JP2001057852A - 耐熱酵素含有飼料用組成物 - Google Patents

耐熱酵素含有飼料用組成物

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JP2001057852A
JP2001057852A JP07147672A JP14767295A JP2001057852A JP 2001057852 A JP2001057852 A JP 2001057852A JP 07147672 A JP07147672 A JP 07147672A JP 14767295 A JP14767295 A JP 14767295A JP 2001057852 A JP2001057852 A JP 2001057852A
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Motoaki Kamaike
元昭 蒲池
Hajime Sato
元 佐藤
Shinobu Ito
忍 伊東
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    • A23K20/10Organic substances
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機能性や栄養価の強化、貯蔵性の向上、家畜
体内での消化性の向上した飼料用組成物の提供。 【構成】 耐熱性酵素を含有する飼料用組成物。耐熱性
酵素を加えた後に70℃以上に加熱する工程を含むこと
を特徴とする該飼料用組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性を有する酵素を
飼料用組成物として配合し、使用することにより、酵素
が安定に飼料用組成物中で存在し、かつ活性を有するこ
とを特徴とするような飼料用組成物を作製することに関
する。
【0002】
【従来の技術】酵素は飼料添加物の1つであり多くの飼
料に添加、混合する形で使用されている。一般にその使
用目的の一つは、家畜体内で摂食した飼料の消化を促進
すること、他の目的としては飼料のサイレージ処理時に
飼料作物中の繊維の分解を促進することで良質な乳酸発
酵に結びつけることが主である。これらについては、各
々の目的に合わせ、その条件に適した酵素が見出されて
いる。またそれらの添加方法は、飼料給与時あるいは事
前にその飼料に混合し家畜へ給餌する方法や、サイレー
ジ処理において乳酸菌と共に酵素剤を添加する方法がと
られている。
【0003】しかし、酵素は一般に高温領域で失活、分
解しやすい。そのため配合飼料のように製造時におい
て、高温処理工程を含むような製造工程を経ると速やか
に失活しその効果を十分に持続させることは非常に困難
である。特に最近の飼料製造においては、成形性、ハン
ドリング性等の理由から原料を70℃以上の高温で処理
するペレットミル、エクストル−ダ−等の加熱型造粒機
が使われている。65℃以下の緩慢な温度で処理される
飼料製造条件であれば、安定性についての問題はないも
のの、成型性、形状に優れるペレット類の製造のような
70℃以上で加工される高温成型機による飼料の製造工
程では、これらの物質のほとんどが分解されてしまうと
いう問題があった。そのため酵素を安定に配合する技術
の開発が要望されてきた。
【0004】酵素を安定化するためにはコーティングや
酵素プレミックスにする技術がある。例えば特開平6−
504911、特開昭63−157938がある。しか
し、コーティング酵素はコスト的に不利であり普及が遅
れている。またコーティング技術に共通する点はコーテ
ィングした酵素剤が飼料製造工程前段の粉砕工程で破壊
された場合、熱、あるいは水分が直接酵素と接触するた
めに飼料の製造工程、流通過程及び保存期間中に失活が
生じその効果が激減する可能性が高い。酵素プレミック
スでは酵素に合わせたプレミックス化の工程が必要であ
り、またその安定性も加熱型機器を用いた製造工程では
十分とは言えない。
【0005】また飼料によっては、水産用飼料や蚕用飼
料のように水分含量が高いものがある。これは飼料中の
水溶性栄養成分が速やかに溶出し、また飼料の保形性が
充分に保たれる特徴を有する。しかし酵素は一般に乾燥
品では安定性が高く保存性に優れるが、水分含量が高い
領域では安定性が低く失活が進みその効果が激減する可
能性が高い。特に成型性、形状に優れるペレット類の製
造のような70℃以上で加工される高温加熱型成型機に
よる飼料の製造工程条件では、この失活は更に加速され
る。そのため水分の含有率の高い飼料での酵素の適用は
非常に困難とされる。
【0006】また、現状では配合飼料は品質維持の点よ
り製造後短期間に使用されているが、品質管理の簡便
化、輸送コスト軽減面より長期保存に耐える飼料が要求
されている。このため製造直後の酵素活性を保存期間中
も維持するための対策が必要とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酵素を飼料
用組成物の一成分として用いる際に高温加熱型機器を用
いた飼料の製造工程でも該酵素が失活せずに、長期にわ
たる飼料の保存に対しても安定な飼料用組成物を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高温加熱
型機器を用いた飼料の製造工程でも分解されず、かつ広
範な飼育される動物類に対して有効な効果をもたらす酵
素活性を有する酵素を模索、検討した結果、耐熱性を有
する酵素を用いればその安定性を飛躍的に向上させるこ
とができ、かつ広範な動物種においてその酵素活性に由
来する十分な飼料的効果が発揮されることを見いだし本
発明を完成させるに至った。
【0009】即ち本発明は以下のものを提供するもので
ある。 1) 80℃で20秒加熱したときの残存活性が60%
以上である耐熱性酵素を含有する飼料用組成物。 2) 耐熱性酵素がセルラーゼ、キシラナーゼ、プロテ
アーゼ、リパーゼ又はアミラーゼから選択される少なく
とも一種である前記1)に記載の飼料用組成物。
【0010】3) 耐熱性酵素がバチルス属細菌の培養
物より得られた酵素である前記1)又は2)に記載の飼
料用組成物。 4) 耐熱性酵素がバチルスsp.SD401(FER
M P−10527)、SD402(FERM BP−
3431)、SD403(FERM P−1164
7)、SD771(FERM P−11455)、SD
772(FERM P−11456)、SD902(F
ERM BP−4508)、NKS−21(FERM
BP−93−1)、バチルス・リケニフォルミス SD
516(FERM P−10427)から得ることの出
来る酵素である前記1)又は2)に記載の飼料用組成
物。
【0011】5) 耐熱性酵素を加えた後に加熱型機器
で70℃以上に加熱する工程を含む前記1)ないし4)
に記載の飼料用組成物の製造方法。 6) 加熱型機器がペレッターマシン、エクストルーダ
ー、エキスパンダー又は乾燥機である前記5)に記載の
飼料用組成物の製造方法。
【0012】以下、本発明を更に詳細に説明する。 (酵素)本発明の飼料用組成物に添加される酵素は、8
0℃以上に加熱した高温加熱型成型機の加熱部分、例え
ばペレットミルにおけるスチーム加熱を行うコンディシ
ョナー部分やエクストルーダーにおける調湿・蒸煮を行
うクッカー部分に、少なくとも20秒滞留させた飼料中
の酵素の残存活性が少なくとも60%、望ましくは80
%以上、より望ましくは90%以上の残存活性を示す性
質を有するような耐熱性を有する酵素類から選択される
一種または2種以上の酵素であれば良い。そしてこれら
の酵素は飼育動物内の消化器官における消化を促進する
ような性質、飼育動物の生体機能を改善するような性
質、あるいは飼育動物が摂食する飼料中の成分をその動
物にとって有用な形態に変化させる性質を有することが
望ましい。例えばバチルスsp.SD771(FERM
P−11455)やバチルスsp.SD772(FE
RM P−11456)の培養液より得られる酵素、特
にアミラーゼ(特開平4−23983、特開平4−58
885)、バチルスsp.SD902(FERM BP
−4508)の培養液より得られる酵素、特にキシラナ
ーゼ(特開平6−261750)、バチルスsp.NK
S−21(FERM BP−93−1)より得られるプ
ロテアーゼのタンパク質工学による変異体、例えば12
番目のセリンのアラニン変異体(特開平5−9187
6)、バチルスsp.SD401(FERM P−10
527)、バチルスsp.SD402(FERM BP
−3431)、バチルスsp.SD403(FERM
P−11647)、バチルスsp.SD516(FER
M P−10427)の培養液から得られる酵素群(特
開平2−215381、特開平4−79882、特開平
4−104788、特開平5−209385)等がある
が特にこれに限定されない。
【0013】酵素の製造方法としては、微生物を用いる
場合、培養方法としては液体培養、固体培養等の通常の
細菌培養方法を用いることが出来る。経済性の見地から
すれば好気的に液体培養する方法が好ましく、その例と
しては好気条件下での通気撹拌培養法や振とう培養法が
挙げられる。その培地としては、用いる菌株が増殖し得
るものなら任意の培地成分が使えるが、例えば、炭素源
としては同化できる炭素化合物またはこれを含有するも
のであればよく、例えばキシラナーゼの製造であれば、
各種キシラン、小麦ふすま、パルプ廃液、穀物糖化粕あ
るいは稲藁等のキシランあるいはキシラン系多糖を含む
各種原料あるいはグルコース、澱粉もしくは液化澱粉等
の澱粉水解物、糖蜜等の糖類を単独あるいは組み合わせ
て用いることが出来る。
【0014】また例えば、窒素源としては同化できる窒
素化合物またはこれを含有するものであればよく、有機
窒素含有物としては各種アミノ酸、コーンスティープリ
カー、麦芽エキス、ペプトン、大豆粉、脱脂大豆粉等
が、また無機窒素化合物としては、塩化アンモニウム、
硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩等を単独あるいは
組み合わせて用いることが出来る。その他、菌の生育及
び酵素生産に必要な各種の有機物や無機物またはこれを
含有するもの、例えばリン酸塩、マグネシウム塩、カル
シウム塩、マンガン塩等の塩類、ビタミン類、酵母エキ
ス等を適宜添加することもできる。
【0015】また、植物を用いる場合は、植物体全体あ
るいはその一部器官からの抽出や、液体培養・固体培養
等の植物培養方法により得た培養液または培養細胞から
の抽出で酵素を得ることが出来る。動物であれば、その
一部臓器・器官からの抽出や動物細胞培養の培養液より
目的の酵素を得ることが出来る。培養に用いる培地はそ
の培養細胞が増殖し目的の酵素を生産するようなものな
ら任意の培地を用いることが出来る。またこれらの抽出
に関しては、一般には氷冷のような低温下で緩衝液を添
加して組織をホモジナイズし、遠心分離した上澄または
フィルター濾過した濾過液を粗精製酵素溶液として使用
する。さらにこれに遠心分離、濾過、沈澱、濃縮、乾燥
などの操作を適宜選択して精製し、その精製酵素溶液を
使用することもできる。
【0016】本発明における飼料用組成物としての酵素
は、動物飼育用で動物体内に栄養や有用な薬品類を投与
する目的で作られた全てのタイプの投与剤形をとること
ができ、代表的な例としては、家畜用飼料、家畜用プレ
ミックス剤、家畜用ビタミン剤、家畜用医薬品、養魚用
飼料、養魚用プレミックス剤、養魚用ビタミン剤、養魚
用医薬品などがある。
【0017】(酵素活性の測定方法)キシラナーゼの場
合、その酵素溶液のキシラン分解活性の有無について
は、簡便法として以下に示すような方法で調べることが
できる。即ち、任意のpHに調整した水溶液に市販のオ
ート麦由来のキシラン(SIGMA社製)が1重量%の
濃度になるように懸濁し、寒天を2重量%になるように
加えた後、90〜100℃まで加熱して寒天プレートを
作製する。酵素溶液を適当に希釈して、あるいは濃縮し
て寒天プレートにスポットした後、任意の温度で保温す
る。24時間経過後に寒天プレートを観察し、スポット
周辺にクリアゾーンが認められるならばキシラン分解活
性が有すると判定することが可能である。他の酵素につ
いても適当な基質を加えた寒天プレートを作製すれば同
様にスポット周辺のクリアゾーンの有無でその分解活性
を判定することができる。
【0018】キシラナーゼ活性測定方法は、基質として
50mM酢酸ナトリウム(pH5.0)中のオートスペ
ルトキシラン(シグマ社)を用い、39℃、pH3.5
で1分間に1μmolのキシロースを生成する酵素量を
1単位(U)としたが、本発明で用いる酵素の中には高
温領域での性質にその特徴を有するものが多く、酵素に
よっては特開平6−261750に準じ、基質として
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)中のバーチキシラ
ン(カバ由来キシラン)を用い、50℃、pH7.0で
反応させた後、生成した還元糖を公知の方法である3,
5−ジニトロサリチル酸(DNS)で測定し、1分間に
1μmolのキシロースを生成する酵素量を1単位(S
U)とした。
【0019】(飼料用組成物)本発明の飼料用組成物
は、豚、鶏、牛、馬、犬、猫、蚕等の陸上動物、サケ、
ハマチ、マス、コイ、アユ、エビ、鰻等の水産動物など
家畜、家禽類、ペット動物、魚類、甲殻類、昆虫類を対
象とし、その給餌物質として用いられる。本発明の飼料
用組成物はその製造工程で加熱型機器が使用された場合
にその効果が現れるが、特にその中でも加熱加圧型成型
機が使用された場合にその効果はより顕著に発揮され
る。加熱加圧型成型機で飼料を作製することは、飼料原
料中のデンプンをα化できるため、飼料の安定性を促進
する上でαデンプンを添加するより極めて安価にできう
る有効な手段である。しかし同時にデンプンのα化には
飼料原料が70℃以上の高温で加圧される必要がある。
耐熱型酵素類は70℃あるいは場合によってはそれ以上
の高温下でも安定であるためにαデンプンを生成させる
必要のある飼料原料に添加することは極めて有用とな
る。
【0020】また本発明の飼料用組成物である飼料の水
分含量を30%以下に保つことは、カビの発生や腐敗を
防止し、長期間にわたり飼料を保存するために重要な意
味を持つ。このために製造工程において加熱加圧成型さ
れた飼料を高温送風乾燥することが飼料の生産効率を考
えると最も簡便かつ安価にできうる手段であるが、耐熱
型酵素類は送風温度70℃の高温下で1時間乾燥しても
ほとんど分解しないことが実験により確認されており、
この条件は通常の飼料の水分を30%以下にするのに十
分な乾燥条件であるため、このような低水分の飼料を効
率的に生産するためには耐熱型酵素類の添加が極めて有
用となる。
【0021】本発明の加熱型機器としては、成型機の機
種としてはペレットミル、ペレッターマシーン、エクス
トルーダー、押し出し成型機等、一般に飼料をペレット
化するために使用される加熱の可能な成型装置、および
成型品の乾燥機などがあり、流動層造粒コ−ティング装
置、遠心流動型コ−ティング造粒装置、遠心流動型造粒
機、スプレ−ドライ式造粒機、回転円板式流動層造粒装
置、遠心転動式造粒装置、浮遊流動式造粒機、旋回流動
式造粒機等も適時その用途に合わせ使用することができ
る。
【0022】本発明の飼料用組成物は給餌する動物種に
合わせ従来使用してきたものと同等の物質を使用するこ
とができる。例えば麦類、牧草類、穀類、豆類、各種
粕、農産加工品、畜産加工品、食品加工品、農産廃棄
物、畜産廃棄物、食品廃棄物、油類、アミノ酸類、ビタ
ミン類、各種塩類等が挙げられる。酵素の基質となる成
分を多く含有する物質を使用することによりさらに酵素
による効果を高めることもできる。本発明における酵素
は、その製造時において粉体、液体の形状で先述の他の
飼料用組成物と混合すれば良く、先述の機器類を用い
て、目的とする飼料用組成物を得る。添加量は飼料を構
成する原料や対象動物に合わせ設定することができる。
【0023】本発明で用いる酵素または酵素溶液は、使
用する菌株、及び目的とする酵素に合わせた培地成分を
用いて製造することができ、酵素溶液で使用する場合に
は適宜濃縮した状態で用いた方がより効率的に処理を進
めることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により、更に
詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例、比
較例により限定されるものではない。
【0025】[実施例1]3.0%ペプトン、1.0%
水溶性デンプン、1.0%DE−50、1.0%酵母エ
キス、1.0%小麦ふすま、0.5%リン酸水素二カリ
ウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.5%炭酸ナト
リウムからなる液体培地2Lを5L容のジャーファメン
ターに入れ、121℃で20分間滅菌した。これに同じ
培地で培養したバチルスsp.SD771(FERM
P−11455)、SD772(FERM P−114
56)の菌体を各々接種し、55℃で48時間好気的に
通気撹拌培養を行った。培養後、各々の培養液を600
0rpm遠心分離して菌体を除去した。次に、上記の方
法で得た上澄み液を各々限外ろ過により約10倍に濃縮
し、これに終濃度2mMになるように塩化カルシウムを
加え各々酵素溶液を得た。
【0026】[実施例2]1.0%バーチキシラン、
0.1%酵母エキス、1.0%ポリペプトン、0.5%
リン酸水素二カリウム、0.05%硫酸マグネシウム、
0.002%硫酸鉄、0.05%塩化ナトリウムからな
る液体培地(pH7.0)2Lを5L容のジャーファメ
ンターに入れ、121℃で20分間滅菌した。これに同
じ培地で培養したバチルスsp.SD902(FERM
BP−4508)の菌体を接種し、55℃で48時間
好気的に通気撹拌培養を行った。培養後、培養液を60
00rpm遠心分離して菌体を除去した。次に、上記の
方法で得た上澄み液を限外ろ過により濃縮し、キシラナ
ーゼ活性200SU/mlが認められる酵素溶液を得
た。
【0027】[実施例3]2.0%大豆粉、0.5%酵
母エキス、0.5%塩化ナトリウム、0.1%リン酸水
素二カリウム、0.02%硫酸マグネシウム、0.5%
マルトース、0.1%CMC、0.3%炭酸ナトリウム
からなる液体培地2Lを5L容のジャーファメンターに
入れ、121℃で20分間滅菌した。これに同じ培地で
培養したバチルスsp.SD401(FERM P−1
0527)、SD402(FERMBP−3431)、
SD403(FERM P−11647)、バチルス・
リケニフォルミスSD516(FERM P−1042
7)の菌体を各々接種し、35℃で35時間好気的に通
気撹拌培養を行った。培養後、各々の培養液を6000
rpm遠心分離して菌体を除去した。次に、上記の方法
で得た上澄み液を各々限外ろ過により濃縮し、各々酵素
溶液を得た。濃縮率はSD516は約8倍、それ以外は
約10倍だった。
【0028】[実施例4]魚粉約56%、サケ白子6
%、クリルS.W.5%,イカ内臓5%、イカ肝油5
%、大豆レシチン4%、アミノ酸ミックス0.5%、コ
−ンスタ−チ5%、ミネラルミックス5%、グルテン5
%、ビタミンプレミックス2.8%、マグネシウム0.
01%で計100%とした後に、実施例1で得たバチル
スsp.SD771の酵素溶液を3%相当添加して、こ
の原料を粉砕後にミキサーで十分混合しペレットミル
(内部温度70−100℃)で常法によりペレットを加
熱成型し70℃で送風乾燥させ、水産動物用飼料を作製
した。この飼料は水中安定性も良好であった。アミラー
ゼの酵素活性を測定したところ添加酵素活性に対し95
%が残存していた。なお、アミラーゼの活性は、基質と
して可溶性デンプンを用い、0.05MCHES緩衝液
(pH9.0)中、50℃で反応させた後、ヨウ素−ヨ
ウ化カリウム溶液で発色させ、吸光度の減少より決定し
た。
【0029】[実施例5]魚粉35%、コ−ンミ−ル3
0%、マッカラム塩3%、ビタミンプレミックス1.4
%、Lーアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム0.
01%に大豆粉を添加して100%とし、実施例1で得
たバチルスsp.SD771の酵素溶液を3%相当加
え、この原料を粉砕後にミキサーで十分混合した後エク
ストルーダーにより成型した。この成型物をドライヤー
により温度100℃で乾燥させ水産動物用エキスパンシ
ョンペレット飼料を製造した。アミラーゼの酵素活性を
測定したところ添加酵素活性に対し添加量の82%が残
存していた。
【0030】[実施例6]トウモロコシ約22%、大麦
19%、ビートパルプ18%、大豆14%、大豆粕6
%、綿実粕6%、コーングルテン6%、ヘイキューブ8
%、アミノ酸ミックス0.05%、ビタミンミックス
0.04%で計100とした後に、実施例2で得たバチ
ルスsp.SD902の酵素溶液を3%相当添加して粉
砕後にミキサーで十分混合した後ペレッターによりペレ
ットを成型した。この成型物をドライヤーにより温度8
0℃で乾燥させ陸上動物用ペレット飼料を製造した。キ
シラナーゼの酵素活性を測定したところ添加酵素活性に
対し93%が残存していた。なお、キシラナーゼの酵素
活性は、基質として0.1Mリン酸緩衝液(pH7.
0)中のバーチキシラン(カバ由来キシラン)を用い、
50℃、pH7.0で反応させた後、生成した還元糖を
公知の方法である3,5−ジニトロサリチル酸(DN
S)で測定し決定した。
【0031】[実施例7]トウモロコシ約35%、小麦
10%、グレインソルガム15%、魚粉8%、大豆粕8
%、ふすま15%、アルファルファミール3%、カルシ
ウム5%、食塩0.3%、ビタミンプレミックス0.3
%で計100%とした後に、実施例2で得たバチルスs
p.SD902の酵素溶液を3%相当添加して粉砕後に
ミキサーで十分混合した後ペレッターによりペレットを
成型した。この成型物をドライヤーにより温度80℃で
乾燥させ陸上動物用ペレット飼料を製造した。キシラナ
ーゼの酵素活性を測定したところ添加酵素活性に対し8
9%が残存していた。
【0032】[実施例8]表1に示す酵素類をそれぞれ
実施例6と同じ組成の飼料に添加して同じ製造方法で成
型した後粉砕し、製造直後の飼料中の酵素類の残存率を
測定した。次に室温で2週間放置し同様に飼料中の酵素
類の残存率を測定した。なお、NKS−21の酵素溶液
の調製は以下の通りであり、NKS−21の変異体(S
12→A)の場合も同様である。
【0033】2.0%大豆粕、3.5%マルトース、
0.5%リン酸水素2カリウム、0.05%硫酸マグネ
シウム、1.0%炭酸ナトリウムからなる液体培地2L
を5L容のジャーファメンターに入れ、121℃で20
分間滅菌した。これに同じ培地で培養したバチルスs
p.NKS−21の菌体を接種し、35℃で48時間好
気的に通気撹拌培養を行った。培養後、培養液を600
0rpmで遠心分離して菌体を除去した。次に、上記の
方法で得た上澄み液を限外ろ過により濃縮し、酵素溶液
200mlを得た。また、NKS−21及びその変異体
(S12→A)の活性測定方法については、以下の通り
である。酵素活性は基質として0.1M炭酸ナトリウム
−ホウ酸−塩化カリウム緩衝液(pH10.0)中のミ
ルクカゼインを用い、30℃、pH10.0で反応させ
た後、0.1Mトリクロル酢酸を含む0.2M酢酸−酢
酸ナトリウム溶液で反応を止め、ろ過した後、ろ液をフ
ェノール試薬で発色させ、吸光度より決定した(酵素単
位は30℃でpH10.0で基質であるカゼインから1
秒間にチロシン1モル相当量の660nmにおける発色
を示すトリクロル酢酸可溶性物質を遊離する酵素量を1
カタールとする)。
【0034】
【表1】
【0035】耐熱性酵素(SD902、SD771、N
KS−21変異体)を用いることで飼料製造直後のみな
らず、室温保存においても高い酵素活性残存率が得られ
た。非耐熱性酵素(NKS−21)では酵素活性残存率
は低い。
【0036】[実施例9]本発明の酵素の飼料に対する
効果を確認するために稲藁及び稲藁粉砕品に対し実験を
行い、有効な活性の存在することを確認した。乾燥重量
500gの稲藁を5cm長に裁断あるいはミキサーで粉
砕した後、水33lに浸漬し、一昼夜室温で放置した。
その後、稲藁を取り出し、よく水洗して溶出物、泥など
の付着物を除去した後、これを遠心脱水し、次に原料が
15%になるように水を加え、pH7.0、70℃に調
整した。これに実施例2で得たバチルスsp.SD90
2の酵素溶液を0.2%(対kg乾燥稲藁)になるよう
に静かに添加し24時間撹拌した。反応後、稲藁を粉砕
し水洗した後これを遠心脱水した。これのリグニン含量
を測定したところ、各々18%、25%減少しており消
化性の改善された稲藁(または粉砕品)に変化してい
た。つまりこの酵素溶液は飼料用酵素として少なくとも
消化性改善につながる有用な性質を有していた。また実
施例2及び実施例3で得た種々の酵素溶液について同様
に実験した結果を表2に示す。効果の認められたものに
ついては○(特に顕著なものは◎)、認められなかった
ものは×を記入した。その結果本発明の酵素類に、少な
くとも消化性改善の有用な効果が確認された。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明により、加熱型機器による処理を
経ても酵素活性を充分に保持し、その結果として機能性
や栄養価の強化、貯蔵性の向上、家畜体内での消化性の
向上した飼料用組成物が提供される。特にペレット剤に
用いるのに有効な飼料用組成物が提供される。さらに、
本発明の技術は飼料以外にも適用でき、例えば食料品や
薬剤など、動物経口物(人、魚類、鳥類等を含めた動物
の口を経て摂取される物)に広く利用できる。利用方法
は飼料の場合に準ずることができる。
フロントページの続き (72)発明者 伊東 忍 東京都港区芝大門1丁目13番9号 昭和電 工株式会社内 Fターム(参考) 2B150 AC02 AC31 AE28 AE29 DF10 DF12 DF13 DF14 DF15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 80℃で20秒加熱したときの残存活性
    が60%以上である耐熱性酵素を含有する飼料用組成
    物。
  2. 【請求項2】 耐熱性酵素がセルラーゼ、キシラナー
    ゼ、プロテアーゼ、リパーゼ又はアミラーゼから選択さ
    れる少なくとも一種である請求項1に記載の飼料用組成
    物。
  3. 【請求項3】 耐熱性酵素がバチルス属細菌の培養物よ
    り得られた酵素である請求項1又は2に記載の飼料用組
    成物。
  4. 【請求項4】 耐熱性酵素がバチルスsp.SD401
    (FERM P−10527)、SD402(FERM
    BP−3431)、SD403(FERMP−116
    47)、SD771(FERM P−11455)、S
    D772(FERM P−11456)、SD902
    (FERM BP−4508)、NKS−21(FER
    M BP−93−1)、バチルス・リケニフォルミス
    SD516(FERM P−10427)から得ること
    の出来る酵素である請求項1又は2に記載の飼料用組成
    物。
  5. 【請求項5】 耐熱性酵素を加えた後に加熱型機器で7
    0℃以上に加熱する工程を含む請求項1ないし4に記載
    の飼料用組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 加熱型機器がペレッターマシン、エクス
    トルーダー、エキスパンダー又は乾燥機である請求項5
    に記載の飼料用組成物の製造方法。
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