JPH10248421A - 種子を用いた酵素産物および飼料原料の生産 - Google Patents

種子を用いた酵素産物および飼料原料の生産

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JPH10248421A
JPH10248421A JP9180194A JP18019497A JPH10248421A JP H10248421 A JPH10248421 A JP H10248421A JP 9180194 A JP9180194 A JP 9180194A JP 18019497 A JP18019497 A JP 18019497A JP H10248421 A JPH10248421 A JP H10248421A
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ヒー ドング バエ
Kuo-Joan Chen
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酵素を生産する目的で穀類種子および豆科種
子を発芽させる技術、およびこれら発芽種子からターゼ
などの高活性の各種酵素を生産する技術を提供する。さ
らに、発芽種子を粉砕して経済性がある配合飼料原料と
して、および上記酵素の動物医薬品の担体としての使用
を提供する。 【解決手段】 穀類種子および大豆種子を1.0 〜3.0 %
の塩化ナトリウム溶液に浸漬して不良種子を選別し、種
子内含水量を40〜60%として、25〜30℃にて湿度90〜95
%のインキュベーター内で24〜36時間培養し、25〜80℃
にて24〜36時間加熱空気乾燥させ、乾燥した発芽種子の
含水量を9〜12%にし、この乾燥された発芽種子を粉砕
し、包装することによって、一般配合飼料原料が製造さ
れる。この原料は、動物用医薬品の原料として使用する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、様々な種子を用い
た高活性酵素の生産に関する。本発明は、穀類種子また
は豆科種子を適切な環境条件で発芽させると高活性の酵
素を大量に得ることができるということに着目して、活
性が高い酵素を大量生産する技術を提供することを目的
とする。
【0002】本発明のさらなる目的は、発芽種子から得
た飼料原料を配合飼料原料に用いることによって、家畜
の生産性を向上させることにある。本発明のさらに別の
目的は、発芽種子から得た酵素飼料を家畜動物に投与す
ることによって、家畜糞から調整する堆肥中の有機燐の
量を減少させることによって環境汚染を防止することに
ある。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】酵素
は基質と結合してその利用性を増大させるタンパク質の
一種であり、生命体の生物学的機構(Biological mecha
nism) を維持・活性化するのに必須の物質である。酵素
はこのような生化学的特性及び重要性に基づいて、食
品、医療、製薬産業および生物工学分野において積極的
に用いられており、その効率的な生産についての多くの
研究業績がある。
【0004】しかしながら、酵素生産の産業化には多く
の難点がある。一つは、始めに生産効率の良い微生物を
開発しなければならないという点である。2番目の問題
は、多様な生育環境(pH、温度等)において酵素活性を
安定に維持できる方法を開発しなければならないという
点である。3番目の問題は、大量生産技術を開発しなけ
ればならないという点である。このような問題点を効果
的に解決するために、遺伝子操作技術を用いて酵素を生
産しようとする試みが多くなされているが、その大規模
生産における欠点及び経済性の欠落により、その実用化
は難しく、成功率もさほど高くない状況である。
【0005】本発明は微生物を用いた酵素生産の難点を
解決することを目的としており、特に、様々な種子が発
芽する段階で酵素活性が最高値を示すことに基づくもの
である。本発明者らは特に大麦、小麦、トウモロコシな
どの穀類種子及び大豆、カノラ(canola) などの豆科種
子の場合も、これら種子が発芽する段階でアミラーゼ、
セルラーゼ、ペクチナーゼ、CMCアーゼ、β−グルカ
ナーゼ、キシラナーゼ及びプロテイナーゼの活性が最大
となり、特に、フィターゼの活性も増大することを見出
した。
【0006】従って、本発明は、植物種子を発芽させ適
切な時期に回収して高活性の酵素を得る、酵素生産方法
を提供する。一方、家畜飼料に澱粉質を補充する原料で
ある穀類には、有機燐が多量に含まれており、単胃家畜
には活用できないという欠点がある。これは鶏、豚、又
は犬のような単胃家畜の消化器官には有機燐酸塩を加水
分解する酵素が欠落しているためである。
【0007】このような欠点を克服するために、配合飼
料製造時に必ず無機燐酸塩(Inorganic Phosphate)を添
加しなければならず、これによって飼料価格の上昇の原
因となるだけでなく、過剰な無機燐酸塩の使用によって
環境汚染の大きな原因になっている。従って、有機燐酸
塩を分解するフィターゼを配合飼料中に添加すれば、家
畜の飼料利用性を高めて家畜の生産性を増大することに
より生産費を減少させるだけでなく、環境汚染を減少さ
せることができるのである。
【0008】最近では、このような論理に基づいて、上
述の単胃家畜だけでなく、鹿、山羊、羊又は牛のような
反鄒家畜動物の飼料にもフィターゼ及びその他の酵素を
添加して使用しようとする試みがなされている。例え
ば、米国、カナダ、日本、オランダ、英国、フィンラン
ド及びドイツ等では、既にこの分野において多くの研究
が行われており、オランダでは飼料にフィターゼを添加
することを既に義務化している。
【0009】国土が狭くて人口密度が高く、家畜の飼育
頭数が相対的に多い国では、有機燐酸塩を消化できない
家畜動物もいるので、糞尿中の有機燐酸塩による河川と
草地の汚染は実に深刻な問題である。本発明は、穀物種
子中のフィターゼ及びその他の酵素を用いて、家畜飼料
の利用性を高め、環境汚染を減少させ、飼料価格を著し
く下げるだけでなく、家畜の成長促進を著しく増大させ
るものである。
【0010】さらに、本発明は、様々な植物種子が発芽
する段階における酵素の生成機構を活用して、経済的で
効率的な酵素生産技術を提供する。今までのところ、植
物種子の発芽を利用するフィターゼの実用化に関する報
告はない。本発明において、穀物種子の発芽を利用する
酵素の生産技術は次のような原理に基づいて開発した。
【0011】一般的に、植物は繁殖のために種子を生産
するが、発芽種子の成長を効果的に促進するために、特
に発芽初期において、蓄積された様々な栄養分が分解さ
れて用いられる。種子が含有している栄養分としては、
エネルギー源としては澱粉、脂質およびタンパク質があ
り、燐酸塩のような成長に必須のミネラル等もある。種
子内に蓄積されたこのような栄養分は、発芽時に活用で
きるような形態に転換しなければならないが、この際に
様々な酵素が必須となる。従って、植物種子は一定の発
芽条件になると、多様な酵素の分泌を始める。
【0012】一方、植物種子が一定の環境条件下で発芽
が始まると、蓄積された栄養素が酵素によって分解さ
れ、成長に必要なミネラル及びエネルギーが供給され
る。それと同時に、多様な種類の酵素が更に生成され
る。特にエネルギー代謝に必須のアデノシン3リン酸
(ATP)を構成する燐酸塩(Phosphate)は有機燐酸塩
から加水分解されて供給されるが、この際にフィターゼ
が作用する。その他にも、β−グルカナーゼ及びプロテ
イナーゼ等の各種酵素が生成され、蓄積された栄養分を
消化するために機能する。この場合、生成する酵素の量
と活性は植物種子の種類と発芽条件、例えば温度、湿
度、種子の含水量および培養期間等によって異なる。同
種の種子、例えばイネ種子であっても、生成される酵素
の量と活性は、タンパク質の含量や澱粉の構造的差異、
稲の品種や栽培品種によって異なる。
【0013】従って、本発明では、様々な種類の植物種
子について最適発芽条件を特定し、酵素生産に最良の発
芽条件を選択することによって、畜産業および飼料産業
に効果的に利用できるようにした。特に、フィターゼ生
産を重点とし、その他の酵素を補助的に検討した。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、酵
素を生産するために発芽工程から得られた、稲、麦、小
麦、とうもろこしからなる群から選ばれる穀類種子、お
よび大豆またはカノラからなる群から選ばれる豆科種子
である。また、本発明は、発芽種子の粉砕物から、アミ
ラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、CMC ア
ーゼ、β−グルカナーゼ、キシラナーゼ、プロテイナー
ゼおよびフィターゼからなる群から選ばれる高活性の酵
素を、大量に生産する方法である。ここで、上記酵素を
緩衝液を使用して抽出し、抽出された高い活性の酵素溶
液の安定性を維持するために0.5〜1.0MのMgCl2
を添加することを特徴とする。上記方法は、上記抽出物
を遠心分離して液状酵素製品を得る工程をさらに含んで
もよい。
【0015】本発明は、穀類種子および大豆種子を1.0
〜3.0 %の塩化ナトリウム溶液に浸漬して不良種子を選
別する工程と、種子内含水量を40〜60%として、25〜30
℃にて湿度90〜95%のインキュベーター内で24〜36時間
培養する工程と、25〜80℃にて24〜36時間加熱空気乾燥
して、乾燥した発芽種子の含水量を9〜12%にする工程
と、この乾燥された発芽種子を粉砕し、包装する工程
と、を備える一般配合飼料原料の製造方法である。
【0016】本発明の方法においては、上記発芽速度を
上げるために、非イオン性親水性界面活性として0.05〜
10.0%のポリソルベート80に4〜12時間浸漬することを
特徴とする。さらにまた、本発明は、発芽種子から得た
酵素の、飼料原料または動物薬品の担体としての使用で
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明は種子選別、培養、
乾燥、粉砕および包装工程に分けて、当業者が容易に実
施できるように、図1および図2に従って説明する。第1工程:種子選別工程 ビン1に貯蔵された種子をスクリーン(Screen) 11に移
し、破砕された種子及び傷ついた種子は第1のスクリー
ニングによって除去し、発芽が遅れている種子及び菌に
汚染された種子もまた第2のスクリーニングによって除
去する。第1のスクリーニングが終わった種子は、塩溶
液(NaCl等)に浸漬して沈むものだけを使用し、浮
遊している種子は回収器具5を使用して回収して廃棄す
る。第1及び第2のスクリーニングによって選別された
種子は、非イオン性親水性界面活性剤(nonionic hydro
phlic emulsifier) を含有する容器7に移して浸漬した
後、温度計9及び湿度計10を取り付けた発芽培養機8に
移す。
【0018】第2工程:発芽培養工程 上記の発芽培養機8に移した種子を均一に配置した後、
培養機内を適切な湿度及び温度に維持し、培養する。そ
して、種子が生産する酵素の量が最大となる時期に培養
を終了し、乾燥工程に移す。第3工程:乾燥工程 第2工程によって発芽が完了した種子(以下「酵素産
物」という。)を回収した後、熱風乾燥機12で熱風乾燥
させる。
【0019】第4工程:粉砕および包装工程 第3工程によって乾燥させた酵素産物を、図1および図
2に示すように三種の製品に仕上げる。第1の製品は家
畜飼料に添加する目的で製造するものであり、外殻と共
に粉砕機14で粉砕して包装機15で包装する(経路1)。
第2の製品は純度の高い酵素産物を得るためのものであ
り、脱殻機16で外殻を除去した後、粉砕機17で0.1mmの
大きさに粉砕して真空包装機18で包装する(経路2)。
そして、第3の製品は経路2の工程を経た、純度の高い
粉末製品を緩衝溶液20に浸漬させ、酵素抽出機19を使用
して酵素を抽出し、遠心分離機23で遠心分離して上澄み
を回収し、液状酵素製品を製造する(経路3)。これら
3種の製品は全て乾冷所に保管する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の酵素および飼料の生産方法
を、具体的な実施例、実験例及び動物飼育実験例を挙げ
て説明するが、これらの実施例、実験例及び動物飼育実
験例に限定されない。 〔実施例1〕大麦を選別した後に、1.5%塩化ナトリウ
ム溶液に浸漬し、次いで水に浸して種子の水分含量を50
%になるようにし、培養器内の温度を25〜30℃、湿度を
90〜95%に維持して30時間培養した。芽の長さが2.0cm
になった時に発芽工程を終了し、40℃で36時間熱風乾燥
させる。こうして得られた大麦種子の水分含量は9%で
あった。
【0021】〔実施例2〕発芽を促進するための非イオ
ン性親水性界面活性剤(nonionic hydrophilic emulsif
ier)として0.05%ポリソルベートに12時間浸漬させる以
外は、実施例1と同じ条件で大麦を処理した。この場
合、発芽期間を12〜24時間短縮することができた。こう
して得られた大麦種子の水分含量は12%であった。
【0022】〔実施例3〕イネ種子を使用したこと以外
は実施例1と同じ方法で処理した。こうして得られたイ
ネ種子の水分含量は9%であった。 〔実施例4〕小麦を使用したこと以外は実施例1と同じ
方法で処理した。こうして得られた小麦種子の水分含量
は9%であった。
【0023】〔実施例5〕大豆を選別して3.0 %の塩化
ナトリウム溶液に浸漬し、水分含量60%となったところ
で、培養器内湿度を90〜95%に維持して、30℃で36時間
培養した。子葉(二葉)の長さが1cmになったところで
培養を終了し、80℃で24時間熱風乾燥させた。こうして
得られた大豆種子の水分含量は12%であった。
【0024】〔実施例6〕カノラ(canola) 種子を使用
したこと以外は実施例5と同じ方法で処理した。こうし
て得られたカノラ種子の水分含量は9%であった。 〔実施例7〕発芽を促進するための非イオン性親水性界
面活性剤(nonionic hydrophilic emulsifier)として10
%ポリソルベート80に4時間浸漬させる以外は、実施例
5と同じ条件で大豆を処理した。この場合、発芽期間を
24〜36時間短縮することができた。こうして得られた大
豆種子の水分含量は12%であった。
【0025】〔実施例8〕トウモロコシ(corn) 種子を
使用したこと以外は実施例5と同じ方法で処理した。1.
5cmの芽がでたトウモロコシ種子の水分含量は10%であ
った。粉砕した酵素産物から得られる酵素抽出物の活性
を安定させるために、0.5 〜1.0 MのMgCl2 で液体
酵素抽出物を受けた。これを原心分離機に入れて5000×
g で原心分離して液状酵素製品を得た。酵素抽出には、
生物学的緩衝溶液を使用した。
【0026】〔実験例1〕酵素活性の安定性を確認する
ために、0.5 〜1.0 MのMgCl2 、CaCl2、Co
Cl2 それぞれで、液体酵素産物を処理した。MgCl
2 による安定性(Stability)効果は、CaCl2 よりも
200倍以上高かった。また4カ月以上の長期保管が可
能であった。
【0027】〔実験例2〕本発明によって発芽させた大
麦種子から抽出したアミラーゼの活性を測定するため
に、in vitroで実験を行った。トウモロコシ、小麦、大
麦等の基質から遊離したグルコース量が、それぞれ 22
3.8μM、 288.8μM、 318.9μMであった。これらの
実験において、基質は発芽させていないトウモロコシ、
小麦、大麦0.5 mmメッシュを通過できる程度に粉砕し
て、38℃で24時間インキュベートした。
【0028】〔実験例3〕本発明によって発芽させた大
麦種子から抽出したフィターゼの活性を測定するために
in vitroを実験例2のように行った。前記基質からフィ
ターゼによって遊離した燐酸塩の量が、それぞれトウモ
ロコシ 613.7μg、小麦 373.9μg、大麦1,573.8μg
であった。
【0029】〔実験例4〕穀類および豆科植物種子を本
発明の方法によって発芽処理したものと発芽処理しない
ものについてのアミラーゼ活性の比較データを表1に示
す。アミラーゼ活性の相対的増加は、最小値である小麦
および大豆の 210%から最大値であるトウモロコシの13
00%までの範囲であった。
【0030】
【表1】 発芽したおよび発芽していない穀類及び豆科種子のアミラーゼ活性 ─────────────────────────────────── アミラーゼ活性(unit/kg) 穀 類 ───────────────────相対的増加率 非発芽 発 芽 (%) ──────────────────────────────────── トウモロコシ 5,200 66,100 1,300 小 麦 66,500 139,400 210 大 麦 64,444 176,100 280 イ ネ 12,962 117,800 910 大 豆 65,679 133,500 210 ──────────────────────────────────── 〔実験例5〕穀類および豆科植物種子を本発明の方法に
よって発芽処理したものと発芽処理しないものについて
のフィターゼ活性の比較データを表2に示す。フィター
ゼ活性の相対的増加は、最小値である大豆の 120%から
最大値であるトウモロコシの470%までの範囲であっ
た。
【0031】
【表2】 発芽および非発芽穀類のフィターゼ活性 ──────────────────────────────────── 酵素活性(unit/kg) 穀 類 ────────────────────相対的増加率 非発芽 発 芽 (%) ──────────────────────────────────── とうもろこし 13,900 64,600 470 小 麦 112,400 227,600 210 麦 119,400 305,600 260 稲 5,200 31,900 630 大 豆 39,000 43,900 120 ──────────────────────────────────── 〔実験例6〕発芽した麦の種子から抽出した種々の酵素
の活性を測定するために、発芽していない麦の種子を対
照区として用いて、実験例4で記載したと同様に実験を
行った。発芽していない種子と比較して、発芽した種子
における種々の酵素の活性は、セルラーゼが300%、ペク
チナーゼが500%、 CMCアーゼが500%、ヘミセルラーゼが
300%、プロテイナーゼが400 %といったように上昇し
た。 〔実験例7〕麦の種子の代わりに大豆種子を用いて、実
験例6と同様に事件を行った。発芽していない大豆種子
と比較して、種々の酵素の活性は、アミラーゼが約2,50
0%、セルラーゼが400%、ペクチナーゼが600%、 CMCアー
ゼが500%、ヘミセルラーゼが200%、プロテアーゼが600
%、フィターゼが450%というように高くなっていた。
【0032】動物飼育実験例1:豚 前記実施例1に記載の麦から調製した麦粉砕酵素産物
を、澱粉質飼料原料として豚に与えた。一般的飼料を与
えた対照区と比較した結果、3カ月後に20%の体重の増
加が観察された。飼料の組成 澱粉質飼料(本発明飼料原料) 40−50% セルラーゼ飼料 20% 蛋白質飼料 20% 充填物質、薬品及びミネラル 10−20%動物飼育実験例2:肉鶏 実施例5に記載の大豆から製造した粉砕酵素産物を、蛋
白質飼料源として大豆からの粉砕酵素産物を使用したこ
とを除いて上記と同じ組成の飼料とともに与えた。8週
後、一般飼料を与えた対照区と比較した結果、15%の体
重の増加が観察された。動物飼育実験例3:産卵鶏 産卵鶏を用いたことを除いて前記動物飼育実験例2に記
載のものと同一の実験を行った。一般飼料を与えた対照
区に比べ、卵の生産率が8−10%改善された。初卵時期
は約2週間短縮された。動物飼育実験例4:犬、ミンク及び狐 前記動物飼育実験例2に記載のものと同一の実験を、
犬、ミンク及び狐に対して行った。犬、ミンク及び狐に
おいてそれぞれ15%、13%、20%の体重の増加が観察さ
れた。実験群のミンク及び狐は、対照群と比較してより
光沢のある獣皮を有していた。発芽した穀類種子からの
酵素産物は、高い含量の種々の高力価の酵素を含有す
る。従って、種々の基質は共同的に加水分解されること
が期待される。
【0033】充填物質と比較して動物医薬中に0.5 %
(w/w) の酵素産物を追加することにより、優れた代替
効果が確認された。
【0034】
【発明の効果】本発明において、酵素製造技術は発芽し
た穀物の種子から創作された。この技術は、自然法則を
利用するものであり、そして低コステで酵素の最大量を
製造する。酵素産物は、ヒト及び動物により消費される
穀物から製造されるので、動物に使用しても毒性がなく
安全である。この酵素産物は、最大量のフィターゼ(ph
ytase)のみならず、大量の酵素を含む。種々の基質は共
同的に加水分解されることが期待できる。酵素産物は、
他の飼料原料物質と比較して、配合飼料を製造するため
に飼料原料物質として種々の栄養物を含むので、酵素産
物は優れた代替効果を示した。
【0035】この酵素産物を使用することにより、反鄒
動物や単一の胃を有する動物が有機リンを消化するため
に、飼料中にフィターゼ(phytase)を添加する必要はな
い。従って、本発明は、飼料のコストを有意に下げるこ
とにより経済的に有利であるため、動物飼料及び家畜産
業に非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を行うためにもっとも適切な実施例を示
したブロック図である。
【図2】本発明を行うためにもっとも適切な実施例を示
したブロック図である。
【符号の説明】
1:原料ビン 2:選別された
原料ビン 3:移送スクリュー 4:塩溶液筒 5:スクリーニング用篩 6:回収用筒 7:界面活性剤容器 8:発芽培養器 9:湿度計 10、11:温度計 12:熱風乾燥機 13:バルブ 14、17:粉砕機 15、18:包装機 16:脱殻機 19:酵素抽出機 20、21:安定剤供給容器 22:混合機 23:遠心分離機 経路1:本発明による飼料原料製造経路 経路2:本発明による高純度の飼料原料製造経路 経路3:本発明による酵素産物製造経路である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素を生産するために発芽工程から得ら
    れた、稲、麦、小麦、とうもろこしからなる群から選ば
    れる穀類種子、および大豆またはカノラからなる群から
    選ばれる豆科種子。
  2. 【請求項2】 発芽種子の粉砕物から、アミラーゼ、セ
    ルラーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、CMC アーゼ、β−
    グルカナーゼ、キシラナーゼ、プロテイナーゼおよびフ
    ィターゼからなる群から選ばれる高活性の酵素を、大量
    に生産する方法。
  3. 【請求項3】 前記酵素を緩衝液を使用して抽出し、抽
    出された高い活性の酵素溶液の安定性を維持するために
    0.5〜1.0MのMgCl2 を添加する、請求項2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記抽出物を遠心分離して液状酵素製品
    を得る工程をさらに含む、請求項2または請求項3に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 穀類種子および大豆種子を1.0 〜3.0 %
    の塩化ナトリウム溶液に浸漬して不良種子を選別する工
    程と、 種子内含水量を40〜60%として、25〜30℃にて湿度90〜
    95%のインキュベーター内で24〜36時間培養する工程
    と、 25〜80℃にて24〜36時間加熱空気乾燥して、乾燥した発
    芽種子の含水量を9〜12%にする工程と、 この乾燥された発芽種子を粉砕し、包装する工程と、を
    備える一般配合飼料原料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記発芽速度を上げるために、非イオン
    性親水性界面活性として0.05〜10.0%のポリソルベート
    80に4〜12時間浸漬することを特徴とする、請求項5に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 発芽種子から得た酵素の、飼料原料また
    は動物薬品の担体としての使用。
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