JP2003118294A6 - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】老朽化した鋼板製黒板のメンテナンスや鋼板製の建物壁面の表示物を取り替えるに際し、黒板や表示装置を解体することなく、かつ、簡単な構成として鋼板やシート状磁石等の強磁性体製表示部材の交換が楽にでき、しかもその交換作業時に鋼板やシート状磁石等の強磁性体製表示部材の位置ズレ等があっても他部材が付着することなく、繰り返し貼り替えが容易な構造とする。
【解決手段】木製等の基板1上に接着剤2等を介して取り付けられた鋼板3や既存の鋼板製黒板、鋼板製の建物壁面等の上方に、鋼板製部材側を磁気吸着力の強い面4aとし、反対側を磁気吸着力の弱い面4bとした両面に磁気吸着力を有するシート状磁石3を介在させて、鋼板製表示部材5またはシート状磁石製表示部材7を磁気吸着力で取り付ける。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、施工、張り替え等が容易な黒板、白板、壁面表示等の表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、黒板の表面が老朽化や汚染等で交換時期を迎えた場合のメンテナンスとして、現存の黒板の上面にシート状磁石を取り付け、その上面に新しい鋼板製表面部材(以下、鋼板製黒板部材と称する)を磁力で貼着させて取り付ける技術(実用新案登録第2587586号公報参照)が採用されつつある。この技術は、古い黒板を取り外すことなく施工できる優れたものであり、新しい鋼板製黒板部材の貼着時にズレを生じても、取り外して何回でも貼り替えの修正作業ができると共に、新しい鋼板製黒板部材自体が老朽化すれば、単に取り替えるだけで済むと言う利点がある。そして、この技術における新しい鋼板製黒板部材の貼着作業性を向上させるものとして特許第3062131号公報に示されるように、従来の黒板が鋼板製の強磁性体であることに着目して、両面に着磁したシート状磁石を従来の黒板及び新しい鋼板製黒板部材間に介在させて使用し、磁力で両部材を取り付けると共に、新しい鋼板製黒板部材を剥がし易くするためにシート状磁石と新しい鋼板製黒板部材との間に合成樹脂製の剥離シートを介在させる方法が知られている。なお、剥離シートを使用しないと、新しい鋼板製黒板部材を位置調整等で剥がそうとした場合には図5に示すように、シート状磁石41が新しい鋼板製黒板部材51に吸着した状態で古い黒板の表面を構成する鋼板31から剥がれてくる場合があり、この発明は、この現象も防ぐ作用を持ち合わせていると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許第3062131号公報に示された従来技術においては、新しい鋼板製黒板部材とシート状磁石の間に剥離シートを介在させるためにコスト高になると共に、剥離シートの周りにエアーポケットが生じやすくて密着できなくなる可能性があり、さらに剥離シートの厚みが磁力の吸着に関するエアーギャップとなり磁石吸着力利用の効率を低下させるので不経済である。そこで本発明は、生産コストの向上を来たすことなく新しい鋼板製表示部材、更に、他の表示部材、例えば近時建設されている大型鉄筋造ビルにおいて、構造材兼壁面材とした鉄板部材を利用して、壁面の大型表示(黒板、白板、絵画や案内表示等)用の鋼板、強磁性体粉練り込みシート、シート状磁石等の強磁性体製表示部材を意図して、貼着と貼り替え作業が確実、かつ、容易にできる表示装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、基板の表面に強磁性体部材を貼着または強磁性体としての壁面に、この強磁性体部材側の磁気吸着力が他の面に比べて強く、かつ、両面に磁気吸着力を有する可撓性のシート状磁石を介在させて、鋼板、強磁性体練り込みシート、シート状磁石等の強磁性体製表示部材を磁気貼着させることによって、表示部材を貼り替え時に、シート状磁石と表示部材裏面との界面で全面剥離できることを特徴とする表示装置にある。本発明の第2は、前記シート状磁石が、強磁性体面との磁気吸着力と強磁性体製表示部材裏面との磁気吸着力の比で、強磁性体面と強磁性体製表示部材裏面に挟まれて磁気吸着した状態において、1:0.75〜0.95の範囲であることによって、シート状磁石と表示部材裏面との界面で、円滑な全面剥離性能が得られ、かつ、磁石の磁力を効率よく経済的に利用したことを特徴とする表示装置にある。本発明の第3は、シート状磁石が、厚み方向に配向した異方性フェライト系シート状磁石であって、極間がシート状磁石の厚みに対して2〜10倍の範囲の寸法で片面より多極着磁を施したものとすることによって、一面と他面との磁気吸着力差および強力な磁気吸着力が得られ、かつ、着磁の簡略化による経済性の優れたことを特徴とする本発明の第1又は第2の表示装置にある。
【0005】
本発明に使用するシート状磁石の原反(未着磁シート)は、公知の市販品を使用することができる。即ち、磁石材料微粉末を有機高分子粘結材と混合、混練後シート状に成形したものを使用できる。磁石材料微粉末としては、バリウムフェライト,ストロンチウムフェライト等のフェライト系磁石材料微粉末,サマリウム・コバルト系,ネオジウム・鉄・硼素系等の希土類磁石材料微粉末が挙げられる。成形方法としては、圧延成形や押し出し成形等によってシート化したもので良い。また、異方性磁石材料微粉末の場合は、磁化容易軸を厚み方向に配向させるために、機械配向型磁粉は圧延配向によって、磁場配向型磁粉は磁場押出配向によって配向したもので良い。
【0006】
本発明の第1に用いるシート状磁石の着磁方法は、公知のワンターン多極着磁ヨークとコンデンサー式着磁電源を用いて、一面と他の面にそれぞれワンターン多極着磁ヨークを密着させて、通電開始に時間差を設けて着磁することによって、一面と他面で磁気吸着力差を付与することができる。この場合、遅れて着磁した面の磁気吸着力が強く得られる。また、別の方法として、一面のみ先に着磁した後、裏返して他の面を着磁することによって、後で着磁した面の磁気吸着力を強く得ることもできる。本発明に使用する強磁性体部材及び強磁性体製表示部材として使用する強磁性体粉練り込みシートとしては、鉄粉、鉄との合金粉、ソフトフェライト粉等の強磁性体粉を高充填した塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アクリルゴム等の有機高分子エラストマーよりなるシートを用いることができる。
【0007】
本発明の第2は、強磁性体面との磁気吸着力と強磁性体製表示部材裏面との磁気吸着力比が、強磁性体面と強磁性体製表示部材裏面に磁気吸着した状態において、1:0.75〜0.95であることにあり、その範囲になるためのシート状磁石単体の磁気吸着力比は、等方性シート状磁石の場合が約1:0.7〜0.8、異方性シート状磁石の場合は約1:0.2〜0.4にすることで得られる。前記の1:0.75〜0.95の範囲を逸脱すると、0.75より小なる場合は吸着力差が過大となり、強磁性体製表示部材を固定するに充分な吸着力の時における強磁性体側の吸着が必要以上の強いものとなり、効率の悪いシート状磁石となる。また、0.95より大きくなると吸着力差が過小となり、夏期の高温な環境下では、シート状磁石の材質によっては、強磁性体製表示部材側のみの剥離が100%得られない場合を生じるので、1:0.75〜0.95の範囲内のものを使用するのが好ましい。なお、前記強磁性体面との吸着力は強磁性体が表装されている場合は、その表面との吸着力とする。
【0008】
磁気吸着力の測定方法は、シート状磁石単体の場合には、例えばプラスチック板のように平滑な非磁性体板の表面に非測定面を両面粘着テープにて貼着し、測定面に平滑な5mm厚の片面中心部に引掛け部を有する鋼板製円盤(10cm)を磁気吸着させて、垂直方向に引き離すに要する力をバネ秤で測定し、g/cmを求める。強磁性体と強磁性体製表示部材に挟まれた状態の磁気吸着力については、類似磁路を形成して測定することによって成され、強磁性体が鋼板の場合は平滑な0.8mm厚の鋼板に、シート状磁石50mm角の非測定面を磁気吸着させ、測定面に平滑な5mm厚の片面中心部に引掛を有する鋼板製円盤(10cm)を磁気吸着させて、垂直方向に引き離すに要する力をバネ秤で測定し、g/cmを求める。強磁性体が強磁性体粉を練り込んだシートまたはシート状磁石である時は、前記鉄板にかえて同様にして試験する。
【0009】
本発明の第3のシート状磁石は、異方性フェライト磁石原反(未着磁品)の磁気吸着力を大きくする側の一面だけに、極間がシート状磁石の厚みに対して2〜10倍の範囲のワンターン多極着磁ヨークを密着させて、直流パルス電流を通電することで着磁する。前記の2〜10倍の範囲を逸脱すると、2未満の場合は非着磁面の磁気吸着力が不足となり、10倍を超えると両面共に磁気吸着力が低下するので、2〜10倍の範囲で着磁するのが好ましい。
【0010】
本発明の第4は、前記発明1乃至3のように、片面と他の平面の吸着力を異にする特殊なシート状磁石を用いないで、汎用の両面着磁品を用いて吸着力差1:0.75〜0.95を得るために強磁性体粉を有機高分子エラストマーに練り込んだシートを表示部材に用いることで鋼板側よりも弱い前記比の吸着力を得るようにした。
【0011】
図4は、従来の黒板における剥離シートを使用しない場合の両面着磁を施したシート磁石4’の磁束の主な流れを示す断面概念図である。(a)は磁石シート単体の状態を示し、(b)は鋼板3’と鋼板製黒板部材5’とで挟まれて閉磁路を形成した状態を示す。なお、(b)におけるR界面とF界面の磁気吸着力は等しく現れる。図3は、本発明の表示装置に使用される一面と他面の磁気吸着力が異なる磁石シート4について、磁束の主な流れを示す断面概念図である。(a)は磁石シート単体の状態を示し、(b)は鋼板3と鋼板製表示部材5とで囲まれて閉磁路を形成する他にR界面に面内閉磁路を形成する状態を示す。従って、(b)におけるR界面とF界面の磁気吸着力はR界面に強く現れる。なお、図3及び図4での磁力の強弱をN−S>N’−S’>n−sで示す。
【0012】
【発明実施の形態】
本発明の基本構成における強磁性体製表示部材として鋼板を用いた場合について大型の黒板を例に説明すると、可撓性シート状磁石を用いた場合については、ビルの構造材兼壁面材とした鋼板面での表示装置を例に説明する。大型の黒板は図1に示すように木材等で作られた基板1上に接着剤2を介して鋼板3を取り付けた状態で、該鋼板3上に鋼板製表示部材5を、両面に着磁させたシート状磁石4を介して磁力で着脱自在に貼着する条件をもとに、該シート状磁石4の磁気吸着力を、上記鋼板製表示部材(鋼板製黒板部材)5側を上記鋼板3側より弱く設定するものである。
【0013】
以下、大型黒板を実施例に基づき説明する。
【0014】
(実施例1)従来公知の黒板と同様に、図示しない木製の周枠(略30×35mm)および中枠(略30×35mm)、地板(ベニヤ板5mm厚)、裏板(ベニヤ板3mm厚)を用いて、釘打ちにて幅3.6m、高さ1.2mの基板1を作製する。次に、上記基板1上にその寸法に合わせて裁断された鋼板3に相当する亜鉛メッキ鋼板(0.5mm厚)を、接着剤2であるニトリルゴム系接着剤にて貼着する。本実施例に使用するシート状磁石4は、未着磁である市販の等方性ストロンチウムフェライト系シート状磁石(0.8mm厚)の原反を用い、極間3mmピッチのワンターン多極着磁ヨークを一面に密着させて、コンデンサー式着磁電源にて2000Aのパルス直流電流を通電して着磁した後、裏返して他面を同様に着磁する。なお、着磁は後に着磁した方が先に着磁した磁力を減磁する作用もあるので、磁気吸着力は後着磁面が強く、先着磁面が弱くなる。このように着磁された大型のシート状の磁石を、上記鋼板3と同寸法に裁断してシート状磁石4とし、磁気吸着力の強い面4aを上面として巻物状に整える。次に、図2に示すように上記鋼板3上に該磁気吸着力の強い面4aの一端を置いたのち巻き解くことにより、シート状磁石4が鋼板3上に磁気吸着力で取り付けられる。この状態で、上記シート状磁石4の磁気吸着力の弱い面4bは上面に露出しており、ここの一方の端部に、巻物状に整えられた上記鋼板製表示部材(0.5mm厚)5における下面の一端を置いて巻き解けば、該鋼板製表示持部材5は、上記シート状磁石4上に磁気吸着力で取り付けられる。(図2参照)
その後は従来の黒板の施工と同様に、上記基板1の周枠に縁枠を取り付け、さらに下端縁部にアルミ製等の粉受けを取り付けて黒板が完成する。(図示せず)本実施例においては、上記鋼板製表示部材(鋼板製黒板部材)5の貼着時にズレが生じた場合は、上記手順と逆に巻き戻し、再度巻き解く操作を繰り返すことが容易で貼着位置を精度よく調整できる。なお、上記シート状磁石4の磁気吸着力による貼着操作も同様に調整可能である。また、将来的に該鋼板製表示部材5が老朽化等で交換時期を迎えても、同様な仕様の単に新しい鋼板製表示部材を、上記と同様に磁気吸着力で取り付けるだけでよい。なお、これらの取り付け操作時に上記シート状磁石4は、下述する試験結果に示すように上記鋼板3上から剥がれないためスムーズに貼り替え作業ができる。
【0015】
以下の実施例においては、シート状磁石4の仕様が異なる以外は上記実施例1と同様のため、シート状磁石4の仕様以外の説明は省略する。
【0016】
(実施例2)本実施例に使用するシート状磁石4は、未着磁である市販の厚み方向に配向した異方性ストロンチウムフェライト系のシート状磁石(0.4mm厚)原反を用い、片面のみ実施例1と同様に着磁する。この場合における磁気吸着力は、着磁処理面が強く、非処理面が弱く生じる。
【0017】
(実施例3)本実施例に使用するシート状磁石4は、未着磁である市販の厚み方向に配向した異方性ストロンチウムフェライト系のシート状磁石(0.6mm厚)原反を用い、極間2.5mmピッチの多極着磁ヨークにて実施例2と同様に着磁する。この場合における磁気吸着力も、着磁処理面が強く、非処理面が弱く生じる。
【0018】
(実施例4)本実施例に使用するシート状磁石4は、実施例3における極間2.5mmピッチを極間3.0mmピッチに変更したものである。この場合における磁気吸着力も、着磁処理面が強く、非処理面が弱く生じる。
(実施例5)強磁性体部材及び強磁性体表示部材は、塩素化ポリエチレンにアトマイズ鉄粉(平均粒子径30μm)を60容積%練り込んだ0.75mm厚の市販品を用いる。なお、黒板用の表示部材は、市販の粘着材付き黒板表示材フィルム(0.1mm厚)を用いてラミネートする。それ以外は実施例4と同様にする。
【0019】
上記の各実施例と対比するため、従来技術における剥離シートを使用しない場合に相当する、シート状磁石4における一面と他面が同じ磁気吸着力を有する比較例を作製する。
【0020】
(比較例1)本比較例に使用するシート状磁石4’は、未着磁である市販の等方性ストロンチウムフェライト系シート状磁石(0.8mm厚)の原反を用い、極間3mmピッチワンターン多極着磁ヨークを両面に密着させて、コンデンサー式着磁電源にて1500Aのパルス直流電流を両面同時に通電して両面着磁する。
(比較例2)本比較例に使用するシート状磁石4’は、未着磁である市販の異方性ストロンチウムフェライト系シート状磁石(0.6mm厚)の原反を用い、比較例1と同様に両面着磁する。
(比較例3)強磁性体部材及び強磁性体製表示部材を実施例5と同様にする他は比較例2と同様にする。
【0021】
壁面表示装置は、図6に示すように、鉄骨造ビルの構造材兼壁面材である鋼板32の表装材6の上に、両面に着磁したシート状磁石42を介して該シート状磁石と同極間に着磁したシート状磁石製の表示部材7を磁力で着脱自在に貼着する条件を元に、シート状磁石42の磁気吸着力を上記シート状磁石製の表示部材7側を上記鋼板32側より弱く設定するものである。
【0022】
以下、壁面表示装置を実施例に基づき説明する。
【0023】
(実施例6)本実施例に使用する構造材兼壁面材鋼板32は、表装材6が0.1mm厚の塩化ビニルフィルムである被覆鋼板を用いる。本実施例に使用するシート状磁石42は実施例4のシート状磁石4と同じものを用いて非着磁処理面側に表装材61として総厚み0.1mm厚の粘着材処理塩化ビニルフィルムをラミネートする。本実施例に使用するシート状磁石製の表示部材7は未着磁である市販のセミ異方性ストロンチウムフェライト系シート磁石原反(0.7mm厚)を用い、シート状磁石42と同じ極間に実施例1と同様に着磁し、次に前記のシート状磁石42と同様にして表装材62をラミネートする。次に、前記構造材兼壁面材鋼板32と表装材6よりなる壁面12に、前記表装材61と一体化した横3.6m、縦1.2mのシート状磁石42を磁気吸着によって貼着し、その表面に前記の表装材62と一体化した横3.55m縦1.15mの表示部材7をシート状磁石42と表示部材7の同磁極反撥及び異磁極吸引によって貼着する。
(比較例4)本比較例に使用するシート状磁石42は、比較例2と同様のものを用いて、表装材61を実施例5と同様にしてラミネートし、構造材兼壁面材32及び表装材6とシート状磁石製表示部材7については、実施例6と同様にする。
(実施例7)本発明による他の大型黒板については、強磁性体製表示部材としての黒板用表示部材を実施例5と同様にする他は、比較例2と同様にする。
【0024】
上記の各実施例及び各比較例に用いたシート状磁石4または42について、該シート状磁石4単体の磁気吸着力と、上記鋼板3または構造材兼壁面材鋼板32または強磁性体粉練り込みシート9と上記鋼板製表示部材5またはシート状磁石製表示部材7または強磁性体粉練り込みシート製表示部材8に挟まれた状態に類似した磁路での磁気吸着力、並びに上記鋼板製表示部材5またはシート状磁石製表示部材7または強磁性体粉練り込みシート製表示部材8の剥ぎ取り時における上記シート状磁石4または42の剥離性に付いて、以下に示す試験方法で測定または検査し、その結果を表1に示す。
【0025】
(試験方法1)シート状磁石4または4’または42単体での磁気吸着力について、平滑なプラスチック板の表面に非測定面を両面粘着テープにて貼着させて取り付け、測定面に平滑な5mm厚の鋼板製円盤(10cm)を磁気吸着させて垂直方向に引き離すに要する力をバネ秤で測定し、g/cmを求める。
(試験方法2)上記鋼板3または3’または32または強磁性体粉練り込みシート9と上記鋼板表示部材5または5’またはシート状磁石製表示部材7または強磁性体粉練り込みシート製表示部材8に挟まれた状態に類似した磁路での磁気吸着力について、鋼板である時は平滑な0.8mm厚の鋼板に非測定面を磁気吸着させ、測定面に平滑な5mm厚の鋼板製円盤(10cm)を磁気吸着させて垂直方向に引き離すに要する力をバネ秤で測定し、g/cmを求める。強磁性体が強磁性体粉を練り込んだシートまたはシート状磁石である時は、前記鋼板にかえて同様にして試験する。
(試験方法3)大型黒板については、上記鋼板製表示部材5または5’の剥ぎ取り時における上記シート状磁石4または4’の剥離性について、製作後3年経過した黒板における基板の周枠および下段の粉受けを取り除き、一方の端部より鋼板製表示部材を剥がしながら巻き取り、この時のシート状磁石の剥離性を観察する。壁面表示装置については、構造材兼壁面材鋼板32、シート磁石製表示部材7を用いること及び貼着後6ヶ月の剥離性について観察する以外は、上述した大型黒板の場合と同様にする。なお、シート状磁石表示部材7単体の磁気吸着力は、50g/cmである。
【0026】
表1および表2に示されるように、異なる吸着力を有する両面着磁の本発明品は、単体における吸着力の比が等方性磁石で1:0.7〜0.8、異方性磁石で1:0.2〜0.4に作製され、鋼板の間に狭持された際の吸着力の比は1:0.75〜0.95であり、従来品における剥離シートを用いない状態に相当する比較例においては両面の吸着力は同等である。この状態での剥離性は、比較例においては鋼板または強磁性体粉練り込みシートまたはシート状磁石製表示部材裏面とシート状磁石面間の界面で剥離する部分と、基板の鋼板とシート状磁石面間の界面で剥離する部分が生じ、シート状磁石は再度貼着し直す必要が有って作業に手間取るが、本発明の各表示装置は、シート状磁石と鋼板または強磁性体粉練り込みシートまたはシート状磁石製表示部材裏面間の各面で全面が剥離することが判る。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば鋼板または強磁性体粉練り込みシートまたはシート状磁石等の強磁性体製表示部材を新しいものと取り替える時、剥離シートのような別部材を用いることなく、使用するシート状磁石を両面に異なった磁気吸着力の着磁を行ったものを使用するだけでよいので生産コストを押さえることができる。なお、強磁性体製表示部材を剥がす時には、シート状磁石が基板の強磁性体面と強磁性体製表示部材裏面との両方にまたがって部分的に付着又は剥離するようなことなく、シート状磁石と鋼板製表示部材の界面でのみ剥離するので、シート状磁石まで貼り直す必要が無く、簡単に強磁性体製表示装置のみ貼り替えすることができる。本発明に使用するシート状磁石を、基板の強磁性体面との磁気吸着力と、強磁性体製表示部材裏面との磁気吸着力の比で、基板の強磁性体面と強磁性体製表示部材裏面に挟まれて磁気吸着した状態において、1:0.75〜0.95の範囲にすることによって、シート状磁石と強磁性体製表示部材との界面で、円滑な全面剥離性能が得られ、かつ、磁石を効率よく経済的に利用できる。本発明の表示装置に使用するシート状磁石を、厚み方向に配向した異方性フェライト系シート状磁石であって、極間がシート状磁石の厚みに対して2〜10倍の範囲内の寸法で片面より多極着磁を施すことによって、一面と他面の磁気吸着力差と強力な磁気吸着力が得られ、かつ、着磁の簡略化による経済効果が得られる。また、本発明における表示装置は、黒板や白板に限らず、近時建設されている大型鉄筋造ビルにおいて、構造材兼壁面材とした鋼板を利用した壁面の大型表示(黒板、白板、絵画や案内表示等)に用いる等、広い分野で応用することができる。また、シート状磁石製の表示部材を用いた場合は介在する両面に磁気吸着を有するシート状磁石の磁極に沿って方向が決まるので、水平または垂直に気を配る必要なく容易に貼着することができる。さらに、強磁性体粉を練り込んだシート製表示部材を使用した黒板にあっては、シート状磁石と熱膨張係数が同等であるので黒板幅3.6mのような大型の場合、鋼板製の黒板部材を用いるとシート状磁石と鋼板製黒板部材との熱膨張の差で、室温の高低が大きい室内で波打ち現象を生ずる可能性があるが、前記シート製の黒板部材を使用するとこの心配がない。その他、突起物が当たっても鋼板のように永久凹みを生じにくく、チョークの当たり音が低い等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表示装置の断面図である。
【図2】本発明によるシート状磁石及び鋼板製表示部材の貼着方法を示す斜視図である。
【図3】本発明によるシート状磁石から出る主たる磁束の概念を示す断面図であり、(a)はシート状磁石単体、(b)はシート状磁石を鋼板と鋼板製表示部材に磁気吸着させた場合を示す。
【図4】従来における剥離シートを使用しない場合のシート状磁石から出る主たる磁束の概念を示す断面図であり、(a)はシート状磁石単体、(b)はシート状磁石を鋼板と鋼板製表示部材に磁気吸着させた場合を示す。
【図5】従来における剥離シートを使用しない場合の新しい鋼板製黒板部材を剥がした時の概略図である。
【図6】本発明による建物の構造材兼壁面材鋼板の壁面を利用し、シート状磁石製の表示部材を用いた表示装置の断面図である。
【図7】本発明による強磁性体部材及び強磁性体製表示部材に強磁性体粉練り込みシートを用いた表示装置の断面図である。
【図8】本発明による強磁性体粉練り込みシート製表示部材を用いた表示装置の断面図である。
【符号の説明】
R 界面
F 界面
1 基板
2 接着剤
3、3’、31 鋼板
4、4’、41、42 シート状磁石
4a 磁気吸着力の強い面
4b 磁気吸着力の弱い面
5、5’、51 鋼板製表示部材
6、61、62 表装材
7 シート状磁石製の表示部材
8 強磁性体粉練り込みシート製表示部材
9 (強磁性体部材である)強磁性体粉練り込みシート
32 構造材兼壁面材鋼板
Figure 2003118294
【0010】本発明の第4は、前記発明1乃至3のように、片面と他の面側の吸着力を異にする特殊なシート状磁石を用いないで、汎用の両面着磁品を用いて吸着力差1:0.75〜0.95を得るために強磁性体粉を有機高分子エラストマーに練り込んだシートを表示部材に用いることで鋼板側よりも弱い前記比の吸着力を得るようにした。

Claims (4)

  1. 基板の表面に強磁性体部材を貼着または強磁性体部材としての壁面に、この強磁性体部材側との磁気吸着力が他の面に比べて強い、両面に磁気吸着力を有する可撓性のシート状磁石を介在させて、強磁性体製表示部材を磁気貼着させたことを特徴とする表示装置
  2. シート状磁石が、強磁性体面との磁気吸着力と強磁性体製表示部材裏面との磁気吸着力の比で、強磁性体面と強磁性体製表示部材裏面に挟まれて磁気吸着した状態において、1:0.75〜0.95の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置
  3. シート状磁石が、厚み方向に配向した異方性フェライト系シート状磁石であって、極間がシート状磁石の厚みに対して2〜10倍の範囲の寸法で片面より多極着磁を施したことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置
  4. 基板の表面に鋼板を貼着、または鋼板製壁面に両面着磁を施して両面が同等の吸着力を有する可撓性のシート状磁石を介在させて、強磁性体粉を有機高分子エラストマーに練り込んだシート製の表示部材を磁気貼着することで鋼板側の吸着力比が1に対して他の両側が0.75〜0.95の範囲になることを特徴とする表示装置
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