JP2000007983A - 塗料組成物およびその塗装法 - Google Patents

塗料組成物およびその塗装法

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JP2000007983A JP17156398A JP17156398A JP2000007983A JP 2000007983 A JP2000007983 A JP 2000007983A JP 17156398 A JP17156398 A JP 17156398A JP 17156398 A JP17156398 A JP 17156398A JP 2000007983 A JP2000007983 A JP 2000007983A
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coating
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organic solvent
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Seiji Wada
誠司 和田
Kazutoshi Sugiura
一俊 杉浦
Kyoichi Horibe
恭一 堀部
Akihiko Aida
陽彦 会田
Seiji Obata
政示 小畑
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 長期間貯蔵しても、ツ−コン硬度(20℃)
15以上で、しかも耐汚染性がすぐれ、汚染物質が付着
しても容易に除去することができ硬質塗膜を形成するこ
とが可能な有機溶剤系熱硬化性塗料組成物、およびそれ
を用いた複層塗膜形成法に関する。 【解決手段】 (A)1分子中に脂環式エポキシ基を2
個以上有する数平均分子量が2000未満の化合物、
(B)数平均分子量が2000〜50000、水酸基価
が10〜150mgKOH/gおよびエポキシ当量が2
20以下であるエポキシ基および水酸基を有するアクリ
ル樹脂、(C)コロイダルシリカ、(D)熱潜在性カチ
オン重合性触媒、および(E)テトラアルキルアンモニ
ウム塩を含んでなり、(A)成分と(B)成分における
エポキシ基のモル比が1:1〜1:0.05の範囲内に
あることを特徴とする熱硬化性有機溶剤系塗料。および
これを用いた塗装法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期間貯蔵しても、ツ
−コン硬度(20℃)15以上で、しかも耐汚染性がす
ぐれ、汚染物質が付着しても容易に除去することができ
硬質塗膜を形成することが可能な有機溶剤系熱硬化性塗
料組成物、およびそれを用いた複層塗膜形成法に関す
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】自動車外板用の上塗塗料(特
にクリヤ−塗料)としては、一般に、水酸基含有アクリ
ル樹脂とメラミン樹脂とを主成分とする有機溶剤系塗料
が使用されている。この塗料の塗膜は、耐候性および仕
上り外観などは良好であるが、近年クロ−ズアップされ
ている「耐酸性雨性」が十分でないという課題を有して
いる。この耐酸性雨性を改良した上塗塗料として、カル
ボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有樹脂とを主成分と
し、メラミン樹脂を使用しない有機溶剤系塗料(通称、
酸エポキシ型塗料)が提案されている。この酸エポキシ
型塗料の硬化塗膜は、耐候性および仕上り外観がすぐ
れ、しかも耐酸性雨性も良好であるが、耐汚染性に劣
り、付着した汚染物質を痕跡なく容易に除去することが
困難であるという課題を有している。
【0003】屋外で使用されることが多い自動車の外板
部の上塗塗膜には、汚染物質(例えば、鳥糞、花粉、虫
の死骸など)、鉄粉、砂泥、排気スス(カ−ボン、パラ
フィンなど)などが付着したり、これらが塗膜内に浸み
込んだり、めりこんだりして塗膜表面を汚染しやすい。
例えば、塗膜に付着した鳥糞は、乾燥固化の際に凝縮し
それに伴って上塗塗膜面がちぢみ、その部分の光沢や鮮
映性などの外観が低下し、また、塗膜に付着した花粉や
虫の死骸などは、雨などで濡れるとたんぱく質やアミノ
酸などが溶出し、これが塗膜に浸み込んで汚染源になる
可能性がある。さらに、鉄粉、砂泥、排気ススなどは、
塗膜に付着またはめりこんだりして汚染源になる。
【0004】一方、自動車外板部は屋外放置すると、太
陽熱により60℃以上になることがあり、かかる高温で
は上塗塗膜が軟化して、これらの汚染がさらに促進され
やすくなる。
【0005】このようにして塗膜が汚染されると、単に
拭き取ったりまたは洗剤やワックスなどを使用しても除
去できず、美観性を損ねることになる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の主たる目的は、
自動車用上塗塗料として用いられている従来の有機溶剤
系塗料(例えば、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹
脂とを主成分とする有機溶剤系塗料、酸エポキシ型塗料
など)と比較して、耐候性、仕上り外観、耐酸性などが
同等かまたはそれ以上に優れており、しかも長期間貯蔵
した後でも、耐汚染性が良好な塗膜を形成しうる新規な
有機溶剤系塗料を開発することである。本発明者らは、
上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、脂環
式エポキシ基含有化合物とエポキシ基および水酸基を有
する特定のアクリル樹脂にコロイダルシリカ、カチオン
重合性触媒およびテトラアルキルアンモニウム塩を配合
してなる有機溶剤系塗料は、塗料状態で長期間貯蔵した
としても、その硬化塗膜は、60℃以上の高温に晒され
ても殆ど軟化せず、汚染物質が浸み込んだりめりこんだ
りすることがなく、汚染物質が付着しても洗剤を使わ
ず、水洗やカラ拭き程度で容易に除去することができ、
しかも耐候性、仕上り外観、耐酸性などにもすぐれてい
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】かくして、本発明は、(A)1分子中に脂
環式エポキシ基を2個以上有する数平均分子量が200
0未満の化合物、(B)数平均分子量が2000〜50
000、水酸基価が10〜150mgKOH/gおよび
エポキシ当量が220以下であるエポキシ基および水酸
基を有するアクリル樹脂、(C)コロイダルシリカ、
(D)熱潜在性カチオン重合性触媒、および(E)テト
ラアルキルアンモニウム塩を含んでなり、(A)成分と
(B)成分とにけるエポキシ基のモル比が1:1〜1:
0.05の範囲内にあることを特徴とする熱硬化性有機
溶剤系塗料(以下、本発明塗料という)を提供するもの
である。
【0008】本発明はまた、少なくとも1種の着色塗料
および少なくとも1種のクリヤ−塗料を順次塗装して複
層塗膜を形成する方法において、最上層に塗装するクリ
ヤ−塗料として本発明塗料を使用することを特徴とする
塗装法(以下、本発明方法という)を提供するものであ
る。
【0009】本発明塗料を用いれば、長期間(例えば、
20℃で1か月間またはそれ以上)にわたって塗料の状
態で貯蔵した後であっても、ツ−コン硬度(20℃)が
15以上、破断応力が500Kg/cm2 以上およびヤ
ング率が20000Kg/cm2 以上である硬化塗膜を
形成することが可能であり、これらの特性値を有する塗
膜は、従来の塗料に比べて硬質かつ強靭であり、しかも
60℃以上の高温に晒されても軟化することがなく、汚
染物質が浸み込んだり、めりこんだりすることがなく、
汚染物質が付着しても容易に除去することができ、耐汚
染性を顕著に改善することができる。
【0010】本明細書において「ツ−コン硬度(20
℃)」は、塗料をガラス板に硬化塗膜で30μmになる
ように塗装し、所定の条件、例えば140℃で30分間
加熱硬化した塗膜を、20℃において、American Chain
& Cable Company製のTUKON microhardness testerにて
測定したときの値であり、その数値が大きいほど硬質で
あることを意味する。既知の熱硬化性塗料によって形成
される硬化塗膜のツ−コン硬度は通常5〜10であるか
ら、本発明塗料によって形成することができるツ−コン
硬度(20℃)が15以上の硬化塗膜がいかに硬質であ
るかが理解されよう。
【0011】また、「破断応力」は、塗料をガラス板に
硬化塗膜で30μmになるように塗装し、所定の条件、
例えば140℃で30分間加熱硬化した塗膜を、20℃
において、オリエンテックコ−ポレ−ション製のテンシ
ロンメ−タ−を用いて測定したときの値である。この数
値が大きいほど塗膜強度が高いことを示す。既知の熱硬
化性塗料によって形成される硬化塗膜の破断応力は通常
300〜500Kg/cm2 であるから、本発明塗料を
用いて形成されうる破断応力が500Kg/cm2 以上
の塗膜は破断応力が高く、強靭である。
【0012】さらに、「ヤング率」は上記の破断応力と
同様にして測定される値であり、その数値が大きいほど
塗膜硬度が高いことを示す。既知の熱硬化性塗料のヤン
グ率は通常10000〜20000Kg/cm2 である
から、本発明塗料を用いて形成されうるヤング率が20
000Kg/cm2 以上の塗膜は、既知の熱硬化性塗料
を用いて形成される塗膜に比べて硬質である。
【0013】以下、本発明塗料についてさらに詳細に説
明する。
【0014】(A)成分:1分子中に脂環式エポキシ基
を2個以上有する数平均分子量2000未満の化合物 ここで「脂環式エポキシ基」は、脂環式炭化水素の環を
構成する2個の隣接炭素原子と1個の酸素原子によって
形成されるオキシラン環(2個の炭素原子と1個の酸素
原子とで構成される3員環)のことであり、脂環式炭化
水素の環を構成する1個の炭素原子とオキシラン環を構
成する炭素原子1個とが同一原子であるスピロ型のエポ
キシ基や、脂環式炭化水素環とオキシラン環とが他の炭
素原子を介して結合しているエポキシ基等は、上記の脂
環式エポキシ基には含まれない。上記の脂環式炭化水素
は、通常、3〜12個、好ましくは5〜6個の炭素原子
で構成されているこことができる。
【0015】(A)成分は、かかる脂環式エポキシ基を
1分子中に2個以上、好ましくは2〜3個有し、かつ数
平均分子量が2000未満、好ましくは100〜150
0の化合物である。また、(A)成分は、一般に、50
〜500、特に100〜300のエポキシ当量を有する
ことが好ましい。
【0016】かかる(A)成分としては、例えば、ジシ
クロペンタジエンジオキサイド、ビス(2,3−エポキ
シシクロペンチル)エ−テル、エポキシシクロヘキセン
カルボン酸エチレングリコ−ルジエステル、ビス(3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペ−ト、ビス
(4,5−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチ
ル)アジペ−ト、エチレングリコ−ル−ビス(3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレ−ト)、3´,4
´−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレ−ト、3,4−エポキシ−
6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−
6−メチルシクロヘキサンカルボキシレ−ト、1,2,
5,6−ジエポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3´,
4´−エポキシ−1,3−ジオキサン−5−スピロシク
ロヘキサン、1,2−エチレンジオキシ−ビス(3,4
−エポキシシクロヘキシルメタン)、ジ−2,3−エポ
キシシクロペンチルエ−テル、4´,5´−エポキシ−
2´−メチルシクロヘキシルメチル−4,5−エポキシ
−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレ−トなどがあ
げられる。
【0017】(B)成分:数平均分子量が2000〜5
0000、水酸基価が10〜150mgKOH/gおよ
びエポキシ当量が220以下であるエポキシ基含有アク
リル樹脂 (B)成分のアクリル樹脂が有する「エポキシ基」とし
ては、前記の脂環式エポキシ基およびグリシジル(メ
タ)アクリレ−トに由来するエポキシ基が特に好適であ
るが、その他に、脂環式炭化水素の環を構成する1個の
炭素原子とオキシラン環を構成する1個の炭素原子が共
通しているスピロ型のエポキシ基なども包含される。
【0018】かかる(B)成分は、エポキシ基含有重合
性モノマ−(B−1)、水酸基含有重合性モノマ−(B
−2)およびアクリル系重合性モノマ−(B−3)を必
須成分とし、さらに必要に応じて他の重合性モノマ−
(B−4)を使用し、共重合することにより得られる。
【0019】エポキシ基含有重合性モノマ−(B−1)
は、1分子中にエポキシ基および重合性不飽和二重結合
をそれぞれ少なくとも1個づつ有する化合物である。具
体的には、例えば、グリシジル(メタ)アクリレ−ト、
メチルグリシジル(メタ)アクリレ−ト、アリルグリシ
ジルエ−テル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレ−ト、2−(1,2−エポキシ−4,
7−メタノペルヒドロインデン−5(6)−イル)オキ
シエチル(メタ)アクリレ−ト、5,6−エポキシ−
4,7−メタノペルヒドロインデン−2−イル−(メ
タ)アクリレ−ト、1,2−エポキシ−4,7−メタノ
ペルヒドロインデン−5−イル−(メタ)アクリレ−
ト、2,3−エポキシシクロペンテニル(メタ)アクリ
レ−ト、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル化ポリ
カプロラクトンの(メタ)アクリレ−ト、アクリル酸ま
たはメタクリル酸と上記(A)成分との等当量反応生成
物、下記一般式で示される化合物などがあげられる。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】上記式中、R1 は同一もしくは異なり水素
原子又はメチル基を示し、R2 は同一もしくは異なりC
1 〜 8 の炭化水素基を示し、R3 は同一もしくは異な
りC1 〜 2 0 の炭化水素基を示し、Wは0〜10の整
数を示す。
【0023】水酸基含有重合性モノマ−(B−2)は、
1分子中に水酸基および重合性不飽和二重結合をそれぞ
れ少なくとも1個づつ有する化合物であり、具体的には
例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレ−トおよびヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレ−トなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコ−ル(グリコ
−ル)とのモノエステル化物;ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−
ルなどのポリエ−テルポリオ−ルとアクリル酸またはメ
タクリル酸とのモノエステル化物などがあげられる。
【0024】アクリル系重合性モノマ−(B−3)に
は、アクリル酸またはメタクリル酸と炭素数1〜24の
1価脂肪族または脂環式アルコ−ルとのモノエステル化
物が包含され、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシルなどがあげられる。これらのモノマ−(B−
3)は単独で使用することができ、または2種以上併用
してもよい。
【0025】他の重合性モノマ−(B−4)は、1分子
中に1個以上の重合性不飽和二重結合を有する、上記モ
ノマ−(B−1)、(B−2)および(B−3)以外の
化合物であり、具体的には下記のモノマ−を例示するこ
とができる。
【0026】i)アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキ
シ基含有重合性モノマ−、 ii)N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、N−メ
トキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミドなどのアミド系重合性モノ
マ−、 iii)エチルビニルエ−テル、プロピルビニルエ−テ
ル、ブチルビニルエ−テル、ヘキシルビニルエ−テル、
シクロペンチルビニルエ−テル、シクロヘキシルビニル
エ−テル、フェニルビニルエ−テル、ベンジルビニルエ
−テルなどのビニルエ−テル、 iv)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、プ
ロピレン、塩化ビニル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−
ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−
ト、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリ
ル、ビニルピドリドン など。
【0027】(B)成分は、上記のモノマ−(B−
1)、(B−2)および(B−3)を必須成分とし、さ
らに必要に応じて(B−4)を使用し、例えば、ラジカ
ル重合触媒を使って通常の方法により溶液重合すること
によって調製することができる。これらの各モノマ−の
構成比率は、水酸基価が10〜150mgKOH/g、
好ましくは20〜120mgKOH/g、エポキシ当量
が220以下、好ましくは100〜200の範囲内にな
るように選択される。
【0028】製造される(B)成分の数平均分子量は2
000〜50000、特に3000〜20000の範囲
内にあることが好ましく、2000より小さくなると一
般に硬化性が低下し、50000より大きくなると塗膜
の仕上り性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0029】本発明塗料において、(A)成分および
(B)成分は該両成分中のエポキシ基のモル比が(A)
成分のエポキシ基:(B)成分のエポキシ基=1:1〜
1:0.05、好ましくは1:0.8〜1:0.2の範
囲内となるような割合で使用することができる。
【0030】(C)成分:コロイダルシリカ 本発明塗料に配合するコロイダルシリカとしてそれ自体
既知のものを使用することができる。具体的には、二酸
化ケイ素(SiO2 )の超微粒子が有機溶剤中にけん濁
している形態の分散液として使用することが好ましい。
該超微粒子はシロキサン結合により高分子量化しており
且つその表面に水酸基を有することもある、形状が真球
状のシリカであることが好ましい。また、該微粒子の大
きさは一般に2〜100nm、特に5〜50nmの範囲
内にあることが好ましい。
【0031】これらの超微粒子をけん濁させるための有
機溶剤としては、任意のものが使用することができ、例
えば、ヘキサン、ヘプタン、キシレン、トルエン、シク
ロヘキサンなどの炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、酢酸
ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テルなどのエステ
ル系;イソプロピルエ−テル、エチレングリコ−ルモノ
メチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエ−
テルなどのエ−テル系;エチルアルコ−ル、ブチルアル
コ−ル、ヘキシルアルコ−ルなどのアルコ−ル系;メチ
ルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソホロ
ン、アセトフェノンなどのケトン系の有機溶剤などがあ
げられる。
【0032】二酸化ケイ素(SiO2 )の超微粒子が有
機溶剤中にけん濁している形態の分散液中の二酸化ケイ
素超微粒子の含有率は一般に15〜50重量%、特に2
0〜43重量%の範囲内にあることが好ましい。
【0033】本発明塗料において使用しうる二酸化ケイ
素超微粒子が有機溶剤中にけん濁している形態の分散液
は市販品として入手することができ、例えば、スノ−テ
ックスMA−ST−M、同IPA−ST、同EG−S
T、同EG−ST−ZL、同NPC−ST、同DMAC
−ST、同MEK、同XBA−ST、同MIBK−ST
(いずれも日産化学工業(株)製、商品名)などがあげ
られる。
【0034】本発明塗料において、(C)成分(コロイ
ダルシリカ)の配合量は、本発明塗料の使用目的等に応
じて広い範囲から選択することができるが、一般には、
固形分比で、上記(A)成分と(B)成分との合計10
0重量部あたり、10〜140重量部、好ましくは15
〜100重量部、より好ましくは20〜60重量部の範
囲内とすることができる。
【0035】(D)成分:熱潜在性カチオン重合性触媒 本発明塗料で使用する熱潜在性カチオン重合性触媒
(D)は、常温では不活性であるが、加熱して臨界温度
に達すると開裂してカチオンを発生し、カチオン重合を
開始させる化合物であって、例えば、SbF6 −、Sb
4 −、AsF6 −、PF6 −などを陰イオン成分とす
る窒素、イオウ、リンまたはヨ−ドのオニウム塩であ
る。具体的には以下に例示する化合物が好適である。
【0036】i)4級アンモニウム塩型化合物:例え
ば、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フ
ッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニ
リニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−ベン
ジルピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチ
ル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスル
ホン酸、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジ
ル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチ
ル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ
化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシ
ベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、N,N
−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニ
ウム六フッ化アンチモンなど、 ii)スルホニウム塩型化合物:例えば、トリフェニル
スルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウ
ム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フ
ッ化ヒ素、アデカCP−66(旭電化工業製)、アデカ
CP−77(旭電化工業製)、トリ(4−メトキシフェ
ニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フ
ェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素など、 iii)ホスホニウム塩型化合物:例えば、エチルトリ
フェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチ
ルホスホニウム六フッ化アンチモンなど、 iv)ヨ−ドニウム塩型化合物:例えば、ジフェニルヨ
−ドニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−クロロフェニルヨ−
ドニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−ブロムフェニルヨ−ド
ニウム六フッ化ヒ素、ジ−p−トリルヨ−ドニウム六フ
ッ化ヒ素、フェニル(4−メトキシフェニル)ヨ−ドニ
ウム六フッ化ヒ素など。
【0037】これらのカチオン重合性触媒(D)は、臨
界温度(例えば、約100〜180℃、好ましくは約1
20〜160℃)で約10〜40分程度加熱すると開裂
してカチオンを発生し、(A)成分の脂環式エポキシ基
および(B)成分の水酸基、エポキシ基に基づいてカチ
オン重合を開始させ、該両成分が架橋反応し三次元に硬
化するのを促進する機能を有する。
【0038】カチオン重合性触媒(D)の配合量は、特
に制限されないが、一般には、上記(A)成分と(B)
成分との合計固形分100重量部あたり、0.05〜1
0重量部、特に0.5〜5重量部が適している。
【0039】(E)成分:テトラアルキルアンモニウム
本発明塗料で使用するテトラアルキルアンモニウム塩
(E)は、コロイダルシリカ(C)の室温での反応性を
低下させ、貯蔵安定性を向上させるのに有効であって、
例えば、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラ
ブチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモ
ニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムフルオラ
イド、トリブチルヘキシルアンモニウムフルオライドな
どがあげられる。
【0040】テトラアルキルアンモニウム塩(E)の配
合量は、特に制限されないが、一般には、上記コロイダ
ルシリカ(C)の固形分100重量部あたり、0.00
1〜2重量部、特に0.05〜1重量部が適している。
【0041】本発明塗料は、上記(A)成分、(B)成
分、(C)成分、(D)成分および(E)成分を有機溶
剤中で混合することにより調製することができる。その
際に使用し得る有機溶剤としては、例えば、トルエン、
キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソ
ホロン、メタノ−ル、エタノ−ル、ブタノ−ル、酢酸カ
ルビノ−ル、酢酸メトキシブチル、セロソルブ、酢酸セ
ロソルブなどがあげられるが、これらのみ制限されるも
のではない。
【0042】特に、(E)成分による効果を十分に発揮
させるために、(E)成分と(C)成分とをあらかじめ
混合し、例えば室温で1〜10時間経過してから、この
混合物を上記の(A)成分、(B)成分および(D)成
分と共に有機溶剤中で混合することにより調製してなる
本発明塗料は、長期間貯蔵した後であっても、上記した
特性値を有する硬化塗膜を形成することができる。
【0043】本発明塗料には、使用目的に応じて、上記
成分に加えて、さらに、着色顔料、干渉顔料、メタリッ
ク顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、流動調整
剤、はじき防止剤などの通常の塗料用添加剤を適宜配合
することができる。
【0044】本発明塗料は、例えば、クリヤ−塗料とし
て、或いはソリッドカラ−塗料、メタリック塗料、光干
渉模様塗料などの着色塗料として使用することができる
が、耐汚染性にすぐれた塗膜を形成するので、最上層部
の透明塗膜を形成するクリヤ−塗料として使用すること
が最も好ましい。
【0045】しかして、本発明によれば、例えば自動車
車体などの基体上に、少なくとも1種の着色塗料および
少なくとも1種のクリヤ−塗料を順次塗装して複層塗膜
を形成する工程において、最上層に塗装するクリヤ−塗
料として上記本発明塗料を使用することを特徴とする複
層塗膜形成方法(本発明方法)が提供される。
【0046】本発明方法は、具体的には、以下に述べる
如き方法a〜cで実施することができるが、本発明方法
はこれらのみに限定されるものではない。
【0047】方法a:着色塗料およびクリヤ−塗料を順
次塗装する方法(2コ−ト方式)において、クリヤ−塗
料として本発明塗料を使用する塗装法。
【0048】方法aで使用される着色塗料としては、ソ
リッドカラ−塗料、メタリック塗料および光干渉模様塗
料が包含され、樹脂成分、着色顔料および溶剤を主成分
とする既知の熱硬化性塗料を用いることができる。
【0049】着色塗料に用いられる樹脂成分は、具体的
には、架橋性官能基(例えば水酸基、エポキシ基、カル
ボキシル基、アルコキシシラン基礎など)を有するアク
リル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、ウレタン樹脂などから選ばれた1種以上の基体樹脂
と、これらを架橋硬化させるためのアルキルエ−テル化
したメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ブロッ
クされていてもよいポリイソシアネ−ト化合物、エポキ
シ化合物、カルボキシル基含有化合物などから選ばれた
1種以上の架橋剤成分とからなり、該両成分の合計重量
を基準にして、基体樹脂は50〜90%、架橋剤成分は
50〜10%の比率で併用することが好ましい。着色顔
料には、ソリッドカラ−顔料、メタリック顔料および光
干渉模様顔料が包含され、これらは単独でもしくは2種
以上併用することが可能である。また、溶剤としては有
機溶剤系が適しているが、水系であっても差支えない。
【0050】方法aは、自動車用の金属製ましくはプラ
スチック製の被塗物に直接、またはカチオン電着塗料な
どの下塗塗料や中塗塗料(省略可能)を塗装し、硬化さ
せた後、上記着色塗料をエアレススプレ−、エアスプレ
−、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜として約10〜50
μmになるように塗装し、約100〜180℃、好まし
くは約120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋
硬化させてから、または硬化させずに室温で数分間放置
してから、本発明塗料からなるクリヤ−塗料を同様な方
法で膜厚が硬化塗膜として約20〜70μmになるよう
に塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜
160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させること
によって行われる、2コ−ト1ベイク方式(2C1B)
または2コ−ト2ベイク方式(2C2B)が適してい
る。
【0051】方法b:着色塗料、第1クリヤ−塗料およ
び第2クリヤ−塗料を順次塗装する方法(3コ−ト方
式)において、第2クリヤ−塗料として本発明塗料を使
用する塗装法。
【0052】方法bで用いられる着色塗料としては、上
記方法aで説明したソリッドカラ−塗料、メタリック塗
料および光干渉模様塗料から選ばれる塗料が使用するこ
とができる。また、第1クリヤ−塗料は透明塗膜形成用
塗料であり、上記着色塗料から着色顔料の大部分もしく
はすべてを除去してなる塗料または本発明塗料を使用す
ることができる。そして、第2クリヤ−塗料として本発
明塗料を使用する。
【0053】方法bは、具体的には、自動車用の金属製
ましくはプラスチック製の被塗物に直接、またはカチオ
ン電着塗料などの下塗塗料や中塗塗料(省略可能)を塗
装し、硬化させた後、上記着色塗料をエアレススプレ
−、エアスプレ−、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜とし
て約10〜50μmになるように塗装し、約100〜1
80℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40
分加熱して架橋硬化させてから、または硬化させずに室
温で数分間放置してから、該塗面に第1クリヤ−塗料を
同様な方法で膜厚が硬化塗膜として約10〜50μmに
なるように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約
120〜160℃で約10〜40分加熱して架橋硬化さ
せ、または硬化させずに室温で数分間放置し、次いで第
2クリヤ−塗料である本発明塗料を同様な方法で膜厚が
硬化塗膜として約10〜50μmになるように塗装し、
約100〜180℃、好ましくは約120〜160℃で
約10〜40分加熱して架橋硬化させることによって行
われる、3コ−ト1ベイク方式(3C1B)、3コ−ト
2ベイク方式(3C2B)または3コ−ト3ベイク方式
(3C3B)が適している。
【0054】方法c:第1着色塗料、第2着色塗料およ
びクリヤ−塗料を順次塗装する方法(3コ−ト)におい
て、クリヤ−塗料として本発明塗料を使用する塗装法。
【0055】方法cで使用する第1着色塗料としては、
上記方法aで説明したソリッドカラ−塗料、メタリック
塗料および光干渉模様塗料から選ばれる塗料が使用する
ことができるが、不透明で下地を隠蔽するソリッドカラ
−塗料、メタリック塗料が好ましい。また、第2着色塗
料は、該第1着色塗料の塗面に塗装される塗料であり、
上記方法aで説明したと同様の着色塗料を用いることが
できるが、第2着色塗料の塗膜を透して第1着色塗料の
塗面の色調(ソリッドカラ−、メタリック感、光干渉模
様など)が視認できる程度の隠蔽性を有していることが
必要である。したがって、第2着色塗料におけうソリッ
ドカラ−顔料、メタリック顔料または光干渉模様顔料の
配合量は第1着色塗料に比べ少ないことが好ましい。ま
た、クリヤ−塗料として本発明塗料を使用することがで
きる。
【0056】方法cは、具体的には、自動車用の金属製
ましくはプラスチック製の被塗物に直接、またはカチオ
ン電着塗料などの下塗塗料や中塗塗料(省略可能)を塗
装し、硬化させた後、第1着色塗料をエアレススプレ
−、エアスプレ−、静電塗装などで膜厚が硬化塗膜とし
て約10〜50μmになるように塗装し、約100〜1
80℃、好ましくは約120〜160℃で約10〜40
分加熱して架橋硬化させてから、または硬化させずに室
温で数分間放置してから、第1着色塗料の塗面に第2着
色塗料を同様な方法で膜厚が硬化塗膜として約10〜5
0μmになるように塗装し、約100〜180℃、好ま
しくは約120〜160℃で約10〜40分加熱して架
橋硬化させ、または硬化させずに室温で数分間放置し、
次いでクリヤ−塗料である本発明塗料を同様な方法で膜
厚が硬化塗膜として約10〜50μmになるように塗装
し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160
℃で約10〜40分加熱して架橋硬化させることによっ
て行われる、、3コ−ト1ベイク方式(3C1B)、3
コ−ト2ベイク方式(3C2B)または3コ−ト3ベイ
ク方式(3C3B)が適している。
【0057】
【発明の効果】本発明塗料および本発明方法は以下にの
べる効果を奏することができる。
【0058】(1)本発明塗料を用いて形成される硬化
塗膜は、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂とを主
成分とする有機溶剤系塗料塗膜に比べ、耐候性、仕上り
外観などは同等もしくはそれ以上で、しかも耐酸性が顕
著にすぐれている。
【0059】(2)本発明塗料を用いて形成される硬化
塗膜の耐酸性、耐候性および仕上り外観は、カルボキシ
ル基含有樹脂とエポキシ基含有樹脂とを主成分とする酸
エポキシ型塗料と同等もしくはそれ以上であり、しかも
耐汚染性は顕著にすぐれている。
【0060】(3)本発明塗料を用いれば、ツ−コン硬
度(20℃)が15以上、破断応力が500Kg/cm
2 以上、ヤング率が20000Kg/cm2 以上である
硬化塗膜を形成することが可能であり、該硬化塗膜は、
従来の塗料を用いて形成される硬化塗膜に比べて硬質か
つ強靭であり、60℃以上の高温に晒されても殆んど軟
化することがなく、汚染物質が浸み込んだり、めりこん
だりすることがなく、汚染の促進を防止することがで
き、汚染物質の除去が容易である等、耐汚染性に極めて
すぐれている。
【0061】(4)本発明塗料を用いて形成される塗膜
は、超硬質であるため、汚染物質(例えば、鳥糞、花
粉、虫の死骸など)、鉄粉、砂泥、排気スス(カ−ボ
ン、パラフィンなど)などが付着しにくく、また、これ
らが付着しても塗膜内に浸み込んだり、めり込んだりす
ることが殆どなく、容易に拭き取ることができ、その部
分の光沢や鮮映性などが低下することがない。
【0062】(5)本発明塗料を用いて形成される硬化
塗膜は、超硬質であるため、付着した汚染物質は、単に
拭き取るだけで、または洗剤やワックスなどを使用する
ことなく簡単なスポンジ水洗だけで容易に除去すること
ができた。
【0063】(6)本発明方法により形成される複層塗
膜は、耐候性、光沢や鮮映性などの仕上り外観、耐酸
性、耐汚染性などにすぐれている。
【0064】(7)本発明塗料を長期間(例えば、20
℃で1か月)貯蔵した後であっても、それを塗装し、加
熱硬化した塗膜の性能は、該塗料を製造直後に塗装して
なる塗膜と比べて殆ど差異が認められず、上記(1)〜
(7)に列挙した効果をすべて発現することができる。
【0065】以下に、本発明についての実施例および比
較例について説明する。部および%は重量に基づく。塗
膜の膜厚は硬化塗膜に基づいている。
【0066】1.試 料 (A)成分 (A−1):「CEL−2021P」(ダイセル化学工
業(株)製、商品名)エポキシ当量130、理論分子量
252 構造式
【0067】
【化3】
【0068】(B)成分 (B−1):グリシジルメタクリレ−ト650部、ヒド
ロキシエチルアクリレ−ト116部、nブチルアクリレ
−ト100部およびnブチルメタクリレ−ト134部を
常法により溶液重合してなる、エポキシ当量218、水
酸基価56、数平均分子量10000のアクリル樹脂。
【0069】(C)成分 (C−1):スノ−テックスXBA−SR(日産化学工
業株式会社製、商品名)シロキサン結合により高分子量
化しコロイダルシリカが有機溶剤(キシレン/ブタノ−
ル)中にけん濁している分散液であり、その表面に水酸
基を有し、形状は真球状で、粒子径は10〜20nmで
ある。固形分濃度30%。
【0070】(D)成分 (D−1):「サンエイドSI−100L」(三新化学
(株)製、商品名)ベンジルテトラメチレンスルホニウ
ムヘキサフルオロアンチモネ−ト (E)成分 (E−1):テトラブチルアンモニウムブロマイド 2.実施例および比較例 まず、(C−1)および(E−1)の全量を20℃であ
らかじめ混合し同温度で2時間放置し、ついで、この混
合液を(A−1)、(B−1)および(D−1)と混合
し、有機溶剤を加えて粘度20秒/フォ−ドカップ#4
/20℃に調整して有機溶剤系熱硬化性塗料を得た。こ
の塗料の製造して室温で1時間密閉貯蔵したものと、室
温で36時間密閉貯蔵したものを塗装し、得られた塗膜
の性能試験を行った。各成分の配合比率は表1に示し
た。
【0071】具体的には、カチオン電着塗料および中塗
り塗料を塗装し加熱硬化した鋼板に、アクリル樹脂・メ
ラミン樹脂系有機溶剤型メタリック塗料(膜厚20μ
m)およびアクリル樹脂・メラミン樹脂系有機溶剤型第
1クリヤ塗料(膜厚25μm)をウエットオンウエット
で塗装し、140℃で30分間加熱して両塗膜を同時に
硬化させてから、第2クリヤ塗料として実施例及び比較
例で得た下記表1に示す配合の塗料を膜厚25μmにな
るように塗装し、140℃で30分間加熱して塗膜を硬
化させて試験用塗板とし、塗膜性能を測定した。
【0072】
【表1】
【0073】表1において、 1)各成分の配合比率は固形分比である。
【0074】2)平均EP当量は(A−1)成分と(B
−1)成分との合計平均エポキシ当量である。
【0075】3)A/Bモル比は、(A−1)成分のエ
ポキシ基:(B−1)成分のエポキシ基のモル比であ
る。
【0076】4)モダフロ−はモンサント社製の表面調
整剤に関する商品名である。
【0077】5)破断応力及びヤング率は以外はすべて
上記の塗装工程で得た試験用塗板で性能試験を行った。
また、破断応力及びヤング率の測定は、表1の各成分を
混合して得た塗料の単独塗膜(膜厚40μmに塗装し、
140℃で30分間加熱硬化)について測定した。
【0078】6)仕上がり外観は目視評価であり、○は
ツヤおよび平滑性などが良好であること、△はツヤおよ
び平滑性などがかなり劣ること、×はツヤおよび平滑性
などが著しく劣ることをそれぞれ示す。
【0079】7)硬度は上記の試験用塗板を20℃また
は60℃に加熱し、その塗膜温度でのツ−コン硬度を測
定した結果である。
【0080】8)破断応力は、ガラス板に膜厚が40μ
mになるように塗装し、140℃で30分間加熱して硬
化させた塗膜を20℃において、オリエンテックコ−ポ
レ−ション製のテンシロンメ−タを用いて測定した結果
である。
【0081】9)ヤング率は上記8)と同様にして測定
した結果である。
【0082】10)ゲル分率は、実施例および比較例で
得た有機溶剤系熱硬化性塗料をガラス板に膜厚25μm
になるように塗装し、140℃で30分加熱して硬化せ
しめた塗膜をカッタで削り取り、還流温度のアセトン中
で3時間抽出したあと、抽出前の塗膜重量を基準にした
塗膜残存率(%)を測定した。
【0083】10)「直後」は表1の記載の成分を上記
に従って配合し粘度調整してなる熱硬化性塗料を製造し
てから室温で1時間密閉貯蔵したものを第2クリヤ塗料
として使用した結果であり、「貯蔵」は製造してから室
温で36時間密閉貯蔵したものを第2クリヤ塗料として
使用した結果である。
フロントページの続き (72)発明者 会田 陽彦 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 小畑 政示 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AA02 AA04 AA09 AE03 CA32 CA34 CA44 CB04 DB02 DC12 EA19 EA27 EA43 EB22 EB55 EC03 EC37 4J036 AJ09 DA10 FA05 FB00 FB03 GA02 HA01 JA01 4J038 CG032 CG072 CG142 CG162 CG172 CH032 CH042 CH052 CH112 CH122 CH142 CH172 CH202 CJ132 CK032 CP08 DB041 HA446 JB11 JC17 JC29 JC37 KA04 LA06 MA07 MA08 NA01 NA03 NA04 NA05 NA26 PA03 PA04 PA06 PA07 PA19 PB07 PC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に脂環式エポキシ基を2
    個以上有する数平均分子量が2000未満の化合物、
    (B)数平均分子量が2000〜50000、水酸基価
    が10〜150mgKOH/gおよびエポキシ当量が2
    20以下であるエポキシ基および水酸基を有するアクリ
    ル樹脂、(C)コロイダルシリカ、(D)熱潜在性カチ
    オン重合性触媒、および(E)テトラアルキルアンモニ
    ウム塩を含んでなり、(A)成分と(B)成分における
    エポキシ基のモル比が1:1〜1:0.05の範囲内に
    あることを特徴とする熱硬化性有機溶剤系塗料。
  2. 【請求項2】 (C)コロイダルシリカと(E)テトラ
    アルキルアンモニウム塩とをあらかじめ混合しておき、
    この混合物と、(A)1分子中に脂環式エポキシ基を2
    個以上有する数平均分子量が2000未満の化合物、
    (B)数平均分子量が2000〜50000、水酸基価
    が10〜150mgKOH/gおよびエポキシ当量が2
    20以下であるエポキシ基および水酸基を有するアクリ
    ル樹脂、および(D)熱潜在性カチオン重合性触媒とを
    混合してなり、かつ(A)成分と(B)成分におけるエ
    ポキシ基のモル比が1:1〜1:0.05の範囲内にあ
    ることを特徴とする熱硬化性有機溶剤系塗料。
  3. 【請求項3】 少なくとも1種の着色塗料および少なく
    とも1種のクリヤ−塗料を順次塗装して複層塗膜を形成
    する方法において、最上層に塗装するクリヤ−塗料とし
    て請求項1または2に記載の熱硬化性有機溶剤系塗料を
    使用することを特徴とする塗装法。
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CA002308225A CA2308225A1 (en) 1997-10-21 1998-10-20 A coating composition and a method for coating thereof
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008266629A (ja) * 2007-03-29 2008-11-06 Nippon Shokubai Co Ltd 樹脂組成物及び光学部材

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