JP2001323236A - 水分散型アクリル系感圧性接着剤および粘着テープ類 - Google Patents

水分散型アクリル系感圧性接着剤および粘着テープ類

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JP2001323236A
JP2001323236A JP2000143829A JP2000143829A JP2001323236A JP 2001323236 A JP2001323236 A JP 2001323236A JP 2000143829 A JP2000143829 A JP 2000143829A JP 2000143829 A JP2000143829 A JP 2000143829A JP 2001323236 A JP2001323236 A JP 2001323236A
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Michio Umeda
道夫 梅田
Katsuhiko Kamiya
克彦 神谷
Mathieu Charlie
マテュー チャーリー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乳化剤の使用量が少ない、高固形分の水分散型
アクリル系感圧性接着剤およびこれを用いた粘着テープ
類を提供する。。 【解決手段】少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキル
エステルおよびこれらと共重合可能な官能基含有ビニル
系モノマーからなる単量体混合物100重量部と、0.
2〜1重量部の乳化剤と、重合開始剤を用いる水系エマ
ルション重合によって得られる光散乱式粒度分布計によ
り測定される粒径Aと透過型電子顕微鏡により測定され
る粒径Bの比(A/B)が1.8以上である水分散型ア
クリル系感圧性接着剤、およびこれを用いた粘着テープ
類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水分散型アクリル系
感圧性接着剤に関し、詳しくは固形分濃度が高く、かつ
低粘度で安定した水分散型アクリル系感圧性接着剤、お
よびこれを用いた粘着テープ類(テープ、シートな
ど)、特に包装用粘着テープ類に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル系感圧性接着剤には主と
して、溶剤型のアクリル系感圧性接着剤が用いられてき
た。しかし、これら溶剤型アクリル系感圧性接着剤は、
有機溶媒中で合成されるため、塗工時の溶剤の揮発が環
境的に問題があり、水分散型のアクリル系感圧性接着剤
への転換が図られている。しかし、水分散型アクリル系
感圧性接着剤は、溶媒として水を用いるために、塗工時
の乾燥時間が溶剤型に比べて長いという問題がある。し
たがって、水分散型アクリル系感圧性接着剤の固形分濃
度を上昇させることが、生産性の向上面から強く望ま
れ、種々の方法が提案されている。
【0003】例えば、特開平5−255411号公報で
は、凝集剤の存在下、特殊な反応性乳化剤を使用するこ
とで、高固形分の水分散型アクリル系感圧性接着剤を得
ている。また、特開平6−116311号公報では、重
合工程を2工程に分けることで、高固形分の水分散型ア
クリル系感圧性接着剤を得ている。また、特開平7−2
33208号公報では、乳化剤を連続的あるいは、断続
的に添加しながら乳化重合を行うことで高固形分の水分
散型アクリル系感圧性接着剤を得ている。しかしなが
ら、いずれも実施例においても、単量体混合物100重
量部に対して2重量部以上の乳化剤を使用することが好
ましい形態であって、その乳化剤が保持力などの接着特
性や耐水性に悪影響を及ぼすという問題がある。従っ
て、その応用分野が著しく制限されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の問題
点を改善するためになされたもので、乳化剤の使用量を
少なくした上で、高固形分の水分散型アクリル系感圧性
接着剤を提供することである。またこれを用いた粘着テ
ープ類、特に包装用途として好適に用いられる粘着テー
プ類を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決するために鋭意検討した結果、乳化剤の使用
量をアクリル系単量体混合物100重量部に対して1重
量部以下(0.2重量部以上)とし、重合により生成す
るエマルション粒子を適度に凝集させ、その凝集形状を
光散乱式粒度分布計により測定される粒径Aと透過型電
子顕微鏡により測定される粒径Bの比(A/B)で1.
8以上とすることで、溶液の粘度を低下させ、かつ安定
した高固形分の水分散型アクリル系感圧性接着剤溶液を
得ることができることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】すなわち本発明は、少なくとも、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルおよびこれらと共重合可能
な官能基含有ビニル系モノマーからなる単量体混合物1
00重量部と、0.2〜1重量部の乳化剤と、重合開始
剤を用いる水系エマルション重合によって得られる光散
乱式粒度分布計により測定される粒径Aと透過型電子顕
微鏡により測定される粒径Bの比(A/B)が1.8以
上である水分散型アクリル系感圧性接着剤(請求項1)
に係るものであり、特に固形分濃度が58重量%以上で
あって、かつ粘度が0.2Pa・s以下であることを特
徴とする上記記載の水分散型アクリル系感圧性接着剤
(請求項2)に係るものである。また、翼先端速度0.
6m/sec以上の回転速度で攪拌しながら水系エマルショ
ン重合することを特徴とする、上記水分散型アクリル系
感圧性接着剤の製造方法(請求項3)に係るものであ
る。
【0007】また本発明は、基材上に上記水分散型アク
リル系感圧性接着剤からなる粘着剤層が形成されてなる
粘着テープ類(請求項4)、特に包装用途に用いられる
粘着テープ類(請求項5)に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、アクリル系単
量体混合物および乳化剤、重合開始剤等を水系エマルシ
ョン重合して水分散型アクリル系感圧性接着剤を得るも
のであって、光散乱式粒度分布計により測定されるエマ
ルション粒子の粒径Aと透過型電子顕微鏡により測定さ
れるエマルション粒子の粒径Bの比(A/B)が1.8
以上であることを特徴とする。
【0009】ここで透過型電子顕微鏡により測定される
エマルション粒子の粒径Bは、水分散型アクリル系感圧
性接着剤を乾燥して水分を除去した状態で測定するもの
であって、エマルション粒子1粒の径である。これに対
して光散乱式粒度分布計により測定されるエマルション
粒子の粒径Aは、エマルション粒子が水中に分散してい
る状態で測定された粒径であって、水中での粒子の会合
状態を反映した粒径である。本発明における水分散型ア
クリル系感圧性接着剤は、水中で数個のエマルション粒
子が凝集して安定した分散状態を保つものであって、こ
れにより高い固形分濃度においても低粘度で安定な水分
散型アクリル系感圧性接着剤が得られるものである。
【0010】一般にエマルション重合において用いる乳
化剤の使用量(通常単量体100重量部に対して2重量
部以上)では、エマルション粒子は単独で安定して分散
していると考えられる。この場合、固形分濃度を上げよ
うとすると溶液粘度も上昇するため、高い固形分濃度の
水分散型感圧性接着剤を得ることはできない。また乳化
剤の使用量を極端に減らすと粒子は水中で不安定とな
り、単独では分散できず凝集し、沈殿を生じる。本発明
においては、エマルション粒子を適度に凝集させること
で溶液の粘度を低下させることができるものであって、
その凝集状態を粒径比により限定するものである。
【0011】本発明において、光散乱式粒度分布計によ
り測定される粒径Aと透過型電子顕微鏡により測定され
る粒径Bの比(A/B)が1.8以上、好ましくは2.
0〜2.3であることを特徴とする。粒径比(A/B)
が1.8未満では液粘度が高くなるため好ましくない。
また粒径比(A/B)が2.3を超えるとエマルション
粒子が不安定となり粒子の凝集物が発生する恐れがあ
る。
【0012】本発明においては、水分散型アクリル系感
圧性接着剤の粒径Bは、0.01〜1μmに調整される
ことが望ましい。ここで、粒径Bが0.01μmより小
さい場合は水分散型感圧性接着剤の粘度が上昇し、また
1μmより大きい場合は粒子間の融着性が低下し凝集力
が低下する場合があり、いずれも好ましくない。
【0013】本発明の水分散型アクリル系感圧性接着剤
は、上記粒径比を満足するものであって、高い固形分濃
度にもかかわらず、低い溶液粘度を達成することができ
る。すなわち、本発明は水分散型アクリル系感圧性接着
剤の固形分濃度が58重量%以上、好ましくは60〜6
5重量%であってその粘度が0.4Pa・s以下、好ま
しくは0.3Pa・s以下、さらに好ましくは0.02
〜0.2Pa.sであることを特徴とする。水分散型ア
クリル系感圧性接着剤の固形分濃度を58重量%以上と
することで塗工後の乾燥時間を短縮でき、粘度を0.4
Pa・s以下とすることで、塗工性は良好となり好まし
い。
【0014】すなわち、水分散型アクリル系感圧性接着
剤の粘度が高いとロールコーターを用いて支持体上に塗
工する際に、塗工面にリブが発生しやすくなる。またピ
ックアップロールを使って粘着剤をコーティングロール
に転写する場合、ピックアップできないという問題が発
生し、塗工工程においては低粘度のほうが好ましい。
【0015】上記形状の水分散型アクリル系感圧性接着
剤を得るために、本発明の水分散型アクリル系感圧性接
着剤の製造方法においては、エマルション重合の際の攪
拌翼の回転速度を、翼先端速度において、0.6m/s
以上、好ましくは0.6〜0.9m/sで攪拌すること
が必要である。0.6m/s未満で攪拌すると、得られ
た水分散型アクリル系感圧性接着剤の粒子は凝集しない
ため、粘度が高くなり、本発明の目的を達成できない。
【0016】なお本発明において翼先端速度は、以下の
式により算出される。 翼先端速度[m/s]=翼幅[m]×3.14×回転数[m
in-1]/60[s]
【0017】これ以外の重合方法は通常の乳化重合法に
より行うことができ、例えば一般的な一括仕込み法、モ
ノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法などを用い
ることができる。
【0018】本発明の水分散型アクリル系感圧性接着剤
に用いる主モノマーである(メタ)アクリル酸アルキル
エステルとしては、広範囲の種類の単量体または、単量
体混合物が用いることができ、例えばアクリル酸アルキ
ルエステル単量体として、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸
ペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸へキシ
ル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラ
ウリル、アクリル酸ボルニル、アクリル酸イソボルニ
ル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸ペンタデシル、
アクリル酸ステアリルなどを挙げることができる。
【0019】またメタクリル酸アルキルエステル単量体
として、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル
酸ペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸
へキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデ
シル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ボルニル、
メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ミリスチル、
メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ステアリルな
どを挙げることができる。
【0020】これらの(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルは、単量体混合物100重量部に対し、60〜99
重量部で用いることが好ましい。60重量部より少ない
と粘着特性が損なわれるおそれがある。
【0021】本発明において、上記主モノマーの他に、
エマルション粒子の安定化、粘着剤層の基材への密着性
の向上、また被着体への初期接着性の向上などを目的と
して、官能基含有ビニル系モノマーを併用してもよい。
この他のモノマーは、全単量体混合物の40重量%以下
の範囲で、各モノマーの種類に応じて適宜その使用量を
選択できるが、良好な感圧接着性を発現させるために、
得られるポリマーのガラス転移点が通常−20℃以下と
なるように、使用量を決めるのが望ましい。
【0022】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と共重合可能な官能基含有ビニル系モノマーとしては、
例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マ
レイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタ
クリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸アミノエチ
ル、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートな
どの官能性モノマー、トリエチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多官
能性モノマー、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリ
ロニトリル、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロ
イルモルホリン、 シクロヘキシルマレイミド、イソプ
ロピルマレイミド、(メタ)アクリルアミドなどを挙げ
ることができる。
【0023】本発明において用いられる乳化剤として
は、一般に使用されるアニオン系やノニオン系乳化剤を
用いることができる。アニオン系としては、ラウリル硫
酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、 ポリオキシエ
チレンアルキルスルホコハク酸塩などが用いられる。ま
た、例えば、プロペニル基などを導入したラジカル重合
性の乳化剤を用いてもよい。
【0024】ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
ポリマーなどを挙げることができるこれらのアニオンあ
るいはノニオン系乳化剤は、単量体の種類によって1種
又は2種以上を用いることができる。
【0025】本発明において、上記乳化剤は単量体混合
物100重量部に対して、0.2〜1重量部、好ましく
は0.5〜1重量部の範囲で用いることを特徴とする。
乳化剤の使用量を1重量部以下と限定することで、耐水
性や接着特性に優れた水分散型感圧性接着剤を得ること
ができる。
【0026】本発明に用いる重合開始剤には、一般に使
用されるアゾ系、過硫酸塩、過酸化物系および、過硫酸
塩、過酸化物と還元剤を組み合わせたレドックス開始剤
などがある。例えば、2,2´−アゾビス(2−メチル
プロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス
(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム、ベンゾイルパーオキサ
イド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水
素、硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせや過酸
化物とアスコルビン酸ナトリウムなどの組み合わせなど
を挙げることができ、これらの開始剤は1種または2種
以上を用いることができる。
【0027】本発明において、上記重合開始剤は単量体
混合物100重量部に対して、0.02〜0.5重量
部、好ましくは0.08〜0.3重量部の範囲で用いら
れる。0.02重量部より少ないと重合開始剤としての
効果が得難く、0.5重量部より多いと分子量が低下す
る傾向にあり好ましくない。
【0028】本発明においては、アクリルポリマーの分
子量を調整するために連鎖移動剤を用いても良い。連鎖
移動剤としては、特に限定されるものではないが、たと
えば1−ドデカンチオール、メルカプト酢酸、2−メル
カプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルヘキシ
ル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが
挙げられ、その目的、用途に応じて1種または2種以上
が用いられる。
【0029】また、本発明の上記水分散型アクリル系感
圧性接着剤には、必要に応じて各種添加剤、たとえば、
架橋剤、剥離調整剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、充
填剤、顔料、染料、老化防止剤などを配合することがで
きる。
【0030】本発明の水分散型アクリル系感圧性接着剤
は、基材上に塗布後加熱乾燥することで、粘着テープが
作製される。基材上に接着剤組成物を塗布するには、ロ
ール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工などの塗工方
式を用いて行えばよい。また、表面に剥離処理を行った
剥離紙に粘着剤組成物を塗布し加熱乾燥させた後、基材
に転写することにより粘着剤層を形成することもでき
る。組成物の乾燥後の厚みは特に限定はなく、1mmを超
える厚さとすることもできるが、一般には500μm以
下、好ましくは3〜300μm、特に好ましくは5〜1
00μm程度である。
【0031】また、ここで使用される基材は、特に限定
されるものでなく、例えば紙類(和紙、クラフト紙
等)、布類(綿、スフ、化繊、不織布等)、プラスチッ
ク類(セロハン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレ
ン共重合体、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル、アセテート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリ
ル等)、金属箔、あるいはこれらのプラスチックラミネ
ート体等を用いることができる。また、ゴム状の弾性を
示すポリマーからなるフィルムや発泡体を用いることも
できる。その厚さも通常10〜300μm程度である
が、用いる基材の種類や用途、目的に応じて適宜決定で
きる。さらに、基材には下塗り処理、目止め処理、コロ
ナ処理、背面処理など、公知の処理を行ったものを使用
することができる。
【0032】本発明の水分散型アクリル系感圧性接着剤
は、種々の用途に用いることができるが、段ボール封緘
性に優れており特に包装用粘着テープとして好適に用い
ることができる。
【実施例】以下、実施例を上げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。なお以下において部とあるのは、すべて重量部を
意味するものである。
【0033】実施例1、2 温度計、アンカー型攪拌翼(翼幅100mm)、窒素導
入管及び還流冷却管を備えた反応器に、イオン交換水3
27部をいれ、回転数120min-1(翼先端速度0.63
m/s:実施例1)、160min-1(翼先端速度0.84
m/s:実施例2)で攪拌しながら1時間窒素置換させ
た。過硫酸アンモニウム1部加え、温度を70℃にし、
その後、アクリル酸2−エチルヘキシル1000部、ア
クリル酸30部、ポリオキシエチレンアルキルスルホコ
ハク酸ナトリウム(日本乳化剤社製「ニューコール29
3」)6部(単量体混合物100部あたり0.6部)を
水300部で乳化したものを3時間かけて滴下し、乳化
重合処理し、反応後10%アンモニア水で中和してポリ
マーを得た。
【0034】実施例3、4 温度計、アンカー型攪拌翼(翼幅100mm)、窒素導
入管及び還流冷却管を備えた反応器に、イオン交換水2
60部をいれ、回転数120min-1(翼先端速度0.63
m/s:実施例3)、160min-1(翼先端速度0.84
m/s:実施例4)で攪拌しながら1時間窒素置換させ
た。2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジ
ン)二硫酸塩0.9部加え、温度を60℃にし、その
後、アクリル酸ブチル612部、アクリル酸2−エチル
ヘキシル262.2部、アクリル酸26.1部、ポリオ
キシエチレンノニルフェニル硫酸ナトリウム9部(単量
体混合物100部あたり1部)を水290部で乳化した
ものを4時間かけて滴下し、乳化重合処理し、反応後1
0%アンモニア水で中和してポリマーを得た。
【0035】比較例1 実施例1において、回転数100min-1(翼先端速度0.
52m/s)で攪拌した以外は同じ条件で重合を行っ
た。
【0036】比較例2 実施例3において、回転数100min-1(翼先端速度0.
52m/s)で攪拌した以外は同じ条件で重合を行っ
た。
【0037】比較例3 実施例1において、ポリオキシエチレンアルキルスルホ
コハク酸ナトリウムを25部(単量体混合物100部あ
たり2.4部)とした以外は同じ条件で重合を行った。
【0038】比較例4 実施例2において、ポリオキシエチレンアルキルスルホ
コハク酸ナトリウムを25部(単量体混合物100部あ
たり2.8部)とした以外は同じ条件で重合を行った。
【0039】以上の実施例1〜4および比較例1〜4の
各水分散型感圧性接着剤について、光散乱式粒度分布計
および、透過型電子顕微鏡で粒径を測定した。透過型電
子顕微鏡による粒子径の測定は、接着剤を乾燥後、粒子
の顕微鏡写真撮影による実測から、また光散乱式粒度分
布計による粒径の測定条件は以下の通りである。 測定装置:(株)堀場製作所製 LA−910 フローセル方式 測定溶液:接着剤溶液を固形分濃度0.02重量%に水
で希釈
【0040】粘度測定はHakke製粘度計によってせん断
速度102-1での粘度を測定した。また重量法によっ
て固形分を測定した。
【0041】
【表1】
【0042】表1の結果から明らかなように本発明の実
施例1〜4の各水分散型感圧性接着剤は、いずれも、光
散乱式粒度分布計で測定した粒径が、透過型電子顕微鏡
で測定した粒径の1.8倍以上となっており、粒子が凝
集していることがわかる。それに伴って、粘度が比較例
に比べて低くなっていることがわかる。これに対し比較
例1、2では、エマルション重合時の回転速度が遅かっ
たため粒子の凝集が起こらず、粒径比A/Bは1.8未
満であって、粘度は高くなっている。また、比較例3、
4は乳化剤の量が単量体混合物100重量部あたり1重
量部を超えていたため、粒子の凝集が起こらず粘度は高
くなっている。
【0043】実施例5〜8 上記実施例1〜4記載の水分散型感圧性接着剤を3本ロ
ールリバースコーターを用いて、厚さ40μmのOPP
フィルムに塗布し、90℃のオーブン中で1分間乾燥さ
せ、粘着テープを得た。
【0044】比較例5〜8 上記比較例1〜4記載の水分散型感圧性接着剤を3本ロ
ールリバースコーターを用いて、厚さ40μmのOPP
フィルムに塗布し、90℃のオーブン中で1分間乾燥さ
せ、粘着テープを得た。
【0045】実施例5〜8および比較例5〜8によって
得られた粘着テープの段ボール保持力を以下の方法で測
定した。また目視により粘着層表面のリブの有無を確認
した。結果を表2に示した。
【0046】(段ボール保持力測定方法)段ボールに、
粘着テープ(接着面積25mm×25mm)を300g
のローラーを1往復させる方式で圧着し、圧着後直ちに
段ボールを垂下して粘着テープの自由末端に600gの
荷重を負荷し、23℃×65%RHの条件におき、粘着
テープが落下するまでの時間を測定した。
【0047】
【表2】
【0048】表2の結果から明らかなように、実施例1
〜4の各水分散型感圧性接着剤を用いた実施例5〜8の
粘着テープは、段ボール保持力に優れていることが分か
る。また粘着層表面にはリブは確認されなかった。これ
に対し、粘度の高い比較例5〜8は粘着層表面にリブが
発生した。また乳化剤の量が多い比較例7,8では、保
持力が著しく低下した。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の水分散型アクリ
ル系感圧性接着剤は有機溶剤を用いない水分散型であっ
て、塗工時の溶剤の揮発といった環境的な問題がない感
圧性接着剤である。そして、塗工可能な低い粘度で高い
固形分濃度を達成できるので、生産性を向上できる。さ
らに、乳化剤の使用量をこれまでになく少なくできるの
で、乳化剤が接着特性や耐水性に悪影響を及ぼすという
問題が低減され、その応用分野を広げることができる。
特に、包装用粘着テープとして最適な感圧性接着剤を提
供する。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA10 AB01 CA02 CA03 CA04 CA05 CA06 CA08 CB01 CB02 CC02 CC03 FA06 4J040 DF041 DF051 JA03 JB09 KA03 KA11 KA38 LA03 MA09 NA06 NA07 PA23 QA07 QA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキル
    エステルおよびこれらと共重合可能な官能基含有ビニル
    系モノマーからなる単量体混合物100重量部と、0.
    2〜1重量部の乳化剤と、重合開始剤を用いる水系エマ
    ルション重合によって得られる光散乱式粒度分布計によ
    り測定される粒径Aと透過型電子顕微鏡により測定され
    る粒径Bの比(A/B)が1.8以上である水分散型ア
    クリル系感圧性接着剤。
  2. 【請求項2】固形分濃度が58重量%以上であって、か
    つ粘度が0.4Pa・s以下であることを特徴とする請
    求項1記載の水分散型アクリル系感圧性接着剤。
  3. 【請求項3】少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキル
    エステルおよびこれらと共重合可能な官能基含有ビニル
    系モノマーからなる単量体混合物100重量部と、1重
    量部以下の乳化剤と、重合開始剤を用い、翼先端速度
    0.6m/s以上の回転速度で攪拌しながら水系エマル
    ション重合することを特徴とする、請求項1または2の
    いずれかに記載の水分散型アクリル系感圧性接着剤の製
    造方法。
  4. 【請求項4】基材上に、請求項1または2のいずれかに
    記載の水分散型アクリル系感圧性接着剤からなる粘着剤
    層が形成されてなる粘着テープ類。
  5. 【請求項5】包装用途に用いられる、請求項4記載の粘
    着テープ類。
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