JPH10251592A - 塗料組成物およびその塗装法 - Google Patents

塗料組成物およびその塗装法

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JPH10251592A
JPH10251592A JP6896297A JP6896297A JPH10251592A JP H10251592 A JPH10251592 A JP H10251592A JP 6896297 A JP6896297 A JP 6896297A JP 6896297 A JP6896297 A JP 6896297A JP H10251592 A JPH10251592 A JP H10251592A
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paint
epoxy
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coating film
meth
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JP6896297A
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Satoshi Ikushima
聡 生島
Yasumasa Okumura
保正 奥村
Seiji Wada
誠司 和田
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜が60℃以上の高温に晒されても軟化せ
ず、耐汚染性にすぐれ、付着した汚染物質を容易に除去
することが可能であり、しかも長期にわたり撥水性を維
持する塗膜を形成する熱硬化性有機溶剤系塗料を提供す
ること。 【解決手段】 (A)1分子中に脂環式エポキシ基を2
個以上有する数平均分子量が2000未満の化合物、
(B)数平均分子量が2000〜50000、水酸基価
が10〜150mgKOH/gおよびエポキシ当量が2
20以下であるエポキシ基およびジアルキルシロキシ基
を有するアクリル樹脂、(C)熱潜在性カチオン重合性
触媒を含んでなり、(A)成分と(B)成分におけるエ
ポキシ基のモル比が1:1〜0.05であることを特徴
とする熱硬化性有機溶剤系塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗膜が60℃以上
の高温に晒されても軟化せず、耐汚染性にすぐれ、付着
した汚染物質を容易に除去することが可能であり、しか
も長期にわたり撥水性を維持する塗膜を形成する熱硬化
性有機溶剤系塗料、および該塗料を用いた複層塗膜形成
法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】自動車外板用の上塗塗料(特
にクリヤ−塗料)としては、一般に、水酸基含有アクリ
ル樹脂とメラミン樹脂とを主成分とする有機溶剤系塗料
が使用されている。この塗料の塗膜は、耐候性および仕
上り外観などは良好であるが、近年クロ−ズアップされ
ている「耐酸性雨性」が十分でないという課題を有して
いる。この耐酸性雨性を改良した上塗塗料として、メラ
ミン樹脂を使用せず、カルボキシル基含有樹脂とエポキ
シ基含有樹脂とを主成分とする有機溶剤系塗料(通称、
酸エポキシ型塗料)が提案された。この酸エポキシ型塗
料の硬化塗膜は、耐候性および仕上り外観がすぐれ、し
かも耐酸性雨性も良好であるが、下記に説明するように
耐汚染性が劣り、付着した汚染物質を痕跡なく容易に除
去することが困難であるという課題を有していることが
判明した。
【0003】自動車外板の最表層の上塗塗膜には、汚染
物質(例えば、鳥糞、花粉、虫の死骸など)、鉄粉、砂
泥、排気スス(カ−ボン、パラフィンなど)などが付着
し、これらが塗膜内に浸み込んだり、めりこんだりして
塗膜表面を汚染しやすい。例えば、塗面に付着した鳥糞
は、乾燥固化の際に凝縮しそれに伴って上塗塗膜面がち
ぢみ、その部分の光沢や鮮映性などの外観が低下し、ま
た、塗面に付着した花粉や虫の死骸などは、雨などで濡
れるとたんぱく質やアミノ酸などを溶出し、これが塗膜
に浸み込んで汚染源になる可能性がある。さらに、鉄
粉、砂泥、排気ススなどは、塗膜に付着またはめりこん
だりして汚染源になる。
【0004】一方、自動車外板部は屋外放置すると、太
陽熱により60℃以上になることがあり、かかる高温で
は上塗塗膜が軟化して、これらの汚染がさらに促進され
やすくなる。
【0005】このようにして塗膜が汚染されると、単に
拭き取ったりまたは洗剤やワックスなどを使用しても除
去することができず、美観性を損ねることになる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、自動車
用上塗塗料として用いられている従来の有機溶剤系塗料
(例えば、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂系と
を主成分とする有機溶剤型塗料、酸エポキシ型塗料な
ど)と比較して、耐候性、仕上り外観および耐酸性など
が同等かまたはそれ以上にすぐれており、しかも耐汚染
性および撥水性が良好な塗膜を形成しうる新規な有機溶
剤系塗料を開発することである。
【0007】本発明者らは、上記目的の達成のため鋭意
研究を行った結果、エポキシ基およびジアルキルシロキ
シ基を含有する特定の樹脂組成物にカチオン重合性触媒
を配合してなる有機溶剤系塗料の硬化塗膜は、長期にわ
たり撥水性を維持し、60℃以上の高温に晒されても殆
ど軟化せず、汚染物質が浸み込んだりめりこんだりする
ことがなく、汚染物質が付着しても洗剤を使わず、水洗
やカラ拭き程度で容易に除去することができ、しかも耐
候性、仕上り外観および耐酸性などにもすぐれているこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】かくして、本発明は、(A)1分子中に脂
環式エポキシ基を2個以上有する数平均分子量が200
0未満の化合物、(B)数平均分子量が2000〜50
000、水酸基価が10〜150mgKOH/gおよび
エポキシ当量が220以下であるエポキシ基およびジア
ルキルシロキシ基を有するアクリル樹脂、および(C)
熱潜在性カチオン重合性触媒を含んでなり、(A)成分
と(B)成分におけるエポキシ基のモル比が1:1〜
0.05であることを特徴とする熱硬化性有機溶剤系塗
料(以下、本発明塗料という)を提供するものである。
【0009】本発明はまた、1種もしくは2種以上の着
色塗料および1種もしくは2種以上のクリヤ−塗料を順
次塗装して複層塗膜を形成するにあたり、少なくとも該
複層塗膜の最上層のクリア塗膜が本発明塗料により形成
されていることを特徴とする複層塗膜形成法(以下、本
発明方法という)を提供するものである。
【0010】本発明塗料を用いれば、形成される硬化塗
膜を、ツ−コン硬度(20℃)が15以上であり、且つ
動的弾性率E′(周波数110Hz)が150〜200
℃の範囲内での最小値が1.0×109dynes/c
2以上となるように調整することが可能であって、既
知の塗料を用いて形成される塗膜に比べて硬質にするこ
とができ、前記の特性をより顕著に発揮させることがで
きる。
【0011】本明細書において「ツーコン硬度(20
℃)」は、塗料をガラス板に硬化塗膜で30μmになる
ように塗装し、所定の条件、例えば140℃で30分加
熱硬化した塗膜を、20℃において、American Chain &
Cable Company製のTUKON microhardness testerにて測
定したときの値であり、その数値が大きいほど硬質であ
ることを意味する。従来の熱硬化性塗料によって形成さ
れる硬化塗膜のツ−コン硬度は通常5〜10であるか
ら、本発明塗料によって形成されるツ−コン硬度(20
℃)が15以上の硬化塗膜はいかに硬質であるかが理解
されよう。
【0012】また、硬化塗膜の動的弾性率E′(周波数
110Hz)は、塗料をブリキ板に硬化膜厚が45μm
になるように塗装し、140℃で30分加熱し硬化させ
たのち、該塗膜を剥離し、該塗膜の動的弾性率E′を、
自動動的粘弾性測定器「東洋ボ−ルドウイン社製、モデ
ルレオバイブロンDDV−II−EA」を用い、周波数
110Hzにて測定したときの値であり、動的弾性率
E′は150〜200℃で測定し、この温度範囲内にお
ける最小値を決定する。
【0013】以下、本発明塗料についてさらに詳細に説
明する。
【0014】(A)成分:1分子中に脂環式エポキシ基
を2個以上有する数平均分子量2000未満の化合物 ここで「脂環式エポキシ基」は、脂環式炭化水素の環を
構成している2個の隣接炭素原子と1個の酸素原子によ
って形成されるオキシラン環(2個の炭素原子と1個の
酸素原子とで構成される3員環)であり、上記の脂環式
炭化水素環は、通常、3〜12個、好ましくは5〜6個
の炭素原子で構成されていることができる。
【0015】(A)成分は、かかる脂環式エポキシ基を
1分子中に2個以上、好ましくは2〜3個有し、かつ数
平均分子量が2000未満、好ましくは100〜150
0の化合物である。また、(A)成分は、一般に、50
〜500、特に100〜300のエポキシ当量を有する
ことが好ましい。
【0016】かかる(A)成分としては、例えば、ジシ
クロペンタジエンジオキサイド、ビス(2,3−エポキ
シシクロペンチル)エ−テル、エポキシシクロヘキセン
カルボン酸エチレングリコ−ルジエステル、ビス(3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペ−ト、ビス
(4,5−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチ
ル)アジペ−ト、エチレングリコ−ル−ビス(3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレ−ト)、3′,
4′−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキ
シシクロヘキサンカルボキシレ−ト、3,4−エポキシ
−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレ−ト、1,
2,5,6−ジエポキシ−4,7−メタノペルヒドロイ
ンデン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−
3′,4′−エポキシ−1,3−ジオキサン−5−スピ
ロシクロヘキサン、1,2−エチレンジオキシ−ビス
(3,4−エポキシシクロヘキシルメタン)、ジ−2,
3−エポキシシクロペンチルエ−テル、4′,5′−エ
ポキシ−2′−メチルシクロヘキシルメチル−4,5−
エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレ−ト
などがあげられる。
【0017】(B)成分:数平均分子量が2000〜5
0000、水酸基価が10〜150mgKOH/gおよ
びエポキシ当量が220以下であるエポキシ基およびジ
アルキルシロキシ基を有するアクリル樹脂 (B)成分のアクリル樹脂が有する「エポキシ基」とし
ては、前記の脂環式エポキシ基およびグリシジル(メ
タ)アクリレ−トに由来するエポキシ基が特に好適であ
るが、その他に、脂環式炭化水素の環を構成する1個の
炭素原子とオキシラン環を構成する1個の炭素原子が共
通しているスピロ型のエポキシ基なども包含される。
【0018】かかる(B)成分は、エポキシ基含有重合
性モノマ−(B−1)、水酸基含有重合性モノマ−(B
−2)、ジアルキルシロキシ基含有重合性モノマー(B
−3)およびアクリル系重合性モノマ−(B−4)を必
須成分とし、さらに必要に応じて他の重合性モノマ−
(B−5)を使用し、共重合することにより得られる。
【0019】エポキシ基含有重合性モノマ−(B−1)
は、1分子中にエポキシ基および重合性不飽和二重結合
をそれぞれ少なくとも1個づつ有する化合物であり、具
体的には、例えば、グリシジル(メタ)アクリレ−ト、
メチルグリシジル(メタ)アクリレ−ト、アリルグリシ
ジルエ−テル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレ−ト、2−(1,2−エポキシ−4,
7−メタノペルヒドロインデン−5(6)−イル)オキ
シエチル(メタ)アクリレ−ト、5,6−エポキシ−
4,7−メタノペルヒドロインデン−2−イル−(メ
タ)アクリレ−ト、1,2−エポキシ−4,7−メタノ
ペルヒドロインデン−5−イル−(メタ)アクリレ−
ト、2,3−エポキシシクロペンテニル(メタ)アクリ
レ−ト、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル化ポリ
カプロラクトンの(メタ)アクリレ−ト、アクリル酸ま
たはメタクリル酸と前記(A)成分との等当量反応生成
物、下記一般式で示される化合物などがあげられる。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】上記式中、R1は同一もしくは異なり水素
原子又はメチル基を示し、R2は同一もしくは異なりC
1〜8の炭化水素基を示し、R3は同一もしくは異なりC1
〜20の炭化水素基を示し、Wは0〜10の整数を示す。
【0023】水酸基含有重合性モノマ−(B−2)は、
1分子中に水酸基および重合性不飽和二重結合をそれぞ
れ少なくとも1個づつ有する化合物であり、具体的には
例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレ−トおよびヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレ−トなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコ−ル(グリコ
−ル)とのモノエステル化物;ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−
ルなどのポリエ−テルポリオ−ルとアクリル酸またはメ
タクリル酸とのモノエステル化物などがあげられる。
【0024】ジアルキルシロキシ基含有重合性モノマー
(B−3)は、1分子中にジアルキルシロキシ基および
重合性不飽和二重結合をそれぞれ少なくとも1個ずつ有
する化合物である。ここで、「ジアルキルシロキシ基」
は、式
【0025】
【化3】
【0026】(式中、R4およびR5は同一もしくは異な
り、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルなどを示し、
特にメチルおよびエチルが好ましい)で示される基であ
る。
【0027】該モノマー(B−3)としては、例えば、
下記式で示されるものがあげられる。
【0028】
【化4】
【0029】式中、nは該モノマーの分子量が1000
〜20000の範囲内とする値であり、R6は水素又は
メチル基である。
【0030】アクリル系重合性モノマ−(B−4)に
は、アクリル酸またはメタクリル酸と炭素数1〜24の
1価脂肪族または脂環式アルコ−ルとのモノエステル化
物が包含され、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシルなどがあげられる。これらのモノマ−(B−
4)は単独で使用することができ、または2種以上併用
してもよい。
【0031】他の重合性モノマ−(B−5)は、1分子
中に1個以上の重合性不飽和二重結合を有する、上記モ
ノマ−(B−1)、(B−2)、(B−3)および(B
−4)以外の化合物であり、具体的には下記のモノマ−
を例示することができる。
【0032】i)アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキ
シ基含有重合性モノマ−、 ii)N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、N−メ
トキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミドなどのアミド系重合性モノ
マ−、 iii)エチルビニルエ−テル、プロピルビニルエ−テ
ル、ブチルビニルエ−テル、ヘキシルビニルエ−テル、
シクロペンチルビニルエ−テル、シクロヘキシルビニル
エ−テル、フェニルビニルエ−テル、ベンジルビニルエ
−テルなどのビニルエ−テル、 iv)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、プ
ロピレン、塩化ビニル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−
ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−
ト、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリ
ル、ビニルピドリドンなど。
【0033】(B)成分は、上記のモノマ−(B−
1)、(B−2)、(B−3)および(B−4)を必須
成分とし、さらに必要に応じて(B−5)を使用し、例
えば、ラジカル重合触媒を使って通常の方法により溶液
重合することによって製造することができる。
【0034】これらの各モノマ−の構成比率は、水酸基
価が10〜150mgKOH/g、好ましくは20〜1
20mgKOH/g、エポキシ当量が220以下、好ま
しくは100〜200の範囲内になるように選択され
る。また、モノマー(B−3)は、(B)成分を製造す
るためのモノマーの全重量を基準に0.1〜40重量
%、特に1〜30重量%の範囲内で用いるのが好まし
い。
【0035】製造される(B)成分の数平均分子量は2
000〜50000、特に3000〜20000の範囲
内にあることが好ましく、2000より小さくなると一
般に硬化性が低下し、50000より大きくなると塗膜
の仕上り性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0036】本発明塗料において、(A)成分および
(B)成分は該両成分中のエポキシ基のモル比が(A)
成分:(B)成分=1:1〜0.05、好ましくは1:
0.8〜0.2の範囲内となるような割合で使用するこ
とができる。
【0037】(C)成分:熱潜在性カチオン重合性触媒 本発明塗料で使用する熱潜在性カチオン重合性触媒
(C)は、常温では不活性であるが、加熱して臨界温度
に達すると開裂してカチオンを発生し、カチオン重合を
開始させる化合物であって、例えば、SbF6−、Sb
4−、AsF6−、PF6−などを陰イオン成分とする
窒素、イオウ、リンまたはヨ−ドのオニウム塩が包含さ
れる。具体的には以下に例示する化合物が好適である。
【0038】i)4級アンモニウム塩型化合物:例え
ば、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フ
ッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニ
リニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−ベン
ジルピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチ
ル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスル
ホン酸、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジ
ル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチ
ル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ
化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシ
ベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、N,N
−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニ
ウム六フッ化アンチモンなど、 ii)スルホニウム塩型化合物:例えば、トリフェニル
スルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウ
ム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フ
ッ化ヒ素、アデカCP−66(旭電化工業製)、アデカ
CP−77(旭電化工業製)、トリ(4−メトキシフェ
ニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フ
ェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素など、 iii)ホスホニウム塩型化合物:例えば、エチルトリ
フェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチ
ルホスホニウム六フッ化アンチモンなど、 iv)ヨ−ドニウム塩型化合物:例えば、ジフェニルヨ
−ドニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−クロロフェニルヨ−
ドニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−ブロムフェニルヨ−ド
ニウム六フッ化ヒ素、ジ−p−トリルヨ−ドニウム六フ
ッ化ヒ素、フェニル(4−メトキシフェニル)ヨ−ドニ
ウム六フッ化ヒ素など。
【0039】これらのカチオン重合性触媒(C)は、臨
界温度(例えば、約100〜180℃、好ましくは約1
20〜160℃)で約10〜40分程度加熱すると開裂
してカチオンを発生し、(A)成分の脂環式エポキシ基
および(B)成分の水酸基、エポキシ基の相互間でのカ
チオン重合を開始させ、該両成分が架橋反応し三次元に
硬化するのを促進する機能を有する。
【0040】カチオン重合性触媒(C)の配合量は、特
に制限されないが、一般には、前記(A)成分と(B)
成分との合計固形分100重量部あたり、0.05〜1
0重量部、特に0.5〜5重量部の範囲内が適してい
る。
【0041】本発明の熱硬化性有機溶剤系塗料は、上記
(A)成分、(B)成分および(C)成分を有機溶剤中
で混合することにより調製することができる。その際に
使用しうる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシ
レン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロ
ン、メタノ−ル、エタノ−ル、ブタノ−ル、酢酸カルビ
ノ−ル、酢酸メトキシブチル、セロソルブ、酢酸セロソ
ルブなどがあげられるが、これらのみに制限されるもの
ではない。
【0042】本発明塗料には、使用目的に応じて、上記
成分に加えて、さらに、着色顔料、干渉顔料、メタリッ
ク顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、流動調整
剤、はじき防止剤などの通常の塗料用添加剤を適宜配合
することができる。
【0043】本発明塗料は例えば、クリヤー塗料とし
て、或いはソリッドカラー塗料、メタリック塗料、光干
渉模様塗料などの着色塗料として使用することができる
が、耐汚染性および撥水性などにすぐれた塗膜を形成す
るので、最上層部塗膜を形成する塗料として使用するこ
とが最も好ましい。
【0044】しかして、本発明によれば、1種もしくは
2種以上の着色塗料および1種もしくは2種以上のクリ
ヤ−塗料を順次塗装して複層塗膜を形成するにあたり、
少なくとも該複層塗膜の最上層のクリア塗膜が上記本発
明塗料により形成されていることを特徴とする複層塗膜
形成法(本発明方法)が提供される。
【0045】本発明方法としては、具体的には、以下に
述べる如き方法a〜cで実施することができるが、本発
明方法はこれらのみに限定されるものではない。
【0046】方法a:着色塗料およびクリヤー塗料を順
次塗装する方法において、クリヤー塗料として本塗料を
使用する塗装法(2コート方式) 方法aで使用される着色塗料としては、樹脂成分、着色
顔料および溶剤を主成分とする既知の熱硬化性塗料を用
いることができる。
【0047】着色塗料に用いられる樹脂成分は、具体的
には、架橋性官能基(例えば、水酸基、エポキシ基、カ
ルボキシル基、アルコキシシラン基礎など)を有するア
クリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、ウレタン樹脂などから選ばれる1種以上の基体樹
脂と、これらを架橋硬化させるためのアルキルエ−テル
化したメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ブロ
ックされていてもよいポリイソシアネート化合物、エポ
キシ化合物、カルボキシル基含有化合物などから選ばれ
る1種以上の架橋剤成分とからなり、該両成分の合計重
量を基準にして、基体樹脂は50〜90%、架橋剤成分
は50〜10%の比率で併用することが好ましい。着色
顔料には、ソリッドカラー顔料、メタリック顔料および
光干渉模様顔料が包含され、これらは単独でもしくは2
種以上併用することが可能である。また、溶剤としては
有機溶剤系が適しているが、水系であっても差支えな
い。
【0048】方法aは、自動車用の金属製ましくはプラ
スチック製の被塗物に直接、またはカチオン電着塗料な
どの下塗塗料、中塗塗料(省略可能)を塗装し、硬化さ
せた後、上記着色塗料をエアレススプレー、エアスプレ
ー、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜で約10〜50μm
になるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは
約120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化
させてから、または硬化させずに室温で数分間放置して
から、本発明塗料からなるクリヤー塗料を同様な方法で
膜厚が硬化塗膜で約20〜70μmになるように塗装
し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160
℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させることによっ
て行われる、2コート1ベイク方式(2C1B)または
2コート2ベイク方式(2C2B)が適している。
【0049】方法b:着色塗料、第1クリヤー塗料およ
び第2クリヤー塗料を順次塗装する方法において、少な
くとも第2クリヤ−塗料として本発明塗料を使用する塗
装法(3コート方式) 方法bで用いられる着色塗料としては、上記方法aで説
明したソリッドカラー塗料、メタリック塗料および光干
渉模様塗料から選ばれる塗料を使用することができる。
また、第1クリヤー塗料は透明塗膜形成用塗料であり、
上記着色塗料から着色顔料の大部分もしくはすべてを除
去してなる塗料または本発明塗料を使用することができ
る。そして、第2クリヤー塗料として本発明塗料を使用
する。
【0050】方法bは、具体的には、自動車用の金属製
ましくはプラスチック製の被塗物に直接、またはカチオ
ン電着塗料などの下塗塗料、中塗塗料(省略可能)を塗
装し、硬化させた後、上記着色塗料をエアレススプレ
ー、エアスプレー、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜で約
10〜50μmになるように塗装し、約100〜180
℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40分加
熱して架橋硬化させてから、または硬化させずに室温で
数分間放置してから、該塗面に第1クリヤ−塗料を同様
な方法で膜厚が硬化塗膜で約10〜50μmになるよう
に塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜
160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させ、また
は硬化させずに室温で数分間放置し、次いで第2クリヤ
ー塗料である本発明塗料を同様な方法で膜厚が硬化塗膜
で約10〜50μmになるように塗装し、約100〜1
80℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40
分加熱して架橋硬化させることによって行われる、3コ
ート1ベイク方式(3C1B)、3コート2ベイク方式
(3C2B)または3コート3ベイク方式(3C3B)
が適している。
【0051】本方法c:第1着色塗料、第2着色塗料お
よびクリヤ−塗料を順次塗装する方法において、クリヤ
−塗料として本発明塗料を使用する塗装法(3コート方
式)である。
【0052】方法cで使用する第1着色塗料としては、
上記方法aで説明したソリッドカラー塗料、メタリック
塗料および光干渉模様塗料から選ばれる塗料を使用する
ことができる。第2着色塗料は、該第1着色塗料の塗面
に塗装される塗料であり、第2着色塗料の塗膜を透して
第1着色塗料の塗面の色調(ソリッドカラー、メタリッ
ク感、光干渉模様など)が視認できる程度の隠蔽性を有
していることが必要である。したがって、第2着色塗料
におけるソリッドカラー顔料、メタリック顔料または光
干渉模様顔料の配合量は第1着色塗料に比べて少ないこ
とが好ましい。また、クリヤー塗料は透明塗膜形成用塗
料であり、本発明塗料を使用することができる。
【0053】方法cは、具体的には、自動車用の金属製
ましくはプラスチック製の被塗物に直接、またはカチオ
ン電着塗料などの下塗塗料、中塗塗料(省略可能)を塗
装し、硬化させた後、第1着色塗料をエアレススプレ
−、エアスプレ−、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜で約
10〜50μmになるように塗装し、約100〜180
℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40分加
熱して架橋硬化させてから、または硬化させずに室温で
数分間放置してから、第1着色塗料の塗面に第2着色塗
料を同様な方法で膜厚が硬化塗膜で約10〜50μmに
なるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約
120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化さ
せ、または硬化させずに室温で数分間放置し、次いでク
リヤー塗料である本発明塗料を同様な方法で膜厚が硬化
塗膜で約10〜50μmになるように塗装し、約100
〜180℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜
40分加熱して架橋硬化させることによって行われる、
3コート1ベイク方式(3C1B)、3コート2ベイク
方式(3C2B)または3コート3ベイク方式(3C3
B)が適している。
【0054】
【発明の効果】以上に述べた本発明塗料および本発明方
法によれば、以下に述べる如き効果を奏することができ
る。
【0055】(1)本発明塗料を用いて形成される硬化
塗膜は、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂とを主
成分とする有機溶剤系塗料塗膜に比べ、耐候性および仕
上り外観などは同等もしくはそれ以上で、しかも耐酸性
が顕著にすぐれている。
【0056】(2)本発明塗料を用いて形成される硬化
塗膜の耐酸性、耐候性および仕上り外観は、カルボキシ
ル基含有樹脂とエポキシ基含有樹脂とを主成分とする酸
エポキシ型塗料と同等もしくはそれ以上であり、しかも
耐汚染性は顕著にすぐれている。
【0057】(3)本発明塗料を用いて形成される硬化
塗膜は、60℃以上の高温に晒されても殆ど軟化しない
ので、汚染の促進を防止することができ、汚染物質の除
去が容易である。
【0058】(4)本発明塗料により形成される硬化塗
膜は長期にわたり撥水性を維持することができる。
【0059】(5)本発明方法により形成される自動車
外板の最表層硬化塗膜は、汚染物質(例えば、鳥糞、花
粉、虫の死骸など)、鉄粉、砂泥、排気スス(カーボ
ン、パラフィンなど)などが付着しにくく、また、これ
らが塗膜内に浸み込んだり、めりこんだりすることが殆
どない。したがって、これらの付着、浸み込み、めりこ
みなどによる前記した種々の問題をすべて解消すること
ができる。
【0060】(6)本発明塗料を用いて形成される硬化
塗膜に付着した汚染物質は、単に拭き取るだけで、また
は洗剤やワックスなどを使用することなく簡単なスポン
ジ水洗だけで容易に除去することができる。
【0061】(7)本発明塗料を用いれば、形成される
硬化塗膜の特性値を、ツーコン硬度(20℃)が15以
上となり且つ動的弾性率E′(周波数110Hz)が1
50〜200℃の範囲内での最小値が1.0×109
ynes/cm2以上となるように調整することが容易
であり、かかる特性値を有する塗膜は60℃以上の高温
に晒されても軟化することがほとんどなく、上記した効
果をさらに顕著に発揮させることができる。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
さらに具体的に説明する。部および%は重量に基づくも
のである。
【0063】試料の調製A)成分 (A−1):実施例用 「CEL−2021P」(ダイセル化学工業(株)製、
商品名) エポキシ当量130、理論分子量252 構造式
【0064】
【化5】
【0065】(A−2):実施例用 「エポリ−ドGT302](ダイセル化学工業(株)
製、商品名) エポキシ当量240、理論分子量634 構造式
【0066】
【化6】
【0067】(A−3):比較例用 「デナコ−ルEX−212」(ナガセ化成工業(株)
製、商品名) エポキシ当量150、理論分子量230 構造式
【0068】
【化7】
【0069】(A−4):比較例用 「セロキサイド3000」(ダイセル化学工業(株)
製、商品名) エポキシ当量93.5以下、理論分子量168 構造式
【0070】
【化8】
【0071】(B)成分 (B−1):実施例用 グリシジルメタクリレ−ト650部、ヒドロキシエチル
アクリレ−ト116部、ジメチルシロキシアクリレート
(注1)100部およびnブチルメタクリレ−ト134
部を常法により溶液重合してなる、エポキシ当量21
8、水酸基価56、数平均分子量10000のアクリル
樹脂。
【0072】
【化9】
【0073】(B−2):実施例用 3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレ−ト8
50部、ジメチルシロキシアクリレート(注2)50
部、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト65部およびnブ
チルアクリレ−ト35部を常法により溶液重合してな
る、エポキシ当量216、水酸基価28、数平均分子量
3000のアクリル樹脂。
【0074】
【化10】
【0075】(B−3):比較例用 (水酸基およびジ
アルキルシロキシ基をもたないアクリル樹脂) グリシジルメタクリレ−ト300部、nブチルアクリレ
−ト400部、nブチルメタクリレ−ト200部および
2−エチルヘキシルアクリレ−ト100部を常法により
溶液重合してなる、エポキシ当量473、水酸基価0、
数平均分子量5000のアクリル樹脂。
【0076】(C)成分 (C−1):「サンエイドSI−100」(三新化学
(株)製、商品名) ベンジルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロア
ンチモネ−ト (C−2):N−α,α−ジメチルベンジルピリジニウ
ムヘキサフルオロアンチモネ−ト実施例1〜3および比較例1〜3 上記成分を混合して塗料組成物を調製した。これらの配
合比率を下記表1示す。
【0077】得られた塗料組成物を以下に述べる方法で
塗装し、塗膜の性能を測定した。
【0078】塗装工程はすべて3C2B(3コート2ベ
イク)で行った。具体的には、カチオン電着塗料および
中塗塗料を塗装し加熱硬化した鋼板に、アクリル樹脂−
メラミン樹脂系有機溶剤型メタリック塗料(硬化膜厚2
0μ)およびアクリル樹脂−メラミン樹脂系有機溶剤型
第1クリア塗料(硬化膜厚25μ)を塗装し、140℃
で30分加熱して該両塗膜を硬化させてから、第2クリ
ヤー塗料として下記表1に示す配合の塗料を硬化膜厚2
5μになるように塗装し、140℃で30分加熱して試
験塗板を準備し、塗膜性能を測定した。試験項目のう
ち、「最小弾性率」以外はすべてこの3C2Bで得た塗
板で塗膜試験を行ない、最小弾性率は表1に示す配合の
塗料組成物の単独塗膜(硬化膜厚40μになるよに塗装
し、140℃で30分加熱硬化)について測定した。そ
の結果も表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】表1において、 1)各成分の配合量は固形分量である。
【0081】2)モダフロ−(商品名)はモンサント社
製表面調整剤である。
【0082】3)平均EP当量は(A)成分と(B)成
分との合計平均エポキシ当量である。
【0083】4)B/Aモル比は、(A)成分のエポキ
シ基1モルに対する(B)成分のエポキシ基のモル比で
ある。
【0084】5)仕上り外観は、試験塗板の目視評価の
結果であり、○はツヤおよび平滑性などが良好であるこ
と、△はツヤおよび平滑性などかなり劣ること、×はツ
ヤおよび平滑性など著しく劣ることをそれぞれ示す。
【0085】6)硬度は、試験塗板を20℃または60
℃に加熱し、その塗膜温度でツ−コン硬度を測定した結
果である。
【0086】7)耐酸性は、試験塗板の塗面に40%硫
酸水溶液を0.4cc滴下し、熱風乾燥機により60℃
で15分加熱してから水洗したのち、目視評価した結果
である。○は全く異常を認められないこと、△はスポッ
ト跡が少し残ること、×はシミ、白化またはフクレが著
しいことをそれぞれ示す。
【0087】8)耐鳥フン性は、野外で採取したハト糞
を脱イオン水に混合して濃度30%とし、ディスパ−で
30分撹拌してからガ−ゼで濾過した濾液を試験液と
し、この試験液0.4ccを試験塗板の塗面に滴下し、
グラジエントオ−ブンで70℃30分加熱したのち水洗
し、塗面を目視評価した結果である。○は汚染を全く認
められないこと、△はシミ、くもり、フクレが少し認め
られること、×はシミ、くもり、フクレが著しく認めら
れることをそれぞれ示す。
【0088】9)耐花粉性は、野外で採取したスギ花粉
を脱イオン水で0.5%液とし、この0.4ccを試験
塗板の塗面に滴下し、グラジエントオ−ブンで65℃3
0分加熱したのち水洗し、塗面を目視評価した結果であ
る。○は汚染を全く認められないこと、△はシミ、フク
レ、チジミが少し認められること、×はシミ、チジミ、
フクレが著しく認められることをそれぞれ示す。
【0089】10)最小弾性率は、150〜200℃で
の動的弾性率の最小率(dynes/cm2)である。
【0090】11)初期撥水性は、140℃で30分加
熱硬化させ、室温で1時間放置した後の塗膜の水接触角
の測定結果であり、該塗面に水を0.03cc滴下し、
その滴と塗面との接触角を協和界面科学(株)製「接触
角計CA−X150」(商品名)で測定した。
【0091】12)初期撥油性は、140℃で30分加
熱硬化させ、室温で1時間放置した後の塗膜のパラフィ
ン接触角の測定結果であり、該塗面に溶融したパラフィ
ンを0.03cc滴下し、その滴と塗面との接触角を協
和界面科学(株)製「接触角計CA−X150」(商品
名)で測定した。
【0092】13)長期撥水性は、140℃で30分加
熱硬化させた後の塗膜をサンシャインウエザオメ−タで
500時間暴露したのちの、該塗面の水接触角を上記の
11)と同様にして測定した結果である。
【0093】14)長期汚染除去性は、カ−ボンブラッ
ク(日本粉体工業技術協会製、試験用ダスト12種)
0.25部と脱イオン水99.75部との混合液に硫酸
を加えてpH3.0に調整して試験液を準備する。試験
塗板を屋外(平塚市内)で1週間水平放置したのち、該
塗面にこの試験液をスプレ−塗装し、引き続き屋外で1
週間水平放置したのち、再び該塗面にこの試験液をスプ
レ−塗装する。このサイクルを2か月間継続した。終了
後、80℃で6時間乾燥してから、スポンジ水洗し、得
られた塗面と試験前の初期の試験板との比較をおこなっ
た。○は汚染を全く認められないこと、△は汚染がわず
か認められること、×は汚染が少し認められること、×
×は汚染が著しく認められることをそれぞれ示す。
【0094】比較例4 実施例1の3C2Bの第2クリヤー塗料として使用した
表1に示す配合の塗料を下記の酸エポキシ系クリヤー塗
料に変更した以外はすべて実施例1と同様にして塗膜性
能試験を行った。その結果を下記表2に示す。
【0095】クリヤー塗料:(酸エポキシ系) マレイン酸のエタノ−ル半エステル化物200部、アク
リル酸50部、n−ブチルアクリレ−ト200部、n−
ブチルメタリレ−ト350部およびスチレン200部か
らなる重合体(数平均分子量6000の酸基含有アクリ
ル樹脂)の50%キシレン溶液と、グリシジルメタクリ
レ−ト350部、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト13
0部、n−ブチルアクリレ−ト300部、n−ブチルメ
タリレ−ト120部およびスチレン100部からなる重
合体(数平均分子量10000のエポキシ基含有アクリ
ル樹脂)の50%キシレン溶液とを固形分比で酸基含有
アクリル樹脂/エポキシ基含有アクリル樹脂=60/4
0になるように混合し、さらにテトラエチルアンモニウ
ムブロミドを樹脂固形分100重量部あたり0.5重量
部添加してなる塗料。
【0096】比較例5 実施例1の3C2Bの第2クリヤー塗料として使用した
表1に示す配合の塗料を下記の水酸基含有アクリル樹脂
−メラミン樹脂系クリヤー塗料に変更した以外はすべて
実施例1と同様にして塗膜性能試験を行った。その結果
を下記表2に示す。
【0097】クリヤー塗料:(水酸基含有アクリル樹脂
・メラミン樹脂系) スチレン200部、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト2
00部、nブチルアクリレ−ト200部、n−ブチルメ
タリレ−ト300部および2−エチルヘキシルアクリレ
−ト100部からなる重合体(数平均分子量5000の
水酸基含有アクリル樹脂)の50%キシレン溶液と、メ
ラミン樹脂(「ユ−バン20SE−60」三井東圧社
製、ブチルエ−テル化メラミン樹脂)とを固形分比で水
酸基含有アクリル樹脂/メラミン樹脂=60/40にな
るように混合してなる塗料。
【0098】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 133/14 C09D 133/14 143/04 143/04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に脂環式エポキシ基を2
    個以上有する数平均分子量が2000未満の化合物、
    (B)数平均分子量が2000〜50000、水酸基価
    が10〜150mgKOH/gおよびエポキシ当量が2
    20以下であるエポキシ基およびジアルキルシロキシ基
    を有するアクリル樹脂、および(C)熱潜在性カチオン
    重合性触媒を含んでなり、(A)成分と(B)成分にお
    けるエポキシ基のモル比が1:1〜0.05であること
    を特徴とする熱硬化性有機溶剤系塗料。
  2. 【請求項2】 (A)成分と(B)成分の混合物の平均
    エポキシ当量が300以下であることを特徴とする請求
    項1の熱硬化性有機溶剤系塗料。
  3. 【請求項3】 (B)成分のエポキシ基が、脂環式エポ
    キシ基またはグリシジル(メタ)アクリレ−トに基づく
    ものであることを特徴とする請求項1の熱硬化性有機溶
    剤系塗料。
  4. 【請求項4】 (B)成分のジアルキルシロキシ基が、
    ジアルキルシロキシ(メタ)アクリレ−トを共重合せし
    めることにより導入されたものであることを特徴とする
    請求項1の熱硬化性有機溶剤系塗料。
  5. 【請求項5】 被塗物に1種もしくは2種以上の着色塗
    料および1種もしくは2種以上のクリヤ−塗料を順次塗
    装して複層塗膜を形成するにあたり、少なくとも該複層
    塗膜の最上層のクリア塗膜が上記請求項1の熱硬化性有
    機溶剤系塗料により形成されていることを特徴とする複
    層塗膜形成法。
  6. 【請求項6】 被塗物が自動車車体であることを特徴と
    する請求項5の複層塗膜形成法。
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