JP2019075418A - 多極着磁装置及びそれを用いた着磁方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小規模の多極着磁又は多極着磁品の補修着磁に適する装置及びそれを用いた着磁方法を提供する。【解決手段】永久磁石型着磁ヨークA1と着磁定規Bから成る。着磁定規Bは、直線定規の裏面に永久磁石型着磁ヨークA1の磁極間と同寸法の極間である多極着磁石シート6が積層され、着磁定規Bを被着磁シート10の着磁開始手前に磁気貼着し、永久磁石型着磁ヨークA1を着磁定規Bと被被着シート10に接触摺動さすことで、永久磁石型着磁ヨークA1の幅で着磁が施される。次に、着磁定規Bを着磁ヨークA1との必要距離を規定するガイドの距離手前までの前進貼変を同極間の異極吸引同極反発により貼着し、前記と同様接触摺動させること及びそれを繰り返すことで、精度良いNS極繰返の等間隔着磁を展開できる。磁極方向の延長着磁も、着磁定規Bを延長方向にずらして展開する。【選択図】図5(b)

Description

本発明は、フエライト系磁石シートの着磁(磁化)に適する永久磁石型多極着磁装置に関するものであり、小規模の多極着磁又は多極着磁品の補修着磁に適する装置及びそれを用いた着磁方法に関する。
本発明の先行技術文献としては永久磁石型多極着磁ヨーク及びそれを用いた着磁装置が存在している。
特許文献1では、高保磁磁界を有する永久磁石から成る主磁石平板と軟磁性材料で出来た極片平板を交互に重ね、主磁石平板は広い面に垂直な方向に磁化成分を有し且つ同一の極片平板に隣接する2枚の主磁石平板の磁化成分が互いに反対方向を有している積層体(ロールなど)である着磁ヨーク及びそれを用いた着磁装置が開示されている。
特許文献2では、円柱状で複数の薄板状永久磁石が互いに異極面を対向させて並べられ、円周に沿ってN極とS極が相互に多極着磁された円柱状複合磁石であって、薄板状永久磁石は一方の極が円周側に有し、他方の極を軸側に有する着磁ロールなどを用いた着磁ヨーク及びそれを用いた着磁装置が開示されている。
特許文献3では、一方の平面にN極を、他方の平面にS極を形成したリング状永久磁石を互いに同極面を対抗させて連続的に積層した着磁用磁石体(ロール状)の着磁ヨーク及びそれを用いた着磁装置が開示されている。
上記の特許文献は3件共に、着磁ヨークの前に巻出機を設け着磁ヨークの後に巻取機を設けたオフライン形式か、マグネットシートの生産ラインに組み込まれ、着磁ヨークへの未着磁シートの供給及び、着磁後のマグネットシートの巻取を行うオンライン形式の着磁装置である。
特開昭56−131909 特開昭2003−297630 特開2001−68337
従来マグネットシートに使用されている磁石材料はフエライト系が主流であり、日常生活でスチールデスク、スチールロッカー、壁面などに用いられている。近時、希土類系焼結磁石を用いた強磁力マグネットハンガーなども出回り、その主流はネオジム系焼結磁石である。
フエライト系マグネットシートの固有保磁力(iHc)(永久磁石の逆磁界に対する真の抵抗力)は、等方性タイプで1600〜2100Oe程度、異方性タイプで2600〜2900Oe程度であり、強磁力マグネットハンガーなどに用いる希土類系焼結磁石の上下着磁品(殆どのものが片面N極他の片面S極である上下着磁品)の漏洩磁界強度は実用サイズφ25×6mm厚程度のもので表面磁束密度が3000G程度、φ32×10mm厚程度のもので表面磁束密度が4000G程度である。
磁界の強さの単位:エルステッド(Oe)と磁束密度の単位:ガウス(G)の関係は真空中の磁気定数=1に対して空気中の比透磁率=1.000000365であるので同一の値と見て良い。つまりCGS単位系ではOe=Gであるので、スチールロッカーなどにマグネットシートを磁気吸着させた上から強磁力マグネットハンガーなどを磁気吸着させると、その部分の多極着磁の磁極が消失(上下着磁となり吸着力が著しく低下)、又は多極着磁の磁極形状変化(吸着力が低下)を被る不都合がある。
この対策としては、取扱注意の啓蒙をする他に、誤使用によって磁気吸着力の低下問題を生じた場合に、現場で業者乃至使用者が補修着磁を行う為の簡易な補修着磁方法の開発が必要である。
また、近時ユーザーが、壁などに既に接着剤を用いて貼付したマグネットシートの着磁仕様を変更する着磁方法の開発が望まれ、又、近時ユーザーが未着磁シートを枚葉印刷の後に着磁を施すための小規模着磁装置が望まれている。
本発明は、これらの必要性に応じて、小規模で手作業で容易に出来る着磁装置及び着磁方法を開発する事を課題とする。
前記課題を解決するために種々研究を重ねた結果、以下の通り課題を解決する手段を見出すに至った。
(1)希土類系焼結磁石を用いた永久磁石型多極着磁ヨークと、直線定規状板の裏面に前記着磁ヨークと同極間で多極着磁を施したフエライト系磁石シートを、磁極方向を長手方向にして着磁面を外側に積層した着磁ヨーク用の直線定規(以後、本発明では、着磁ヨーク用の直線定規を「着磁定規」と定義する)とから成る着磁装置であって、
被着磁シートであるフエライト系未着磁シートの任意の部分に前記着磁定規を磁気貼着して、永久磁石型多極着磁ヨークを着磁定規の長手方向の着磁を施す側の側面に沿って端から他の端まで被着磁シート面上を摺動又はロール状永久磁石型多極着磁ヨークを接触回転させることで、永久磁石型多極着磁ヨークと同極間で同極数の着磁を施すことができ、
着磁面積を増やすために、前記の着磁が施された着磁シートの継続して着磁を施す方向側の平面端部手前近辺と着磁定規裏面の多極着磁面の継続して着磁を施す方向側の平面端部を異極吸引同極反発によって磁気吸着させて、着磁定規の継続して着磁を施す方向側の端面に沿って永久磁石型多極着磁ヨークを端から他の端まで前記と同様に摺動又はロール状永久磁石型多極着磁ヨークを接触回転させることで着磁を施し、それを繰り返し行うことにより順次一定極間の着磁を継続して施すことができ、
磁極方向の延長着磁を施すために、着磁定規の長手方向の非延長着磁方向の端部を既着磁部分の延長着磁方向側の近辺に異極吸引同極反発によって磁気吸着させて、着磁定規の着磁方向端面に沿って、永久磁石型多極着磁ヨークを前記と同様に摺動又はロール状永久磁石型多極着磁ヨークを接触回転させることで着磁を施し、それを繰り返し行うことにより、順次一定極間の着磁を継続して施すことで磁極方向の延長着磁を施すことができ、
着磁開始箇所以前の未着磁部分の着磁を施すために、着磁を施す方向を反転させて前記の着磁手順と同様にして着磁を施すことが出来ることを特徴とする着磁装置とする。
(2)前記着磁定規の磁極と永久磁石型多極着磁ヨークの磁極との距離及び極性(NS)が連続するNS多極着磁となるように着磁定規と永久磁石型多極着磁ヨークの距離を規制する厚みのフレーム又はガイドを付加した永久磁石型多極着磁ヨーク又は着磁定規である事を特徴とする(1)項記載の着磁装置とする。
(3)前記被着磁シートがストロンチュウムフエライト系未着磁シート又はバリュウムフエライト系未着磁シートであり、前記永久磁石型着磁ヨークの希土類系焼結磁石がネオジウム系焼結磁石又はサマリュウムコバルト系焼結磁石であることを特徴とする(1)項又は(2)項記載の着磁装置とする。
(4)前記永久磁石型多極着磁ヨークが少なくとも一つの角が直角で接する2面が平面である立方体(図10)又は枠状体(図1)、又はハンドロール型(8)、又は長手方向に半円柱と四角柱より成る形状(図9)であることを特徴とする(1)項から(3)項までのいずれか1項記載の着磁装置とする。
(5)前記着磁定規の多極着磁シート及び永久磁石型多極着磁ヨークの両端部磁極を同極とし、使用時の向きを特定する必要がない事ことで着磁定規及び永久磁石型多極着磁ヨークの取り扱いを容易にしたことを特徴とする(1)項から(4)項までのいずれか1項記載の着磁装置とする。
(6)希土類系焼結磁石を用いた永久磁石型多極着磁ヨークと、直線定規状板の裏面に前記着磁ヨークと同極間で多極着磁を施したフエライト系磁石シートを、磁極方向を長手方向にして着磁面を外側に積層した着磁定規とから成る着磁装置を用いた着磁方法であって、
被着磁シートであるフエライト系未着磁シートの任意の部分に前記着磁定規を磁気貼着して、永久磁石型多極着磁ヨークを着磁定規の長手方向の着磁を施す側の側面に沿って端から他の端まで被着磁シート面上を摺動又はロール状永久磁石型多極着磁ヨークを接触回転させることで、永久磁石型多極着磁ヨークと同極数の着磁を施し、
着磁面積を増やすためには、着磁が施された着磁シートの継続して着磁を施す方向側の平面端部手前近辺と着磁定規裏面の多極着磁面の継続して着磁を施す方向側の平面端部を異極吸引同極反発によって磁気吸着させて、着磁定規の継続して着磁を施す方向側の端面に沿って永久磁石型多極着磁ヨークを端から他の端まで前記と同様に摺動又はロール状永久磁石型多極着磁ヨークを接触回転させることで着磁を施し、それを繰り返し行うことにより順次一定極間の着磁を継続して施すこと、
磁極方向の延長着磁を施すためには、着磁定規の長手方向の非延長着磁方向の端部を既着磁部分の延長着磁方向側の近辺に異極吸引同極反発によって磁気吸着させて、着磁定規の着磁方向端面に沿って、永久磁石型多極着磁ヨークを前記と同様に摺動又はロール状永久磁石型多極着磁ヨークを接触回転させることで着磁を施し、それを繰り返し行うことにより、順次一定極間の着磁を継続して施すことで磁極方向の延長着磁を施すこと、
着磁開始箇所以前の未着磁部分の着磁を施すためには、着磁を施す方向を反転させて前記の着磁手順と同様にして着磁を施すことを特徴とする着磁方法とする。
(7)一部分磁極変化を生じた着磁シートの磁極変化箇所を永久磁石型多極着磁ヨークが摺動できる位置に着磁定規を異極吸引と同極反発によって磁気吸着し、着磁定規の端面に沿って永久磁石型多極着磁ヨークを摺動することで永久磁石型多極着磁ヨークの磁極数で着磁を施し、その後着磁が施された部分の着磁方向端部近辺と着磁定規の多極着磁を施した磁石シートの磁極方向端部近辺を異極吸引と同極反発により磁気吸着させて、着磁定規の着磁方向端面に沿って永久磁石型多極着磁ヨークを摺動又はロール状永久磁石型多極着磁ヨークを接触回転して着磁を施し、それを繰り返すことにより着磁を施し磁極変化箇所を補修着磁することを特徴とする着磁方法とする。
(8)被着磁シートを、平坦なテーブル上に広げた状態又は、基体の表面に接着剤を用いて貼着した状態で着磁を施すことを特徴とする(6)項又は(7)項のいずれか1項に記載の着磁方法とする。
(9)磁石シートを平坦なテーブル上に広げた状態又は、基体の表面に磁気吸着又は接着剤を用いて貼着した状態で、該磁石シートの固有保磁力以上の磁界の強さを、該磁石シートに印加するために磁極消去用磁石を既存着磁面に摺動させることによって既存磁極を消去した後、既存磁極の極間又は磁極方向、又は極間及び磁極方向の変更着磁を施すことを特徴とする、(6)項又は(7)項いずれか1項に記載の着磁方法とする。
(1)多極着磁を施したマグネットシート同士の同極反発、異極吸引によって吸着することを応用した本発明の着磁定規を用いることで、着磁位置の決定を容易にして小面積ずつの継足し着磁で有りながら、多極着磁の磁極間の寸法精度が良く又、極性(N極、S極)順序も正しく印加される。
(2)マグネットシート既設壁面の着磁方向又は極間の変更着磁が容易に出来る。(素人にも利用可能)
(3)強磁力のマグネットホルダーなどの貼着によるマグネットシートの多極着磁の磁極の消失乃至変形など減磁箇所の再着磁が容易にできる。
(4)無電源、小型軽量、取り扱い容易で携帯用に好適である。
本発明に用いる永久磁石型多極着ヨークの一例を示す概念模式図であり、(a)図は正面図、(b)図は上面図(c)図は右側面図、(d)図は正面図のa1部分拡大図である。 本発明に用いる永久磁石型多極着ヨークによって着磁を施された磁石シートの着磁面の磁極を示す概念模式図である。 本発明の着磁定規の一例を示す概念模式図であり、(a)図は正面図、(b)図は上面図(c)図は右側面図、(d)図は底面図(下面図)である。 本発明の着磁定規と永久磁石型多極着ヨークを用いて磁石シート原反を着磁する態様を示す概念模式図(側面図又は正面図)であり、先の着磁端部に続き着磁を施す状態を示している。 本発明の着磁定規と永久磁石型多極着ヨークを用いて磁石シート原反を着磁する態様を示す概念模式図(側面図又は正面図)であり、先の着磁端部に続き重複して着磁を施す状態を示している。 本発明の着磁定規と永久磁石型多極着ヨークを用いて磁石シート原反を着磁する手順の一例を示す概念模式図(着磁面)であり、手順1で、着磁定規に沿って永久磁石型多極着ヨークを摺動して着磁をすることを示している。 本発明の着磁定規と永久磁石型多極着ヨークを用いて磁石シート原反を着磁する手順の一例を示す概念模式図(着磁面)であり、手順2で、継足し着磁を示している。 本発明の着磁定規と永久磁石型多極着ヨークを用いて磁石シート原反を着磁する手順の一例を示す概念模式図(着磁面)であり、手順1と2で着磁を施された状態を示している。 本発明の着磁定規と永久磁石型多極着ヨークを用いて磁石シート原反を着磁する手順の一例を示す概念模式図(着磁面)であり、手順3で、磁極方向の継足し着磁を示している。 本発明による、一部分磁極変化を生じた着磁シートの補修着磁を示す概念模式図(上面図)である。 本発明の着磁定規にガイド溝を設け、永久磁石型多極着ヨークにガイドを設けた一例であり、(a)図は上面図、(b)は断面図(E−E‘矢視)である。 本発明に用いる永久磁石型多極着ヨークの他の一例として示すハンドロール様の永久磁石型多極着ヨークの斜視図である。 本発明に用いる永久磁石型多極着ヨークの他の一例として示す長手方向に半円柱と四角柱より成る形状である永久磁石型多極着ヨークの斜視図である。 本発明に用いる永久磁石型多極着ヨークの他の一例として示す矩形状の永久磁石型多極着ヨークの斜視図である。 本発明の既存磁極を消去後に仕様変更着磁をするための消去用磁石の一例を示す斜視図である。 垂直壁面に直角方向の垂直磁気吸着力測定装置を示す側面模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。
図1は、本発明に用いられる永久磁石型着磁ヨークの1例を示す概念模式図であり、(a)図は正面図、(b)図は上面図、(c)図は右側面図、(d)図は正面図の部分拡大図である。
Aは永久磁石型着磁ヨーク、1は希土類系焼結永久磁石平板、2は軟質磁性金属平板であるポールピース(磁極片)、3は永久磁石型着磁ヨークのフレーム兼位置決めガイド(着磁定規と永久磁石型多極着磁ヨークの距離を規制する厚みのフレーム部材(非磁性体))、4は他のフレーム部材(非磁性体)、12は組み立て用ボルト(非磁性体)である。
希土類系焼結永久磁石平板1としてはネオジュウム系焼結磁石、サマリウム・コバルト系焼結磁石などが用いられ、軟質磁性金属平板2としては鉄コバルト合金板(パーメンジュール)、電磁鋼板(珪素鋼板)、電磁軟鉄、磁性ステンレス(フエライト系ステンレス鋼板)などが挙げられる。
そうして正面図の部分拡大図(d)に示すように磁石平板の一方の平面をN極、他の平面をS極になるように着磁を施した磁石平板1と軟質磁性金属平板(ポールピース)2を交互に重ね、同一の軟質磁性金属平板2に接する2枚の磁石平板1の磁化方向が互いに反対方向を有する積層体を着磁ヨークの磁界(磁束)発生源とする。5は主たる磁束を示し、Lは磁極間を示す。そうして軟質磁性金属平板2及びフレーム3は正面図の長手方向の長さが希土類系焼結永久磁石平板1に対して同等かやや長くする方が漏洩磁束の発生効率及び希土類系焼結永久磁石平板1の補護のために好ましい。
また、希土類系焼結永久磁石平板1と軟質磁性金属平板2以外の部材は磁束が流れない非磁性体とすることが希土類系焼結永久磁石平板1からの磁束漏洩を防止するので望ましい。
その他に本発明に用いられる永久磁石型着磁ヨークの形式は、公知の永久磁石型着磁ヨークである希土類系焼結永久磁石平板の一方の小口をN、他方の小口をSになるように着磁を施し、上面及び下面がN極とS極が相互に配列した積層体や、磁石平板の一方の平面をN極、他の平面をS極になるように着磁を施した磁石平板をお互いに同極面を対向させて連続的に積層した積層体を用いることが出来る。
また、永久磁石型着磁ヨークの形状は、用途に応じて立方体、枠状体、ロール状体にして用いることが可能である。即ち、被着磁面が真壁(柱を露出する壁)の場合は、壁の端部まで着磁を施すために立方体又は枠状体が好適であり、大壁(柱が見えない壁)の場合はハンドロール状のものが被着磁面と着磁ヨーク間の摩擦抵抗が少なく好適である。
図2は、前記着磁ヨーク図1を90度回転させて磁極方向が左右方向に着磁を施した磁石シートの着磁面を示す概念模式図であり、6は磁石シート、7は磁石シートの磁極を示し、Lは磁石シートの磁極間を示す。即ち、図1の永久磁石型着磁ヨークによって、図2の磁石シートの着磁を施すことが出来る。そうして着磁された磁石シートの磁極の形成は図1の(d)に示す(S)(N)の範囲と成る。
図3は、本発明の着磁定規Bの一例を示す概念模式図であり、(a)図は正面図、(b)図は上面図(c)図は右側面図、(d)図は底面図(下面図)である。8は着磁定規の基板であり、9は着磁定規の持ち手である。6は磁石シートを示す。
着磁定規の基板8は、材質を特定する必要はないが作業性から軽量であるアルミ板、プラスチック板などが好ましく、又、軽量の板と磁石シート6の間に薄鋼板を介在させて磁気吸着力の増大効果で磁石シート6の厚みを薄くした構成であってもよい。
磁石シート6は公知のマグネットシートを使用することが出来るが、公知のマグネットシート原反(未着磁品)を用いて、使用する着磁ヨークで着磁を施したものの方が極間精度の整合性の点で望ましい。
なお、着磁定規と永久磁石型多極着磁ヨークの距離を規制する位置決めガイドは、着磁定規の上面にガイドプレートなどを設けることでも可能であり、微調整可能な長穴とネジによるネジ止などを施すことが好ましい。(図示省略)
図4は本発明の着磁定規Bと永久磁石型多極着ヨークA1を用いて磁石シート原反〔未着磁品〕を着磁する態様を示す概念模式図(側面図又は正面図)である。(a)図は先の着磁端部に続き着磁を施す状態を示し、(b)図は他の態様であり、先の着磁端部の一部に重複して着磁を施す状態を示す。3は永久磁石型着磁ヨークA1のフレーム兼位置決めガイドであり、10は未着磁部分であり、M−1は既着磁部分でM−2は着磁を施される部分である。
磁石シート6は、磁石シート6の原反(未着磁品)に磁気吸着が出来るので、まず着磁定規Bを着磁開始部に磁気吸着させて、次に着磁定規Bの長手方向の端面に沿って永久磁石型着磁ヨークA1を摺動させることで着磁を施し、その後着磁定規Bを新しく着磁された端部近くに貼替えて、永久磁石型着磁ヨークA1を摺動させることで着磁を施すことを繰り返す操作をするが、その際の着磁継続箇所の例として図(a)は既着磁箇所に続き着磁した場合を示し、図(b)は既着磁箇所の端部に重複着磁箇所を生じる着磁をした場合を示す。
図4(a)(b)から分かるように、着磁定規Bは必ず既着磁箇所の異極同士の磁気吸着となる位置に吸着するので、着磁定規Bの移動吸着の際は既着磁箇所の手前近辺に着磁箇所を持っていくだけで磁気吸引によって好ましい位置に磁気吸着される。そうして
図(b)の方が継足し着磁作業で、着磁定規の設定が1着磁ピッチ見当外れを生じた場合に未着磁部分を生じないので着磁作業が容易に出来る利点がある。
そうして、不慣れな者でも3着磁ピッチ以上で行えば更に気楽に作業が出来るが、着磁作業時間が長くなるので作業者によって決めれば良い。
図面4の(a)(b)、5、7では着磁定規の両端がS極、着磁ヨークの両端がS極に成っているが、両者両端N極であっても、また対峙する着磁定規の極と着磁ヨークの極がN:S、又はS:Nであっても着磁される極がNSNS・・・の順に所定の等間隔で着磁されるように着磁定規又は着磁ヨークの間隔を規制するガイドの寸法で調整すれば良い。
図5の(a)(b)(c)(d)は、本発明の着磁定規Bと永久磁石型多極着ヨークA1を用いて磁石シート6の原反(未着磁品)を着磁する手順の一例を示す着磁面の概念模式図であり、(a)図は手順1で、定規に沿って永久磁石型多極着ヨークを摺動して着磁を施すことを示し、(b)図は手順2で、継足し着磁を示し、(c)図は手順1と2で着磁を施された状態を示し、(d)図は手順3で、磁極方向の継足し着磁を示す。
図6は、本発明による、一部分磁極変化又は磁極の消失を生じた着磁シートの補修着磁を示す着磁面の概念模式図である。
磁極消失部分11の近辺に着磁定規Bを磁気吸着させて、着磁ヨークA1を着磁定規Bに沿って摺動することで、磁極消失部分11の補修着磁を施すことが出来る。
図7は、本発明の着磁定規Bと永久磁石型多極着ヨークA1が、精度良く接触摺動するためのガイドの一例であり、摺動可能な滑合乃至遊合とすることで素人でも所定間隔の多極着磁を容易に施すことができる。
なお、図4、図5、図6、図7の各着磁ヨークは、先に述べた図1(d)に於ける(N)(S)領域で磁極を現している。
図8は、本発明に用いることの出来る永久磁石型多極着ヨークの一例であるハンドロール型を示す概念斜視図であり、着磁定規の側面に摺動させる作業を容易にするために該ヨークの両側面に図7のようなガイドを設けても良い。用途的には比較的大型として大壁(柱が露出しない広い壁面)など広範囲の着磁に適する。
図9は、本発明に用いることの出来る永久磁石型多極着ヨークの一例である下方が長さ方向に半円柱型である概念斜視図であり、着磁定規の側面に摺動させる作業を容易にするために、該ヨークの両側面に図7のようなガイドを設けても良い。用途的には比較的小型として小範囲の補修着磁に適する。
図10は、本発明に用いることの出来る永久磁石型多極着ヨークの一例である直方体型を示す概念斜視図であり、着磁定規の側面に摺動させる作業を容易にするために、該ヨークの両側面に図7のようなガイドを設けても良い。用途的には真壁(柱が露出する壁)など着磁面端部に凸部がある場合にその根元まで着磁出来き、又製作が容易である利点がある。
図11は、本発明の既存磁極を消去後に仕様変更着磁をするための磁極消去用磁石の一例を示す斜視図である。
磁界の強さの単位:エルステッド(Oe)と磁束密度の単位:ガウス(G)の関係は真空中の磁気定数=1に対して空気中の比透磁率=1.000000365であるので同一の値と見て良い。つまりCGS単位系ではOe=Gであるので、固有保磁力が2000Oe(159kA/m)であれば磁石の表面漏洩磁束密度が2000G(200mT)以上で既存磁極を略消去することができる。
以下実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、実施例と比較例の性能評価について表1にまとめた。
〔永久磁石型着磁ヨークの作成〕(図1と同様な形式)
(1)希土類系焼結永久磁石平板
日立金属社製・商品名:ネオマックス・NMX46BH(片面N、他の片面Sに着磁品)、1.25mm厚×15mm幅×20mm長を31枚用意する。
(2)軟質磁性金属平板(磁極片)
電磁軟鉄:特殊金属エクセル社製・商品名SUY−1、1.25mm厚×15mm幅×22mm長を30枚用意する。
(3)フレーム兼位置決めガイド及びフレーム
1)フレーム兼位置決めガイド部品
ステンレス鋼:JFEスチール社製ステンレス鋼SUS304、四角柱6.875mm幅×22mm高×80mm長(φ4mm六角穴付ボルトの穴・坐繰り×2)2個を用意する。尚、四角柱6.875mmとする理由は、位置決めガイドの幅として、3個の磁極幅(2.5mm×3)から磁石平板の厚みの1/2である0.625を減じた寸法が着磁ロールと着磁ヨーク間に生じる磁極3個分の距離に相当させる為である。
2)フレーム部品
ステンレス鋼:JFEスチール社製ステンレス鋼SUS304、四角柱15mm×22mm×76.25mm長(φ4mm六角穴付ボルトのタッフ穴×2)2個を用意する。
(4)組み立て
希土類系焼結永久磁石平板、軟質磁性金属平板(磁極片)、フレーム兼位置決めガイドがそれぞれ接触する面にエポキシ系接着剤を塗布してからφ4mm六角穴付ボルト20mm長でフレームを締結する。この時のセット仕様は磁石平板のN極面をフレーム兼位置決めガイド側として順次磁極片を磁石平板の同極で挟むように、又、磁石平板20mm長で軟質磁性金属板が22mm長の寸法差を上面側1mm、下面側1mmにセットする。これにより両端S極の2.5mmピッチ多極着磁ヨークを得る。
〔着磁定規の作成〕
(1)着磁定規の基板:32.5mm幅×500mm長×3mm厚ポリカーボネート板
(2)着磁を施された磁石シート:等方性ストロンチュウムフエライト32.5mm幅(両端S極に)×500mm長×0.4mm厚 2.5mmピッチ片面多極着磁品
(3)着磁定規の基板と着磁を施された磁石シートの積層
両面粘着テープを用いて、磁石シートの着磁面が底面になるように積層する。これにより両端S極の2.5mmピッチ多極着磁定規を得る。
<着磁>
垂直な壁面に被着磁シートである等方性ストロンチュウムフエライト系の未着磁原反6(0.6mm厚×600mm×800mm)を両面粘着シートで横長に貼り合わせて、前記永久磁石型着磁ヨークと着磁定規を用いて、着磁定規を未着磁シートの下部先端の左側に合わせて磁気貼着し、永久磁石型多極着磁ヨークを着磁定規の長手方向の着磁を施す側(上方向)の側面に沿って端から他の端まで未着磁シート面上を摺動させることで、永久磁石型多極着磁ヨークと同極間で同極数の着磁を施し、
さらに、着磁が施された着磁シートの継続して着磁を施す方向側(上方向側)の平面端部手前近辺と着磁定規裏面の多極着磁面の継続して着磁を施す方向側(上方向側)の平面端部を異極吸引同極反発によって磁気吸着させて、着磁定規の継続して着磁を施す方向側(上方向側)の端面に沿って永久磁石型多極着磁ヨークを端から他の端まで摺動させることで着磁を施し、それを繰り返し行い未着磁シートの上部先端まで着磁を継続して施す。
次に、磁極方向の延長着磁を施すために、着磁定規の長手方向の非延長着磁方向(左方向)の端部を既着磁部分の延長着磁方向側(右方向)の近辺に異極吸引同極反発によって磁気吸着させて、着磁定規の着磁方向端面に沿って、永久磁石型多極着磁ヨークを摺動させることで着磁を施し、それを繰り返し行うことにより磁極方向の延長着磁を施す。
次に、着磁開始箇所以前の未着磁部分(最初に着磁定規を磁気吸着させた箇所とその磁極方向右側方向)の着磁を施すために、着磁を施す方向を反転(下方向)させて前記の着磁手順と同様にして着磁を施す。尚、未着磁原反を平坦なテーブル上に広げた状態でも前記と同様にして着磁を施すこともできる。
壁面既着磁品の着磁仕様変更着磁について説明する。
<壁面に既着磁品の貼着>
垂直な壁面に、等方性ストロンチュウムフエライト系0.6mm厚×600mm×800mmの磁極方向を上下方向に3.0mmピッチ片面多極着磁を施した磁石シートを両面粘着シートで横長に貼り付ける。
<壁面既着磁面の着磁仕様変更>
着磁面を前記永久磁石型着磁ヨークと着磁定規を用いて、前記実施例1と同様にして磁極を横方向に2.5mmピッチ片面多極着磁を施す。尚、既着磁原反を、平坦なテーブル上に広げた状態でも着磁仕様変更着磁を施すことも出来る。
壁面既着磁品の着磁仕様変更着磁を、既着磁品の磁極を消去後に行う方法について説明する。
<壁面に既着磁品の貼着>
垂直な壁面に、等方性ストロンチュウムフエライト系0.6mm厚×600mm×800mmの磁極方向を上下方向に3.0mmピッチ片面多極着磁を施した磁石シートを両面粘着シートで横長に貼り付ける。
<既着磁の磁極を消去>
該シート磁石の固有保持力(iHc)2150 Oeに対して、10mm幅×100mm長×15mm高のNd・Fe・B系焼結磁石を四周をステンレススチール304の10×15mm角棒で囲持する構造で、使用面の漏洩磁束密度が3500Gである磁極消去用磁石(図11)を用いて、既着磁面全面を摺動させて既存磁極を消去する。
<壁面既着磁面の着磁仕様変更>
着磁面を前記永久磁石型着磁ヨークと着磁定規を用いて、前記実施例1と同様にして磁極を横方向に2.5mmピッチ片面多極着磁を施す。尚、既着磁原反を、平坦なテーブル上に広げた状態でも着磁仕様変更着磁を施すことも出来る。
補修着磁について説明する
〔永久磁石型着磁ヨークの作成〕(図1の型式で補修着磁用の小サイズの作成)
(1)希土類系焼結永久磁石平板
日立金属社製・商品名:ネオマックス・NMX46BH(片面N、他の片面Sに着磁品)、1.25mm厚×15mm幅×20mm長、(中心部にφ4.5mm穴)を14枚用意する。
(2)軟質磁性金属平板(磁極片)
電磁軟鉄:特殊金属エクセル社製・商品名SUY−1、1.25mm厚×15mm幅×22mm長、(中心部にφ4.5mm穴)を13枚用意する。
(3)フレーム兼位置決めガイド及びフレーム
1)フレーム兼位置決めガイド部品
ステンレス鋼:JFEスチール社製ステンレス鋼SUS304、6.825mm幅×22高mm×40mm長(φ4mm六角穴付ボルトの穴・坐繰り×2)2個を用意する。
2)フレーム部品
ステンレス鋼:JFEスチール社製ステンレス鋼SUS304、10mm幅×22mm高×33.75mm長(φ4mm六角穴付ボルトのタッフ穴×2)2個を用意する。
(4)組み立て
希土類系焼結永久磁石平板、軟質磁性金属平板(磁極片)、フレーム兼位置決めガイドがそれぞれ接触する面にエポキシ系接着剤を塗布してから実施例1と同様に組み立てる。これにより補修用小型の両端S極の2.5mmピッチ多極着磁ヨークを得る。
〔着磁定規の作成〕
(1)着磁定規の基板:32.5mm幅×100mm長×2mm厚ポリカーボネート板
(2)着磁を施された磁石シート:等方性ストロンチュウムフエライト32.5mm幅(両端S極に)×100mm長×0.4mm厚 2.5mmピッチ片面多極着磁品
(3)着磁定規の基板と着磁を施された磁石シートの積層
前記(1)(2)を両面粘着テープを用いて、磁石シートの着磁面が着磁定規の底面になるように積層する。これにより両端S極の2.5mmピッチ多極着磁定規を得る。
<着磁>
前記、実施例1で着磁を施した垂直な壁面の着磁面600mm×800mmの一部分に希土類系焼結永久磁石(φ35mm×6mm厚、表面磁束密度3500G)を磁気吸着させて磁極を消失させた箇所(図6の11)を、前記永久磁石型着磁ヨークと着磁定規を用いて、一部分磁極を消失させた箇所を永久磁石型多極着磁ヨークが摺動できる位置に着磁定規を異極吸引と同極反発によって磁気吸着し、着磁定規の端面に沿って永久磁石型多極着磁ヨークを摺動することで補修着磁を行う。尚、磁極を消失が複数ある時は個々に同様にして補修着磁を施すことが出来るし、磁極消失箇所を生じた着磁シートを、平坦なテーブル上に広げた状態でも補修着磁を施すことも出来る。
〔比較例1〕
<磁極の消失箇所>
被着体に磁気貼着した実施例1で着磁を施した磁石シートに、実施例4と同様にして、希土類系焼結永久磁石(φ35mm×6mm厚、表面磁束密度3500G。)を磁気吸着させて磁極を消失させた箇所。
次に試験の結果について説明する。
各実施例及び比較例について各試験を行い着磁仕様と着磁性能の結果を表1にまとめた。
(注記)
・磁石シートの未着磁原反:等方性0.6mm厚
・既存磁石シート:等方性0.6mm厚、片面多極着磁、極間3.0mmP、磁極方向:縦
・変更着磁:等方性0.6mm厚、片面多極着磁、極間2.5mmP、磁極方向:横
・補修着磁:等方性0.6mm厚、片面多極着磁、極間2.5mmP、磁極方向:横
1*)既存磁極の除去:10×15×100mmネオジュウム系希土類焼結磁石上下着磁品
(外部表面漏洩磁束密度3500G)を既存着磁面に摺動させて磁極を除去。
2*)磁極パターン:マグネットビユワーによる目視観察
3*)既存磁極と交差する箇所で既存磁極が極間に薄く見える箇所有り(実用上の問題なし)
4*)磁気吸着力:垂直壁に対する直角方向の磁気吸着力
5*)磁束密度:着磁面の表面漏洩磁束密度
〔評価記号〕 ◎:優、 ○:良、 △可、×:不可、 (××:著しく劣る)
≪試験方法≫
(1)磁極パターンの観察方法
マグネットビュワー(磁性流体を内蔵したマイクロカプセルをフィルムに均一に塗布したもの)を用いて、磁極のパターンを観察する。
(2)磁気吸着力の測定方法(図12)
垂直な壁面17に接着剤を用いて積層した磁石シート6(検体)の表面に、背面に引掛け部を有するプラスチック板20の表面側に両面テープを用いてスチール薄板18〔0.2mm厚×φ22.4mm(5cm)の円盤〕を貼合わせたものを磁気吸着させ、プルゲージ21を用いて引き剥がすに要する力を測定し、g/cmを算出する。
(3)表面漏洩磁束密度の測定方法
磁石シート6(検体)の表面をガウスメーター(カネテック社製GAUSS METER TM−701)のプローブを、着磁面に密着摺動させて表面漏洩磁束密度を測定する。
≪試験の結果≫
(1)磁極のパターン
実施例1〜4については極間のバラツキがなく、均一な着磁画像が見られる。実施例2は既存磁極が新着磁の極間部に薄く現れているが実用上の問題はない。
(2)磁気吸着力
実施例1〜4については着磁の継ぎ足し箇所と着磁ヨークの中央部に相当する箇所との差が認められない。それに比べて比較例1は当然のことであるが、希土類磁石の磁界によって多極着磁の磁極が消失しているので特に弱い値となっている。
(3)表面漏洩磁束密度
実施例1〜4については着磁の継ぎ足し箇所と着磁ヨークの中央部に相当する箇所での差が認められない。それに比べて比較例1は当然のことであるが、上記と同様に希土類磁石の磁界によって多極着磁の磁極が消失しているので特に弱い値となっている。
≪結言≫
以上の実施例、比較例から分かるように本発明の着磁装置による着磁方法によって、補修着磁、仕様変更着磁、新規着磁が容易に小規模で精度良く実施できる利点がある。
本発明は、磁石シートの用途拡大に伴って生じる補修着磁、印刷加工後などの着磁、仕様変更着磁などを容易に出来る利点があり、今後の磁石シートの用途拡大に有用である。
A1、A1−2、A2、A3、A4:永久磁石型着磁ヨーク
(a1):永久磁石型着磁ヨークA1の部分拡大で図示する部分
B:着磁定規
C:磁極消去用磁石
N:磁石のN極
S:磁石のS極
(N):着磁した場合に生じる磁石シートのN極の範囲
(S):着磁した場合に生じる磁石シートのS極の範囲
L:極間
M−1:既着磁部分
M−2:着磁を施される部分
1:希土類系焼結永久磁石平板、
2:軟質磁性金属平板であるポールピース(磁極片)
3:永久磁石型着磁ヨークのフレーム兼位置決めガイド
4:永久磁石型着磁ヨークのフレーム
5:主たる磁束
6:磁石シート
7:磁石シートの磁極
8:直線定規状の着磁定規基板
9:着磁定規の持ち手
10:未着磁部分
11:磁極を消失又は磁極が劣化した部分
12:固定ボルト
13:ガイド溝
14:ガイド
15:シャフト
16:締結ボルトナット
17:垂直壁
18:スチール薄板
19:両面粘着テープ
20: 背面に引っ掛け部を有するプラスチック板
21:プルゲージ
22:希土類系焼結磁石
23:フレーム

Claims (13)

  1. 希土類系焼結磁石を用いた永久磁石型多極着磁ヨークと、直線定規状板の裏面に前記着磁ヨークと同極間で多極着磁を施したフエライト系磁石シートを磁極方向を長手方向にして着磁面を外側に積層した着磁定規から成り、被着磁シートの任意の部分に前記着磁定規を磁気貼着し、永久磁石型多極着磁ヨークを摺動又は接触回転させることで、着磁を施すことが出来ることを特徴とする着磁装置。
  2. 前記永久磁石型多極着磁ヨークと前記着磁定規との距離を規制する厚みのフレーム又はガイドを付加した永久磁石型多極着磁ヨーク、又は着磁定規にガイドを付加した請求項1に記載の着磁装置。
  3. 前記被着磁シートがストロンチュウムフエライト系未着磁シート又はバリュウムフエライト系未着磁シートである請求項1又は請求項2に記載の着磁装置。
  4. 前記永久磁石型着磁ヨークの希土類系焼結磁石がネオジウム系焼結磁石又はサマリュウムコバルト系焼結磁石である請求項1又は請求項2に記載の着磁装置。
  5. 前記永久磁石型多極着磁ヨークが、少なくとも一つの角が直角で接する2面が平面である立方体又は枠状体、又はハンドロール型、又は長手方向に半円柱と四角柱より成る形状である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の着磁装置。
  6. 前記着磁定規の多極着磁シート及び永久磁石型多極着磁ヨークの両端部磁極を同極としたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の着磁装置。
  7. 希土類系焼結磁石を用いた永久磁石型多極着磁ヨークと、直線定規状板の裏面に前記着磁ヨークと同極間で多極着磁を施したフエライト系磁石シートを、磁極方向を長手方向にして着磁面を外側に積層した着磁定規とから成る着磁装置を用いた着磁方法であって、被着磁シートであるフエライト系未着磁シートの任意の部分に前記着磁定規を磁気貼着して、永久磁石型多極着磁ヨークを着磁定規の長手方向の着磁を施す側の側面に沿って端から他の端まで被着磁シート面上を摺動又はロール状永久磁石型多極着磁ヨークを接触回転させることで、永久磁石型多極着磁ヨークと同極数の着磁を施すことを特徴とする着磁方法。
  8. 希土類系焼結磁石を用いた永久磁石型多極着磁ヨークと、直線定規状板の裏面に前記着磁ヨークと同極間で多極着磁を施したフエライト系磁石シートを、磁極方向を長手方向にして着磁面を外側に積層した着磁定規とから成る着磁装置を用いた着磁方法であって、着磁が施された着磁シートの継続して着磁を施す方向側の平面端部手前近辺と着磁定規裏面の多極着磁面の継続して着磁を施す方向側の平面端部を異極吸引同極反発によって磁気吸着させて、着磁定規の継続して着磁を施す方向側端面に沿って永久磁石型多極着磁ヨークを着磁定規の長手方向の着磁を施す側の側面に沿って端から他の端まで被着磁シート面上を摺動又はロール状永久磁石型多極着磁ヨークを接触回転させることで着磁を施し、それを繰り返し行うことにより順次一定極間の着磁を継続して施すことを特徴とする着磁方法。
  9. 希土類系焼結磁石を用いた永久磁石型多極着磁ヨークと、直線定規状板の裏面に前記着磁ヨークと同極間で多極着磁を施したフエライト系磁石シートを、磁極方向を長手方向にして着磁面を外側に積層した着磁定規とから成る着磁装置を用いた着磁方法であって、着磁定規の長手方向の非延長着磁方向の端部を既着磁部分の延長着磁方向側の近辺に異極吸引同極反発によって磁気吸着させて、着磁定規の着磁方向端面に沿って、永久磁石型多極着磁ヨークを着磁定規の長手方向の着磁を施す側の側面に沿って端から他の端まで被着磁シート面上を摺動又はロール状永久磁石型多極着磁ヨークを接触回転させることで着磁を施し、それを繰り返し行うことにより、順次一定極間の着磁を継続して施すことで磁極方向の延長着磁を施すことを特徴とする着磁方法。
  10. 希土類系焼結磁石を用いた永久磁石型多極着磁ヨークと、直線定規状板の裏面に前記着磁ヨークと同極間で多極着磁を施したフエライト系磁石シートを、磁極方向を長手方向にして着磁面を外側に積層した着磁定規とから成る着磁装置を用いた着磁方法であって、前記請求項8又は請求項8及び9の着磁を施す方向を反転させて、着磁を継続して施すことを特徴とする着磁方法。
  11. 一部分磁極変化を生じた着磁シートの磁極変化箇所を永久磁石型多極着磁ヨークが摺動できる位置に着磁定規を異極吸引と同極反発によって磁気吸着し、着磁定規の端面に沿って永久磁石型多極着磁ヨークを摺動することで永久磁石型多極着磁ヨークの磁極数で着磁を施し、その後着磁が施された部分の着磁方向端部近辺と着磁定規の多極着磁を施した磁石シートの磁極方向端部近辺を異極吸引と同極反発により磁気吸着させて、着磁定規の着磁方向端面に沿って永久磁石型多極着磁ヨークを摺動又はロール状永久磁石型多極着磁ヨークを接触回転して着磁を施し、それを繰り返すことにより着磁を施し磁極変化箇所を補修着磁することを特徴とする着磁方法。
  12. 被着磁シートを、平坦なテーブル上に広げた状態又は、基体の表面に接着剤を用いて貼着した状態で着磁を施す請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の着磁方法。
  13. 磁石シートを平坦なテーブル上に広げた状態又は、基体の表面に磁気吸着又は接着剤を用いて貼着した状態で、該磁石シートの固有保磁力以上の磁界の強さを、該磁石シートに印加するために磁極消去用磁石を既存着磁面に摺動させることによって既存磁極を消去した後に、既存磁極の極間又は磁極方向、又は極間及び磁極方向の変更着磁を施す請求項7から請求項10のいずれか1項又は請求項12に記載の着磁方法。

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