JP3297807B1 - 磁気吸着シートおよびその製造方法 - Google Patents

磁気吸着シートおよびその製造方法

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JP3297807B1 JP2001231833A JP2001231833A JP3297807B1 JP 3297807 B1 JP3297807 B1 JP 3297807B1 JP 2001231833 A JP2001231833 A JP 2001231833A JP 2001231833 A JP2001231833 A JP 2001231833A JP 3297807 B1 JP3297807 B1 JP 3297807B1
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Abstract

【要約】 【課題】磁性層の面内方向に磁化容易軸を有する面内配
向・面内着磁の磁気吸着シートであって、最大磁気吸着
力を得るために最適な着磁ピッチ幅を有する磁気吸着シ
ートおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】非磁性支持体上に、強磁性粉末と高分子結
合剤を主成分とする磁性塗料を塗布、乾燥させて磁性層
が形成され、磁性層は面内方向に磁化容易軸を有し、か
つ磁化容易軸に沿って面内で磁化が交互に反転するよう
に多極着磁されている磁気吸着シートであって、着磁の
ピッチ幅がほぼ1. 8〜2. 5mmである磁気吸着シー
トおよびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強磁性粉末と高分子
結合剤を主成分とする塗料を非磁性支持体上に塗布して
得られる磁気吸着シートおよびその製造方法に関し、特
に、着磁ピッチ幅が最適化され、適切な磁気吸着力が得
られる磁気吸着シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石の磁気吸着を利用した磁気吸着
シートは、各種表示具として幅広く使われている。特に
事務用品としての用途が拡大しつつある。近年、パーソ
ナルコンピュータの急速な普及に伴い、プリンター等の
周辺機器の性能向上が著しく、一般用プリンターによる
印刷の品質も業務用印刷に匹敵しつつある。同時にそれ
らの印刷物を自在に利用したいという欲求が高まってい
る。
【0003】印刷物の第一の利用目的は、表示すること
である。掲示場所に表示物を固定するために、各種接着
剤、接着テープ、画鋲、キャップマグネット等の固定材
が使用されている。マグネットシートは表示物自体が磁
気吸着性を有する固定材であるため、掲示場所が強磁性
面である場合は、別な固定材を必要とせず、単独で表示
することができる。また、掲示場所からの脱着が自在で
ある。
【0004】磁気吸着シートは、シート状のボンド磁石
であり、用途が拡大するに従い、加工を容易にするため
の薄膜化が進んでいる。近年、押出成形によって製造さ
れる磁性層厚0.1mm程度、全厚0.2mm程度の磁
気吸着シートが実用化されている。
【0005】このような磁気吸着シートは、磁性層面に
対して垂直方向に磁化容易軸を有するように磁性体が配
向され、同方向に着磁されている。永久磁石の磁束密度
は、磁極間の距離が離れるほど増大するが、垂直着磁の
磁気吸着シートの場合、磁極間距離が膜厚に等しく、膜
厚0.1mm以下では反磁界が特に大きくなり、漏れ磁
束密度が小さくなる。
【0006】また、押出成形による磁気吸着シートの製
造においては、粉末状の磁性材料と結合剤とを混練した
ペーストを高温高圧下で加工するため、設備が大規模に
なる。さらに、押出成形等のプラスチック成形は、シー
トを薄膜化するほど困難となり、設備への負荷が増大す
る。
【0007】上記の問題を解消できる磁気吸着シートと
して、特開2001−76920号公報には、磁性塗料
の塗布により磁性層を形成し、磁性層の面内方向に磁化
容易軸を配向させ、面内方向に着磁した可撓性磁石シー
トが提案されている。このシートによれば、磁性層が押
出成形等でなく、磁性塗料の塗布により形成されるた
め、シートを均一に薄膜化することが可能となる。ま
た、磁化容易軸の方向に沿って、N極とS極が交互に並
ぶように着磁されることから、膜厚が同等である垂直配
向・垂直着磁の磁気吸着シートに比較して、強い磁気吸
着力が得られる。
【0008】この公報において、磁性層の面内方向に多
極着磁を行う方法としては、例えばコンデンサーとヨー
クを用いる方法が挙げられている。なお、この公報には
比較例3および4として、異極対向永久磁石を用いて着
磁された可撓性磁石シートが記載されているが、この場
合には、磁性層面の垂直方向に着磁される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開2001−76920号公報には、着磁のピッチ幅
と磁気吸着力との関連についての記載はない。実施例と
して1.25mmのピッチ幅で着磁を行ったことが記載
されているのみであり、最適な着磁ピッチ幅についての
詳細な検討はなされていない。
【0010】磁性層の面内方向に磁化容易軸が配向さ
れ、面内方向に着磁された場合であっても、着磁のピッ
チ幅が適切でなければ、そのシートにおける最大の磁気
吸着力を得ることは出来ない。また、磁気吸着シートの
磁気吸着力を最大とせずに、所定の範囲内に制御したい
場合も、着磁のピッチ幅と磁気吸着力との相関を利用で
きれば有利である。
【0011】また、上記の特開2001−76920号
公報に記載された多極着磁の方法によれば、強磁界を発
生させるために多大な電力を消費する。したがって、磁
気吸着シートの製造コストが高くなるという問題があ
る。
【0012】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、したがって本発明は、磁性層の面内方向に磁
化容易軸を有する面内配向・面内着磁の磁気吸着シート
であって、最大磁気吸着力を得るために最適な着磁ピッ
チ幅を有する磁気吸着シートを提供することを目的とす
る。また、本発明は、着磁ピッチ幅が適切に制御され、
所望の磁気吸着力を得られる磁気吸着シートを低コスト
で製造できる磁気吸着シートの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の磁気吸着シートは、非磁性支持体上に、強
磁性粉末と高分子結合剤を主成分とする磁性塗料を塗
布、乾燥させて磁性層が形成され、前記磁性層は面内方
向に磁化容易軸を有し、かつ磁化容易軸に沿って面内で
磁化が交互に反転するように多極着磁されている磁気吸
着シートであって、着磁のピッチ幅がほぼ1.8〜2.
5mmであり、被吸着面に前記磁性層を介して磁気吸着
した前記磁気吸着シートを、前記被吸着面と前記磁気吸
着シートとが平行な状態で、前記被吸着面から剥離する
のに要する力である磁気吸着力が、ほぼ0.40〜0.
93gf/cm 2 であり、前記磁性層の膜厚がほぼ0.
03〜0.10mmであり、前記非磁性支持体の膜厚が
ほぼ0.05〜0.15mmであり、前記磁性層の表面
磁束密度がほぼ42〜88ガウス(G)であり、前記強
磁性粉末の保磁力がほぼ700〜4000エルステッド
(Oe)であることを特徴とする。
【0014】
【0015】
【0016】これにより、磁気吸着シートの磁気吸着力
を最大にすることが可能となる。本発明の磁気吸着シー
トによれば、磁性層を厚くしなくても、磁気吸着シート
を貼付および固定するのに十分な磁気吸着力が得られ
る。したがって、磁気吸着シートにプリンター等を用い
て印刷を施し、例えば表示目的に利用することが可能と
なる。
【0017】さらに、上記の目的を達成するため、本発
明の磁気吸着シートの製造方法は、非磁性支持体上に、
強磁性粉末と高分子結合剤を主成分とする磁性塗料を塗
布し、塗膜を形成する工程と、磁場を印加して前記塗膜
の面内方向に磁化容易軸を配向させる工程と、前記塗膜
を乾燥させ、磁性層を形成する工程と、長尺方向にN極
とS極が交互に多極着磁された1対の角柱状の永久磁石
を、同極が前記磁気吸着シートを介して対向するように
配置する工程と、前記磁気吸着シートに前記永久磁石間
を通過させ、前記磁性層に、面内で磁化が前記磁化容易
軸に沿って交互に反転するように、ほぼ1.8〜2.5
mmのピッチ幅で多極着磁を行う工程とを有することを
特徴とする。好適には、前記永久磁石として希土類の磁
石を用いる。
【0018】
【0019】
【0020】あるいは、本発明の磁気吸着シートの製造
方法は、非磁性支持体上に、強磁性粉末と高分子結合剤
を主成分とする磁性塗料を塗布し、塗膜を形成する工程
と、磁場を印加して前記塗膜の面内方向に磁化容易軸を
配向させる工程と、前記塗膜を乾燥させ、磁性層を形成
する工程と、円筒状であってラジアルにN極とS極が交
互に多極着磁された永久磁石を、前記磁気吸着シートの
少なくとも前記磁性層側の表面に接するように配置する
工程と、前記永久磁石の中心軸と前記磁化容易軸とが直
交する状態で、前記永久磁石を回転させ、前記永久磁石
の中心軸に対して直交する方向に、前記永久磁石と前記
磁気吸着シートを相対的に移動させ、前記磁性層に、面
内で磁化が前記磁化容易軸に沿って交互に反転するよう
に、ほぼ1.8〜2.5mmのピッチ幅で多極着磁を行
う工程とを有することを特徴とする。
【0021】好適には、前記永久磁石と前記磁気吸着シ
ートを相対的に移動させる工程において、前記永久磁石
の中心軸を固定し、前記磁気吸着シートを移動させる。
好適には、前記永久磁石を配置する工程において、円筒
状であってラジアルにN極とS極が交互に多極着磁され
た1対の永久磁石を、同極が前記磁気吸着シートを介し
て対向し、かつ前記磁気吸着シートの両面に接するよう
に配置し、前記多極着磁を行う工程において、前記1対
の永久磁石を同一の速度で回転させ、前記磁気吸着シー
トを移動させる。好適には、前記永久磁石として希土類
の磁石を用いる。
【0022】これにより、磁性層の面内方向に磁化容易
軸を有する磁気吸着シートに、磁化容易軸に沿って多極
着磁を行う際の消費電力を著しく削減できる。したがっ
て、所望のピッチ幅で多極着磁された磁気吸着シートを
低コストで製造することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の磁気吸着シート
およびその製造方法の実施の形態について、図面を参照
して説明する。図1は、本実施形態の磁気吸着シートの
断面図である。図1に示すように、磁気吸着シート1は
一方の面に磁性層2を有する。磁性層2は、強磁性粒子
と結合剤樹脂を主成分とする磁性塗料を非磁性支持体3
上に塗布し、乾燥させて形成される。
【0024】磁性層2は面内方向に磁化容易軸を有し、
面内方向に磁化容易軸に沿って、磁化が交互に反転する
ように一定のピッチ幅Pで多極着磁されている。本実施
形態の磁気吸着シート1によれば、ピッチ幅Pが1.8
〜2.5mmとなるように多極着磁される。
【0025】磁気吸着シート1においては、磁性層2の
S極−S極またはN極−N極の対向磁極面から、磁性層
2に対して垂直方向に極大となるような漏れ磁束が発生
する。これにより、磁性層2は被吸着体である例えば鋼
鉄等からなる強磁性壁面に磁気吸着する。
【0026】磁気吸着シート1は非磁性支持体3の表面
に印刷受容層4を有する。但し、非磁性支持体3の材質
や表面状態によっては、印刷受容層4は必ずしも設けな
くてもよい。
【0027】図2は、本実施形態の磁気吸着シート1に
着磁を行う方法の一例を示す概略図である。図2に示す
ように、長尺方向に交互に多極着磁を施した1対の角柱
状の磁石バー11a、11bを同極対向するように平行
に配置する。これらの磁石バー11a、11bの間隙
に、磁気吸着シート1を通過させて着磁を行う。
【0028】このとき、磁性層2の磁化容易軸と磁石バ
ー11a、11bの長尺方向とが平行となり、かつ磁化
容易軸と磁気吸着シート1の進行方向とが直交するよう
に、磁気吸着シート1を移動させる。磁石バー11a、
11bとしては例えば希土類の永久磁石を用いる。
【0029】図3は、本実施形態の磁気吸着シート1に
着磁を行う方法の他の一例を示す概略図であり、図4は
図3の一部を拡大した図である。図3および図4に示す
ように、円周面上にラジアルに多極着磁を施した1対の
円柱状の磁石ロール12a、12bを同極対向するよう
に平行に配置する。
【0030】磁気吸着シート1の両面に磁石ロール12
a、12bが接触し、磁気吸着シート1の移動に伴って
磁石ロール12a、12bが回転するように、磁石ロー
ル12a、12bの間隙に磁気吸着シート1を通過させ
て着磁を行う。このとき、磁気吸着シートの磁化容易軸
と磁石ロール12a、12bの回転軸とが直交し、かつ
磁化容易軸と磁気吸着シート1の進行方向が一致するよ
うに、磁気吸着シート1を移動させる。図3および図4
において、Aは磁石ロール12a、12bの回転方向を
示し、Bは磁力線を示す。磁石ロール12a、12bと
しては例えば希土類の永久磁石を用いる。
【0031】本実施形態の磁気吸着シートの磁性層に用
いられる強磁性粉末としては、例えばSrフェライト粉
末、Baフェライト粉末等が挙げられる。Srフェライ
ト粉末およびBaフェライト粉末の平均粒径は、0. 5
〜5μm程度が好ましい。平均粒径が0. 5μmより小
さいと、磁性塗膜における磁性粉末の密度が大きくなり
すぎ、カールが発生し、最終的にはクラックが発生す
る。また、平均粒径が5μmより大きいと、磁性塗膜の
密度が粗くなり、塗膜強度が低下する。
【0032】また、強磁性粉末の保磁力は700〜40
00Oe程度が好ましい。保磁力が4000Oeより大
きいと、保磁力が高すぎて着磁が難しくなる。一方、保
磁力が700Oeより小さいと、十分な磁気吸着力を得
るのが難しくなる。磁性体の着磁には、通常、着磁対象
とする磁性体が有する数倍以上の磁界を必要とするが、
上記のように、強磁性粉末の保磁力が4000Oe以下
であれば、以下に挙げるような希土類の永久磁石の磁界
により、十分に着磁できる。
【0033】図2に示す磁石バー11a、11bや図3
および図4に示す磁石ロール12a、12bのように、
着磁に用いられる希土類の永久磁石としては、例えばS
m−Co磁石、Sm−Fe−N磁石、Nd−Fe−B磁
石等が挙げられる。これらの希土類の永久磁石は、例え
ば6000Oe以上の磁界を発生できるため、着磁対象
であるSrフェライト粉末等の強磁性酸化鉄を十分に着
磁できる。
【0034】希土類の永久磁石のかわりにフェライト永
久磁石を用いた場合、飽和磁束密度が4000G以下で
あり、例えば6000〜8000Oe程度の磁界を必要
とする着磁には磁束密度が不足する。一方、希土類の永
久磁石は、通常、8000〜15000G以上の飽和磁
束密度を有するため、本実施形態の磁気吸着シートの着
磁に好適に用いることができる。
【0035】また、希土類等の永久磁石の磁界を利用し
た場合、着磁処理のためのエネルギーを外部から特に取
り入れる必要がなく、半永久的に着磁処理を行うことが
できる。したがって、例えばコンデンサーとヨークを用
いて着磁を行う場合に比較して、電力消費量が著しく低
く、磁気吸着シートを製造する上で、より効果的にコス
トを削減できる。
【0036】本実施形態の磁気吸着シートにおいて、強
磁性粉末を分散させる高分子結合剤としては、熱可塑性
および熱硬化性樹脂が用いられる。好適には、エポキシ
樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニ
ルブロック共重合体、エチレンと(メタ)アクリレート
との共重合体、もしくはブロック共重合体ポリエチレ
ン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂のような有機高分子材料が用いられる。これらの樹脂
は単独で使用しても、あるいは数種類の樹脂を組み合わ
せて使用しても良い。
【0037】本実施形態の磁気吸着シートの磁性層は、
強磁性粉末を高分子結合剤および溶剤に分散させて調製
された磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布して形成され
る。磁性塗料の塗布には、例えばグラビヤコーター、ダ
イコーター、ナイフコーター等を用いることができる。
【0038】磁性塗料が塗布された非磁性支持体は、配
向磁場中を通過する。これにより、強磁性粉末の磁化容
易軸が磁性塗膜の面内方向へ配向される。さらに、非磁
性支持体が熱風乾燥機を通過することにより、磁性塗料
中の溶剤が蒸発して磁性塗膜が乾燥固化する。これによ
り、押出成形のような高温高圧設備を使用せずに、薄膜
の磁性層が連続的に形成される。
【0039】磁性塗膜中の強磁性粉末の磁化容易軸を塗
布面内方向に連続的に磁場配向させるには、磁性塗料を
塗布した直後の非磁性支持体に、非磁性支持体の進行方
向と平行な磁束の磁界を印加すれば良い。例えば、図5
に示すように、1対のソレノイドコイル13a、13b
から磁力線14で示すような磁界を発生させる。ソレノ
イドコイル13a、13bの間を非磁性支持体3が通過
することにより、磁性塗膜5中の強磁性粉末が配向す
る。
【0040】あるいは、図6に示すように、1対の永久
磁石15a、15bを同極が対向するように配置して、
磁力線14で示すような磁界を発生させてもよい。永久
磁石15a、15b間の磁気的反発により、非磁性支持
体3の進行方向に磁束が発生する。この空間を非磁性支
持体3が通過することにより、磁性塗膜5中の強磁性粉
末が配向する。
【0041】図7は、多極着磁された磁性層を模式的に
示す斜視図である。磁性層2は面内方向に磁化容易軸を
有し、磁性層2には磁化容易軸に沿って(N−S)(S
−N)(N−S)…の多極着磁が施される。磁性層2か
らは磁力線6で示すような磁界が発生する。また、S−
SまたはN−Nの対抗磁極面からは、磁性層面に対して
垂直方向に極大となるような漏れ磁束が発生する。これ
により、磁性層2と被吸着体7である鋼鈑等との間に、
効果的に磁気吸着力が作用する。
【0042】磁性層の磁化容易軸の面内配向は、面内方
向の磁化曲線より算出される角形比が80%以上である
ことが望ましい。80%未満では、着磁後の残留磁束密
度が不足し、十分な磁気吸着力が得られない。また、磁
気吸着力には、磁性粉末をシート状にしたときの残留磁
束密度も影響するが、この残留磁束密度が1500G以
上であれば、高い磁気吸着力を得やすい。
【0043】従来の垂直配向・垂直方向着磁の場合、膜
厚が薄くなるほど磁極間距離が小さくなり反磁界が大き
くなっていく。それに対し、面内配向・面内方向着磁の
場合は、磁性層を薄膜化しても磁極間距離を十分確保で
きるため、反磁界が増大せず、減磁しにくい。また、磁
気吸着時には被吸着体がヨークとなり、ほぼ完全に磁気
回路が閉じ、漏れ磁束は極小である。
【0044】磁化容易軸を磁性層の面内方向に配向させ
た磁気吸着シートに、面内方向の着磁を行う場合、着磁
ピッチ幅を1. 8〜2. 5mm程度とすることが望まし
い。着磁ピッチ幅をこの範囲内とすることにより、その
磁気吸着シートにおける最大の磁気吸着力が得られる。
着磁ピッチ幅がほぼ1. 8mmより小さい場合、あるい
はほぼ2. 5mmより大きい場合には、磁気吸着シート
の磁気吸着力が十分に発揮されない。
【0045】本実施形態の磁気吸着シートに用いられる
非磁性支持体としては、磁性塗料が塗布されることを考
慮すると、磁性塗料塗布面の裏面に溶剤が浸透しないよ
うに表面を樹脂コートされたコート紙、あるいは合成
紙、白色合成フィルムが望ましい。具体例としては、表
面に易接着処理の施された白色ポリエステルフィルム等
が挙げられる。
【0046】非磁性支持体の表面に形成される印刷受容
層としては、例えば感熱層、熱転写インク受容層、イン
クジェット受容層、バブルジェット受容層、ドットイン
パクト受容層、レーザープリンタートナー受容層等が挙
げられる。印刷受容層の種類は、印刷方法や印刷物の表
示目的に応じて適宜選択する。
【0047】本実施形態の磁気吸着シートの全厚は、ほ
ぼ0.08〜0.25mm程度が望ましい。この場合、
印刷受容層を含む非磁性支持体の膜厚は、ほぼ0.05
mm以上が望ましい。非磁性支持体の膜厚が0.05m
m未満の場合、磁気吸着シートに印刷を施して表示する
際に、磁性層の色が非磁性支持体の表面に透けてしま
い、表示外観が悪くなることがある。一方、磁性層を含
む磁気吸着シートの全厚が0.25mmを超えた場合、
一般家庭用印刷機で対応可能な範疇を逸脱してしまう。
【0048】磁性層の膜厚は、0.03〜0.15mm
程度が望ましい。永久磁石の磁気的エネルギーは磁石の
体積に比例するため、磁性層の膜厚が0.03mm未満
の場合、十分な磁気吸着力を得られないことがある。例
えば、磁気吸着シートを壁面のような地面に垂直な被吸
着面に固定したいとき、磁性層の膜厚が薄すぎると、磁
性層と非磁性支持体を合わせた磁気吸着シートの重量
を、磁性層の磁気吸着力で支持できず、磁気吸着シート
が落下することがある。
【0049】一方、磁性層の膜厚が0.15mmを超え
る場合、磁気吸着力は十分に得られるが、長期間使用時
に、着脱時のシートの繰り返し変形で、機械的疲労によ
る塗膜破壊が起こりやすくなる。また、磁性層の膜厚が
厚くなり過ぎると、磁気吸着力が過剰となり、磁気吸着
シートが互いに吸着してプリンター等で印刷を行うのが
困難となる。
【0050】以上の構成を有する本実施形態の磁気吸着
シートにおいて、磁気特性の一つである磁気吸着力は、
ほぼ0. 4gf/cm2 以上が好ましい。磁気吸着力が
0.4gf/cm2 未満の場合は、磁気吸着シートを壁
面のような地面に垂直な被吸着面に固定しても、磁気吸
着シートの自重で落下したり、振動、衝撃あるいは室内
空調の風圧等の外乱によって磁気吸着シートが容易に剥
離したりする。また、磁気吸着シートの表面磁束密度
は、ほぼ40G以上が好ましい。表面磁束密度がほぼ4
0G未満の場合、十分な磁気吸着力を得るのが難しい。
【0051】以下、本実施形態の磁気吸着シートを、実
際に作製した実験例に基づいて説明する。但し、本発明
の実施形態は下記の実験例に限定されない。 (実験例1)下記の組成成分をボールミルで混合し、均
一に分散させて磁性塗料を調製した。
【0052】磁性塗料材料 磁性粉末 Srフェライト粉末 100重量部 結合剤 ポリエステルポリウレタン樹脂 10.8重量部 セルロールアセテートブチラート 4.6重量部 溶剤 メチルエチルケトン 66重量部
【0053】Srフェライト粉末としては平均粒径1.
2μm、飽和磁化量σS =59(emu/g)、保磁力
Hc=2800(Oe)の等方性粒子を用いた。ポリエ
ステルポリウレタン樹脂としては、数平均分子量Mn=
30000、ガラス転移点Tg=10(℃)のものを用
いた。セルロースアセテートブチラートとしては、Tg
=100(℃)のCAB-551-0.2(イーストマン
ケミカル社製)を用いた。
【0054】この塗料に硬化剤(商品名:コロネートH
L(日本ポリウレタン社製))を0.3重量部添加した
後、ナイフコーターを用いて、非磁性支持体であるイン
クジェット対応受容層付き白色合成紙(膜厚0.06m
m)の印刷面の裏面に塗布した。続いて、永久磁石の同
極対向による面内配向磁場2kG中を通過させて、磁化
容易軸の面内配向を行った。
【0055】次に、塗膜を乾燥させて磁性層厚0.06
mm、全厚0.13mmの原反を得た。得られた原反
を、50℃環境中に20時間以上保存して硬化処理し
た。その後、図2に示すような着磁機を用いて、面内方
向にピッチ幅2.0mmで多極着磁を施し、磁気吸着シ
ートを得た。
【0056】(実験例2)着磁ピッチ幅を1.0mmに
変更した以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シート
を得た。 (実験例3)着磁ピッチ幅を1.3mmに変更した以外
は実験例1と同様にして、磁気吸着シートを得た。
【0057】(実験例4)着磁ピッチ幅を1.5mmに
変更した以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シート
を得た。 (実験例5)着磁ピッチ幅を1.8mmに変更した以外
は実験例1と同様にして、磁気吸着シートを得た。
【0058】(実験例6)着磁ピッチ幅を2.5mmに
変更した以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シート
を得た。 (実験例7)着磁ピッチ幅を3.0mmに変更した以外
は実験例1と同様にして、磁気吸着シートを得た。 (実験例8)着磁ピッチ幅を3.5mmに変更した以外
は実験例1と同様にして、磁気吸着シートを得た。
【0059】(実験例9)磁性粉末を保磁力Hc=70
0(Oe)のBaフェライト粉末に変更した以外は実験
例1と同様にして、磁気吸着シートを得た。 (実験例10)磁性粉末を保磁力Hc=4000(O
e)のSrフェライト粉末に変更した以外は実験例1と
同様にして、磁気吸着シートを得た。
【0060】(実験例11)磁性粉末を保磁力Hc=3
00(Oe)のBaフェライト粉末に変更した以外は実
験例1と同様にして、磁気吸着シートを得た。 (実験例12)磁性粉末を保磁力Hc=5000(O
e)の希土類系のSm-Co粉末に変更した以外は実験
例1と同様にして、磁気吸着シートを得た。
【0061】(実験例13)磁性層厚を0.03mmに
変更した以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シート
を得た。 (実験例14)磁性層厚を0.10mmに変更した以外
は実験例1と同様にして、磁気吸着シートを得た。
【0062】(実験例15)磁性層厚を0.02mmに
変更した以外は実験例1と同様にして、磁気吸着シート
を得た。 (実験例16)磁性層厚を0.12mmに変更した以外
は実験例1と同様にして、磁気吸着シートを得た。
【0063】上記の各実験例の磁気吸着シートについ
て、磁気吸着力と表面磁束密度の評価を行った。磁気吸
着力の評価は、各磁気吸着シートを50mm×50mm
に切り出し、磁気吸着面の裏側にシートと同形の樹脂板
を粘着剤で貼り付け、それを水平に固定した0.5mm
厚鋼板上に磁気吸着させて、鋼板から垂直上方に剥離す
る際の最小剥離力をばね秤により測定して行った。ここ
で、{剥離力−(シート重量+粘着剤重量+樹脂板重
量)}/シート面積=磁気吸着力とした。
【0064】表面磁束密度の評価は、ベル社製ガウスメ
ーター(4048型)およびトランスバース型プローブ
(T−4048−001)を使用し、磁性層面に対して
垂直方向の磁束密度の極大値を、磁性層の表面の任意の
5点で測定して行った。これらの測定値を平均して、表
面磁束密度とした。上記の各実験例の磁性粉末の種類と
保磁力、磁性層厚、着磁のピッチ幅、磁気吸着力および
表面磁束密度を表1にまとめた。
【0065】
【表1】
【0066】上記の実験例のうち、磁性粉末として保磁
力Hc=2800(Oe)のSrフェライト粉末が用い
られ、磁性層厚が0.06mmであり、着磁ピッチ幅の
み異なる実験例1〜8の測定結果から、着磁ピッチ幅と
磁気吸着力の関係を図8にまとめた。
【0067】図8に示すように、着磁のピッチ幅が1.
8〜2.5mmのとき、最大の磁気吸着力が得られる。
また、表1から、着磁のピッチ幅がこの範囲にあると
き、表面磁束密度も高いことがわかる。実験例2および
3のように着磁ピッチ幅が1. 8mmより小さい場合に
は、図2に示すような着磁機からの漏れ磁束が小さく、
十分な磁気吸着力および表面磁束密度が得られない。
【0068】一方、実験例7および8のように、着磁ピ
ッチ幅が2.5mmより大きい場合には、十分な表面磁
束密度を得られるが、着磁ピッチ幅が大きくなることに
より、磁束線の数が減少するため、十分な磁気吸着力を
得られなくなる。したがって、最適な着磁ピッチ幅は
1. 8〜2. 5mm程度といえる。
【0069】また、実験例9〜12は磁性層厚が0.0
6mmであり、着磁ピッチ幅が2.0mmであり、磁性
粉末の種類および保磁力が異なる。表1に示すように、
保磁力Hc=700(Oe)の実験例9では、実験例1
とほぼ同等の磁気吸着力および表面磁束密度が得られて
いる。
【0070】それに対し、保磁力Hc=300(Oe)
の実験例11を実験例1と比較すると、磁気吸着力はほ
ぼ半減し、表面磁束密度も6割程度となる。実験例11
は磁性粉末の保磁力が低すぎて、磁気吸着シートに必要
とされる磁気特性が得られない。したがって、保磁力H
cが700(Oe)以上のとき、高い磁気吸着力を得ら
れることがわかる。
【0071】一方、保磁力Hc=4000(Oe)の実
験例10では、実験例1の2倍以上の磁気吸着力と、2
倍近い表面磁束密度が得られている。それに対し、保磁
力Hc=5000(Oe)の実験例12を実験例1と比
較すると、磁気吸着力は7割程度となり、表面磁束密度
は8割程度となる。実験例12は磁性粉末の保磁力が高
すぎて、十分に着磁を行うことができない。したがっ
て、保磁力Hcが4000(Oe)以下のとき、高い磁
気吸着力を得られることがわかる。
【0072】また、磁性粉末としては、保磁力Hcが7
00〜4000Oe程度の範囲にあるSrフェライト粉
末およびBaフェライト粉末が特に好ましいことがわか
る。希土類の磁性粉末を用いると、磁性粉末の保磁力が
高すぎて、磁気吸着力が低下することがある。
【0073】実験例13〜16は磁性粉末の種類および
保磁力が共通し、着磁ピッチ幅が2.0mmであり、磁
性層厚のみ異なる。表1に示すように、磁性層厚0.0
3mmの実験例13では、実験例1とほぼ同等の磁気吸
着力および表面磁束密度が得られている。
【0074】それに対し、磁性層厚0.02mmの実験
例15を実験例1と比較すると、磁気吸着力は6割程度
となり、表面磁束密度は2/3程度となる。このことか
ら、磁性層厚が0.03mm以上のとき、高い磁気吸着
力を得られることがわかる。
【0075】一方、磁性層厚0.10mmの実験例14
では、実験例の2倍以上の磁気吸着力と、2倍近い表面
磁束密度が得られている。磁性層厚をさらに厚い0.1
2mmとした実験例16では、実験例14に比較して、
磁気吸着力と表面磁束密度がさらに大きくなる。しかし
ながら、実験例16では塗膜が厚くなり過ぎ、シートを
曲げたときの両面での伸びの差が大きくなる。したがっ
て、シートを繰り返し曲げると、塗膜にクラックが発生
しやすくなる。
【0076】また、実験例16では磁気吸着力が適切な
範囲を超え、磁気吸着シート間の吸着も問題となる。例
えば、磁気吸着シートをプリンターに供給して印刷を行
おうとしても、シートが円滑に搬送されずに紙詰まりを
起こしたり、シートの位置合わせが正確に行えなかった
りする。したがって、磁性層厚は0.03〜0.10m
m程度が好ましいといえる。
【0077】上記の本発明の実施形態の磁気吸着シート
によれば、所定の保磁力を有する磁性粉末を用いて、所
定の膜厚の磁性層を形成し、磁性層の面内方向に1.8
〜2.5mmのピッチ幅で多極着磁を行う。これによ
り、シートを固定するのに十分な磁気吸着力を有し、か
つプリンターでの印刷等に適した磁気吸着シートを実現
できる。
【0078】本発明の磁気吸着シートおよびその製造方
法の実施形態は、上記の説明に限定されない。例えば、
磁性層に多極着磁を行う工程で、図2に示すように1対
の磁石バー11a、11bを用いたり、図3に示すよう
に1対の磁石ロール12a、12bを用いたりするかわ
りに、磁気吸着シート1の磁性塗膜5に対向するよう
に、磁気吸着シートの片面側のみに磁石バーまたは磁石
ロールを配置してもよい。また、磁性塗料中の結合剤の
組成等は適宜変更することができる。その他、本発明の
要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0079】
【発明の効果】本発明の磁気吸着シートによれば、磁性
層の面内方向に磁化容易軸を有し、面内方向に多極着磁
された磁気吸着シートの磁気吸着力を適切に制御するこ
とが可能となる。本発明の磁気吸着シートの製造方法に
よれば、適切なピッチ幅で多極着磁された磁気吸着シー
トを低コストで製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の磁気吸着シートの断面図であ
る。
【図2】図2は本発明の磁気吸着シートに多極着磁を行
う方法の一例を示す概略図である。
【図3】図3は本発明の磁気吸着シートに多極着磁を行
う方法の他の一例を示す概略図である。
【図4】図4は図3の一部を拡大した図である。
【図5】図5は本発明の磁気吸着シートの磁化容易軸を
磁性層の面内に配向させる方法の一例を示す概略図であ
る。
【図6】図6は本発明の磁気吸着シートの磁化容易軸を
磁性層の面内に配向させる方法の他の一例を示す概略図
である。
【図7】図7は本発明の磁気吸着シートの磁性層の多極
着磁および磁気吸着を示す模式図である。
【図8】図8は本発明の磁気吸着シートの実施形態に係
り、着磁ピッチ幅と磁気吸着力との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…磁気吸着シート、2…磁性層、3…非磁性支持体、
4…印刷受容層、5…磁性塗膜、6、14…磁力線、7
…被吸着体、11a、11b…磁石バー、12a、12
b…磁石ロール、13a、13b…ソレノイドコイル、
15a、15b…永久磁石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 栄治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開2001−297911(JP,A) 特開2001−76920(JP,A) 特開 平9−162025(JP,A) 特開 平9−71094(JP,A) 特開 平11−273938(JP,A) 特開2001−68337(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/03 - 1/117 H01F 7/02,41/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に、強磁性粉末と高分子結
    合剤を主成分とする磁性塗料を、塗布、乾燥させて磁性
    層が形成され、前記磁性層は面内方向に磁化容易軸を有
    し、かつ磁化容易軸に沿って面内で磁化が交互に反転す
    るように多極着磁されている磁気吸着シートであって、 着磁のピッチ幅がほぼ1.8〜2.5mmであり、被吸着面に前記磁性層を介して磁気吸着した前記磁気吸
    着シートを、前記被吸着面と前記磁気吸着シートとが平
    行な状態で、前記被吸着面から剥離するのに要する力で
    ある磁気吸着力が、ほぼ0.40〜0.93gf/cm
    2 であり、 前記磁性層の膜厚がほぼ0.03〜0.10mmであ
    り、 前記非磁性支持体の膜厚がほぼ0.05〜0.15mm
    であり、 前記磁性層の表面磁束密度がほぼ42〜88ガウス
    (G)であり、 前記強磁性粉末の保磁力がほぼ700〜4000エルス
    テッド(Oe)である 磁気吸着シート。
  2. 【請求項2】非磁性支持体上に、強磁性粉末と高分子結
    合剤を主成分とする磁性塗料を塗布し、塗膜を形成する
    工程と、 磁場を印加して前記塗膜の面内方向に磁化容易軸を配向
    させる工程と、 前記塗膜を乾燥させ、磁性層を形成する工程と、長尺方向にN極とS極が交互に多極着磁された1対の角
    柱状の永久磁石を、同極が前記磁気吸着シートを介して
    対向するように配置する工程と、 前記磁気吸着シートに前記永久磁石間を通過させ、 前記
    磁性層に、面内で磁化が前記磁化容易軸に沿って交互に
    反転するように、ほぼ1.8〜2.5mmのピッチ幅で
    多極着磁を行う工程とを有する磁気吸着シートの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記永久磁石として希土類の磁石を用いる
    請求項記載の磁気吸着シートの製造方法。
  4. 【請求項4】非磁性支持体上に、強磁性粉末と高分子結
    合剤を主成分とする磁性塗料を塗布し、塗膜を形成する
    工程と、 磁場を印加して前記塗膜の面内方向に磁化容易軸を配向
    させる工程と、 前記塗膜を乾燥させ、磁性層を形成する工程と、 円筒状であってラジアルに N極とS極が交互に多極着磁
    された永久磁石を、前記磁気吸着シートの少なくとも前
    記磁性層側の表面に接するように配置する工程と、 前記永久磁石の中心軸と前記磁化容易軸とが直交する状
    態で、前記永久磁石を回転させ、前記永久磁石の中心軸
    に対して直交する方向に、前記永久磁石と前記磁気吸着
    シートを相対的に移動させ、前記磁性層に、面内で磁化
    が前記磁化容易軸に沿って交互に反転するように、ほぼ
    1.8〜2.5mmのピッチ幅で多極着磁を行う工程と
    を有する磁気吸着シートの製造方法。
  5. 【請求項5】前記永久磁石と前記磁気吸着シートを相対
    的に移動させる工程において、前記永久磁石の中心軸を
    固定し、前記磁気吸着シートを移動させる請求項記載
    の磁気吸着シートの製造方法。
  6. 【請求項6】前記永久磁石を配置する工程において、
    筒状であってラジアルにN極とS極が交互に多極着磁さ
    れた1対の永久磁石を、同極が前記磁気吸着シートを介
    して対向し、かつ前記磁気吸着シートの両面に接するよ
    うに配置し、 前記多極着磁を行う工程において、前記1対の永久磁石
    を同一の速度で回転させ、前記磁気吸着シートを移動さ
    せる請求項記載の磁気吸着シートの製造方法。
  7. 【請求項7】前記永久磁石として希土類の磁石を用いる
    請求項記載の磁気吸着シートの製造方法。
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