JP4127871B2 - 塗料組成物およびその塗装法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗膜が60℃以上の高温に晒されても軟化せず、耐汚染性にすぐれ、付着した汚染物質を容易に除去することが可能であり、しかも長期にわたり撥水性を維持する塗膜を形成する熱硬化性有機溶剤系塗料、および該塗料を用いた複層塗膜形成法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
自動車外板の上塗塗料(特にクリヤ−塗料)としては、一般に、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂とを主成分とする有機溶剤系塗料が使用されている。この塗料の塗膜は耐候性および仕上り外観などは良好であるが、近年クロ−ズアップされた「耐酸性雨性」が十分でないという課題を有している。この耐酸性雨性を改良した上塗塗料として、メラミン樹脂を使用せず、カルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有樹脂とを主成分とする有機溶剤系塗料(通称、酸エポキシ型塗料)が提案された。この酸エポキシ型塗料の硬化塗膜は、耐候性および仕上り外観がすぐれ、しかも耐酸性雨性も良好であるが、下記に説明するように耐汚染性が劣り、付着した汚染物質を痕跡なく容易に除去することは困難であるという課題を有していることが判明した。
【0003】
自動車外板の最表層の上塗塗膜には、汚染物質(例えば鳥糞、花粉、虫の死骸など)、鉄粉、砂泥、排気スス(カ−ボン、パラフィンなど)などが付着し、これらが塗膜内に浸み込んだり、めりこんだりして塗膜表面を汚染しやすい。例えば、塗面に付着した鳥糞が乾燥固化の際に凝縮しそれに伴って上塗塗膜面がちぢみ、その部分の光沢や鮮映性などの外観が低下し、また、塗面に付着した花粉や虫の死骸などは雨などで濡れるとたんぱく質やアミノ酸などを溶出し、これが塗膜に浸み込んで汚染源になる可能性がある。また、鉄粉、砂泥、排気ススなどが塗膜に付着またはめりこんだりして汚染源になる。
【0004】
一方、自動車外板部は屋外放置すると太陽熱により60℃以上になることがあり、かかる高温では上塗塗膜が軟化して、これらの汚染がさらに促進されやすくなる。
【0005】
このようにして塗膜が汚染されると単に拭き取ったりまたは洗剤やワックスなどを使用しても除去できず、美観性を損ねることになる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、自動車用上塗塗料として用いられている従来の有機溶剤系塗料(例えば水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂系とを主成分とする有機溶剤型塗料、酸エポキシ型塗料など)と比較して、耐候性、仕上り外観および耐酸性などが同等かまたはそれ以上であり、しかも耐汚染性が良好な塗膜を形成する新規な有機溶剤系塗料を開発することである。
【0007】
本発明者らは目的達成のため鋭意研究を行った結果、エポキシ基を含有する特定の樹脂組成物に、フッ素含有樹脂成分およびカチオン重合性触媒を配合してなる有機溶剤系塗料の硬化塗膜は、長期にわたり撥水性を維持し、60℃以上の高温に晒されても殆ど軟化せず、汚染物質が浸み込んだりめりこんだりすることがなく、汚染物質が付着しても洗剤を使わず、水洗やカラ拭き程度で容易に除去することができ、しかも耐候性、仕上り外観および耐酸性などにもすぐれていることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
かくして、本発明は、(A)1分子中に脂環式エポキシ基を2個以上有する数平均分子量が2000未満の化合物、(B)数平均分子量が2000〜50000、水酸基価が10〜150mgKOH/gおよびエポキシ当量が220以下であるアクリル樹脂、(C)フッ素含有樹脂、および(D)熱潜在性カチオン重合性触媒を主成分とし、該(A)成分と(B)成分におけるエポキシ基のモル比が1:1〜0.05であることを特徴とする熱硬化性有機溶剤系塗料(以下、本塗料という)を提供するものである。
【0009】
本発明はまた、1種もしくは2種以上の着色塗料および1種もしくは2種以上のクリヤ−塗料を順次塗装して複層塗膜を形成するにあたり、少なくとも該複層塗膜の最上層のクリア塗膜が上記本塗料により形成されていることを特徴とする複層塗膜形成法(以下、本方法という)を提供するものである。
【0010】
本塗料の組成は上記のとおりであるが、なかでも、形成される硬化塗膜を、ツ−コン硬度(20℃)が15以上および動的弾性率E′(周波数110Hz)が150〜200℃の範囲内での最小値が1.0×109dynes/cm2以上に調整することにより、既知の塗膜に比べて硬質であるため、上記の特性をより顕著に発揮することができるので好ましい。
【0011】
本発明における「ツ−コン硬度(20℃)」は、塗料をガラス板に硬化塗膜で30μmになるように塗装し、所定の条件、例えば140℃で30分加熱硬化した塗膜を、20℃において、American Chain & Cable Company製のTUKON microhardness testerにて測定したときの値である。その数値が大きいほど硬質であることを意味する。従来の熱硬化性塗料によって形成される硬化塗膜のツ−コン硬度は通常5〜10であるから、本塗料によって調製された硬化塗膜の「ツ−コン硬度(20℃)が15以上」がいかに硬質であるかが理解され、本塗料の特徴のひとつである。
【0012】
また、硬化塗膜の動的弾性率E′(周波数110Hz)は、本塗料をブリキ板に硬化膜厚が45μmになるように塗装し、140℃で30分加熱し硬化させたのち、該塗膜を剥離し、該塗膜の動的弾性率E′を、自動動的粘弾性測定器「東洋ボ−ルドウイン社製、モデルレオバイブロンDDV−II−EA」を用い、周波数110Hzにて測定したときの値であり、動的弾性E′は150〜200℃で測定し、この温度範囲内における最小値を決定する。
【0013】
本塗料は、(A)1分子中に脂環式エポキシ基を2個以上有する数平均分子量が2000未満の化合物、(B)数平均分子量が2000〜50000、水酸基価が10〜150mgKOH/gおよびエポキシ当量が220以下であるアクリル樹脂、(C)フッ素含有樹脂、および(D)熱潜在性カチオン重合性触媒を主成分とし、該(A)成分と(B)成分とのエポキシ基のモル比が1:1〜0.05であることを特徴とする熱硬化性有機溶剤系塗料である。
【0014】
該本塗料について、さらに具体的に説明する。
【0015】
(A)成分:1分子中に脂環式エポキシ基を2個以上有する数平均分子量2000未満の化合物である。ここで、「脂環式エポキシ基」は、脂環式炭化水素の環状を構成している2個の隣接炭素原子と1個の酸素原子によって形成されるオキシラン環(2個の炭素原子と1個の酸素原子とで構成される3員環)であり、上記の脂環式炭化水素環は、通常、3〜12個、好ましくは5〜6個の炭素原子で構成されていることができる。
【0016】
(A)成分は、かかる脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上、好ましくは2〜3個有し、かつ数平均分子量が2000未満、好ましくは100〜1500の化合物である。また、(A)成分は、一般に、50〜500、特に100〜300のエポキシ当量を有することが好ましい。
【0017】
かかる(A)成分としては、例えば、ジシクロペンタジエンジオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エ−テル、エポキシシクロヘキセンカルボン酸エチレングリコ−ルジエステル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペ−ト、ビス(4,5−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル)アジペ−ト、エチレングリコ−ル−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ−ト)、3′,4′−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ−ト、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレ−ト、1,2,5,6−ジエポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3′,4′−エポキシ−1,3−ジオキサン−5−スピロシクロヘキサン、1,2−エチレンジオキシ−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメタン)、ジ−2,3−エポキシシクロペンチルエ−テル、4′,5′−エポキシ−2′−メチルシクロヘキシルメチル−4,5−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレ−トなどがあげられる。
【0018】
(B)成分:数平均分子量が2000〜50000、水酸基価が10〜150mgKOH/gおよびエポキシ当量が220以下であるエポキシ基含有アクリル樹脂である。
【0019】
(B)成分のアクリル樹脂が有する「エポキシ基」としては、上記脂環式エポキシ基およびグリシジル(メタ)アクリレ−トに由来するエポキシ基が特に好適であるが、その他に、脂環式炭化水素の環を構成する1個の炭素原子とオキシラン環を構成する1個の炭素原子が共通しているスピロ型のエポキシ基などが包含される。
【0020】
かかる(B)成分は、エポキシ基含有重合性モノマ−(B−1)、水酸基含有重合性モノマ−(B−2)およびアクリル系重合性モノマ−(B−3)を必須成分とし、さらに必要に応じて他の重合性モノマ−(B−4)を使用し、共重合することにより得られる。
【0021】
エポキシ基含有重合性モノマ−(B−1)は、1分子中にエポキシ基および重合性不飽和二重結合をそれぞれ少なくとも1個づつ有する化合物である。具体的にはグリシジル(メタ)アクリレ−ト、メチルグリシジル(メタ)アクリレ−ト、アリルグリシジルエ−テル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレ−ト、2−(1,2−エポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデン−5(6)−イル)オキシエチル(メタ)アクリレ−ト、5,6−エポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデン−2−イル−(メタ)アクリレ−ト、1,2−エポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデン−5−イル−(メタ)アクリレ−ト、2,3−エポキシシクロペンテニル(メタ)アクリレ−ト、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル化ポリカプロラクトンの(メタ)アクリレ−ト、アクリル酸またはメタクリル酸と上記(A)成分との等当量反応生成物、下記一般式で示される化合物などがあげられる。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
上記式中、R1は同一もしくは異なって水素原子又はメチル基を示し、R2は同一もしくは異なってC1 〜 8の炭化水素基を示し、R3は同一もしくは異なっ てC1 〜 20の炭化水素基を示し、Wは0〜10の整数を示す。
【0025】
水酸基含有重合性モノマ−(B−2)は、1分子中に水酸基および重合性不飽和二重結合をそれぞれ少なくとも1個づつ有する化合物であり、具体的には例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トおよびヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−トなどのアクリル酸またはメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコ−ル(グリコ−ル)とのモノエステル化物;ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ルなどのポリエ−テルポリオ−ルとアクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物;などがあげられる。
【0026】
アクリル系重合性モノマ−(B−3)は、アクリル酸またはメタクリル酸と炭素数1〜24の1価脂肪族または脂環族アルコ−ルとのモノエステル化物が包含され、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどがあげられる。これらのモノマ−(B−3)は単独で使用することができ、または2種以上併用することができる。
【0027】
他の重合性モノマ−(B−4)は、1分子中に1個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物で、上記モノマ−(B−1)、(B−2)および(B−3)以外の化合物である。
【0028】
具体的には下記のモノマ−を例示することができる。
【0029】
i)アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシ基含有重合性モノマ−、
ii)N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド系重合性モノマ−、
iii)エチルビニルエ−テル、プロピルビニルエ−テル、ブチルビニルエ−テル、ヘキシルビニルエ−テル、シクロペンチルビニルエ−テル、シクロヘキシルビニルエ−テル、フェニルビニルエ−テル、ベンジルビニルエ−テルなどのビニルエ−テル、
iv)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ビニルピドリドンなど。
【0030】
(B)成分は、上記のモノマ−(B−1)、(B−2)および(B−3)を必須成分とし、さらに必要に応じて(B−4)を使用し、例えば、ラジカル重合触媒を使って通常の方法により溶液重合することによって調製できる。
【0031】
これらの各モノマ−の構成比率は、水酸基価が10〜150mgKOH/g、好ましくは20〜120mgKOH/g、エポキシ当量が220以下、好ましくは100〜200の範囲内になるように選択することが好ましい。(B)成分の水酸基価が10mgKOH/gより小さくなると付着性が低下し、150mgKOH/gより大きくなると塗膜の耐水性、耐酸性、耐アルカリ性などが低下するので、いずれも好ましくない。一方、(B)成分のエポキシ当量が220より大きくなると高温で塗膜が軟化しやすくなるのでので好ましくない。
【0032】
また、(B)成分の数平均分子量は2000〜50000、特に3000〜20000の範囲内が好ましく、2000より小さくなると硬化性が低下し、50000より大きくなると塗膜の仕上り性が低下するので好ましくない。
【0033】
本塗料において(A)成分と(B)成分との構成比率は該両成分中のエポキシ基のモル比が(A)成分:(B)成分=1:1〜0.05、好ましくは1:0.8〜0.2の範囲内である。
【0034】
本塗料は上記(A)成分と(B)成分に加え、さらにフッ素含有樹脂成分(C)を含有する。
【0035】
(C)成分:フッ素含有樹脂
本塗料において使用できる(C)成分として、フッ素含有樹脂を次の形態で含むもの、例えば、
1)(C−1):分散安定剤樹脂を含有する有機溶剤中に、フルオロアルキル基含有(メタ)アクリレ−ト単位を含み、かつ該有機溶剤に不溶の重合体粒子が分散している非水系重合体分散液、
2)(C−2):フッ素を含有する分散安定剤樹脂を含む有機溶剤液中に、該有機溶剤に不溶の重合体粒子が分散している非水系重合体分散液、および
3)(C−3):フッ素含有樹脂の有機溶剤溶液
などがあげられ、これらの(C−1)、(C−2)および(C−3)は、それぞれ単独で使用するか、または2種以上併用することもできる。また、このうち(C−1)を用いた本塗料の硬化塗膜は、(C−2)成分や(C−3)成分を用いた塗膜に比べて、汚染物質が付着しにくく、付着しても容易に除去することができ、撥水能力を長期間維持しうる塗膜を形成するのでより好ましい。
【0036】
(C−1)成分は、分散安定剤樹脂を含有する有機溶剤中に、フルオロアルキル基含有(メタ)アクリレ−ト単位を含み、かつ該有機溶剤に不溶の重合体粒子が分散している非水系重合体分散液である。
【0037】
具体的には、分散安定剤樹脂(a)を含有する有機溶剤(b)中に、該有機溶剤(b)に不溶の重合体粒子が分散している分散液であって、該重合体粒子がフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレ−トと他の重合性単量体との共重合体粒子(c)である非水系重合体分散液(C−1)である。
【0038】
分散安定剤樹脂(a)は、重合体粒子(c)を有機溶剤(b)中で安定に分散させるためのものであり、有機溶剤(b)と相互に溶解もしくは膨潤し、かつ重合体粒子(c)と不溶であるものが好ましい。具体的にはアクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素含有樹脂などがあげられ、これらの樹脂には必要に応じて、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シラノ−ル基、アルコキシシラン基などの官能基を有することができる。
【0039】
さらに、分散安定剤樹脂(a)は、1分子あたり平均0.1個以上の重合性二重結合を有せしめておくと、重合体粒子(c)との間に共有結合が形成され、非水系重合体分散液(C−1)の貯蔵安定性、機械的安定性などが向上するので好ましい。
【0040】
分散安定剤樹脂(a)への重合性二重結合の導入法としては、該樹脂(a)中に含有せしめた官能基に、該官能基と反応する官能基を含有する重合性単量体を反応させる方法があげることができる。例えば、カルボキシル基含有分散安定剤樹脂にグリシジル基含有重合性単量体(例えばグリシジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−ト、アリルグリシジルエ−テルなど)を反応させることによって、該樹脂(a)中に重合性二重結合を導入できる。逆に、グリシジル基含有分散安定剤樹脂にカルボキシル基含有重合性単量体(例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など)を反応させることによっても、該樹脂(a)中に重合性二重結合を導入できる。このような組合わせとしては、上記のほかに、酸無水物基と水酸基、酸無水物基とメルタプタン基、イソシアネ−ト基と水酸基などがあげられる。
【0041】
分散安定剤(a)の分子量は特に制限されないが、重量平均分子量で約3000〜約100000(数平均分子量で約1000〜約60000)、好ましくは約5000〜約50000が適している。
【0042】
有機溶剤(b)としては、上記分散安定剤樹脂(a)、および重合体粒子(c)を調製するためのフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレ−トや他の重合性単量体を溶解するが、重合体粒子(c)を実質的に溶解しないものが包含される。したがって、現実に使用する分散安定剤(a)および重合体粒子(c)の組成や分子量などの特性値によって選択されるが、有機溶剤(b)として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族系炭化水素、ベンゼン、キシレン、トルエン、シクロヘキサンなどの芳香族系炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アシル、酢酸エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、2エチルヘキシルアセテ−ト、酢酸ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テルなどのエステル系;セロソルブ、ブリセロソルブ、イソプロピルエ−テル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエ−テルなどのエ−テル系、エチルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、i−ブチルアルコ−ル、オクチルアルコ−ル、ヘキシルアルコ−ルなどのアルコ−ル系、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソホロン、アセトフェノン、エチルアシルケトン、メチルアシルケトン、エチルブチルケトンなどのケトン系の有機溶剤があげられる。一般には、脂肪族系炭化水素を主体にし、芳香族系炭化水素、アルコ−ル系、エ−テル系、エステル系またはケトン系などを併用することが好ましい。
【0043】
非水系重合体分散液(C−1)は、分散安定剤(a)と有機溶剤(b)との混合液中で、フルオロアルキル基含有(メタ)アクリレ−トと他の重合性単量体とを共重合させて該混合液に不溶性の重合体粒子(c)を形成することにより調製できる。
【0044】
重合体粒子(c)を得るために用いるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレ−ト(F−アクリレ−ト)は、一般式
CH2=C(R)−COO−(CH2)n−Rf
(式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜10の整数、Rfは炭素数1〜21個の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、をそれぞれ示す)で表わされる化合物である。ここで「フルオロアルキル基」は炭素数1〜21個の直鎖状または分岐状の炭化水素基の水素の一部もしくは全部がフッ素に置換したものである。また、フルオロアルキル基のうち、炭素数1〜21個の直鎖状または分岐状の炭化水素基の水素の全部がフッ素に置換した基が「パ−フルオロアルキル基」である。
【0045】
かかるF−アクリレ−トとして、例えばパ−フルオロメチルメチルアクリレ−ト、パ−フルオロメチルメチルメタクリレ−ト、パ−フルオロブチルエチルアクリレ−ト、パ−フルオロブチルエチルメタクリレ−ト、パ−フルオロイソノニルエチルアクリレ−ト、パ−フルオロイソノニルエチルメタクリレ−ト、パ−フルオロオクチルエチルアクリレ−ト、パ−フルオロオクチルエチルメタクリレ−ト、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレ−ト、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレ−ト、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレ−ト、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレ−トなどがあげられる。
【0046】
F−アクリレ−トと共重合させる「他の重合性単量体」は、ラジカル重合性の不飽和単量体であれば特に制限されず、その代表的なものを例示すれば以下のとおりである。
【0047】
i)アクリル酸またはメタクリル酸のエステル類:アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリルなどのアクリル酸またはメタクリル酸のC1 〜 20アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのアクリル酸またはメタクリル酸のC3 〜 20シクロアルキルエステル;アリルアクリレ−ト、アリルメタクリレ−トなどのアクリル酸またはメタクリル酸のC2 〜 8 アルケニルエステル;アリルオキシエチルアクリレ−ト、アリルオキシエチルメタクリレ−トなどのアクリル酸またはメタクリル酸のC3 〜 20アルケニルオキシアルキルエステル;など、
ii)グリシジル基含有不飽和単量体:グリシジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−トなど、
iii)水酸基含有不飽和単量体:アクリル酸またはメタクリル酸のC2 〜 8 ヒドロキシアルキルエステル;ヒドロキシエチルアクリレ−ト、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、ヒドロキシプロピルメタクリレ−ト;ヒドロキシブチルビニルエ−テルなどのヒドロキシアルキルビニルエ−テル;アリルアルコ−ル、メタアリルアルコ−ルなど、
iv)アルコキシシラン基含有不飽和単量体:γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなど、
v)不飽和カルボン酸:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸など、
vi)イソシアネ−ト基含有不飽和単量体:イソシアナトエチルアクリレ−ト、m−イソプロペニル−α、α−ジメチルベンジルイソシアネ−トなど、
vii)重合性不飽和結合を2個以上有する不飽和単量体:エチレングリコ−ルジアクリレ−ト、エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレ−トなど、
viii)ビニル芳香族化合物:スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレンビニルピリジンなど、
ix)その他:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ベオバモノマ−(シェル化学製、商品名)、ビニルプロピオネ−ト、ビニルピバレ−ト、プロピオン酸ビニル、エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、アクリルアミド、ビニルピリジンなど、
非水系重合体分散液(C−1)において、重合体粒子(c)はF−アクリレ−トと他の重合性単量体とを共重合することにより調製できる。該両者の構成比率は任意に選択でき、該両成分の合計重量を基準にF−アクリレ−トは90〜1%、特に30〜5%、他の重合性単量体は10〜99%、特に70〜95%が適している。
【0048】
重合体粒子(c)を得るためのF−アクリレ−トと他の重合性単量体との共重合反応をラジカル重合開始剤の存在下で行うことが好ましく、例えば2,2−アゾイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤、ベンゾイルパ−オキサイド、ラウリルパ−オキサイド、tert−ブチルパ−オクトエ−トなどの過酸化物系開始剤があげられ、これらの開始剤の使用量はF−アクリレ−トと他の重合性単量体との合計100重量部あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部が好ましい。
【0049】
重合体粒子(c)において、他の重合性単量体としてii)グリシジル基含有不飽和単量体、iii)水酸基含有不飽和単量体、iv)アルコキシシラン基含有不飽和単量体、v)不飽和カルボン酸、vi)イソシアネ−ト基含有不飽和単量体などを使用することにより、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シラノ−ル基、アルコキシシラン基などの官能基を有することができる。
【0050】
また重合体粒子(c)は、vii)重合性不飽和結合を2個以上有する不飽和単量体を使用して粒子内架橋することも可能である。
【0051】
また、分散安定剤(a)と重合体粒子(c)との構成比率は任意に選択できるが、例えば、該両成分の合計重量の基いて(a)は3〜70%、特に5〜60%、(c)は97〜30%、特に95〜40%が好ましい。さらに分散安定剤(a)と重合体粒子(c)との合計量の含有率は、(b)、(a)および(c)の合計重量を基準に、30〜70%、特に40〜60%が好ましい。
【0052】
分散安定剤(a)を含有する有機溶剤(b)中でのF−アクリレ−トと他の重合性単量体との重合反応は一般に60〜160℃の温度範囲で約1〜20時間行うことが好ましい。かくして得られる非水系重合体分散液(C−1)は極めて分散安定性に優れている。
【0053】
(C−2)成分は、フッ素を含有する分散安定剤樹脂を含む有機溶剤液中に、該有機溶剤に不溶の重合体粒子が分散している非水系重合体分散液である。
【0054】
非水系重合体分散液(C−2)は、具体的には、フッ素を含有する分散安定剤樹脂(d)を含有する有機溶剤(e)中に、該有機溶剤に不溶の重合体粒子(f)が分散している非水分散液である。
【0055】
分散安定剤樹脂(d)はその分子中にフッ素元素を有しており、重合体粒子(f)を有機溶剤(e)中で安定に分散させるためのものであり、有機溶剤(e)に溶解もしくは膨潤し、かつ重合体粒子(f)とは不相溶であることが好ましい。
【0056】
分散安定剤樹脂(d)は、フッ素含有重合性単量体を用いてなる樹脂であり、該樹脂には、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シラノ−ル基、アルコキシシラン基などの官能基を1分子あたり1個以上有することができる。
【0057】
分散安定剤樹脂(d)の調製に使用できるフッ素含有重合性単量体としては、例えば、F−アクリレ−トおよびフルオロオレフィンなどがあげられる。F−アクリレ−トとしては上記重合体粒子(c)の説明で例示したものから選ぶことができる。また、フルオロオレフィンとしては、例えばテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどがあげられる。フッ素含有重合性単量体として、これらから選ばれた1種もしくは2種以上が使用できる。
【0058】
分散安定剤樹脂(d)は、1種もしくは2種以上のフッ素含有重合性単量体を(共)重合させるか、またはこれらと「他の重合性単量体」とを重合させることにより調製できる。
【0059】
他の重合性単量体としては、上記重合体粒子(c)の説明で例示した単量体があげられ、具体的には、i)アクリル酸またはメタクリル酸のC1 〜 20アルキルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸のC3 〜 20シクロアルキルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸のC2 〜 8 アルケニルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸のC3 〜 20アルケニルオキシアルキルエステル;など、ii)グリシジル基含有不飽和単量体:iii)アクリル酸またはメタクリル酸のC2 〜 8ヒドロキシアルキルエステル;ヒドロキシアルキルビニルエ−テル;アリルアルコ−ル、メタアリルアルコ−ルなど、iv)アルコキシシラン基含有不飽和単量体:v)不飽和カルボン酸:vi)イソシアネ−ト基含有不飽和単量体:vii)重合性不飽和結合を2個以上有する不飽和単量体:viii)ビニル芳香族化合物:ix)その他:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ベオバモノマ−(シェル化学製、商品名)、ビニルプロピオネ−ト、ビニルピバレ−ト、プロピオン酸ビニル、エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、アクリルアミド、ビニルピリジンなど、があげられる。
【0060】
分散安定剤樹脂(d)において、フッ素含有重合性単量体と他の重合性単量体との構成比率は、該両成分の合計重量を基準に、前者は100〜1%、特に30〜5%、後者は0〜99%、特に70〜95%が好ましい。
【0061】
分散安定剤樹脂(d)を調製するためのフッ素含有重合性単量体の重合反応、またはこれらと他の重合性単量体との共重合反応はラジカル重合反応が好ましく、この重合反応を促進するためのラジカル重合開始剤として、例えば2,2−アゾイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤、ベンゾイルパ−オキサイド、ラウリルパ−オキサイド、tert−ブチルパ−オクトエ−トなどの過酸化物系開始剤を用いることが好ましく、これらの開始剤の使用量は重合性単量体成分の合計100重量部あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部が好ましい。 分散安定剤樹脂(d)の調製において、他の重合性単量体として、ii)グリシジル基含有不飽和単量体、iii)水酸基含有不飽和単量体、iv)アルコキシシラン基含有不飽和単量体、v)不飽和カルボン酸、vi)イソシアネ−ト基含有不飽和単量体などを使用することにより、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シラノ−ル基、アルコキシシラン基などの官能基を有する分散安定剤樹脂(d)が得られる。
【0062】
さらに、分散安定剤樹脂(d)には、1分子中に平均して0.1個以上の重合性二重結合を有せしめておくことが有利である。該樹脂(d)に重合性二重結合を導入しておくと、重合体粒子(f)との間に共有結合が結合され、分散液の貯蔵安定性、機械的安定性などがさらに向上するので好ましい。
【0063】
分散安定剤樹脂(d)への重合性二重結合の導入法としては、該樹脂(d)中に含有せしめた官能基に、該官能基と反応する官能基を含有する重合性単量体を反応させる方法があげることができる。例えば、カルボキシル基含有分散安定剤樹脂にグリシジル基含有重合性単量体(例えばグリシジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−ト、アリルグリシジルエ−テルなど)を反応させることによって、該樹脂(d)中に重合性二重結合を導入できる。逆に、グリシジル基含有分散安定剤樹脂にカルボキシル基含有重合性単量体(例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など)を反応させることによっても、該樹脂(d)中に重合性二重結合を導入できる。このような組合わせとしては、上記のほかに、酸無水物基と水酸基、酸無水物基とメルタプタン基、イソシアネ−ト基と水酸基などがあげられる。
【0064】
分散安定剤樹脂(d)の分子量は特に制限されないが、重量平均分子量で約3000〜約100000(数平均分子量で約1000〜約60000)、好ましくは約5000〜約50000が適している。
【0065】
有機溶剤(e)は、上記分散安定剤樹脂(d)、および重合体粒子(f)を調製するための重合性単量体を溶解するが、該単量体から得られる重合体粒子(f)を実質的に溶解しないものが包含される。したがって、有機溶剤(e)は現実に使用する分散安定剤樹脂(e)および重合体粒子(f)の組成や分子量などの特性値によって任意に選択されるが、上記の有機溶剤(b)から選ばれた溶剤を用いることが好ましい。
【0066】
非水系重合体分散液(C−2)は、フッ素含有分散安定剤(d)と有機溶剤(e)との混合液中で、重合性単量体と重合させて該混合液に不溶性の重合体粒子(f)を形成することにより調製できる。
【0067】
重合体粒子(f)を形成するための重合性単量体は、ラジカル重合性の不飽和単量体であれば特に制限されず、具体的には、上記重合体粒子(c)で説明した「他の重合性単量体」として例示したi)アクリル酸またはメタクリル酸のC1 〜 20アルキルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸のC3 〜 20シクロアルキルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸のC2 〜 8 アルケニルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸のC3 〜 20アルケニルオキシアルキルエステル;など、ii)グリシジル基含有不飽和単量体:iii)アクリル酸またはメタクリル酸のC2 〜 8 ヒドロキシアルキルエステル;ヒドロキシアルキルビニルエ−テル;アリルアルコ−ル、メタアリルアルコ−ルなど、iv)アルコキシシラン基含有不飽和単量体:v)不飽和カルボン酸:vi)イソシアネ−ト基含有不飽和単量体:vii)重合性不飽和結合を2個以上有する不飽和単量体:viii)ビニル芳香族化合物:ix)その他:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ベオバモノマ−(シェル化学製、商品名)、ビニルプロピオネ−ト、ビニルピバレ−ト、プロピオン酸ビニル、エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、アクリルアミド、ビニルピリジンなど、があげられる。重合体粒子(f)を調製するための重合性単量体として上記のフッ素含有重合性単量体(F−アクリレ−トおよび/またはフルオロオレフィン)が重合性単量体と共に併存してもさしつかえない。
【0068】
重合体粒子(f)を得るための重合性単量体の重合反応をラジカル重合開始剤の存在下で行うことが好ましく、ラジカル重合開始剤として、例えば2,2−アゾイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤、ベンゾイルパ−オキサイド、ラウリルパ−オキサイド、tert−ブチルパ−オクトエ−トなどの過酸化物系開始剤があげられ、これらの開始剤の使用量は重合性単量体の合計100重量部あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部が好ましい。
【0069】
重合体粒子(f)の調製において、重合性単量体としてii)グリシジル基含有不飽和単量体、iii)水酸基含有不飽和単量体、iv)アルコキシシラン基含有不飽和単量体、v)不飽和カルボン酸、vi)イソシアネ−ト基含有不飽和単量体などを使用することにより、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シラノ−ル基、アルコキシシラン基などの官能基を有する重合体粒子(f)が得られる。また重合体粒子(f)は、vii)重合性不飽和結合を2個以上有する不飽和単量体を使用して粒子内架橋したものとすることが可能である。
【0070】
非水系重合体分散液(C−2)において、分散安定剤樹脂(d)と重合体粒子(f)との構成比率は目的に応じて任意に選択できるが、例えば、該両成分の合計重量に基いて樹脂(d)は3〜70%、特に5〜60%、粒子(f)は97〜30%、特に95〜40%が好ましい。さらに、樹脂(d)と粒子(f)との合計量は、樹脂(d)、有機溶剤(e)および粒子(f)の合計重量を基準に、30〜70%、特に40〜60%が好ましい。
【0071】
分散安定剤樹脂(d)を含有する有機溶剤(e)中で、重合体粒子(f)を得るための重合性単量体の重合反応は一般に60〜160℃の温度範囲で約1〜20時間行うことが好ましい。かくして得られる非水系分散液(C−2)は極めて分散安定性に優れている。 本塗料において使用できる(C)成分として、上記非水系重合体分散液(C−1)および非水系重合体分散液(C−2)に代えて、または同時に、フッ素含有樹脂の有機溶剤溶液(C−3)を使用することができる。
【0072】
(C−3)成分はフッ素含有樹脂の有機溶剤溶液であり、フッ素含有樹脂を有機溶剤に溶解せしめることにより調製できる。
【0073】
(C−3)成分として使用するフッ素含有樹脂は、例えば、フルオロアルキル基含有(メタ)アクリレ−トおよびフルオロオレフィンから選ばれた1種もしくは2種以上のフッ素含有重合性単量体を(共)重合するか、または該フッ素含有重合性単量体とその他の重合性単量体とを共重合することにより調製できる。
【0074】
フルオロアルキル基含有(メタ)アクリレ−トは、一般式、CH2=C(R)−COO−(CH2)n−Rf (式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜10の整数、Rfは炭素数1〜21個の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、をそれぞれ示す)で表わされる化合物であり、前記重合体粒子(c)で説明した中から選ばれたものが使用できる。また、フルオロオレフィンとしては、前記分散安定剤樹脂(d)の調製に使用するものとして例示した、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどがあげられる。フッ素含有重合性単量体として、これらから選ばれた1種もしくは2種以上が使用できる。
【0075】
また、(C−3)成分を調製するために、フッ素含有重合性単量体を共重合せしめるその他の重合性単量体は、ラジカル重合性の不飽和単量体であれば特に制限されず、その代表的なものを例示すれば上記重合体粒子(c)の説明で例示した単量体があげられ、具体的には、i)アクリル酸またはメタクリル酸のC1 〜 20アルキルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸のC3 〜 20シクロアルキルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸のC2 〜 8 アルケニルエステル;アクリル酸またはメタクリル酸のC3 〜 20アルケニルオキシアルキルエステル;など、ii)グリシジル基含有不飽和単量体:iii)アクリル酸またはメタクリル酸のC2 〜 8 ヒドロキシアルキルエステル;ヒドロキシアルキルビニルエ−テル;アリルアルコ−ル、メタアリルアルコ−ルなど、iv)アルコキシシラン基含有不飽和単量体:v)不飽和カルボン酸:vi)イソシアネ−ト基含有不飽和単量体:vii)重合性不飽和結合を2個以上有する不飽和単量体:viii)ビニル芳香族化合物:ix)その他:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ベオバモノマ−(シェル化学製、商品名)、ビニルプロピオネ−ト、ビニルピバレ−ト、プロピオン酸ビニル、エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、アクリルアミド、ビニルピリジンなど、があげられる。
【0076】
(C−3)成分でのフッ素含有樹脂において、フッ素含有重合性単量体と他の重合性単量体との構成比率は、該両成分の合計重量を基準に、前者は100〜1%、特に30〜5%、後者は0〜99%、特に70〜95%が好ましい。
【0077】
フッ素含有樹脂を調製するためのフッ素含有重合性単量体の重合反応、またはこれらと他の重合性単量体との共重合反応はラジカル重合反応が好ましく、この重合反応を促進するためのラジカル重合開始剤として、例えば2,2−アゾイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤、ベンゾイルパ−オキサイド、ラウリルパ−オキサイド、tert−ブチルパ−オクトエ−トなどの過酸化物系開始剤を用いることが好ましく、これらの開始剤の使用量は重合性単量体成分の合計100重量部あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部が好ましい。
【0078】
フッ素含有樹脂の調製において、他の重合性単量体として、ii)グリシジル基含有不飽和単量体、iii)水酸基含有不飽和単量体、iv)アルコキシシラン基含有不飽和単量体、v)不飽和カルボン酸、vi)イソシアネ−ト基含有不飽和単量体などを使用することにより、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シラノ−ル基、アルコキシシラン基などの官能基を有するフッ素含有樹脂が得られる。
【0079】
フッ素含有樹脂(C−3)の分子量は特に制限されないが、重量平均分子量で約3000〜約100000(数平均分子量で約1000〜約60000)、好ましくは約5000〜約50000が適している。フッ素含有樹脂を溶解せしめる有機溶剤としては、該フッ素含有樹脂を溶解せしめるものであれば特に制限されず、前記の有機溶剤(b)で例示したものが好ましく使用できる。
【0080】
本塗料において、(C)成分の配合量は特に制限されないが、例えば(A)成分と(B)成分との合計固形分100重量部あたり、0.5〜40重量部、特に2〜30重量部が適している。また、(C)成分にエポキシ基が含まれている系では、(A)成分中の脂環式エポキシ基と(B)成分中および(C)成分中のエポキシ基の合計量とのモル比が、1:1〜0.05、1:0.8〜0.2の範囲内になるようにすることが好ましい。
【0081】
(D)成分:本塗料で使用する熱潜在性カチオン重合性触媒(D)は、常温では不活性であるが加熱して臨界温度に達すると開裂してカチオンを発生し、カチオン重合を開始させる化合物であって、例えば、SbF6−、SbF4−、AsF6−、PF6−などを陰イオン成分とする窒素、イオウ、リンまたはヨ−ドのオニウム塩を包含する。具体的には以下に例示する化合物が好適である。
【0082】
i)4級アンモニウム塩型化合物:
例えば、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモンなど、
ii)スルホニウム塩型化合物:
例えば、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、アデカCP−66(旭電化工業製)、アデカCP−77(旭電化工業製)、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素など、
iii)ホスホニウム塩型化合物:
例えば、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アンチモンなど、
iv)ヨ−ドニウム塩型化合物:
例えば、ジフェニルヨ−ドニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−クロロフェニルヨ−ドニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−ブロムフェニルヨ−ドニウム六フッ化ヒ素、ジ−p−トリルヨ−ドニウム六フッ化ヒ素、フェニル(4−メトキシフェニル)ヨ−ドニウム六フッ化ヒ素など。
【0083】
これらの該カチオン重合性触媒(D)は、臨界温度(例えば、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃)で約10〜40分程度加熱すると開裂してカチオンを発生し、(A)成分の脂環式エポキシ基および(B)成分の水酸基、エポキシ基の相互間でのカチオン重合を開始させ、該両成分が架橋反応し三次元に硬化するのを促進する機能を有している。この架橋反応において、(C)成分にエポキシ基が含まれていると、該エポキシ基もこの架橋反応に関与することがある。
【0084】
カチオン重合性触媒(D)の配合量は特に制限されないが、一般には、上記(A)成分と(B)成分との合計固形分100重量部あたり、0.05〜10重量部、特に0.5〜5重量部が適している。
【0085】
本塗料の熱硬化性有機溶剤系塗料は、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を配合することを必須要件としており、これらの成分を有機溶剤に混合することにより調製できる。有機溶剤として、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、メタノ−ル、エタノ−ル、ブタノ−ル、酢酸カルビノ−ル、酢酸メトキシブチル、セロソルブ、酢酸セロソルブなどがあげられるが、これらのみに制限されるものではない。
【0086】
本塗料には、使用目的に応じて、上記成分に加え、さらに、着色顔料、干渉顔料、メタリック顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、流動調整剤、はじき防止剤などの通常の塗料用添加剤を必要に応じて配合できる。
【0087】
本塗料はソリッドカラ−塗料、メタリック塗料および光干渉模様塗料として使用できるが、耐汚染性などにすぐれた塗膜を形成するので、最上層部塗膜を形成する塗料として使用することが最も好ましい。
【0088】
本発明はまた、1種もしくは2種以上の着色塗料および1種もしくは2種以上のクリヤ−塗料を順次塗装して複層塗膜を形成するにあたり、少なくとも該複層塗膜の最上層のクリア塗膜が上記本塗料により形成されていることを特徴とする複層塗膜形成法(「本方法」)を提供するものである。
【0089】
具体的には、下記方法があげられるが、これらのみに限定されることはない。
【0090】
本方法a:着色塗料およびクリヤ−塗料を順次塗装する方法において、クリヤ−塗料として本塗料を使用する塗装法(2コ−ト方式)。
【0091】
本方法b:着色塗料、第1クリヤ−塗料および第2クリヤ−塗料を順次塗装する方法において、第2クリヤ−塗料として本塗料を使用する塗装法(3コ−ト方式)。
【0092】
本方法c:第1着色塗料、第2着色塗料およびクリヤ−塗料を順次塗装する方法において、2クリヤ−塗料として本塗料を使用する塗装法(3コ−ト方式)。
【0093】
これらの本方法についてさらに詳細に説明する。
【0094】
本方法aは、着色塗料およびクリヤ−塗料を順次塗装する方法において、クリヤ−塗料として本塗料を使用する塗装法(2コ−ト方式)である。
【0095】
本方法aで使用される着色塗料としては、ソリッドカラ−塗料、メタリック塗料および光干渉模様塗料が包含され、これらは、樹脂成分、着色顔料および溶剤を主成分とする既知の熱硬化性塗料が適している。
【0096】
着色塗料において、該樹脂成分は、具体的には、架橋性官能基(例えば水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、アルコキシシラン基礎など)を有するアクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などから選ばれた1種以上の基体樹脂と、これらを架橋硬化させるためのアルキルエ−テル化したメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ブロックされていてもよいポリイソシアネ−ト化合物、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物などから選ばれた1種以上の架橋剤成分とからなり、該両成分の合計重量を基準に基体樹脂は50〜90%、架橋剤成分は50〜10%の比率で併用することが好ましい。着色顔料にはソリッドカラ−顔料、メタリック顔料および光干渉模様顔料が包含され、これらは単独でもしくは2種以上併用することが可能である。また、溶剤としては有機溶剤系が適しているが、水系であっても差支えない。
【0097】
本方法aは、自動車用の金属製ましくはプラスチック製の被塗物に直接、またはカチオン電着塗料などの下塗塗料や中塗塗料(省略可能)を塗装し、硬化させてから、上記着色塗料をエアレススプレ−、エアスプレ−、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜で約10〜50μmになるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させてから、または硬化させずに室温で数分間放置してから本塗料からなるクリヤ−塗料を同様な方法で膜厚が硬化塗膜で約20〜70μmになるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させることによって行われる、2コ−ト1ベイク方式(2C1B)または2コ−ト2ベイク方式(2C2B)が適している。
【0098】
本方法bは、着色塗料、第1クリヤ−塗料および第2クリヤ−塗料を順次塗装する方法において、少なくとも第2クリヤ−塗料として本塗料を使用する塗装法(3コ−ト方式)である。
【0099】
本方法bの着色塗料としては、上記本方法aで説明したソリッドカラ−塗料、メタリック塗料および光干渉模様塗料から選ばれる塗料が使用できる。また、第1クリヤ−塗料は透明塗膜形成用塗料であり、上記着色塗料から着色顔料の殆どもしくはすべてを除去してなる塗料または本塗料が使用できる。そして、第2クリヤ−塗料として本塗料を使用する。具体的には、自動車用の金属製ましくはプラスチック製の被塗物に直接、またはカチオン電着塗料などの下塗塗料や中塗塗料(省略可能)を塗装し、硬化させてから、上記着色塗料をエアレススプレ−、エアスプレ−、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜で約10〜50μmになるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させてから、または硬化させずに室温で数分間放置してから、該塗面に第1クリヤ−塗料を同様な方法で膜厚が硬化塗膜で約10〜50μmになるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させてから、または硬化させずに室温で数分間放置してから第2クリヤ−塗料である本塗料を同様な方法で膜厚が硬化塗膜で約10〜50μmになるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させることによって行われる、3コ−ト1ベイク方式(3C1B)、3コ−ト2ベイク方式(3C2B)または3コ−ト3ベイク方式(3C3B)が適している。
【0100】
本方法cは、第1着色塗料、第2着色塗料およびクリヤ−塗料を順次塗装する方法において、2クリヤ−塗料として本塗料を使用する塗装法(3コ−ト方式)である。
【0101】
本方法cの第1着色塗料としては、上記本方法aで説明したソリッドカラ−塗料、メタリック塗料および光干渉模様塗料から選ばれる塗料が使用できる。第2着色塗料は、該第1着色塗料の塗面に塗装する塗料であり、該第2着色塗料塗膜を透して第1着色塗料塗面の色調(ソリッドカラ−、メタリック感および光干渉模様など)が視認できる程度の隠蔽性を有していることが必要である。したがって、該第2着色塗料におけるソリッドカラ−顔料、メタリック顔料および光干渉模様顔料の配合量は第1着色塗料に比べて少ないことが好ましい。また、クリヤ−塗料は透明塗膜形成用塗料であり、本塗料が使用できる。具体的には、自動車用の金属製ましくはプラスチック製の被塗物に直接、またはカチオン電着塗料などの下塗塗料や中塗塗料(省略可能)を塗装し、硬化させてから、第1着色塗料をエアレススプレ−、エアスプレ−、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜で約10〜50μmになるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させてから、または硬化させずに室温で数分間放置してから、該第1着色塗料塗面に第2着色塗料を同様な方法で膜厚が硬化塗膜で約10〜50μmになるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させてから、または硬化させずに室温で数分間放置してからクリヤ−塗料である本塗料を同様な方法で膜厚が硬化塗膜で約10〜50μmになるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させることによって行われる、3コ−ト1ベイク方式(3C1B)、3コ−ト2ベイク方式(3C2B)または3コ−ト3ベイク方式(3C3B)が適している。
【0102】
【発明の効果】
1.本塗料により形成される硬化塗膜は、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂とを主成分とする有機溶剤系塗料塗膜に比べ、耐候性および仕上り外観などは同等もしくはそれ以上で、しかも耐酸性が顕著にすぐれている。
【0103】
2.本塗料により形成される硬化塗膜の耐酸性、耐候性および仕上り外観は、カルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有樹脂とを主成分とする酸エポキシ型塗料と同等もしくはそれ以上で、しかも耐汚染性は顕著にすぐれている。
【0104】
3.本塗料により形成される硬化塗膜は60℃以上の高温に晒されても殆ど軟化しないので、汚染の促進が防止でき、汚染物質の除去が容易である。
【0105】
4.本塗料により形成される硬化塗膜は長期にわたり撥水性を維持する。
【0106】
5.自動車外板の本塗料により形成された最表層硬化塗膜は、汚染物質(例えば鳥糞、花粉、虫の死骸など)、鉄粉、砂泥、排気スス(カ−ボン、パラフィンなど)などが付着しにくく、またこれらが塗膜内に浸み込んだり、めりこんだりすることが殆どない。したがって、これらの付着、浸み込み、めりこみなどによる前記した種々の欠陥がすべて解消できた。
【0107】
6.本塗料により形成される硬化塗膜に付着した汚染物質は単に拭き取ったりまたは洗剤やワックスなどを使用することなし簡単なスポンジ水洗で容易に除去できる。
【0108】
7.本塗料により形成される硬化塗膜の特性値を、ツ−コン硬度(20℃)が15以上および動的弾性率E′(周波数110Hz)が150〜200℃の範囲内での最小値が1.0×109dynes/cm2以上に調整することが容易であり、かかる特性値を有する塗膜は60℃以上の高温に晒されても軟化することがほとんどなく、上記した効果をさらに顕著に発揮できる。
【0109】
以下に本発明の実施例および比較例について説明する。部および%は重量に基づく。
【0110】
1.試 料
(A)成分
(A−1):実施例用
「CEL−2021P」(ダイセル化学工業(株)製、商品名)
エポキシ当量130、理論分子量252
構造式
【0111】
【化3】
【0112】
(A−2):実施例用
「エポリ−ドGT302](ダイセル化学工業(株)製、商品名)
エポキシ当量240、理論分子量634
構造式
【0113】
【化4】
【0114】
(A−3):比較例用
「デナコ−ルEX−212」(ナガセ化成工業(株)製、商品名)
エポキシ当量150、理論分子量230
構造式
【0115】
【化5】
【0116】
(A−4):比較例用
「セロキサイド3000」(ダイセル化学工業(株)製、商品名)
エポキシ当量93.5以下、理論分子量168
構造式
【0117】
【化6】
【0118】
(B)成分
(B−1):実施例用
グリシジルメタクリレ−ト650部、ヒドロキシエチルアクリレ−ト116部、nブチルアクリレ−ト100部およびnブチルメタクリレ−ト134部を常法により溶液重合してなる、エポキシ当量218、水酸基価56、数平均分子量10000のアクリル樹脂。
【0119】
(B−2):実施例用
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレ−ト850部、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト65部およびnブチルアクリレ−ト85部を常法により溶液重合してなる、エポキシ当量216、水酸基価28、数平均分子量3000のアクリル樹脂。
【0120】
(B−3):比較例用 水酸基なし
グリシジルメタクリレ−ト300部、nブチルアクリレ−ト400部、nブチルメタクリレ−ト200部および2−エチルヘキシルアクリレ−ト100部を常法により溶液重合してなる、エポキシ当量473、水酸基価0、数平均分子量5000のアクリル樹脂。
【0121】
(C)成分
(C−1):実施例用
ヘプタン95部と分散安定剤(注1)121部との混合物を還流温度に加熱し、パ−フルオロオクチルエチルメタクリレ−ト10部、スチレン10部、メチルメタクリレ−ト25部、アクリロニトリル30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト25部および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1.5部からなる混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて非水分散液(C−1)を得た。固形分含有率は53%、粘度(ガ−ドナ−25℃)C、外観 乳白色、粒径(電子顕微鏡)0.2〜0.3μmであった。粒子/安定剤=60/40、粒子のみパ−フルオロ基含有。
【0122】
(注1)分散安定剤:酢酸イソブチル40部およびトルエン40部からなる溶剤の還流温度で、スチレン10部、イソブチルメタクリレ−ト50部、ブチルアクリレ−ト9部、シクロヘキシルメタクリレ−ト10部、2−エチルヘキシルメタクリレ−ト10部、メタクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト10部および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて、水酸基含有アクリル樹脂を得た。固形分含有率は55%、粘度(ガ−ドナ−25℃)N、重量平均分子量16000であった。
【0123】
(C−2):実施例用
ヘプタン93部と分散安定剤(注2)98部との混合物を還流温度に加熱し、パ−フルオロオクチルエチルメタクリレ−ト5部、スチレン15部、メチルメタクリレ−ト28部、アクリロニトリル34部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト18部および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて非水分散液(C−2)を得た。固形分含有率は53%、粘度(ガ−ドナ−25℃)A、外観 乳白色、粒径(電子顕微鏡)0.2〜0.3μmであった。粒子/安定剤=65/35、安定剤と粒子の両者にパ−フルオロ基含有。
【0124】
(注2)分散安定剤:酢酸イソブチル30部およびトルエン50部からなる溶剤の還流温度で、スチレン10部、イソブチルメタクリレ−ト30部、2−パ−フルオロオクチルエチルメタクリレ−ト15部、ブチルアクリレ−ト5部、シクロヘキシルメタクリレ−ト10部、2−エチルヘキシルメタクリレ−ト14部、メタクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト15部およびt−ブチルパ−オキシ2エチルヘキサノエ−ト6部からなる混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて、パ−フルオロ基含有アクリルポリオ−ル樹脂を得た。固形分含有率は55%、粘度(ガ−ドナ−25℃)G、重量平均分子量6000であった。
【0125】
(C−3):実施例用
ヘプタン90部と分散安定剤(注3)121部との混合物を還流温度に加熱し、パ−フルオロメチルメチルメタクリレ−ト25部、スチレン10部、メチルメタクリレ−ト15部、アクリロニトリル25部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト25部、t−ブチルパ−オキシ2−エチルヘキサノエ−ト2部からなる混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて非水分散液(C−3)を得た。固形分含有率53%、粘度(ガ−ドナ−25℃)C、外観 乳白色、粒径(電子顕微鏡)0.18〜0.25μmであった。粒子/安定剤=60/40、安定剤に二重結合導入、粒子にパ−フルオロ基含有。
【0126】
(注3)分散安定剤:酢酸イソブチル30部およびトルエン50部からなる溶剤の還流温度で、スチレン10部、ブチルメタクリレ−ト20部、イソブチルメタクリレ−ト34部、ブチルアクリレ−ト5部、2−エチルヘキシルメタクリレ−ト15部、メタクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト15部および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間熟成させてから、さらにグリシジルメタクリレ−ト0.8部、4−tert−ブチルピロカテコ−ル0.02部およびジメチルエタノ−ルアミン0.1部を加えて反応せしめ、重合性二重結合を導入した。固形分含有率は55%、粘度(ガ−ドナ−25℃)L、重量平均分子量16000、1分子あたり約0.6個の重合性二重結合を有していた。
【0127】
(C−4):実施例用
ヘプタン93部と分散安定剤(注3)149部との混合物を還流温度に加熱し、パ−フルオロオクチルエチルメタクリレ−ト10部、スチレン10部、メチルメタクリレ−ト27部、アクリロニトリル30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト15部、グリシジルメタクリレ−ト5部、アクリル酸3部および2,2´−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間熟成させてNADを得た。固形分含有率は53%、粘度(ガ−ドナ−25℃)C、外観 乳白色、粒径(電子顕微鏡)0.15〜0.2μmであった。粒子/安定剤=55/45、安定剤に二重結合導入、粒子内架橋、粒子にパ−フルオロ基含有。
【0128】
(C−5):実施例用
ヘプタン95部と分散安定剤(注2)121部との混合物を還流温度に加熱し、スチレン15部、メチルメタクリレ−ト25部、アクリロニトリル35部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト25部および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1.5部からなる混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて非水分散液(C−5)を得た。固形分含有率は53%、粘度(ガ−ドナ−25℃)A、外観 乳白色、粒径(電子顕微鏡)0.2〜0.3μmであった。粒子/安定剤=60/40、安定剤にパ−フルオロ基含有。
【0129】
(C−6):実施例用
ヘプタン110部と「ルミフロンLF200」 108部との混合物を還流温度に加熱し、スチレン15部、メチルメタクリレ−ト30部、アクリロニトリル35部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト20部および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて非水分散液(C−6)を得た。固形分含有率は52%、粘度(ガ−ドナ−25℃)B、外観 乳白色、粒径(電子顕微鏡)0.15〜0.2μmであった。「ルミフロンLF200」は旭硝子製商品名でフルオロオレフィン樹脂の60%液。粒子/安定剤=60/40、安定剤にパ−フルオロオレフィン含有。
【0130】
(C−7):比較用
ヘプタン95部と分散安定剤(注1)121部との混合物を還流温度に加熱し、スチレン10部、メチルメタクリレ−ト40部、アクリロニトリル30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト20部およびt−ブチルパ−オキシ2−エチルヘキサノエ−ト2部からなる混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間熟成させてNADを得た。固形分含有率は53%、粘度(ガ−ドナ−25℃)C、外観 乳白色、粒径(電子顕微鏡)0.2〜0.3μmであった。粒子/安定剤=60/40、安定剤および粒子にフッ素を含有せず。
【0131】
(D)成分
(D−1):
「サンエイドSI−100」(三新化学(株)製、商品名)
ベンジルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト
(D−2):
N−α,α−ジメチルベンジルピリジニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト
2.実施例1〜10、比較例1〜8
上記成分を混合して塗料組成物を調製した。これらの配合比率は表1、表2に示した。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
【0135】
【表4】
【0136】
表1および表2において、
1)各成分の配合量は固形分量である。
【0137】
2)平均EP当量は(A)成分と(B)成分との合計平均エポキシ当量である。
【0138】
3)B/Aモル比は、(A)成分のエポキシ基1モルに対する(B)成分のエポキシ基のモル比である。
【0139】
4)モダフロ−はモンサント社製、商品名、表面調整剤
5)塗装工程はすべて3C2B(3コ−ト2ベイク)で行った。具体的には、カチオン電着塗料および中塗塗料を塗装し加熱硬化した被塗物に、アクリル樹脂・メラミン樹脂系有機溶剤型メタリック塗料(硬化膜厚20μ)およびアクリル樹脂・メラミン樹脂系有機溶剤型第1クリア塗料(硬化膜厚25μ)を塗装し、140℃で30分加熱して該両塗膜を硬化させてから、第2クリア塗料として本発明の実施例および比較例で得た塗料を硬化膜厚25μになるように塗装し、140℃で30分加熱してなる塗板のことである。試験項目のうち、「最小弾性率」以外はすべてこの3C2Bで得た塗板で塗膜試験を行ない、最小弾性率は実施例で得た塗料組成物の単独塗膜(硬化膜厚40μになるよに塗装し、140℃で30分加熱硬化)について測定した。
【0140】
6)仕上り外観は目視評価の結果であり、○はツヤおよび平滑性など良好、△ツヤおよび平滑性などかなり劣る、×はツヤおよび平滑性など著しく劣るを示す。
【0141】
7)硬度は上記の塗板を20℃または60℃に加熱し、その塗膜温度でツ−コン硬度を測定した結果である。
【0142】
8)耐酸性は、塗面に40%硫酸水溶液を0.4cc滴下し、熱風乾燥機で60℃で15分加熱したから水洗したのち、目視評価した結果である。○は全く異常を認めない、△スポット跡が少し残る、×はシミ、白化またはフクレが著しいを示す。
【0143】
9)耐鳥フン性は、野外で採取したハト糞を脱イオン水に混合して濃度30%とし、ディスパ−で30分撹拌してからガ−ゼで濾過した濾液を試験液とし、この試験液0.4ccを塗面に滴下し、グラジエントオ−ブンで70℃30分加熱したのち水洗した塗面を目視評価した結果である。○は汚染を全く認めない、△はシミ、くもり、フクレが少し認められる、×はシミ、くもり、フクレが著しく認められるを示す。
【0144】
10)耐花粉性は、野外で採取したスギ花粉を脱イオン水で0.5%液とし、この0.4ccを塗面に滴下し、グラジエントオ−ブンで65℃30分加熱したのち水洗した塗面を目視評価した結果である。○は汚染を全く認めない、△はシミ、フクレ、チジミが少し認められる、×はシミ、チジミ、フクレが著しく認められるを示す。
【0145】
11)最小弾性率は150〜200℃での動的弾性率の最小率(dynes/cm2)である。
【0146】
12)初期撥水性:140℃で30分加熱硬化させ、室温で1時間放置した塗膜の水接触角の測定結果であり、該塗面に水を0.03cc滴下し、その滴と塗面との接触角を協和界面科学(株)製、「接触角計CA−X150」(商品名)で測定した。
【0147】
13)初期撥油性:140℃で30分加熱硬化させ、室温で1時間放置した塗膜のパラフィン接触角の測定結果であり、該塗面に溶融したパラフィンを0.03cc滴下し、その滴と塗面との接触角を協和界面科学(株)製、「接触角計CA−X150」(商品名)で測定した。
【0148】
14)長期撥水性:140℃で30分加熱硬化させた塗膜をサンシャインウエザオメ−タで500時間暴露したのちの、該塗面の水接触角を上記の12)と同様にして測定した結果である。
【0149】
15)長期汚染除去性:、カ−ボンブラック(日本粉体工業技術協会製、試験用ダスト12種)0.25部と脱イオン水99.75部との混合液に硫酸を加えてpH3.0に調整して試験液を得た。塗装後、その試験塗板を屋外(平塚市内)で1週間水平放置したのち、該塗面にこの試験液をスプレ−塗装し、引き続き屋外で1週間水平放置したのち、再び該塗面にこの試験液をスプレ−塗装し、これを2か月間継続した。終了後、80℃で6時間乾燥してから、スポンジ水洗して得られた塗面と試験前の初期の試験板との比較をおこなった。○は汚染を全く認めない、△は汚染がわずか認められる、×は汚染が少し認められる、××汚染が著しく認められるを示す。
【0150】
7.比較例9
実施例1の3C2Bの第2クリア塗料として使用した「本発明の実施例で得た塗料」をを下記酸エポキシ系クリア塗料に変更した以外はすべて実施例1と同様にに行った。その性能試験結果を表3に示した。
【0151】
クリア塗料:(酸エポキシ系)
マレイン酸のエタノ−ル半エステル化物200部、アクリル酸50部、n−ブチルアクリレ−ト200部、n−ブチルメタリレ−ト350部およびスチレン200部からなる重合体(数平均分子量6000の酸基含有アクリル樹脂)の50%キシレン溶液とグリシジルメタクリレ−ト350部、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト130部、n−ブチルアクリレ−ト300部、n−ブチルメタリレ−ト120部およびスチレン100部からなる重合体(数平均分子量10000のエポキシ基含有アクリル樹脂)の50%キシレン溶液とを固形分比で酸基含有アクリル樹脂/エポキシ基含有アクリル樹脂=60/40になるように混合し、さらにテトラエチルアンモニウムブロミドを樹脂固形分100重量部あたり0.5重量部添加してなる。
【0152】
8.比較例10
実施例1の3C2Bの第2クリア塗料として使用した「本発明の実施例で得た塗料」をを下記水酸基含有アクリル樹脂・メラミン樹脂系クリア塗料に変更した以外はすべて実施例1と同様に行った。その性能試験結果を表3に示した。
【0153】
クリア塗料:(水酸基含有アクリル樹脂・メラミン樹脂系)
スチレン200部、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト200部、nブチルアクリレ−ト200部、n−ブチルメタリレ−ト300部および2−エチルヘキシルアクリレ−ト100部からなる重合体(数平均分子量5000の水酸基含有アクリル樹脂)の50%キシレン溶液とメラミン樹脂(「ユ−バン20SE−60」三井東圧社製、ブチルエ−テル化メラミン樹脂)とを固形分比で水酸基含有アクリル樹脂/メラミン樹脂=60/40になるように混合してなる。
【0154】
【表5】
Claims (5)
- (A)1分子中に脂環式エポキシ基を2個以上有する数平均分子量が2000未満の化合物、
(B)数平均分子量が2000〜50000、水酸基価が10〜150mgKOH/gおよびエポキシ当量が220以下であるアクリル樹脂、
(C)分散安定剤を含む有機溶剤液中にフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレ−ト単位を含む重合体粒子が分散してなる非水分散液、および
(D)熱潜在性カチオン重合性触媒を主成分とし、
該(A)成分と該(B)成分におけるエポキシ基のモル比が1:1〜0.05であることを特徴とする熱硬化性有機溶剤系塗料。 - (A)成分と(B)成分の混合物の平均エポキシ当量が300以下であることを特徴とする請求項1の熱硬化性有機溶剤系塗料。
- (B)成分のエポキシ基が、脂環式エポキシ基またはグリシジル(メタ)アクリレ−トに基づくものであることを特徴とする請求項1の熱硬化性有機溶剤系塗料。
- 被塗物に1種もしくは2種以上の着色塗料および1種もしくは2種以上のクリヤー塗料を順次塗装して複層塗膜を形成するにあたり、少なくとも該複層塗膜の最上層のクリアー塗膜を請求項1〜3のいずれかの熱硬化性有機溶剤系塗料により形成することを特徴とする複層塗膜形成法。
- 被塗物が自動車車体であることを特徴とする請求項4の複層塗膜形成法。
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