JP2930838B2 - 硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法

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JP2930838B2
JP2930838B2 JP18126293A JP18126293A JP2930838B2 JP 2930838 B2 JP2930838 B2 JP 2930838B2 JP 18126293 A JP18126293 A JP 18126293A JP 18126293 A JP18126293 A JP 18126293A JP 2930838 B2 JP2930838 B2 JP 2930838B2
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polymer
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哲 伏見
常敬 久井
和彦 竹岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用上塗り塗料お
よびコイルコーティング用塗料に好適に用いうる硬化性
樹脂組成物およびこれらを用いる塗膜形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車の上塗り塗料として用いられるバ
インダーには水酸基含有ポリマーとメラミン樹脂硬化剤
とを組み合わせて用いることが一般的である。しかしな
がら、このようなメラミン樹脂を硬化剤として用いるこ
とにより得られる硬化塗膜は一般に耐酸性に劣る。した
がって、このような塗膜は近年問題となっている酸性雨
により特に劣化され易く、外観上の不具合を生じる。
【0003】メラミン樹脂を硬化剤として用いることに
より得られる塗膜が耐酸性に劣るのはメラミン樹脂中の
トリアジン核に起因すると考えられている。したがっ
て、メラミン樹脂を硬化剤として用いる限り耐酸性に劣
る欠点は解消されない。
【0004】このような欠点を解決するために、本発明
者らは、特開平2-45577号および特開平3-287650号にお
いてメラミン樹脂を使用しない新規な塗料組成物を提案
した。同様の塗料組成物は、米国特許第2,977,334号(ゾ
フ(Zopf)ら)、同第3399109号(チンマーマン(Zimmerman)
ら)および同第3,528,935号(マリオン(Marion)ら)にも開
示されている。このような塗料組成物は酸基とエポキシ
基とを反応させることにより生じるエステル結合を架橋
点とするので耐酸性は良好であり、自動車用上塗り塗膜
として充分な耐候性も有する。しかしながら、洗車機等
を用いる自動車洗浄の際にブラシの傷が付き易いという
欠点を有する。さらに、この硬化系では塗膜に十分な洗
車の際の耐傷性を付与するために架橋密度を上げた場合
に塗膜の伸びが低くなり、固くもろい塗膜が形成され易
い。固くもろい塗膜は摩擦した場合にすり傷が付きやす
いので、単に架橋密度を上げただけの塗膜は、洗車等の
場合にも充分な耐傷性を有さず、上塗り塗膜として用い
ることは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、高
い架橋密度を有するために耐候性、特に酸性雨に対する
耐性に優れ、かつ高い伸び率を有するために耐すり傷性
にも優れる塗膜を提供しうる硬化性樹脂組成物を提供
し、並びにこれらを用いる塗膜形成方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)(i)式
【0007】
【化3】
【0008】[式中、Rは水素原子またはメチル基であ
り、mは2〜8の整数であり、nは3〜7の整数であり、
qは0〜4の整数である。] で示す構造を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート化合物と酸無水物基含有化合物とを水酸基と酸無水
物基とが1/0.9〜1/0.5のモル比となる割合の量で混合
して反応させることにより得られるカルボキシル基含有
エチレン性不飽和モノマーとヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート化合物とのモノマー混合物20〜100重量
%、および必要に応じて(ii)共重合可能なエチレン性不
飽和モノマー0〜80重量%、を共重合させることにより
得られる、水酸基とカルボキシル基とを有するポリマー
5〜50重量%(ポリマーの重量%は樹脂組成物の固形分
総重量に基づく); (b)(i)(1)酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー15
〜40重量%と(2)他の共重合可能なエチレン性不飽和モ
ノマー60〜85重量%とを共重合させることにより得られ
る酸無水物基含有ポリマーを、(ii)1〜12個の炭素原子
を含有する水酸基含有化合物と、酸無水物基と水酸基と
がモル比で1/1.5〜1/1となる割合の量で反応させる
ことにより得られる、カルボキシル基とカルボン酸エス
テル基とを有するポリマー20〜60重量%;および (c)(i)該ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物
5〜40重量%、(ii)エポキシ基含有エチレン性不飽和モ
ノマー10〜60重量%、および必要に応じて(iii)他の共
重合可能なエチレン性不飽和モノマー0〜85重量%、を
共重合することにより得られる、水酸基とエポキシ基と
を含有するポリマー30〜60重量%;を含有する硬化性樹
脂組成物を提供するものであり、そのことにより上記目
的が達成される。
【0009】本発明の硬化性樹脂組成物に用いる水酸基
とカルボキシル基とを有するポリマー(a)は、少なくと
も2種類のエチレン性不飽和モノマーの共重合体であ
る。
【0010】第1のエチレン性不飽和モノマーは、式
【0011】
【化4】
【0012】[式中、Rは水素原子またはメチル基であ
り、mは2〜8、好ましくは2〜6の整数であり、nは3
〜7、好ましくは3〜5の整数であり、qは0〜4、好
ましくは0〜2の整数である。] で示す構造を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート化合物と酸無水物基含有化合物とを水酸基と酸無水
物基とが等モルとなる割合の量でハーフエステル化反応
させることにより得られるカルボキシル基含有エチレン
性不飽和モノマーである。このモノマーは、本発明に用
いる水酸基とカルボキシル基とを有するポリマー(a)に
おいてカルボキシル基を導入するために用いられる。
【0013】本発明に用いうるヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート化合物のヒドロキシアルキル鎖は、短
すぎると架橋点近傍のフレキシビリティーがなくなるた
め固くなりすぎ、長すぎると架橋点間分子量が大きくな
りすぎる。したがって、炭素数4〜20であることが好ま
しく、4〜10であることがさらに好ましい。具体的に
は、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルおよび(メタ)
アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、およびこれらのε-
カプロラクトンとの反応物のような化合物が挙げられ
る。このような化合物は市販されており、例えば、三菱
化成(株)製、「4HBA」のアクリル酸4-ヒドロキシブチ
ル、ダイセル化学工業(株)社製「プラクセルFM1」、「プラ
クセルFA1」等が挙げられる。および「4HBMA」のメタク
リル酸4-ヒドロキシブチル等が挙げられる。または、こ
のような化合物は、(メタ)アクリル酸と大過剰のジオー
ル(例えば、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール)
をエステル化することにより調製することができる。
【0014】本発明に用いうる酸無水物基含有化合物
は、室温〜120℃、常圧のような通常の反応条件におい
て水酸基と反応することによりカルボキシ官能性を有す
る化合物であれば特に限定されない。ここでは、炭素数
8〜12、特に8〜10を有する環状(不飽和もしくは飽和)
の基を有する酸無水物基含有化合物を用いることが好ま
しい。このような化合物を用いる方が樹脂の相溶性が良
好だからである。好ましい酸無水物の具体例には、ヘキ
サヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、4-メチルヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸および
無水トリメリット酸等が挙げられる。
【0015】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化
合物と酸無水物基含有化合物とのハーフエステル化の反
応は通常の方法に従い、室温から120℃の温度で行なわ
れる。この際に、未反応の酸無水物基を残存させないた
めに、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物を
過剰の量で用いることが好ましい。
【0016】第2のエチレン性不飽和モノマーとして、
水酸基とカルボキシル基とを有するポリマー(a)を調製
するために、必要に応じて共重合可能なエチレン性不飽
和モノマー(a)(ii)を用いうる。好ましいモノマー(a)(i
i)としては、エチレン性不飽和結合を一つ有する炭素数
3〜15、特に2〜12のモノマーである。さらに、水酸基
含有エチレン性不飽和モノマーを用いてもよく、この場
合はポリマー(a)へさらに水酸基を導入するために用い
られる。第2のモノマーに含有される水酸基は1級水酸
基であることが好ましい。塗料化後、反応性が良好だか
らである。
【0017】2種以上のモノマーを混合して用いること
も可能である。樹脂同士の相溶性を向上させるのに有効
だからである。好適に用いうるこのようなモノマーの具
体例には、エチレン性不飽和モノマーとして、スチレ
ン、α-メチルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル(例
えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸-n、
i、およびt-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシ
ルおよび(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル等)、シェル社製の合成飽和モノカルボ
ン酸のビニルエステル「VeoVa-9」および「VeoVa-10」
等があり、水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとして
は、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルおよび(メタ)
アクリル酸4-ヒドロキシブチルが挙げられる。好ましく
は、式[I]で示されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート化合物を用いてもよい。
【0018】カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノ
マーと水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとのモノマ
ー混合物(a)(i)と、共重合可能なエチレン性不飽和モノ
マー(a)(ii)との重合は通常の溶液重合によりなされ
る。アゾ系又はパーオキサイド系の開始剤を用いて、温
度100〜150℃で重合時間3〜8時間で重合を行うことが
好ましい。その際に、カルボキシル基含有エチレン性不
飽和モノマーと水酸基含有エチレン性不飽和モノマーと
のモノマー混合物(a)(i)と、他のモノマー(a)(ii)と
は、20〜100重量%、好ましくは40〜80重量%/0〜80重
量%、好ましくは20〜60重量%の割合で共重合させる。
【0019】カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノ
マーと水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとのモノマ
ー混合物(a)(i)の量が20重量%より低いと硬化性が不足
する。また、他のモノマー量が60重量%以上の場合も官
能基量が低くなりすぎ硬化性が不足する。
【0020】上記各モノマーおよびラジカル重合開始剤
(ラジカル重合に通常用いられるものでよく、例えば、t
-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、ジメチル
2,2'-アゾビスイソブチレート等が挙げられる。)を含む
モノマー組成物をラジカル重合することにより水酸基と
カルボキシル基とを有するポリマー(a)が得られる。
【0021】重合に際しては、カルボキシル基含有エチ
レン性不飽和モノマーと水酸基含有エチレン性不飽和モ
ノマーとのモノマー混合物、および共重合可能なエチレ
ン性不飽和モノマーを、それぞれ独立して所定量にて混
合してもよいが、上述のハーフエステル化工程におい
て、式[I]で示すヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト化合物を過剰の量で用いることを利用してもよい。
【0022】すなわち、水酸基含有エチレン性不飽和モ
ノマーとしてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化
合物を用いる場合は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート化合物を、ハーフエステル化に必要な量に加えて
共重合時に必要な量を過剰量として加えた量で用いて酸
無水物基含有化合物とハーフエステル化させることによ
り、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーと水
酸基含有エチレン性不飽和モノマーとのモノマー混合物
が得られる。この場合には、一般に、ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート化合物と酸無水物基含有化合物と
を水酸基と酸無水物基とが1/0.9〜1/0.5のモル比、特
に1/0.8〜1/0.5のモル比となる割合の量で混合して反
応させることが好ましい。1/0.9以下では、ハーフエス
テル化に時間がかかりモノマーがゲル化する恐れがあ
り、また、1/0.5以上ではカルボキシル基の量が少なす
ぎて硬化性が不足する。
【0023】得られるカルボキシル基含有エチレン性不
飽和モノマーとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
化合物とのモノマー混合物(a)(i)を上記と同様の方法で
共重合させるか、または必要に応じて、他のエチレン性
不飽和モノマー(a)(ii)をも用いて共重合させることに
より、本発明の水酸基とカルボキシル基とを有するポリ
マー(a)が得られる。このように重合を行う場合には、
一般に、モノマー混合物(a)(i)20〜100重量%、好まし
くは40〜80重量%とエチレン性不飽和モノマー(a)(ii)
0〜80重量%、好ましくは20〜60重量%とが用いられ
る。
【0024】モノマー混合物(a)(i)の量が20重量%を下
回ると硬化性が不足する。
【0025】このようにして、式
【0026】
【化5】
【0027】[式中、Xはラジカル重合開始剤に由来する
構造単位であり、R1は水素原子またはメチル基であり、
Yは酸無水物基含有化合物の残基であって炭素数8〜1
2、好ましくは8〜10のものであり、Zは、式 −(CH2)m−(O−CO−(CH2)n)q− [式中、m、nおよびqは上記と同意義である。] で示すアルキレン基であり、主鎖は、例えば、式
【0028】
【化6】
【0029】[式中、x、yおよびzは整数であり、R1は上
記と同意義であり、R2およびR4は、一般に炭素数2〜1
5、好ましくは2〜12の直鎖または分岐鎖のアルキル基
であり、R3は水素または、一般に炭素数1〜8、好まし
くは1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、
構造単位のそれぞれの順序は任意である。] で示す構造の繰り返し単位を有する。] で示す構造を有する本発明の硬化性樹脂組成物に用いう
る水酸基とカルボキシル基とを有するポリマー(a)が得
られる。このポリマーは1500〜20000、特に2000〜5000
の数平均分子量Mnを有することが好ましい。数平均分子
量が1500を下回ると1分子当たりの官能基数が少なくな
り硬化性が不足となり、20000を上回ると他の樹脂との
相溶性が悪くなる。また、固形分換算で30〜250mgKOH/
g、特に25〜200mgKOH/gの水酸基価と50〜200mgKOH/g、
特に70〜180mgKOH/gの酸価とを有することが好ましい。
水酸基価が30mgKOH/gを下回ると硬化性が悪くなり、250
mgKOH/gを上回ると相溶性が悪くなる。酸価が50mgKOH/g
を下回ると硬化性が悪くなり、200mgKOH/gを上回ると未
反応の酸により耐水性が悪くなる。なお、本発明で用い
るポリマーの分子量はGPC法により求められる。
【0030】本発明の硬化性樹脂組成物に用いるカルボ
キシル基とカルボン酸エステル基とを有するポリマー
(b)は、酸無水物基含有ポリマー(b)(i)と水酸基含有化
合物(b)(ii)とを反応させることにより得られるハーフ
エステル基含有ポリマーである。
【0031】酸無水物基含有ポリマー(b)(i)は、酸無水
物基含有エチレン性不飽和モノマー(b)(i)(1)15〜40重
量%と他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(b)
(i)(2)60〜85重量%とを共重合させることにより得ら
れる。酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマーの具体
例には、無水イタコン酸、無水マレイン酸および無水シ
トラコン酸等が挙げられる。他の共重合可能なエチレン
性不飽和モノマーは酸無水物基に悪影響を与えないもの
であれば特に限定されず、具体的には、水酸基基とカル
ボキシル基とを有するポリマー(a)を調製するために「他
の共重合可能なモノマー(a)(ii)」として上述したモノマ
ーが挙げられるが、これらには水酸基を含有するモノマ
ーは含まれない。他の共重合可能なモノマーとしてスチ
レンを用いる場合は、5〜40重量%の量で使用するのが
特に好ましい。
【0032】共重合反応に於ける反応物組成では、酸無
水物基含有エチレン性不飽和モノマーは(b)成分の全モ
ノマー量に対して15〜40重量%、好ましくは15〜30重量
%の量で用いられる。15重量%を下回ると硬化性が不足
し、40重量%を上回ると固くもろくなりすぎて耐候性が
不足する。
【0033】共重合は、例えばラジカル重合等の溶液重
合のような公知の方法により行われ、例えば、重合温度
100〜150℃、重合時間3〜8時間で行うことができる。
開始剤としてはアゾ系またはパーオキサイド系の開始剤
が好適に用いられる。得られるポリマーの数平均分子量
は1500〜20,000、特に2,000〜10,000であることが好ま
しい。数平均分子量が20,000を上回るとポリマー粘度が
高くなるので、高固形分の塗料組成物を調製し難くな
る。数平均分子量が500を下回ると硬化性樹脂組成物の
硬化性が不充分となる。得られるポリマーは1分子中に
平均で少なくとも2個、好ましくは2〜15個の酸無水物
基を有する。1分子中に含有される酸無水物基が2個を
下回ると、硬化性樹脂組成物の硬化性が不充分となる。
15個を上回ると固くもろくなりすぎ、耐候性が不足す
る。
【0034】次いで、得られたポリマーを、酸無水物基
と水酸基とがモル比で1/1.5〜1/1、好ましくは1/1.
5〜1/1.3となる割合の量で水酸基含有化合物(b)(ii)と
反応させることにより、カルボキシル基とカルボン酸エ
ステル基とを有するポリマー(b)を調製する。1/1.5を
上回ると過剰のアルコールが多すぎて硬化時にワキの原
因となり、1/1を下回ると未反応の無水物基が残り、
貯蔵安定性が悪くなる。
【0035】本発明に用いうる水酸基含有化合物(b)(i
i)は、1〜12個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有す
る低分子量化合物である。加熱時アルコールが揮発し酸
無水物基を再生するのに良好だからである。好適に用い
得る水酸基含有化合物には、メタノール、エタノール、
n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブ
タノール、t-ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノ
エタノール、アセトール、アリルアルコールおよびプロ
パギルアルコール等が挙げられる。特に好ましいものは
アセトール、アリルアルコール、プロパルギルアルコー
ルおよびメタノールである。
【0036】本発明の樹脂組成物に用いる水酸基とエポ
キシ基とを有するポリマー(c)は、1分子中にエポキシ
基を平均で好ましくは2〜10個、より好ましくは3〜8
個、および水酸基を平均で好ましくは2〜12個、より好
ましくは4〜10個有する。また、エポキシ当量は好まし
くは100〜800、より好ましくは200〜600であり、ヒドロ
キシ当量は好ましくは200〜1,200、より好ましくは400
〜1,000である。エポキシ当量が上記上限より大きいと
硬化性樹脂組成物の硬化性が不充分となる。また、下限
より小さいと硬くなりすぎて塗膜がもろくなるので好ま
しくない。ヒドロキシ当量が200未満だと硬化塗膜の耐
水性が十分でなく、1,200を超えると硬化性が充分でな
く好ましくない。
【0037】このようなポリマー(c)は、式[I]で示すヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物(c)(i)5〜
40重量%、好ましくは15〜30重量%、エポキシ基含有エ
チレン性不飽和モノマー(c)(ii)10〜60重量%、好まし
くは15〜50重量%、および必要に応じて他の共重合可能
なエチレン性不飽和モノマー(c)(iii)0〜85重量%、好
ましくは10〜60重量%、を共重合することにより得られ
る。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物が5
重量%以下では硬化性が不足し、40重量%以上では相溶
性が不足するので反応が充分に進行しない。エポキシ基
含有エチレン性不飽和モノマーが10重量%以下では硬化
性が不足し、60重量%以上では硬くなりすぎて耐候性不
足となる。
【0038】共重合は、例えばラジカル重合等の溶液重
合のような公知の方法により行われ、例えば、重合温度
100〜150℃、重合時間3〜8時間で行うことができる。
開始剤としてはパーオキサイド系及びアゾ系開始剤が好
適に用いられる。また、ラジカル重合開始剤は、全モノ
マーに対し3〜15重量%の量で用いることが好ましい。
上記モノマー組成物には、その他添加剤として連鎖移動
剤等を加えても良い。得られるポリマーは、分子量500
〜20,000、特に1,500〜10,000とすることが好ましい。
【0039】水酸基とエポキシ基とを有するポリマー
(c)を調製するために用いうるモノマー(c)(ii)として
は、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルおよび3,4-エ
ポキシシクロヘキサニルメチル(メタ)アクリレート等が
挙げられる。モノマー(c)(i)としては、例えば、(メタ)
アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4-ヒ
ドロキシブチルおよびプラクセルFM-1(2-ヒドロキシエ
チルメタクリレートのε-カプロラクトン開環付加物(ダ
イセル社製))等が挙げられる。その他のモノマー(c)(ii
i)としては、水酸基とカルボキシル基とを有するポリマ
ー(a)を調製するために「他の共重合可能なモノマー(a)
(ii)」として上述したモノマーが挙げられる。
【0040】このようにして得られる(a)水酸基とカル
ボキシル基とを有するポリマー、(b)カルボキシル基と
カルボン酸エステル基とを有するポリマー、および(c)
水酸基とエポキシ基とを含有するポリマーを配合するこ
とにより本発明の硬化性樹脂組成物が得られる。
【0041】配合は、上記ポリマー(a)及び(b)に含有さ
れるカルボキシル基とポリマー(c)に含有されるエポキ
シ基とのモル比が1/1.2〜1/0.6、好ましくは1/1.0〜
1/0.8となり、かつポリマー(b)に含有されるカルボキ
シル基またはカルボン酸エステル基(通常は、ポリマー
(b)中のカルボキシル基とカルボン酸エステル基とは等
モル量で存在する。)とポリマー(a)および(c)に含有さ
れる水酸基とのモル比が1/1.5〜1/0.5となるような量
で行うことが好ましい。
【0042】ポリマー(a)及び(b)に含有されるカルボキ
シル基とポリマー(c)に含有されるエポキシ基との割合
が1/0.6を上回ると得られる樹脂組成物の硬化性が低下
し、1/1.2を下回ると塗膜が黄変する。ポリマー(b)に
含有されるカルボキシル基またはカルボン酸エステル基
とポリマー(a)および(c)に含有される水酸基とのモル比
が1/0.5を上回ると得られる樹脂組成物の硬化性が低下
し、1/1.5を下回ると水酸基が過剰となるので耐水性が
低下する。
【0043】このような配合量はそれぞれのポリマーの
水酸基価、酸価およびエポキシ当量から当業者に周知の
計算法により計算することができる。本発明の硬化性樹
脂組成物は、(a)水酸基とカルボキシル基とを有するポ
リマー5〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、(b)カ
ルボキシル基とカルボン酸エステル基とを有するポリマ
ー20〜60重量%、好ましくは25〜55重量%および(c)水
酸基とエポキシ基とを含有するポリマー30〜60重量%、
好ましくは35〜55重量%の量で配合することにより得ら
れる。ポリマー(a)が50重量%より多いと塗膜が柔らか
くなりすぎて耐酸性が低下し、5%より少ないと耐すり
きず性が悪くなる。ポリマー(b)が20重量%より少ない
と耐酸性が低下し、60重量%より多いと塗膜が硬くなり
すぎる。ポリマー(c)は、系に含まれる酸基の総量に適
合する量を配合するので、酸基に対応する量より少ない
と硬化性が低下し、多すぎると耐黄変性が悪化する。
【0044】このようにして得られる本発明の硬化性樹
脂組成物の硬化機構は、まず、加熱によりポリマー(b)
中のカルボキシル基とカルボン酸エステル基とが反応し
てポリマー(b)中に酸無水物基が生成し、遊離の水酸基
含有低分子量化合物が生成する。生成した水酸基含有低
分子量化合物は蒸発することにより系外へ除去される。
ポリマー(b)中に生成した酸無水物基はポリマー(a)およ
びポリマー(c)中に含有される水酸基と反応することに
より架橋点を形成し、再度酸基を形成する。この酸基お
よびポリマー(a)に含有されるカルボキシル基はポリマ
ー(c)中に含有されるエポキシ基と反応することにより
架橋点を形成する。このように、3種類のポリマーが相
互に反応することにより硬化が進行する。
【0045】このような構成により3種類のポリマーが
相互に反応する事により高い架橋密度を提供することが
可能である。又ポリマー(a)成分の水酸基とカルボキシ
ル基が主鎖より離れている為架橋点近傍の運動の自由度
が高い為伸び率が高くなり耐スリ傷性のような性能を発
揮するものと推察される。
【0046】上記ポリマー(a)、(b)および(c)の他に
も、本発明の硬化性樹脂組成物には、例えば4級アンモ
ニウム塩のような酸とエポキシとのエステル化反応に通
常用いられる硬化触媒を含んでもよい。本発明の硬化性
樹脂組成物に用い得る他の触媒の具体例には、ベンジル
トリエチルアンモニウムクロリドもしくはブロミド、テ
トラブチルアンモニウムクロリドもしくはブロミド、サ
リチレートもしくはグリコレート、パラトルエンスルホ
ネート等が挙げられる。これらの触媒は混合して用いて
もよい。この触媒の配合量は樹脂組成物固形分に対し0.
1〜2.0重量%が好ましい.また、特開平2―151651号公
報および同第2―279713号公報に記載のように、スズ系
の触媒をこれらと併用してもよい。スズ系触媒には、例
えば、ジメチルスズビス(メチルマレート)、ジメチルス
ズビス(エチルマレート)、ジメチルスズビス(ブチルマ
レート)、ジブチルスズビス(ブチルマレート)等が挙げ
られる。硬化触媒とスズ触媒の重量比は1/4〜1/0.2が
好ましい。
【0047】架橋密度を上げ、耐水性の向上をはかるた
めに、本発明の樹脂組成物にメラミン・ホルムアルデヒ
ド樹脂および/またはブロック化イソシアネートを加え
てもよい。また、塗装膜の耐候性向上のために、紫外線
吸収剤およびヒンダードアミン光安定剤、酸化防止剤等
を加えても良い。更にレオロジーコントロール剤として
架橋樹脂粒子や、外観の調整の為表面調整剤を添加して
も良い。更にまた、粘度調整等のために希釈剤としてア
ルコール系溶剤(例えば、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、およびブタノール等)、ヒドロカーボン
系、およびエステル系等の溶剤を使用しても良い。
【0048】また、本発明で用いる樹脂は酸基を官能基
として有する。したがって、アミンで中和することによ
り、水を媒体とする水性樹脂組成物とすることも可能で
ある。
【0049】本発明の硬化性樹脂組成物はクリア塗料組
成物として好適に用いられる。この場合は、ベース塗料
としては着色顔料含有水性塗料や着色顔料含有有機溶剤
型塗料が好適に用いられる。塗装に際しては、ベース塗
料を硬化させることなく、ベース塗装表面に本発明の硬
化性樹脂組成物を含有するクリア塗料を塗装した後に両
方の塗膜を硬化させる2コート1ベーク硬化方式が好適
に用いられる。
【0050】しかしながら、水性塗料を用いる場合は、
良好な仕上がりの塗膜を得る為に、クリア塗料を塗装す
る前に予めベースコートを60〜100℃で2〜10分間加熱
しておくことが好ましい。ベース塗料としては米国特許
第5,151,125号および同第5,183,504号等に具体的に説明
されているものが用いうる。特に、米国特許第5,183,50
4号記載の水性塗料組成物は仕上がり、外観及び性能の
点で最も好適である。
【0051】本発明の硬化性樹脂組成物の製造法は特に
限定されず、当業者に周知の全ての方法を用いうる。例
えば、エナメル塗料とする場合は、顔料等の配合物をニ
ーダーまたはロール等を用いて混練、分散することによ
り行っても良い。
【0052】本発明の塗料組成物は、スプレー塗装、刷
毛塗り塗装、浸漬塗装、ロール塗装、流し塗装等により
塗装しうる。基板は必要に応じ、下塗りまたは中塗りさ
れていてもよい。下塗り塗料および中塗り塗料は公知の
ものを用いうる。
【0053】本発明の塗料組成物はいかなる基板、例え
ば木、金属、ガラス、布、プラスチック、発泡体等、特
に、プラスチックおよび金属表面、例えばスチール、ア
ルミニウムおよびこれらの合金に有利に用いうる。
【0054】一般に、膜厚は所望の用途により変化す
る。多くの場合、0.5〜3ミルが有用である。
【0055】基板への塗装後、塗膜を硬化させる。硬化
は100〜180℃、好ましくは120℃〜160℃で高い架橋度の
硬化塗膜を得られる。硬化時間は硬化温度等により変化
するが、120℃〜160℃で10〜30分の硬化が適当である。
【0056】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。特に断らな
い限り、配合量は重量部で示す。
【0057】
【調製例1〜16】調製例1〜16では、本発明の硬化性
樹脂組成物に用いる水酸基とカルボキシル基とを有する
ポリマー(a)の調製を説明する。
【0058】調製例1〜5では、その前駆体であるカル
ボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(a)(i)の調製
を説明する。
【0059】調製例1 温度計、撹拌機、冷却管、窒素導入管および滴下ロート
を備えた2リットルの反応容器にアーコソルブPMA(協和
油化(株)社製)溶媒360部、アクリル酸4-ヒドロキシブチ
ル777部(5.4モル)、ヘキサヒドロ無水フタル酸665
部(4.3モル)およびヒドロキノンモノメチルエーテ
ル0.48部を仕込み、145℃に昇温し、20分間保持した。
その後、冷却し、反応容器から取りだすことによりカル
ボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーと水酸基含有
エチレン性不飽和モノマーとのモノマー混合物A-iを得
た。
【0060】調製例2〜5 以下の表-1に示す配合を用いること以外は調製例1と
同様にして、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノ
マーと水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとのモノマ
ー混合物A-ii〜vを得た。
【0061】
【表1】
【0062】調製例6〜16では、水酸基とカルボキシル
基とを有するポリマーの調製を説明する。
【0063】調製例6 温度計、撹拌機、冷却管、窒素導入管および滴下ロート
を備えた3リットルの反応容器にキシレン300部および
アーコソルブPMA溶媒200部を仕込み、130℃に昇温し
た。次いで、調製例1で得られたカルボキシル基含有エ
チレン性不飽和モノマーA-iの1300部とt-ブチルパーオ
キシ2-エチルヘキシルヘキサノエート100部とを3時間
かけて滴下した。30分間130℃に維持した後に、t-ブチ
ルパーオキシ2-エチルヘキサノエート10部とキシレン1
00部との混合溶液を30分かけて滴下した。30分間130℃
に維持した後に冷却し、容器から取りだすことにより、
水酸基とカルボキシル基とを有するポリマーA-Iを得
た。このポリマーは不揮発分54%、数平均分子量2000、
固形分換算で酸価168mgKOH/gおよび水酸基価42mgKOH/g
を有する透明な液体であった。
【0064】調製例7〜16 以下の表-2に示す配合を用いること以外は調製例6と
同様にして、水酸基とカルボキシル基とを有するポリマ
ーA-II〜XIを得た。これらのポリマーの性状も表-2に
合わせて示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【調製例17〜22】調製例17〜22では、本発明の硬化
性樹脂組成物に用いるカルボキシル基とカルボン酸エス
テル基とを有するポリマー(b)の調製を説明する。
【0068】調製例17〜19ではその前駆体である酸無水
物基を有するポリマー(b)(i)の調製を説明する。
【0069】調製例17 温度計、撹拌機、冷却管、窒素導入管および滴下ロート
を備えた1リットルの反応容器にキシレン80重量部を仕
込み、115℃に昇温し、スチレン25部、アクリル酸n-ブ
チル21重量部、メタクリル酸n-ブチル95重量部、メタク
リル酸2-エチルヘキシル34重量部、無水イタコン酸50重
量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート100重量部およびt-ブチルパーオキシ2-エチルヘキ
サノエート10重量部からなるモノマー、および開始剤溶
液を3時間で滴下し、更に2時間撹拌を継続し、不揮発
分53%、数平均分子量5,500の酸無水物基を有するポリ
マーB-iを得た。
【0070】調製例18および19 以下の表-3に示す配合を用いること以外は調製例17と
同様にして、酸無水物基を有するポリマーB-iiおよびB-
iiiを得た。
【0071】
【表4】
【0072】調製例20〜22では、カルボキシル基とカル
ボン酸エステル基とを有するポリマー(b)の調製を説明
する。
【0073】調製例20 調製例17で得られたポリマーB-iの385部にメタノール1
8.2部を加え65℃で24時間反応させることにより、カル
ボキシル基とカルボン酸エステル基とを有するポリマー
B-Iを得た。IRで酸無水物基の吸収(1785cm-1)が消失す
るのを確認した。
【0074】調製例21および22 以下の表-4に示す配合を用いること以外は調製例20と
同様にして、カルボキシル基とカルボン酸エステル基と
を有するポリマーB-IIおよびB-IIIを得た。得られたポ
リマーをIRで調べた結果、酸無水物基の吸収が消失して
いるのを確認した。
【0075】
【表5】
【0076】
【調製例23〜25】調製例23〜25では、本発明の硬化
性樹脂組成物に用いる水酸基とエポキシ基とを含有する
ポリマー(c)の調製を説明する。
【0077】調製例23 温度計、撹拌機、冷却管、窒素導入管および滴下ロート
を備えた2リットルの反応容器に酢酸ブチル500重量部
を仕込み、125℃に昇温した。
【0078】滴下ロートにスチレン50部、メタクリル酸
グリシジル400部、アクリル酸4-ヒドロキシブチル350
部、アクリル酸2-エチルヘキシル200部およびt-ブチル
パーオキシ2-エチルヘキサノエート70部からなるモノマ
ー、および開始剤溶液を3時間で滴下した。滴下終了後
30分間125℃で保持した後、t-ブチルパーオキシ2-エチ
ルヘキサノエート10部およびキシレン250部からなる溶
液を30分間で滴下した。滴下終了後更に2時間125℃に
て反応を継続し、不揮発分59%、数平均分子量4,000、
ヒドロキシ当量411そしてエポキシ当量355の水酸基とエ
ポキシ基とを有するポリマーC-Iを得た。
【0079】調製例24および25 以下の表-5に示す配合を用いること以外は調製例23と
同様にして、水酸基とエポキシ基とを有するポリマーC-
IIおよびC-IIIを合成した。得られたポリマーの特性値
を表-5に示す。
【0080】
【表6】
【0081】
【実施例1〜18】実施例1〜18では、調製例1〜25で
調製したポリマーを用いて得られる本発明の硬化性樹脂
組成物を含有する塗料について説明する。
【0082】実施例1 まず、以下の表に示す配合で樹脂組成物を調製した。
【0083】 成分 配合(重量部) ポリマーA-I(調製例6) 25.0 ポリマーB-I(調製例20) 225.0 ポリマーC-I(調製例23) 160 テトラブチルアンモニウムブロミド 1.3 チヌビン-900 2.6 サノールLS-292 1.3 合計 415.2
【0084】次いで、得られた樹脂組成物を酢酸ブチル
/キシレン=1/1からなる溶媒で塗装粘度に希釈し、ク
リア塗料を得た。リン酸処理鋼板に電着塗料(日本ペイ
ント株式会社製パワートップU-30)及び中塗り塗料(日本
ペイント株式会社製オルガP-2)を塗装した工程試験板に
日本ペイント株式会社製スーパーラックM-90のメタリッ
クベースを塗布したのちウェットオンウェットで上記ク
リア塗料を塗布し140℃で30分間焼き付けた。以下に示
す評価法により効果塗膜を評価した。結果を表-7に示
す。その際に、クリア塗料の乾燥膜厚を40μmとした。
【0085】塗料安定性 得られたクリア塗料を室温で1週間放置した後に、濁り
および分離の有無を目視判定した。濁りおよび分離が無
い場合に「異常なし」とした。
【0086】鉛筆硬度 JIS K 5400-1979に記載の方法にしたがって評価した。
【0087】耐温水性 得られた硬化塗膜を40℃の温水中に10日間浸漬した後
に、塗膜表面を目視評価した。変化が観察されない場合
に「異常なし」とした。
【0088】耐アルカリ性 得られた硬化塗膜を0.1NのNaOH水溶液0.2mlに55℃にお
いて4時間接触させた後に、塗膜表面を目視評価した。
変化が観察されない場合に「異常なし」とした。
【0089】耐酸性 得られた硬化塗膜を0.1NのH2SO4水溶液0.2mlに55〜60℃
において2時間接触させた後に、塗膜表面を以下の基準
により目視評価した。
【0090】 変化が観察されない場合 ・・・◎ かすかに痕跡が見られる場合 ・・・○ 明確に痕跡が見られる場合 ・・・△ とした。
【0091】耐すりきず性 クレンザーの50%水分散体1g(花王(株)からニューホー
ミングクレンザーとして市販;研磨剤87%,界面活性剤
5%およびその他)を塗布した2×2cmのネル製布を学
振型染色物摩擦堅牢度試験機(大栄科学精機(株)社製)に
装着した。ついで、得られた硬化塗膜を500gの負荷で10
往復摩擦した。スガ試験機(株)社製光沢計を用いて測定
した摩擦前後の、20゜Gの割合を%で示す。目視評価との
対応を以下に示す。
【0092】>90・・・変化なし 80〜90・・・かすかに見えるが気にならない程度 70〜80・・・少し見える 70> ・・・明確に見える
【0093】実施例2〜15 以下の表-6に示す配合を用いること以外は実施例1と
同様にして、実施例2〜15のクリア塗料を調製し、塗膜
性能を評価した。評価結果を表-7に示す。
【0094】実施例16〜18 ベース塗料組成物として米国特許5,183,504号の第9欄
第16行〜第10欄第6行に記載の実施例1〜3を作製し
た。リン酸処理鋼板を本発明の実施例1と同様に中塗り
し、次いで上述のベース塗料をスプレーコートした。60
℃で5分間プレヒートした後、実施例1のクリア塗料を
塗布し、140℃で30分間硬化させ、実施例1と同様の評
価を行った。結果を表-7に示す。
【0095】比較例1および2 以下の表-6に示す配合を用いること以外は実施例1と
同様にして、比較例1および2のクリア塗料を調製し塗
膜性能を評価した。評価結果を表-7に示す。
【0096】
【表4】
【0097】
【表8】
【0098】
【表5】
【0099】
【表10】
【0100】表-7の結果で示すように、実施例1〜15
のクリア塗料は比較例に比べ高温での耐酸性及び耐スリ
キズ性に優れる塗膜を提供する。
【0101】
【発明の効果】高い架橋密度を有するために耐候性、特
に酸性雨に対する耐性に優れ、かつ高い伸び率を有する
ために耐すり傷性にも優れる塗膜を提供しうる硬化性樹
脂組成物が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 135/00 C09D 135/00 163/00 163/00 // C08F 20/28 C08F 20/28 (72)発明者 奥出 芳隆 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本 ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−139281(JP,A) 特開 平1−123805(JP,A) 特開 昭51−22723(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 33/06 - 33/14 C08L 35/00 F09D 133/06 - 133/14 F09D 135/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)(i)式 【化1】 [式中、Rは水素原子またはメチル基であり、mは2〜8
    の整数であり、nは3〜7の整数であり、qは0〜4の整
    数である。] で示す構造を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
    ート化合物と酸無水物基含有化合物とを水酸基と酸無水
    物基とが1/0.9〜1/0.5のモル比となる割合の量で混合
    して反応させることにより得られるカルボキシル基含有
    エチレン性不飽和モノマーとヒドロキシアルキル(メタ)
    アクリレート化合物とのモノマー混合物20〜100重量
    %、および必要に応じて(ii)共重合可能なエチレン性不
    飽和モノマー0〜80重量%、を共重合させることにより
    得られる、水酸基とカルボキシル基とを有するポリマー
    5〜50重量%(ポリマーの重量%は樹脂組成物の固形分
    総重量に基づく); (b)(i)(1)酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー15
    〜40重量%と(2)他の共重合可能なエチレン性不飽和モ
    ノマー60〜85重量%とを共重合させることにより得られ
    る酸無水物基含有ポリマーを、(ii)1〜12個の炭素原子
    を含有する水酸基含有化合物と、酸無水物基と水酸基と
    がモル比で1/1.5〜1/1となる割合の量で反応させる
    ことにより得られる、カルボキシル基とカルボン酸エス
    テル基とを有するポリマー20〜60重量%;および (c)(i)該ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物
    5〜40重量%、(ii)エポキシ基含有エチレン性不飽和モ
    ノマー10〜60重量%、および必要に応じて(iii)他の共
    重合可能なエチレン性不飽和モノマー0〜85重量%、を
    共重合することにより得られる、水酸基とエポキシ基と
    を含有するポリマー30〜60重量%;を含有する硬化性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 4級アンモニウム塩触媒を含有する請求
    項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 有機スズ化合物を含有する請求項1また
    は2のいずれか記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3のい
    ずれか記載の硬化性樹脂組成物をバインダー成分として
    含有する塗料組成物。
  5. 【請求項5】 下塗りまたは中塗りした基板上に水系ま
    たは溶剤系ベース塗料を塗布する工程;ベース塗膜を硬
    化させずに、この上に、 (a)(i)式 【化2】 [式中、Rは水素原子またはメチル基であり、mは2〜8
    の整数であり、nは3〜7の整数であり、qは0〜4の整
    数である。] で示す構造を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
    ート化合物と酸無水物基含有化合物とを水酸基と酸無水
    物基とが1/0.9〜1/0.5のモル比となる割合の量で混合
    して反応させることにより得られるカルボキシル基含有
    エチレン性不飽和モノマーとヒドロキシアルキル(メタ)
    アクリレート化合物とのモノマー混合物20〜100重量
    %、および必要に応じて(ii)他の共重合可能なエチレン
    性不飽和モノマー0〜80重量%、を共重合させることに
    より得られる、水酸基とカルボキシル基とを有するポリ
    マー5〜50重量%(ポリマーの重量%は樹脂組成物の固
    形分総重量に基づく); (b)(i)(1)酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー15
    〜40重量%と(2)他の共重合可能なエチレン性不飽和モ
    ノマー60〜85重量%とを共重合させることにより得られ
    る酸無水物基含有ポリマーを、(ii)1〜12個の炭素原子
    を含有する水酸基含有化合物と、酸無水物基と水酸基と
    がモル比で1/1.5〜1/1となる割合の量で反応させる
    ことにより得られる、カルボキシル基とカルボン酸エス
    テル基とを有するポリマー20〜60重量%;および (c)(i)該ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物
    5〜40重量%、(ii)エポキシ基含有エチレン性不飽和モ
    ノマー10〜60重量%、および必要に応じて(iii)他の共
    重合可能なエチレン性不飽和モノマー0〜85重量%、を
    共重合することにより得られる、水酸基とエポキシ基と
    を含有するポリマー30〜60重量%;を含有する硬化性樹
    脂組成物をバインダー成分として含有するクリア塗料組
    成物を塗布する工程;および加熱することにより、ベー
    ス塗膜とクリア塗膜とを硬化させる工程;を包含する塗
    膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記硬化性樹脂組成物が4級アンモニウ
    ム塩触媒を含有する請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記硬化性樹脂組成物が有機スズ化合物
    を含有する請求項5または6のいずれか記載の方法。
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