JPH06108001A - 自動車用撥水性トップコート塗料組成物 - Google Patents

自動車用撥水性トップコート塗料組成物

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JPH06108001A
JPH06108001A JP26376292A JP26376292A JPH06108001A JP H06108001 A JPH06108001 A JP H06108001A JP 26376292 A JP26376292 A JP 26376292A JP 26376292 A JP26376292 A JP 26376292A JP H06108001 A JPH06108001 A JP H06108001A
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JP
Japan
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resin
mol
vinyl ether
monomer
acid anhydride
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Pending
Application number
JP26376292A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Satomoto
佳宏 郷本
Hideki Nakasuji
英樹 中筋
Yutaka Takeuchi
豊 竹内
Koichi Hagiwara
興一 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸性雨に弱いメラミン樹脂の使用量を最小限
にし、耐候劣化に強いフッ素含有樹脂を配合し、擦傷性
を向上できる自動車用撥水性トップコート塗料組成物を
提供する。 【構成】 ベースコート上に透明トップコートを塗布
し、加熱によって硬化する塗装系において、該透明トッ
プコート用塗料が(A)トリフルオロモノクロロオレフ
ィン、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、シクロヘキ
シルビニルエーテル、アルキルビニルエーテルおよびグ
リシジル含有ラジカル重合性モノマーからなる樹脂、
(B)ラジカル重合可能な不飽和結合と酸無水物を有す
るモノマーおよびカルボキシル基を含まない他の共重合
可能な不飽和結合を有するモノマーからなる重合体の酸
無水物基を開環してハーフエステル化されてなる樹脂お
よび(C)反応触媒を主成分とし、前記(A)のエポキ
シ当量/前記(B)の酸無水物基に起因するカルボン酸
当量=1/0.6〜1/1.1であり、生成塗膜の熱軟
化温度が50〜80℃とする塗料組成物により達成でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な自動車用撥水性
トップコート塗料組成物に関するものである。より詳し
くは、撥水性維持性、耐傷付き性、耐酸性能を有する自
動車用トップコート塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用トップコートクリヤー塗
料組成物としては、アクリル樹脂およびメラミン樹脂か
らなるトップコートクリヤーが一般的であり広く用いら
れている。さらに、高級車においては、撥水性、耐候劣
化防止を意図したフッ素樹脂を含有するトップコートク
リヤーが採用されている。
【0003】こうした撥水性、耐候性を有するフッ素樹
脂を含有するトップコートクリヤー塗料組成物の先行技
術としては、特開昭57−34108号および特開昭5
8−136662号がある。
【0004】上記特開昭57−34108号では、フル
オロオレフィン、シクロヘキシルビニルエーテルおよび
グリシジルビニルエーテルを必須構成成分とする共重合
体であって、フルオロオレフィン、シクロヘキシルビニ
ルエーテル、グリシジルビニルエーテルおよび他の共単
量体(好ましくは、炭素数2〜8のアルキルビニルエー
テル)に基く単位の含有量がそれぞれ40〜60モル
%、5〜45モル%、3〜45モル%および0〜40モ
ル%であり、未硬化状態でテトラヒドロフラン中で30
℃で測定される固有粘度が0.1〜1.5dl/gであ
ることを特徴とする含フッ素共重合体が開示されてい
る。
【0005】また、上記特開昭58−136662号で
は、含フッ素重合体と硬化剤とを有機溶媒に溶解せしめ
てなる被覆組成物において、前記含フッ素重合体がフル
オロオレフィン、シクロヘキシルビニルエーテル、アル
キルビニルエーテルおよびヒドロキシアルキルビニルエ
ーテルを必須構成成分とする共重合体であって、該共重
合体中のフルオロオレフィン、シクロヘキシルビニルエ
ーテル、アルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキル
ビニルエーテルおよび他の共単量体(好ましくは、炭素
数2〜8のアルキルビニルエーテル)に基く単位の含有
量がそれぞれ40〜60モル%、5〜45モル%、3〜
15モル%および0〜30モル%は、未硬化状態でテト
ラヒドロフラン中で30℃で測定される固有粘度が0.
05dl/g以上0.1dl/g未満であり、かつ前記
硬化剤が水酸基と反応性を有する多官能性化合物である
ことを特徴とする被服組成物が開示されている。
【0006】上記特開昭58−136662号、特開昭
57−34108号に記載のフッ素樹脂を含有するトッ
プコートクリヤー塗料組成物(含フッ素共重合体および
上記被服組成物)では、いずれも優れた撥水性および耐
候性を付与することができることが知られている。
【0007】しかしながら、上記特開昭58−1366
62号、特開昭57−34108号に記載のフッ素樹脂
を含有するトップコートクリヤー塗料組成物(含フッ素
共重合体および上記被服組成物)を含む従来の自動車用
トップコートクリヤー塗料組成物では、近年の高級車指
向に基づく(耐酸性能が相対的に弱い)濃色系塗色の割
合が増す傾向にあることから、上記メラミン樹脂を硬化
剤として用いる場合、近年問題となっている酸性雨によ
って侵され、近年問題となっている酸性雨によって侵さ
れ易くなり、塗膜欠陥を生じたり、初期塗膜の品質であ
る水ハジキ性が損なわれる問題があり、一方、硬化剤を
メラミン樹脂に替えてイソシアネートにするのは毒性の
点で問題がある。
【0008】上記酸性雨による浸蝕等の問題点を克服し
たトップコートクリヤー塗料組成物として、酸無水物基
のハーフエステル(酸無水物基が開環してできた2本の
枝のうちの一方がエステル化されたもの)を含む重合体
と、ヒドロキシル化合物およびエポキシ化合物を含む熱
硬化性塗料組成物が特開平2−45577号に提案され
ている。
【0009】該熱硬化性塗料組成物では、耐酸性に関し
優れた性能を有することが、本発明者らにより確認され
ている。
【0010】しかしながら、上記特開平2−45577
号で提案されている塗料では、耐候性が不充分であり撥
水性の維持性が不満足となったり、洗車ブラシにより容
易に擦傷跡を生じ易くなり外観品質の維持が困難になる
等の問題点があった。また、耐候劣化による塗膜表面の
親水化、酸加水分解による塗膜表面の親水化、および擦
傷跡への親水性汚染物の付着の為、塗膜表面の水はじき
性持続に問題点があった。
【0011】従って、今日までに自動車用トップコート
クリヤー塗料組成物として、耐酸性に関し優れた性能を
有し、かつ優れた撥水性および耐候性を付与してなる該
塗料組成物は、得られていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点に着目してなされたもので、酸性雨に弱い
メラミン樹脂による硬化システム使用量を最小限にし、
耐候劣化に強いフッ素含有樹脂を配合する塗料組成物で
あって洗車ブラシによる擦傷性を向上し、尚かつ補修性
を考慮に入れ生成塗膜の熱軟化温度を50〜80℃にす
ることにより上記問題点を解決することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】これら上記諸目的を達成
するため、本発明者らは新規な自動車用撥水性トップコ
ート塗料組成物について鋭意研究を重ねた結果、該塗料
組成物として(A)トリフルオロモノクロロオレフィ
ン、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、グリシル
含有ラジカル重合性モノマーからなる樹脂、(B)ラジ
カル重合可能な不飽和結合及び酸無水物基を有するモノ
マーと他の共重合可能な不飽和基を有するモノマーから
なる重合体の酸無水物基を開環してハーフエステル化さ
れて成る樹脂、(C)(必要に応じて)アミノ樹脂およ
び(D)反応触媒、を主成物とし、該主成物(A)の各
成分組成の含有量を特定することにより、上記問題点を
解決することすることができることを知り、この知見に
基づき本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明の目的は、ベースコート
上に透明トップコートを塗布し、加熱によって硬化する
塗装系において、該透明トップコート用塗料が、(A)
トリフルオロモノクロロオレフィン40〜60モル%、
ヒドロキシアルキルビニルエーテル3〜15モル%、シ
クロヘキシルビニルエーテル3〜15モル%、アルキル
ビニルエーテル3〜15モル%、グリシジル含有ラジカ
ル重合性モノマー5〜40モル%からなる樹脂、(B)
ラジカル重合可能な不飽和結合と酸無水物を有するモノ
マーおよびカルボキシル基を含まない他の共重合可能な
不飽和結合を有するモノマーからなる重合体の酸無水物
基を開環してハーフエステル化されてなる樹脂、および
(C)反応触媒を主成分とし、前記(A)のエポキシ当
量/前記(B)の酸無水物基に起因するカルボン酸当量
=1/0.6〜1/1.1であり、生成塗膜の熱軟化温
度が50〜80℃であることを特徴とする自動車用撥水
性トップコート塗料組成物により達成される。
【0015】また、本発明の他の目的は、ベースコート
上に透明トップコートを塗布し、加熱によって硬化する
塗装系において、該透明トップコート用塗料が、(A)
トリフルオロモノクロロオレフィン40〜60モル%、
ヒドロキシアルキルビニルエーテル3〜15モル%、シ
クロヘキシルビニルエーテル3〜15モル%、アルキル
ビニルエーテル3〜15モル%、グリシジル含有ラジカ
ル重合性モノマー5〜40モル%からなる樹脂、(B)
ラジカル重合可能な不飽和結合と酸無水物を有するモン
マーおよびカルボキシル基を含まない他の共重合可能な
不飽和結合を有するモノマーからなる重合体の酸無水物
基を開環してハーフエステル化されてなる樹脂、(C)
反応触媒、および(D)全樹脂固形分中にアミノ樹脂が
1〜10固形分重量部含有してなる樹脂を主成分とし、
前記(A)のエポキシ当量/前記(B)の酸無水物基に
起因するカルボン酸当量=1/0.6〜1/1.1であ
り、生成塗膜の熱軟化温度が50〜80℃であることを
特徴とする自動車用撥水性トップコート塗料組成物によ
っても達成される。
【0016】
【作用】まず構成を説明すると、本発明に係るトップコ
ートクリヤー塗料組成物は、(A)トリフルオロモノク
ロロオレフィン、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、
シクロヘキシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテ
ル、グリシル含有ラジカル重合性モノマーからなる樹脂
(以下、単に樹脂Aともいう)、(B)ラジカル重合可
能な不飽和結合及び酸無水物基を有するモノマーと他の
共重合可能な不飽和基を有するモノマーからなる重合体
の酸無水物基を開環してハーフエステル化されて成る樹
脂(以下、単に樹脂Bともいう)、(C)反応触媒C、
および(D)(必要に応じて)アミノ樹脂D(以下、単
に樹脂Dともいう)、を主成物としてなることを構成上
の特徴とする。
【0017】本発明に用いられる樹脂Aは、トリフルオ
ロモノクロロオレフィン、ヒドロキシアルキルビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、アルキルビニ
ルエーテルおよびグリシジル含有重合性モノマーを必須
構成成分とする共重合体である。
【0018】まず、上記構成成分のうちトリフルオロモ
ノクロロオレフィンとしては、下記化学式(I)に示す
ものが用いられる。
【0019】
【化1】
【0020】樹脂Aの数平均分子量は3000〜100
00の範囲である。上記共重合体中のトリフルオロモノ
クロロオレフィン含有量は、通常40〜60モル%であ
る。該トリフルオロモノクロロオレフィン含有量が40
モル%未満の場合には、耐候性、撥水性の点から好まし
くないばかりでなく製造面で不都合を生ずる。また、ト
リフルオロモノクロロオレフィン含有量が60モル%を
越える場合には、製造面で難があるため好ましくない。
【0021】次に、上記共重合体中のヒドロキシアルキ
ルビニルエーテル含有量は、通常3〜15モル%であ
る。該ヒドロキシルアルキルビニルエーテル含有量が1
5モル%を越える場合には、共重合体の溶解性が変化
し、アルコール類など特定のものしか溶解しなくなると
ともに、かかる塗料組成物のポットライフを減少させ、
塗料の施工性を著しく損なう。また該含有量が3モル%
未満の場合には、硬化性が不充分となり、硬化時間の増
加、硬化塗膜の耐溶剤制、耐汚染性等の低下を招く。
【0022】また、上記共重合体中のシクロヘキシルビ
ニルエーテル含有量は、通常3〜15モル%である。該
シクロヘキシルビニルエーテル含有量が3モル%未満の
場合には、塗膜としたときの硬度が低下し、また15モ
ル%を越える場合には、耐候性が低下し、クラックが生
じやすくなるなど好ましくない。
【0023】さらに、上記構成成分のうちアルキルビニ
ルエーテルとしては、エチルビニルエーテル、イソブチ
ルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなどの炭
素数が2〜8、特に好ましくは2〜4の直鎖状または分
岐鎖状のアルキル基を有するアルキルビニルエーテルが
可撓性付与の面から好ましいものである。
【0024】上記共重合体中のアルキルビニルエーテル
含有量は、通常3〜15モル%である。該アルキルビニ
ルエーテル含有量が3モル%未満の場合には、可撓性が
低下し、また15モル%を越える場合には、塗膜硬度が
低下するので好ましくない。
【0025】上記構成成分のうちグリシジル含有重合性
モノマーとしては、メタクリル酸グリシジル、アクリル
酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどが挙げら
れる。上記共重合体中のグリシジル含有重合性モノマー
の含有量は、通常5〜40モル%である。該グリシジル
含有重合性モノマーの含有量が5モル%未満の場合に
は、硬化性が十分でなく、また該含有量が40モル%を
越える場合には、塗膜が硬くなりすぎ、耐候性が悪くな
るので好ましくない。
【0026】次に本発明に用いられる樹脂Bにおいて、
ラジカル重合可能な不飽和結合基と酸無水物とを含むモ
ノマーとしては、例えば、無水イタコン酸、無水マレイ
ン酸等が挙げられる。また、共重合体を得るための他の
共重合可能なモノマーとしては、スチレン、α−メチル
スチレン、アクリル酸エステル類(例えば、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類
(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルま
たはメタクリル酸ラウリル)、アクリルアミド、メタク
リルアミド等が挙げられる。
【0027】上記ラジカル重合可能な不飽和結合と酸無
水物を有するモノマーおよびカルボキシル基を含まない
他の共重合可能な不飽和結合を有するモノマーからなる
重合体の数平均分子量は500〜40000、好ましく
は、1000〜20000である。該重合体の数平均分
子量が40000より大きいと共重合体の粘度が高くな
り、高固形分の熱硬化性組成物になりにくい。一方、該
重合体の数平均分子量が500より小さいと硬化性が十
分でない。
【0028】また、樹脂Bは、上記ラジカル重合可能な
不飽和結合と酸無水物を有するモノマーおよびカルボキ
シル基を含まない他の共重合可能な不飽和結合を有する
モノマーからなる重合体の酸無水物基においてハーフエ
ステル化されているが、このハーフエステル化はポリマ
ー化の後に行ってもよいし、ラジカル重合可能な不飽和
結合基と酸無水物基を含むモノマーを活性水素を有する
化合物と反応させた後、ポリマー化を行ってもよい。ハ
ーフエステル化剤としては、低分子量のアルコール類、
例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルアミノ
エタノール、アセトール、プロパギルアルコール等があ
る。
【0029】次に、本発明に用いられる反応触媒C(エ
ステル化触媒)は、エステル化反応(酸とエポキシとの
反応)に通常用いられるもので良く、例えば、第4級ア
ンモニウム塩が好ましい。具体的には、ベンジルトリメ
ヂルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアン
モニウムブロマイド、ベンジルトリブチルアンモニウム
クロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロマイ
ド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、テト
ラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモ
ニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイ
ド、テトラブチルアンモニウムサリチレート等が挙げら
れる。反応触媒の好ましい添加量は、樹脂固形分に対し
て0.1〜3.0重量%(固形分比)、より好ましく
は、0.5〜2.0重量%(固形分比)である。反応触
媒の添加量が0.1重量%未満では、硬化性が不充分で
あり、良好な洗車傷性が得られにくく、また3.0重量
%を越える場合には、貯蔵安定性の点でライン使用の適
性が得られにくくなる。
【0030】本発明に用いられる樹脂Dとしては、例え
ば、メラミン、尿素、ベンゾクアナミン、アセトクアナ
ミン等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得ら
れる公知の部分もしくは、完全メチロール化アミノ樹脂
が挙げられる。樹脂Dは、硬化性を助ける為に添加され
るものであって、必要に応じて任意に添加されるもので
あるが、本発明の自動車用撥水性トップコート塗料組成
物中に、好ましくは1〜10重量%の範囲で添加されて
いることが望ましい。該樹脂Dの含有量が10重量%を
越えると耐酸性が低下するため、好ましくない。
【0031】また、上記樹脂Aと上記樹脂Bの配合割合
としては、樹脂Aのエポキシ当量に対する樹脂Bのカル
ボン酸当量の比率が、樹脂Aのエポキシ当量/樹脂Bの
カルボン酸当量=1/0.6〜1/1.1、好ましくは
1/0.8〜1/1になるよう配合することを必要とす
る。該当量の比率が、樹脂Aのエポキシ当量/樹脂Bの
カルボン酸当量=1/1.1より樹脂Bの配合割合が高
い場合、硬化性が不十分であり、また、樹脂Aのエポキ
シ当量/樹脂Bのカルボン酸当量=1/0.6より樹脂
Bの配合割合が低い場合、クリヤーとして焼付黄変性が
問題となる。
【0032】その他に、本発明の自動車用撥水性トップ
コート塗料組成物中に添加することのできる成分として
は、以上に記した各成分に加えて、ベンゾフェノール系
等の紫外線吸収剤を1〜3重量%(固形分比)、フェノ
ール系スルフォイド系の酸化防止剤を0.1〜10重量
%(固形分比)、シリコーンや有機高分子等の表面調整
剤を0.1〜10重量%、またタレ止め剤、増粘剤等の
添加剤を全体として塗料中に0.1〜5重量%程度使用
することができる。これらの併用は塗料性能、塗膜性能
の改善に効果的であり好ましい。
【0033】また、本発明に用いられる有機溶媒として
は、塗料において慣用的に使用されている任意の有機液
体、又は液体混合物、たとえば、トルエンまたはキシレ
ンのような芳香族炭化水素系溶剤、n−ヘキサンやヘプ
タンのような脂肪族炭化水素系溶剤、主として脂肪族炭
化水素よりなり、多少の芳香族炭化水素を含有する種々
の沸点範囲の石油留分、酢酸ブチル、エチレングリコー
ルジアセテート、2−エトキシエチルアセテート等のエ
ステル、アセテートまたはメチルイソブチルケトン等の
ケトン類、およびブチルアルコール等のアルコール系溶
剤などが使用できる。該有機溶媒は、塗装時固形分とし
て通常30〜60重量%に調整される。
【0034】さらに樹脂Aおよび樹脂Bを構成するモノ
マー組成は、上記本構成成分によって生成された塗膜
が、TMAで測定される熱軟化温度が50〜80℃とな
るように選択することが重要である。該熱軟化温度が5
0℃未満では、ライン内でゴミ研ぎ補修時、ポリッシュ
工程で塗膜が研磨剤に絡みつき支障をきたす。また、8
0℃を越える場合では洗車傷性が不良となる。
【0035】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。
【0036】 合成例1 エポキシ含有フッ素樹脂(A−1)の合成 内容積200ccのステンレス製攪拌機付オートクレー
ブに、下記表1に示す組成成分を仕込み、液体窒素によ
る固化−脱気による溶存空気を除去した。
【0037】
【表1】
【0038】しかるのちに、クロロトリフルオロエチレ
ン36gをオートクレーブ中に導入し、徐々に昇温し反
応させてエポキシ含有フッ素樹脂(A−1)を得た。
【0039】 合成例2 エポキシ含有フッ素樹脂(A−2)の合成 内容積200ccのステンレス製攪拌機付オートクレー
ブに、下記表2に示す組成成分を仕込み、液体窒素によ
る固化−脱気による溶存空気を除去した。
【0040】
【表2】
【0041】しかるのちに、クロロトリフルオロエチレ
ン36gをオートクレーブ中に導入し、徐々に昇温し反
応させてエポキシ含有フッ素樹脂(A−2)を得た。
【0042】合成例3 ラジカル重合可能な不飽和結合
および無水カルボン酸基を含む樹脂ワックス(b−1)
の合成 温度計、攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、滴下ロート
を備えた1リットルの反応容器にキシレン80重量部を
仕込み、115℃に昇温した。
【0043】昇温後、上記反応容器に滴下ロートを用い
て、下記表3に示す組成成分を3時間かけて滴下し、さ
らに2時間攪拌を継続し、不揮発分53%、数平均分子
量7000の無水カルボン酸を含む樹脂ワックス(b−
1)を得た。
【0044】
【表3】
【0045】合成例4 ラジカル重合可能な不飽和結合
および無水カルボン酸基を含む樹脂ワックス(b−2)
の合成 温度計、攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、滴下ロート
を備えた1リットルの反応容器にソルベッソ#100を
100重量部を仕込み、115℃に昇温した。
【0046】昇温後、上記反応容器に滴下ロートを用い
て、下記表4に示す組成成分を3時間かけて滴下し、さ
らに2時間攪拌を継続し、不揮発分53%、数平均分子
量5500の無水カルボン酸を含む樹脂ワックス(b−
2)を得た。
【0047】
【表4】
【0048】 ハーフエステル化した樹脂(B−1)の製造 合成例3で得られた樹脂ワックス(b−1)385重量
部に、酢酸ブチル35重量部に溶解したトリエチルアミ
ン1.4重量部およびプロパギルアルコール30重量部
を加え、40℃で2時間反応させ、ハーフエステル化し
た樹脂(B−1)を得た。
【0049】 ハーフエステル化した樹脂(B−2)の製造 合成例3で得られた樹脂ワックス(b−2)372重量
部に、酢酸ブチル32重量部に溶解したトリエチルアミ
ン1.0重量部およびアセトール37重量部を加え、4
0℃で2時間反応させ、ハーフエステル化した樹脂(B
−2)を得た。
【0050】合成例5 カルボン酸、水酸基含有フッ素
樹脂(比較フッ素樹脂(E))の合成内容積200cc
のステンレス製攪拌機付オートクレーブに、下記表5に
示す組成成分を仕込み、液体窒素による固化−脱気によ
る溶存空気を除去した。
【0051】
【表5】
【0052】しかるのちに、クロロトリフルオロエチレ
ン36gをオートクレーブ中に導入し、徐々に昇温し反
応させて比較フッ素樹脂(E)を得た。
【0053】実施例1〜8および比較例1〜4 実施例1〜8および比較例1〜4の各塗料組成物の成分
組成および該組成物の比率(モル%)を表6に示す。
【0054】まず、リン酸亜鉛処理を施した暑さ0.8
mmのダル銅版にカチオン電着塗料(日本ペイント株式
会社製 パワートップU−50)を乾燥塗膜の厚さが約
25μmとなるよう電着塗装した。
【0055】次に、得られた電着塗装塗膜上に中塗り塗
料(日本ペイント株式会社製 オルガS−90シーラ
ー)を乾燥塗膜が約40μmとなるようにエアスプレー
塗装し、140℃で30分焼き付けた。その後、アクリ
ル樹脂系ベースコート(日本ペイント株式会社製 スー
パーラックM−80ブラック)を乾燥膜厚が約20μm
となるよう塗装し、3分間セッティングを行った。
【0056】ついで下記表6に示す各成分組成を有する
塗料組成物を有機溶媒(酢酸ブチル/ソルベッソ#15
0=1/2)を用い、フォードカップ#4にて常温で2
0秒に希釈調整し、静電塗装機AUTO REA(ラン
ズバークゲマ製)により、霧化圧5kg/cm2 で乾燥
膜厚が約40μmとなるように塗装し、約10分間セッ
ティング後、140℃で30分間焼き付け、塗板試験片
を得た。
【0057】次に実施例1〜8および比較例1〜4の各
種塗膜性能試験結果を下記表6に示す。
【0058】
【表6】
【0059】上記表6中の各種性能試験方法は、次の通
りである。
【0060】(1)耐酸性試験;1%硫酸水溶液中に塗
板試験片を浸漬し、60℃に保持し、24時間放置した
後、該塗板試験片を取り出し、塗膜状態を20°グロス
保持率(GR)にて評価する(表中、GR≧80%を
○、GR<80%を×とした)。
【0061】(2)洗車傷試験;日本粉体技術工業協会
試験用ダスト(関東ローム:微粒)を水に分散し、塗板
試験片の塗膜に塗布した後、洗車機(試作品)にて、水
を流しながらブラシを一定時間回転させる。その後、該
塗膜表面に付いたダストを拭き取り色差計(スガ試験機
製)にて、L値を測定し、未試験の未試験の塗板試験片
の塗膜のL値との差を取り、△L>5を×、△L≦5を
○とした。
【0062】(3)熱軟化温度;TMA(Thermal Mech
anical Analysis)にて、塗膜昇温時、塗板試験片の塗膜
が軟化する温度を測定する。
【0063】(4)撥水性試験;塗板試験片を温度20
℃、湿度70%の恒温恒湿室に置き、周囲環境条件に充
分適合した後に、接触角計にて該塗板試験片の塗膜表面
の水滴接触角を測定する。
【0064】(5)耐候後撥水性;サンシャインウェザ
オメータで1000時間試験後、水滴接触角を測定す
る。
【0065】
【発明の効果】本発明は酸性雨に弱いメラミン架橋系の
アミノ樹脂を使用しないか、または使用しても極力押さ
えることにより、酸性雨による水シミを防止することが
できる。
【0066】また、フッ素樹脂を配合することにより、
物理的に塗膜表面の劣化、破壊を防止することができ、
撥水持続性の向上がはかれる。
【0067】さらに、生成塗膜の熱軟化温度が50〜8
0℃になるモノマー組成を選択することによりライン工
程の適合性が容易に行うことができ、洗車での耐傷性を
良好にすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 豊 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 萩原 興一 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースコート上に透明トップコートを塗
    布し、加熱によって硬化する塗装系において、該透明ト
    ップコート用塗料が、(A)トリフルオロモノクロロオ
    レフィン40〜60モル%、ヒドロキシアルキルビニル
    エーテル3〜15モル%、シクロヘキシルビニルエーテ
    ル3〜15モル%、アルキルビニルエーテル3〜15モ
    ル%、グリシジル含有ラジカル重合性モノマー5〜40
    モル%からなる樹脂、(B)ラジカル重合可能な不飽和
    結合と酸無水物を有するモノマーおよびカルボキシル基
    を含まない他の共重合可能な不飽和結合を有するモノマ
    ーからなる重合体の酸無水物基を開環してハーフエステ
    ル化されてなる樹脂、および(C)反応触媒を主成分と
    し、前記(A)のエポキシ当量/前記(B)の酸無水物
    基に起因するカルボン酸当量=1/0.6〜1/1.1
    であり、生成塗膜の熱軟化温度が50〜80℃であるこ
    とを特徴とする自動車用撥水性トップコート塗料組成
    物。
  2. 【請求項2】 ベースコート上に透明トップコートを塗
    布し、加熱によって硬化する塗装系において、該透明ト
    ップコート用塗料が、(A)トリフルオロモノクロロオ
    レフィン40〜60モル%、ヒドロキシアルキルビニル
    エーテル3〜15モル%、シクロヘキシルビニルエーテ
    ル3〜15モル%、アルキルビニルエーテル3〜15モ
    ル%、グリシジル含有ラジカル重合性モノマー5〜40
    モル%からなる樹脂、(B)ラジカル重合可能な不飽和
    結合と酸無水物を有するモンマーおよびカルボキシル基
    を含まない他の共重合可能な不飽和結合を有するモノマ
    ーからなる重合体の酸無水物基を開環してハーフエステ
    ル化されてなる樹脂、(C)反応触媒、および(D)全
    樹脂固形分中にアミノ樹脂が1〜10固形分重量部含有
    してなる樹脂を主成分とし、前記(A)のエポキシ当量
    /前記(B)の酸無水物基に起因するカルボン酸当量=
    1/0.6〜1/1.1であり、生成塗膜の熱軟化温度
    が50〜80℃であることを特徴とする自動車用撥水性
    トップコート塗料組成物。
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