JPH10251331A - ポリビニルアルコール系重合体の製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系重合体の製造方法

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JPH10251331A
JPH10251331A JP7450397A JP7450397A JPH10251331A JP H10251331 A JPH10251331 A JP H10251331A JP 7450397 A JP7450397 A JP 7450397A JP 7450397 A JP7450397 A JP 7450397A JP H10251331 A JPH10251331 A JP H10251331A
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JP
Japan
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blade
stirring
saponification
polyvinyl alcohol
based polymer
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Application number
JP7450397A
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English (en)
Inventor
Masaru Ishii
勝 石井
Hitoshi Nakajima
斉 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/12Hydrolysis

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル重合用分散剤として使用した場合
に、得られる塩化ビニル重合体の粒子の均一性が高く、
フィッシュアイの発生が少ないポリ塩化ビニル製品を得
ることができるポリビニルアルコール系重合体の製造方
法の提供。 【解決手段】 略円筒状で底を有する攪拌槽内を攪拌翼
としてのアンカー翼が回転するけん化反応機を使用し、
ポリビニルエステル系重合体、該重合体の溶剤及びけん
化触媒を含む組成物を混合攪拌しながらけん化反応を行
うことを特徴とするポリビニルアルコール系重合体の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール系重合体の製造方法に関し、特に、塩化ビニル単量
体の懸濁重合時に用いる分散剤として有用なけん化度6
0モル%以下の部分けん化ポリビニルアルコール系重合
体を得るのに好適な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル単量体の懸濁重合用分
散剤として、主にポリビニルアルコール系重合体が使用
されている。特に、けん化度60モル%以下の部分けん
化ポリビニルアルコール系重合体は、得られる塩化ビニ
ル重合体粒子のポロシティーを高め、また塩化ビニル重
合体の加工性を改良することを目的として添加するもの
である。このような低けん化度のポリビニルアルコール
系重合体は、一般にはポリ酢酸ビニルに代表されるポリ
ビニルエステル系重合体溶液と、水酸化ナトリウムに代
表されるけん化触媒とをニーダ等を使用して混練しなが
らけん化反応を行い製造している。しかし、このような
方法で得られた低けん化度のポリビニルアルコール系重
合体は、けん化反応時のポリビニルエステル系重合体溶
液とけん化触媒との混合が不十分なため、得られたポリ
ビニルアルコール系重合体のけん化度分布が広くなると
いう欠点がある。そして、このようなポリビニルアルコ
ール系重合体を前記の分散剤として使用すると、得られ
る塩化ビニル重合体粒子が不均一になるという問題があ
る。またこのような塩化ビニル重合体から得られた成形
品にはフィッシュアイが多く発生するため、ポリ塩化ビ
ニル製品を一定の品質で管理することができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩化
ビニル重合用分散剤として使用した場合に、得られる塩
化ビニル重合体の粒子の均一性が高く、フィッシュアイ
の発生が少ないポリ塩化ビニル製品を得ることができる
ポリビニルアルコール系重合体の製造方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、略円筒状で底
を有する攪拌槽内を攪拌翼としてのアンカー翼が回転す
るけん化反応機を使用し、ポリビニルエステル系重合
体、該重合体の溶剤及びけん化触媒を含む組成物を混合
攪拌しながらけん化反応を行うことを特徴とするポリビ
ニルアルコール系重合体の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるポリビニルエステル系重合体としては、
例えば、酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、ギ酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニ
ル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン
酸ビニル、パルミチン酸ビニル、メタクリル酸ビニル、
クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニ
ル、桂皮酸ビニル、t−ブチル安息香酸ビニル、バーサ
ティック酸ビニル等のビニルエステルモノマーの単独重
合体;これらビニルエステルモノマーの2種以上の共重
合体が挙げられる。さらには、これらビニルエステルモ
ノマーの少なくとも1種と、該ビニルエステルモノマー
と共重合可能な不飽和モノカルボン酸又はその塩、不飽
和モノカルボン酸アルキルエステル、不飽和モノカルボ
ン酸アミド、不飽和多価カルボン酸又はその塩、不飽和
多価カルボン酸の部分アルキルエステル、不飽和多価カ
ルボン酸の完全アルキルエステル、不飽和多価カルボン
酸の無水物、不飽和多価カルボン酸アミド、不飽和多価
カルボン酸イミド;不飽和スルホン酸又はその塩;ビニ
ルエーテルモノマー;エチレンモノマー;塩化ビニルモ
ノマー;並びに炭素数3〜30のα−オレフィン等から
選ばれる少なくとも1種との共重合体などが挙げられ
る。特に代表的なポリビニルエステル系重合体は、ポリ
酢酸ビニルである。
【0006】これらのポリビニルエステル系重合体の製
造方法としては、溶液重合法が一般的であるが、これに
限定されず、懸濁重合法、パール重合法、乳化重合法等
の公知の製造方法を使用することができる。
【0007】本発明に用いるポリビニルエステル系重合
体の重合度は、特に限定されないが、粘度平均重合度が
1000以下、特に500以下のものが好ましい。
【0008】本発明に用いるポリビニルエステル系重合
体の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール等
のアルコール;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;ベンゼン、
トルエン等の芳香族炭化水素など有機溶媒が挙げられ、
これらは1種単独で或いは2種以上を組み合わせて使用
することができる。前記の有機溶媒には水が全く含まれ
ていなくても、或いは少量の水が含まれていてもよく、
またこれらの有機溶媒に少量の水を添加して用いてもよ
い。溶剤としては、工業的に有利な点で特にメタノール
が好ましい。溶剤の使用量は特に制限はないが、ポリビ
ニルエステル系重合体と溶剤の混合物の粘度(40℃)
が、2000mPa・s以下、特に1000mPa・s
以下となるような範囲が好ましい。
【0009】本発明に用いるけん化触媒としては、ポリ
ビニルエステル系重合体をけん化するのに用いる公知の
けん化触媒でよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、金属ナトリウム等のアルカリ性けん化触媒;
硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸等の酸性けん化触
媒が挙げられ、特に工業的に有利な点で水酸化ナトリウ
ムが好ましい。けん化触媒の使用量は、けん化反応系の
組成等により適宜に調節することができるが、通常、ポ
リビニルエステル系重合体中のビニルエステル単位1モ
ル当たり、0.001〜0.04モル程度でよい。
【0010】本発明の製造方法は、前記のポリビニルエ
ステル系重合体、溶剤及びけん化触媒を前記の使用量の
範囲、好ましくは得られるポリビニルアルコール系重合
体のけん化度が60モル%以下になるように配合し、こ
れを後述するケン化反応機で攪拌混合してケン化反応さ
せる。なお、けん化度が60モル%を超えるときには、
塩化ビニル重合用の分散剤として使用した場合にその作
用効果が十分に発揮しない場合がある。けん化反応温度
は、通常、常温〜80℃程度でよいが、酸性けん化触媒
を使用した場合は、アルカリ性けん化触媒を使用した場
合に比較し、反応速度が遅いため、より高温にするのが
有利である。
【0011】本発明に用いるけん化反応機は、図1に示
すように、攪拌槽1内で回転するアンカー翼3を少なく
とも1つ攪拌翼として備えていればよく、該アンカー翼
3以外に他の攪拌翼(例えば、後述するピッチドパドル
翼)をアンカー翼3と同一回転軸上に配置してもよい。
【0012】本発明に用いるアンカー翼3の形状は、錨
の形をした板状の、所謂アンカー翼であれば特に制限は
なく、例えば、図1に示すような、翼部分がU字型のも
のや、図示しないが、コの字型のもの等を挙げることが
できる。
【0013】アンカー翼3の大きさは、該翼3の端が攪
拌槽1の内壁に接触しない程度に大きなものが好まし
い。攪拌槽1の内壁と該翼3の外端との間隔が大きすぎ
ると、攪拌槽1の内壁近傍での混合が不十分になるた
め、得られるポリビニルアルコール系重合体のけん化度
が不均一になる場合がある。
【0014】本発明に用いるアンカー翼3としては、下
記関係式を満足するものが好ましい。 0.8D≦d1 <D、かつ0.7h≦b1 <h (式中、Dは、図1に示すように、攪拌槽1の内径を表
し、d1 はアンカー翼3の翼外径を表し、hは、アンカ
ー翼3(他の攪拌翼を備えている場合はアンカー翼3と
当該他の攪拌翼)を組成物に浸漬した状態での攪拌槽1
内の組成物液面から、槽底までの深さを表し、b1 は、
アンカー翼3の高さを表わす)
【0015】なお、0.8D>d1 のときには、けん化
反応機の周辺部で十分な混合が行えずけん化ムラが発生
する場合があり、0.7h>b1 のときには、液面や槽
底近傍にけん化ムラが発生する場合があり、b1 ≧hの
ときには、翼上端が組成物の液面から上に出て、組成物
や添加液が飛散し、未けん化物や高けん化物が発生する
場合がある。
【0016】アンカー翼3の材質は、特に制限はない
が、例えばステンレス鋼等の耐久性、防錆性に優れた材
料の使用が一般的である。またアンカー翼の巾は攪拌動
力に依存し、適宜調節して大きさを変える。アンカー翼
3の取付位置は、攪拌槽1内の組成物の液面から該翼3
の上端が出ないような位置にする必要がある。
【0017】本発明の製造方法は、けん化反応機として
前記のアンカー翼3以外に他の攪拌翼を備えたものを使
用することができる。他の攪拌翼としては、例えば、ピ
ッチドパドル翼4が挙げられる。本発明に用いるピッチ
ドパドル翼は、図3に示すように、複数の長方形の羽根
4−Aが回転軸1を中心に放射状に配置された櫂型翼で
あり、各羽根4−Aは、水平面に対し角度(θ)がつい
ている。羽根4−Aの大きさは、羽根4−Aの端が攪拌
槽1の内壁に接触しない程度に大きなものが好ましい。
攪拌槽1の内壁と羽根4−Aの外端との間隔を小さくす
ることにより、攪拌槽1の内壁近傍での混合がより良好
になり、得られるポリビニルアルコール系重合体のけん
化度がより均一になる。羽根4−Aの数は、攪拌槽1の
大きさにより一概に決定できないが、通常、2〜8枚、
好ましくは4枚である。
【0018】本発明に用いるピッチドパドル翼4として
は、下記関係式を満足するものが、さらに好ましい。 0.7D≦d2 <D、かつ30°≦θ≦60° (式中、Dは、図2に示すように、攪拌槽1の内径を表
し、d2 はピッチドパドル翼4の翼外径を表し、θは、
図3に示すように、水平面に対し、羽根4−Aがなす角
度である)
【0019】なお、0.7D>d2 のときには、攪拌翼
(アンカー翼3及びピッチドパドル翼4)の上下間での
組成物の混合が不十分になり、その結果、アンカー翼3
の翼面や、けん化反応機の槽底部で十分な混合が行えず
けん化ムラが発生する場合がある。また角度θが、30
°未満又は60°を超えても、攪拌翼(アンカー翼3及
びピッチドパドル翼4)の上下間での組成物の混合が不
十分になり、その結果、アンカー翼3の翼面や、けん化
反応機の槽底部で十分な混合が行えずけん化ムラが発生
する場合がある。
【0020】ピッチドパドル翼4の材質は、特に制限は
なく、例えば、アンカー翼3と同様のステンレス鋼等の
一般的な材質のものを用いることができる。アンカー翼
と同様にピッチドバドル翼の巾も攪拌動力に依存し、適
宜その動力にあわせて巾を調節する。
【0021】ピッチドパドル翼4の取付け位置として
は、アンカー翼3と同一の回転軸上であればよく、例え
ば、図2に示すように、同一回転軸2上、アンカー翼3
を下部に、そしてピッチドパドル翼4を上部に配置して
も、或いは図示しないがアンカー翼3を上部に、そして
ピッチドパドル翼4を下部に配置してもよい。この場合
も上部に配置した攪拌翼の上端が攪拌槽1内の組成物の
液面から出ないような位置にする必要がある。
【0022】攪拌槽1の材質は、特に制限はないが、例
えばステンレス鋼等の耐久性、防錆性に優れた材料の使
用が一般的である。
【0023】攪拌槽1の大きさは、特に制限はないが、
攪拌翼(アンカー翼3及びピッチドパドル翼4)で攪拌
するときに、組成物の表面が上昇するので、組成物が攪
拌槽1内で占める高さの2倍程度の深さをもつものが好
ましい。攪拌に要する動力は、永田式算出法でもとめた
攪拌所要動力Pの組成物1m3当たりの換算値で、90
kgf・m/s・m3 以上が好ましく、さらに好ましく
は120kgf・m/s・m3 以上である。
【0024】永田式算出法による攪拌所要動力Pは、本
発明における攪拌対象の組成物が高粘度であるため、下
記式(1)でもとめることができる[佐竹化学機械工業
株式会社発行「攪拌技術」(発行日1992年12月18日)45
1 〜461 頁参照]。
【0025】 P(kgf・m/s)=A・n2 ・d3 ・μ/gc (1) [式中、dは攪拌翼外径(m)であり、Aは次式: A=14+(b/D){670(d/D−0.6)2
185} (式中、bは攪拌翼の羽根の縦幅(m)にw/2(但
し、wは攪拌翼の羽根の枚数)を乗じた値であり、dは
前記と同じであり、Dは攪拌槽内径(m)である)を満
足する係数であり、nは攪拌翼の回転数(1/s)であ
り、μは攪拌対象物(組成物)の粘度(kg/m・s)
であり、gc は重力換算係数(kg・m/kgf・
2 )である。]
【0026】具体的には、例えば図1に示すようなアン
カー翼3を備えたけん化反応機の前記の攪拌所要動力P
は、前記式(1)のb及びdに図1の翼外径b1 (w=
2)及び翼高さ(羽根の縦幅)d1 を代入して算出した
値から、同b及びdに図1の翼内径b1 ' (w=2)及
び翼の内側高さd1 ' を代入して算出した値を差し引い
て求めることができる。なお、前記b1 とDとの関係が
1 /D>0.6の場合には、(b1 /2〜b1 /4)
/Dにて分割算出する。そしてその結果に分割を行った
数を乗じて算出する。
【0027】また、アンカー翼3と同一の回転軸上に、
例えばピッチドパドル翼4等の他の攪拌翼を取付けた場
合における前記の攪拌所要動力Pは、前記のようにして
求めたアンカー翼3の攪拌所要動力Pに、ピッチドパド
ル翼4の攪拌所要動力Pを加算してもとめることができ
る。なお、ピッチドパドル翼4の攪拌所要動力Pは、前
記式(1)のb及びdに図2のb2 ・w/2及びd2
代入して求めることができる。なお、wは羽根4−Aの
枚数である。
【0028】このような攪拌所要動力Pの調整は、アン
カー翼3、ピッチドパドル翼4等の攪拌翼の回転数、こ
れら攪拌翼の翼径を適宜に変更することにより行うこと
ができる。なお、組成物1m3 当たりの攪拌所要動力P
が90kgf・m/s・m3未満のときには、混合が不
十分になりけん化ムラが生じやすく、得られるポリビニ
ルアルコール系重合体のけん化度分布が広くなる場合が
ある。
【0029】
【実施例】以下、本発明の具体的な態様を実施例及び比
較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。実施例1 重合度300のポリ酢酸ビニルのメタノール溶液、水酸
化ナトリウム及び水を、系全体としてポリ酢酸ビニルが
56重量%、水が3.5重量%、そして水酸化ナトリウ
ムが該ポリ酢酸ビニル中のビニルエステル単位1000
モル当たり9モルとなるように配合した組成物を調製し
た。次にこの組成物を下記けん化反応機で攪拌混合しな
がら40℃で40分間けん化反応を行った後、酢酸で中
和してけん化反応を停止した。得られた反応生成物を乾
燥し、粉砕して部分けん化ポリビニルアルコールを得
た。
【0030】ケン化反応機 図1に示すような、攪拌槽1(内径(D):20.0c
m)内で回転するU字形アンカー翼3を攪拌翼として備
えたケン化反応機を用いた。アンカー翼3の翼外径(d
1 )は18.0cm、翼内径(d1’)は12.0c
m、翼高さ(羽根の縦幅)(b1 )は23.0cm、翼
の内側高さ(b1’)は20.0cmである。そして、
このアンカー翼3を組成物に浸漬した状態での攪拌槽1
内の組成物液面から、槽底までの深さ(h)が25.0
cmになるように配置し、粘度μを1kg/m・s、回
転数nを90r.p.mとし、また組成物1m3 当たり
の攪拌所要動力Pは、120kg・m/s・m3 に設定
した。
【0031】ポリビニルアルコールの評価 得られたポリビニルアルコールの溶液透明性を下記の方
法で測定した。結果を表1に示す。 (溶液透明性)水/メタノール=1/1(重量比)に3
0重量%の濃度となるようにポリビニルアルコールを溶
解し、分光光度計(島津製作所UV−160A)を使用
して430nmにおける透過率を測定した。次に、得ら
れたポリビニルアルコールを使用して下記の条件で塩化
ビニル重合を行った。
【0032】内容積2m3 のオートクレーブに純水15
0重量部、一次分散剤として粘度平均重合度が2000
で、けん化度が88モル%の部分けん化ポリビニルアル
コール0.05重量部、及び二次分散剤として本実施例
で得られた部分けん化ポリビニルアルコール0.01重
量部を仕込んだ。次に真空ポンプでオートクレーブの内
圧が60mmHg(7.99kPa)になるまで排気し
た。
【0033】その後、塩化ビニル単量体100重量部を
仕込み、さらに重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート0.1重量部を仕込んでから昇温を開
始し、57℃の温度で重合を続けた。オートクレーブの
内圧が、6.5kg/cm2(ゲージ圧)[0.64M
Pa(ゲージ圧)]に達した時点で反応を停止し、未反
応の単量体を回収した後、脱水・乾燥を行って重合体を
得た。
【0034】得られた重合体について、下記の粒度分布
及びフィッシュアイの測定を行った。結果を表1に示
す。 (粒度分布)JIS Z−8801に準拠して測定し
た。 (フィッシュアイ)得られた塩化ビニル重合体を100
重量部、三塩基性硫酸鉛を1重量部、ステアリン酸鉛を
1.5重量部、酸化チタンを0.2重量部、カーボンブ
ラックを0.1重量部及びDOPを50重量部の割合で
混合した。この混合物をロールを用いて145℃で1分
間、3分間、及び5分間混練した混合物を調製し、それ
ぞれ厚さ0.2mmのシートに成形した後、シート10
0cm2 当たりに含まれるフィッシュアイの個数を計数
した。
【0035】実施例2 実施例1のアンカー翼に代えて、翼外径(d1 )が1
6.0cm、翼内径(d1’)が12.0cm、翼高さ
(羽根の縦幅)(b1 )が20.0cm、翼の内側高さ
(b1’)が18.0cmのアンカー翼を用い、回転数
nを130rpm、粘度μを1kg/m・sとし、また
組成物1m3 当たりの攪拌所要動力Pを110kg・m
/s・m3 に設定した以外は、実施例1と同様にしてポ
リビニルアルコールを得、実施例1と同様にしてポリビ
ニルアルコールの評価を行った。結果を表1に示す。
【0036】実施例3 重合度300のポリ酢酸ビニルのメタノールペースト
(Na当量:9.0meq)、メタノール及び水を、系
全体としてけん化濃度が56重量%、水が3.5重量%
になるように、下記のけん化反応機に投入しけん化反応
を行った。40分経過後、酢酸で中和して反応を停止
し、これを乾燥後、粉砕してポリビニルアルコールを得
た。
【0037】けん化反応機 図2に示すような攪拌槽1(内径(D):20.0c
m)と、U字型のアンカー翼3、及び図3に示すような
4枚(w=4)の羽根4−Aを備えたピッチドパドル翼
4からなる攪拌翼とを備えたけん化反応機を用いた。ア
ンカー翼の翼外径(d1 )は18.0cm、翼内径(d
1’)は12.0cm、翼高さ(羽根の縦幅)(b1
は23.0cm、翼の内側高さ(b1’)は20.0c
mである。ピッチドパドル翼3の翼外径(d2 )は1
8.0cmであり、羽根の縦幅(b2)は1.4cmで
あり、翼角度(θ)は45°である。ピッチドバドル翼
は、界面からピッチドバドル翼底部までの長さで1.5
cmとした位置に設置した。
【0038】そして、このアンカー翼3及びピッチドパ
ドル翼4からなる攪拌翼を組成物に浸漬した状態での攪
拌槽1内の組成物液面から、槽底までの深さ(h)が2
5.0cmになるように配置した。回転数nを80rp
m、粘度μを1kg/m・sで、また組成物1m3 当た
りの攪拌所要動力Pを120kg・m/s・m3 に設定
した。得られたポリビニルアルコールについて実施例1
と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
【0039】実施例4 実施例3のアンカー翼及びピッチドパドル翼に代えて、
翼外径(d1 )が16.0cm、翼内径(d1’)が1
2.0cm、翼高さ(羽根の縦幅)(b1)が20.0c
m、翼の内側高さ(b1’)が18.0cmのアンカー
翼、及び翼外径(d2)が16.0cm、羽根の縦幅
(b2 )が1.7cm、翼角度(θ)が30°のピッチ
ドパドル翼を用い、回転数nを120rpm、粘度μを
1kg/m・s、また組成物1m3 当たりの攪拌所要動
力Pを110kg・m/s・m3 とした以外は、実施例
3と同様にしてポリビニルアルコールを得、実施例3と
同様にしてポリビニルアルコールの評価を行った。結果
を表1に示す。ピッチドバドル翼は、界面から翼底部ま
での長さで4cmとした位置に設置した。
【0040】実施例5 実施例3のアンカー翼及びピッチドパドル翼に代えて、
翼外径(d1 )が15.0cm、翼内径(d1’)が1
1.0cm、翼高さ(羽根の縦幅)(b1 )が15.0
cm、翼の内側高さ(b1’)が13.0cmのアンカー
翼、及び翼外径(d2 )が15.0cm、羽根の縦幅
(b2 )が1.4cm、翼角度(θ)が45°のピッチ
ドパドル翼を用い、回転数nを155rpm、粘度μを
1kg/m・s、また組成物1m3 当たりの攪拌の所要
動力Pを110kg・m/s・m3 とした以外は、実施
例3と同様にしてポリビニルアルコールを得、実施例3
と同様にしてポリビニルアルコールの評価を行った。結
果を表1に示す。ピッチドパドル翼は、界面から翼底部
までの長さで8cmとした位置に設置した。
【0041】比較例1 実施例1のアンカー翼に代えて、3×8.5cmの矩形の
羽根を4枚(w=4)組み合わせた、翼外径が18.0
cm、羽根の縦幅が3cm、翼角度(θ)が90°のフラ
ットブレードを用い、回転数nを90rpm、粘度μを
1kg/m・s、また組成物1m3 当たりの攪拌所要動
力Pを、120kg・m/s・m3 とした以外は、実施
例1と同様にしてポリビニルアルコールを得、実施例1
と同様にしてポリビニルアルコールの評価を行った。結
果を表1に示す。
【0042】比較例2 実施例1に使用したけん化反応機に代えて、(株)愛工
舎製作所のACM型ケミカルミキサーに練込み用ビータ
ー攪拌羽根を使用した混練機を用い、回転数nを90r
pm、粘度μを1kg/m・s、また組成物1m3 当た
りの攪拌所要動力Pを120kg・m/s・m3 とした
以外は、実施例1と同様にしてポリビニルアルコールを
得、実施例1と同様にしてポリビニルアルコールの評価
を行った。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の製造方法は、塩化ビニル重合用
分散剤として有用な低けん化度ポリビニルアルコールを
得ることができる。そして、該ポリビニルアルコールを
分散剤として使用して塩化ビニル単量体を懸濁重合する
と、粒子の均一性が高い塩化ビニル重合体を得ることが
でき、またフィッシュアイの発生が少ないポリ塩化ビニ
ル製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いるけん化反応機を例示する概念
図である。
【図2】 本発明に用いるけん化反応機を例示する概念
図である。
【図3】 本発明に使用するピッチドパドル翼を例示す
る側面図である。
【符号の説明】
1・・・攪拌槽 2・・・回転軸 3・・・アンカー翼 4・・・ピッチドパドル翼

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円筒状で底を有する攪拌槽内を攪拌翼
    としてのアンカー翼が回転するけん化反応機を使用し、
    ポリビニルエステル系重合体、該重合体の溶剤及びけん
    化触媒を含む組成物を混合攪拌しながらけん化反応を行
    うことを特徴とするポリビニルアルコール系重合体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記のけん化反応機がアンカー翼と同一
    の回転軸上に、攪拌翼として更にピッチドパドル翼を備
    えたものである請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記のポリビニルアルコール系重合体
    が、けん化度60モル%以下である請求項1又は2に記
    載の製造方法。
JP7450397A 1997-03-11 1997-03-11 ポリビニルアルコール系重合体の製造方法 Pending JPH10251331A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001323236A (ja) * 2000-05-16 2001-11-22 Nitto Denko Corp 水分散型アクリル系感圧性接着剤および粘着テープ類
JP2007177153A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Toagosei Co Ltd 逆相懸濁重合装置及び重合体の製造方法
KR100759188B1 (ko) 2005-10-28 2007-09-14 주식회사 엘지화학 고중합도를 갖는 폴리비닐알코올의 제조방법 및 제조장치
JP2015213886A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 日産自動車株式会社 撹拌装置

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