JPH0722771A - シート状磁気シールド材料及びその製造方法 - Google Patents

シート状磁気シールド材料及びその製造方法

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JPH0722771A
JPH0722771A JP16128293A JP16128293A JPH0722771A JP H0722771 A JPH0722771 A JP H0722771A JP 16128293 A JP16128293 A JP 16128293A JP 16128293 A JP16128293 A JP 16128293A JP H0722771 A JPH0722771 A JP H0722771A
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magnetic shield
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sheet
orientation
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Hitoshi Fujii
均 藤井
Shoji Aoyanagi
祥二 青柳
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Abstract

(57)【要約】 【目的】軽量で、自由に可撓性を与えることも可能な、
磁気シールド効果の高いシート状磁気シールド材料及び
その製造方法を提供すること。 【構成】配向された、形状異方性を有する軟磁性金属粉
を含む磁気シールド層を備えたシート状磁気シールド材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシート状磁気シールド材
料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年電子機器や薄板状モーター等は、小
型化、軽量化、量産化に伴いハウジング素材として、合
成樹脂が用いられる場合が多くなっている。この際、樹
脂ハウジングは、従来のアルミダイキャスト等のハウジ
ング素材の有する電磁シールド効果を有さないため、亜
鉛被覆、大量の導電性物質の樹脂中への練り込み等によ
る電磁障害防止の処置が施されている。
【0003】しかし亜鉛や導電性材料は、透磁率が低い
ため磁気シールド性が不十分であるという問題点が残っ
ている。この問題点を解決するために、軟磁性金属をリ
ボン化し磁気シールドすることも行われている。しか
し、これらのリボン化された軟磁性金属は純金属である
ため、錆が発生する、リボンの厚みや巾等の加工性に限
界がある、重量が増える等の課題を抱えている。尚、軟
磁性とは磁気シールド材料や磁気ヘッドのコアの材料に
磁気的に要求される性質で、詳細にいえば、高透磁率と
低保磁力の両方の磁気的性質を有していることを示す。
【0004】又、磁気カード、フロッピーディスクなど
の磁気記録媒体が多く使用され、それらの重要度が高ま
っているが、他方では電子機器や、強力な磁石などの普
及に伴い、強い磁場にそれらの磁気記録媒体が曝され磁
気記録情報を消失する恐れが増加している。従って、こ
れらの磁気記録媒体を磁気的に保護するための、軽量
で、薄い磁気シールド材料が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の諸問題を解決す
る一つの手段として、すでに樹脂等に軟磁性粉末剤を混
入した成型体等が提案されている。これらの成形体で
は、機械的特性を維持するため磁性粉末の含有率を低く
抑える必要があるため、可撓性を与え得る薄い膜厚では
磁気シールド性が不十分であり、膜厚を厚くすると可撓
性が与えにくくなったり、重量が増したり、占有体積が
増えるという欠点があった。
【0006】発明者らは、上記のような問題点を解決
し、軽量で、自由に可撓性を与えることも可能な、磁気
シールド効果の高いシート状磁気シールド材料及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るシート状磁
気シールド材料は、配向された、形状異方性を有する軟
磁性金属粉を含む磁気シールド層を備えたシート状磁気
シールド材料である。軟磁性金属粉が、平均厚さ0.0
1〜50μm、平均直径0.1〜500μm、アスペク
ト比(平均直径/平均厚さ)3〜10000の偏平状の
軟磁性金属粉であるとより好ましい。
【0008】本発明に係るシート状磁気シールド材料の
製造方法は、支持体上に軟磁性金属粉を含む磁気シール
ド層を塗布形成する塗布形成工程、前記軟磁性金属粉を
配向させる配向工程を備えたシート状磁気シールド材料
の製造方法である。その配向工程が、磁場を印加するこ
とによって行われるても良く、又、磁気シールド層に圧
力をかけることによって行われても良い。
【0009】
【作用】従来、磁気シールド材料として使用されてきた
軟磁性粉末剤を混入した成型体においては、成型体自身
の厚みも厚く、立体的な構造を有しているので、その
上、成型時には型に入れられているため、混入されてい
る軟磁性粉末剤を配向することは技術的に困難であり、
配向については全く考慮されていなかった。
【0010】一方、磁気記録層等に使用される強磁性体
については使用時の磁場方向を考慮して配向を行うこと
が一般的に考えられていた。これに対して、磁気シール
ドとして使用される軟磁性体については従来から得られ
る物の多くは粒子状や塊状のものであった。そのため、
磁気シールド性の観点からこれらの軟磁性体を配向する
ことについて注意を向けられていなかった。
【0011】つまり、従来の磁気シールドにおいては技
術的にも又、実際にシールド材料の性能的にも配向を行
うことについて配慮されていなかった。このような現状
に対して、発明者等は従来顧みられなかった、同じ軟磁
性金属粉を同一量含有した磁気シールド材料で、磁気シ
ールド効果を高める手法を鋭意研究した。その結果、形
状異方性を有する軟磁性金属粉を含有する磁気シールド
塗料を支持体に塗工し、シート状磁気シールド材を作成
する過程において、磁気シールド層の乾燥途中で配向磁
場内を通過させることによって、このような処理を行わ
ない層に比較して大きな磁気シールド効果が得られるこ
とが分かった。ここで形状異方性とは柱状、針状、偏平
状等の形状をいう。
【0012】又、配向磁場内を通過させる代わりに硬化
処理前にスーパーカレンダー処理等で磁気シールド層を
高圧圧縮することにより同様の磁気シールド効果の向上
が得られることが分かった。これは、形状異方性を有す
る軟磁性金属粉においては磁場内を通過させたり、スー
パーカレンダー処理等の高圧印加処理を実施することに
より軟磁性金属粉を配向させる作用があることを示して
いると考えられた。この、磁場内通過、高圧印加処理に
よる磁気シールド効果の向上は特にアスペクト比が3〜
1000の偏平状粒子形状を有する軟磁性金属粉におい
て著しかった。尚、アスペクト比が3未満の場合、磁場
内通過や高圧印加処理の効果は見られない。またアスペ
クト比が1000を越える偏平状の軟磁性金属粉は現実
的には入手困難である。
【0013】又、磁気シールド層を剥離性支持体の上に
塗布形成し、上記のような配向処理をおこなってから、
その磁気シールド層を別の剥離性支持体上に転写するこ
とによってシート状磁気シールド材を得ることも可能で
ある。これらの処理によって、シールド性を改善したシ
ート状磁気シールド材料は可撓性を得られるように、か
なり薄く製作しても、大きな磁気シールド効果を得られ
るので、その裏面に両面テープを貼ることによって粘着
加工を施して、物品に貼付する事により様々の種類の物
品に適用可能である。すなわち、このシート状磁気シー
ルド材料により電子機器をラッピングしたり、磁気カー
ドや磁気ディスク等の磁気記録媒体の既存のケース、ジ
ャケット等に貼りつけたりして使用できる。さらに、硬
度や可撓性等を調節してケースやジャケットの材料その
ものとしてこのシート状磁気シールド材料を使用するこ
とも可能である。
【0014】〔磁気シールド層の具体的構成〕本発明の
磁気シールド材料を構成する磁気シールド層中に含有さ
せる軟磁性金属としては、偏平状、針状、柱状等の形状
異方性を有するセンダスト(鉄を主体とし、Al約5
%、ケイ素約10%、炭素、マンガン、酸素等を微量含
む鉄系磁性合金)、パーマロイ、鉄含有アモルファス金
属等の高透磁率、低保磁力すなわち軟磁性の金属粉が使
用される。また、バインダー成分としては、ウレタン樹
脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂等の各種樹脂が使用
される。また、バインダー成分の種類、ガラス転移温
度、分子量等を適宜選択することによって、硬度、可撓
性等の種々の機械的特性等を満足し得る磁気シールド層
を作成することが可能である。実用上望ましいバインダ
ー成分のガラス転移温度は−40℃〜200℃、分子量
は500〜1000000である。
【0015】また、必要に応じて任意に選択された、分
散剤、防錆剤、架橋剤等を添加しても良い。上記の各原
材料と水もしくは有機溶剤等よりなる塗料を剥離性のあ
る支持体に塗布する。このとき使用する軟磁性金属粉
は、アスペクト比が3以上の偏平状の形状のものが特に
優れた磁気シールド性を示す。この点については、後に
実施例を示した。軟磁性金属粉の含有量は、塗料中の固
形分の30%ないし90%が望ましい。この範囲以下で
は十分なシールド性が発揮されず、この範囲以上では機
械的強度の低下が問題となり、充分な可撓性が得られな
い。尚、本発明において特にことわらない限り、%、部
は全て重量による。
【0016】〔磁場による配向処理〕支持体上に塗布形
成されたシールド膜を、乾燥途中で近接相対向させた同
極性磁極間を通過させることにより配向させる。このよ
うな例を図1に示している。又は、所定の直流電流を流
したソレノイドコイル内部を通過させることにより配向
させることも可能である。このような例を図2に示して
いる。
【0017】いずれの配向操作においても、十分な配向
効果を得るためには配向磁場強度は100〜10000
ガウスの磁界が必要である。100ガウス未満の配向磁
場では軟磁性金属粉の配向が不十分になり、10000
ガウス以上の配向磁場では磁気シールド層の表面が粗れ
るので磁気シールド性が低下する。この磁場による配向
操作により磁気シールド性を有する軟磁性金属粉が配
向、再配置されるため磁気シールド性がより改善される
と考えられる。
【0018】〔機械的圧力による配向処理〕支持体上に
形成されたシールド層を、プレス機、スーパーカレンダ
ー等の圧縮機を使用して磁気シールド層面に対して垂直
方向から加圧する。このような一例を図3に示してい
る。このとき磁気シールド層にかける圧力は、10kg
/cm 2 以上が好適である。この値以下では加圧による
配向効果が見られない。この加圧操作によっても、磁気
シールド性を有する軟磁性金属粉が配向、再配置され、
磁気シールド性が改善されると考えられる。さらに、こ
の時には軟磁性金属粉の形状が重要であり、アスペクト
比3以上の偏平状軟磁性金属粉が特に優れた磁気シール
ド特性を示す。
【0019】〔支持体〕本発明のシート状磁気シールド
材料の製造方法において使用される支持体は、その上に
シート状磁気シールド材料を形成した後に、普通はその
支持体から磁気シールド材料を剥離して、シート状磁気
シールド材料としてできるだけ小体積で、軽量な状態で
使用することになる。従って、この支持体は剥離性のあ
る、乾燥硬化後シールド層が容易に剥離できるものであ
れば特に制限はない。例としてポリエステル、ポリカー
ボネート、テフロン、ポリエチレン等のプラスチックフ
ィルムや、シリコン処理された剥離紙等、必要に応じて
離型処理を施した金属シート、布、網等が挙げられる。
勿論、支持体が強度上等の理由で必要な場合は支持体か
らシート状磁気シールド材料を剥離せずに使用すること
も良い。
【0020】本発明の磁気シールド材料の製造方法にお
ける乾燥及び硬化処理では、支持体上に形成されたシー
ルド層を十分乾燥後、必要に応じて熱処理等の硬化処理
を実施する。例えば、使用しているバインダー成分の硬
化反応が遅い場合や、比較的硬く、仭性等丈夫な物理特
性が要求される場合にこのような処理を施す。磁気シー
ルド層単体をシート、フィルムとして用いる場合は、こ
の後、裏面の剥離性支持体を除去する。シールド層に粘
着剤、接着剤を塗布する場合は、剥離性支持体を残した
まま次の接着剤あるいは粘着剤等の塗布工程に移っても
さしつかえない。この後シールド層塗布時に基材として
使用した剥離性支持体は随時除去できる。
【0021】〔接着剤あるいは粘着剤等塗布〕必要に応
じて任意に選択された接着剤あるいは粘着剤等をシート
状磁気シールド材料のシールド層側に塗布し磁気シール
ドを施す対象の物品に貼る。又は、接着剤あるいは粘着
剤等塗布面に剥離紙等の剥離性シートを仮着する。こう
することによって、剥離シートを剥離すれば、シート状
磁気シールド材料を任意に随時、物品に貼りつけられる
ようにすることもできる。
【0022】
【実施例】実施例1 塗料組成として下記の成分を調整し、グラインドミルに
て混合分散を行い磁気シールド層用塗料を調整した。 センダスト粉(偏平状) 100重量部 (平均厚さ 1.0μm、平均直径15.0μm、アス
ペクト比15)ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社
製、N−3113) 25重量部 分散剤(燐酸エステル系) 3重量部 溶剤 メチルエチルケトン 64重量部 トルエン 64重量部 上記の磁気シールド層用塗料をバーコーターによって乾
燥後12μmの厚さになるように剥離性支持体である厚
さ200μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)
フィルムに塗布する。
【0023】塗布後、磁気シールド層が乾燥する前に図
1に示す磁場配向装置によって3000ガウスの配向磁
場をかけてシート状磁気シールド材料を得た。図1は永
久磁石を使用した磁場配向装置の側面図である。相対向
して設けられたN極3,3の間を磁気シールド層3を塗
布、形成した剥離性支持体2が矢印の方向に通過するよ
うに構成されている。この時、塗布された磁気シールド
層が完全に乾燥していない状態、すなわち内部に含まれ
ているセンダスト粉が磁場に従って配向して、再配置さ
れるような状態である必要がある。図1には永久磁石を
使用した磁場配向装置の一例を示した。これに対して、
電磁石を使用した磁場配向装置の一例の側面図を図2に
示した。図2では磁気シールド層3を塗布、形成した剥
離性支持体2が矢印の方向に通過する通過路全体をソレ
ノイドコイル4で覆っている。剥離性支持体2が通過す
る際に、一定方向に直流電流をソレノイドコイル4に流
すことによって、配向用磁場が形成される。この場合も
塗布された磁気シールド層が完全に乾燥していない状態
でこの装置にかけるようにする必要があることはいうま
でもない。
【0024】実施例2 磁気シールド層の乾燥後の厚さを24μmにした以外は
実施例1と同様にしてシート状磁気シールド材料を得
た。これは乾燥後24μmになるように一度で塗布する
のではなく、実際には塗布、配向、乾燥の工程を2度繰
り返すことによって行った。 実施例3 磁気シールド層の乾燥後の厚さを36μmにした以外は
実施例1と同様にしてシート状磁気シールド材料を得
た。実施例2と同様に、実際には塗布、配向、乾燥の工
程を3度繰り返すことによって行った。
【0025】実施例4 磁場配向装置によって磁場をかける代わりに20kg/
cm2 の圧力でカレンダー処理を施した以外は実施例1
と同様にしてシート状磁気シールド材料を得た。この配
向のために圧力をかける一種の加圧装置であるカレンダ
ー装置の側面図を図3に示した。図3では磁気シールド
層3を塗布、形成した剥離性支持体2が矢印の方向に通
過する。その通過中の磁気シールド層1と剥離性支持体
2をカレンダーロール5,5が挟んで加圧する。この加
圧の際は先に説明した磁場配向装置と異なり、塗布され
た磁気シールド層が乾燥している状態でこの装置にかけ
るようにする必要がある。これは、加圧時に加圧機に塗
料が付着等するのを防ぐためである。
【0026】尚、今回の実施例では全て磁気シールド層
用塗料の中に架橋剤をいれていないので塗布後、随時加
圧によって軟磁性粉を配向できる。一方、磁気シールド
層用塗料の中に架橋剤をいれた場合は、塗布、乾燥後速
やかに加圧処理を行わなければ、配向が充分行われな
い。 実施例5 磁場配向装置によって磁場をかける代わりに20kg/
cm2 の圧力でカレンダー処理を施した以外は実施例2
と同様にしてシート状磁気シールド材料を得た。この時
は、塗布、乾燥は2回に分けて行われるが、加圧処理は
1回で行った。 実施例6 磁場配向装置によって磁場をかける代わりに20kg/
cm2 の圧力でカレンダー処理を施した以外は実施例3
と同様にしてシート状磁気シールド材料を得た。この時
も、塗布、乾燥は3回に分けて行われるが、加圧処理は
1回で行った。
【0027】比較例1 磁場配向装置及びカレンダー処理等による配向処理をお
こなわなかった以外は実施例1と同様にしてシート状磁
気シールド材料を得た。 比較例2 磁場配向装置及びカレンダー処理等による配向処理をお
こなわなかった以外は実施例2と同様にしてシート状磁
気シールド材料を得た。 比較例3 磁場配向装置及びカレンダー処理等による配向処理をお
こなわなかった以外は実施例3と同様にしてシート状磁
気シールド材料を得た。
【0028】〔磁気シールド効果の測定〕以上の各実施
例、比較例で得られたシート状磁気シールド材料につい
て磁気シールド効果を測定した。この時、剥離性支持体
は全て剥離した状態で測定した。磁気シールド効果の測
定は図4に示したような状態で行った。図4は磁気シー
ルド効果測定の際の機器の配置を示した平面図である。
以下図を参照しながら測定について説明する。 1.永久磁石14を固定し、ガウスメーター11のセンサー
部12で300ガウスの磁束密度の位置(図中破線15で示
す位置) を決定した。尚、図中永久磁石14と破線15の距
離が非常に近いが実際は数メートル以上はなれており、
破線15は局所的にはほぼ直線とみなせる。 2.上述の300ガウスの位置に各実施例、比較例で得
られたシート状磁気シールド材料13(10cm ×10cm) を置
き、永久磁石14に対してシート状磁気シールド材料13の
裏側での磁束密度をガウスメーター11のセンサー部12で
測定した。シールド効果は(300−測定値)の値で示
した。
【0029】尚、比較例4は磁気シールド材料が置かれ
ていない状態、すなわち何もおかれていない状態を示
す。測定結果を以下の表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】〔評価〕磁場による配向で得られる磁気シ
ールド効果のほうが加圧によって得られる磁気シールド
効果と加圧による配向によって得られる磁気シールド効
果の向上の程度にほとんど差がないことが分かった。但
し、加圧処理を行う場合、20kg/cm2 程度の弱い
圧力ではシート状磁気シールド材料の厚さが厚くなると
配向の程度が若干わるくなり、磁気シールド効果の向上
の程度が少し減少する。すなわち、磁気シールド層の厚
さが厚くなればなるほど大きな圧力をかけることが必要
になる。
【0032】加圧による配向は、磁気シールド層の表面
が平滑になるので、そのままで優れた美観が得られる。
また次の工程で磁気シールド層の表面に塗装等を施す際
に有利である。また、例え架橋剤が入っている場合で
も、数時間程度の間に数層の重ね塗りを行って厚い磁気
シールド層を得る場合であれば、1回の加圧処理で充分
軟磁性粉を配向させることができる。
【0033】実施例7〜9 使用するセンダスト粉の形状を種々に変化させてアスペ
クト比を変えた以外は実施例3と同様にしてシート状磁
気シールド材料を得た。センダスト粉の形状は走査型電
子顕微鏡にて測定した。したがって、磁気シールド層の
厚さは36μm、配向磁場は3000ガウスである。磁
気シールド効果の測定は、先に説明した方法によって行
った。測定結果を以下の表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】〔評価〕偏平な形状すなわちアスペクト比
が高い磁性金属粉を使用すると特に優れた磁気シールド
性を持つことが分かる。又、比較例3と比べてみると配
向を行うことよりアスペクト比が大きいことの方が磁気
シールド効果に対する影響が大であることが分かる。
【0036】
【発明の効果】軽量で、自由に可撓性を与えることも可
能な、磁気シールド効果の高いシート状磁気シールド材
料が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は永久磁石を使用した磁場配向装置の側面
図である。
【図2】図2は電磁石を使用した磁場配向装置の側面図
である。
【図3】図3は配向するための一種の加圧装置であるカ
レンダー装置の側面図である。
【図4】図4は磁気シールド効果測定の際の機器の配置
を示した平面図である。
【符号の説明】
1 磁気シールド層 2 剥離性支持体 3 N極 4 ソレノイドコイル 5 カレンダーロール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配向された、形状異方性を有する軟磁性金
    属粉を含む磁気シールド層を備えたシート状磁気シール
    ド材料。
  2. 【請求項2】前記軟磁性金属粉が、平均厚さ0.01〜
    50μm、平均直径0.1〜500μm、アスペクト比
    (平均直径/平均厚さ)3〜10000の偏平状の軟磁
    性金属粉である請求項1記載のシート状磁気シールド材
    料。
  3. 【請求項3】支持体上に前記軟磁性金属粉を含む磁気シ
    ールド層を塗布形成する塗布形成工程、前記軟磁性金属
    粉を配向させる配向工程を備えた請求項1又は2記載の
    シート状磁気シールド材料の製造方法。
  4. 【請求項4】前記配向工程が磁場を印加することによっ
    て行われる請求項3記載のシート状磁気シールド材料の
    製造方法。
  5. 【請求項5】前記配向工程が磁気シールド層に圧力をか
    けることによって行われる請求項3記載のシート状磁気
    シールド材料の製造方法。
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