JP2000169784A - 自動車上塗り用クリヤー塗料、複層塗膜形成方法及び自動車車体 - Google Patents
自動車上塗り用クリヤー塗料、複層塗膜形成方法及び自動車車体Info
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- JP2000169784A JP2000169784A JP10345717A JP34571798A JP2000169784A JP 2000169784 A JP2000169784 A JP 2000169784A JP 10345717 A JP10345717 A JP 10345717A JP 34571798 A JP34571798 A JP 34571798A JP 2000169784 A JP2000169784 A JP 2000169784A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 貯蔵安定性、耐候性、耐酸性等の基本性能を
有し、かつ、ワックスフリーの撥水性を有しつつ、テー
プ付着性に優れた自動車上塗り用クリヤー塗料を提供
し、それを用いた自動車車体の複層塗膜形成方法及び自
動車車体をも提供する。 【解決手段】 ハーフエステル酸基含有アクリル共重合
体(I)、エポキシ基含有アクリル共重合体(II)及び
カルボキシル基含有フッ素系アクリル共重合体(III)
を樹脂成分とし、前記カルボキシル基含有フッ素系アク
リル共重合体(III)は、前記樹脂成分全量に対して1
0〜60重量%(固形分換算)である自動車上塗り用ク
リヤー塗料。
有し、かつ、ワックスフリーの撥水性を有しつつ、テー
プ付着性に優れた自動車上塗り用クリヤー塗料を提供
し、それを用いた自動車車体の複層塗膜形成方法及び自
動車車体をも提供する。 【解決手段】 ハーフエステル酸基含有アクリル共重合
体(I)、エポキシ基含有アクリル共重合体(II)及び
カルボキシル基含有フッ素系アクリル共重合体(III)
を樹脂成分とし、前記カルボキシル基含有フッ素系アク
リル共重合体(III)は、前記樹脂成分全量に対して1
0〜60重量%(固形分換算)である自動車上塗り用ク
リヤー塗料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯蔵安定性、耐候
性、耐酸性を有し、かつ、ワックスフリーの優れた撥水
性とテープ付着性に優れた自動車上塗り用クリヤー塗
料、それを用いた自動車車体の複層塗膜形成方法及び自
動車車体に関する。
性、耐酸性を有し、かつ、ワックスフリーの優れた撥水
性とテープ付着性に優れた自動車上塗り用クリヤー塗
料、それを用いた自動車車体の複層塗膜形成方法及び自
動車車体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の上塗り用クリヤー塗料は、自動
車車体塗装用塗膜の最外層を構成するものであることか
ら、塗料としての最低限の性能である貯蔵安定性のほ
か、美粧性、耐候性等を基本性能として有することが要
求されている。近年、クリヤー塗膜のエッチング現象の
原因が酸性雨であり、当該酸性雨によるエッチングが塗
膜中に存在する硬化剤メラミンに基づくものであること
が判明し、酸性雨によるエッチングを防止する耐酸性を
付与するため、メラミン硬化系以外の硬化系の開発が進
んでいる。
車車体塗装用塗膜の最外層を構成するものであることか
ら、塗料としての最低限の性能である貯蔵安定性のほ
か、美粧性、耐候性等を基本性能として有することが要
求されている。近年、クリヤー塗膜のエッチング現象の
原因が酸性雨であり、当該酸性雨によるエッチングが塗
膜中に存在する硬化剤メラミンに基づくものであること
が判明し、酸性雨によるエッチングを防止する耐酸性を
付与するため、メラミン硬化系以外の硬化系の開発が進
んでいる。
【0003】特開平2−45577号公報及び特開平3
−287650号公報には、メラミン硬化剤を使用しな
い塗料組成物が開示されている。この塗料組成物は、酸
基とエポキシ基とを反応させることにより生じるエステ
ル結合を架橋点とするため、耐酸性が良好である。しか
しながら、この硬化系では、塗膜に充分な耐候性を付与
するために架橋密度を上げた場合、固く脆い塗膜が形成
され易く、また、耐汚染性や撥水性については検討がな
されていなかった。
−287650号公報には、メラミン硬化剤を使用しな
い塗料組成物が開示されている。この塗料組成物は、酸
基とエポキシ基とを反応させることにより生じるエステ
ル結合を架橋点とするため、耐酸性が良好である。しか
しながら、この硬化系では、塗膜に充分な耐候性を付与
するために架橋密度を上げた場合、固く脆い塗膜が形成
され易く、また、耐汚染性や撥水性については検討がな
されていなかった。
【0004】特開平6−57077号公報には、水酸基
及び/又は酸基官能性フッ素化ポリマーを含有する熱硬
化性樹脂組成物が開示されている。この組成物は、当該
フッ素化ポリマーに起因する撥水性を有し、また、優れ
た耐汚染性を有するものであった。しかしながら、この
フッ素化ポリマーは、水酸基含有フッ素化ポリマーに二
塩基酸無水物の残基を結合させることにより調製される
ものであるので、得られる組成物に充分な撥水性を付与
させるためには当該水酸基含有フッ素化ポリマーのフッ
素含有量を多くする必要があり、フッ素含有量が多くな
ると原料が高価なものとなるため、更に経済的な面で有
利な塗料の開発が望まれる現状であった。
及び/又は酸基官能性フッ素化ポリマーを含有する熱硬
化性樹脂組成物が開示されている。この組成物は、当該
フッ素化ポリマーに起因する撥水性を有し、また、優れ
た耐汚染性を有するものであった。しかしながら、この
フッ素化ポリマーは、水酸基含有フッ素化ポリマーに二
塩基酸無水物の残基を結合させることにより調製される
ものであるので、得られる組成物に充分な撥水性を付与
させるためには当該水酸基含有フッ素化ポリマーのフッ
素含有量を多くする必要があり、フッ素含有量が多くな
ると原料が高価なものとなるため、更に経済的な面で有
利な塗料の開発が望まれる現状であった。
【0005】また、当該二塩基酸無水物の残基は加水分
解反応を起こす可能性があり、経時による加水分解によ
って酸無水物が析出した場合には、この組成物により塗
膜を形成させたときに塗膜白化の原因となったり、この
組成物を含有する組成物が貯蔵中に粘度上昇を起こして
塗料としての貯蔵安定性に問題が生じるおそれがあるの
で、経時によっても析出物が生じる可能性がない組成物
が得られれば、更に品質の高い塗料を得ることができる
現状であった。
解反応を起こす可能性があり、経時による加水分解によ
って酸無水物が析出した場合には、この組成物により塗
膜を形成させたときに塗膜白化の原因となったり、この
組成物を含有する組成物が貯蔵中に粘度上昇を起こして
塗料としての貯蔵安定性に問題が生じるおそれがあるの
で、経時によっても析出物が生じる可能性がない組成物
が得られれば、更に品質の高い塗料を得ることができる
現状であった。
【0006】自動車上塗り用クリヤー塗膜が有する耐汚
染性は、単に汚れが付着しにくいことを意味するばかり
ではなく、優れた外観を与える美粧性の観点からも重要
である。即ち、通常、自動車塗膜最外層は、使用者によ
って、水洗により汚れを除去した後にツヤ出しのために
ワックスを丁寧にかけて表面に撥水性を付与することが
行われており、それが自動車の高級感を演出するので、
特に高級車には表面の撥水性が美粧性向上の意味からも
必要となる。そこで、ワックスフリーとするに必要な撥
水性を有するクリヤー塗膜を提供すれば、使用者はワッ
クスを丁寧にかける手間を要することなく手軽に高級感
を獲得することができることとなるので、そうした撥水
性を有する美粧性に優れた自動車上塗り用クリヤー塗料
が望まれていた。
染性は、単に汚れが付着しにくいことを意味するばかり
ではなく、優れた外観を与える美粧性の観点からも重要
である。即ち、通常、自動車塗膜最外層は、使用者によ
って、水洗により汚れを除去した後にツヤ出しのために
ワックスを丁寧にかけて表面に撥水性を付与することが
行われており、それが自動車の高級感を演出するので、
特に高級車には表面の撥水性が美粧性向上の意味からも
必要となる。そこで、ワックスフリーとするに必要な撥
水性を有するクリヤー塗膜を提供すれば、使用者はワッ
クスを丁寧にかける手間を要することなく手軽に高級感
を獲得することができることとなるので、そうした撥水
性を有する美粧性に優れた自動車上塗り用クリヤー塗料
が望まれていた。
【0007】ところで、自動車車体には、サイドモー
ル、パンパー上のゴム、ストライプ模様、エンブレム等
の大小さまざまな部品が装備されているが、近年はこれ
らはすべて塗装後の自動車外板上の塗膜最外層の上に両
面テープによって接着することにより装着されている。
そこで、自動車外板上の塗膜、特に複層塗膜の最外層を
構成するクリヤー塗膜は、テープ付着性という新しい機
能をも具備することが必要とされるようになってきた。
ル、パンパー上のゴム、ストライプ模様、エンブレム等
の大小さまざまな部品が装備されているが、近年はこれ
らはすべて塗装後の自動車外板上の塗膜最外層の上に両
面テープによって接着することにより装着されている。
そこで、自動車外板上の塗膜、特に複層塗膜の最外層を
構成するクリヤー塗膜は、テープ付着性という新しい機
能をも具備することが必要とされるようになってきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の現状
に鑑み、貯蔵安定性、耐候性、耐酸性等の基本性能を有
し、かつ、ワックスフリーの撥水性を有しつつ、テープ
付着性に優れた自動車上塗り用クリヤー塗料を提供し、
それを用いた自動車車体の複層塗膜形成方法及び自動車
車体をも提供することを目的とするものである。
に鑑み、貯蔵安定性、耐候性、耐酸性等の基本性能を有
し、かつ、ワックスフリーの撥水性を有しつつ、テープ
付着性に優れた自動車上塗り用クリヤー塗料を提供し、
それを用いた自動車車体の複層塗膜形成方法及び自動車
車体をも提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハーフエステ
ル酸基含有アクリル共重合体(I)、エポキシ基含有ア
クリル共重合体(II)及びカルボキシル基含有フッ素系
アクリル共重合体(III)を樹脂成分とし、上記カルボ
キシル基含有フッ素系アクリル共重合体(III)は、上
記樹脂成分全量に対して10〜60重量%(固形分換
算)である自動車上塗り用クリヤー塗料であって、上記
ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体(I)は、酸
無水物基含有ラジカル重合性単量体(I−a)とその他
のラジカル重合性単量体(I−b)とにより共重合体を
得た後、上記酸無水物基を低分子量のアルコール系化合
物によってハーフエステル化することにより得られるも
のであり、上記エポキシ基含有アクリル共重合体(II)
は、エポキシ基含有ラジカル重合性単量体(II−a)3
0〜70重量部、水酸基含有ラジカル重合性単量体(II
−b)10〜50重量部、及び、その他のラジカル重合
性単量体(II−c)20〜60重量部を共重合して得ら
れる共重合体であって、数平均分子量(Mn)1000
〜8000、エポキシ当量100〜800(固形分換
算)、水酸基価5〜200mgKOH/g(固形分換
算)のものであり、上記カルボキシル基含有フッ素系ア
クリル共重合体(III)は、フッ素系ラジカル重合性単
量体(III−a)10〜60モル%、一般式; CH2 =CH−OC(=O)−R1 [式中、R1 は、分岐を有するか若しくは分岐を有しな
い炭素数1〜22のアルキル基、又は、−(CH2 )m
−R2 −(CH2 )n −H(R2 は、置換基を有するか
若しくは置換基を有しないシクロアルキレン基、又は、
二価の芳香族基を表す。m、nは、0〜12の整数を表
す。)を表す。]で表される脂肪酸ビニルエステル(II
I−b)10〜70モル%、カルボキシル基含有ラジカ
ル重合性単量体(III−c)1〜60モル%、及び、そ
の他のラジカル重合性単量体(III−d)0〜20モル
%からなる総量100モル%の単量体混合物を共重合さ
せて得られる共重合体であって、数平均分子量(Mn)
1000〜8000、酸価40〜150mgKOH/g
(固形分換算)のものである自動車上塗り用クリヤー塗
料である。
ル酸基含有アクリル共重合体(I)、エポキシ基含有ア
クリル共重合体(II)及びカルボキシル基含有フッ素系
アクリル共重合体(III)を樹脂成分とし、上記カルボ
キシル基含有フッ素系アクリル共重合体(III)は、上
記樹脂成分全量に対して10〜60重量%(固形分換
算)である自動車上塗り用クリヤー塗料であって、上記
ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体(I)は、酸
無水物基含有ラジカル重合性単量体(I−a)とその他
のラジカル重合性単量体(I−b)とにより共重合体を
得た後、上記酸無水物基を低分子量のアルコール系化合
物によってハーフエステル化することにより得られるも
のであり、上記エポキシ基含有アクリル共重合体(II)
は、エポキシ基含有ラジカル重合性単量体(II−a)3
0〜70重量部、水酸基含有ラジカル重合性単量体(II
−b)10〜50重量部、及び、その他のラジカル重合
性単量体(II−c)20〜60重量部を共重合して得ら
れる共重合体であって、数平均分子量(Mn)1000
〜8000、エポキシ当量100〜800(固形分換
算)、水酸基価5〜200mgKOH/g(固形分換
算)のものであり、上記カルボキシル基含有フッ素系ア
クリル共重合体(III)は、フッ素系ラジカル重合性単
量体(III−a)10〜60モル%、一般式; CH2 =CH−OC(=O)−R1 [式中、R1 は、分岐を有するか若しくは分岐を有しな
い炭素数1〜22のアルキル基、又は、−(CH2 )m
−R2 −(CH2 )n −H(R2 は、置換基を有するか
若しくは置換基を有しないシクロアルキレン基、又は、
二価の芳香族基を表す。m、nは、0〜12の整数を表
す。)を表す。]で表される脂肪酸ビニルエステル(II
I−b)10〜70モル%、カルボキシル基含有ラジカ
ル重合性単量体(III−c)1〜60モル%、及び、そ
の他のラジカル重合性単量体(III−d)0〜20モル
%からなる総量100モル%の単量体混合物を共重合さ
せて得られる共重合体であって、数平均分子量(Mn)
1000〜8000、酸価40〜150mgKOH/g
(固形分換算)のものである自動車上塗り用クリヤー塗
料である。
【0010】本発明はまた、自動車外板上に下塗り塗膜
層を形成し、着色顔料及び/又は光輝性顔料を含むベー
ス塗料を塗装した上に、上塗り用クリヤー塗料をウェッ
トオンウェットで塗装した後、加熱硬化させることより
なる自動車車体の複層塗膜形成方法であって、上記上塗
り用クリヤー塗料には、上記自動車上塗り用クリヤー塗
料を用いる自動車車体の複層塗膜形成方法でもある。
層を形成し、着色顔料及び/又は光輝性顔料を含むベー
ス塗料を塗装した上に、上塗り用クリヤー塗料をウェッ
トオンウェットで塗装した後、加熱硬化させることより
なる自動車車体の複層塗膜形成方法であって、上記上塗
り用クリヤー塗料には、上記自動車上塗り用クリヤー塗
料を用いる自動車車体の複層塗膜形成方法でもある。
【0011】本発明はまた、自動車外板上に下塗り塗膜
層を形成し、着色顔料を含むソリッド塗料を塗装して加
熱硬化した上に、又は、ベース塗料とクリヤー塗料とを
ウェットオンウェットで塗装して加熱硬化した上に、上
塗り用クリヤー塗料をドライオンウェットで塗装した
後、加熱硬化させることよりなる自動車車体の複層塗膜
形成方法であって、上記上塗り用クリヤー塗料には、上
記自動車上塗り用クリヤー塗料を用いる自動車車体の複
層塗膜形成方法でもある。
層を形成し、着色顔料を含むソリッド塗料を塗装して加
熱硬化した上に、又は、ベース塗料とクリヤー塗料とを
ウェットオンウェットで塗装して加熱硬化した上に、上
塗り用クリヤー塗料をドライオンウェットで塗装した
後、加熱硬化させることよりなる自動車車体の複層塗膜
形成方法であって、上記上塗り用クリヤー塗料には、上
記自動車上塗り用クリヤー塗料を用いる自動車車体の複
層塗膜形成方法でもある。
【0012】本発明は更に、複層塗膜により塗装された
自動車車体であって、上記複層塗膜の最外層は、上記自
動車上塗り用クリヤー塗料により形成されたものである
自動車車体でもある。以下に本発明を詳述する。
自動車車体であって、上記複層塗膜の最外層は、上記自
動車上塗り用クリヤー塗料により形成されたものである
自動車車体でもある。以下に本発明を詳述する。
【0013】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料は、
ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体(I)、エポ
キシ基含有アクリル共重合体(II)及びカルボキシル基
含有フッ素系アクリル共重合体(III)を樹脂成分とす
るものである。
ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体(I)、エポ
キシ基含有アクリル共重合体(II)及びカルボキシル基
含有フッ素系アクリル共重合体(III)を樹脂成分とす
るものである。
【0014】上記ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(I)は、酸無水物基含有ラジカル重合性単量体
(I−a)とその他のラジカル重合性単量体(I−b)
とにより共重合体を得た後、上記酸無水物基を低分子量
のアルコール系化合物によってハーフエステル化するこ
とにより得られるものである。
合体(I)は、酸無水物基含有ラジカル重合性単量体
(I−a)とその他のラジカル重合性単量体(I−b)
とにより共重合体を得た後、上記酸無水物基を低分子量
のアルコール系化合物によってハーフエステル化するこ
とにより得られるものである。
【0015】上記酸無水物基含有ラジカル重合性単量体
(I−a)としては、上記ハーフエステル酸基含有アク
リル共重合体(I)を得るための酸無水物基を含有する
ラジカル重合可能な単量体であれば特に限定されず、例
えば、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコ
ン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
(I−a)としては、上記ハーフエステル酸基含有アク
リル共重合体(I)を得るための酸無水物基を含有する
ラジカル重合可能な単量体であれば特に限定されず、例
えば、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコ
ン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0016】上記その他のラジカル重合性単量体(I−
b)としては特に限定されず、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−
n、i及びt−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル類;メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸−n、i及びt−ブチル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル
等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、メタク
リルアミド等のアミド類等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
b)としては特に限定されず、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−
n、i及びt−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル類;メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸−n、i及びt−ブチル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル
等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、メタク
リルアミド等のアミド類等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】上記酸無水物基含有ラジカル重合性単量体
(I−a)と上記その他のラジカル重合性単量体(I−
b)とにより共重合体を得る際の共重合組成において、
上記酸無水物基含有ラジカル重合性単量体(I−a)
は、全単量体重量に対し、10〜40重量%、特に15
〜30重量%が好ましい。
(I−a)と上記その他のラジカル重合性単量体(I−
b)とにより共重合体を得る際の共重合組成において、
上記酸無水物基含有ラジカル重合性単量体(I−a)
は、全単量体重量に対し、10〜40重量%、特に15
〜30重量%が好ましい。
【0018】上記共重合方法としては特に限定されず、
例えば、通常のラジカル重合等の溶液重合等により行う
ことができる。上記共重合体の数平均分子量(Mn)
は、500〜10000、特に1000〜8000が好
ましい。上記数平均分子量(Mn)が500未満である
と、塗料の硬化性が充分でなく、10000を超える
と、共重合体の粘度が高くなり、高固形分熱硬化性塗料
になりにくい。なお、本明細書において、数平均分子量
(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフイー)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量
である。
例えば、通常のラジカル重合等の溶液重合等により行う
ことができる。上記共重合体の数平均分子量(Mn)
は、500〜10000、特に1000〜8000が好
ましい。上記数平均分子量(Mn)が500未満である
と、塗料の硬化性が充分でなく、10000を超える
と、共重合体の粘度が高くなり、高固形分熱硬化性塗料
になりにくい。なお、本明細書において、数平均分子量
(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフイー)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量
である。
【0019】上記共重合体における上記酸無水物基は、
1分子中に少なくとも2個含有する。2個より少ない
と、硬化性が充分でない欠点を有する。好ましくは2〜
15個である。
1分子中に少なくとも2個含有する。2個より少ない
と、硬化性が充分でない欠点を有する。好ましくは2〜
15個である。
【0020】上記ハーフエステル化は、上記共重合体を
得た後に行う。上記酸無水物基を上記ハーフエステル化
するために用いるハーフエステル化剤としては、低分子
量のアルコール系化合物であれば特に限定されず、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−
プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−
ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジ
メチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、
アセトール、アリルアルコール、プロパルギルアルコー
ル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。これらの中でも、特に好ましい
化合物としては、アセトール、アリルアルコール、プロ
パギルアルコール、メタノールである。
得た後に行う。上記酸無水物基を上記ハーフエステル化
するために用いるハーフエステル化剤としては、低分子
量のアルコール系化合物であれば特に限定されず、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−
プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−
ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジ
メチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、
アセトール、アリルアルコール、プロパルギルアルコー
ル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。これらの中でも、特に好ましい
化合物としては、アセトール、アリルアルコール、プロ
パギルアルコール、メタノールである。
【0021】上記ハーフエステル化の反応方法としては
特に限定されず、例えば、通常の方法に従い、室温から
120℃の温度で、触媒の存在下に行うことができる。
上記触媒としては特に限定されず、例えば、トリエチル
アミン、トリブチルアミン等の第3級アミン類;ベンジ
ルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチ
ルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニ
ウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミ
ド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特に限定されず、例えば、通常の方法に従い、室温から
120℃の温度で、触媒の存在下に行うことができる。
上記触媒としては特に限定されず、例えば、トリエチル
アミン、トリブチルアミン等の第3級アミン類;ベンジ
ルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチ
ルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニ
ウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミ
ド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】上記エポキシ基含有アクリル共重合体(I
I)は、エポキシ基含有ラジカル重合性単量体(II−
a)30〜70重量部、水酸基含有ラジカル重合性単量
体(II−b)10〜50重量部、及び、その他のラジカ
ル重合性単量体(II−c)20〜60重量部を共重合し
て得られる共重合体である。
I)は、エポキシ基含有ラジカル重合性単量体(II−
a)30〜70重量部、水酸基含有ラジカル重合性単量
体(II−b)10〜50重量部、及び、その他のラジカ
ル重合性単量体(II−c)20〜60重量部を共重合し
て得られる共重合体である。
【0023】上記エポキシ基含有ラジカル重合性単量体
(II−a)としては特に限定されず、例えば、(メタ)
アクリル酸グリシジル、3,4−エポキシシクロヘキサ
ニルメチルメタクリレート等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(II−a)としては特に限定されず、例えば、(メタ)
アクリル酸グリシジル、3,4−エポキシシクロヘキサ
ニルメチルメタクリレート等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】上記水酸基含有ラジカル重合性単量体(II
−b)としては特に限定されず、例えば、(メタ)アク
リル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−
4−ヒドロキシブチル、プラクセルFM−1(商品名、
ダイセル社製)等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
−b)としては特に限定されず、例えば、(メタ)アク
リル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−
4−ヒドロキシブチル、プラクセルFM−1(商品名、
ダイセル社製)等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】上記その他のラジカル重合性単量体(II−
c)としては特に限定されず、例えば、上述したその他
のラジカル重合性単量体(I−b)と同様なものが挙げ
られる。
c)としては特に限定されず、例えば、上述したその他
のラジカル重合性単量体(I−b)と同様なものが挙げ
られる。
【0026】上記エポキシ基含有アクリル共重合体(I
I)は、上述したラジカル重合性単量体及びラジカル重
合開始剤により共重合して得られる。上記共重合方法と
しては特に限定されず、通常のラジカル重合等の溶液重
合等により行うことができ、例えば、重合温度100〜
140℃、重合時間3〜8時間で行うことができる。
I)は、上述したラジカル重合性単量体及びラジカル重
合開始剤により共重合して得られる。上記共重合方法と
しては特に限定されず、通常のラジカル重合等の溶液重
合等により行うことができ、例えば、重合温度100〜
140℃、重合時間3〜8時間で行うことができる。
【0027】上記ラジカル重合開始剤としては特に限定
されず、例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチ
レート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。上記ラジカル重合開始剤
は、上述した単量体の全量に対して、3〜15重量%使
用するのが好ましい。上記共重合には、添加剤として連
鎖移動剤等を添加してもよい。
されず、例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチ
レート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。上記ラジカル重合開始剤
は、上述した単量体の全量に対して、3〜15重量%使
用するのが好ましい。上記共重合には、添加剤として連
鎖移動剤等を添加してもよい。
【0028】上記エポキシ基含有アクリル共重合体(I
I)は、数平均分子量(Mn)が1000〜8000で
あり、分子中にエポキシ基を2〜10個有し、及び、水
酸基を2〜12個有し、また、エポキシ当量が100〜
800であり、水酸基価が5〜200mgKOH/gで
ある。上記エポキシ当量が100未満であると、塗料の
硬化性が充分でなく、800を超えると、硬化塗膜が硬
くなりすぎ、耐候性が悪くなる。上記水酸基価が5mg
KOH/g未満であると、密着性が劣り、200mgK
OH/gを超えると、硬化塗膜の耐水性が充分でなくな
る。好ましくは、分子中にエポキシ基を3〜8個有し、
及び、水酸基を4〜10個有し、また、エポキシ当量が
200〜600であり、水酸基価が10〜150mgK
OH/gである。なお、エポキシ当量及び水酸基価は、
固形分換算の値である。
I)は、数平均分子量(Mn)が1000〜8000で
あり、分子中にエポキシ基を2〜10個有し、及び、水
酸基を2〜12個有し、また、エポキシ当量が100〜
800であり、水酸基価が5〜200mgKOH/gで
ある。上記エポキシ当量が100未満であると、塗料の
硬化性が充分でなく、800を超えると、硬化塗膜が硬
くなりすぎ、耐候性が悪くなる。上記水酸基価が5mg
KOH/g未満であると、密着性が劣り、200mgK
OH/gを超えると、硬化塗膜の耐水性が充分でなくな
る。好ましくは、分子中にエポキシ基を3〜8個有し、
及び、水酸基を4〜10個有し、また、エポキシ当量が
200〜600であり、水酸基価が10〜150mgK
OH/gである。なお、エポキシ当量及び水酸基価は、
固形分換算の値である。
【0029】上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル
共重合体(III)は、フッ素系ラジカル重合性単量体(I
II−a)10〜60モル%、一般式; CH2 =CH−OC(=O)−R1 [式中、R1 は、分岐を有するか若しくは分岐を有しな
い炭素数1〜22のアルキル基、又は、−(CH2 )m
−R2 −(CH2 )n −H(R2 は、置換基を有するか
若しくは置換基を有しないシクロアルキレン基、又は、
二価の芳香族基を表す。m、nは、0〜12の整数を表
す。)を表す。]で表される脂肪酸ビニルエステル(II
I−b)10〜70モル%、カルボキシル基含有ラジカ
ル重合性単量体(III−c)1〜60モル%、及び、そ
の他のラジカル重合性単量体(III−d)0〜20モル
%からなる総量100モル%の単量体混合物を共重合さ
せて得られる共重合体であって、数平均分子量(Mn)
1000〜8000、酸価40〜150mgKOH/g
(固形分換算)のものである。
共重合体(III)は、フッ素系ラジカル重合性単量体(I
II−a)10〜60モル%、一般式; CH2 =CH−OC(=O)−R1 [式中、R1 は、分岐を有するか若しくは分岐を有しな
い炭素数1〜22のアルキル基、又は、−(CH2 )m
−R2 −(CH2 )n −H(R2 は、置換基を有するか
若しくは置換基を有しないシクロアルキレン基、又は、
二価の芳香族基を表す。m、nは、0〜12の整数を表
す。)を表す。]で表される脂肪酸ビニルエステル(II
I−b)10〜70モル%、カルボキシル基含有ラジカ
ル重合性単量体(III−c)1〜60モル%、及び、そ
の他のラジカル重合性単量体(III−d)0〜20モル
%からなる総量100モル%の単量体混合物を共重合さ
せて得られる共重合体であって、数平均分子量(Mn)
1000〜8000、酸価40〜150mgKOH/g
(固形分換算)のものである。
【0030】上記フッ素系ラジカル重合性単量体(III
−a)としては、フルオロオレフィン及び/又はヘキサ
フルオロアセトンであれば特に限定されない。上記フル
オロオレフィンとしては特に限定されず、例えば、エチ
レンの少なくとも一つの水素原子がフッ素原子に置換さ
れ、他の水素原子が任意にフッ素原子、塩素原子、メチ
ル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフ
ルオロメチル基(但し、同一原子に結合する三個の水素
が同時にトリフルオロメチル基で置換したものは除
く。)等で置換されたものであり、具体的には、クロロ
トリフルオロエチレン(CTFE)、テトラフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ヘキサフル
オロプロペン、ヘキサフルオロイソブテン(HFIB)
等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。これらの中でも、コストが安いこ
とからクロロトリフルオロエチレン(CTFE)が好ま
しく、また、耐黄変性が優れることからヘキサフルオロ
イソブテン(HFIB)が好ましい。
−a)としては、フルオロオレフィン及び/又はヘキサ
フルオロアセトンであれば特に限定されない。上記フル
オロオレフィンとしては特に限定されず、例えば、エチ
レンの少なくとも一つの水素原子がフッ素原子に置換さ
れ、他の水素原子が任意にフッ素原子、塩素原子、メチ
ル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフ
ルオロメチル基(但し、同一原子に結合する三個の水素
が同時にトリフルオロメチル基で置換したものは除
く。)等で置換されたものであり、具体的には、クロロ
トリフルオロエチレン(CTFE)、テトラフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ヘキサフル
オロプロペン、ヘキサフルオロイソブテン(HFIB)
等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。これらの中でも、コストが安いこ
とからクロロトリフルオロエチレン(CTFE)が好ま
しく、また、耐黄変性が優れることからヘキサフルオロ
イソブテン(HFIB)が好ましい。
【0031】上記フッ素系ラジカル重合性単量体(III
−a)は、上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル共
重合体(III)を得るための共重合の際、使用する全単
量体量の10〜60モル%を使用する。上記フッ素系ラ
ジカル重合性単量体(III−a)が10モル%未満であ
ると、塗膜の耐侯性が低く、60モル%を超えると、得
られるフッ素系アクリル共重合体の溶剤への溶解性が低
下する。好ましくは20〜55モル%であり、より好ま
しくは35〜55モル%である。
−a)は、上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル共
重合体(III)を得るための共重合の際、使用する全単
量体量の10〜60モル%を使用する。上記フッ素系ラ
ジカル重合性単量体(III−a)が10モル%未満であ
ると、塗膜の耐侯性が低く、60モル%を超えると、得
られるフッ素系アクリル共重合体の溶剤への溶解性が低
下する。好ましくは20〜55モル%であり、より好ま
しくは35〜55モル%である。
【0032】上記脂肪酸ビニルエステル(III−b)
は、一般式; CH2 =CH−OC(=O)−R1 [式中、R1 は、分岐を有するか若しくは分岐を有しな
い炭素数1〜22のアルキル基、又は、−(CH2 )m
−R2 −(CH2 )n −H(R2 は、置換基を有するか
若しくは置換基を有しないシクロアルキレン基、又は、
二価の芳香族基を表す。m、nは、0〜12の整数を表
す。)を表す。]で表されるものであり、例えば、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビ
ニル、カプロン酸ビニル、イソカプロン酸ビニル、ピバ
リン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプロイル酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル、バーサチック9酸ビニル(ベ
オパ9(商品名)、シェル化学社製)、バーサチック1
0酸ビニル(ベオバ10(商品名)、シェル化学社
製)、シクロヘキサン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−
トルイル酸ビニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニ
ル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。これらの中でも、分子量130
未満のものが、共重合性がよく、また、得られるフッ素
系アクリル共重合体の溶剤への溶解性がよいので好まし
く、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、イソカプロ
ン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステ
ルが挙げられる。特に、上記フッ素系ラジカル重合性単
量体(III−a)の組成比が35モル%以上の場合に
は、分子量130未満の脂肪酸ビニルエステルを用いる
と、これらの特徴は顕著に認められる。分子量130以
上であると、得られるフッ素系アクリル共重合体の溶剤
への溶解性が低下する場合がある。
は、一般式; CH2 =CH−OC(=O)−R1 [式中、R1 は、分岐を有するか若しくは分岐を有しな
い炭素数1〜22のアルキル基、又は、−(CH2 )m
−R2 −(CH2 )n −H(R2 は、置換基を有するか
若しくは置換基を有しないシクロアルキレン基、又は、
二価の芳香族基を表す。m、nは、0〜12の整数を表
す。)を表す。]で表されるものであり、例えば、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビ
ニル、カプロン酸ビニル、イソカプロン酸ビニル、ピバ
リン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプロイル酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル、バーサチック9酸ビニル(ベ
オパ9(商品名)、シェル化学社製)、バーサチック1
0酸ビニル(ベオバ10(商品名)、シェル化学社
製)、シクロヘキサン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−
トルイル酸ビニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニ
ル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。これらの中でも、分子量130
未満のものが、共重合性がよく、また、得られるフッ素
系アクリル共重合体の溶剤への溶解性がよいので好まし
く、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、イソカプロ
ン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステ
ルが挙げられる。特に、上記フッ素系ラジカル重合性単
量体(III−a)の組成比が35モル%以上の場合に
は、分子量130未満の脂肪酸ビニルエステルを用いる
と、これらの特徴は顕著に認められる。分子量130以
上であると、得られるフッ素系アクリル共重合体の溶剤
への溶解性が低下する場合がある。
【0033】上記脂肪酸ビニルエステル(III−b)
は、上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル共重合体
(III)を得るための共重合の際、使用する全単量体量
の10〜70モル%を使用する。上記脂肪酸ビニルエス
テル(III−b)が10モル%未満であると、得られる
フッ素系アクリル共重合体の溶剤への溶解性が充分でな
く、70モル%を超えると、塗膜の耐候性が低下する。
は、上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル共重合体
(III)を得るための共重合の際、使用する全単量体量
の10〜70モル%を使用する。上記脂肪酸ビニルエス
テル(III−b)が10モル%未満であると、得られる
フッ素系アクリル共重合体の溶剤への溶解性が充分でな
く、70モル%を超えると、塗膜の耐候性が低下する。
【0034】上記カルボキシル基含有ラジカル重合性単
量体(III−c)は、重合性部位としての二重結合と、
反応性架橋部位としてのカルボキシル基を有する単量体
であれば特に限定されず、例えば、これらの架橋部位を
分子内に有するアリルエーテル類、ビニルエーテル類、
クロトン酸変性化合物、(メタ)アクリレート類、不飽
和カルボン酸、ビニルエステル類、不飽和ジカルボン酸
のモノエステル等が挙げられ、具体的には、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ウンデシ
レン酸、マレイン酸、無水マレイン、イタコン酸、無水
イタコン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキル、イタ
コン酸モノアルキル、コハク酸モノアリル、アジピン酸
モノアリル、セバシン酸モノアリル、シクロヘキサンジ
カルボン酸モノアリル、コハク酸モノビニル、アジピン
酸モノビニル、セバシン酸モノビニル、シクロヘキサン
ジカルボン酸モノビニル等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
量体(III−c)は、重合性部位としての二重結合と、
反応性架橋部位としてのカルボキシル基を有する単量体
であれば特に限定されず、例えば、これらの架橋部位を
分子内に有するアリルエーテル類、ビニルエーテル類、
クロトン酸変性化合物、(メタ)アクリレート類、不飽
和カルボン酸、ビニルエステル類、不飽和ジカルボン酸
のモノエステル等が挙げられ、具体的には、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ウンデシ
レン酸、マレイン酸、無水マレイン、イタコン酸、無水
イタコン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキル、イタ
コン酸モノアルキル、コハク酸モノアリル、アジピン酸
モノアリル、セバシン酸モノアリル、シクロヘキサンジ
カルボン酸モノアリル、コハク酸モノビニル、アジピン
酸モノビニル、セバシン酸モノビニル、シクロヘキサン
ジカルボン酸モノビニル等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】上記カルボキシル基含有ラジカル重合性単
量体(III−c)は、上記カルボキシル基含有フッ素系
アクリル共重合体(III)を得るための共重合の際、使
用する全単量体量の1〜60モル%を使用する。上記カ
ルボキシル基含有ラジカル重合性単量体(III−c)が
1モル%未満であると、得られるフッ素系アクリル共重
合体の架橋効果が充分でなく、60モル%を超えると、
塗膜が割れやすくなったり、塗料の貯蔵安定性が低下
し、また、得られるフッ素系アクリル共重合体の溶剤へ
の溶解性が極端に低下してしまうことがある。好ましく
は1〜55モル%であり、より好ましくは1〜40モル
%である。
量体(III−c)は、上記カルボキシル基含有フッ素系
アクリル共重合体(III)を得るための共重合の際、使
用する全単量体量の1〜60モル%を使用する。上記カ
ルボキシル基含有ラジカル重合性単量体(III−c)が
1モル%未満であると、得られるフッ素系アクリル共重
合体の架橋効果が充分でなく、60モル%を超えると、
塗膜が割れやすくなったり、塗料の貯蔵安定性が低下
し、また、得られるフッ素系アクリル共重合体の溶剤へ
の溶解性が極端に低下してしまうことがある。好ましく
は1〜55モル%であり、より好ましくは1〜40モル
%である。
【0036】上記その他のラジカル重合性単量体(III
−d)としては特に限定されず、例えば、アルキルビニ
ルエーテル類、アリールビニルエーテル類、アルキルア
リルエーテル類、アリールアリルエーテル類、(メタ)
アクリル酸エステル類、水酸基含有ラジカル重合性単量
体、その他の汎用ラジカル重合性単量体等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
−d)としては特に限定されず、例えば、アルキルビニ
ルエーテル類、アリールビニルエーテル類、アルキルア
リルエーテル類、アリールアリルエーテル類、(メタ)
アクリル酸エステル類、水酸基含有ラジカル重合性単量
体、その他の汎用ラジカル重合性単量体等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0037】上記アルキルビニルエーテル類又はアリー
ルビニルエーテル類としては特に限定されず、例えば、
一般式;
ルビニルエーテル類としては特に限定されず、例えば、
一般式;
【0038】CH2 =CH−O−R1
【0039】(式中、R1 は、上述したものと同様であ
る。)で表される化合物であり、具体的には、エチルビ
ニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブ
チルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシ
ルビニルエーテル、イソヘキシルビニルエーテル、オク
チルビニルエーテル、4−メチル−1−ペンチルビニル
エーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類;シクロペ
ンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル
等のシクロアルキルビニルエーテル類;フェニルビニル
エーテル、トルイルビニルエーテル等のアリールビニル
エーテル類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
る。)で表される化合物であり、具体的には、エチルビ
ニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブ
チルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシ
ルビニルエーテル、イソヘキシルビニルエーテル、オク
チルビニルエーテル、4−メチル−1−ペンチルビニル
エーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類;シクロペ
ンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル
等のシクロアルキルビニルエーテル類;フェニルビニル
エーテル、トルイルビニルエーテル等のアリールビニル
エーテル類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0040】上記アルキルアリルエーテル類又はアリー
ルアリルエーテル類としては特に限定されず、例えば、
一般式;
ルアリルエーテル類としては特に限定されず、例えば、
一般式;
【0041】CH2 =CHCH2 −O−R1
【0042】(式中、R1 は、上述したものと同様であ
る。)で表される化合物であり、具体的には、エチルア
リルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシル
アリルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
る。)で表される化合物であり、具体的には、エチルア
リルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシル
アリルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】上記(メタ)アクリル酸エステル類として
は特に限定されず、例えば、一般式;
は特に限定されず、例えば、一般式;
【0044】CH2 =C(−R2 )−COO−R1
【0045】(式中、R1 は、上述したものと同様であ
る。R2 は、水素又はメチル基である。)で表される化
合物であり、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n
−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メ
タ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸トリデシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ベンジル等が挙げられる。また、類似の化合物として、
アリルアクリレート、アリルメタクリレート等の不飽和
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルも挙げ
ることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。なお、上記表現形式で、(メタ)
アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を
表す。
る。R2 は、水素又はメチル基である。)で表される化
合物であり、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n
−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メ
タ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸トリデシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ベンジル等が挙げられる。また、類似の化合物として、
アリルアクリレート、アリルメタクリレート等の不飽和
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルも挙げ
ることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。なお、上記表現形式で、(メタ)
アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を
表す。
【0046】上記水酸基含有ラジカル重合性単量体とし
ては特に限定されず、例えば、ヒドロキシル基含有アリ
ルエーテル類であり、具体的には、エチレングリコール
アリルエーテル、ジエチレングリコールアリルエーテ
ル、トリエチレングリコールアリルエーテル、ヒドロキ
シプロピルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエ
ーテル等が挙げられる。また、一般式;
ては特に限定されず、例えば、ヒドロキシル基含有アリ
ルエーテル類であり、具体的には、エチレングリコール
アリルエーテル、ジエチレングリコールアリルエーテ
ル、トリエチレングリコールアリルエーテル、ヒドロキ
シプロピルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエ
ーテル等が挙げられる。また、一般式;
【0047】CH2 =CH−O−R3 −O−H
【0048】(式中、R3 は、炭素数2〜10、好まし
くは炭素数2〜8の直鎖又は分岐のアルキレン基であ
る。)で表されるもの等が挙げられ、具体的には、ヒド
ロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニル
エーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロ
キシブチルビニルエーテル、ヒドロキシメチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン
(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記
表現形式で、(メタ)アクリレートとは、アクリレート
及び/又はメタクリレートを表す。
くは炭素数2〜8の直鎖又は分岐のアルキレン基であ
る。)で表されるもの等が挙げられ、具体的には、ヒド
ロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニル
エーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロ
キシブチルビニルエーテル、ヒドロキシメチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン
(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記
表現形式で、(メタ)アクリレートとは、アクリレート
及び/又はメタクリレートを表す。
【0049】上記その他の汎用ラジカル重合性単量体と
しては特に限定されず、例えば、スチレン等の芳香族ビ
ニル;エチレン、プロピレン、ブテン−1、イソブテン
等のα−オレフィン等が挙げられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。
しては特に限定されず、例えば、スチレン等の芳香族ビ
ニル;エチレン、プロピレン、ブテン−1、イソブテン
等のα−オレフィン等が挙げられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0050】上記その他のラジカル重合性単量体(III
−d)は、上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル共
重合体(III)を得るための共重合の際、使用する全単
量体量の0〜20モル%を使用する。
−d)は、上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル共
重合体(III)を得るための共重合の際、使用する全単
量体量の0〜20モル%を使用する。
【0051】上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル
共重合体(III)は、重合媒体の存在下、上述した所定
割合の単量体混合物及びラジカル重合開始剤により共重
合して共重合体を形成することにより得ることができ
る。上記共重合方法としては特に限定されず、溶液重
合、懸濁重合、乳化重合等の通常のラジカル重合法を用
いることができ、アゾ系又はパーオキサイド系のラジカ
ル重合開始剤を用いて、重合温度40〜150℃で加圧
化重合を行うことが好ましい。上記共重合方法の詳細
は、特開昭57−34107号公報、特開平2−286
733号公報及び特開平2−302411号公報に開示
されている。
共重合体(III)は、重合媒体の存在下、上述した所定
割合の単量体混合物及びラジカル重合開始剤により共重
合して共重合体を形成することにより得ることができ
る。上記共重合方法としては特に限定されず、溶液重
合、懸濁重合、乳化重合等の通常のラジカル重合法を用
いることができ、アゾ系又はパーオキサイド系のラジカ
ル重合開始剤を用いて、重合温度40〜150℃で加圧
化重合を行うことが好ましい。上記共重合方法の詳細
は、特開昭57−34107号公報、特開平2−286
733号公報及び特開平2−302411号公報に開示
されている。
【0052】上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル
共重合体(III)は、数平均分子量(Mn)が1000
〜8000であり、酸価が40〜150mgKOH/g
であり、水酸基価が0〜150mgKOH/gである。
数平均分子量(Mn)が1000未満であると、塗膜の
耐候性や柔軟性が低下し、8000を超えると、塗料化
において高粘度となったり、得られるフッ素系アクリル
共重合体の溶剤への溶解性が低下したり、取り扱いにく
い欠点が生じることがある。酸価が40mgKOH/g
未満であると、塗料の硬化性が悪く、150mgKOH
/gを超えると、未反応の酸により撥水維持性が悪くな
る。水酸基価が150mgKOH/gを超えると、塗膜
の耐水性が悪い。好ましくは、数平均分子量(Mn)が
2000〜7500であり、酸価が80〜120mgK
OH/gであり、水酸基価が5〜100mgKOH/g
である。なお、酸価及び水酸基価は、固形分換算の値で
ある。
共重合体(III)は、数平均分子量(Mn)が1000
〜8000であり、酸価が40〜150mgKOH/g
であり、水酸基価が0〜150mgKOH/gである。
数平均分子量(Mn)が1000未満であると、塗膜の
耐候性や柔軟性が低下し、8000を超えると、塗料化
において高粘度となったり、得られるフッ素系アクリル
共重合体の溶剤への溶解性が低下したり、取り扱いにく
い欠点が生じることがある。酸価が40mgKOH/g
未満であると、塗料の硬化性が悪く、150mgKOH
/gを超えると、未反応の酸により撥水維持性が悪くな
る。水酸基価が150mgKOH/gを超えると、塗膜
の耐水性が悪い。好ましくは、数平均分子量(Mn)が
2000〜7500であり、酸価が80〜120mgK
OH/gであり、水酸基価が5〜100mgKOH/g
である。なお、酸価及び水酸基価は、固形分換算の値で
ある。
【0053】上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル
共重合体(III)を得るための共重合において、上記脂
肪酸ビニルエステル(III−b)を用いるのは、上記フ
ッ素系ラジカル重合性単量体(III−a)とカルボキシ
ル基含有ラジカル重合性単量体(III−c)との共重合
性を高めるために効果がある。すなわち、上記共重合に
おいて上記脂肪酸ビニルエステル(III−b)を用いな
い場合、上記カルボキシル基含有単量体(III−c)を
共重合体に導入することが困難である。また、上記脂肪
酸ビニルエステル(III−b)を用いることは、上記カ
ルボキシル基含有フッ素系アクリル共重合体(III)に
溶解性、柔軟性、流動性等を与えることでも有効であ
る。
共重合体(III)を得るための共重合において、上記脂
肪酸ビニルエステル(III−b)を用いるのは、上記フ
ッ素系ラジカル重合性単量体(III−a)とカルボキシ
ル基含有ラジカル重合性単量体(III−c)との共重合
性を高めるために効果がある。すなわち、上記共重合に
おいて上記脂肪酸ビニルエステル(III−b)を用いな
い場合、上記カルボキシル基含有単量体(III−c)を
共重合体に導入することが困難である。また、上記脂肪
酸ビニルエステル(III−b)を用いることは、上記カ
ルボキシル基含有フッ素系アクリル共重合体(III)に
溶解性、柔軟性、流動性等を与えることでも有効であ
る。
【0054】上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル
共重合体(III)は、主鎖にフッ素含有基を有するた
め、フッ素のもつ低表面エネルギー性、撥水撥油性、低
屈折率等の特性を塗膜に付与することができる。従っ
て、塗膜に高い耐汚染性が発現するものと考えられる。
また、上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル共重合
体(III)に含有されるカルボキシル基は、加水分解反
応を起こしにくいため、塗料の貯蔵安定性に優れ、ま
た、硬化塗膜の撥水性が保持されるため、塗膜に高い耐
汚染性を長期にわたり付与することができる。
共重合体(III)は、主鎖にフッ素含有基を有するた
め、フッ素のもつ低表面エネルギー性、撥水撥油性、低
屈折率等の特性を塗膜に付与することができる。従っ
て、塗膜に高い耐汚染性が発現するものと考えられる。
また、上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル共重合
体(III)に含有されるカルボキシル基は、加水分解反
応を起こしにくいため、塗料の貯蔵安定性に優れ、ま
た、硬化塗膜の撥水性が保持されるため、塗膜に高い耐
汚染性を長期にわたり付与することができる。
【0055】上記カルボキシル基含有フッ素系アクリル
共重合体(III)は、上述した樹脂成分全量に対して1
0〜60重量%含まれる。10重量%未満であると、塗
膜の撥水性が充分ではなく、耐汚染性が劣り、60重量
%を超えると、塗料のコストが高くなり、また、塗膜硬
度が低下する。好ましくは30〜50重量%である。な
お、上記重量%は、固形分換算の値である。
共重合体(III)は、上述した樹脂成分全量に対して1
0〜60重量%含まれる。10重量%未満であると、塗
膜の撥水性が充分ではなく、耐汚染性が劣り、60重量
%を超えると、塗料のコストが高くなり、また、塗膜硬
度が低下する。好ましくは30〜50重量%である。な
お、上記重量%は、固形分換算の値である。
【0056】上記自動車上塗り用クリヤー塗料中の樹脂
成分において、[上記エポキシ基含有アクリル共重合体
(II)のエポキシ基総数]/[上記ハーフエステル酸基
含有アクリル共重合体(I)のハーフエステル化された
酸無水物基及びカルボキシル基と上記カルボキシル基含
有フッ素系アクリル共重合体(III)のカルボキシル基
との総数]は、0.5〜1.5、特に0.6〜1.3で
あるのが好ましく、また、[上記エポキシ基含有アクリ
ル共重合体(II)の水酸基総数]/[上記ハーフエステ
ル酸基含有アクリル共重合体(I)のハーフエステル化
された酸無水物基及びカルボキシル基と上記カルボキシ
ル基含有フッ素系アクリル共重合体(III)のカルボキ
シル基との総数]は、0.1〜1.5、特に0.3〜
1.2であるのが好ましい。具体的には、そのような比
を与える上記エポキシ基含有アクリル共重合体(II)の
配合量は、例えば、上記ハーフエステル酸基含有アクリ
ル共重合体(I)及び上記カルボキシル基含有フッ素系
アクリル共重合体(III)の合計100重量部に対し5
0〜250重量部、特に80〜150重量部が好まし
い。上記エポキシ基含有アクリル共重合体(II)の配合
量が50重量部未満であると、充分な塗膜硬化が行なわ
れず、硬化塗膜の耐水性、耐候性等が低下し、250重
量部を超えると、未反応のカルボキシル基が残存して耐
薬品性が低下する。
成分において、[上記エポキシ基含有アクリル共重合体
(II)のエポキシ基総数]/[上記ハーフエステル酸基
含有アクリル共重合体(I)のハーフエステル化された
酸無水物基及びカルボキシル基と上記カルボキシル基含
有フッ素系アクリル共重合体(III)のカルボキシル基
との総数]は、0.5〜1.5、特に0.6〜1.3で
あるのが好ましく、また、[上記エポキシ基含有アクリ
ル共重合体(II)の水酸基総数]/[上記ハーフエステ
ル酸基含有アクリル共重合体(I)のハーフエステル化
された酸無水物基及びカルボキシル基と上記カルボキシ
ル基含有フッ素系アクリル共重合体(III)のカルボキ
シル基との総数]は、0.1〜1.5、特に0.3〜
1.2であるのが好ましい。具体的には、そのような比
を与える上記エポキシ基含有アクリル共重合体(II)の
配合量は、例えば、上記ハーフエステル酸基含有アクリ
ル共重合体(I)及び上記カルボキシル基含有フッ素系
アクリル共重合体(III)の合計100重量部に対し5
0〜250重量部、特に80〜150重量部が好まし
い。上記エポキシ基含有アクリル共重合体(II)の配合
量が50重量部未満であると、充分な塗膜硬化が行なわ
れず、硬化塗膜の耐水性、耐候性等が低下し、250重
量部を超えると、未反応のカルボキシル基が残存して耐
薬品性が低下する。
【0057】上記自動車上塗り用クリヤー塗料中の樹脂
成分は、酸基を官能基として有するため、アミンで中和
することにより、水を媒体として水性塗料とすることも
できる。
成分は、酸基を官能基として有するため、アミンで中和
することにより、水を媒体として水性塗料とすることも
できる。
【0058】上記自動車上塗り用クリヤー塗料には、通
常、硬化触媒が含まれる。上記硬化触媒としては特に限
定されず、エステル化反応(酸とエポキシとの反応)に
通常用いられるものでよいが、例えば、第4級アンモニ
ウム塩が好ましい。具体的には、上述した第4級アンモ
ニウム塩の他に、ベンジルトリエチルアンモニウムクロ
リド又はブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド
又はブロミド等が挙げられる。これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
常、硬化触媒が含まれる。上記硬化触媒としては特に限
定されず、エステル化反応(酸とエポキシとの反応)に
通常用いられるものでよいが、例えば、第4級アンモニ
ウム塩が好ましい。具体的には、上述した第4級アンモ
ニウム塩の他に、ベンジルトリエチルアンモニウムクロ
リド又はブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド
又はブロミド等が挙げられる。これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0059】また、上記自動車上塗り用クリヤー塗料に
は、架橋密度を上げ、耐水性の向上を図るためのメラミ
ン・ホルムアルデヒド樹脂、ポットライフを延長するた
めのオルソエステル、塗膜の耐候性向上のための紫外線
吸収剤や光安定剤等、レオロジーコントロールのための
マイクロジェルや表面調整剤、粘度調整等のための希釈
剤等を配合してもよい。
は、架橋密度を上げ、耐水性の向上を図るためのメラミ
ン・ホルムアルデヒド樹脂、ポットライフを延長するた
めのオルソエステル、塗膜の耐候性向上のための紫外線
吸収剤や光安定剤等、レオロジーコントロールのための
マイクロジェルや表面調整剤、粘度調整等のための希釈
剤等を配合してもよい。
【0060】上記オルソエステルとしては特に限定され
ず、例えば、オルソギ酸エチル又はメチル、オルソ酢酸
エチル又はメチル等が挙げられる。上記紫外線吸収剤、
光安定剤としては特に限定されず、例えば、チヌビン−
900(チバガイギー社製)、サノールLS−292
(三共社製)等が挙げられる。上記希釈剤としては特に
限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール等のアルコール系溶剤;ハイドロカ
ーボン、エステル等の溶剤が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ず、例えば、オルソギ酸エチル又はメチル、オルソ酢酸
エチル又はメチル等が挙げられる。上記紫外線吸収剤、
光安定剤としては特に限定されず、例えば、チヌビン−
900(チバガイギー社製)、サノールLS−292
(三共社製)等が挙げられる。上記希釈剤としては特に
限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール等のアルコール系溶剤;ハイドロカ
ーボン、エステル等の溶剤が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0061】上記硬化触媒の配合量は、全樹脂固形分に
対し、0.01〜3.0重量%が好ましい。更に、上記
希釈剤の配合量は、上記希釈剤を添加した塗料の総重量
に対し、最高60重量%、特に20〜55重量%が好ま
しい。
対し、0.01〜3.0重量%が好ましい。更に、上記
希釈剤の配合量は、上記希釈剤を添加した塗料の総重量
に対し、最高60重量%、特に20〜55重量%が好ま
しい。
【0062】上記自動車上塗り用クリヤー塗料は、通
常、顔料を含まないものであるが、塗膜の透明感を損な
わない程度に、着色顔料を含めてもよい。上記顔料とし
ては特に限定されず、例えば、酸化鉄、酸化鉛、カーボ
ンブラック、コールダスト、二酸化チタン、タルク、硫
酸化バリウム、カドミウムイエロー、カドミウムレッ
ド、クロムイエロー、金属顔料(例えば、アルミニウム
フレーク等)、有機顔料(例えば、フタロシアニンブル
ー、シンカシヤレッド等)、パールマイカ等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
常、顔料を含まないものであるが、塗膜の透明感を損な
わない程度に、着色顔料を含めてもよい。上記顔料とし
ては特に限定されず、例えば、酸化鉄、酸化鉛、カーボ
ンブラック、コールダスト、二酸化チタン、タルク、硫
酸化バリウム、カドミウムイエロー、カドミウムレッ
ド、クロムイエロー、金属顔料(例えば、アルミニウム
フレーク等)、有機顔料(例えば、フタロシアニンブル
ー、シンカシヤレッド等)、パールマイカ等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0063】上記自動車上塗り用クリヤー塗料の固形分
含有量は、25〜70重量%であり、好ましくは35〜
65重量%である。また、塗布時における固形分含有量
は、15〜65重量%であり、好ましくは30〜60重
量%である。
含有量は、25〜70重量%であり、好ましくは35〜
65重量%である。また、塗布時における固形分含有量
は、15〜65重量%であり、好ましくは30〜60重
量%である。
【0064】上記自動車上塗り用クリヤー塗料の調製法
としては特に限定されず、上述した各配合物を攪拌機等
により攪拌することにより行うことができ、上記顔料を
含む場合は、ニーダー、ロール等を用いて混練すること
により行うこともできる。
としては特に限定されず、上述した各配合物を攪拌機等
により攪拌することにより行うことができ、上記顔料を
含む場合は、ニーダー、ロール等を用いて混練すること
により行うこともできる。
【0065】上記自動車上塗り用クリヤー塗料は、スプ
レー塗装、刷毛塗り塗装、静電塗装、浸漬塗装、ロール
塗装、流れ塗装等により塗装することができる。
レー塗装、刷毛塗り塗装、静電塗装、浸漬塗装、ロール
塗装、流れ塗装等により塗装することができる。
【0066】上記自動車上塗り用クリヤー塗料は、硬化
温度が100〜180℃、好ましくは120〜160℃
で高い架橋度の硬化塗膜となる。硬化時間は、硬化温度
等により変化するが、120〜160℃で10〜30分
が適当である。
温度が100〜180℃、好ましくは120〜160℃
で高い架橋度の硬化塗膜となる。硬化時間は、硬化温度
等により変化するが、120〜160℃で10〜30分
が適当である。
【0067】自動車上塗り用クリヤー塗料に、単に酸無
水物基を含有する共重合体を用いる場合は、活性水素化
合物との反応が常温付近でも進行するため、同一系内に
保存することはゲル化を引き起こし適当でない。本発明
の自動車上塗り用クリヤー塗料の場合は、酸無水物基を
変性(ハーフエステル化)しているため、活性水素化合
物を混合してもそれ以上の反応が起こらず一液化(ワン
パック化)が可能である。また、上述したように、カル
ボキシル基含有フッ素系アクリル共重合体に含有される
カルボキシル基が加水分解しにくいために、貯蔵安定性
に優れる。更に、水溶化することが可能であり、公害対
策上、有効な塗料となりえる。
水物基を含有する共重合体を用いる場合は、活性水素化
合物との反応が常温付近でも進行するため、同一系内に
保存することはゲル化を引き起こし適当でない。本発明
の自動車上塗り用クリヤー塗料の場合は、酸無水物基を
変性(ハーフエステル化)しているため、活性水素化合
物を混合してもそれ以上の反応が起こらず一液化(ワン
パック化)が可能である。また、上述したように、カル
ボキシル基含有フッ素系アクリル共重合体に含有される
カルボキシル基が加水分解しにくいために、貯蔵安定性
に優れる。更に、水溶化することが可能であり、公害対
策上、有効な塗料となりえる。
【0068】塗膜形成時の活性水素化合物との硬化反応
においては、酸無水物基の変性剤を種々変更することに
より、硬化速度を変えることが可能であり、優れた外観
を有する塗膜が形成可能である。
においては、酸無水物基の変性剤を種々変更することに
より、硬化速度を変えることが可能であり、優れた外観
を有する塗膜が形成可能である。
【0069】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料の硬
化反応は、先ず、ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(I)中のハーフエステル化されて開環している酸
無水物変性基が硬化温度で再び閉環して酸無水物基に一
旦戻る。次いで、エポキシ基含有アクリル共重合体(I
I)中の水酸基が反応して再びハーフエステルを形成す
る。次いで、ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体
(I)中の残りのカルボキシル基がエポキシ基含有アク
リル共重合体(II)中のエポキシ基と反応して、ジエス
テルを形成する。更に、カルボキシル基含有フッ素系ア
クリル共重合体(III)中のカルボキシル基もエポキシ
基含有アクリル共重合体(II)中のエポキシド基と反応
して硬化が進行する。すなわち、上記硬化反応は、エポ
キシ基含有アクリル共重合体(II)中のエポキシ基及び
水酸基の2つの基が、ハーフエステル酸基含有アクリル
共重合体(I)中の酸無水物変性基であるカルボキシル
基及びエステル基並びにカルボキシル基含有フッ素系ア
クリル共重合体(III)中のカルボキシル基にそれぞれ
結合することにより行なわれる。また、カルボキシル基
含有フッ素系アクリル共重合体(III)が水酸基を有す
る場合は、上記酸無水物基と反応することにより、3種
類の共重合体が相互に反応することにより硬化が進行す
ると考えられる。従って、硬化塗膜は堅固な構造とな
り、耐候性、耐薬品性、耐擦傷性等に優れる。また、硬
化塗膜はフッ素含有基のもつ作用により、上述したよう
に耐汚染性を長期にわたり保持することができる。更
に、メラミン樹脂等の塩基性樹脂を使用する必要がない
ため、硬化塗膜は、耐酸性に優れる。
化反応は、先ず、ハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(I)中のハーフエステル化されて開環している酸
無水物変性基が硬化温度で再び閉環して酸無水物基に一
旦戻る。次いで、エポキシ基含有アクリル共重合体(I
I)中の水酸基が反応して再びハーフエステルを形成す
る。次いで、ハーフエステル酸基含有アクリル共重合体
(I)中の残りのカルボキシル基がエポキシ基含有アク
リル共重合体(II)中のエポキシ基と反応して、ジエス
テルを形成する。更に、カルボキシル基含有フッ素系ア
クリル共重合体(III)中のカルボキシル基もエポキシ
基含有アクリル共重合体(II)中のエポキシド基と反応
して硬化が進行する。すなわち、上記硬化反応は、エポ
キシ基含有アクリル共重合体(II)中のエポキシ基及び
水酸基の2つの基が、ハーフエステル酸基含有アクリル
共重合体(I)中の酸無水物変性基であるカルボキシル
基及びエステル基並びにカルボキシル基含有フッ素系ア
クリル共重合体(III)中のカルボキシル基にそれぞれ
結合することにより行なわれる。また、カルボキシル基
含有フッ素系アクリル共重合体(III)が水酸基を有す
る場合は、上記酸無水物基と反応することにより、3種
類の共重合体が相互に反応することにより硬化が進行す
ると考えられる。従って、硬化塗膜は堅固な構造とな
り、耐候性、耐薬品性、耐擦傷性等に優れる。また、硬
化塗膜はフッ素含有基のもつ作用により、上述したよう
に耐汚染性を長期にわたり保持することができる。更
に、メラミン樹脂等の塩基性樹脂を使用する必要がない
ため、硬化塗膜は、耐酸性に優れる。
【0070】また、本発明の自動車上塗り用クリヤー塗
料による硬化塗膜は、サイドモール、ストライプ、エン
ブレム、バンパー上のゴム、ナビ用アンテナ等を、自動
車車体に両面テープ等で接着することにより装着する際
に必要とされるテープ付着性に優れている。
料による硬化塗膜は、サイドモール、ストライプ、エン
ブレム、バンパー上のゴム、ナビ用アンテナ等を、自動
車車体に両面テープ等で接着することにより装着する際
に必要とされるテープ付着性に優れている。
【0071】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料は、
自動車外板上に下塗り塗膜層を形成し、着色顔料及び/
又は光輝性顔料を含むベース塗料を塗装した上に、上塗
り用クリヤー塗料をウェットオンウェットで塗装した
後、加熱硬化させることよりなる自動車車体の複層塗膜
形成方法に適用することができる。
自動車外板上に下塗り塗膜層を形成し、着色顔料及び/
又は光輝性顔料を含むベース塗料を塗装した上に、上塗
り用クリヤー塗料をウェットオンウェットで塗装した
後、加熱硬化させることよりなる自動車車体の複層塗膜
形成方法に適用することができる。
【0072】上記自動車外板に用いられる基材としては
特に限定されず、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ス
ズ、亜鉛等、これらの合金及び鋳造物等の金属;ガラ
ス;プラスチック;発泡体等が挙げられる。上記自動車
上塗り用クリヤー塗料は、特にプラスチック及び金属に
有利に用いることができるが、カチオン電着塗装可能な
金属製品に特に好適に用いることができる。上記自動車
外板としては特に限定されず、例えば、乗用車、トラッ
ク、オートバイ、バス等の自動車車体および部品等が挙
げられる。これらの金属は、予めリン酸塩、クロム酸塩
等で化成処理されたものが特に好ましい。
特に限定されず、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ス
ズ、亜鉛等、これらの合金及び鋳造物等の金属;ガラ
ス;プラスチック;発泡体等が挙げられる。上記自動車
上塗り用クリヤー塗料は、特にプラスチック及び金属に
有利に用いることができるが、カチオン電着塗装可能な
金属製品に特に好適に用いることができる。上記自動車
外板としては特に限定されず、例えば、乗用車、トラッ
ク、オートバイ、バス等の自動車車体および部品等が挙
げられる。これらの金属は、予めリン酸塩、クロム酸塩
等で化成処理されたものが特に好ましい。
【0073】上記下塗り塗膜層としては特に限定され
ず、例えば、電着塗膜により形成してもよく、電着塗膜
及び中塗り塗膜により形成してもよい。
ず、例えば、電着塗膜により形成してもよく、電着塗膜
及び中塗り塗膜により形成してもよい。
【0074】上記電着塗膜の形成は、カチオン型又はア
ニオン型の電着塗料を電着塗装することにより行うこと
ができるが、カチオン型電着塗料が防食性に優れた塗膜
を与える。上記カチオン型電着塗料は、塩基性アミノ基
含有樹脂をベース樹脂とし、酸で中和することにより水
溶化する陰極析出型の熱硬化性電着塗料であり、被塗物
を陰極にして塗装される。
ニオン型の電着塗料を電着塗装することにより行うこと
ができるが、カチオン型電着塗料が防食性に優れた塗膜
を与える。上記カチオン型電着塗料は、塩基性アミノ基
含有樹脂をベース樹脂とし、酸で中和することにより水
溶化する陰極析出型の熱硬化性電着塗料であり、被塗物
を陰極にして塗装される。
【0075】上記塩基性アミノ基含有樹脂としては特に
限定されず、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂の
エポキシ基に第2級アミンの付加した樹脂が好ましい。
上記第2級アミンとしては特に限定されず、例えば、ジ
エチレントリアミン等のケチミン化によって第1級アミ
ンを封鎖したもの等が挙げられる。
限定されず、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂の
エポキシ基に第2級アミンの付加した樹脂が好ましい。
上記第2級アミンとしては特に限定されず、例えば、ジ
エチレントリアミン等のケチミン化によって第1級アミ
ンを封鎖したもの等が挙げられる。
【0076】上記カチオン型電着塗料に用いられる架橋
剤としては特に限定されず、例えば、アルコール類、フ
ェノール類、オキシム類、ラクタム類等のブロック剤に
よって封止されたブロックポリイソシアネートが好まし
い。
剤としては特に限定されず、例えば、アルコール類、フ
ェノール類、オキシム類、ラクタム類等のブロック剤に
よって封止されたブロックポリイソシアネートが好まし
い。
【0077】上記カチオン型電着塗料には、着色顔料、
体質顔料、防錆顔料等の顔料、親水性及び/又は疎水性
の溶剤、添加剤等を必要に応じて配合することができ
る。上記顔料の配合量は、樹脂固形分100重量部に対
し、5〜150重量部とすることができる。
体質顔料、防錆顔料等の顔料、親水性及び/又は疎水性
の溶剤、添加剤等を必要に応じて配合することができ
る。上記顔料の配合量は、樹脂固形分100重量部に対
し、5〜150重量部とすることができる。
【0078】上記電着塗膜は、通常、上記電着塗料を電
着塗装した後、焼付け乾燥後の膜厚が10〜40μmと
なるように形成することが好ましく、より好ましくは1
5〜25μmである。また、電着塗装の前には、通常の
化成処理を行うことがより好ましい。
着塗装した後、焼付け乾燥後の膜厚が10〜40μmと
なるように形成することが好ましく、より好ましくは1
5〜25μmである。また、電着塗装の前には、通常の
化成処理を行うことがより好ましい。
【0079】上記中塗り塗膜は、中塗り塗料を上記電着
塗膜上に塗装することにより形成され、下地欠陥を隠蔽
し、上塗り塗装後の表面平滑性の確保と耐チッピング性
とを付与するためのもので、有機系、無機系の各種着色
顔料及び体質顔料を含む。
塗膜上に塗装することにより形成され、下地欠陥を隠蔽
し、上塗り塗装後の表面平滑性の確保と耐チッピング性
とを付与するためのもので、有機系、無機系の各種着色
顔料及び体質顔料を含む。
【0080】上記中塗り塗料に配合される着色顔料とし
ては特に限定されず、例えば、アゾキレート系顔料、不
溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔
料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、
ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリ
ノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系顔料;黄塩、黄色
酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等
の無機系顔料;炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレ
ー、タルク等の体質顔料等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。標準的に
は、カーボンブラックと二酸化チタンとを主要顔料とし
たグレー系中塗り塗料が多用されるが、上塗り塗膜の隠
蔽性に応じて、各種の着色顔料を組み合わせた、いわゆ
るカラー中塗り塗料を用いることもできる。
ては特に限定されず、例えば、アゾキレート系顔料、不
溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔
料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、
ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリ
ノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系顔料;黄塩、黄色
酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等
の無機系顔料;炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレ
ー、タルク等の体質顔料等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。標準的に
は、カーボンブラックと二酸化チタンとを主要顔料とし
たグレー系中塗り塗料が多用されるが、上塗り塗膜の隠
蔽性に応じて、各種の着色顔料を組み合わせた、いわゆ
るカラー中塗り塗料を用いることもできる。
【0081】上記中塗り塗料に配合される熱硬化性樹脂
としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂等の塗膜形成性樹脂が挙げられ、これらは、アミノ
樹脂及び/又はブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤
と組み合わせて用いられる。これらの中でも、顔料分散
性又は作業性の観点から、アルキド樹脂及び/又はポリ
エステル樹脂とアミノ樹脂との組合わせが好ましい。
としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂等の塗膜形成性樹脂が挙げられ、これらは、アミノ
樹脂及び/又はブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤
と組み合わせて用いられる。これらの中でも、顔料分散
性又は作業性の観点から、アルキド樹脂及び/又はポリ
エステル樹脂とアミノ樹脂との組合わせが好ましい。
【0082】上記中塗り塗料中の固形分含有量は、30
〜70重量%であり、好ましくは35〜55重量%であ
る。また、塗布時には、10〜60重量%であり、好ま
しくは20〜50重量%である。
〜70重量%であり、好ましくは35〜55重量%であ
る。また、塗布時には、10〜60重量%であり、好ま
しくは20〜50重量%である。
【0083】上記中塗り塗料の塗装方法は、加熱硬化さ
せた又は未硬化の電着塗膜上に、静電塗装、エアースプ
レー、エアレススプレー等の方法で塗装することが好ま
しく、上記中塗り塗料を塗布した後、中塗り塗膜自体
は、約100〜180℃の温度で加熱硬化させることが
できる。形成される中塗り塗膜の乾燥膜厚は、一般に1
0〜60μm程度が好ましく、より好ましくは20〜5
0μm程度である。乾燥膜厚が10μm未満であると、
下地が隠蔽できず、60μmを超えると、塗装時にワ
キ、タレ等の不具合が起こることもある。
せた又は未硬化の電着塗膜上に、静電塗装、エアースプ
レー、エアレススプレー等の方法で塗装することが好ま
しく、上記中塗り塗料を塗布した後、中塗り塗膜自体
は、約100〜180℃の温度で加熱硬化させることが
できる。形成される中塗り塗膜の乾燥膜厚は、一般に1
0〜60μm程度が好ましく、より好ましくは20〜5
0μm程度である。乾燥膜厚が10μm未満であると、
下地が隠蔽できず、60μmを超えると、塗装時にワ
キ、タレ等の不具合が起こることもある。
【0084】上記着色顔料及び/又は光輝性顔料を含む
ベース塗料は、上記下塗り塗膜層(電着塗膜層、又は、
必要により中塗り塗膜層)を形成した後、上記下塗り塗
膜層が硬化又は未硬化の状態で塗装される。上塗り塗色
の彩度により、先ず、カラーベース塗料を塗装して、上
塗り塗膜の第1層を形成することが好ましい。この場
合、上塗り塗膜の第2層を光輝性顔料含有ベース塗料に
より形成して意匠性に優れた複層塗膜を形成することが
できる。
ベース塗料は、上記下塗り塗膜層(電着塗膜層、又は、
必要により中塗り塗膜層)を形成した後、上記下塗り塗
膜層が硬化又は未硬化の状態で塗装される。上塗り塗色
の彩度により、先ず、カラーベース塗料を塗装して、上
塗り塗膜の第1層を形成することが好ましい。この場
合、上塗り塗膜の第2層を光輝性顔料含有ベース塗料に
より形成して意匠性に優れた複層塗膜を形成することが
できる。
【0085】上記ベース塗料に配合される着色顔料とし
ては特に限定されず、例えば、上記中塗り塗料に配合さ
れる着色顔料と同様なものが挙げられる。光輝性顔料と
しては特に限定されず、例えば、アルミニウム粉、銅
粉、ニッケル粉、ステンレス粉、マイカ粉、干渉マイカ
粉、着色マイカ粉、アルミナフレーク、グラファイトフ
レーク等が挙げられる。
ては特に限定されず、例えば、上記中塗り塗料に配合さ
れる着色顔料と同様なものが挙げられる。光輝性顔料と
しては特に限定されず、例えば、アルミニウム粉、銅
粉、ニッケル粉、ステンレス粉、マイカ粉、干渉マイカ
粉、着色マイカ粉、アルミナフレーク、グラファイトフ
レーク等が挙げられる。
【0086】上記ベース塗料に配合される熱硬化性樹脂
としては特に限定されず、例えば、上記中塗り塗料に配
合される熱硬化性樹脂と同様なものが挙げられる。これ
らの中でも、顔料分散性、作業性、耐候性の観点から、
アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂とアミノ樹脂
との組合わせが好ましい。
としては特に限定されず、例えば、上記中塗り塗料に配
合される熱硬化性樹脂と同様なものが挙げられる。これ
らの中でも、顔料分散性、作業性、耐候性の観点から、
アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂とアミノ樹脂
との組合わせが好ましい。
【0087】上記ベース塗料中の固形分含有量は、15
〜60重量%であり、好ましくは20〜55重量%であ
る。また、塗布時には、10〜50重量%であり、好ま
しくは20〜45重量%である。
〜60重量%であり、好ましくは20〜55重量%であ
る。また、塗布時には、10〜50重量%であり、好ま
しくは20〜45重量%である。
【0088】上記中塗り塗料及び上記ベース塗料の形態
は、共に溶液型のものが好ましい。溶液型であれば、有
機溶剤型、水性(水溶性、水分散性、エマルジョン)
型、非水分散型のいずれでもよい。また、必要により、
硬化触媒、表面調製剤等を配合することができる。
は、共に溶液型のものが好ましい。溶液型であれば、有
機溶剤型、水性(水溶性、水分散性、エマルジョン)
型、非水分散型のいずれでもよい。また、必要により、
硬化触媒、表面調製剤等を配合することができる。
【0089】上記ベース塗料の形態が水性型であれば、
バインダーとして、米国特許第5,151,125号明
細書及び米国特許第5,183,504号明細書等に具
体的に開示されている熱硬化性樹脂を用いることができ
る。特に、米国特許第5,183,504号明細書に記
載のアクリルアミド基、水酸基及び酸基を有するアクリ
ル樹脂とメラミン樹脂とを組み合わせた熱硬化性樹脂
は、仕上がり、外観性能の点で良好である。この場合、
良好な仕上がりの硬化塗膜を得るために、クリアー塗料
を塗装する前に、予め上記ベース塗膜を60〜100℃
で2〜10分間加熱しておくことが好ましい。
バインダーとして、米国特許第5,151,125号明
細書及び米国特許第5,183,504号明細書等に具
体的に開示されている熱硬化性樹脂を用いることができ
る。特に、米国特許第5,183,504号明細書に記
載のアクリルアミド基、水酸基及び酸基を有するアクリ
ル樹脂とメラミン樹脂とを組み合わせた熱硬化性樹脂
は、仕上がり、外観性能の点で良好である。この場合、
良好な仕上がりの硬化塗膜を得るために、クリアー塗料
を塗装する前に、予め上記ベース塗膜を60〜100℃
で2〜10分間加熱しておくことが好ましい。
【0090】上記ベース塗料は、電着塗膜上又は中塗り
塗膜上に、静電塗装、エアースプレー等の方法で塗装す
ることが好ましく、上記ベース塗料を塗布した後、ベー
ス塗膜自体は、約100〜180℃の温度で加熱硬化さ
せることができる。形成されるベース塗膜の乾燥膜厚
は、一般に10〜60μm程度が好ましく、より好まし
くは20〜50μm程度である。乾燥膜厚が10μm未
満であると、下地が隠蔽できず、60μmを超えると、
塗装時にワキ、タレ等の不具合が起こることもある。
塗膜上に、静電塗装、エアースプレー等の方法で塗装す
ることが好ましく、上記ベース塗料を塗布した後、ベー
ス塗膜自体は、約100〜180℃の温度で加熱硬化さ
せることができる。形成されるベース塗膜の乾燥膜厚
は、一般に10〜60μm程度が好ましく、より好まし
くは20〜50μm程度である。乾燥膜厚が10μm未
満であると、下地が隠蔽できず、60μmを超えると、
塗装時にワキ、タレ等の不具合が起こることもある。
【0091】上記ベース塗膜が着色顔料及び/又は光輝
性顔料含有ベース塗膜のみにより形成される場合、上記
ベース塗膜を塗装した上に、上塗り用クリヤー塗料をウ
ェットオンウェットで塗装した後、加熱硬化させること
により、2コート1べーク(2C1B)の複層塗膜を形
成することができる。
性顔料含有ベース塗膜のみにより形成される場合、上記
ベース塗膜を塗装した上に、上塗り用クリヤー塗料をウ
ェットオンウェットで塗装した後、加熱硬化させること
により、2コート1べーク(2C1B)の複層塗膜を形
成することができる。
【0092】また、上記ベース塗膜がカラーベース塗膜
及び上記光輝性顔料含有ベース塗膜により形成される場
合、上記カラーベース塗膜を単独で加熱硬化させたとき
には、その上に上記光輝性顔料含有ベース塗料を塗装
し、更にその上に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオ
ンウェットで塗装した後、加熱硬化させることにより、
3コート2べーク(3C2B)の複層塗膜を形成するこ
とができる。また、上記カラーベース塗膜を単独で加熱
硬化させないときには、その上にウェットオンウェット
で上記光輝性顔料含有ベース塗料を塗装し、更にその上
に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオンウェットで塗
装した後、加熱硬化させることもできる。すなわち、上
記カラーベース塗膜、上記光輝性顔料含有ベース塗膜及
び上塗り用クリヤー塗膜をウェットオンウェットで組合
わせ、複合塗膜を形成した後に加熱硬化することによ
り、3コート1ベーク(3C1B)の複合塗膜を形成す
ることができ、更に優れた意匠性を示す複合塗膜を形成
することができる。
及び上記光輝性顔料含有ベース塗膜により形成される場
合、上記カラーベース塗膜を単独で加熱硬化させたとき
には、その上に上記光輝性顔料含有ベース塗料を塗装
し、更にその上に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオ
ンウェットで塗装した後、加熱硬化させることにより、
3コート2べーク(3C2B)の複層塗膜を形成するこ
とができる。また、上記カラーベース塗膜を単独で加熱
硬化させないときには、その上にウェットオンウェット
で上記光輝性顔料含有ベース塗料を塗装し、更にその上
に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオンウェットで塗
装した後、加熱硬化させることもできる。すなわち、上
記カラーベース塗膜、上記光輝性顔料含有ベース塗膜及
び上塗り用クリヤー塗膜をウェットオンウェットで組合
わせ、複合塗膜を形成した後に加熱硬化することによ
り、3コート1ベーク(3C1B)の複合塗膜を形成す
ることができ、更に優れた意匠性を示す複合塗膜を形成
することができる。
【0093】上記上塗り用クリヤー塗料により形成され
る塗膜は、表面平滑性の確保とその他塗膜に要求される
性能とを付与するためのものであり、上記上塗り用クリ
ヤー塗料には、本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料を
用いる。
る塗膜は、表面平滑性の確保とその他塗膜に要求される
性能とを付与するためのものであり、上記上塗り用クリ
ヤー塗料には、本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料を
用いる。
【0094】上記上塗り用クリヤー塗料は、未硬化の光
輝性顔料含有ベース塗膜上に、静電塗装、エアースプレ
ー等の方法で塗装することが好ましく、上記上塗り用ク
リヤー塗料を塗布した後、クリヤー塗膜自体は、100
〜200℃の温度で加熱硬化させることにより硬化塗膜
を形成することができる。硬化温度が100℃未満であ
ると、硬化が充分でなく、200℃を超えると、硬化塗
膜が固く脆くなる。好ましくは120〜180℃の温度
で加熱硬化させることにより高い架橋度の硬化塗膜を形
成することができる。
輝性顔料含有ベース塗膜上に、静電塗装、エアースプレ
ー等の方法で塗装することが好ましく、上記上塗り用ク
リヤー塗料を塗布した後、クリヤー塗膜自体は、100
〜200℃の温度で加熱硬化させることにより硬化塗膜
を形成することができる。硬化温度が100℃未満であ
ると、硬化が充分でなく、200℃を超えると、硬化塗
膜が固く脆くなる。好ましくは120〜180℃の温度
で加熱硬化させることにより高い架橋度の硬化塗膜を形
成することができる。
【0095】上記クリヤー塗膜の硬化時間は、硬化温度
により変化するが、120℃〜180℃で10〜30分
が適当である。形成される塗膜の乾燥膜厚は、所望の用
途により変化するが、多くの場合10〜80μmが好ま
しく、より好ましくは15〜60μm程度である。乾燥
膜厚が10μm未満であると、下地が隠蔽できず、60
μmを超えると、塗装時にワキ、タレ等の不具合が起こ
ることもある。
により変化するが、120℃〜180℃で10〜30分
が適当である。形成される塗膜の乾燥膜厚は、所望の用
途により変化するが、多くの場合10〜80μmが好ま
しく、より好ましくは15〜60μm程度である。乾燥
膜厚が10μm未満であると、下地が隠蔽できず、60
μmを超えると、塗装時にワキ、タレ等の不具合が起こ
ることもある。
【0096】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料は、
ベース塗料がソリッド塗料である場合には、自動車外板
上に下塗り塗膜層を形成し、着色顔料を含むソリッド塗
料を塗装して加熱硬化した上に、上塗り用クリヤー塗料
をドライオンウェットで塗装した後、加熱硬化させるこ
とよりなる自動車車体の複層塗膜形成方法に適用するこ
とができる(2C2B)。
ベース塗料がソリッド塗料である場合には、自動車外板
上に下塗り塗膜層を形成し、着色顔料を含むソリッド塗
料を塗装して加熱硬化した上に、上塗り用クリヤー塗料
をドライオンウェットで塗装した後、加熱硬化させるこ
とよりなる自動車車体の複層塗膜形成方法に適用するこ
とができる(2C2B)。
【0097】上記ベース塗膜がカラーベース塗膜のみに
より形成される場合、上記カラーベース塗料を塗装して
加熱硬化した上に、上記上塗り用クリヤー塗料をドライ
オンウェットで塗装した後、加熱硬化させることより、
2コート2べーク(2C2B)の塗膜を形成することが
できる。
より形成される場合、上記カラーベース塗料を塗装して
加熱硬化した上に、上記上塗り用クリヤー塗料をドライ
オンウェットで塗装した後、加熱硬化させることより、
2コート2べーク(2C2B)の塗膜を形成することが
できる。
【0098】上記ベース塗膜が上記ベース塗膜及び既存
のクリヤー塗膜により形成される場合、上記ベース塗料
と既存のクリヤー塗料とをウェットオンウェットで塗装
して加熱硬化した上に、上記上塗り用クリヤー塗料をド
ライオンウェットで塗装した後、加熱硬化させることよ
り、3コート2べーク(3C2B)の複層塗膜を形成す
ることができる。上記既存のクリヤー塗料としては、従
来使用されている自動車上塗り用クリヤー塗料のいずれ
であってもよい。
のクリヤー塗膜により形成される場合、上記ベース塗料
と既存のクリヤー塗料とをウェットオンウェットで塗装
して加熱硬化した上に、上記上塗り用クリヤー塗料をド
ライオンウェットで塗装した後、加熱硬化させることよ
り、3コート2べーク(3C2B)の複層塗膜を形成す
ることができる。上記既存のクリヤー塗料としては、従
来使用されている自動車上塗り用クリヤー塗料のいずれ
であってもよい。
【0099】いずれにおいても、最外層の塗膜は1コー
ト1ベーク(1C1B)の塗膜を形成することとなる。
ト1ベーク(1C1B)の塗膜を形成することとなる。
【0100】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料によ
り上記複層塗膜形成方法を用いて塗膜を形成させた自動
車車体は、複層塗膜の最外層が、本発明の自動車上塗り
用クリヤー塗料により形成されたものであるので、貯蔵
安定性、耐候性等の基本性能を有し、特に耐酸性に優れ
ており、また、高い撥水性を有するためにメンテナンス
フリーでワックス塗布効果と同じ高級感を維持すること
ができ、更に耐汚染性にも優れ、かつ、テープ付着性に
優れたものであるので、サイドモール、ストライプ、エ
ンブレム、バンパー上のゴム、ナビ用アンテナ等を塗膜
最外層に装着する際に良好な結果を得ることができるも
のである。このような自動車車体もまた、本発明の一つ
である。
り上記複層塗膜形成方法を用いて塗膜を形成させた自動
車車体は、複層塗膜の最外層が、本発明の自動車上塗り
用クリヤー塗料により形成されたものであるので、貯蔵
安定性、耐候性等の基本性能を有し、特に耐酸性に優れ
ており、また、高い撥水性を有するためにメンテナンス
フリーでワックス塗布効果と同じ高級感を維持すること
ができ、更に耐汚染性にも優れ、かつ、テープ付着性に
優れたものであるので、サイドモール、ストライプ、エ
ンブレム、バンパー上のゴム、ナビ用アンテナ等を塗膜
最外層に装着する際に良好な結果を得ることができるも
のである。このような自動車車体もまた、本発明の一つ
である。
【0101】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0102】合成例1 ハーフエステル酸基含有アクリ
ル共重合体(a)−1 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた3Lの反応槽に、キシレン330重量部とプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート110重
量部とを仕込み127℃に昇温した。この反応槽に、滴
下ロートを用い、スチレン300重量部、メタクリル酸
−2−エチルヘキシル360重量部、アクリル酸イソブ
チル112重量部、アクリル酸26重量部、無水マレイ
ン酸202重量部、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート300重量部及びt−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート90重量部とキシレン1
00重量部とからなる溶液を3時間かけて滴下した。滴
下終了後30分間にわたり127℃で保持した後、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10重量
部とキシレン50重量部とからなる溶液を30分間で滴
下した。この滴下終了後、更に1時間、127℃にて反
応を継続させ、数平均分子量(Mn)3000のアクリ
ルポリ酸無水物(a)−iを含む不揮発分53%のワニ
スを得た。得られたワニス1990重量部に、メタノー
ル100重量部を加え、70℃で23時間反応させ、酸
価127mgKOH/g(固形分換算)のハーフエステ
ル酸基含有アクリル共重合体(a)−1を含むワニスを
得た。なお、このハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(a)−1について赤外吸収スペクトルを測定し、
酸無水物基の吸収(1785cm-1)が消失するのを確
認した。
ル共重合体(a)−1 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた3Lの反応槽に、キシレン330重量部とプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート110重
量部とを仕込み127℃に昇温した。この反応槽に、滴
下ロートを用い、スチレン300重量部、メタクリル酸
−2−エチルヘキシル360重量部、アクリル酸イソブ
チル112重量部、アクリル酸26重量部、無水マレイ
ン酸202重量部、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート300重量部及びt−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート90重量部とキシレン1
00重量部とからなる溶液を3時間かけて滴下した。滴
下終了後30分間にわたり127℃で保持した後、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10重量
部とキシレン50重量部とからなる溶液を30分間で滴
下した。この滴下終了後、更に1時間、127℃にて反
応を継続させ、数平均分子量(Mn)3000のアクリ
ルポリ酸無水物(a)−iを含む不揮発分53%のワニ
スを得た。得られたワニス1990重量部に、メタノー
ル100重量部を加え、70℃で23時間反応させ、酸
価127mgKOH/g(固形分換算)のハーフエステ
ル酸基含有アクリル共重合体(a)−1を含むワニスを
得た。なお、このハーフエステル酸基含有アクリル共重
合体(a)−1について赤外吸収スペクトルを測定し、
酸無水物基の吸収(1785cm-1)が消失するのを確
認した。
【0103】合成例2 ハーフエステル酸基含有アクリ
ル共重合体(a)−2 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた3Lの反応槽に、キシレン330重量部とプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート110重
量部を仕込み130℃に昇温した。この反応槽に滴下ロ
ートを用い、スチレン300重量部、メタクリル酸−2
−エチルヘキシル240重量部、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル154重量部、アクリル酸26重量部、無水
マレイン酸280重量部、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート300重量部及びt−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート100重量部とキ
シレン100重量部とからなる溶液を3時間かけて滴下
した。滴下終了後30分間にわたり130℃で保持した
後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
10重量部とキシレン10重量部とからなる溶液を30
分間で滴下した。この滴下終了後、更に1時間、130
℃にて反応を継続させ、数平均分子量(Mn)2800
のアクリルポリ酸無水物(a)−iiを含む不揮発分53
%のワニスを得た。得られたワニス1990重量部に、
メタノール145重量部を加え、70℃で23時間反応
させ、酸価169mgKOH/g(固形分換算)のハー
フエステル酸基含有アクリル共重合体(a)−2を含む
ワニスを得た。なお、このハーフエステル酸基含有アク
リル共重合体(a)−2について赤外吸収スペクトルを
測定し、酸無水物基の吸収(1785cm-1)が消失す
るのを確認した。
ル共重合体(a)−2 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた3Lの反応槽に、キシレン330重量部とプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート110重
量部を仕込み130℃に昇温した。この反応槽に滴下ロ
ートを用い、スチレン300重量部、メタクリル酸−2
−エチルヘキシル240重量部、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル154重量部、アクリル酸26重量部、無水
マレイン酸280重量部、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート300重量部及びt−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート100重量部とキ
シレン100重量部とからなる溶液を3時間かけて滴下
した。滴下終了後30分間にわたり130℃で保持した
後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
10重量部とキシレン10重量部とからなる溶液を30
分間で滴下した。この滴下終了後、更に1時間、130
℃にて反応を継続させ、数平均分子量(Mn)2800
のアクリルポリ酸無水物(a)−iiを含む不揮発分53
%のワニスを得た。得られたワニス1990重量部に、
メタノール145重量部を加え、70℃で23時間反応
させ、酸価169mgKOH/g(固形分換算)のハー
フエステル酸基含有アクリル共重合体(a)−2を含む
ワニスを得た。なお、このハーフエステル酸基含有アク
リル共重合体(a)−2について赤外吸収スペクトルを
測定し、酸無水物基の吸収(1785cm-1)が消失す
るのを確認した。
【0104】合成例3 エポキシ基含有アクリル共重合
体(c)−1 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた2Lの反応槽に、キシレン500重量部を仕込み
125℃に昇温した。この反応槽に滴下ロートを用い、
メタクリル酸グリシジル380重量部、スチレン200
重量部、メタクリル酸−2−エチルヘキシル292重量
部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル128重量部及
びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1
00重量部とキシレン100重量部とからなる溶液を3
時間かけて滴下した。滴下終了後30分間にわたり12
5℃で保持した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート10重量部とキシレン10重量部とから
なる溶液を30分間で滴下した。この滴下終了後、更に
1時間、125℃にて反応を継続させ、数平均分子量
(Mn)3700、エポキシ当量400(固形分換
算)、水酸基価47mgKOH/g(固形分換算)のエ
ポキシ基含有アクリル樹脂(c)−1を含む不揮発分6
2%のワニスを得た。
体(c)−1 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた2Lの反応槽に、キシレン500重量部を仕込み
125℃に昇温した。この反応槽に滴下ロートを用い、
メタクリル酸グリシジル380重量部、スチレン200
重量部、メタクリル酸−2−エチルヘキシル292重量
部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル128重量部及
びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1
00重量部とキシレン100重量部とからなる溶液を3
時間かけて滴下した。滴下終了後30分間にわたり12
5℃で保持した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート10重量部とキシレン10重量部とから
なる溶液を30分間で滴下した。この滴下終了後、更に
1時間、125℃にて反応を継続させ、数平均分子量
(Mn)3700、エポキシ当量400(固形分換
算)、水酸基価47mgKOH/g(固形分換算)のエ
ポキシ基含有アクリル樹脂(c)−1を含む不揮発分6
2%のワニスを得た。
【0105】合成例4 エポキシ基含有アクリル共重合
体(c)−2 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた2Lの反応槽に、キシレン500重量部を仕込み
125℃に昇温した。この反応槽に滴下ロートを用い、
メタクリル酸グリシジル500重量部、スチレン200
重量部、メタクリル酸−2−エチルヘキシル172重量
部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル128重量部及
びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1
00重量部とキシレン100重量部とからなる溶液を3
時間かけて滴下した。滴下終了後30分間にわたり12
5℃で保持した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート10重量部とキシレン10重量部とから
なる溶液を30分間で滴下した。この滴下終了後、更に
1時間、125℃にて反応を継続させ、数平均分子量
(Mn)3600、エポキシ当量300(固形分換
算)、水酸基価47mgKOH/g(固形分換算)のエ
ポキシ基含有アクリル共重合体(c)−2を含む不揮発
分62%のワニスを得た。
体(c)−2 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管及び滴下ロートを
備えた2Lの反応槽に、キシレン500重量部を仕込み
125℃に昇温した。この反応槽に滴下ロートを用い、
メタクリル酸グリシジル500重量部、スチレン200
重量部、メタクリル酸−2−エチルヘキシル172重量
部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル128重量部及
びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1
00重量部とキシレン100重量部とからなる溶液を3
時間かけて滴下した。滴下終了後30分間にわたり12
5℃で保持した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート10重量部とキシレン10重量部とから
なる溶液を30分間で滴下した。この滴下終了後、更に
1時間、125℃にて反応を継続させ、数平均分子量
(Mn)3600、エポキシ当量300(固形分換
算)、水酸基価47mgKOH/g(固形分換算)のエ
ポキシ基含有アクリル共重合体(c)−2を含む不揮発
分62%のワニスを得た。
【0106】合成例5 カルボキシル基含有フッ素系ア
クリル共重合体(d)−1 反応槽に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)3
75重量部、エチレングリコールモノアリルエーテル
(EGMAE)75重量部、アクリル酸(AA)130
重量部、ピバリン酸ビニル(VPv)420重量部、酢
酸ブチル400重量部及びt−ブチルパーオキシピバレ
ート12重量部を仕込み55℃で20時間保持した後、
酢酸ブチル270重量部を添加して、酸価100mgK
OH/g(固形分換算)、水酸基価40mgKOH/g
(固形分換算)のカルボキシル基含有フッ素系アクリル
共重合体フッ素樹脂(d)−1を含む不揮発分60%の
ワニスを得た。
クリル共重合体(d)−1 反応槽に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)3
75重量部、エチレングリコールモノアリルエーテル
(EGMAE)75重量部、アクリル酸(AA)130
重量部、ピバリン酸ビニル(VPv)420重量部、酢
酸ブチル400重量部及びt−ブチルパーオキシピバレ
ート12重量部を仕込み55℃で20時間保持した後、
酢酸ブチル270重量部を添加して、酸価100mgK
OH/g(固形分換算)、水酸基価40mgKOH/g
(固形分換算)のカルボキシル基含有フッ素系アクリル
共重合体フッ素樹脂(d)−1を含む不揮発分60%の
ワニスを得た。
【0107】合成例6 カルボキシル基含有フッ素系ア
クリル共重合体(d)−2 反応槽に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)4
00重量部、ヒドロキシブチルアリルエーテル(HBA
E)190重量部、クロトン酸(CA)125重量部、
ピバリン酸ビニル(VPv)285重量部、酢酸ブチル
400重量部及びt−ブチルパーオキシピバレート12
重量部を仕込み55℃で20時間保持した後、酢酸ブチ
ル270重量部を添加して、酸価80mgKOH/g
(固形分換算)、水酸基価80mgKOH/g(固形分
換算)のカルボキシル基含有フッ素系アクリル共重合体
フッ素樹脂(d)−2を含む不揮発分60%のワニスを
得た。
クリル共重合体(d)−2 反応槽に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)4
00重量部、ヒドロキシブチルアリルエーテル(HBA
E)190重量部、クロトン酸(CA)125重量部、
ピバリン酸ビニル(VPv)285重量部、酢酸ブチル
400重量部及びt−ブチルパーオキシピバレート12
重量部を仕込み55℃で20時間保持した後、酢酸ブチ
ル270重量部を添加して、酸価80mgKOH/g
(固形分換算)、水酸基価80mgKOH/g(固形分
換算)のカルボキシル基含有フッ素系アクリル共重合体
フッ素樹脂(d)−2を含む不揮発分60%のワニスを
得た。
【0108】合成例7 カルボキシル基含有フッ素系ア
クリル共重合体(d)−3 反応槽に、ヘキサフルオロイソブテン(HFIB)32
5重量部、クロトン酸(CA)125重量部、ピバリン
酸ビニル(VPv)300重量部、バーサチック9酸ビ
ニル(V9)250重量部、酢酸ブチル400重量部及
びt−ブチルパーオキシピバレート12重量部を仕込み
55℃で20時間保持した後、酢酸ブチル270重量部
を添加して、酸価80mgKOH/g(固形分換算)、
水酸基価0mgKOH/g(固形分換算)のカルボキシ
ル基含有フッ素系アクリル共重合体フッ素樹脂(d)−
3を含む不揮発分60%のワニスを得た。
クリル共重合体(d)−3 反応槽に、ヘキサフルオロイソブテン(HFIB)32
5重量部、クロトン酸(CA)125重量部、ピバリン
酸ビニル(VPv)300重量部、バーサチック9酸ビ
ニル(V9)250重量部、酢酸ブチル400重量部及
びt−ブチルパーオキシピバレート12重量部を仕込み
55℃で20時間保持した後、酢酸ブチル270重量部
を添加して、酸価80mgKOH/g(固形分換算)、
水酸基価0mgKOH/g(固形分換算)のカルボキシ
ル基含有フッ素系アクリル共重合体フッ素樹脂(d)−
3を含む不揮発分60%のワニスを得た。
【0109】実施例1〜4 表1に示した樹脂成分に、テトラブチルアンモニウムブ
ロミド硬化触媒0.3重量部、ジブチル錫ビス(ブチル
マレート)硬化触媒0.3重量部、チバガイギー社製紫
外線吸収剤チヌビン900(商品名)2重量部、三共社
製光安定化剤サノールLS−440(商品名)1重量部
及びモンサント社製表面調整剤モダフロー(商品名)
0.1重量部をディスパー攪拌しながら配合して、本発
明の自動車上塗り用クリヤー塗料を得た。
ロミド硬化触媒0.3重量部、ジブチル錫ビス(ブチル
マレート)硬化触媒0.3重量部、チバガイギー社製紫
外線吸収剤チヌビン900(商品名)2重量部、三共社
製光安定化剤サノールLS−440(商品名)1重量部
及びモンサント社製表面調整剤モダフロー(商品名)
0.1重量部をディスパー攪拌しながら配合して、本発
明の自動車上塗り用クリヤー塗料を得た。
【0110】次いで、得られた自動車上塗り用クリヤー
塗料を、それぞれ、酢酸ブチル/キシレン=1/1から
なるシンナーで塗装粘度に希釈した。リン酸処理鋼板に
日本ペイント社製カチオン電着塗料パワートップU−3
0及びポリエステル・メラミン型グレー中塗り塗料オル
ガP−2(いずれも商品名)を、それぞれ、乾燥膜厚が
25μm及び40μmになるように塗装して加熱硬化さ
せた試験板に、日本ペイント社製スーパーラックM−1
70(商品名)のシルバーメタリックベース塗料を塗布
し、その上にウェットオンウェットで、希釈した自動車
上塗り用クリヤー塗料をそれぞれ塗布して140℃で3
0分間焼付け乾燥を行い、塗装方式として2コート1ベ
ーク(2C1B)の塗装試験板を作製した。なお、ベー
ス塗料及びクリヤー塗料による硬化塗膜は、乾燥膜厚が
それぞれ15μm及び40μmとなるように塗装した。
塗料を、それぞれ、酢酸ブチル/キシレン=1/1から
なるシンナーで塗装粘度に希釈した。リン酸処理鋼板に
日本ペイント社製カチオン電着塗料パワートップU−3
0及びポリエステル・メラミン型グレー中塗り塗料オル
ガP−2(いずれも商品名)を、それぞれ、乾燥膜厚が
25μm及び40μmになるように塗装して加熱硬化さ
せた試験板に、日本ペイント社製スーパーラックM−1
70(商品名)のシルバーメタリックベース塗料を塗布
し、その上にウェットオンウェットで、希釈した自動車
上塗り用クリヤー塗料をそれぞれ塗布して140℃で3
0分間焼付け乾燥を行い、塗装方式として2コート1ベ
ーク(2C1B)の塗装試験板を作製した。なお、ベー
ス塗料及びクリヤー塗料による硬化塗膜は、乾燥膜厚が
それぞれ15μm及び40μmとなるように塗装した。
【0111】また、リン酸処理鋼板に日本ペイント社製
パワートップU−30及びオルガP−2(いずれも商品
名)を、それぞれ、乾燥膜厚が25μm及び40μmに
なるように塗装して加熱硬化させた試験板に、日本ペイ
ント社製スーパーラックM−170(商品名)のシルバ
ーメタリックベース塗料を塗布し、ウェットオンウェッ
トで、日本ペイント社製スーパーラックO−170(商
品名)の3C2B専用クリヤー塗料を塗布して140℃
で30分間焼付け乾燥を行った後、希釈した自動車上塗
り用クリヤー塗料をそれぞれ塗布して140℃で30分
間焼付け乾燥を行い、塗装方式として3コート2ベーク
(3C2B)の塗装試験板を作製した。なお、シルバー
メタリックベース塗料、3C2B専用クリヤー塗料及び
クリヤー塗料による硬化塗膜は、乾燥膜厚がそれぞれ1
5μm、40μm及び40μmとなるように塗装した。
パワートップU−30及びオルガP−2(いずれも商品
名)を、それぞれ、乾燥膜厚が25μm及び40μmに
なるように塗装して加熱硬化させた試験板に、日本ペイ
ント社製スーパーラックM−170(商品名)のシルバ
ーメタリックベース塗料を塗布し、ウェットオンウェッ
トで、日本ペイント社製スーパーラックO−170(商
品名)の3C2B専用クリヤー塗料を塗布して140℃
で30分間焼付け乾燥を行った後、希釈した自動車上塗
り用クリヤー塗料をそれぞれ塗布して140℃で30分
間焼付け乾燥を行い、塗装方式として3コート2ベーク
(3C2B)の塗装試験板を作製した。なお、シルバー
メタリックベース塗料、3C2B専用クリヤー塗料及び
クリヤー塗料による硬化塗膜は、乾燥膜厚がそれぞれ1
5μm、40μm及び40μmとなるように塗装した。
【0112】以下に示す評価方法により得られた塗膜を
評価した。その結果を表1に記載した。
評価した。その結果を表1に記載した。
【0113】評価方法 (1)貯蔵安定性 得られた塗料の初期粘度をNo.4フォードカップで3
0秒に調整し、インキュベーター中に40℃で10日間
静置した後、No.4フォードカップで粘度が何秒増加
したかを測定した。数値が小さい程、貯蔵安定性に優れ
ることを示している。
0秒に調整し、インキュベーター中に40℃で10日間
静置した後、No.4フォードカップで粘度が何秒増加
したかを測定した。数値が小さい程、貯蔵安定性に優れ
ることを示している。
【0114】(2)耐酸性試験 得られた硬化塗膜を0.1NのH2 SO4 水溶液0.2
mlに80℃で30分間接触させた後、塗膜表面を以下
の基準により目視評価した。 ○:変化が観察されない。 △:かすかに痕跡が見られる。 ×:明確に痕跡が見られる。
mlに80℃で30分間接触させた後、塗膜表面を以下
の基準により目視評価した。 ○:変化が観察されない。 △:かすかに痕跡が見られる。 ×:明確に痕跡が見られる。
【0115】(3)耐擦傷性試験 クレンザーの50%水分散体1g(花王社製ニューホー
ミングクレンザー(商品名);研磨剤87%、界面活性
剤5%及びその他の成分を含む。)を塗布した2×2c
mのネル製布を学振型染色物摩擦堅牢度試験機(大栄科
学精機社製)に装着した。次いで、得られた硬化塗膜を
500gの負荷で10往復摩擦し、光沢計(スガ試験機
社製)を用いて摩擦前後の20°Gの光沢保持率(%)
を測定した。目視評価との対応を以下に示す。 >90:変化なし。 80〜90:かすかに変化が見えるが気にならない程度
である。 70〜80:少し変化が見える。 70<:明確に変化が見える。
ミングクレンザー(商品名);研磨剤87%、界面活性
剤5%及びその他の成分を含む。)を塗布した2×2c
mのネル製布を学振型染色物摩擦堅牢度試験機(大栄科
学精機社製)に装着した。次いで、得られた硬化塗膜を
500gの負荷で10往復摩擦し、光沢計(スガ試験機
社製)を用いて摩擦前後の20°Gの光沢保持率(%)
を測定した。目視評価との対応を以下に示す。 >90:変化なし。 80〜90:かすかに変化が見えるが気にならない程度
である。 70〜80:少し変化が見える。 70<:明確に変化が見える。
【0116】(4)耐温水性試験 得られた硬化塗膜を40℃の温水中に10日間浸漬した
後、塗膜表面を以下の基準により目視評価した。 ○:変化が観察されない。 △:かすかに痕跡が見られる。 ×:明確に痕跡が見られる。
後、塗膜表面を以下の基準により目視評価した。 ○:変化が観察されない。 △:かすかに痕跡が見られる。 ×:明確に痕跡が見られる。
【0117】(5)初期水接触角(°) 得られた硬化塗膜上に0.4mlのイオン交換水を落と
し、滴下して30秒後に接触角を協和界面科学社製Fa
ce自動界面張力計CA−Z(商品名)にて測定した。
し、滴下して30秒後に接触角を協和界面科学社製Fa
ce自動界面張力計CA−Z(商品名)にて測定した。
【0118】(6)屋外曝露試験 JIS K5400 9.9に準拠して屋外曝露試験を
行い、1月及び6月経過後に水接触角を測定した。
行い、1月及び6月経過後に水接触角を測定した。
【0119】(7)テープ付着性試験 得られた硬化塗膜2の表面をイソプロピルアルコールを
用いて脱脂し、幅25mmの両面テープ4(ニチバン社
製)をこの表面に重ねた。その上に幅25mmのPET
フィルム5(日東社製)を重ね、得られた積層体の上を
5kgのローラーを一往復通過させることにより、これ
を均一に圧着した。その後、室温で24時間放置した
後、この積層体を、図1に示すように垂直に固定した。
次いで、80℃で30秒放置後、この環境条件で1.5
kgの分銅6をPETフィルム5の上端に取り付け、1
80°の剥離を試み、テープ付着性を以下の基準で目視
評価した。 ○:剥離せず。 ×:一部剥離又は完全剥離する。
用いて脱脂し、幅25mmの両面テープ4(ニチバン社
製)をこの表面に重ねた。その上に幅25mmのPET
フィルム5(日東社製)を重ね、得られた積層体の上を
5kgのローラーを一往復通過させることにより、これ
を均一に圧着した。その後、室温で24時間放置した
後、この積層体を、図1に示すように垂直に固定した。
次いで、80℃で30秒放置後、この環境条件で1.5
kgの分銅6をPETフィルム5の上端に取り付け、1
80°の剥離を試み、テープ付着性を以下の基準で目視
評価した。 ○:剥離せず。 ×:一部剥離又は完全剥離する。
【0120】合成例8 フッ素樹脂(d)−4 特開昭63−54469号公報、特開昭64−9274
号公報及び特開平1−158015号公報に開示された
合成方法により、フッ素系単量体をテトラフルオロエチ
レンとして、樹脂中のフッ素含有量32%、数平均分子
量(Mn)6000、酸価5mgKOH/g(固形分換
算)、水酸基価110mgKOH/g(固形分換算)の
フッ素樹脂を含む不揮発分50%のワニスを得た。次い
で、得られたフッ素樹脂200重量部とヘキサヒドロフ
タル酸無水物(HHPA)27.2重量部とからなる配
合物を140℃で30分間反応させることにより、酸価
82mgKOH/g(固形分換算)のフッ素樹脂(d)
−4を含む不揮発分56%のワニスを得た。
号公報及び特開平1−158015号公報に開示された
合成方法により、フッ素系単量体をテトラフルオロエチ
レンとして、樹脂中のフッ素含有量32%、数平均分子
量(Mn)6000、酸価5mgKOH/g(固形分換
算)、水酸基価110mgKOH/g(固形分換算)の
フッ素樹脂を含む不揮発分50%のワニスを得た。次い
で、得られたフッ素樹脂200重量部とヘキサヒドロフ
タル酸無水物(HHPA)27.2重量部とからなる配
合物を140℃で30分間反応させることにより、酸価
82mgKOH/g(固形分換算)のフッ素樹脂(d)
−4を含む不揮発分56%のワニスを得た。
【0121】比較例1 樹脂成分として、表1に示したように、ハーフエステル
酸基含有アクリル共重合体(a)−1を37重量部、エ
ポキシ基含有アクリル共重合体(c)−1を66重量部
及びフッ素樹脂(d)−4を71重量部用いたこと以外
は実施例と同様にして、自動車上塗り用クリヤー塗料を
調製し、塗装方式として2コート1ベーク(2C1B)
の塗装試験板を作製した。その塗膜性能について、実施
例と同様にして評価した。その結果を表1に記載した。
酸基含有アクリル共重合体(a)−1を37重量部、エ
ポキシ基含有アクリル共重合体(c)−1を66重量部
及びフッ素樹脂(d)−4を71重量部用いたこと以外
は実施例と同様にして、自動車上塗り用クリヤー塗料を
調製し、塗装方式として2コート1ベーク(2C1B)
の塗装試験板を作製した。その塗膜性能について、実施
例と同様にして評価した。その結果を表1に記載した。
【0122】
【表1】
【0123】表1から明らかなように、実施例で得た自
動車上塗り用クリヤー塗料は、貯蔵安定性に優れ、その
硬化塗膜は、耐擦傷性、耐温水性等の自動車塗膜として
の基本性能を満足し、優れた耐酸性を有し、更にそのう
えに、初期、1カ月暴露後、6カ月暴露後のいずれにお
いても水接触角が低下せずに優れた撥水性を維持してい
た。また、テープ付着性においても、良好な効果を維持
していることが判った。
動車上塗り用クリヤー塗料は、貯蔵安定性に優れ、その
硬化塗膜は、耐擦傷性、耐温水性等の自動車塗膜として
の基本性能を満足し、優れた耐酸性を有し、更にそのう
えに、初期、1カ月暴露後、6カ月暴露後のいずれにお
いても水接触角が低下せずに優れた撥水性を維持してい
た。また、テープ付着性においても、良好な効果を維持
していることが判った。
【0124】一方、比較例1で得た自動車上塗り用クリ
ヤー塗料は、貯蔵安定性に劣り、その硬化塗膜は、屋外
曝露試験後の水接触角が小さくなり、撥水性を保持しに
くいことが判った。また、テープ付着性に劣ることが確
認された。
ヤー塗料は、貯蔵安定性に劣り、その硬化塗膜は、屋外
曝露試験後の水接触角が小さくなり、撥水性を保持しに
くいことが判った。また、テープ付着性に劣ることが確
認された。
【0125】
【発明の効果】本発明の自動車上塗り用クリヤー塗料
は、上述の構成よりなるので、貯蔵安定性に優れ、その
硬化塗膜は、高い架橋密度を有するために耐候性、特に
耐酸性に優れ、高い撥水性を有するためにワックスフリ
ーで高級感を維持することが可能であり、かつ、テープ
付着性に優れている。本発明の自動車車体の複層塗膜形
成方法は、優れた外観及び塗膜性能を示す複合塗膜を形
成することができる。本発明の自動車車体は、優れた外
観及び塗膜性能を示し、ワックスのいらないメンテナン
スフリーとすることができる。
は、上述の構成よりなるので、貯蔵安定性に優れ、その
硬化塗膜は、高い架橋密度を有するために耐候性、特に
耐酸性に優れ、高い撥水性を有するためにワックスフリ
ーで高級感を維持することが可能であり、かつ、テープ
付着性に優れている。本発明の自動車車体の複層塗膜形
成方法は、優れた外観及び塗膜性能を示す複合塗膜を形
成することができる。本発明の自動車車体は、優れた外
観及び塗膜性能を示し、ワックスのいらないメンテナン
スフリーとすることができる。
【図1】実施例及び比較例におけるテープ付着性試験の
測定状態を示す断面図である。
測定状態を示す断面図である。
1 鋼板 2 硬化塗膜 3 塗装試験板 4 両面テープ 5 PETフィルム 6 分銅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伏見 哲 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BC04W BC04X BD12Y BD13Y BD14Y BD15Y BD16Y BF00Y BF01Y BF02Y BG01Y BG04W BG04X BG05W BG05X BG07X BG13W BG13X BH01W BH02W BH02Y CD19X GH01 GN00 4J038 CF012 CG121 CG141 CG142 CH172 CH252 CJ102 DB372 GA03 GA06 GA07 KA08 MA14 NA01 NA03 NA04 NA07 NA26 PA07 PA19 PB07 4J100 AA20P AB04P AB07P AE02S AE04S AE09S AG02P AG04P AJ02R AJ08R AJ09R AK31P AK32P AL01Q AL03Q AL04Q AL08P AL09Q AL10P AM15Q BA16P BC04S BC43S BC54P CA05 CA06 HA11 HC09 JA01
Claims (4)
- 【請求項1】 ハーフエステル酸基含有アクリル共重合
体(I)、エポキシ基含有アクリル共重合体(II)及び
カルボキシル基含有フッ素系アクリル共重合体(III)
を樹脂成分とし、前記カルボキシル基含有フッ素系アク
リル共重合体(III)は、前記樹脂成分全量に対して1
0〜60重量%(固形分換算)である自動車上塗り用ク
リヤー塗料であって、前記ハーフエステル酸基含有アク
リル共重合体(I)は、酸無水物基含有ラジカル重合性
単量体(I−a)とその他のラジカル重合性単量体(I
−b)とにより共重合体を得た後、前記酸無水物基を低
分子量のアルコール系化合物によってハーフエステル化
することにより得られるものであり、前記エポキシ基含
有アクリル共重合体(II)は、エポキシ基含有ラジカル
重合性単量体(II−a)30〜70重量部、水酸基含有
ラジカル重合性単量体(II−b)10〜50重量部、及
び、その他のラジカル重合性単量体(II−c)20〜6
0重量部を共重合して得られる共重合体であって、数平
均分子量(Mn)1000〜8000、エポキシ当量1
00〜800(固形分換算)、水酸基価5〜200mg
KOH/g(固形分換算)のものであり、前記カルボキ
シル基含有フッ素系アクリル共重合体(III)は、フッ
素系ラジカル重合性単量体(III−a)10〜60モル
%、一般式; CH2 =CH−OC(=O)−R1 [式中、R1 は、分岐を有するか若しくは分岐を有しな
い炭素数1〜22のアルキル基、又は、−(CH2 )m
−R2 −(CH2 )n −H(R2 は、置換基を有するか
若しくは置換基を有しないシクロアルキレン基、又は、
二価の芳香族基を表す。m、nは、0〜12の整数を表
す。)を表す。]で表される脂肪酸ビニルエステル(II
I−b)10〜70モル%、カルボキシル基含有ラジカ
ル重合性単量体(III−c)1〜60モル%、及び、そ
の他のラジカル重合性単量体(III−d)0〜20モル
%からなる総量100モル%の単量体混合物を共重合さ
せて得られる共重合体であって、数平均分子量(Mn)
1000〜8000、酸価40〜150mgKOH/g
(固形分換算)のものであることを特徴とする自動車上
塗り用クリヤー塗料。 - 【請求項2】 自動車外板上に下塗り塗膜層を形成し、
着色顔料及び/又は光輝性顔料を含むベース塗料を塗装
した上に、上塗り用クリヤー塗料をウェットオンウェッ
トで塗装した後、加熱硬化させることよりなる自動車車
体の複層塗膜形成方法であって、前記上塗り用クリヤー
塗料は、請求項1記載の自動車上塗り用クリヤー塗料で
あることを特徴とする自動車車体の複層塗膜形成方法。 - 【請求項3】 自動車外板上に下塗り塗膜層を形成し、
着色顔料を含むソリッド塗料を塗装して加熱硬化した上
に、又は、ベース塗料とクリヤー塗料とをウェットオン
ウェットで塗装して加熱硬化した上に、上塗り用クリヤ
ー塗料をドライオンウェットで塗装した後、加熱硬化さ
せることよりなる自動車車体の複層塗膜形成方法であっ
て、前記上塗り用クリヤー塗料は、請求項1記載の自動
車上塗り用クリヤー塗料であることを特徴とする自動車
車体の複層塗膜形成方法。 - 【請求項4】 複層塗膜により塗装された自動車車体で
あって、前記複層塗膜の最外層は、請求項1記載の自動
車上塗り用クリヤー塗料により形成されたものであるこ
とを特徴とする自動車車体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10345717A JP2000169784A (ja) | 1998-12-04 | 1998-12-04 | 自動車上塗り用クリヤー塗料、複層塗膜形成方法及び自動車車体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10345717A JP2000169784A (ja) | 1998-12-04 | 1998-12-04 | 自動車上塗り用クリヤー塗料、複層塗膜形成方法及び自動車車体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000169784A true JP2000169784A (ja) | 2000-06-20 |
Family
ID=18378494
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10345717A Pending JP2000169784A (ja) | 1998-12-04 | 1998-12-04 | 自動車上塗り用クリヤー塗料、複層塗膜形成方法及び自動車車体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000169784A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007055038A1 (ja) * | 2005-11-10 | 2007-05-18 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | アクリルゴム組成物 |
JP2007238737A (ja) * | 2006-03-08 | 2007-09-20 | Kansai Paint Co Ltd | 水性樹脂組成物及び該水性樹脂組成物を含む水性塗料組成物 |
-
1998
- 1998-12-04 JP JP10345717A patent/JP2000169784A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007055038A1 (ja) * | 2005-11-10 | 2007-05-18 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | アクリルゴム組成物 |
JP2007238737A (ja) * | 2006-03-08 | 2007-09-20 | Kansai Paint Co Ltd | 水性樹脂組成物及び該水性樹脂組成物を含む水性塗料組成物 |
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