JPH10247317A - 磁気記録媒体とその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体とその製造方法

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JPH10247317A
JPH10247317A JP9065395A JP6539597A JPH10247317A JP H10247317 A JPH10247317 A JP H10247317A JP 9065395 A JP9065395 A JP 9065395A JP 6539597 A JP6539597 A JP 6539597A JP H10247317 A JPH10247317 A JP H10247317A
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magnetic
recording layer
fixed signal
signal recording
magnetic material
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JP9065395A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Kono
和彦 河野
Yasuo Shimamura
泰男 嶋村
Toshikazu Nagura
敏和 名倉
Yoshihiro Nishimura
義浩 西村
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の偽造防止固定信号記録層の出
力を上げる。 【解決手段】 非磁性支持体2上の全体または一部に磁
気記録層3が形成され、その上に書き換え不可能な偽造
防止固定信号記録層1が形成されている。偽造防止固定
信号記録層1は、特定の領域における単位面積あたりの
磁性体粒子数が隣接する他の領域と異なることにより形
成されたものであり、保磁力が20〜100エルステッ
ドで、磁性体の平均粒径が10μm未満の磁性体Aを含
む第一固定信号記録層4と、その上に形成されて保磁力
が20エルステッド未満で、磁性体の平均粒径が10〜
50μmの磁性体Bを含む第二固定信号記録層5との2
層により形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリペイドカードや
プレミアムカード等の磁気記録を利用した磁気記録媒体
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録を利用した機械読み取り可能な
金券として、テレホンカード、オレンジカード等の磁気
記録媒体が広く一般に流通している。しかしながら情報
を容易に書き換えられるという磁気記録の長所が、磁気
記録媒体では容易に偽造しうるという短所になり、磁気
記録媒体の一般化にともない、偽造防止は一層重要性が
増していた。
【0003】磁気記録媒体の偽造防止の手段として、磁
気記録層の上に磁気隠蔽層を設けることが一般的に行わ
れている。磁気隠蔽層は磁気記録層の磁束を遮蔽し、磁
気信号のパターンを外部に漏れなくすることを目的とし
て設けられ、磁性粉を磁気記録媒体の上にふりかける等
の手段を用いて、容易に信号パターンの解読ができな
い。所定の直流磁場の下でのみ磁気信号を読みとること
が可能となる。
【0004】さらに、偽造防止の手段として、通常の磁
気記録再生領域とは別の箇所に、書き換えが困難な固定
信号を設ける方法が知られている。具体的には、基材上
に、まず、第一の磁性層を設けて、所定の信号を磁気記
録し、その後、第二の磁性塗料を塗布し、乾燥固化する
前に一定方向の配向磁界をかけ、その後に乾燥固化する
ことにより、第一の磁性層に記録された信号による磁界
ならびに配向磁界の影響により、第二の磁性層に書き換
え不可能な固定信号を形成する方法が提案されている
(特願平6−2731444号公報参照)。書き換え不
可能な固定信号は、特定の領域における単位面積あたり
の磁気出力が隣接する他の領域と異なることにより形成
されている。
【0005】しかしながら、第一の磁性層に記録された
信号による磁界並びに配向磁界の影響の下で形成される
第二の磁性層の書き換え不能である固定信号記録層は、
多くの場合読み取り時の出力が不十分であり固定信号記
録層の出力を上げることに早急な対応が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の第1の目
的は、偽造防止固定信号記録層の出力を上げた磁気記録
媒体を提供することである。本発明の第2の目的は、そ
のような磁気記録媒体を簡便な装置を使用して製造でき
るようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1に示され
るように、非磁性支持体2上の全体または一部に、磁気
記録層3及びその上に形成された書き換え不可能な偽造
防止固定信号記録層1を少なくとも有する磁気記録媒体
である。そして、偽造防止固定信号記録層1は、特定の
領域における単位面積あたりの磁性体粒子数が隣接する
他の領域と異なることにより形成されたものであり、保
磁力が20〜100エルステッドで、磁性体の平均粒径
が10μm未満の磁性体Aを含む第一固定信号記録層4
と、その上に形成されて保磁力が20エルステッド未満
で、磁性体の平均粒径が10〜50μmの磁性体Bを含
む第二固定信号記録層5との2層により形成されてい
る。
【0008】第一固定信号記録層における全磁性体中の
磁性体Aの重量組成比が30%以上であることが好まし
く、また、第一固定信号記録層が磁性体A以外の磁性体
として磁性体Bを含んでいてもよい。第二固定信号記録
層における全磁性体中の磁性体Bの重量組成比が70%
以上であることが好ましく、また、第二固定信号記録層
が磁性体B以外の磁性体として磁性体Aを含んでいても
よい。第一固定信号記録層の塗工量は2〜10g/m2
が好ましく、第二固定信号記録層の塗工量は10〜50
g/m2が好ましい。
【0009】本発明の製造方法は、以下の工程(A)か
ら(F)を含んで上記の偽造防止固定信号記録層を形成
する。 (A)磁気記録層に所定の固定信号による磁気記録を行
なった後、その磁気記録層上に磁性体Aを含む第1の顔
料組成物を塗布する工程、(B)塗布された第1の顔料
組成物が乾燥する前に同じ方向の一様な配向磁界を印加
する工程、(C)その後、第1の顔料組成物を乾燥硬化
させて第一固定信号記録層とする工程、(D)前記第一
固定信号記録層上に磁性体Bを含む第2の顔料組成物を
塗布する工程、(E)塗布された第2の顔料組成物が乾
燥する前に工程(B)で印加した配向磁界と同じ方向の
一様な配向磁界を印加する工程、(F)その後、第2の
顔料組成物を乾燥硬化させて第二固定信号記録層とする
工程。
【0010】第一固定信号記録層を塗被形成するための
第1の顔料組成物の粘度は、20cps以下であること
が好ましい。工程(A)と(B)の間、及び工程(D)
と(E)の間に、偽造防止固定信号記録層からの磁気信
号を読み取ろうとする磁気トラック部分のみに配向磁界
を印加する工程をさらに含んでいることが好ましい。
【0011】
【作用】偽造防止固定信号記録層1は、特定の領域にお
ける単位面積あたりの磁性体粒子数が隣接する他の領域
と異なっていることにより、特定の領域における単位面
積あたりの磁気出力が隣接する他の領域と異なってく
る。偽造防止固定信号記録層1の固定信号は、例えば媒
体を識別するための情報として利用される。本発明によ
る磁気記録媒体は、偽造防止固定信号記録層を保磁力及
び粒径の異なる磁性体を主体とする2層の固定信号記録
層で構成してこの偽造防止固定信号記録層の出力を上げ
たので、偽造防止効果をいっそう高めることができる。
【0012】そして、出力を上げるのを偽造防止固定信
号記録層の構造を改良することにより達成したため、複
雑な塗工設備等を必要としない。従来の偽造防止固定信
号記録層の形成には、偽造防止固定信号記録層に単一層
を使用し、複雑な塗工設備を用いることにより記録出力
を上げることが試みられているが、その効果は不十分で
ある。そして、その出力を上げたものが得られることが
あるとしても、複雑な塗工設備を用いることから、安定
した品質の製品を安定して供給することが困難な状態と
なっている。これに対し、本発明の特筆すべき効果は、
偽造防止固定信号記録層を形成するのに単一層ではな
く、保磁力及び粒径の異なる磁性粉を主体とする第一固
定信号記録層と第二固定信号記録層を設けることにより
出力アップの効果と製造の安定供給を見い出したことに
ある。
【0013】工程(A)と(B)の間、及び工程(D)
と(E)の間に、偽造防止固定信号記録層からの磁気信
号を読み取ろうとする磁気トラック部分のみに配向磁界
を印加する工程をさらに含んでいると、磁気トラック部
分の単位面積あたりの磁性体粒子数がその他の部分より
も大きくなり、磁気トラック部分の偽造防止固定信号記
録層からの磁気出力がより高まる。
【0014】以下に本発明の詳細な説明を示す。 〔基体〕本発明の非磁性支持体として用いるものとして
は、フィルム状あるいはシート状のポリエチレンテレフ
タレート、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン等の
プラスチックフィルム、銅、アルミニウム等の金属板、
紙、含浸紙、不織布、網等を単体あるいは複合体として
使用できる。
【0015】〔磁気記録層〕本発明の磁気記録層は、γ
−Fe23、コバルト被着γ−Fe23、コバルトドー
プγFe23、酸化クロム、炭化鉄、金属鉄、バリウム
フェライト等の強磁性体を樹脂等に分散して得られる塗
料を被磁性体の支持体上にコーティングして得られる。
この時使用される樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、セ
ルロース系樹脂、エポキシ樹脂等の単体あるいは、混合
系として使用できる。また、要求される物理特性等か
ら、必要に応じて架橋剤や、可塑剤、粘度調整剤、導電
剤等を添加することができる。これらの原料は、サンド
ミル、ボールミル、アトライター等で混合分散し磁性塗
料とする。磁気記録層は、該塗料からグラビアコーティ
ング、ダイコーティング、ロールコーティング、ナイフ
コーティング、あるいは印刷等の方法で形成できる。
【0016】本発明では、磁気記録層に特定の偽造防止
磁気信号を記録後、磁気記録層の上に第一固定信号記録
層、第二固定信号記録層等をコーティングにより堆積す
るため、磁気記録層は、完全に乾燥後、熱硬化させるこ
とが望ましい。 他に磁気記録層を形成する方法として
は、Fe、Fe−Cr、Fe−Co、Co−Cr等の金
属あるいはその合金を真空蒸着、スッパタ、メッキ等の
方法によって基体上に形成して得ても良い。
【0017】さらに、本発明に係わる偽造防止固定信号
記録層用の磁気出力を得るためには、所定の直流磁場を
磁気ヘッドから磁気記録カードにかけてやる必要があ
り、強磁性体は、この直流磁場の下でも磁性を保持する
ものが望ましい。実用的な直流磁場は、1000エルス
テッド程度と推測されるため、本発明に用いられる強磁
性体の保持力は、1000エルステッド〜4000エル
ステッド、更に望ましくは1500エルステッド〜30
00エルステッドが良い。これ未満では直流磁場による
本来の磁気情報が消去されるおそれがあり、これを超え
ると記録再生が困難となる。
【0018】〔第一固定信号記録層〕本発明に係わる偽
造防止固定信号記録層を形成するのに最も適した層であ
る。第一固定信号記録層の形成には、保磁力が20〜1
00エルステッドで、かつ平均粒径が10ミクロン未満
の磁性体Aが不可欠となる。特に、第一固定磁気記録層
に不可欠な要因としては、磁性体Aを用いることであ
り、全磁性体中の磁性体Aの割合は重量組成比で30%
以上である。
【0019】具体的な効果としては、保磁力が20エル
ステッド以上の磁性体においては、第一固定信号記録層
を塗工する際に、実質的に一定配向磁界をかけることに
より磁気記録層に記録された固定信号の記録を第一固定
信号記録層上に確実に記録波形として形成される効果を
発することにある。
【0020】ちなみに、従来の偽造防止固定信号記録層
の形成に使用されている保磁力10エルステッド程度の
磁性体を使用した場合、一般的な塗工設備を用いて製造
した時、偽造防止固定信号として必要な出力、すなわち
十分な凹凸を有する書き換え不可能な固定信号記録層を
形成することは、ほぼ不可能に近い。この場合に実質的
に得られる信号出力としては、必要とされる固定信号層
出力の20〜30%程度に留まる。また、これらの偽造
防止固定信号層に十分な出力を付与させる手段として、
従来の塗工設備を大幅に改造して、具体的にはという方
法が提案検討されているが、このためには、高価な大型
の塗工設備を必要とする他、固定信号記録層の出力効果
及び製造安定性については懸念される点が多い。さら
に、一般的な磁気記録媒体の製造方法は、溶剤を使用す
ることが多く、実質的に一定方向に配向磁界をかけるた
めに電気磁石を使用するとすれば、塗工中に電気磁石を
使用するそのような方法は、爆発等の危険性を含むため
適切な方法とはいえない。
【0021】ゆえに、偽造防止固定信号層の構造を改良
した本発明は、高出力のものを安定に供給でき、製造方
法の見地からしても、高価な設備投資を必要としないの
で経済的にも大きな長所があるといえる。
【0022】このような効果を発する要因としては、詳
細なことは不明であるが、以下のようなことが推測され
る。つまり、磁気記録層上に形成される信号波形におい
て、従来の保磁力10エルステッド程度の磁性体では、
実質的な一定方向の配向磁界の下で一時的に信号記録波
形を形成するが、配向磁界下からでることにより一時的
に形成された信号波形の凹凸が崩れてしまい結果とし
て、偽造防止固定信号記録層の出力が低くなる現象が推
測される。また、磁性体の平均粒径が10ミクロン以上
のものでは形成された波形がシャープな凹凸を形成せず
出力低下や磁気ノイズの原因となることが多い。
【0023】これに対して、本発明における保磁力20
エルステッド以上の磁性体では、配向磁界を取り除いた
後も形成された第一固定信号記録層の凹凸波形を崩すこ
となく形成されており、かつ平均粒径が小さい物を使用
することにより一層シャープな記録波形を形成すること
になる。結果として出力の高い高出力波形の固定信号層
を形成すると推測される。
【0024】さらに、形成された波形が配向磁界を取り
除いた後も凹凸を崩すことなく維持される理由として
は、保磁力が従来の10エルステッド程度のものでは、
磁化された磁性体に残留磁界がほとんど残らないため、
磁性体自身が形成した波形を維持しないが、保磁力が2
0エルステッドを超える磁性体では、磁化された磁性体
の残留磁界が高いため波形が維持されると推測される。
また、平均粒径の小さい磁性体を使用することにより形
成される波形がより密につまり残留磁化が維持されやす
いことも高出力を出す理由と考えられ本発明の特徴とい
える。
【0025】ちなみに、第一固定信号記録層に保磁力が
100エルステッドを超える磁性体を使用した場合、固
定信号記録層における凹凸の形成が不十分になる傾向が
あり、具体的には、100エルステッド超える磁性体を
使用すると、出力効果はある程度有するものになるが、
凹凸部分のシャープさが悪く、結果として磁気ノイズが
高くなったり、波形モジューレションが悪くなる。
【0026】これらの現象については、詳細なことは不
明であるが、磁性体が100エルステッドを超えるもの
では、一定配向磁界の中で凹凸を形成する際、磁性体の
保磁力が高くなりすぎて磁性体の磁化現象が弱くなり、
固定信号の波形形成に悪影響を与えたる事が推測され
る。このため、本発明の効果を充分に発するためには、
保磁力20〜100エルステッドの磁性体が不可欠とな
る。
【0027】第一固定信号記録層は磁性体として磁性体
Aのほかに、保磁力が20エルステッド未満で、かつ平
均粒径が10〜50ミクロンの磁性体Bを含んでいても
よい。磁性体Aと磁性体Bの重量組成比は、 磁性体A:磁性体B=30〜100:0〜70 の範囲が適当である。
【0028】第一固定信号記録層の形成に際して保磁力
の異なる磁性体Bを混合して使用する効果については、
保磁力が20エルステッド以上の磁性体では磁気隠蔽効
果がほとんどなく固定信号記録波形の形成のみの効果に
とどまるが、保磁力が10エルステッド未満の磁性体を
混合することにより磁気記録層の隠蔽効果を同時に付与
させることができる。
【0029】平均粒径の異なる磁性体を2種類使用する
ことについては、塗工乾燥工程において、塗工面の乾燥
性を速くする効果もある。これについては、粒径の違う
磁性体粒子を用いることにより同粒子径の磁性体を用い
たときより磁性体間に微少な空間が形成され溶媒の飛散
がより拡大されうると考えられる。また、この乾燥性を
速めることにより、配向磁界中で形成された固定信号記
録波形が速乾性を有し、より凹凸の波形崩れがなくなる
効果を生むといえる。
【0030】磁性体A及び磁性体Bの重量組成比につい
ては、磁性体A:磁性体B=30〜100:0〜70が
適当である。その理由としては、上記の発明効果の他
に、磁性体Aにおいては、30部未満では、固定信号記
録層の形成効果が不十分であり、磁性体Bについては、
70部を超える範囲では、磁性体Aの効果を損なうもの
であり、0〜70部の範囲で上記のように磁気隠蔽効果
と同時に固定信号記録層形成の効果を発するものであ
る。
【0031】なお、第一固定信号記録層の塗料として
は、磁性体A:磁性体B=30〜100:0〜70の磁
性体配合のものを樹脂等に分散するものであり、このと
き使用される樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、セルロ
ース系樹脂、エポキシ樹脂等の単体あるいは、混合系と
して使用できる。また、要求される物理特性等から、必
要に応じて架橋剤や、可塑剤、粘度調整剤、導電剤等を
添加することができる。これらの原料は、サンドミル、
ボールミル、アトライター等で混合分散し磁性塗料とす
る。
【0032】第一固定信号記録層は、上記塗料の性質か
らグラビアコーティング、ダイコーティング、ロールコ
ティング等が望ましい。また、第一固定信号記録層塗工
後、第二固定信号記録層等をコーティングにより堆積す
るため、第一固定信号記録層は、完全に乾燥後、熱硬化
させることが望ましい。
【0033】さらに第一固定信号記録層の塗料粘度につ
いては、任意の塗工機における塗工適性粘度の塗工でも
可能であるが、好ましくは20cps以下のものがよ
い、該塗料の20cpsとは、市販のE型粘度計測定に
よるものであり測定条件としては、液温20℃、20r
pm時の測定値として、E型粘度計としては市販のもの
を使用できる。20cps以下の塗工粘度が好ましい理
由としては、塗料中の磁性体粒子の流動性が特に良くな
り、結果第一固定信号記録層形成時の疎密の強弱差が大
きくなり高出力の凹凸層を形成し得るといえる。特に、
この塗工粘度が、20cps以下という規定について
は、従来の磁気記録媒体の製造方式では使用されない範
囲であり、本発明の方式により効果を生み出すもので、
この点からも製造方式の見地で特異性を示すことを初め
て見い出した。
【0034】第一固定信号記録層の塗工量については、
その磁気録媒体の使用用途により異なり特に規定される
ものではないが、本発明の効果をより著しく示すために
は、塗工量2〜10g/m2 のものが望ましい。特にこ
の範囲が顕著である理由としては、2g/m2 未満で
は、その効果が著しくなく、10g/m2 を超える範囲
ではその効果が飽和してしまうものであり、また、経済
的な面からみても10g/m2 までの範囲で十分である
と考えられる。
【0035】〔第二固定信号記録層〕第二固定信号記録
層は、本発明に係わる偽造防止固定信号記録層を形成す
るのに第一固定信号記録層と共に対をなし不可欠な層で
ある。第二固定信号記録層の形成には、保磁力が20エ
ルステッド未満で、かつ平均粒径が10〜50ミクロン
磁性体Bが不可欠となる。第二固定信号記録層の役割と
して、従来からの磁気記録層に記録された内容を隠蔽す
る効果を含むため、磁気シールド性効果の高い保磁力の
低い磁性体Bが効果を発することになる。
【0036】第二固定信号記録層は磁性体として磁性体
Bのほかに、保磁力が20〜100エルステッドで、か
つ平均粒径が10ミクロン未満の磁性体Aを含んでいて
もよい。磁性体Aと磁性体Bの重量組成比は、 磁性体A:磁性体B=0〜30:70〜100 の範囲が適当である。
【0037】本発明の第二固定信号記録層に磁性体Bの
ほかに磁性体Aを混合することについては、第一固定信
号記録層形成の時と同様に、保磁力の高い磁性体を使用
することにより、磁気記録層に記録された偽造防止信号
記録波形を確実に形成することが挙げられる。また、第
二固定信号記録層の形成に際して、粒径の異なる磁性体
粒子を使用することにより、塗工後の塗工面の乾燥が速
くなる効果があることは、第一固定信号記録層のところ
で述べたとおりである。
【0038】第二固定信号記録層の磁性体の比率として
は、磁性体A:磁性体B=0〜30:70〜100が適
当であるが、この理由としては、磁性体Bが70未満の
比率では、磁気隠蔽効果を損なうことによる。また、第
二固定信号記録層としては、塗料として磁性体Bのみの
使用でも、十分な効果を発するものであるが、磁性体A
を含有することにより、固定信号記録形成波形がよりシ
ャープな凹凸を形成する効果を生むと同時に、塗工乾燥
工程における塗工面の乾燥性アップにつながりより高出
力の固定信号記録波形の形成が促進されることになる。
【0039】なお、第二固定信号記録層の塗料として
は、磁性体A:磁性体B=0〜30:70〜100の磁
性体配合のものを樹脂等に分散するものであり、このと
き使用される樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、セルロ
ース系樹脂、エポキシ樹脂等の単体あるいは、混合系と
して使用できる。また、要求される物理特性等から、必
要に応じて架橋剤や、可塑剤、粘度調整剤、導電剤等を
添加することができる。これらの原料は、サンドミル、
ボールミル、アトライター等で混合分散し磁性塗料とす
る。
【0040】第二固定信号記録層は、その塗料の性質か
らグラビアコーティング、ダイコーティング、ロールコ
ティング等が望ましい。また、第二固定信号記録層上に
必要に応じて保護層や印刷層を設ける等の加工成形を行
なうことがあり、第二固定信号記録層は、完全に乾燥
後、熱硬化させることが望ましい。
【0041】第二固定信号記録層の塗工量については、
その用途別の目的により異なり、特に規定されるもので
はないが、好ましくは、10〜50g/m2 の範囲のも
のがよい。その理由としては、10g/m2 未満では磁
気隠蔽効果を損なうものであり、50g/m2 を超える
場合は、その効果が飽和するものであり、かつ経済的な
面からも50g/m2 までの範囲が適当とされる。
【0042】さらに、本発明において特筆すべき点は、
第一固定信号記録層および第二固定信号記録層の2層を
積層したことにある。これが有効である理由としては、
大きく四つが推察される。第一には、保磁力の高い磁性
体Aを、第一固定信号記録層に用いることにより、磁気
記録層に記録された信号出力を磁気シールドすることな
く残すことにより、第二固定信号記録層を第一の固定信
号記録層上に重ねて形成させることができる。言い換え
れば、下塗りの第一固定信号記録層に形成された凹凸の
波形を、上塗り時の第二の固定信号記録層を重ねて形成
することにより、凹凸の強弱をいっそう強める効果を生
み出すことを初めて見い出したことにある。
【0043】第二の理由としては、保磁力の異なる磁性
体2種類のうち、保磁力の高い磁性体を第一固定信号記
録層の主成分として用いることにより第一固定信号記録
層で主な凹凸波形の磁気信号を形成させ、保磁力の低い
磁性体を第二固定信号記録層の主成分として用いること
により、主に磁気媒体における磁気隠蔽効果を付与させ
ることに初めて成功したことにある。
【0044】第三の理由としては、2種類の磁性体を2
層に分け任意の割合に混合することより、磁気記録媒体
の製造安定性及び、乾燥効果をいっそう強める効果を見
いだしたことにある。
【0045】第四の理由としては、第一固定信号記録層
の磁性体配合により、第一固定信号記録層の塗料粘度を
従来の塗工方式にとらわれない、20cpsという低粘
度の塗工を行うことにより、安定した固定信号記録層を
形成させること初めて見いだしたこと。さらに、第一固
定信号記録層の塗工量と第二固定信号記録層の塗工量を
規定することにより、偽造防止固定信号記録層に高出力
でかつ高い磁気シールド性を有することを付与させたこ
とにある。
【0046】[偽造防止固定信号記録層形成用の配向磁
界について]本発明における、偽造防止層すなわち第一
固定信号記録層及び第二固定信号記録層の形成において
は、実質的に一定方向に配向磁界をかけることが必要と
なるが、この理由としては、従来の磁気記録媒体の製造
工程に使用されているN−N対向あるいはSーS対向等
の永久磁石を使用した場合、配向磁界の前後において通
過する支持体の塗工面に対し配向磁界の反転現象が実質
的に行われる。このため本発明のような磁気記録層上に
記録された信号波形を再生形成する場合、信号波形を形
成する凹凸の反転現象の原因となるため不適当になる。
故に、本発明の効果を顕著に示すためには、実質的に一
定方向の配向磁界をかける必要性が重要となる。ここで
は、配向磁界は通過する支持体の塗工面全面にわたって
印加される。
【0047】具体的には、一定方向の配向磁界を発生す
るものとして、ソレノイド磁石等の電磁石が使用される
他、電磁鋼板等を使用してもよく、一定方向に配向磁界
を有する機械設備ならいずれの装置を使用してもよい。
第一及び第二固定信号記録層の配向磁界強度としては、
磁気記録層に記録された記録を消去しない程度のものが
望ましく、具体的には100〜1500ガウス程度の配
向磁界がよく、特に好ましくは、100〜1000ガウ
スがよいと考えられる。ちなみに、100ガウス未満で
は、配向磁界としての強度が弱く十分な波形形成がなさ
れず、1500ガウスを超える場合は、磁気記録層の記
録内容を消去する恐れがあり好ましくない。
【0048】[偽造防止固定信号記録層からの磁気信号
を読み取ろうとする磁気トラック部分のみの配向磁界に
ついて]第一固定信号記録層及び第二固定信号記録層の
形成において、配向磁界を通過する支持体の塗工面全面
にわたって印加する上記の工程の前に、書き換え不可能
な偽造防止固定信号記録層からの磁気信号を読み取ろう
とする磁気トラック部分のみに配向磁界を印加し、その
磁気トラック部分に周囲からの磁性体粒子を集めて磁気
トラック部分での単位面積あたりの磁性体粒子数を高め
る工程をさらに含んでいることが好ましい。
【0049】磁気トラック部分のみに印加する配向磁界
は、磁気トラック部分に磁性体粒子を集めるのが主たる
目的であるため、その方向は偽造防止固定信号記録層形
成用の配向磁界と同じ方向に限定されるものではない。
しかし、偽造防止固定信号記録層形成用の配向磁界と同
じ方向であれば、磁気トラック部分に磁性体粒子を集め
るとともに、単位面積あたりの磁性体粒子数による偽造
防止固定信号記録層のパターンと同じパターンを形成で
きるので、より好ましいことである。配向磁界の方向
は、支持体の面内方向で支持体の進行方向と直角もしく
は平行、又は支持体の面に垂直な方向のいずれであって
もよい。
【0050】具体的には、上記の塗工面全面にわたって
印加する配向磁界と同様に、一定方向の配向磁界を発生
するものとして、ソレノイド磁石等の電気磁石が使用さ
れる他、電磁鋼板等のものを使用して、一定方向に配向
磁界を有する機械設備ならいずれの装置を使用してもよ
い。配向磁界強度も上記の塗工面全面にわたって印加す
る配向磁界と同様であり、磁気記録層に記録された記録
を消去しない程度のものが望ましく、具体的には100
〜1500ガウス程度の配向磁界がよく、特に好ましく
は、100〜1000ガウスがよいと考えられる。
【0051】磁気トラック部分のみに配向磁界を印加す
ることにより、偽造防止固定信号記録層の出力がより高
まる。しかし、磁気トラック部分のみへの配向磁界の印
加はより有効な手段ではあるが、本発明では必須のもの
ではない。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、第
二固定層記録層上、あるいは、支持体裏面に保護層や印
刷層、あるいは感熱記録層を設けることも可能であり、
目的により必要に応じて、磁気記録媒体を部分的に加工
することも可能である。
【0052】以下に磁気記録媒体の各層の形成法の具体
例を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもの
ではない。特に断りのない場合、有機溶剤であるメチル
エチルケトン、トルエンを除く以下の実施例のすべての
部は固形分重量である。
【0053】
【実施例】
(実施例1) 〔磁気記録カードの作成]下記配合の磁性塗料をサンド
ミルにて混合分散後、下記量のイソシアネート系硬化剤
を添加し、被磁性体基体として厚さ188μmのPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上にグラビア
コーティングし、配向磁界3000ガウスをかけた後、
乾燥硬化して第一の磁性層である厚さ15μmの磁気記
録層を形成した。
【0054】 <磁気記録層塗料> ・バリウムフェライト粉(保磁力:1700エルステッド) 100部 ・ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:ニッポランN−3113) ・部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製:エスレックスA) ・分散剤 3部 ・メチルエチルケトン 120部 ・トルエン 60部 ・イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)
【0055】〈第一固定信号記録層〉前記磁気記録層
に、所定の固定信号による磁気記録を行い、その後磁気
記録層上に、下記配合の磁性塗料をサンドミルにて混合
分散後、下記量のイソシアネート系硬化剤を添加し、濃
度40.5%、粘度100cpsの塗料を調製し、グラ
ビアコーティングを行い、ソレノイド磁石を用い100
0ガウスの配向磁界をかけた後、乾燥硬化して塗工量2
0g/m2 の第一固定信号記録層を形成した。 ・センダスト粉(保磁力:50エルステッド) 100部 ・ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:ニッポランN−3113) ・部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製:エスレックスA) ・分散剤 3部 ・メチルエチルケトン 150部 ・トルエン 60部 ・イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)
【0056】〈第二固定信号記録層〉前記第一固定信号
記録層上に、下記配合の磁性塗料をサンドミルにて混合
分散後、下記量のイソシアネート系硬化剤を添加し、濃
度40、5%の塗料を調製し、グラビアコーティング行
い、ソレノイド磁石を用い1000ガウスの配向磁界を
かけた後、乾燥硬化して塗工量20g/m2 の第二固定
信号記録層を形成した。 ・センダスト粉(保磁力:10エルステッド) 100部 ・ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:ニッポランN−3113) ・部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製:エスレックスA) ・分散剤 3部 ・メチルエチルケトン 150部 ・トルエン 60部 ・イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL) 前記記載の方法により、磁気記録層,第一固定信号記録
層,第二固定信号記録層を堆積させて偽造防止不可能な
磁気記録媒体を得た。
【0057】(実施例2)第一固定信号記録層の塗工量
を5g/m2 とし、第二固定信号記録層の塗工量を35
g/m2 とした以外は実施例1と同様にして磁気記録媒
体を得た。
【0058】(実施例3)下記方法に従い第一固定信号
記録層及び第二固定信号記録層を塗工形成した以外は、
実施例1と同様にして偽造防止不可能な磁気記録媒体を
得た。 〈第一固定信号記録層〉下記配合の磁性塗料をサンドミ
ルにて混合分散後、下記量のイソシアネート系硬化剤を
添加し、濃度10%、粘度10cpsの塗料を調製し、
グラビアコーティングを行い、ソレノイド磁石を用い1
000ガウスの配向磁界をかけた後、乾燥硬化して塗工
量5g/m2 の第一固定信号記録層を形成した。 ・センダスト粉(保磁力:70エルステッド) 100部 ・ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:ニッポランN−3113) ・部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製:エスレックスA) ・分散剤 3部 ・メチルエチルケトン 150部 ・トルエン 60部 ・イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)
【0059】〈第二固定信号記録層〉下記配合の磁性塗
料をサンドミルにて混合分散後、下記量のイソシアネー
ト系硬化剤を添加し、濃度40、5%の塗料を調製し、
グラビアコーティング行い、ソレノイド磁石を用い10
00ガウスの配向磁界をかけた後、乾燥硬化して塗工量
35g/m2 の第二固定信号記録層を形成した。 ・センダスト粉(保磁力:10エルステッド) 100部 ・ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:ニッポランN−3113) ・部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製:エスレックスA) ・分散剤 3部 ・メチルエチルケトン 150部 ・トルエン 60部 ・イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL) 前記記載の方法により、磁気記録層,第一固定信号記録
層,第二固定信号記録層を堆積させて偽造防止不可能な
磁気記録媒体を得た。
【0060】(実施例4)下記方法に従い第一固定信号
記録層及び第二固定信号記録層を塗工形成した以外は、
実施例1と同様にして偽造防止不可能な磁気記録媒体を
得た。 〈第一固定信号記録層〉下記配合の磁性塗料をサンドミ
ルにて混合分散後、下記量のイソシアネート系硬化剤を
添加し、濃度10%、粘度15cpsの塗料を調製し、
グラビアコーティングを行い、ソレノイド磁石を用い1
000ガウスの配向磁界をかけた後、乾燥硬化して塗工
量5g/m2 の第一固定信号記録層を形成した。 ・センダスト粉(保磁力:70エルステッド) 50部 ・センダスト粉(保磁力:10エルステッド) 50部 ・ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:ニッポランN−3113) ・部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製:エスレックスA) ・分散剤 3部 ・メチルエチルケトン 150部 ・トルエン 60部 ・イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)
【0061】〈第二固定信号記録層〉下記配合の磁性塗
料をサンドミルにて混合分散後、下記量のイソシアネー
ト系硬化剤を添加し、濃度40、5%の塗料を調製し、
グラビアコーティング行い、ソレノイド磁石を用い10
00ガウスの配向磁界をかけた後、乾燥硬化して塗工量
35g/m2 の第二固定信号記録層を形成した。 ・センダスト粉(保磁力:10エルステッド) 80部 ・センダスト粉(保磁力:80エルステッド) 20部 ・ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:ニッポランN−3113) ・部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製:エスレックスA) ・分散剤 3部 ・メチルエチルケトン 150部 ・トルエン 60部 ・イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)
【0062】(実施例5)下記方法に従い第一固定信号
記録層及び第二固定信号記録層を塗工形成した以外は、
実施例1と同様にして偽造防止不可能な磁気記録媒体を
得た。 〈第一固定信号記録層〉下記配合の磁性塗料をサンドミ
ルにて混合分散後、下記量のイソシアネート系硬化剤を
添加し、濃度10%、粘度15cpsの塗料を調製し、
グラビアコーティングを行い、ソレノイド磁石を用い1
000ガウスの配向磁界をかけた後、乾燥硬化して塗工
量10g/m2 の第一固定信号記録層を形成した。 ・センダスト粉(保磁力:70エルステッド) 30部 ・センダスト粉(保磁力:10エルステッド) 70部 ・ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:ニッポランN−3113) ・部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製:エスレックスA) ・分散剤 3部 ・メチルエチルケトン 150部 ・トルエン 60部 ・イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)
【0063】〈第二固定信号記録層〉下記配合の磁性塗
料をサンドミルにて混合分散後、下記量のイソシアネー
ト系硬化剤を添加し、濃度40、5%の塗料を調製し、
グラビアコーティング行い、ソレノイド磁石を用い10
00ガウスの配向磁界をかけた後、乾燥硬化して塗工量
30g/m2 の第二固定信号記録層を形成した。 ・センダスト粉(保磁力:10エルステッド) 80部 ・センダスト粉(保磁力:50エルステッド) 20部 ・ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:ニッポランN−3113) ・部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製:エスレックスA) ・分散剤 3部 ・メチルエチルケトン 150部 ・トルエン 60部 ・イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)
【0064】(比較例1)実施例1で形成した磁気記録
層に、特定の固定信号による磁気記録を行い、その後磁
気記録層上に、下記配合の磁性塗料をサンドミルにて混
合分散後、下記量のイソシアネート系硬化剤を添加し、
濃度40.5%の塗料を調製し、グラビアコーティング
行い、ソレノイド磁石を用い1000ガウスの配向磁界
をかけた後、乾燥硬化して塗工量40g/m2 固定信号
記録層を形成し磁気記録媒体を得た。
【0065】 〈固定信号記録層〉 ・センダスト粉(保磁力:10エルステッド) 100部 ・ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:ニッポランN−3113) ・部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製:エスレックスA) ・分散剤 3部 ・メチルエチルケトン 150部 ・トルエン 60部 ・イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)
【0066】(比較例2)比較例1で使用した、センダ
スト粉を保磁力50エルステッドのものに変更した以外
は、比較例1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0067】(比較例3)実施例4の第一固定信号記録
層のセンダスト粉で保磁力が70エルステッドのものを
保磁力が200エルステッドのセンダスト粉に変更した
以外は実施例4と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0068】(比較例4)実施例5の第一固定信号記録
層のセンダスト粉で保磁力が10エルスッテドのものを
保磁力が150エルステッドのセンダスト粉に変えてそ
の配合部数を100部にし、保持力70エルステッドの
センダスト粉の配合部数を0に変更した以外は実施例5
と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0069】以上の方法により得た磁気記録媒体を下記
の評価方法に従い評価を行った。 〔電磁変換特性値出力適性〕各実施例、比較例で得られ
た磁気記録媒体を使用して、一般の磁気記録特性(電磁
変換特性値)について評価を行った。なお、評価の基準
としては、適性の良いものから◎,○,△,×の順に評
価を示した。 ◎:非常に優れている ○:優れている △:実用範囲として問題はないが、やや品質が劣る ×:実用範囲として問題あり
【0070】〔磁気隠蔽効果適性〕各実施例、比較例で
得られた磁気記録媒体を使用して、磁気隠蔽性ついて評
価を行った。なお、評価の基準としては、適性の良いも
のから◎,○,△,×の順に評価を示した。 ◎:非常に優れている ○:優れている △:実用範囲として問題はないが、やや品質が劣る ×:実用範囲としてもんだいあり
【0071】〔偽造防止固定信号出力適性〕各実施例、
比較例で得られた磁気記録媒体を使用して、固定信号再
生出力の評価を行った。なお、評価の基準としては、偽
造防止固定信号層の形成前の磁気記録層に記録した出力
値を100%とし、各磁気記録媒体の固定信号出力を示
した。 ◎:非常に優れている(固定信号再生出力80%以上) ○:優れている(固定信号再生出力60〜79%) △:実用範囲として問題はないが、やや品質が劣る(固
定信号再生出力50〜59%) ×:実用範囲としてもんだいあり(固定信号再生出力5
0%未満)
【0072】〔総合評価〕前記評価項目のすべてを総合
し実用性の評価を行った。なお、評価の基準としては、
適性の良いものから◎,○,△,×の順に評価を示し
た。 ◎:非常に優れている ○:優れている △:実用範囲として問題はないが、やや品質が劣る ×:実用範囲として問題あり
【0073】
【0074】図2と図3により本発明の製造方法で用い
る装置の一例を説明する。非磁性支持体上の全体または
一部に磁気記録層を形成し、その磁気記録層に所定の固
定信号による磁気記録を行なったシート10を、グラビ
アロール12トバッキングロール14の間に通し、グラ
ビアロール12により実施例に示した磁性体Aを含む第
1の顔料組成物を塗布する。
【0075】第1の顔料組成物が塗布されたシート10
にの書き換え不可能な偽造防止固定信号記録層からの磁
気信号を読み取ろうとする磁気トラック部分のみに、配
向用磁石16により1000ガウスの配向磁界を印加す
る。その後、ソレノイド磁石22を用い、1000ガウ
スの配向磁界をかけた後、ドライヤーにより乾燥硬化し
て第一固定信号記録層を形成する。第一固定信号記録層
には磁気記録層の固定信号による磁気記録パターンとソ
レノイド磁石22での配向磁界によって、特定の領域に
おける単位面積あたりの磁性体粒子数が隣接する他の領
域と異なったパターンが形成される。図2で、符号1
1,18,20はシート10を案内するローラである。
【0076】磁気トラック部分のみに配向磁界を印加す
る配向用磁石16は、図3に示されるように、配向磁界
の方向が支持体10の面に垂直な方向(A)、又は支持
体10の面内方向で支持体10の進行方向と直角な方向
(B)もしくは平行な方向(C)のいずれかとなるよう
に配置されたものである。
【0077】第一固定信号記録層が形成されたシート1
0を、図2と同じ装置で実施例に示した磁性体Bを含む
第2の顔料組成物を塗布するための装置に供給する。そ
れにより、第一固定信号記録層上に第二固定信号記録層
を形成する。第二固定信号記録層には、磁気記録層の固
定信号による磁気記録パターン、ソレノイド磁石22で
の配向磁界及び第一固定信号記録層のパターンによる磁
界により、特定の領域における単位面積あたりの磁性体
粒子数が隣接する他の領域と異なったパターンが形成さ
れる。そのパターンは第一固定信号記録層と同じパター
ンであるが、そのパターンに基づく磁気出力は第一固定
信号記録層よりも増強されたものとなる。
【0078】実施例では、配向用磁石16による磁気ト
ラック部分のみへの配向磁界の印加は行なっていない
が、所期の目的を達成している。しかし、配向用磁石1
6による磁気トラック部分のみへの配向磁界の印加を行
なえば、固定信号出力を一層増強することができる。
【0079】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体では、偽造防止固
定信号層として、保磁力及び粒径の異なる2種類の磁性
体をそれぞれ主体として含む第一及び第二固定信号記録
層から成る2層を積層したものを用いたことにより、偽
造防止固定信号層の出力を高めることができる。その磁
気記録媒体では、高価な設備投資をすることなく、製造
安定性に優れた、書き換え不可能な高出力の偽造防止固
定信号層を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の主要部を示す概略断面
図である。
【図2】本発明の製造方法で用いる装置の一例を示す概
略図である。
【図3】図2の装置において磁気トラック部分のみへ配
向磁界を印加する配向用磁石16の具体的な例を示す概
略斜視図である。
【符号の説明】
1 偽造防止固定信号層 2 支持体 3 磁気記録層 4 第一固定信号記録層 5 第二固定信号記録層 10 シート 12 グラビアロール 16 磁気トラック部分のみへ配向磁界を印加する
配向用磁石 22 配向磁界を印加するソレノイド磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 義浩 徳島県阿南市辰巳町1−2 王子製紙株式 会社磁気メディア事業部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上の全体または一部に、磁
    気記録層及びその上に形成された書き換え不可能な偽造
    防止固定信号記録層を少なくとも有する磁気記録媒体に
    おいて、 前記偽造防止固定信号記録層は、特定の領域における単
    位面積あたりの磁性体粒子数が隣接する他の領域と異な
    ることにより形成されたものであり、 かつ、下記の条件を満たす第一固定信号記録層、及び
    その上に形成されて下記の条件を満たす第二固定信号
    記録層の2層により形成されていることを特徴とする磁
    気記録媒体。 前記第一固定信号記録層が下記記載の磁性体Aを含む
    こと。 磁性体A:保磁力が20〜100エルステッドで、かつ
    磁性体の平均粒径が10μm未満である。 前記第二固定信号記録層が下記記載の磁性体Bを含む
    こと。 磁性体B:保磁力が20エルステッド未満であり、かつ
    磁性体の平均粒径が10〜50μmである。
  2. 【請求項2】 前記第一固定信号記録層における全磁性
    体中の前記磁性体Aの重量組成比が30%以上である請
    求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記第一固定信号記録層が前記磁性体A
    以外の磁性体として前記磁性体Bを含む請求項1又は2
    に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記第二固定信号記録層における全磁性
    体中の前記磁性体Bの重量組成比が70%以上である請
    求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記第二固定信号記録層が前記磁性体B
    以外の磁性体として前記磁性体Aを含む請求項1〜4の
    いずれかに記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 非磁性支持体上の全体または一部に、磁
    気記録層、及びその上に形成されて特定の領域における
    単位面積あたりの磁性体粒子数が隣接する他の領域と異
    なっている書き換え不可能な偽造防止固定信号記録層を
    少なくとも有する磁気記録媒体を製造する方法におい
    て、 以下の工程(A)から(F)を含んで前記偽造防止固定
    信号記録層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の
    製造方法。 (A)前記磁気記録層に所定の固定信号による磁気記録
    を行なった後、その磁気記録層上に保磁力が20〜10
    0エルステッドで、かつ磁性体の平均粒径が10μm未
    満である磁性体Aを含む第1の顔料組成物を塗布する工
    程、 (B)塗布された前記第1の顔料組成物が乾燥する前に
    同じ方向の一様な配向磁界を印加する工程、 (C)その後、前記第1の顔料組成物を乾燥硬化させて
    第一固定信号記録層とする工程、 (D)前記第一固定信号記録層上に保磁力が20エルス
    テッド未満であり、かつ磁性体の平均粒径が10〜50
    μmである磁性体Bを含む第2の顔料組成物を塗布する
    工程、 (E)塗布された前記第2の顔料組成物が乾燥する前に
    工程(B)で印加した配向磁界と同じ方向の一様な配向
    磁界を印加する工程、 (F)その後、前記第2の顔料組成物を乾燥硬化させて
    第二固定信号記録層とする工程。
  7. 【請求項7】 前記第一固定信号記録層を塗被形成する
    ための第1の顔料組成物の粘度が20cps以下である
    請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】前記工程(A)と(B)の間、及び前記工
    程(D)と(E)の間に、書き換え不可能な偽造防止固
    定信号記録層からの磁気信号を読み取ろうとする磁気ト
    ラック部分のみに配向磁界を印加する工程をさらに含ん
    でいる請求項6又は7に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
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