JP3309855B1 - 磁気吸着シートの着磁方法および着磁装置 - Google Patents

磁気吸着シートの着磁方法および着磁装置

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JP3309855B1
JP3309855B1 JP2001256774A JP2001256774A JP3309855B1 JP 3309855 B1 JP3309855 B1 JP 3309855B1 JP 2001256774 A JP2001256774 A JP 2001256774A JP 2001256774 A JP2001256774 A JP 2001256774A JP 3309855 B1 JP3309855 B1 JP 3309855B1
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Abstract

【要約】 【課題】消費電力が少なく、特に長尺状の磁気吸着シー
トに高速で多極着磁を行うことができる磁気吸着シート
の着磁方法および着磁装置を提供する。 【解決手段】平板状で、平板面に対して平行方向に着磁
された複数の平板状永久磁石32と、平板状永久磁石3
2が互いに異極面を対向させて積層され、異極が交互に
一列に配列した面を表面に有する複合永久磁石31と、
長尺状で、長手方向に磁化容易軸が配向された磁気吸着
シート6を、長手方向に移動させるシート走行手段7、
8と、平板状永久磁石32の積層方向と磁化容易軸方向
とが平行となり、複合永久磁石31の表面が磁気吸着シ
ート6と対向するように、複合永久磁石31を保持する
保持手段と、磁化容易軸と直交する方向に、複合永久磁
石31と磁気吸着シート6を相対的に移動させる移動手
段とを有する着磁装置、およびそれを用いた着磁方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気吸着シートが
鉄板等の軟質磁性体に磁力で吸着するように、磁気吸着
シートに多極着磁を行う方法およびそれに用いる着磁装
置に関し、特に、ロール状に巻かれた長尺状の磁気吸着
シートに効率的に多極着磁を行うことができる着磁方法
および着磁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気吸着シートは、押出成型法ま
たはカレンダー成型法により硬質磁性粉末を含む可撓性
シートを成型した後、コンデンサー式着磁機を用いて着
磁する方法によって生産されている(特開昭58−17
8508号公報および特開昭61−7609号公報参
照)。
【0003】押出成型法またはカレンダー成型法によれ
ば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等
の硬質磁性粉末と、ゴムまたはプラスチック等の結合剤
樹脂との混練物から、例えば厚さ0.1〜0.5mmの
可撓性シートが得られる。また、着磁においては、可撓
性シートに平板状多極型着磁ヨークを密着させ、コンデ
ンサー式着磁電源を用いてヨークに大電流を流す。これ
により、シートの片面もしくは両面にNおよびS極が周
期的に並べられる。
【0004】しかしながら、コンデンサー式着磁機で多
極着磁を行う場合には、磁気吸着シートの面積が大きく
なるほど大規模な着磁設備が必要になり、設備コストが
非常に高くなる。また、着磁の際に大電流を流すため、
漏電や感電等の危険がある。さらに、放電により着磁を
行った後、充電時間が必要であることから、連続生産で
きず、生産性が悪い。以上のようにコンデンサー式着磁
機を用いる着磁方法は、ランニングコストが高いという
欠点がある。
【0005】このような問題を解決できる着磁方法とし
て、特開2001−68337号公報には、平板状永久
磁石を一列に配列して複合永久磁石とし、これを、可撓
性硬質磁性シート面上で、可撓性硬質磁性シートと相対
的に移動させることを特徴とする着磁方法が開示されて
いる。
【0006】この着磁方法には、複合永久磁石として例
えば、図20に示すようなロール状複合永久磁石41が
用いられる。ロール状複合永久磁石41は、複数のリン
グ状永久磁石42を円筒形の固定軸43に通し、固定軸
43の両端からリング状永久磁石42をナット44等で
固定したものである。
【0007】図21は図20の拡大図である。図21に
示すように、リング状永久磁石42は平板状永久磁石で
あり、各面がそれぞれS極とN極になっている。すなわ
ち、リング状永久磁石42は平板面に対して垂直方向に
着磁されている。このようなリング状永久磁石42が、
互いに同極面を対向させて一列に配列されている。
【0008】図20の矢印Aで示す方向に、一つのロー
ル状複合永久磁石41と可撓性硬質磁性シート45とを
近接または接触させた状態で相対的に移動させることに
より、可撓性硬質磁性シート45の着磁が行われる。外
周が円形の平板状永久磁石を用いることにより、ロール
状複合永久磁石41と可撓性硬質磁性シート45を接触
させながら相対的に移動させ、容易に着磁できることが
記載されている。
【0009】なお、上記の特開2001−68337号
公報の実施例においては、押出成型により形成された可
撓性硬質磁性シートに着磁が行われているが、磁化容易
軸の方向や着磁の方向は記載されていない。一方、上記
の特開2001−68337号公報には、複数の複合永
久磁石を用いることや、それらをシートの両面側に配置
して着磁を行うことは記載されていない。
【0010】磁気吸着シートとしては、上記のような押
出成型等によって製造される、シート面に対して垂直方
向に着磁された磁気吸着シート以外に、シート面に対し
て平行方向(面内方向)に着磁された磁気吸着シートも
知られている。特開2001−76920号公報には、
磁性粉末を含む磁性塗料を支持体上に塗布し、磁性粉末
の磁化容易軸を支持体面に平行な方向に配向させた後、
配向方向と同一方向に多極着磁した可撓性磁石シートが
開示されている。この可撓性磁石シートは、前述したよ
うな多極型着磁ヨークとコンデンサー式着磁電源を用い
る、消費電力の大きい着磁方法によって多極着磁されて
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来、
着磁に大電流を必要としない着磁装置であって、特にシ
ート面に平行方向に多極着磁を行うのに適した着磁装置
は提案されていない。特開2001−76920号公報
に記載されているように、コンデンサー式着磁機を用い
てシート面に平行方向に多極着磁を行うと、前述したよ
うに、磁気吸着シートの面積が大きくなるほど大規模な
着磁設備が必要となる。
【0012】したがって、例えばA0版、A1版、B0
版、B1版といった大判の磁気吸着シートを形成し、多
極着磁を行おうとした場合には、設備コストが非常に高
くなる。また、着磁の際に大電流を流すため、漏電や感
電等の危険がある。さらに、1回の着磁を行った後、所
定の充電時間が必要であり、連続的に着磁できない。し
たがって、生産性が悪く、ランニングコストが高い。
【0013】上記以外に、コンデンサー式着磁機によれ
ば、着磁ピッチ幅を狭くできないという問題もある。磁
気吸着シートの磁気吸着力を高める方法に、着磁ピッチ
幅を狭くする方法があるが、コンデンサー式着磁機の場
合は、瞬間的に大電流を流すため、ピッチ幅を狭くする
と電極間で放電が起こってしまう。したがって、着磁強
度にも限界がある。
【0014】一方、特開2001−68337号公報に
記載されている複合永久磁石(例えばロール状複合永久
磁石)は、作製が難しいという欠点をもつ。図20およ
び図21に示すように、複数の平板状永久磁石(リング
状永久磁石)42は、互いに同極面が対向するように積
層される。したがって、隣接するリング状永久磁石42
間ですべて斥力が働く。これらの斥力の和よりも大きい
力を両端のリング状永久磁石42に加え、リング状永久
磁石間を圧着する必要がある。
【0015】ナット44等の留め具を用いて、固定軸4
3にリング状永久磁石42を固定した後も、隣接するリ
ング状永久磁石間には斥力が働く。したがって、時間の
経過に伴い、留め具等に緩みが生じ、最終的にロール状
複合永久磁石41が崩壊する可能性もある。
【0016】特開2001−68337号公報には、積
層された平板状永久磁石が安定に固定される限り、必ず
しも固定軸43を用いる必要はなく、例えば接着剤を用
いて平板状永久磁石を積層させてもよいことが記載され
ている。しかしながら、このような場合にも、隣接する
平板状永久磁石間に働く斥力を十分に打ち消す力が要求
される。
【0017】特開2001−68337号公報記載の複
合永久磁石において、平板状永久磁石を薄くすることに
より、着磁ピッチ幅は狭くなる。平板状永久磁石は平板
面に対して垂直方向に着磁されているため、平板状永久
磁石の磁極間距離は平板状永久磁石の厚さに等しい。し
たがって、着磁ピッチ幅を狭くする目的で、平板状永久
磁石を薄くすると、磁極間距離が短くなり、漏れ磁束密
度が小さくなる。
【0018】また、特開2001−68337号公報に
は、大判かつ長尺状の磁気吸着シートの着磁に適した着
磁装置の構成については、特に記載されていない。近
年、A0版等の大判の印刷が可能な大判プリンターの需
要が増大している。現在、市販されている大判プリンタ
ーでは、すべてロール紙が用いられている。
【0019】したがって、大判の磁気吸着シートに大判
プリンターで印刷を行うためには、ロール状に巻き取ら
れた磁気吸着シートを流通させたり、プリンターに収納
したりする必要がある。長尺状の磁気吸着シートの場
合、予め所定の大きさに裁断された磁気吸着シートの場
合とは異なる連続処理により、効率的に多極着磁を行う
ことができると考えられる。
【0020】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、したがって本発明は、消費電力が少なく、特
に長尺状の磁気吸着シートに高速で多極着磁を行うこと
ができる磁気吸着シートの着磁方法および着磁装置を提
供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の磁気吸着シートの着磁方法は、長尺状の磁
気吸着シートの少なくとも一方の面に複合永久磁石の表
面を対向させ、前記磁気吸着シートに多極着磁を行う方
法であって、前記磁気吸着シートは、磁化容易軸が予め
シート長手方向に配向された磁気吸着シートであり、前
記複合永久磁石は複数の平板状永久磁石が互いに異極面
を対向させて積層された複合永久磁石であり、前記平板
状永久磁石は平板面に対して平行方向に着磁された平板
状永久磁石であり、前記表面は異極が交互に一列に配列
した一端面であり、前記複合永久磁石を、前記平板状永
久磁石の積層方向が前記磁化容易軸の方向と一致するよ
うに配置する工程と、前記複合永久磁石と前記磁気吸着
シートとの間隔を所定の値以下として、前記磁気吸着シ
ートに、シート面に対して平行方向に多極着磁を行う工
程と、前記間隔を前記所定の値より大きくして、前記磁
気吸着シートをシート長手方向に移動させ、前記表面と
前記磁気吸着シートの未着磁部分とを対向させる工程
と、前記多極着磁と前記磁気吸着シートの前記移動とを
繰り返す工程とを有することを特徴とする。
【0022】本発明の磁気吸着シートの着磁方法は、好
適には、他の一つの前記複合永久磁石を、前記複合永久
磁石と同極が対向するように、前記磁気吸着シートの他
方の面に配置して、前記着磁を行う。
【0023】本発明の磁気吸着シートの着磁方法は、好
適には、可撓性を有する前記磁気吸着シートを、ロール
状に巻かれた状態から送り出し、前記着磁を行う工程
と、着磁された前記磁気吸着シートを再びロール状に巻
き取る工程とをさらに有し、前記着磁を行う間、前記ロ
ールの回転を停止し、前記磁気吸着シートを移動させる
間、前記ロールを回転させる。
【0024】上記の目的を達成するため、本発明の磁気
吸着シートの着磁方法は、長尺状の磁気吸着シートの少
なくとも一方の面に複合永久磁石の表面を対向させ、前
記磁気吸着シートに多極着磁を行う方法であって、前記
磁気吸着シートは、磁化容易軸が予めシート長手方向に
配向された磁気吸着シートであり、前記複合永久磁石は
複数の平板状永久磁石が互いに異極面を対向させて積層
された複合永久磁石であり、前記平板状永久磁石は平板
面に対して平行方向に着磁された平板状永久磁石であ
り、前記表面は異極が交互に一列に配列した一端面であ
り、前記複合永久磁石を、前記平板状永久磁石の積層方
向が前記磁化容易軸の方向と一致するように配置する工
程と、前記複合永久磁石と前記磁気吸着シートとの間隔
を所定の値以下として、前記磁化容易軸に直交する方向
に前記複合永久磁石と前記磁気吸着シートを相対的に移
動させながら、前記磁気吸着シートに、シート面に対し
て平行方向に多極着磁を行う工程と、前記磁気吸着シー
トをシート長手方向に移動させる工程と、前記多極着磁
と前記磁気吸着シートのシート長手方向への移動とを繰
り返す工程とを有することを特徴とする。
【0025】本発明の磁気吸着シートの着磁方法は、好
適には、他の一つの前記複合永久磁石を、前記複合永久
磁石と同極が対向するように、前記磁気吸着シートの他
方の面に配置して、前記着磁を行う。本発明の磁気吸着
シートの着磁方法は、好適には、可撓性を有する前記磁
気吸着シートを、ロール状に巻かれた状態から送り出
し、前記着磁を行う工程と、着磁された前記磁気吸着シ
ートを再びロール状に巻き取る工程とをさらに有し、前
記着磁を行う間、前記ロールの回転を停止し、前記磁気
吸着シートをシート長手方向に移動させる間、前記ロー
ルを回転させる。
【0026】これにより、消費電力の大きいコンデンサ
ー式着磁機等を用いずに、磁気吸着シートに着磁を行う
ことが可能となる。したがって、着磁処理の消費電力が
低減され、磁気吸着シートの製造コストを削減できる。
また、コンデンサー式着磁機を用いる場合のような充電
時間も不要であり、着磁を連続的に行うことが可能とな
る。したがって、着磁処理が高速化される。
【0027】さらに、上記の目的を達成するため、本発
明の磁気吸着シートの着磁装置は、平板状で、かつ平板
面に対して平行方向に着磁された複数の平板状永久磁石
と、前記平板状永久磁石が互いに異極面を対向させて積
層された少なくとも一つの複合永久磁石であって、異極
が交互に一列に配列した面を表面に有する前記複合永久
磁石と、長尺状で、かつシート長手方向に磁化容易軸が
配向された磁気吸着シートを、前記シート長手方向に移
動させるシート走行手段と、前記平板状永久磁石の積層
方向と前記磁化容易軸方向とが平行となり、かつ前記複
合永久磁石の表面が前記磁気吸着シートの一方の面と対
向するように、前記複合永久磁石を保持する第1の保持
手段と、前記複合永久磁石と前記磁気吸着シートとの間
隔を変化させる第1の間隔調整手段とを有し、前記磁気
吸着シートに、シート面に対して平行方向に多極着磁を
行うことを特徴とする。
【0028】本発明の磁気吸着シートの着磁装置は、好
適には、他の一つの前記複合永久磁石を、前記複合永久
磁石と同極が対向するように、前記磁気吸着シートの他
方の面側に保持する第2の保持手段と、前記第2の保持
手段に保持された前記複合永久磁石と前記磁気吸着シー
トとの間隔を変化させる第2の間隔調整手段とをさらに
有する。
【0029】好適には、前記シート走行手段は、可撓性
を有する前記磁気吸着シートを、ロール状に巻かれた状
態から送り出すシート供給手段と、前記複合永久磁石に
より着磁された前記磁気吸着シートを、再びロール状に
巻き取るシート回収手段とを含む。
【0030】上記の目的を達成するため、本発明の磁気
吸着シートの着磁装置は、平板状で、かつ平板面に対し
て平行方向に着磁された複数の平板状永久磁石と、前記
平板状永久磁石が互いに異極面を対向させて積層された
少なくとも一つの複合永久磁石であって、異極が交互に
一列に配列した面を表面に有する前記複合永久磁石と、
長尺状で、かつシート長手方向に磁化容易軸が配向され
た磁気吸着シートを、前記シート長手方向に移動させる
シート走行手段と、前記平板状永久磁石の積層方向と前
記磁化容易軸方向とが平行となり、かつ前記複合永久磁
石の表面が前記磁気吸着シートの一方の面と対向するよ
うに、前記複合永久磁石を保持する第1の保持手段と、
前記積層方向と前記磁化容易軸方向とを平行にしたま
ま、前記磁化容易軸と直交する方向に、前記複合永久磁
石と前記磁気吸着シートを相対的に移動させる第1の移
動手段とを有し、前記磁気吸着シートに、シート面に対
して平行方向に多極着磁を行うことを特徴とする。
【0031】本発明の磁気吸着シートの着磁装置は、好
適には、他の一つの前記複合永久磁石を、前記複合永久
磁石と同極が対向するように、前記磁気吸着シートの他
方の面側に保持する第2の保持手段と、前記第2の保持
手段に保持された前記複合永久磁石を、前記磁化容易軸
と直交する方向に、前記第1の保持手段に保持された前
記複合永久磁石と同期させて移動させる第2の移動手段
とをさらに有する。
【0032】好適には、前記シート走行手段は、可撓性
を有する前記磁気吸着シートを、ロール状に巻かれた状
態から送り出すシート供給手段と、前記複合永久磁石に
より着磁された前記磁気吸着シートを、再びロール状に
巻き取るシート回収手段とを含む。
【0033】これにより、従来の着磁装置用の複合永久
磁石の組み立てが容易となる。また、組み立てられた複
合永久磁石の内部で、積層された平板状永久磁石間に斥
力が働かないため、複合永久磁石の崩壊等が防止され
る。本発明の着磁装置を用いる場合、着磁ピッチ幅を狭
くしても、コンデンサー式着磁機を用いる場合のような
電極間の放電は起こらない。また、着磁ピッチ幅を狭く
しても、従来の複合永久磁石を用いる場合のように、磁
極間距離は短くならず、漏れ磁束密度が小さくならな
い。したがって、着磁ピッチ幅を狭くして、磁気吸着シ
ートの磁気吸着力を大きくすることも可能である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の磁気吸着シート
の着磁方法および着磁装置の実施の形態について、図面
を参照して説明する。 (実施形態1)図1は、本実施形態の磁気吸着シートの
着磁装置を構成する複合永久磁石の斜視図である。図2
は、図1の複合永久磁石1のZ軸方向から見た上面図で
ある。図3は、図1の複合永久磁石1のX軸方向から見
た側面図である。図4は、図1の複合永久磁石1のY軸
方向から見た側面図である。
【0035】図1〜図4に示すように、複合永久磁石1
は複数の平板状永久磁石2が積層された構造を有する。
図4に示すように、複合永久磁石1を構成する平板状永
久磁石2は、ナット等の留め具3を用いてホルダー4内
に固定されている。ホルダー4はホルダー保持部5とし
て、例えば図2および図3に示すような孔を有する。ホ
ルダー保持部5は、ホルダー4を着磁装置のホルダー保
持部に取り付けるために用いられる。
【0036】平板状永久磁石2は、それぞれ平板面に対
して平行方向に、図1のZ軸方向に着磁されている。こ
のような平板状永久磁石2が、互いに異極面を対向させ
て積層されている。平板状永久磁石2は、それぞれ一端
を除きホルダー4に埋め込まれている。平板状永久磁石
2は、複合永久磁石1の表面でホルダー4から露出し、
複合永久磁石1の表面では、N極とS極とが交互に一列
に配列されている。
【0037】このように異極面を対向させて配列して
も、磁気的に短絡することはなく、N極およびS極の異
極面対向部位表面から各平板状永久磁石2の外側に強力
な磁力線が漏れ出る。これにより、複合永久磁石1の表
面付近に周期的な放物線型磁力線分布が形成される。こ
の周期的磁力線分布内に磁気吸着シートを配置すれば、
平板状永久磁石2の積層方向(図1のX軸方向)に多極
着磁を行うことができる。着磁の際には、平板状永久磁
石2の積層方向と磁気吸着シートの磁化容易軸方向とを
一致させる。
【0038】本実施形態の磁気吸着シートの着磁方法に
よれば、磁気吸着シートの少なくとも一方の面、好適に
は両面に、上記のような複合永久磁石1の表面を近接ま
たは接触させ、磁気吸着シートに多極着磁を行う。図5
〜図7は、本実施形態の磁気吸着シートの着磁方法を示
す概略図である。図5は、図1の複合永久磁石1と、そ
れにより着磁される磁気吸着シート6の上面図である。
図6および図7は、図5の側面図である。図6は、2つ
の複合永久磁石1を磁気吸着シート6の両面側に配置す
る場合に対応する。図7は、1つの複合永久磁石1を磁
気吸着シート6の片面側に配置する場合に対応する。
【0039】図5〜図7に示すように、磁気吸着シート
6は長尺状であり、着磁される前の磁気吸着シート6は
供給リール7に巻き取られている。磁気吸着シート6の
長手方向の一端から、巻き取りリール8に磁気吸着シー
ト6を巻き取ることにより、磁気吸着シート6が供給リ
ール7から送り出され、矢印Aで示す方向に進行する。
【0040】また、図6および図7に示すように、複合
永久磁石1は、平板状永久磁石2が露出した表面側を磁
気吸着シート6に対向させて配置する。図7に示すよう
に、磁気吸着シート6の片面側のみに複合永久磁石1を
配置しても、磁気吸着シート6の着磁は可能である。し
かしながら、磁力線の密度を大きくして、強力に着磁す
るためには、図6に示すように、一対の複合永久磁石1
を同極が対向するように、磁気吸着シート6の両面側に
配置することが望ましい。
【0041】図6に示す着磁方法の場合、磁気吸着シー
ト6を介して対向する複合永久磁石1を矢印Bの方向に
移動させ、複合永久磁石1の間隔を狭めることにより、
磁気吸着シート6に着磁が行われる。このとき、図1に
示すホルダー支持部5に、例えば固定軸5aを、複合永
久磁石1に対して可動な状態で通してもよい。これによ
り、一対の複合永久磁石1を同極が対向したまま、矢印
Bの方向に往復させることができる。
【0042】図7に示す着磁方法の場合、複合永久磁石
1と磁気吸着シート6との間隔を狭めることにより、磁
気吸着シート6に着磁が行われる。したがって、複合永
久磁石1と磁気吸着シート6の少なくとも一方を移動さ
せればよいが、通常、複合永久磁石1を矢印Bの方向に
移動させるのが容易である。
【0043】いずれの場合も、平板状永久磁石2の積層
された厚さ(図2の着磁幅W1 )が、1回に着磁できる
磁気吸着シート6の長さとなる。磁気吸着シート6は平
板状永久磁石2の積層方向に着磁されるため、着磁を行
う前に、磁化容易軸を磁気吸着シートの進行方向(矢印
A)と一致するように配向させておく。また、着磁を行
う間、磁気吸着シート6の進行は停止させる。
【0044】図6および図7に示す着磁方法において、
磁気吸着シート6に複合永久磁石1を近接または接触さ
せて着磁を行った後、複合永久磁石1を元の位置に戻
す。この間に、磁気吸着シート6を図2の着磁幅W1
相当する長さ分だけ進行させ、再び磁気吸着シート6を
停止させる。その後、同様に複合永久磁石1の間隔ある
いは複合永久磁石1と磁気吸着シート6との間隔を狭
め、着磁を行う。このような着磁を繰り返すことによ
り、長尺状の着磁された磁気吸着シート6が得られる。
【0045】以上のように、本実施形態の着磁装置に
は、長尺状の磁気吸着シート6を間欠的に進行させるこ
とができる機構と、磁気吸着シート6の進行および停止
と同期するように、複合永久磁石1を上下動させること
ができる機構を設ければよい。また、必要に応じて、供
給リール7または巻き取りリール8と複合永久磁石1と
の間に、磁気吸着シート6の走行を容易とするためのガ
イドロールを設ける等、適宜変更が可能である。
【0046】図8は、図6の一部を拡大した図であり、
多極着磁の模式図である。図8に示すように、一対の複
合永久磁石1が磁気吸着シート6の両面側に、同極が対
向するように配置されている。各平板状永久磁石2の外
側に磁力線9が漏れ出て、複合永久磁石1の表面付近に
周期的な磁力線分布が形成される。これにより、磁気吸
着シート6がシート面に平行に(面内方向に)着磁され
る。
【0047】なお、上記の本実施形態によれば、磁気吸
着シート6の進行方向と磁化容易軸が一致するように配
向された長尺状の磁気吸着シート6に、特に好適に着磁
を行うことができる。磁気吸着シート6は、強磁性粉末
を含有する磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、乾燥さ
せて形成される。磁性塗料が乾燥する前の磁気吸着シー
ト6に、磁気吸着シート6の進行方向と平行な磁束の磁
界を印加すれば、強磁性粉末の磁化容易軸をシート面に
対して平行方向に連続的に配向させることができる。
【0048】例えば、図9に示すように、一対のソレノ
イドコイル10a、10bを磁気吸着シート6の両面側
に配置して、磁力線11で示すような磁界を発生させ
る。ソレノイドコイル10a、10bにより、磁気吸着
シート6の進行方向に磁束が発生する。非磁性支持体1
2上に磁性塗料の塗膜13が形成された磁気吸着シート
6は、この空間を通過する。これにより、塗膜13中の
強磁性粉末が磁気吸着シート6の長手方向に連続的に配
向する。
【0049】以上のように、長尺状の磁気吸着シート6
は、連続的な処理によって磁化容易軸をシートの長手方
向に容易に配向させることができる。本実施形態の着磁
方法および着磁装置によれば、磁気吸着シート6の進行
方向に着磁が行われるため、長手方向に磁化容易軸を有
する長尺状の磁気吸着シート6に対し、効率的かつ容易
に着磁が行われる。
【0050】次に、上記の複合永久磁石1の構成につい
て、詳細に説明する。複合永久磁石1を構成する平板状
永久磁石2は、強磁性材料を鋳造または焼結等で成形し
たものである。強磁性材料としては、最大エネルギー積
の大きい従来公知の強磁性材料が用いられる。
【0051】具体的には、バリウムフェライト(BaO
・6Fe23 )、ストロンチウムフェライト(SrO
・6Fe23 )、サマリウムコバルト(Sm−Co)
系、サマリウム鉄窒素(Sm−Fe−N)系、ネオジウ
ム鉄ボロン(Nd−Fe−B)系材料等が挙げられる。
中でも、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、Sm−Fe
−N系の希土類系磁石材料が特に好ましい。
【0052】平板状永久磁石2の残留磁束密度は、磁気
吸着シートを着磁し得る値であれば特に限定されない
が、複数の平板状永久磁石2を積層して複合永久磁石1
を構成したとき、平板状永久磁石2の異極面対向各部位
表面において、着磁しようとする磁気吸着シートの保磁
力の2倍以上となる外部磁界を形成する最大表面磁束密
度を有していることが好ましい。
【0053】り大きい表面磁束密度を得る目的で、複
合永久磁石1の裏面側(磁気吸着シート6に面しない
側)に、鉄板等の軟磁性材料からなるバックヨークを設
けてもよい
【0054】平板状永久磁石2の形状については特に限
定はないが、同一形状であることが好ましい。平板状永
久磁石2が同一形状であれば、これらを積層したとき、
複合永久磁石1の表面が容易に平坦となり、平板状永久
磁石2のホルダー4への組み込みが容易となる。
【0055】平板状永久磁石2の厚さは、自身の残留磁
束密度、着磁する磁気吸着シートの抗磁力や厚さ、着磁
ピッチ幅等から適宜決められるが、着磁された磁気吸着
シートの磁気吸着力を実用範囲とするためには、0.5
mm〜5mm程度とすることが好ましい。
【0056】平板状永久磁石2を積層して複合永久磁石
1とするとき、本実施形態によれば、平板面に対して平
行方向に着磁された平板状永久磁石2を、互いに異極面
を対向させて積層する。したがって、隣接する平板状永
久磁石間には磁気吸引力が働くため、外力を加えなくて
も、平板状永久磁石2は安定に積層される。また、平板
状永久磁石2が同一形状であれば、平板状永久磁石2の
位置合わせ等を行わなくても、磁気吸引力によって平板
状永久磁石2の端面は一致する。これにより、複合永久
磁石1の表面が容易に平坦となる。
【0057】特開2001−68337号公報に記載さ
れた従来の複合永久磁石によれば、平板面に対して垂直
方向に着磁された平板状永久磁石を、互いに同極面を対
向させて積層する。したがって、平板状永久磁石間の斥
力を抑える外力を加え、複合永久磁石1を組み立てる必
要がある。
【0058】以上のように、本実施形態の複合永久磁石
1は、組み立てが容易であり、積層された後の平板状永
久磁石2も、磁気吸引力によって安定に固定される。積
層された平板状永久磁石2は、ナット等の留め具3によ
ってホルダー4に安定に固定される。留め具3は両端の
平板状永久磁石2と接する。留め具3にかかる負荷は、
特開2001−68337号公報記載の複合永久磁石に
比較して軽減される。
【0059】さらに、本実施形態の複合永久磁石1は、
平板状永久磁石2が平板面に対して平行に着磁されてい
ることから、平板状永久磁石2の厚さのみ変化させれ
ば、磁極間距離を一定としたまま、着磁ピッチ幅を変更
できる。すなわち、着磁ピッチ幅を狭くしても、複合永
久磁石1の漏れ磁束密度は小さくならず、磁気吸着シー
トにおいて所望の磁気吸着力が得られる。
【0060】ホルダー4の材質は、金属、プラスチック
の他、複合永久磁石1を安定に固定できる強度をもつも
のであれば、種類を問わない。また、留め具3を使用せ
ず、例えば接着剤を用いて平板状永久磁石をホルダーに
固定することも可能である。平板状永久磁石2をホルダ
ー4に固定する方法は、平板状永久磁石2が安定に固定
できれば、いずれの方法でもかまわない。
【0061】上記の本実施形態において、磁気吸着シー
トの全体に着磁を行うには、平板状永久磁石2の平板面
に平行な方向における複合永久磁石1の長さ(図2の磁
石幅W2 )を、少なくとも磁気吸着シートロールの幅と
する必要がある。例えば、A0版等の大判の磁気吸着シ
ートに着磁を行うための複合永久磁石を作製する場合、
磁石幅W2 が十分に大きい平板状永久磁石2を入手でき
ないことがある。
【0062】このような場合には、図1の平板状永久磁
石2を、それぞれ複数の平板状永久磁石片が並べられた
ものに代用することもできる。図10は、この場合の複
合永久磁石21の斜視図である。図11は、図10の複
合永久磁石21のZ軸方向から見た上面図である。図1
2は、図10の複合永久磁石21のX軸方向から見た側
面図である。図10の複合永久磁石をY軸方向から見た
側面図は、図4と同様となる。
【0063】平板状永久磁石片22は、図1の平板状永
久磁石2と同様に、平板面に対して平行方向に、図10
のZ軸方向に着磁されている。このような平板状永久磁
石片22が、互いに同極面を対向させて、平板面に平行
に、図10のY軸方向に一列に配列されている。一方、
図10のX軸方向には、図1の平板状永久磁石2と同様
に、平板状永久磁石片22が互いに異極面を対向させ
て、積層されている。
【0064】このような平板状永久磁石片22が、それ
ぞれ一端を除きホルダー4に埋め込まれている。平板状
永久磁石片22は、複合永久磁石21の表面でホルダー
4から露出し、複合永久磁石21の表面では、N極とS
極とが図10のX軸方向に交互に一列に配列されてい
る。
【0065】上記のように、複数の平板状永久磁石片2
2を平板面に対して平行に並べた場合、図10のY軸方
向に隣接する平板状永久磁石片22の同極間で斥力が働
く。しかしながら、斥力は平板状永久磁石片22の端面
の間で発生するため、従来の特開2001−68337
号公報記載の複合永久磁石のように、平板状永久磁石の
平板面全体で斥力が生じる場合に比較すると、影響は小
さい。平板状永久磁石片22の端面間の斥力は、通常、
ホルダー4によって十分に抑えることができるが、必要
に応じて留め具を設けたりしてもよい。
【0066】(実施形態2)図13は、本実施形態の磁
気吸着シートの着磁装置を構成する複合永久磁石の斜視
図である。図14は、図13の複合永久磁石31のZ軸
方向から見た上面図である。図15は、図13の複合永
久磁石31のX軸方向から見た側面図である。図16
は、図13の複合永久磁石1のY軸方向から見た側面図
である。
【0067】図13〜図16に示すように、複合永久磁
石31は複数の平板状永久磁石32が積層された構造を
有する。複合永久磁石31を構成する平板状永久磁石3
2は、留め具3を用いてホルダー4内に固定されてい
る。ホルダー4には、実施形態1と同様に、ホルダー保
持部5が適宜設けられる。
【0068】平板状永久磁石32は、それぞれ平板面に
対して平行方向に、図13のZ軸方向に着磁されてい
る。平板状永久磁石32は、互いに異極面を対向させ
て、図13のY軸方向に積層されている。平板状永久磁
石32は、それぞれ一端を除きホルダー4に埋め込まれ
ている。平板状永久磁石32は、複合永久磁石31の表
面でホルダー4から露出し、複合永久磁石31の表面で
は、平板状永久磁石32の積層方向に沿って、N極とS
極とが交互に一列に配列されている。
【0069】本実施形態の複合永久磁石31において
も、実施形態1の複合永久磁石1、21と同様に、平板
状永久磁石32の異極面を対向させて配列しても、磁気
的に短絡することはない。N極およびS極の異極面対向
部位表面から各平板状永久磁石32の外側に強力な磁力
線が漏れ出る。
【0070】これにより、複合永久磁石31の表面付近
に周期的な放物線型磁力線分布が形成される。この周期
的磁力線分布内に磁気吸着シートを配置すれば、平板状
永久磁石32の積層方向(図13のY軸方向)に多極着
磁を行うことができる。着磁の際には、平板状永久磁石
32の積層方向と磁気吸着シートの磁化容易軸方向とを
一致させる。
【0071】平板状永久磁石32の材料や厚さは、実施
形態1の平板状永久磁石2と同様にできる。また、実施
形態1と同様に、より大きい表面磁束密度を得る目的
で、複合永久磁石31の裏面側(磁気吸着シートに面し
ない側)に、鉄板等の軟磁性材料からなるバックヨーク
を設けてもよい。
【0072】本実施形態の磁気吸着シートの着磁方法に
よれば、磁気吸着シートの少なくとも一方の面、好適に
は両面に、上記のような複合永久磁石31の表面を近接
させ、磁気吸着シートに多極着磁を行う。実施形態1と
同様に、一対の複合永久磁石31を同極が対向するよう
に、磁気吸着シートの両面側に配置することにより、磁
力線の密度を大きくして、強力に着磁することができ
る。但し、必要とする着磁が得られる場合は、複合永久
磁石31を対向させなくてもよい。
【0073】以下、複合永久磁石31を対向させる場合
を図示して説明するが、複合永久磁石31を磁気吸着シ
ートの片面側に配置する場合も、同様に着磁を行うこと
ができる。図17〜図19は、本実施形態の磁気吸着シ
ートの着磁方法を示す概略図である。図17は、複合永
久磁石31および磁気吸着シート6を側面から見た図で
あり、複合永久磁石31については、図13のX軸方向
から見た状態に対応する。図18および図19は、図1
7の上面図である。
【0074】図17〜図19に示すように、磁気吸着シ
ート6は長尺状であり、着磁される前の磁気吸着シート
6は供給リール7に巻き取られている。磁気吸着シート
6の長手方向の一端から、巻き取りリール8に磁気吸着
シート6を巻き取ることにより、磁気吸着シート6が供
給リール7から送り出され、矢印Aで示す方向に進行す
る。ここで、磁化容易軸は磁気吸着シート6の長手方向
に配向されているものとする。
【0075】本実施形態の着磁方法によれば、磁気吸着
シート6の面上で複合永久磁石31を、磁化容易軸に直
交するように相対的に移動させる。図18および図19
の矢印Bは、磁気吸着シート6と複合永久磁石31との
相対的な移動方向を示す。相対的移動であるから、磁気
吸着シートと複合永久磁石のいずれか一方を固定して他
方を移動させても、あるいは双方を互いに逆方向に移動
させてもよい。このとき、磁気吸着シート6の矢印A方
向への進行は、一時的に停止させる。
【0076】複合永久磁石31と磁気吸着シート6の距
離が近いほど着磁効果は上がり、密着させたときに最大
の着磁効果が得られる。本実施形態においては、複合永
久磁石31を被着磁シート6に対して相対的に移動させ
る必要上、複合永久磁石31と磁気吸着シート6を密着
させず、対向する複合永久磁石31の間隔を0.5mm
としている。
【0077】また、複合永久磁石31と着磁される磁気
吸着シート6が接触することも考えられる。このような
接触により、磁気吸着シート6の表面に擦傷が生じない
ように、複合永久磁石31の磁気吸着シート6との接触
面を予め研磨して滑らかにしておくか、あるいはこの接
触面に保護塗料を塗布しておくことが望ましい。
【0078】本実施形態の着磁方法によれば、複合永久
磁石31を、図18に示すように磁気吸着シート6の一
端から、図19に示すように磁気吸着シート6の他端ま
で矢印B方向に相対的に移動させる間に、着磁が行われ
る。したがって、平板状永久磁石32の積層された厚さ
(図14の着磁幅W1 )が、1回に着磁できる磁気吸着
シート6の長さとなる。
【0079】上記のように、複合永久磁石31を磁気吸
着シート6の一端から他端まで移動させ、着磁を行った
後、複合永久磁石31の相対的移動(矢印B方向の移
動)を停止させる。複合永久磁石31が停止している
間、磁気吸着シート6を図14の着磁幅W1 に相当する
長さ分だけ進行させ、再び磁気吸着シート6を停止させ
る。
【0080】その後、複合永久磁石31を、図19に示
す位置から図18に示す位置まで、磁気吸着シート6に
対して相対的に移動させる。これにより、図14の着磁
幅W 1 に相当する長さ分の磁気吸着シート6が、新たに
着磁される。複合永久磁石31を図18に示す位置まで
戻した後、再び、磁気吸着シート6を進行させる。この
ような着磁を繰り返すことにより、長尺状の着磁された
磁気吸着シート6が得られる。
【0081】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1)平板状の希土類永久磁石を、N極とS極が
対向するように積層し、実施形態1に示す複合永久磁石
1を作製した。
【0082】このような複合永久磁石1を、図6に示す
ように、同極が対向するように磁気吸着シートの両面側
に配置した。一対の複合永久磁石1を、同極が対向する
状態で上下に移動させ、複合永久磁石1を磁気吸着シー
ト6に近接させたときに着磁を行った。複合永久磁石1
と磁気吸着シートとの距離を大きくしている間、磁気吸
着シート6を進行させた。複合永久磁石1間の、磁気吸
着シート6の進行方向に平行な磁界の磁束密度の最大値
は6000ガウス(G)であった。
【0083】着磁される磁気吸着シート6は、以下のよ
うに作製した。まず、下記の組成成分をボールミルで混
合し、均一に分散させ、磁性塗料を調製した。磁性塗料材料 磁性粉末 Srフェライト 100重量部 結合剤 ポリエステルポリウレタン樹脂 12.5重量部 溶剤 メチルエチルケトン 66重量部
【0084】Srフェライト粉末としては平均粒径1.
2μm、飽和磁化量σS =59(emu/g)、保磁力
Hc=2800(Oe)の等方性粒子を用いた。ポリエ
ステルポリウレタン樹脂としては、数平均分子量Mn=
30000、ガラス転移点Tg=10(℃)のものを用
いた。
【0085】この塗料に硬化剤(コロネートHL)を
0.3重量部添加した後、ナイフコーターで非磁性支持
体上に塗布した。非磁性支持体としては、一方の面に印
刷受容層としてインクジェット対応受容層を有する白色
合成紙(膜厚0.08mm)を用いた。磁性塗料は印刷
受容層の裏面側に塗布した。
【0086】次に、図9に示すように、磁性塗料の塗膜
13中の強磁性粉末の磁化容易軸を、非磁性支持体12
の表面に平行に面内配向させた。ソレノイドコイル10
a、10bによる面内配向磁場4000G中を通過する
ことにより、強磁性粉末が面内配向された。
【0087】その後、磁性塗料を乾燥させ、磁性層の面
内方向角形比が89%、磁性層の厚さが0.05mm、
全厚が0.13mmである原反を得た。得られた原反
を、50℃環境中に20時間以上保存して硬化処理する
ことにより、被着磁体が得られた。上記の被着磁体を、
実施形態1に示す着磁装置によって着磁し、磁気吸着シ
ートを作製した。
【0088】(実施例2)複合永久磁石1間の磁気吸着
シート6の進行方向に平行な磁界の磁束密度の最大値が
8000Gである実施形態1の着磁装置を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして磁気吸着シートを作製し
た。
【0089】(実施例3)平板状の希土類永久磁石を、
N極とS極が対向するように積層し、実施形態2に示す
複合永久磁石31を作製した。このような複合永久磁石
31を、図17に示すように、同極が対向するように磁
気吸着シート6の両面側に平行に配置した。一対の複合
永久磁石31が、磁気吸着シート6の磁化容易軸と直交
する方向に、磁気吸着シート6に対して相対的に移動す
るような実施形態2の着磁装置を作製した。
【0090】対向する複合永久磁石31の間隔は0.5
mm未満とした。複合永久磁石間の磁化容易軸と平行な
方向の磁界の磁束密度の最大値は6000Gであった。
上記のような実施形態2の着磁装置を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして磁気吸着シートを作製した。
【0091】(実施例4)複合永久磁石間の磁化容易軸
と平行な方向の磁界の磁束密度の最大値が8000Gで
ある実施形態2の着磁装置を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして磁気吸着シートを作製した。
【0092】(実施例5)磁性粉末の保磁力Hcを35
00Oeとした以外は、実施例1と同様にして磁気吸着
シートを作製した。 (実施例6)磁性粉末の保磁力Hcを3500Oeとし
た以外は、実施例2と同様にして磁気吸着シートを作製
した。
【0093】(実施例7)磁性粉末の保磁力Hcを35
00Oeとした以外は、実施例3と同様にして磁気吸着
シートを作製した。 (実施例8)磁性粉末の保磁力Hcを3500Oeとし
た以外は、実施例4と同様にして磁気吸着シートを作製
した。
【0094】各実施例の磁気吸着シートについて、表面
磁束密度と磁気吸着力の評価を行った。表面磁束密度の
評価は、ベル社製ガウスメーター(4048型)および
トランスバース型プローブ(T−4048−001)を
使用し、磁性層の表面より零距離での垂直方向の磁束密
度の極大値を測定し、任意の5点における測定値を平均
した。
【0095】磁気吸着力の評価は、各磁気吸着シートを
100mm×100mmに切り出し、磁気吸着面の裏側
にシートと同形の樹脂板を粘着剤で貼りつけ、それを水
平に固定した0.5mm厚鋼板上に磁気吸着させて、鋼
板より垂直上方に剥離する際の最小剥離力をばね秤にて
測定し、{剥離力−(シート重量+粘着剤重量+樹脂板
重量)}/シート面積=磁気吸着力とした。評価結果を
表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】実施例1〜4、6および8の磁気吸着シー
トは、磁性粉末の保磁力Hcの2倍以上の最大磁束密度
を発生させて着磁処理を行ったため、自重の10倍以上
の磁気吸着力を示した。経験的に、磁石の磁気吸着力が
自重の3倍以上であれば、磁石を静置状態で垂直面(鉛
直面)に磁気吸着させることが可能である。しかしなが
ら、自重の3倍程度の磁気吸着力の場合、外部からの振
動、衝撃、屋内空調の風圧といった外乱により、磁気吸
着シートが剥離され易い。
【0098】実施例1〜4、6および8の磁気吸着シー
トは、自重の10倍以上の磁気吸着力を有するため、外
乱の存在する環境下においても、安定に磁気吸着した。
このように、実施例1〜4、6および8によれば、磁気
吸着力に優れた磁気吸着シートが得られ、実施形態1お
よび2の着磁装置は、いずれも着磁に適していた。
【0099】実施例5および7の磁気吸着シートは、保
磁力Hcが3500Oeである磁性粉末を使用し、着磁
装置の最大磁束密度を6000Gとして着磁処理を行っ
た。すなわち、磁性粉末の保磁力Hcの2倍以下の最大
磁束密度を発生させ、着磁処理を行った。したがって、
実施例1〜4、6および8の磁気吸着シートに比較する
と、磁気吸着力は低く、自重の9倍の磁気吸着力となっ
た。
【0100】実施例1および実施例3の結果から、磁性
粉末の保磁力Hcが3000Oe以下の磁気吸着シート
は、最大磁束密度が6000Gである着磁装置でも十分
に着磁できることがわかる。実施例6および実施例8の
結果から、最大磁束密度が8000Gの着磁装置なら
ば、保磁力Hcが3000oeを超える磁性粉末を使用
した磁気吸着シートも着磁できることがわかる。
【0101】上記の実施例と同様の効果を、例えば着磁
用コイルで得ようとするならば、複雑な着磁ヨークと、
電源装置および駆動電力を必要とする。それに対し、上
記の本発明の実施形態の磁気吸着シートの着磁方法およ
び着磁装置によれば、着磁処理を行う際の磁界の発生源
として、例えば、希土類の永久磁石の磁界を使用するこ
とができる。
【0102】したがって、着磁処理のためのエネルギー
を外部から特に取り入れる必要がなく、半永久的に着磁
を行うことができる。これにより、磁気吸着シートの製
造コストを削減できる。また、コンデンサー式着磁機を
用いる場合のような漏電の危険性も低減され、安全に着
磁を行うことができる。さらに、コンデンサー式着磁機
を用いる場合のような充電時間は不要であり、生産性を
高くできる。
【0103】コンデンサー式着磁機を用いる場合、着磁
ピッチ幅を狭くすると電極間で放電が起こり、着磁ピッ
チ幅を狭くできないという問題があったが、上記の本発
明の実施形態の磁気吸着シートの着磁方法および着磁装
置によれば、着磁ピッチ幅を狭くして、磁気吸着シート
の磁気吸着力を高めることも可能である。
【0104】本発明の磁気吸着シートの着磁方法および
着磁装置の実施形態は、上記の説明に限定されない。上
記の実施例においては、印刷受容層に印刷が施される前
の磁気吸着シートに着磁を行っているが、例えば、本発
明の着磁装置を市販のインクジェットプリンター、レー
ザービームプリンター、感熱転写プリンター等の各種プ
リンターに組み込むことも可能である。
【0105】この場合、プリンター出力後、任意の時点
で着磁するオン・デマンド着磁も可能である。予め着磁
された磁気吸着シートに印刷を行うと、磁気吸着シート
同士の吸着等により、プリンター内で搬送上の問題が生
じることがある。このため、従来、磁気吸着シートの連
続印刷は困難であったが、上記のオン・デマンド着磁に
よれば、このような問題が解消され、磁気吸着シートへ
の連続印刷も容易となる。
【0106】また、押出成型法等によって形成され、シ
ート面に対して垂直方向に磁化容易軸が配向された磁気
吸着シートに、シート面に対して垂直方向に着磁を行う
場合にも、本発明の着磁方法および着磁装置を適用でき
る。その場合は、磁気吸着シートを介して、一対の複合
永久磁石を異極が対向するように配置して着磁を行えば
よい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々
の変更が可能である。
【0107】
【発明の効果】本発明の磁気吸着シートの着磁方法によ
れば、長尺状の磁気吸着シートに高速で多極着磁を行う
ことが可能となる。本発明の磁気吸着シートの着磁装置
によれば、磁気吸着シートに着磁を行う際の消費電力を
低減し、磁気吸着シートの製造コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態1に係る着磁方法およ
び着磁装置に用いられる複合永久磁石の斜視図である。
【図2】図2は図1の複合永久磁石の上面図である。
【図3】図3は図1の複合永久磁石の側面図である。
【図4】図4は図1の複合永久磁石の他の側面図であ
る。
【図5】図5は本発明の実施形態1に係る着磁方法の概
略図である。
【図6】図6は本発明の実施形態1に係る着磁方法の概
略図であり、図5の側面図である。
【図7】図7は本発明の実施形態1に係る着磁方法の概
略図であり、図5の側面図である。
【図8】図8は本発明の着磁方法および着磁装置によ
る、面内多極着磁を示す模式図である。
【図9】図9は本発明の着磁方法および着磁装置により
着磁される磁気吸着シートの磁化容易軸を配向させる方
法を示す模式図である。
【図10】図10は本発明の実施形態1に係る着磁方法
および着磁装置に用いられる複合永久磁石の斜視図であ
る。
【図11】図11は図10の複合永久磁石の上面図であ
る。
【図12】図12は図10の複合永久磁石の側面図であ
る。
【図13】図13は本発明の実施形態2に係る着磁方法
および着磁装置に用いられる複合永久磁石の斜視図であ
る。
【図14】図14は図13の複合永久磁石の上面図であ
る。
【図15】図15は図13の複合永久磁石の側面図であ
る。
【図16】図16は図13の複合永久磁石の他の側面図
である。
【図17】図17は本発明の実施形態2に係る着磁方法
の概略図である。
【図18】図18は本発明の実施形態2に係る着磁方法
の概略図であり、図17の上面図である。
【図19】図19は本発明の実施形態2に係る着磁方法
の概略図であり、図17の上面図である。
【図20】図20は従来の着磁方法の概略図である。
【図21】図21は従来の着磁装置の概略図である。
【符号の説明】
1、21、31…複合永久磁石、2、32…平板状永久
磁石、3…留め具、4…ホルダー、5…ホルダー保持
部、5a、43…固定軸、6…磁気吸着シート、7…供
給リール、8…巻き取りリール、9、11…磁力線、1
0a、10b…ソレノイドコイル、12…非磁性支持
体、13…塗膜、22…平板状永久磁石片、41…ロー
ル状複合永久磁石、42…リング状永久磁石、44…ナ
ット、45…可撓性硬質磁性シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−7609(JP,A) 特開 昭62−112306(JP,A) 特開2001−230118(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 13/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺状の磁気吸着シートの少なくとも一方
    の面に複合永久磁石の表面を対向させ、前記磁気吸着シ
    ートに多極着磁を行う方法であって、 前記磁気吸着シートは、磁化容易軸が予めシート長手方
    向に配向された磁気吸着シートであり、 前記複合永久磁石は複数の平板状永久磁石が互いに異極
    面を対向させて積層された複合永久磁石であり、 前記平板状永久磁石は平板面に対して平行方向に着磁さ
    れた平板状永久磁石であり、 前記表面は異極が交互に一列に配列した一端面であり、 前記複合永久磁石を、前記平板状永久磁石の積層方向が
    前記磁化容易軸の方向と一致するように配置する工程
    と、 前記複合永久磁石と前記磁気吸着シートとの間隔を所定
    の値以下として、前記磁気吸着シートに、シート面に対
    して平行方向に多極着磁を行う工程と、 前記間隔を前記所定の値より大きくして、前記磁気吸着
    シートをシート長手方向に移動させ、前記表面と前記磁
    気吸着シートの未着磁部分とを対向させる工程と、 前記多極着磁と前記磁気吸着シートの前記移動とを繰り
    返す工程とを有する磁気吸着シートの着磁方法。
  2. 【請求項2】他の一つの前記複合永久磁石を、前記複合
    永久磁石と同極が対向するように、前記磁気吸着シート
    の他方の面に配置して、前記多極着磁を行う請求項1記
    載の磁気吸着シートの着磁方法。
  3. 【請求項3】可撓性を有する前記磁気吸着シートを、ロ
    ール状に巻かれた状態から送り出し、前記多極着磁を行
    う工程と、多極 着磁された前記磁気吸着シートを再びロール状に巻
    き取る工程とをさらに有し、 前記多極着磁を行う間、前記ロールの回転を停止し、前
    記磁気吸着シートを移動させる間、前記ロールを回転さ
    せる請求項1記載の磁気吸着シートの着磁方法。
  4. 【請求項4】長尺状の磁気吸着シートの少なくとも一方
    の面に複合永久磁石の表面を対向させ、前記磁気吸着シ
    ートに多極着磁を行う方法であって、 前記磁気吸着シートは、磁化容易軸が予めシート長手方
    向に配向された磁気吸着シートであり、 前記複合永久磁石は複数の平板状永久磁石が互いに異極
    面を対向させて積層された複合永久磁石であり、 前記平板状永久磁石は平板面に対して平行方向に着磁さ
    れた平板状永久磁石であり、 前記表面は異極が交互に一列に配列した一端面であり、 前記複合永久磁石を、前記平板状永久磁石の積層方向が
    前記磁化容易軸の方向と一致するように配置する工程
    と、 前記複合永久磁石と前記磁気吸着シートとの間隔を所定
    の値以下として、前記磁化容易軸に直交する方向に前記
    複合永久磁石と前記磁気吸着シートを相対的に移動させ
    ながら、前記磁気吸着シートに、シート面に対して平行
    方向に多極着磁を行う工程と、 前記磁気吸着シートをシート長手方向に移動させる工程
    と、 前記多極着磁と前記磁気吸着シートのシート長手方向へ
    の移動とを繰り返す工程とを有する磁気吸着シートの着
    磁方法。
  5. 【請求項5】他の一つの前記複合永久磁石を、前記複合
    永久磁石と同極が対向するように、 前記磁気吸着シートの他方の面に配置して、前記多極
    磁を行う請求項4記載の磁気吸着シートの着磁方法。
  6. 【請求項6】可撓性を有する前記磁気吸着シートを、ロ
    ール状に巻かれた状態から送り出し、前記多極着磁を行
    う工程と、多極 着磁された前記磁気吸着シートを再びロール状に巻
    き取る工程とをさらに有し、 前記多極着磁を行う間、前記ロールの回転を停止し、前
    記磁気吸着シートをシート長手方向に移動させる間、前
    記ロールを回転させる請求項4記載の磁気吸着シートの
    着磁方法。
  7. 【請求項7】平板状で、かつ平板面に対して平行方向に
    着磁された複数の平板状永久磁石と、 前記平板状永久磁石が互いに異極面を対向させて積層さ
    れた少なくとも一つの複合永久磁石であって、異極が交
    互に一列に配列した面を表面に有する前記複合永久磁石
    と、 長尺状で、かつシート長手方向に磁化容易軸が配向され
    た磁気吸着シートを、前記シート長手方向に移動させる
    シート走行手段と、 前記平板状永久磁石の積層方向と前記磁化容易軸方向と
    が平行となり、かつ前記複合永久磁石の表面が前記磁気
    吸着シートの一方の面と対向するように、前記複合永久
    磁石を保持する第1の保持手段と、 前記複合永久磁石と前記磁気吸着シートとの間隔を変化
    させる第1の間隔調整手段とを有し、 前記磁気吸着シートに、シート面に対して平行方向に多
    極着磁を行う 磁気吸着シートの着磁装置。
  8. 【請求項8】他の一つの前記複合永久磁石を、前記複合
    永久磁石と同極が対向するように、前記磁気吸着シート
    の他方の面側に保持する第2の保持手段と、 前記第2の保持手段に保持された前記複合永久磁石と前
    記磁気吸着シートとの間隔を変化させる第2の間隔調整
    手段とをさらに有する請求項7記載の磁気吸着シートの
    着磁装置。
  9. 【請求項9】前記シート走行手段は、可撓性を有する前
    記磁気吸着シートを、ロール状に巻かれた状態から送り
    出すシート供給手段と、 前記複合永久磁石により多極着磁された前記磁気吸着シ
    ートを、再びロール状に巻き取るシート回収手段とを含
    む請求項7記載の磁気吸着シートの着磁装置。
  10. 【請求項10】平板状で、かつ平板面に対して平行方向
    に着磁された複数の平板状永久磁石と、 前記平板状永久磁石が互いに異極面を対向させて積層さ
    れた少なくとも一つの複合永久磁石であって、異極が交
    互に一列に配列した面を表面に有する前記複合永久磁石
    と、 長尺状で、かつシート長手方向に磁化容易軸が配向され
    た磁気吸着シートを、前記シート長手方向に移動させる
    シート走行手段と、 前記平板状永久磁石の積層方向と前記磁化容易軸方向と
    が平行となり、かつ前記複合永久磁石の表面が前記磁気
    吸着シートの一方の面と対向するように、前記複合永久
    磁石を保持する第1の保持手段と、 前記積層方向と前記磁化容易軸方向とを平行にしたま
    ま、前記磁化容易軸と直交する方向に、前記複合永久磁
    石と前記磁気吸着シートを相対的に移動させる第1の移
    動手段とを有し、 前記磁気吸着シートに、シート面に対して平行方向に多
    極着磁を行う 磁気吸着シートの着磁装置。
  11. 【請求項11】他の一つの前記複合永久磁石を、前記複
    合永久磁石と同極が対向するように、前記磁気吸着シー
    トの他方の面側に保持する第2の保持手段と、 前記第2の保持手段に保持された前記複合永久磁石を、
    前記磁化容易軸と直交する方向に、前記第1の保持手段
    に保持された前記複合永久磁石と同期させて移動させる
    第2の移動手段とをさらに有する請求項10記載の磁気
    吸着シートの着磁装置。
  12. 【請求項12】前記シート走行手段は、可撓性を有する
    前記磁気吸着シートを、ロール状に巻かれた状態から送
    り出すシート供給手段と、 前記複合永久磁石により多極着磁された前記磁気吸着シ
    ートを、再びロール状に巻き取るシート回収手段とを含
    む請求項10記載の磁気吸着シートの着磁装置。
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