JP4566707B2 - 非接触型データ受送信体 - Google Patents
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ICラベルから発信された信号は、情報読取/書込装置のアンテナで受信され、コントローラーを介してデータ処理装置へ送られ、識別等のデータ処理が行われる。
寺浦信之監修、「RFタグの開発と応用−無線ICチップの未来−」、初版、シーエムシー出版、2003年2月28日、p121、図2
また、本発明の非接触型データ受送信体は、ベース基材の一方の面に設けられたアンテナおよび/またはICチップを覆うように磁性体層が配され、磁性体層の前記アンテナおよび/またはICチップと接する面とは反対の面に常磁性体層が配され、常磁性体層の磁性体層と接する面とは反対の面に強磁性体層が配されているから、粘着剤を用いることなく、金属製の物品に繰り返し貼付することができるとともに、金属製の物品に接した場合でも、磁束が磁性体層を通ってアンテナに捕捉されるため、アンテナにICチップを作動させるのに十分な誘導起電力を発生させることができる。
また、磁性体層と強磁性体層の間に常磁性体層が配されているから、時間の経過に伴って、強磁性体層により磁性体層が自発磁化を備える現象が生じることを防止することができる。したがって、本発明の非接触型データ受送信体は、どのような金属製の物品に貼付しても、周波数が変わることのなく、安定したRFID機能を有するものとなる。
図1は、本発明に係る非接触型データ受送信体の第一の実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体10は、ベース基材11と、その一方の面11aに設けられ、互いに接続されたアンテナ12およびICチップ13とからなるインレット14と、ベース基材11の他方の面11bに配された磁性体層15と、磁性体層15のベース基材11と接する面とは反対の面(以下、「一方の面」という。)15aに配された磁化しない常磁性体層16と、常磁性体層16の磁性体層15と接する面とは反対の面(以下、「一方の面」という。)16aに配された自発磁化を備えた強磁性体層(以下、「強磁性体層」と略す。)17とから概略構成されている。また、磁性体層15は、少なくとも磁性微粒子からなるフィラーを樹脂に含有してなる複合体から構成されている。
なお、非接触型データ受送信体10では、アンテナ12とICチップ13がベース基材11の同一面(一方の面11a)上に設けられているが、本発明の非接触型データ受送信体では、アンテナの一部をなす接続ブリッジが、アンテナの主要部が設けられている面とは反対の面(上記の他方の面11b)に設けられていてもよい。
さらに、非接触型データ受送信体10において、強磁性体層17の一方の面17aが、金属製の物品に対する貼着面をなしている。
可撓性付与剤としては、例えば、ポリエステル系可撓性付与剤、アクリル系可撓性付与剤、ウレタン系可撓性付与剤、ポリ酢酸ビニル系可撓性付与剤、熱可塑性エラストマー系可撓性付与剤、天然ゴム系可撓性付与剤、合成ゴム系可撓性付与剤およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
この複合体は、必要に応じて、添加剤や溶媒を含んだ塗料の形態で、塗布・乾燥といったプロセスで、磁性微粒子が均一に分散されて使用される。
強磁性体層17は、必要に応じて、磁性体層15を塗布・乾燥といったプロセスで形成した後、磁場をかけながら、上記の磁石の粉末を各種樹脂に混合し、添加剤や溶媒を含んだ塗料の形態で、塗布・乾燥といったプロセスで形成される。このようなプロセスにより、形成された強磁性体層17は自発磁化を備える。
非接触型データ受送信体10の強磁性体層17では、例えば、磁束の向きが、ベース基材11、磁性体層15、常磁性体層16および強磁性体層17が積み重ねられている方向と垂直な方向(図2に示す実線の矢印の方向)に常に一定となっている。
そこで、金属物品20の一方の面20aに貼付した非接触型データ受送信体10に、情報読取/書込装置30を近付けると、報読取/書込装置30から発せれた磁束は、図2に示す破線の矢印の向きをなして、アンテナ12に捕捉される。すなわち、常磁性体層16の存在により、報読取/書込装置30から発せれた磁束は強磁性体層17に引き寄せられることがなく、磁性体層15を通ってアンテナ12に捕捉される。したがって、非接触型データ受送信体10の全域において、報読取/書込装置30から発せれた磁束が磁性体層15を通ってアンテナ12に捕捉されるため、アンテナ12にICチップ13を作動させるのに十分な誘導起電力を発生させることができる。
次に、図1を参照して、この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法について説明する。
まず、ベース基材11の一方の面11aに、所定の厚み、所定のパターンをなすアンテナ12を設ける。
ベース基材11の一方の面11aの全面に導電性箔を貼り合わせた後、シルクスクリーン印刷法により、この導電性箔に耐エッチング塗料を所定のパターンに印刷する。この耐エッチング塗料を乾燥・固化させた後、エッチング液に浸して、耐エッチング塗料が塗布されていない銅箔を溶解除去し、耐エッチング塗料が塗布された銅箔部分をベース基材11の一方の面11aに残存させることにより、所定のパターンをなすアンテナ12を形成する。
また、残留磁化が残らない程度(自発磁化を備えない程度)に調整して磁場をかけながら、塗布・乾燥といったプロセスにより磁性体層15を形成してもよい。この際、磁束の偏りを緩和しつつ透磁率を高めることができる。
図3は、本発明に係る非接触型データ受送信体の第二の実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体40は、ベース基材41と、その一方の面41aに設けられ、互いに接続されたアンテナ42およびICチップ43とからなるインレット44と、これらアンテナ42およびICチップ43を覆うように配された磁性体層45と、磁性体層45のベース基材41と接する面とは反対の面(以下、「一方の面」という。)45aに配された常磁性体層46と、常磁性体層46の磁性体層45と接する面とは反対の面(以下、「一方の面」という。)46aに配された強磁性体層47とから概略構成されている。また、磁性体層45は、少なくとも磁性微粒子からなるフィラーを樹脂に含有してなる複合体から構成されている。
なお、非接触型データ受送信体40では、アンテナ42とICチップ43がベース基材41の同一面(一方の面41a)上に設けられているが、本発明の非接触型データ受送信体では、アンテナの一部をなす接続ブリッジが、アンテナの主要部が設けられている面とは反対の面(上記の一方の面41aとは反対の面)に設けられていてもよい。
また、コイル状に設けられたアンテナ42の間には、磁性体層45をなす複合体が充填されるように配されており、この複合体をなす磁性微粒子の全部または一部がアンテナ42の間に配されている。
アンテナ42をなす材料としては、上記のアンテナ12をなすポリマー型導電インクまたは導電性箔が挙げられる。
ICチップ43としては、上記のICチップ13と同様のものが挙げられる。
常磁性層46をなす磁化しない常磁性体としては、上記の強磁性体層16をなす磁化しない常磁性体と同様のものが挙げられる。
強磁性体層47をなす自発磁化を備えた強磁性体としては、上記の強磁性体層17をなす自発磁化を備えた強磁性体と同様のものが挙げられる。
図4は、本発明に係る非接触型データ受送信体の第三の実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体50は、ベース基材51と、その一方の面51aに設けられ、互いに接続されたアンテ52およびICチップ53とからなるインレット54と、これらアンテナ52およびICチップ53を覆うように配された樹脂などからなる中間層58と、中間層58のベース基材51と接する面とは反対の面(以下、「一方の面」という。)58aに配された磁性体層55と、磁性体層55の中間層58と接する面とは反対の面(以下、「一方の面」という。)55aに配された常磁性体層56と、常磁性体層56の磁性体層55と接する面とは反対の面(以下、「一方の面」という。)56aに配された強磁性体層57とから概略構成されている。また、磁性体層55は、少なくとも磁性微粒子からなるフィラーを樹脂に含有してなる複合体から構成されている。
なお、非接触型データ受送信体50では、アンテナ52とICチップ53がベース基材51の同一面(一方の面51a)上に設けられているが、本発明の非接触型データ受送信体では、アンテナの一部をなす接続ブリッジが、アンテナの主要部が設けられている面とは反対の面(上記の一方の面51aとは反対の面)に設けられていてもよい。
さらに、非接触型データ受送信体50において、強磁性体層57の一方の面57aが、金属製の物品に対する貼着面をなしている。
アンテナ52をなす材料としては、上記のアンテナ12をなすポリマー型導電インクまたは導電性箔が挙げられる。
ICチップ53としては、上記のICチップ13と同様のものが挙げられる。
常磁性層56をなす磁化しない常磁性体としては、上記の強磁性体層16をなす磁化しない常磁性体と同様のものが挙げられる。
強磁性体層57をなす自発磁化を備えた強磁性体としては、上記の強磁性体層17をなす自発磁化を備えた強磁性体と同様のものが挙げられる。
図5は、本発明に係る非接触型データ受送信体の第四の実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体60は、ベース基材61と、その一方の面61aに設けられ、互いに接続されたアンテ62およびICチップ63とからなるインレット64と、これらアンテナ62およびICチップ63を覆うように配された樹脂などからなる第一の中間層68と、第一の中間層68のベース基材61と接する面とは反対の面(以下、「一方の面」という。)68aに配された磁性体層65と、磁性体層65の第一の中間層68と接する面とは反対の面(以下、「一方の面」という。)65aに配され、単位層69A,69B,69Cからなる第二の中間層69と、第二の中間層69の磁性体層65と接する面とは反対の面(以下、「一方の面」という。)69aに配された常磁性体層66と、常磁性体層66の第二の中間層69と接する面とは反対の面(以下、「一方の面」という。)66aに配された強磁性体層67とから概略構成されている。また、磁性体層65は、少なくとも磁性微粒子からなるフィラーを樹脂に含有してなる複合体から構成されている。
なお、非接触型データ受送信体60では、アンテナ62とICチップ63がベース基材61の同一面(一方の面61a)上に設けられているが、本発明の非接触型データ受送信体では、アンテナの一部をなす接続ブリッジが、アンテナの主要部が設けられている面とは反対の面(上記の一方の面61aとは反対の面)に設けられていてもよい。
さらに、非接触型データ受送信体60において、強磁性体層66の一方の面66aが、金属製の物品に対する貼着面をなしている。
アンテナ62をなす材料としては、上記のアンテナ12をなすポリマー型導電インクまたは導電性箔が挙げられる。
ICチップ63としては、上記のICチップ13と同様のものが挙げられる。
常磁性層66をなす磁化しない常磁性体としては、上記の強磁性体層16をなす磁化しない常磁性体と同様のものが挙げられる。
強磁性体層67をなす自発磁化を備えた強磁性体としては、上記の強磁性体層17をなす自発磁化を備えた強磁性体と同様のものが挙げられる。
Claims (2)
- ベース基材とその一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとからなるインレットと、前記ベース基材の他方の面に配された磁性体層と、該磁性体層の前記ベース基材と接する面とは反対の面に配された磁化しない常磁性体層と、該常磁性体層の前記磁性体層と接する面とは反対の面に配された自発磁化を備えた強磁性体層と、を備えてなることを特徴とする非接触型データ受送信体。
- ベース基材とその一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとからなるインレットと、前記インレットを構成するアンテナおよび/またはICチップを覆うように配された磁性体層と、該磁性体層の前記アンテナおよび/またはICチップと接する面とは反対の面に配された磁化しない常磁性体層と、該常磁性体層の前記磁性体層と接する面とは反対の面に配された自発磁化を備えた強磁性体層と、を備えてなることを特徴とする非接触型データ受送信体。
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