JP2017135323A - 磁性シート、それを用いたディスプレイ及びディスプレイ方法 - Google Patents

磁性シート、それを用いたディスプレイ及びディスプレイ方法 Download PDF

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泰広 太田
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昌義 佐野
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展弘 久保田
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清志 岩本
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Abstract

【課題】硬質磁性シートや軟質磁性シートにICタグを設置した場合、又は硬質磁性シートと軟質磁性シートにより形成される着脱容易なディスプレイ等の磁着環境にICタグを設置した場合においても、ICタグによる無線通信に支障のない磁性シート、それを用いたディスプレイ及びディスプレイ方法を提供する。【解決手段】磁性シート4は、少なくとも基材8と磁性材料含有層5とを有し、磁性材料含有層は、硬質磁性体および軟質磁性体からなる群から選択される少なくとも1種の磁性体6とバインダ樹脂7とを有し、磁性体をバインダ樹脂中に分散固定する。【選択図】図2

Description

本発明は、磁性シート、特にICタグの利用が可能な磁性シート及び、それを使用したディスプレイ及びディスプレイ方法に関するものである。
磁性シートには、大別して着磁された磁性層及び印字可能層等を設けて、冷蔵庫、スチール棚、ホワイトボード等の磁石の被着体と成り得るものに磁気吸着することができる硬質磁性シート(磁石シート)と、逆に磁石面に磁気吸着される軟質磁性シート(磁石の被着体となるシート)とがある。
また、これらは例えば、どちらか一方を壁面等に固定すれば、他方との磁着により、磁着環境のない場所を磁着環境に変えることが出来るとともに、その脱着の容易さを利用して商空間や写真スタジオの背景等を演出する壁装材やディスプレイとしても利用が検討されている。
前記硬質磁性シートとしては、その厚みや抗曲げ性等を規定し、事実上の磁気吸着力を満たすことが出来ると共に、取り外す場合の剥離抵抗が適度なフィルム状磁石等が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、軟質磁性シートとしては、本来強磁性体面が存在しない場所であっても磁着可能な環境とするために、透磁率が大きく保磁力の小さいソフトフェライト粉、鉄粉等の軟質磁性粉体と合成樹脂材とを混合、混練して厚さを調整した軟質磁性シート等が提案されている(例えば、特許文献2)。
一方、RFID(Radio Frequency Identification)を利用したICタグは、電磁波を利用して非接触通信により情報授受が可能である利点を生かして、商品管理、販売支援等に活用されると共に、販促ポスター等に貼り付けたICタグを顧客が携帯端末で読み取ることにより、ウェブサイトへ誘導し、更に詳細な商品説明、イベント集客、SNS連携効果等を狙った、所謂スマートポスターとしての活用も開始されている。
特開2012−138537 特開平10−219003
しかしながら、RFIDを利用したICタグの通信に関する課題として、ICタグの近傍に金属が存在する場合、通信がほぼ不可能になる点が挙げられる。これは、金属がICタグの近傍にあると、データを送受信する装置から送られた電磁波が、金属部で渦電流として損失してしまうため、ICタグからデータを再びアンテナに打ち返すためのエネルギーが効率的に得られないことが原因であると推察される。
このような現象は、硬質磁性シート若しくは、軟質磁性シートに表飾層等を設け、被着体に磁着されたポスター等の販促ツールやディスプレイに、更なる販促効果を狙ってICタグを貼り付けた様態においても発生する場合があった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、硬質磁性シートや軟質磁性シートにICタグを設置した場合、又は硬質磁性シートと軟質磁性シートにより形成される着脱容易なディスプレイ等の磁着環境にICタグを設置した場合であっても、ICタグによる無線通信が可能な磁性シート(硬質磁性シート、軟質磁性シート、これらを用いたディスプレイ及びディスプレイ方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明(1)は、少なくとも基材と磁性材料含有層とを有し、該磁性材料含有層は、硬質磁性体および軟質磁性体からなる群から選択される少なくとも1種の磁性体とバインダ樹脂とを有し、該磁性体は、該バインダ樹脂中に分散固定されていることを特徴とするRFIDが利用可能な磁性シートである。
本発明(2)は、接着層の両面に前記磁性材料含有層を有し、前記磁性材料含有層の該接着層とは反対側の各面に前記基材が設けられていることを特徴とする前記発明(1)に記載のRFIDが利用可能な磁性シートである。
本発明(3)は、前記磁性材料含有層が、フェライト系磁石材料、希土類系磁石材料より選ばれる少なくとも1種以上の硬質磁性体を有することを特徴とする前記発明(1)または(2)に記載のRFIDが利用可能な磁性シートである。
本発明(4)は、前記磁性材料含有層が、センダスト系磁性材料、パーマロイ系磁性材料、アモルファス合金系磁性材料、四三酸化鉄、Mn−Znフェライト、純鉄より選ばれる少なくとも1種以上の軟質磁性体を有することを特徴とする前記発明(1)または(2)に記載のRFIDが利用可能な磁性シートである。
本発明(5)は、少なくとも基材および硬質磁性体を含有する磁性材料含有層とを有する硬質磁性シートと、少なくとも基材および軟質磁性体を含有する磁性材料含有層とを有する軟質磁性シートとが組み合わせて使用され、前記硬質磁性シートまたは軟質磁性シートの少なくとも一方にICタグが設置されていることを特徴とするRFIDが利用可能なディスプレイである。
本発明(6)は、 少なくとも基材および硬質磁性体を含有する磁性材料含有層とを有する磁着手段と、少なくとも基材および軟質磁性体を含有する磁性材料含有層とを有する被磁着手段とが組み合わせて使用されるディスプレイ方法であって、該磁着手段または該被磁着手段の少なくとも一方に電子情報保持手段が設置され、電子機器と該電子情報保持手段との間で電子情報のやり取りが成されることを特徴とするディスプレイ方法である。
本発明によれば、少なくとも基材と磁性材料含有層とを有し、該磁性材料含有層は、硬質磁性体および軟質磁性体からなる群から選択される少なくとも1種の磁性体とバインダ樹脂とを有し、該磁性体は、該バインダ樹脂中に分散固定された磁性シートとすることで、磁性シートにICタグを設置した場合、又は硬質磁性シートと軟質磁性シートにより形成される磁着環境にICタグを設置した場合であってもICタグによる無線通信が可能な磁性シート(硬質磁性シート、軟質磁性シート)、これらを用いたディスプレイ及びディスプレイ方法を提供することができる。
すなわち、本発明のRFIDが利用可能な磁性シート(硬質磁性シート、軟質磁性シート)、これらを用いたディスプレイ及びディスプレイ方法は、金属(磁性体)をそのシート中に含んでいたとしても、データを送受信する装置から送られた電磁波が、金属部(磁性体部)で渦電流として損失することなく、ICタグからデータを再びアンテナに打ち返すことが出来るものである。
硬質磁性シートと軟質磁性シートを組み合わせたディスプレイ及びディスプレイ方法の一実施形態を示した図である。 基材と磁性材料含有層から成る磁性シートの一実施形態を示した模式図である。 基材と磁性材料含有層から成る磁性シートが接着層を介して積層された実施形態例を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明のRFIDが利用可能な磁性シート、これらを用いたディスプレイ及びディスプレイ方法について詳細に説明する。
まず、図2を参照しつつ、本発明の磁性シートについて詳細に説明する。
本発明の磁性シート4は、少なくとも基材8と磁性材料含有層5から成る積層構成を有し、磁性材料含有層5は、バインダ樹脂7と硬質磁性体および軟質磁性体からなる群から選択される少なくとも1種の磁性体6から構成される。本発明の磁性シート4は、磁性材料含有層5に使用される磁性体の種類と量によって、硬質磁性シート(磁石シート)、とも軟質磁性シート(磁石の被着体となるシート)ともすることが出来る。本発明の磁性シート4を硬質磁性シートとする場合には、磁性材料含有層5に使用する磁性体に硬質磁性体を単独で用いることが好ましいが、磁力が著しく低下しない範囲であれば、軟質磁性体を磁性体の一部として使用しても良い。また、本発明の磁性シート4を軟質磁性シートとする場合には、磁性材料含有層5に使用する磁性体に軟質磁性体を単独で用いることが好ましいが、被磁着力が著しく低下しない範囲であれば、硬質磁性体を磁性体の一部として使用しても良い。磁着可否は、磁性シートの自重や、表面性、磁力によっても左右されるため、一概に論ずることは出来ないが、およその添加量目安としては100〜200g/mの範囲で磁性体が磁性シートに含有されていることが好ましい。
本発明に係る硬質磁性体としては、フェライト系磁性材料、希土類系磁性材料を用いることができる。フェライト系磁性材料としては、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライト等を用いることができ、希土類系磁性材料としては、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系等の希土類磁性材料を用いることができる。中でも異方性ストロンチウムフェライトは、磁力と価格のバランスが優れていることから好適に用いることができる。
また、本発明に係る軟質磁性体としては、センダスト系磁性材料(Fe−Al−Si系)、パーマロイ系磁性材料(Ni−Fe系)、アモルファス合金系磁性材料(Co−Fe−Si系、Co−Zr−Ta系、Fe系等)や、四三酸化鉄(四酸化三鉄)、Mn−Znフェライト、純鉄等を使用することができる。中でも、価格、供給安定性、磁石や磁石シートとの吸着力の高さから純鉄を好適に用いることができる。
上記硬質磁性体、軟質磁性体の形状は球状あるいは、不定形等、特に限定されるものではないが、後述する好ましい磁性材料含有層5の層厚と、磁性体が均一に分散し、かつ塗工地合いの良好な磁性材料含有層5を得ること、更には適正な磁力或いは、被磁着力を得るためには平均粒径又は、長径が0.5〜75μmが好ましく、更に好ましくは1〜45μmである。0.5μm以下であると磁性体の均一分散に手間を要する恐れがあると共に、磁力或いは、被磁着力が低下する恐れがあり、75μm以上であると塗工地合いが荒れる恐れがある。平均粒径又は、長径を測定する方法は、任意の100個を顕微鏡で観察・測定し、算術平均値を求めることで計測が可能である。
本発明に係る硬質磁性体、軟質磁性体は、バインダ樹脂7によって、磁性材料含有層5中に分散固定されている。すなわち、硬質磁性体、軟質磁性体は個々、あるいは数個程度の凝集体のまわりをバインダ樹脂7が取り囲み、磁性体間あるいは、磁性体凝集体間が直接接触(導通)しない状態で磁性材料含有層5中に存在している。バインダ樹脂7としては、エポキシ樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニルブロック共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチレンと(メタ)アクリレートとの共重合体、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂のような有機高分子量材料等を使用することができる。また、バインダ樹脂7は絶縁性であることが好ましく、例えば、体積固有抵抗としては1010Ω・cm以上が望ましい。体積固有抵抗は樹脂をペレット状、もしくはシート状にしたものの表面抵抗を測定し、それを厚さで割った値によって得ることが出来る。また、硬質磁性体、軟質磁性体は、磁性材料含有層5の絶縁性維持及び、磁着力の均一性の観点から磁性材料含有層5中に均一分散していることが好ましい。均一分散とは、1枚の磁性シートの任意の箇所から5枚の5cm角のサンプル片を切り出し、重量を測定した場合に、最重量片と最軽量片の重量差が25mg以内であることを言う。
また、磁性材料含有層5中には、RFIDの動作や、磁着の障害とならない材料であれば、適宜添加することが可能であると共に、磁性材料含有層5の基材8とは反対の面には、公知の接着層、或いは保護層等を設けることも出来る。
本発明に係る基材8としては、紙、不織布、布、フィルムなどの塗工用基材に使用可能な支持体であればいずれのものも使用可能であるが、少ない塗工量で均一な磁性材料含有層5を形成させることが出来るという点において、樹脂フィルム等の表面に空隙の少ないシートが好ましい。少ない塗工量で磁性材料含有層5を形成させることで磁性シートの可撓性を向上させることが出来る。また、基材8の磁性材料含有層5とは反対の面には、公知の装飾層や印字・印刷可能層等を設けることも出来る他、基材8に積層される層と、基材8の接着性を向上させる目的で、基材8の表面に易接着層を設けることも出来る。
前記易接着層を構成する化合物としては、極性を有するという点でポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂など、バインダ樹脂7や装飾層等との濡れ性や接着性に寄与できるものであれば、いずれの化合物も選択可能である他、これら複数種を併用することも出来る。
次に、図3を参照しつつ、本発明の磁性シートの他の実施形態について詳細に説明する。
図3に示すように、本発明の磁性シート9は、接着層10の両面に磁性材料含有層5を有し、更に磁性材料含有層5の接着層10とは反対側の各面に基材8が設けられている様態とすることも出来る。このような様態とすることで、磁性材料含有層5を例えば、塗工により形成させる際の生産性を向上させることが出来る(薄膜塗工)。また、磁性材料含有層5に硬質磁性体を用いた場合には、2層の磁性材料含有層5により、硬質磁性シート(磁石シート)としての磁力を高めることも出来る。更には、両面が基材8となることにより、磁性シートの両面に装飾層等を設けやすくすることも可能となる。
磁性材料含有層5面同士を接着させる接着層10には、曲げ応力を受けた際に接着層10を介して接着される磁性材料含有層5との間で、著しく剥離や破断が生じないものであれば、いずれの接着剤も使用可能である。酢酸ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂やアクリル系樹脂などのエマルジョン糊、反応硬化型のウレタン系接着剤、熱溶融した熱可塑性樹脂を用いることも出来るが、特に、エチレン酢酸ビニル、エチレンビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系(共)重合物を好適に用いることが出来る。また、接着層の厚みは、10〜20μmであることが好ましい。10μm以下であると、磁性材料含有層5面との間に充分な接着力が維持できず、20μm以上の場合には、接着剤過多により不経済となる。
次に、磁性シート4の製造方法について説明する。
本発明に係る磁性シート4の製造方法は、例えば、磁性体(硬質磁性体および軟質磁性体からなる群から選択される少なくとも1種の磁性体6)およびバインダ樹脂7を有機溶剤等に溶解・分散させた磁性塗料を、基材8面に塗工し、熱風乾燥機を通過させ、磁性塗料中の有機溶剤等を蒸発させることで磁性材料含有層5を形成し、磁性シート4を得ることが出来る。
磁性塗料の調整には、例えば、磁性体およびバインダ樹脂7を溶解・分散させるための溶剤を使用する。このような溶剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチルグリコールアセテートなどのエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロフォルム、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素化合物などを用いることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で使用できるほか、2種類以上をブレンドして用いてもよい。
また、磁性塗料には、磁性体およびバインダ樹脂7の分散を補助する目的で、分散剤等を添加することも出来る。分散剤としては、燐酸エステル類、大豆リン脂質等が好適に使用できる。これらは親水性の磁性体と、親油性のバインダ樹脂とのなじみ易さを改善する、所謂界面活性作用を有している。このように分散剤を使用することによって、磁性体同士或いは、磁性体凝集体同士が接触する可能性を低下させることができるため好ましい。
前記磁性塗料調製のための分散および溶解装置としては、たとえば、ディスパーミキサー、パールミル、ニーダ、アジタ、ボールミル、サウンドミル、ロールミル、エクストルーダー、ホモジナイザ、超音波分散機などを用いることができる。これらの装置は、それぞれ単独で使用できるほか、2種類以上を併用してもよい。本発明に係る磁性体(硬質磁性体および軟質磁性体からなる群から選択される少なくとも1種の磁性体6)およびバインダ樹脂7を溶解・分散させるための装置としては、パールミルでの本調合時に分散不良の塗液がスクリーンに目詰まりを起こすことを防止するために、まず、ディスパーミルで予備攪拌した後に、パールミルによる本調合を実施する方法が好適である。
磁性塗料の塗工方法としては、バーコーター、ワイヤーバーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ダイコーターなどの公知の塗工方法で行うことができる。
本発明の磁性シート4を、硬質磁性シート(磁石シート)とする場合には、基材8に硬質磁性体を含む磁性塗料が塗工された後、溶剤が揮発する前の段階において、塗工進行方向と平行な磁束の磁界中を通過させることにより、硬質磁性体の磁化容易軸を面内方向へ配向させ、後の着磁工程で着磁された場合に、より高い磁力を発揮させやすくすることができる。その手段の例としては、ソレノイド中を通過させる方法、または、永久磁石を塗工面表裏から反発させることにより塗工進行方向に磁束を発生させた空間を通過させる方法等が挙げられる。
また、硬質磁性体を有する硬質磁性シートは、公知の方法で着磁することが可能である。磁化容易軸が面内方向である磁性材料含有層5は、磁化容易軸方向に(N−S)(S−N)(N−S)‥‥の多極着磁を施すことにより、S−SまたはN−Nの対抗磁極面から極大な垂直方向の漏れ磁束が発生し、例えば軟質磁性体を有する軟質磁性シートとの間で、効果的な磁気吸着力を発揮することができる。この時の着磁条件は、磁性材料種、用途等を考慮して適宜設定すればよい。
磁性材料含有層5の塗工量は、基材8上に塗工・乾燥した状態において、層厚が20〜120μm、好ましくは70〜100μmの範囲となるように塗工量(固形分塗工量)を調節することが好ましい。こうすることで、磁性シート4、9のこわさ、可撓性の適性化および、磁力と自重のバランス、更には乾燥時間を短縮して塗工スピードを速められる点等から好ましい。
また、磁性シート9を作製する場合には、例えば、磁性シート4を作製した後、2枚の磁性シート4の磁性材料含有層5面同士を、公知のウエットラミネーション法やドライラミネーション法で接着することにより接着しても良いし、熱可塑性樹脂タイプの接着剤、ポリプロピレンやポリエチレンを接着剤とした熱ラミネーション法で接着しても良い。尚、磁性シート4を硬質磁性シートとする場合には、着磁前の磁性シート4を上記の方法で貼り合わせた後に、着磁させることが好ましい。
次に、図1、2を参照しつつ、本発明に係る硬質磁性シートと軟質磁性シートとを組み合わせで使用するRFIDが利用可能なディスプレイについて詳細に説明する。尚、本発明に係るディスプレイとは、販促ポスター等に貼り付けたICタグを顧客が携帯端末で読み取ることにより、ウェブサイトへ誘導し、更に詳細な商品説明、イベント集客、SNS連携効果等を狙った、所謂スマートポスター等のみならず、商品管理、販売支援等に活用される情報表示媒体をも含むものである。
本発明のRFIDが利用可能なディスプレイに用いられる硬質磁性シート(磁石シート)および軟質磁性シート(磁石の被着体となるシート)は、図2に示すように、少なくとも基材8と磁性材料含有層5から成る積層構成を有する。硬質磁性シートは、その磁性材料含有層5中に硬質磁性体を有し、着磁されている。一方、軟質磁性シートは、その磁性材料含有層5中に軟質磁性体を有するものである。図1の例では、磁性体含有壁紙1が軟質磁性シート、磁性体含有ポスター2が硬質磁性シートとして説明するが、磁性体含有壁紙1を硬質磁性シートとし、磁性体含有ポスター2を軟質磁性シートとしても良く、この点は使用様態により任意に決定すればよい。このような組み合わせとすることにより、磁性体含有壁紙1(軟質磁性シート)と、磁性体含有ポスター2(硬質磁性シート)は磁力により吸着可能となる。また、磁性体含有ポスター2(硬質磁性シート)上には、ポスターに記載された情報とは別に、例えばウェブサイトへ誘導し、更に詳細な商品説明、イベント集客、SNS連携効果等を狙ったラベルシール型ICタグ3が貼り付けられている。また、上記のような様態の他、ラベルシール型ICタグ3を磁性体含有壁紙1(軟質磁性シート)に直接貼り付けて利用することも可能である。
このような構成とすることにより、例えば、磁性体含有壁紙1(軟質磁性シート)に磁気吸着した名刺大、はがき大等の販促部材(印刷等された硬質磁性シート)を消費者に持ち帰ってもらうことも可能となる。また、このような形態の発展系として、例えばICタグを内部に仕込んだ硬質磁性体を有する立体状の販促部材を、軟質磁性シートから成る壁紙に磁気吸着させておき、顧客に販促部材を持ち帰ってもらうことも可能となる。
硬質磁性シートと軟質磁性シートを組み合わせて、両者を磁気吸着させる場合、例えば基材8と磁性材料含有層5との合計重量が150g/m以上の軟質磁性シートを吸着させるためには、硬質磁性シートの表面磁束密度は、5mT以上であることが好ましい。表面磁束密度の測定は、テスラメータ(商品名:日本電磁測器GV−300)を使用し、硬質磁性シートの表面50mm角の範囲をプローブ先端でなぞることにより測定することが出来る。尚、表面磁束密度の測定値は、前記測定方法において、最大値を示す。
また、ICタグのようなRFIDが動作可能か否かについては、磁性シートの電磁波シールド特性を測定することによっても確認することが可能である。すなわち、前記したように磁性体を含有した硬質磁性シート、軟質磁性シートが電磁波シールド能力を有さなければ、RFIDの動作の支障となることは無く、磁性シート、または硬質磁性シートと軟質磁性シートを組み合わせて使用するディスプレイにICタグを貼り付け等した場合にも、ICタグの正常な動作が実現されることとなる。電磁波シールド特性は、例えば、KEC法により測定することが出来る。
次に、本発明のディスプレイ方法である、磁着手段と被磁着手段とが組み合わせて使用されるディスプレイ方法において、磁着手段または被磁着手段の少なくとも一方に電子情報保持手段が設置され、電子機器と電子情報保持手段との間で電子情報のやり取りが成されることを特徴とするディスプレイ方法について説明する。
本発明に係る磁着手段とは、少なくとも基材および硬質磁性体を含有する磁性材料含有層とを有する磁性シートが着磁されたもの(硬質磁性シート)によって成されるものを指し、具体的には、例えば図2、3に示す構成の手段を指す。また、本発明に係る被磁着手段とは、少なくとも基材および軟質磁性体を含有する磁性材料含有層とを有する磁性シート(軟質磁性シート)によって成されるものを指し、具体的には、例えば図2、3に示す構成の手段を指す。また、両者を使用したディスプレイ方法とは、例えば、図1に示すような磁性体含有壁紙1に硬質磁性シート又は、軟質磁性シートを配し、磁性体含有ポスター2に磁性体含有壁紙1が硬質磁性シートであれば、軟質磁性シートを、軟質磁性シートであれば、硬質磁性シートを配し、両者が磁気吸着されたディスプレイ方法において、磁着手段又は、被磁着手段の少なくとも一方に電子情報保持手段が設置され、電子機器と電子情報保持手段との間で電子情報のやり取りが成される方法を指す。
電子情報保持手段とは、電子情報の記憶機能を有する手段、例えばICタグによって成される手段を指す。また、電子機器とは、形態端末をはじめとする、例えばICタグ等へ電波等を送り、ICタグ等から打ち返された電波を受信可能な機器を指す。すなわち、電子機器と電子情報保持手段との間での電子情報のやり取りとは、電子機器と電子情報保持手段との間で成される近距離無線通信を指す。
すなわち、本発明のディスプレイ方法とは、磁着手段や被磁着手段に設けられた印刷可能層上の所謂アナログ情報に加えて、磁着手段または被磁着手段の少なくとも一方にICタグ等よって成される電子情報保持手段を有し、この手段をもって、例えば携帯電話等の電子機器の画面上に更なる販促情報等を表示させることが出来るディスプレイ方法である。
以下に本発明のRFIDが利用可能な磁性シートおよび、RFIDが利用可能なディスプレイについて、より具体的な実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
硬質磁性シートの作製
硬質磁性シートの作製方法その他を以下に示す。
Figure 2017135323
表1に示す組成成分をディスパーミルに投入し、30分間予備分散後にパールミルで均一分散し、硬質磁性体を有する磁性材料含有層形成用の磁性塗料を作製した。一方、基材としてはポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製ルミラーE20)の両面に、共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、商品名:バイロンMD−16)とイソシアネート含有ポリウレタン樹脂(第一工業製薬製、商品名:エラストロン)のそれぞれ2重量%を、水とイソプロピルアルコールの7/3(重量比)混合溶液に混合した塗液を、ワイヤーバーコーターで塗布した後、80℃で2分間、170℃で30秒間乾燥させる工程により、易接着層を形成したものを用いた。次に、この基材の片面に作製した磁性材料含有層形成用の磁性塗料をワイヤーバーコーターで塗布して、永久磁石の同極対向による面内配向磁場5000G中を通過させて面内配向を行った後、乾燥させて厚さ75μmの磁性材料含有層、全厚125μmの硬質磁性体を有する磁性シートを得た。
上記磁性シートを面内方向に分極するように交互に多極着磁(着磁ピッチ2.5mm)を行い、硬質磁性体を有する磁束密度5mTの実施例1の磁性シートを得た。また、本実施例1で作製した磁性シートのKEC法による電波、磁波それぞれのシールド特性評価、RFIDを利用したICタグを貼り付けた形態において、携帯端末でICタグ内の情報が読み取り可能か否かの確認および、磁気吸着力の評価を行った。
(実施例2)
実施例1で作製した多極着磁前の磁性シートの磁性材料含有層面同士を、ポリウレタン系接着剤(三井化学社製、商品名:タケラックA−969V、硬化剤:三井化学社製、商品名:タケネートA−5)で接着して、磁性材料含有層及び、基材を各2層有する磁性シートを得た。次に、この磁性シートを実施例1と同様の方法で多極着磁して、両面ともペンなどによる書き込み可能な硬質磁性体を有する磁束密度9mTの実施例2の磁性シートを得た。尚、この時の接着層の層厚は13μmであった。また、本実施例2で作製した磁性シートのKEC法による電波、磁波それぞれのシールド特性評価、RFIDを利用したICタグを貼り付けた形態において、携帯端末でICタグ内の情報が読み取り可能か否かの確認および、磁気吸着力の評価を行った。
(実施例3)
磁性材料含有層の層厚を100μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、硬質磁性体を有する磁束密度6.5mTの実施例3の磁性シートを得た。また、本実施例3で作製した磁性シートのKEC法による電波、磁波それぞれのシールド特性評価、RFIDを利用したICタグを貼り付けた形態において、携帯端末でICタグ内の情報が読み取り可能か否かの確認および、磁気吸着力の評価を行った。
(実施例4)
軟質磁性シートの作製
軟質磁性シートの作製方法その他を以下に示す。
Figure 2017135323
表2の組成成分をディスパーミルに投入し、30分間の攪拌により均一分散して、軟質磁性体を有する磁性材料含有層形成用の磁性塗料を作製した。その後、本磁性塗料を使用すること以外は実施例1と同様の塗布要領で、厚さ75μmの磁性材料含有層を有する、全厚125μmの軟質磁性体を有する実施例2の磁性シートを得た。また、本実施例2で作製した磁性シートのKEC法による電波、磁波それぞれのシールド特性評価、RFIDを利用したICタグを貼り付けた形態において、携帯端末でICタグ内の情報が読み取り可能か否かの確認および、磁気吸着力の評価を行った。
(実施例5)
磁性材料含有層の厚さを100μmへ変更したこと以外は実施例4と同様にして、軟質磁性体を有する実施例5の磁性シートを得た。また、本実施例5で作製した磁性シートのKEC法による電波、磁波それぞれのシールド特性評価、RFIDを利用したICタグを貼り付けた形態において、携帯端末でICタグ内の情報が読み取り可能か否かの確認および、磁気吸着力の評価を行った。
(実施例6)
純鉄粉の平均粒径を10μmとしたこと以外は実施例4と同様にして、軟質磁性体を有する実施例6の磁性シートを得た。また、本実施例6で作製した磁性シートのKEC法による電波、磁波それぞれのシールド特性評価、RFIDを利用したICタグを貼り付けた形態において、携帯端末でICタグ内の情報が読み取り可能か否かの確認および、磁気吸着力の評価を行った。
(実施例7)
軟質磁性体を平均粒径1.0μmの四三酸化鉄に変更したこと以外は実施例4と同様にして、軟質磁性体を有する実施例7の磁性シートを得た。また、本実施例7で作製した磁性シートのKEC法による電波、磁波それぞれのシールド特性評価、RFIDを利用したICタグを貼り付けた形態において、携帯端末でICタグ内の情報が読み取り可能か否かの確認および、磁気吸着力の評価を行った。
(比較例1)
軟質磁性体を有する磁性シートに変えて、厚さ1mmの鉄板を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、KEC法による電波、磁波それぞれのシールド特性評価、RFIDを利用したICタグを貼り付けた形態において、携帯端末でICタグ内の情報が読み取り可能か否かの確認および、磁気吸着力の評価を行った。
(実施例8)
実施例2で作製した硬質磁性体を有する磁性シートと実施例4で作成した軟質磁性体を有する磁性シートを磁着させて、KEC法による電波、磁波それぞれのシールド特性について評価した。また、実施例2で作製した硬質磁性体を有する磁性シートにRFIDを利用したICタグを貼り付け、実施例4で作製した軟質磁性体を有する磁性シートを木製ボードに貼り付けた。そして、実施例2で作製した硬質磁性体を有する磁性シートを、前記軟質磁性体を有する磁性シートに磁着させることで磁着環境を形成させた。次に、携帯端末で実施例2で作製した硬質磁性体を有する磁性シート上のICタグ内の情報が、読み取り出来るかを確認することで、データを送受信する装置から送られた電磁波が、損失することがなく、送受信できるかどうかを評価した。また、両磁性シートの磁気吸着力についても確認を実施した。
(比較例2)
実施例4で作製した軟質磁性体を有する磁性シートの代わりに、比較例1の鉄板を、実施例2で作製した硬質磁性体を有する磁性シートと磁着させたこと以外は、実施例8と同様にして、KEC法による電波、磁波それぞれのシールド特性について評価すると共に、RFIDを利用したICタグを貼り付けた形態において、携帯端末でICタグ内の情報の読み取り可否を確認することで、データを送受信する装置から送られた電磁波が、損失することがなく、送受信できるかどうかを評価した。また、比較例1の鉄板と実施例2で作製した硬質磁性シートの磁気吸着力についても確認を実施した。
Figure 2017135323
電磁波シールド特性は、10〜1000MHzの測定範囲の最大減衰率値とした。
尚、RFID通信可否(ICタグ内の情報読み取り可否)の確認には、アンドロイドスマートフォンに内蔵されている「Reader/writer P2P」の機能を用いて各磁性シートに貼り付けたICタグ内の情報を読み取った。評価は、読み取りが可能の場合を○、読み取り不可の場合を×とした。
磁気吸着力の測定
(実施例1、2、3、8)
150mm×150mmにカットした木製ボードに実施例4の軟質磁性シートを貼り付けたものに、120mm×50mmにカットした実施例1、2、3、8(2)の硬質磁性シートをそれぞれ吸着させ、それを垂直に保ち、24時間放置した際に、硬質磁性シートが落下するかどうかを確認した。落下しない場合を○、落下した場合を×と評価した。
(実施例4、5、6、7)
150mm×150mmにカットした木製ボードに実施例1の硬質磁性シートを貼り付けたものに、120mm×50mmにカットした実施例4〜7の軟質磁性シートをそれぞれ吸着させ、それを垂直に保ち、24時間放置した際に、軟質磁性シートが落下するかどうかを確認した。落下しない場合を○、落下した場合を×と評価した。
(比較例1、2)
150mm×150mmにカットした木製ボードに比較例1の鉄板を貼り付けたものに、120mm×50mmにカットした実施例2の硬質磁性シートを吸着させ、それを垂直に保ち、24時間放置した際に、硬質磁性シートが落下するかどうかを確認した。落下しない場合を○、落下した場合を×と評価した。
電磁波シールド特性の測定
電磁波シールド特性はKEC法を用いて25℃環境下において評価した。KEC法とは、一般社団法人関西電子工業振興センター製の電磁波シールド効果測定装置を用い、電波用・磁波それぞれ専用の治具の間に、何もはさまない場合の電磁波強度に対する測定サンプルをはさんだ場合の電磁波強度の減衰量をdBで測定することができる測定方法である。周波数帯としては、10〜1000MHzの範囲の測定を実施した。
結果
表3に示す通り、実施例1〜実施例8の磁性シートは電磁波の減衰率が0.1〜1.4%であり、RFID通信も可能であり、磁気吸着力も問題なかった。以上の結果からこれらの磁性シートは電波、磁波どちらにおいても磁性シートを挟まない場合と比べて、その電磁波強度を1%程度しか減衰させる事が出来ず、電磁波を遮蔽できないものであると言える。また、実施例8に記載した実施例2の硬質磁性シートと実施例4の軟質磁性シートの組み合わせによって形成された磁着環境は、硬質磁性シートが落下することもなく、ディスプレイ用途に使用するのに充分な磁着力を有する事が確認された。また、硬質磁性シート上に貼り付けたICタグ内の情報は、アンドロイドスマートフォンに内蔵されている「Reader/writer P2P」の機能を用いて読み取ることが可能であり、電子機器と電子情報保持手段であるICタグとの間で電子情報のやり取りが成されることが確認できたことにより、このようなディスプレイ方法が有効に機能することが判った。
それに対して、比較例1の鉄板は電波の減衰率が98.4%、磁波の減衰率が97.3%であった。この結果から、鉄板は電波、磁波両強度をほぼ100%近く減衰させ、電磁波を遮蔽してしまうものであり、RFID通信が出来なかった。また、比較例2に記載した比較例1の鉄板と実施例2の硬質磁性シートの組み合わせによって形成した磁着環境は、硬質磁性シートが落下することもなく、通常のディスプレイとしては使用可能であったが、硬質磁性シート上に貼り付けたICタグ内の情報は、アンドロイドスマートフォンに内蔵されている「Reader/writer P2P」の機能を用いて読み取ることが出来なかった。
以上、説明した通り、RFIDを利用したICタグの通信に関する課題として、ICタグの近傍に金属が存在する場合、通信がほぼ不可能になる点が挙げられるが、本発明の磁性シートは、そのシート中に磁性体(金属)を有するものの、硬質磁性体や軟質磁性体等の磁性体がバインダ樹脂中に均一分散固定されており、携帯端末等のデータを送受信する装置から送られた電磁波が、磁性体部(金属部)で渦電流として損失することがなく、電磁波にとっては、あたかも磁性体(金属)が存在しないかのような挙動を示しながらも、磁着物特有の着脱容易な磁着環境を形成することが可能となる。
1 磁性体含有壁紙
2 磁性体含有ポスター
3 ラベルシール型ICタグ
4 磁性シート
5 磁性材料含有層
6 硬質磁性体および軟質磁性体からなる群から選択される少なくとも1種の磁性体
7 バインダ樹脂
8 基材
9 磁性材料含有層2層の磁性シート
10 接着層

Claims (6)

  1. 少なくとも基材と磁性材料含有層とを有し、
    該磁性材料含有層は、硬質磁性体および軟質磁性体からなる群から選択される少なくとも1種の磁性体とバインダ樹脂とを有し、
    該磁性体は、該バインダ樹脂中に分散固定されていることを特徴とするRFIDが利用可能な磁性シート。
  2. 接着層の両面に前記磁性材料含有層を有し、
    前記磁性材料含有層の該接着層とは反対側の各面に前記基材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のRFIDが利用可能な磁性シート。
  3. 前記磁性材料含有層が、フェライト系磁石材料、希土類系磁石材料より選ばれる少なくとも1種以上の硬質磁性体を有することを特徴とする請求項1または2に記載のRFIDが利用可能な磁性シート。
  4. 前記磁性材料含有層が、センダスト系磁性材料、パーマロイ系磁性材料、アモルファス合金系磁性材料、四三酸化鉄、Mn−Znフェライト、純鉄より選ばれる少なくとも1種以上の軟質磁性体を有することを特徴とする請求項1または2に記載のRFIDが利用可能な磁性シート。
  5. 少なくとも基材および硬質磁性体を含有する磁性材料含有層とを有する硬質磁性シートと、
    少なくとも基材および軟質磁性体を含有する磁性材料含有層とを有する軟質磁性シートとが組み合わせて使用され、
    前記硬質磁性シートまたは軟質磁性シートの少なくとも一方にICタグが設置されていることを特徴とするRFIDが利用可能なディスプレイ。
  6. 少なくとも基材および硬質磁性体を含有する磁性材料含有層とを有する磁着手段と、
    少なくとも基材および軟質磁性体を含有する磁性材料含有層とを有する被磁着手段とが組み合わせて使用されるディスプレイ方法であって、
    該磁着手段または該被磁着手段の少なくとも一方に電子情報保持手段が設置され、
    電子機器と該電子情報保持手段との間で電子情報のやり取りが成されることを特徴とするディスプレイ方法。
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