10を原子力発電
所等の地震時の安全性が強く要求される重要施設の構造
物等に適用することにより、該重要施設構造物の標準
化、すなわち建物設備やプラント設備、例えば建物の骨
組みや配管,サポート等を規格化を達成することができ
る。また、重要施設のサイトフリーを可能として立地条
件の拡大を図ることができるとともに、他方、施設構造
物の工費低減も達成することができる。
の荷重を水平免震装置16と上下免震装置18の両者で
分担して支持する場合について説明したが、緩衝用弾性
体20を自由長で組み込むようにして、水平免震装置1
6に荷重を作用させずに、上下免震装置18により免震
構造物14の全荷重を負担させることも可能である。
積層ゴム22で構成したが、これに限ることなく水平免
震を効果的に達成できる弾性部材であれば良く、また、
上下免震装置18および緩衝用弾性体20をそれぞれ皿
ばね積層体26,32で構成したが、これらにあっても
皿ばね積層体26,32に代えてそれぞれの機能に適し
た弾性部材を用いることができる。更に、滑動機構とし
て転がり支承28を用いたが、勿論これに限ることはな
く、滑らかな相対移動を許容する構造、例えば滑り支承
やリニアレール等を用いることができる。
示す三次元免震装置にあっては、水平免震装置と上下免
震装置とを並列配置して、それぞれにかかる免震構造物
の鉛直荷重を分担支持することができる。また、上下免
震装置は鉛直荷重に対してばね剛性を任意に設定できる
ので、上下免震装置に支持される免震構造物の上下方向
の長周期化が可能となって、十分な上下免震機能を発揮
することができる。
衝用弾性体のばね剛性を小さくできるため、水平免震装
置に作用する上下方向振動に起因する軸力変動を小さく
して、水平免震装置のより安定した免震性能を確保する
ことができる。更にまた、緩衝用弾性体を直列配置した
水平免震装置に対して上下免震装置が並列配置されるた
め、該上下免震装置の剛性により免震構造物のロッキン
グ振動を抑制することができる。
体のばね剛性を低減して水平方向免震に係る長周期化の
設定を容易化できるとともに、装置の配置レイアウトを
容易にし、かつコスト低減をも達成できる。
を適切かつ十分に確保しつつ、上下免震装置による上下
免震機能をも的確かつ十分に確保して三次元方向に優れ
た三次元免震性能を発揮させることができ、もって、こ
れを建築物に適用することにより建築物の標準化やサイ
トフリーを達成することができる。
装置にあっては、上記上下免震装置と、支持構造物また
は免震構造物の少なくとも一方との間に相対移動を許容
する滑動機構を介在したので、支持構造物と免震構造物
との間の水平振動が上下免震装置に入力されるのを滑動
機構によって低減し、もって、該上下免震装置の剛性が
水平免震装置の免震性能に悪影響を与えることを防止す
ることができる。また、上記滑動機構が滑動するときの
摩擦抵抗値を適宜設定しておくことにより、この摩擦抵
抗を水平振動の減衰要素として機能させることもでき
る。
装置にあっては、上記滑動機構を転がり支承や滑り支承
で構成したので、支持構造物と免震構造物との間の水平
振動が上下免震装置に入力されるのを著しく低減できる
ため、上下免震装置の設計が容易になる。
装置にあっては、上記上下免震装置の弾性定数を上記緩
衝用弾性体の弾性定数よりも大きくして、緩衝用弾性体
を上下免震装置よりも柔軟に設定したので、上下免震装
置の上下ばねは緩衝用弾性体に比較してそのばね剛性が
大きいため、免震構造物の鉛直荷重の分担割合を上下免
震装置で大きくすることができる。このため、上記緩衝
用弾性体と直列配置された水平免震装置に作用する鉛直
荷重が低減され、該水平免震装置によって的確かつ十分
な水平免震機能を確保することができる。そしてまた、
該緩衝用弾性体の上下ばねのばね剛性が小さいことによ
り、水平免震装置に入力される上下振動の軸力変動を小
さなものとすることができて、該水平免震装置による水
平免震性能を安定に確保することができる。
免震装置にあっては、上記水平免震装置を、水平方向に
等方性の復元性能を有するものとしたので、水平面内で
のいかなる方向に対しても適切な水平免震機能を発揮さ
せることができる。
装置にあっては、上記上下免震装置を皿ばねの積層体で
構成したので、上下振動の入力により皿ばねはその錐体
部分が拡縮されることとなり、この拡縮変形により互い
に積層された皿ばねどうしで擦り合うため、このときの
摩擦効果により剛性および減衰効果を得ることができ
る。
装置にあっては、上記上下免震装置にエネルギー吸収装
置を付加したので、上下振動の入力によりエネルギー吸
収装置が作動して上下方向の振動エネルギーを吸収する
こともできる。
免震装置にあっては、上記緩衝用弾性体を皿ばねの積層
体で構成したので、上下振動に伴う軸力変動を低減でき
ることに加えて、皿ばねはその錐体部分が拡縮されるこ
ととなり、この拡縮変形により互いに積層された皿ばね
どうしで擦り合うため、このときの摩擦効果により剛性
および減衰効果を得ることができる。
装置にあっては、過大な振動入力によって水平免震装置
が破損などした場合に、上下免震装置により免震構造物
の全荷重を支持でき、免震構造物が落下したり大きく傾
いたりして倒壊するのを防止できる。
概略構成図である。
面図である。
平免震装置および緩衝用弾性体の一部を断面した正面図
である。
下免震装置の一部を断面した正面図である。
下免震装置のばね特性図である。
衝用弾性体のばね特性図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 支持構造物と、これの上方に間隔を設け
て配置される免震構造物との間に、これら両構造物間を
水平免震する水平免震装置と、両構造物間を上下免震す
る上下免震装置とを並列配置するとともに、該水平免震
装置と支持構造物または免震構造物の少なくとも一方と
の間に緩衝用弾性体を介在させたことを特徴とする三次
元免震装置。 - 【請求項2】 上記上下免震装置と、支持構造物または
免震構造物の少なくとも一方との間に両者の相対移動を
許容する滑動機構を介在したことを特徴とする請求項1
に記載の三次元免震装置。 - 【請求項3】 上記滑動機構は、転がり支承もしくは滑
り支承であることを特徴とする請求項2に記載の三次元
免震装置。 - 【請求項4】 上記上下免震装置のばね剛性を上記緩衝
用弾性体のばね剛性よりも大きくして、緩衝用弾性体を
上下免震装置よりも柔軟に設定したことを特徴とする請
求項1〜3いずれかの項に記載の三次元免震装置。 - 【請求項5】 上記水平免震装置は、水平方向に等方性
の復元性能を有することを特徴とする請求項1〜4いず
れかの項に記載の三次元免震装置。 - 【請求項6】 上記上下免震装置は、皿ばねの積層体で
あることを特徴とする請求項1〜5いずれかの項に記載
の三次元免震装置。 - 【請求項7】 上記上下免震装置に、エネルギー吸収装
置を付加したことを特徴とする請求項1〜6いずれかの
項に記載の三次元免震装置。 - 【請求項8】 上記緩衝用弾性体は、皿ばねの積層体で
あることを特徴とする請求項1〜7いずれかの項に記載
の三次元免震装置。 - 【請求項9】 上記上下免震装置は、上記水平免震装置
が荷重支持機能を喪失したことに応じて、上記免震構造
物の荷重を支持するフェールセーフ機能を有することを
特徴とする請求項1〜8いずれかの項に記載の三次元免
震装置。
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-
1999
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