JP2003318018A - 磁気吸着シート - Google Patents
磁気吸着シートInfo
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- JP2003318018A JP2003318018A JP2002119844A JP2002119844A JP2003318018A JP 2003318018 A JP2003318018 A JP 2003318018A JP 2002119844 A JP2002119844 A JP 2002119844A JP 2002119844 A JP2002119844 A JP 2002119844A JP 2003318018 A JP2003318018 A JP 2003318018A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】悪臭が抑制され、耐水性が高く、かつ筆記と筆
記内容の消去とを繰り返し行うことが可能である磁気吸
着シートを提供する。 【解決手段】非磁性支持体と、非磁性支持体上に強磁性
粉末、結合剤およびケトン系溶媒を含む磁性塗料の塗
布、配向および乾燥を行って形成された磁性層とを有
し、磁性層の厚さは0.03〜0.15mmであり、磁
性層の面内方向の角形比が80%以上であり、かつ面内
方向に分極するように交互に多極着磁され、磁性塗料は
強磁性粉末100重量部に対してカルボン酸あるいはカ
ルボン酸無水物を0.03〜3重量部含有することによ
り、ケトン系溶媒の変成が抑制されていることを特徴と
し、非磁性支持体上に耐アルコール系インク層を有する
磁気吸着シート。
記内容の消去とを繰り返し行うことが可能である磁気吸
着シートを提供する。 【解決手段】非磁性支持体と、非磁性支持体上に強磁性
粉末、結合剤およびケトン系溶媒を含む磁性塗料の塗
布、配向および乾燥を行って形成された磁性層とを有
し、磁性層の厚さは0.03〜0.15mmであり、磁
性層の面内方向の角形比が80%以上であり、かつ面内
方向に分極するように交互に多極着磁され、磁性塗料は
強磁性粉末100重量部に対してカルボン酸あるいはカ
ルボン酸無水物を0.03〜3重量部含有することによ
り、ケトン系溶媒の変成が抑制されていることを特徴と
し、非磁性支持体上に耐アルコール系インク層を有する
磁気吸着シート。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気吸着シートに関
し、特に、悪臭の発生が防止でき、表示面への筆記やそ
の消去を行うこともできる磁気吸着シートに関する。
し、特に、悪臭の発生が防止でき、表示面への筆記やそ
の消去を行うこともできる磁気吸着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】磁石の磁気吸着を利用した磁気吸着シー
トは、各種表示具として幅広く使われており、特に、事
務用品として用途が拡大しつつある。近年、パーソナル
コンピュータの急速な普及に伴い、プリンター等の周辺
機器の性能が著しく向上している。一般用プリンターに
よる印刷の品質は、業務用プリンターによる印刷の品質
に匹敵しつつある。
トは、各種表示具として幅広く使われており、特に、事
務用品として用途が拡大しつつある。近年、パーソナル
コンピュータの急速な普及に伴い、プリンター等の周辺
機器の性能が著しく向上している。一般用プリンターに
よる印刷の品質は、業務用プリンターによる印刷の品質
に匹敵しつつある。
【0003】業務用プリンターにおいては、A0、A1
版、B0、B1版といった所謂大判タイプの用紙に出力
できる大判プリンターの需要が増大している。このよう
に比較的簡単に高品質の印刷を行うことが可能となり、
一般用(個人用)と業務用のいずれにおいても、印刷物
を着脱自在に利用したいという要望が高まっている。
版、B0、B1版といった所謂大判タイプの用紙に出力
できる大判プリンターの需要が増大している。このよう
に比較的簡単に高品質の印刷を行うことが可能となり、
一般用(個人用)と業務用のいずれにおいても、印刷物
を着脱自在に利用したいという要望が高まっている。
【0004】印刷物の第1の利用目的は表示である。印
刷物を掲示する場合、一般に各種接着剤、接着テープ、
画鋲、キャップマグネット等の固定材が使用されてい
る。磁気吸着シートは表示物自体が磁気吸着性を有する
固定材であるため、掲示場所が強磁性面であれば、他の
固定材を必要としない。したがって、印刷物単独で掲示
が可能であり、掲示場所からの脱着も自在である。
刷物を掲示する場合、一般に各種接着剤、接着テープ、
画鋲、キャップマグネット等の固定材が使用されてい
る。磁気吸着シートは表示物自体が磁気吸着性を有する
固定材であるため、掲示場所が強磁性面であれば、他の
固定材を必要としない。したがって、印刷物単独で掲示
が可能であり、掲示場所からの脱着も自在である。
【0005】磁気吸着シートは通常、シート状のボンド
磁石であり、強磁性粉末を結合剤等と混練した半固形状
のペーストまたはコンパウンドを、例えば押出成形等に
よって加工して得られる。一般用プリンター等による印
刷を可能とするため、薄膜化された磁気吸着シートも提
案されている。例えば、押出成形によって製造された厚
さ0.1mmのシート状ボンド磁石と、印刷受容層とを
貼り合わせた全厚0.2mm程度の磁気吸着シートが実
用化されている。
磁石であり、強磁性粉末を結合剤等と混練した半固形状
のペーストまたはコンパウンドを、例えば押出成形等に
よって加工して得られる。一般用プリンター等による印
刷を可能とするため、薄膜化された磁気吸着シートも提
案されている。例えば、押出成形によって製造された厚
さ0.1mmのシート状ボンド磁石と、印刷受容層とを
貼り合わせた全厚0.2mm程度の磁気吸着シートが実
用化されている。
【0006】しかしながら、このようなシート状のボン
ド磁石は、薄膜化により著しく減磁する。磁石はN極お
よびS極によって、その外部に磁界を形成する一方、同
じ磁極により磁石内部にも反磁界と呼ばれる磁界を発生
させる。反磁界は外部磁界がつくる磁気回路に対抗する
ため、磁石自体の磁化を弱める方向に作用する。N極と
S極の距離が小さくなるほど磁界が強くなるのと同様
に、反磁界もN極とS極の距離が小さくなるほど強くな
り、その磁石は減磁し易くなる。
ド磁石は、薄膜化により著しく減磁する。磁石はN極お
よびS極によって、その外部に磁界を形成する一方、同
じ磁極により磁石内部にも反磁界と呼ばれる磁界を発生
させる。反磁界は外部磁界がつくる磁気回路に対抗する
ため、磁石自体の磁化を弱める方向に作用する。N極と
S極の距離が小さくなるほど磁界が強くなるのと同様
に、反磁界もN極とS極の距離が小さくなるほど強くな
り、その磁石は減磁し易くなる。
【0007】図12は、磁性層面に対して垂直方向に配
向および着磁された従来の磁気吸着シートを示す斜視図
である。図12に示すように、磁性層101と被吸着体
102との間に磁力線103で表される磁界が形成され
る。図12の磁気吸着シートは、磁極間距離が磁性層1
01の厚さに等しいため、磁極間の距離を大きくして反
磁界を小さくするには、磁性層101の厚さを増大させ
る必要がある。一方、磁気吸着シートの裁断等を容易と
するため、磁性層101を薄くすると、反磁界が大きく
なり、減磁し易くなる。
向および着磁された従来の磁気吸着シートを示す斜視図
である。図12に示すように、磁性層101と被吸着体
102との間に磁力線103で表される磁界が形成され
る。図12の磁気吸着シートは、磁極間距離が磁性層1
01の厚さに等しいため、磁極間の距離を大きくして反
磁界を小さくするには、磁性層101の厚さを増大させ
る必要がある。一方、磁気吸着シートの裁断等を容易と
するため、磁性層101を薄くすると、反磁界が大きく
なり、減磁し易くなる。
【0008】また、押出成形等のプラスチック成形法に
よる磁気吸着シートの製造は、磁性粉末と結合剤等の混
練物を高温高圧下で加工するため、設備が大規模にな
る。一般にプラスチック成形法によれば、シートを薄膜
化するほど成形が困難となり、設備への負荷が増大す
る。押出成形等の方法では、約0.1mm以下の厚みの
シート状磁石を成形するのは難しい。
よる磁気吸着シートの製造は、磁性粉末と結合剤等の混
練物を高温高圧下で加工するため、設備が大規模にな
る。一般にプラスチック成形法によれば、シートを薄膜
化するほど成形が困難となり、設備への負荷が増大す
る。押出成形等の方法では、約0.1mm以下の厚みの
シート状磁石を成形するのは難しい。
【0009】一方、磁性粉末を含有する磁性塗料を非磁
性支持体上に塗布して磁性層が形成される磁気吸着シー
ト(以下、塗布型ともいう。)も知られている。このよ
うな塗布型の磁気吸着シートは、例えば特開昭58−1
78508号公報、特開平11−273938号公報、
特開2001−76920号公報等に開示されている。
性支持体上に塗布して磁性層が形成される磁気吸着シー
ト(以下、塗布型ともいう。)も知られている。このよ
うな塗布型の磁気吸着シートは、例えば特開昭58−1
78508号公報、特開平11−273938号公報、
特開2001−76920号公報等に開示されている。
【0010】これらのうち、特開昭58−178508
号公報や特開2001−76920号公報には、磁性層
の面内方向へ配向させ、多極着磁を行うことが記載され
ている。面内配向させた場合、磁極間の距離が磁性層の
厚さに依存しない。したがって、磁性層を薄膜化して
も、所望の磁極間距離を確保でき、垂直配向の磁気吸着
シートに比較して磁気吸着力が低下しにくい。特願20
01−231833号は、塗布型の磁気吸着シートの磁
極間距離(着磁ピッチ)として1.8〜2.5mmが好
適であることを示している。
号公報や特開2001−76920号公報には、磁性層
の面内方向へ配向させ、多極着磁を行うことが記載され
ている。面内配向させた場合、磁極間の距離が磁性層の
厚さに依存しない。したがって、磁性層を薄膜化して
も、所望の磁極間距離を確保でき、垂直配向の磁気吸着
シートに比較して磁気吸着力が低下しにくい。特願20
01−231833号は、塗布型の磁気吸着シートの磁
極間距離(着磁ピッチ)として1.8〜2.5mmが好
適であることを示している。
【0011】なお、特開昭58−178508号公報記
載の磁気貼着シートの製造方法によれば、磁性層の乾燥
後の厚さを0.1〜0.3mmとし、磁性層厚が0.1
mmより薄いと吸着力が不足することが示されている
(第2頁右上欄)。この公報の実施例では磁性層厚が
0.2mmであり、磁性層をこれより薄膜化したときの
吸着力は示されていない。また、角形比に関する記載も
ない。
載の磁気貼着シートの製造方法によれば、磁性層の乾燥
後の厚さを0.1〜0.3mmとし、磁性層厚が0.1
mmより薄いと吸着力が不足することが示されている
(第2頁右上欄)。この公報の実施例では磁性層厚が
0.2mmであり、磁性層をこれより薄膜化したときの
吸着力は示されていない。また、角形比に関する記載も
ない。
【0012】特開2001−76920号公報の実施例
によれば、磁性塗膜の磁性粉末をシート面に平行に配
向、着磁した可撓性磁石シートで、磁気吸着力240N
/m2程度(≒2.4gf/cm2 )が得られたとされ
ている。この公報の実施例では例えばA4版に裁断され
たシートに印刷した例が示されているが、裁断されたシ
ートを積層して、連続印刷を行った例や、長尺状のシー
トをロール状に巻き取られた状態から送り出し、印刷を
行った例は示されていない。
によれば、磁性塗膜の磁性粉末をシート面に平行に配
向、着磁した可撓性磁石シートで、磁気吸着力240N
/m2程度(≒2.4gf/cm2 )が得られたとされ
ている。この公報の実施例では例えばA4版に裁断され
たシートに印刷した例が示されているが、裁断されたシ
ートを積層して、連続印刷を行った例や、長尺状のシー
トをロール状に巻き取られた状態から送り出し、印刷を
行った例は示されていない。
【0013】磁気吸着シートの磁気吸着力が約1.0g
f/cm2 を超えると、磁気吸着力が強くなり過ぎて、
シート同士の吸着や、シートと金属製のプリンター部材
との相互作用、あるいはシート間の磁気反発力等の影響
によりプリンターで円滑な印刷を行うことができなくな
る。例えば、シート同士の吸着により給紙位置がずれる
と、正常な印刷が不可能となる。特開2001−769
20号公報記載の可撓性磁石シートは磁気吸着力が過剰
であり、連続印刷やロール状シートへの印刷には適して
いない。
f/cm2 を超えると、磁気吸着力が強くなり過ぎて、
シート同士の吸着や、シートと金属製のプリンター部材
との相互作用、あるいはシート間の磁気反発力等の影響
によりプリンターで円滑な印刷を行うことができなくな
る。例えば、シート同士の吸着により給紙位置がずれる
と、正常な印刷が不可能となる。特開2001−769
20号公報記載の可撓性磁石シートは磁気吸着力が過剰
であり、連続印刷やロール状シートへの印刷には適して
いない。
【0014】特開平11−273938号公報記載の可
撓性磁石シートには、面内方向の角形比を80%以上と
する配向処理は行われず、この公報には配向方向や配向
方法に関する記載もない。この磁石シートには希土類系
材料、好適にはネオジム系材料が用いられ、着磁には消
費電力の大きい着磁ヨークが用いられる。希土類系材料
のように最大エネルギー積が大きい材料を用いる場合、
コンデンサ式の着磁ヨークを用いないと十分に着磁を行
うことができない。
撓性磁石シートには、面内方向の角形比を80%以上と
する配向処理は行われず、この公報には配向方向や配向
方法に関する記載もない。この磁石シートには希土類系
材料、好適にはネオジム系材料が用いられ、着磁には消
費電力の大きい着磁ヨークが用いられる。希土類系材料
のように最大エネルギー積が大きい材料を用いる場合、
コンデンサ式の着磁ヨークを用いないと十分に着磁を行
うことができない。
【0015】永久磁石でシートに強力に着磁を行うに
は、着磁用永久磁石の最大エネルギー積をシート中の磁
性材料の最大エネルギー積よりも十分に大きくする必要
がある。磁石シートに希土類系材料を用いた場合、適切
な着磁用永久磁石がないため、着磁ヨークで着磁を行う
必要がある。
は、着磁用永久磁石の最大エネルギー積をシート中の磁
性材料の最大エネルギー積よりも十分に大きくする必要
がある。磁石シートに希土類系材料を用いた場合、適切
な着磁用永久磁石がないため、着磁ヨークで着磁を行う
必要がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、塗布型
の磁気吸着シートは複数の公報で開示されているが、塗
布型の磁気吸着シートでは磁性塗料に溶剤が用いられる
ため、これに起因して悪臭が発生する場合がある。磁性
塗料の溶剤としては、主にアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系溶媒を用いることが多い。これらのケトン系溶媒
は強磁性粉末の塩基作用により変成物(重合物)を生成
する。ケトン系溶媒の重合変成および縮合物について
は、宮田ら(日立マクセル)日本化学会第59回春季年
会予稿集(1990)、Haruo Watanabeら、Bull.Chem.
Soc.Jpn, Vol.64(pp2411-2415)、張ら、触媒,Vol.29,N
o.6,pp402-405(1987)、副田ら、日本化学会誌,No.
3 pp513-517(1972)で報告されている。
の磁気吸着シートは複数の公報で開示されているが、塗
布型の磁気吸着シートでは磁性塗料に溶剤が用いられる
ため、これに起因して悪臭が発生する場合がある。磁性
塗料の溶剤としては、主にアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系溶媒を用いることが多い。これらのケトン系溶媒
は強磁性粉末の塩基作用により変成物(重合物)を生成
する。ケトン系溶媒の重合変成および縮合物について
は、宮田ら(日立マクセル)日本化学会第59回春季年
会予稿集(1990)、Haruo Watanabeら、Bull.Chem.
Soc.Jpn, Vol.64(pp2411-2415)、張ら、触媒,Vol.29,N
o.6,pp402-405(1987)、副田ら、日本化学会誌,No.
3 pp513-517(1972)で報告されている。
【0017】この変成物は重合体であるため、沸点が高
くなる。これにより、磁性塗膜の乾燥が困難となり、磁
気吸着シートの製品で悪臭が発生する原因となってい
た。さらに、これらのケトン系溶媒で生成する変成物
は、磁性層を可塑化させる要因となり、磁性層を脆くす
る場合もある。従来、塗布型の磁気吸着シートで発生す
る悪臭について言及した公報はなく、悪臭の防止方法や
悪臭の防止に適した磁性塗料は開示されていない。
くなる。これにより、磁性塗膜の乾燥が困難となり、磁
気吸着シートの製品で悪臭が発生する原因となってい
た。さらに、これらのケトン系溶媒で生成する変成物
は、磁性層を可塑化させる要因となり、磁性層を脆くす
る場合もある。従来、塗布型の磁気吸着シートで発生す
る悪臭について言及した公報はなく、悪臭の防止方法や
悪臭の防止に適した磁性塗料は開示されていない。
【0018】一般にインクジェット印刷用紙としては、
表面にプラスチック(例えばポリプロピレン等のポリオ
レフィン)からなる印刷受容層を有する合成紙が使用さ
れることが多い。印刷時に印刷用インクが紙内部に浸透
・拡散するのを防止するため、印刷受容層としてポリオ
レフィンフィルムが多用されている。また、大判の印刷
用紙は紙製の場合、脆くて破れ易いため、機械的強度の
観点からもポリオレフィン等のプラスチックフィルムが
用いられる。
表面にプラスチック(例えばポリプロピレン等のポリオ
レフィン)からなる印刷受容層を有する合成紙が使用さ
れることが多い。印刷時に印刷用インクが紙内部に浸透
・拡散するのを防止するため、印刷受容層としてポリオ
レフィンフィルムが多用されている。また、大判の印刷
用紙は紙製の場合、脆くて破れ易いため、機械的強度の
観点からもポリオレフィン等のプラスチックフィルムが
用いられる。
【0019】しかしながらポリオレフィンフィルムは、
ポリオレフィン自体の極性が低いために、一般に接着性
が乏しい。したがって、ポリオレフィンフィルムを磁気
吸着シートの非磁性支持体として用い、ポリオレフィン
フィルム上に磁性塗料を塗布して磁気吸着シートの磁性
層を形成した場合、磁性塗膜(磁性層)が容易に剥離し
易いという問題もあった。
ポリオレフィン自体の極性が低いために、一般に接着性
が乏しい。したがって、ポリオレフィンフィルムを磁気
吸着シートの非磁性支持体として用い、ポリオレフィン
フィルム上に磁性塗料を塗布して磁気吸着シートの磁性
層を形成した場合、磁性塗膜(磁性層)が容易に剥離し
易いという問題もあった。
【0020】磁気吸着シートは、予め印刷が施された状
態(印刷層を有する状態)や、利用者が任意の内容を印
刷できる状態(印刷受容層を有する状態)で利用者に提
供される。いずれの場合も、例えばインクジェット方式
で印刷が行われると、耐水性が低く、屋外での使用や水
がかかる場所での使用が制限される。
態(印刷層を有する状態)や、利用者が任意の内容を印
刷できる状態(印刷受容層を有する状態)で利用者に提
供される。いずれの場合も、例えばインクジェット方式
で印刷が行われると、耐水性が低く、屋外での使用や水
がかかる場所での使用が制限される。
【0021】また、磁気吸着シートを例えば印刷物の展
示に用いたりする場合、印刷層または印刷が施された印
刷受容層の上に、筆記具によりさらに書き込みを加える
こともあり得る。あるいは、印刷が施された磁気吸着シ
ートを例えば教育用教材として利用する場合等には、書
き込みと消去を繰り返し行い、磁気吸着する印刷物を繰
り返し使用したいという要望も生じる。
示に用いたりする場合、印刷層または印刷が施された印
刷受容層の上に、筆記具によりさらに書き込みを加える
こともあり得る。あるいは、印刷が施された磁気吸着シ
ートを例えば教育用教材として利用する場合等には、書
き込みと消去を繰り返し行い、磁気吸着する印刷物を繰
り返し使用したいという要望も生じる。
【0022】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、したがって本発明は、悪臭が抑制され、耐水
性が高く、かつ筆記と筆記内容の消去とを繰り返し行う
ことが可能である磁気吸着シートを提供することを目的
とする。
のであり、したがって本発明は、悪臭が抑制され、耐水
性が高く、かつ筆記と筆記内容の消去とを繰り返し行う
ことが可能である磁気吸着シートを提供することを目的
とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の磁気吸着シートは、非磁性支持体と、前記
非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤を主成分とし、
かつケトン系溶媒を含む磁性塗料の塗布、配向および乾
燥を行って形成された磁性層とを有し、前記磁性層の厚
さは0.03〜0.15mmであり、前記磁性層の面内
方向の角形比が80%以上であり、かつ面内方向に分極
するように交互に多極着磁され、前記磁性塗料は強磁性
粉末100重量部に対してカルボン酸あるいはカルボン
酸無水物を0.03〜3重量部含有することにより、前
記ケトン系溶媒の変成が抑制されていることを特徴とす
る。
め、本発明の磁気吸着シートは、非磁性支持体と、前記
非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤を主成分とし、
かつケトン系溶媒を含む磁性塗料の塗布、配向および乾
燥を行って形成された磁性層とを有し、前記磁性層の厚
さは0.03〜0.15mmであり、前記磁性層の面内
方向の角形比が80%以上であり、かつ面内方向に分極
するように交互に多極着磁され、前記磁性塗料は強磁性
粉末100重量部に対してカルボン酸あるいはカルボン
酸無水物を0.03〜3重量部含有することにより、前
記ケトン系溶媒の変成が抑制されていることを特徴とす
る。
【0024】好適には、前記磁性層は強磁性粉末100
重量部に対して結合剤を10〜30重量部含有する。好
適には、前記非磁性支持体を含む全厚が0.08〜0.
25mmである。好適には、前記磁気吸着シートの前記
非磁性支持体側の表面に、アルコール系インクによる筆
記と、筆記された内容の消去が可能である耐アルコール
系インク層をさらに有する。
重量部に対して結合剤を10〜30重量部含有する。好
適には、前記非磁性支持体を含む全厚が0.08〜0.
25mmである。好適には、前記磁気吸着シートの前記
非磁性支持体側の表面に、アルコール系インクによる筆
記と、筆記された内容の消去が可能である耐アルコール
系インク層をさらに有する。
【0025】好適には、前記磁気吸着シートの前記非磁
性支持体側の表面に、印刷が施された印刷層をさらに有
する。さらに好適には、前記印刷層上に、アルコール系
インクによる筆記と、筆記された内容の消去が可能であ
る耐アルコール系インク層をさらに有する。あるいは、
前記磁気吸着シートの前記非磁性支持体側の表面に、印
刷が可能である印刷受容層を有する。
性支持体側の表面に、印刷が施された印刷層をさらに有
する。さらに好適には、前記印刷層上に、アルコール系
インクによる筆記と、筆記された内容の消去が可能であ
る耐アルコール系インク層をさらに有する。あるいは、
前記磁気吸着シートの前記非磁性支持体側の表面に、印
刷が可能である印刷受容層を有する。
【0026】本発明の磁気吸着シートは、非磁性支持体
と、前記非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤を主成
分とする磁性塗料の塗布、配向および乾燥を行って形成
された磁性層とを有し、前記磁性層の厚さは0.03〜
0.15mmであり、前記磁性層の面内方向の角形比が
80%以上であり、かつ面内方向に分極するように交互
に多極着磁され、前記非磁性支持体側の表面に、アルコ
ール系インクによる筆記と、筆記された内容の消去が可
能である耐アルコール系インク層をさらに有することを
特徴とする。
と、前記非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤を主成
分とする磁性塗料の塗布、配向および乾燥を行って形成
された磁性層とを有し、前記磁性層の厚さは0.03〜
0.15mmであり、前記磁性層の面内方向の角形比が
80%以上であり、かつ面内方向に分極するように交互
に多極着磁され、前記非磁性支持体側の表面に、アルコ
ール系インクによる筆記と、筆記された内容の消去が可
能である耐アルコール系インク層をさらに有することを
特徴とする。
【0027】カルボン酸またはカルボン酸無水物を磁性
塗料に添加することにより、磁性塗料中のケトン系溶媒
が変成・重合することによる悪臭の発生が防止される。
また、耐アルコール系インク層を設けることにより、汎
用されているホワイトボード用ペンを用いた書き込み
や、その消去が可能となり、磁気吸着シートの用途を拡
大することができる。また、印刷が施された表面への筆
記と、その消去が可能となることから、用途によっては
磁気吸着シートを繰り返して活用できるようになる。耐
アルコール系インク層を設けることにより、磁気吸着シ
ートの防水性や防汚性も向上する。
塗料に添加することにより、磁性塗料中のケトン系溶媒
が変成・重合することによる悪臭の発生が防止される。
また、耐アルコール系インク層を設けることにより、汎
用されているホワイトボード用ペンを用いた書き込み
や、その消去が可能となり、磁気吸着シートの用途を拡
大することができる。また、印刷が施された表面への筆
記と、その消去が可能となることから、用途によっては
磁気吸着シートを繰り返して活用できるようになる。耐
アルコール系インク層を設けることにより、磁気吸着シ
ートの防水性や防汚性も向上する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の磁気吸着シート
の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1
は、本発明に基づく磁気吸着シートの概略断面図であ
る。図1に示すように、磁気吸着シート1は一方の面に
磁性層2を有する。磁性層2は、強磁性粉末と結合剤を
主成分とする磁性塗料を、非磁性支持体3上に塗布し、
乾燥させて形成される。
の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1
は、本発明に基づく磁気吸着シートの概略断面図であ
る。図1に示すように、磁気吸着シート1は一方の面に
磁性層2を有する。磁性層2は、強磁性粉末と結合剤を
主成分とする磁性塗料を、非磁性支持体3上に塗布し、
乾燥させて形成される。
【0029】磁性塗料としては、強磁性粉末100重量
部に対してカルボン酸および/またはカルボン酸無水物
化合物を0.03〜3重量部含有するものを用いる。ま
た、磁性塗料は溶剤としてケトン系溶媒を含むものとす
る。磁性層2は面内方向に磁化容易軸を有し、面内方向
に分極方向が交互に反転するように多極着磁されてい
る。磁気吸着シート1の磁性層2と反対側の面には、印
刷受容層4が形成されている。印刷受容層4の代わり
に、印刷が施された印刷層が形成されていてもよい。
部に対してカルボン酸および/またはカルボン酸無水物
化合物を0.03〜3重量部含有するものを用いる。ま
た、磁性塗料は溶剤としてケトン系溶媒を含むものとす
る。磁性層2は面内方向に磁化容易軸を有し、面内方向
に分極方向が交互に反転するように多極着磁されてい
る。磁気吸着シート1の磁性層2と反対側の面には、印
刷受容層4が形成されている。印刷受容層4の代わり
に、印刷が施された印刷層が形成されていてもよい。
【0030】本実施形態の磁気吸着シートは、磁性層2
を形成するための磁性塗料に、カルボン酸および/また
はカルボン酸無水物化合物が上記の比率で含まれること
により、磁性塗料中のケトン系溶媒の変成(具体的には
重合)が防止される。カルボン酸および/またはカルボ
ン酸無水物化合物が上記の比率で含まれない場合は、強
磁性粉末の表面でケトン系溶媒が変成・重合し、磁性塗
料が乾燥しにくくなって、溶媒やその変成物が磁性層に
残留したり、それに伴って臭気が発生したりする。
を形成するための磁性塗料に、カルボン酸および/また
はカルボン酸無水物化合物が上記の比率で含まれること
により、磁性塗料中のケトン系溶媒の変成(具体的には
重合)が防止される。カルボン酸および/またはカルボ
ン酸無水物化合物が上記の比率で含まれない場合は、強
磁性粉末の表面でケトン系溶媒が変成・重合し、磁性塗
料が乾燥しにくくなって、溶媒やその変成物が磁性層に
残留したり、それに伴って臭気が発生したりする。
【0031】本実施形態の磁気吸着シートによれば、こ
のような溶媒の変成が防止されるため、磁性塗料の乾燥
性を良好とし、溶媒やその変成物による臭気を抑制でき
る。また、ケトン系溶媒の変成物は磁性層を可塑化させ
る要因となるが、本実施形態の磁気吸着シートによれ
ば、磁性層の可塑化も防止され、磁性層が脆くなるのを
防止できる。
のような溶媒の変成が防止されるため、磁性塗料の乾燥
性を良好とし、溶媒やその変成物による臭気を抑制でき
る。また、ケトン系溶媒の変成物は磁性層を可塑化させ
る要因となるが、本実施形態の磁気吸着シートによれ
ば、磁性層の可塑化も防止され、磁性層が脆くなるのを
防止できる。
【0032】磁性塗料に含有させるカルボン酸およびカ
ルボン酸無水物としては、直鎖脂肪族カルボン酸、分岐
鎖脂肪族カルボン酸、芳香族系カルボン酸、脂環式系カ
ルボン酸、およびこれらの多価カルボン酸またはこれら
の無水物が挙げられる。これらのカルボン酸およびその
無水物は、その構造中に水酸基、スルホン酸、スルホン
酸金属塩、リン酸、リン酸金属塩、アミノ基等の極性基
や、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタ
ン結合、尿素結合等を含んでもよい。
ルボン酸無水物としては、直鎖脂肪族カルボン酸、分岐
鎖脂肪族カルボン酸、芳香族系カルボン酸、脂環式系カ
ルボン酸、およびこれらの多価カルボン酸またはこれら
の無水物が挙げられる。これらのカルボン酸およびその
無水物は、その構造中に水酸基、スルホン酸、スルホン
酸金属塩、リン酸、リン酸金属塩、アミノ基等の極性基
や、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタ
ン結合、尿素結合等を含んでもよい。
【0033】磁性塗料に含有させるカルボン酸およびカ
ルボン酸無水物として、具体的にはミリスチン酸、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、吉草酸、カプロン
酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン
酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、エイコ酸、イソラク酸、トリメチル酢酸、アク
リル酸、クロトン酸、メタクリル酸、フェニル酢酸、グ
リコール酸、乳酸、安息香酸、フタル酸、ピロメリット
酸、トルイル酸、サリチル酸、テトラヒドロフタル酸、
酒石酸、グルタミン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クエン
酸、フマル酸、オレイン酸等や、これらの無水物等が挙
げられる。
ルボン酸無水物として、具体的にはミリスチン酸、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、吉草酸、カプロン
酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン
酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、エイコ酸、イソラク酸、トリメチル酢酸、アク
リル酸、クロトン酸、メタクリル酸、フェニル酢酸、グ
リコール酸、乳酸、安息香酸、フタル酸、ピロメリット
酸、トルイル酸、サリチル酸、テトラヒドロフタル酸、
酒石酸、グルタミン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クエン
酸、フマル酸、オレイン酸等や、これらの無水物等が挙
げられる。
【0034】これらのカルボン酸やその無水物は、磁性
塗料の原料を塗料化する際に、ケトン系溶媒に溶解して
添加するのが最も好ましいが、強磁性粉末や結合剤等と
ともに一括して添加し、混合して分散させてもよい。ま
た、強磁性粉末の表面をカルボン酸および/またはカル
ボン酸無水物で修飾処理してもよい。修飾方法として
は、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物を溶解
または添加した溶媒中に、強磁性粉末を混合し、強磁性
粉末の表面にカルボン酸および/またはカルボン酸無水
物を吸着させる方法があるが、これに限定されない。
塗料の原料を塗料化する際に、ケトン系溶媒に溶解して
添加するのが最も好ましいが、強磁性粉末や結合剤等と
ともに一括して添加し、混合して分散させてもよい。ま
た、強磁性粉末の表面をカルボン酸および/またはカル
ボン酸無水物で修飾処理してもよい。修飾方法として
は、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物を溶解
または添加した溶媒中に、強磁性粉末を混合し、強磁性
粉末の表面にカルボン酸および/またはカルボン酸無水
物を吸着させる方法があるが、これに限定されない。
【0035】カルボン酸および/またはカルボン酸無水
物の添加量が、強磁性粉末100重量部に対して0.0
3重量部未満の場合、磁性粉末がケトン系溶媒の変成を
生じさせる活性点を、カルボン酸および/またはカルボ
ン酸無水物で修飾させることができず、変成を抑制する
効果が得られにくい。ここで、活性点とはケトン系溶媒
を変成させる金属元素部位をさし、例えばFe2O3等の
金属元素部位が挙げられる。カルボン酸および/または
カルボン酸無水物の添加量が、強磁性粉末100重量部
に対して3重量部を超える場合、強磁性粉末が結合剤中
に分散しにくくなったり、磁性層中の樹脂が可塑化して
磁性層が脆くなったり、磁性層中の非磁性成分が増加し
て、磁気吸着力が低下したりする。したがって、磁性塗
料中のカルボン酸および/またはカルボン酸無水物の添
加量は、強磁性粉末100重量部に対して0.03〜3
重量部とすることが望ましい。
物の添加量が、強磁性粉末100重量部に対して0.0
3重量部未満の場合、磁性粉末がケトン系溶媒の変成を
生じさせる活性点を、カルボン酸および/またはカルボ
ン酸無水物で修飾させることができず、変成を抑制する
効果が得られにくい。ここで、活性点とはケトン系溶媒
を変成させる金属元素部位をさし、例えばFe2O3等の
金属元素部位が挙げられる。カルボン酸および/または
カルボン酸無水物の添加量が、強磁性粉末100重量部
に対して3重量部を超える場合、強磁性粉末が結合剤中
に分散しにくくなったり、磁性層中の樹脂が可塑化して
磁性層が脆くなったり、磁性層中の非磁性成分が増加し
て、磁気吸着力が低下したりする。したがって、磁性塗
料中のカルボン酸および/またはカルボン酸無水物の添
加量は、強磁性粉末100重量部に対して0.03〜3
重量部とすることが望ましい。
【0036】磁性層中の結合剤の量は強磁性粉末100
重量部に対して10〜30重量部であることが望まし
い。特に、非磁性支持体としてポリオレフィンフィルム
を用いる場合には、磁性層中の結合剤の量を強磁性粉末
100重量部に対して15〜30重量部とすることが望
ましい。
重量部に対して10〜30重量部であることが望まし
い。特に、非磁性支持体としてポリオレフィンフィルム
を用いる場合には、磁性層中の結合剤の量を強磁性粉末
100重量部に対して15〜30重量部とすることが望
ましい。
【0037】非磁性支持体としてポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルムや発泡PETフィルム等を用
いる場合には、結合剤の量が10重量部より少ないと、
磁性塗料の塗膜にクラックが発生し易くなり、磁性層の
剥離や塗膜からの強磁性粉末の脱落(粉落ち)が生じた
りする。
レート(PET)フィルムや発泡PETフィルム等を用
いる場合には、結合剤の量が10重量部より少ないと、
磁性塗料の塗膜にクラックが発生し易くなり、磁性層の
剥離や塗膜からの強磁性粉末の脱落(粉落ち)が生じた
りする。
【0038】結合剤の量が30重量部より多いと、磁性
層中の非磁性成分が過剰となり、磁気吸着力に影響す
る。したがって、強磁性粉末と結合剤樹脂の比率を上記
の最適な範囲内とすることにより、磁性塗膜の非磁性支
持体への接着性や、塗膜強度を確保しながら、強磁性粉
末を効率よく磁性層に充填し、十分な磁気吸着能を発揮
させることができる。
層中の非磁性成分が過剰となり、磁気吸着力に影響す
る。したがって、強磁性粉末と結合剤樹脂の比率を上記
の最適な範囲内とすることにより、磁性塗膜の非磁性支
持体への接着性や、塗膜強度を確保しながら、強磁性粉
末を効率よく磁性層に充填し、十分な磁気吸着能を発揮
させることができる。
【0039】また、非磁性支持体として、極性が低いポ
リオレフィンフィルムを用いる場合、磁性層との接着性
が特に乏しくなるが、結合剤の量を15〜30重量部と
することにより、磁気吸着能や塗膜強度を確保しなが
ら、実用上問題ない接着性が得られる。
リオレフィンフィルムを用いる場合、磁性層との接着性
が特に乏しくなるが、結合剤の量を15〜30重量部と
することにより、磁気吸着能や塗膜強度を確保しなが
ら、実用上問題ない接着性が得られる。
【0040】磁性塗料に使用できる結合剤としては、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合
物が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、ア
クリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アク
リロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、
スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、
ビニルアセタールおよびビニルエーテルを構成単位とし
て含む重合体、あるいは共重合体が挙げられる。
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合
物が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、ア
クリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アク
リロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、
スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、
ビニルアセタールおよびビニルエーテルを構成単位とし
て含む重合体、あるいは共重合体が挙げられる。
【0041】共重合体としては、例えば塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル
−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−アクリロ
ニトリル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリ
デン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、クロロビニルエーテル−アクリル酸エス
テル共重合体が挙げられる。
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル
−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−アクリロ
ニトリル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリ
デン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、クロロビニルエーテル−アクリル酸エス
テル共重合体が挙げられる。
【0042】上記の他、ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂
(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイア
セテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロー
ス等)、ポリフッ化ビニル、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、各種ゴム系樹脂等も利用できる。
(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイア
セテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロー
ス等)、ポリフッ化ビニル、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、各種ゴム系樹脂等も利用できる。
【0043】また、熱硬化性樹脂や反応型樹脂として
は、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹
脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリ
コーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリ
エステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポ
リウレタンとポリイソシアネートの混合物等が挙げられ
る。
は、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹
脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリ
コーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリ
エステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポ
リウレタンとポリイソシアネートの混合物等が挙げられ
る。
【0044】磁性塗料には、磁性塗膜の粉落ちを防止す
る目的で、イソシアネート系化合物を添加してもよい。
イソシアネート系化合物の添加量は、強磁性粉末100
重量部に対して0.1〜3重量部程度が望ましい。イソ
シアネート系化合物の添加量が上記の範囲より少ない
と、結合剤と強磁性粉末や顔料あるいは結合剤樹脂同士
の化学結合が少なくなり、磁性塗膜の耐久性が低くな
る。
る目的で、イソシアネート系化合物を添加してもよい。
イソシアネート系化合物の添加量は、強磁性粉末100
重量部に対して0.1〜3重量部程度が望ましい。イソ
シアネート系化合物の添加量が上記の範囲より少ない
と、結合剤と強磁性粉末や顔料あるいは結合剤樹脂同士
の化学結合が少なくなり、磁性塗膜の耐久性が低くな
る。
【0045】イソシアネート系化合物の添加量が上記の
範囲より多いと、磁性塗料中で強磁性粉末に吸着してい
る結合剤樹脂を脱着させる可能性が高くなり、強磁性粉
末の分散性が低下する。この場合、磁性塗膜の組成が不
均一となり、好ましくない。磁性塗料に添加できるイソ
シアネート系化合物としては、イソシアネート基を複数
有するトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネートや、これらから誘導される3量体等の多量
体、これらと3,3,3-トリメチロールプロパン等のポリオ
ール化合物との反応物等が挙げられる。これらのイソシ
アネート系化合物は磁性層の形成後、磁性層の表面にそ
の溶液を塗布して、磁性層からの強磁性粉末や顔料、結
合剤等の脱落を防止する目的で利用することもできる。
範囲より多いと、磁性塗料中で強磁性粉末に吸着してい
る結合剤樹脂を脱着させる可能性が高くなり、強磁性粉
末の分散性が低下する。この場合、磁性塗膜の組成が不
均一となり、好ましくない。磁性塗料に添加できるイソ
シアネート系化合物としては、イソシアネート基を複数
有するトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネートや、これらから誘導される3量体等の多量
体、これらと3,3,3-トリメチロールプロパン等のポリオ
ール化合物との反応物等が挙げられる。これらのイソシ
アネート系化合物は磁性層の形成後、磁性層の表面にそ
の溶液を塗布して、磁性層からの強磁性粉末や顔料、結
合剤等の脱落を防止する目的で利用することもできる。
【0046】図1に示す本実施形態の磁気吸着シート1
において、磁性層2の厚さは0.03〜0.15mmの
範囲が好ましい。磁石の磁気的エネルギーは磁石の体積
に比例するため、磁性層の膜厚が0.03mm未満の場
合、十分な磁気吸着力を得られないことがある。例え
ば、磁気吸着シートを壁面のような地面に垂直な被吸着
面に固定したいとき、磁性層の膜厚が薄すぎると、磁性
層と非磁性支持体を合わせた磁気吸着シートの重量を、
磁性層の磁気吸着力で支持できず、磁気吸着シートが落
下することがある。
において、磁性層2の厚さは0.03〜0.15mmの
範囲が好ましい。磁石の磁気的エネルギーは磁石の体積
に比例するため、磁性層の膜厚が0.03mm未満の場
合、十分な磁気吸着力を得られないことがある。例え
ば、磁気吸着シートを壁面のような地面に垂直な被吸着
面に固定したいとき、磁性層の膜厚が薄すぎると、磁性
層と非磁性支持体を合わせた磁気吸着シートの重量を、
磁性層の磁気吸着力で支持できず、磁気吸着シートが落
下することがある。
【0047】一方、磁性層の膜厚が0.15mmを超え
る場合、磁気吸着力は十分に得られるが、長期間使用時
に、着脱時のシートの繰り返し変形で、機械的疲労によ
る塗膜破壊が起こりやすくなる。また、磁性層の膜厚が
厚くなり過ぎると、磁気吸着力が過剰となる。したがっ
て、磁気吸着シートを積層したときにシートが互いに吸
着し、プリンター等により印刷を行うのが困難となる。
る場合、磁気吸着力は十分に得られるが、長期間使用時
に、着脱時のシートの繰り返し変形で、機械的疲労によ
る塗膜破壊が起こりやすくなる。また、磁性層の膜厚が
厚くなり過ぎると、磁気吸着力が過剰となる。したがっ
て、磁気吸着シートを積層したときにシートが互いに吸
着し、プリンター等により印刷を行うのが困難となる。
【0048】図1に示すように、非磁性支持体3上の磁
性層2と反対側の面に、各種の印刷方式による印刷が可
能な印刷受容層4を設けることができる。印刷受容層4
としては、例えば感熱層、熱転写インク受容層、インク
ジェット受容層、バブルジェット(登録商標)受容層、
ドットインパクト受容層、レーザープリンタートナー受
容層、オフセット印刷用受容層等が挙げられ、印刷内容
の表示目的や、印刷方式等に応じた印刷受容層を適宜選
択する。なお、非磁性支持体3の磁性層2が形成されな
い側の面に高品質の印刷を行うことが可能であれば、印
刷受容層4は必ずしも設けなくてもよい。
性層2と反対側の面に、各種の印刷方式による印刷が可
能な印刷受容層4を設けることができる。印刷受容層4
としては、例えば感熱層、熱転写インク受容層、インク
ジェット受容層、バブルジェット(登録商標)受容層、
ドットインパクト受容層、レーザープリンタートナー受
容層、オフセット印刷用受容層等が挙げられ、印刷内容
の表示目的や、印刷方式等に応じた印刷受容層を適宜選
択する。なお、非磁性支持体3の磁性層2が形成されな
い側の面に高品質の印刷を行うことが可能であれば、印
刷受容層4は必ずしも設けなくてもよい。
【0049】本実施形態の磁気吸着シート1は、非磁性
支持体3と印刷受容層4の厚さの合計が0.05〜0.
15mmであることが好ましい。非磁性支持体3と印刷
受容層4の厚さの合計が0.05mm未満の場合は、印
刷受容層に印刷を施して表示目的に使用するとき、磁性
層2の色が非磁性支持体3または印刷受容層4の表面に
透けてしまうため、表示外観が損なわれることがある。
支持体3と印刷受容層4の厚さの合計が0.05〜0.
15mmであることが好ましい。非磁性支持体3と印刷
受容層4の厚さの合計が0.05mm未満の場合は、印
刷受容層に印刷を施して表示目的に使用するとき、磁性
層2の色が非磁性支持体3または印刷受容層4の表面に
透けてしまうため、表示外観が損なわれることがある。
【0050】非磁性支持体3としては、磁性塗料の塗布
面が樹脂コーティングされたコート紙や合成紙、あるい
は合成フィルムが望ましい。磁性塗料の塗布面が樹脂コ
ーティングされていない場合、磁性塗料の溶剤が塗布面
の裏面(印刷受容層側)まで浸透することがある。
面が樹脂コーティングされたコート紙や合成紙、あるい
は合成フィルムが望ましい。磁性塗料の塗布面が樹脂コ
ーティングされていない場合、磁性塗料の溶剤が塗布面
の裏面(印刷受容層側)まで浸透することがある。
【0051】非磁性支持体3として、具体的には表面に
易接着処理の施されたポリエチレンフィルム、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン-2,6- ナフタレー
ト、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポ
リカーボネート類、ポリプロピレンフィルム等が挙げら
れる。
易接着処理の施されたポリエチレンフィルム、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン-2,6- ナフタレー
ト、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポ
リカーボネート類、ポリプロピレンフィルム等が挙げら
れる。
【0052】磁性塗料の調製には、溶剤として例えばア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、
エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸
エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル系
溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2-エト
キシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンク
ロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロルベンゼン
等のハロゲン化炭化水素系溶媒等を用いることができ
る。
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、
エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸
エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル系
溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2-エト
キシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンク
ロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロルベンゼン
等のハロゲン化炭化水素系溶媒等を用いることができ
る。
【0053】上記の塗料原料の分散、混練にはロールミ
ル、ボールミル、サンドミル、アジター、ニーダー、ホ
モジナイザー、超音波分散機等を用いることができる。
調製された磁性塗料を非磁性支持体3上に塗布するに
は、例えばグラビアコーター、ナイフコーター、ワイヤ
ーバーコーター、ドクターブレードコーター、リバース
ロールコーター、ディッピングコーター、エアナイフコ
ーター、コンマコーター、ダイコーター等を用いること
ができる。これらのコーターによれば、例えば長尺状の
非磁性支持体3にも連続的に磁性塗料を塗布することが
できる。したがって、例えば押出成形のように高温高圧
設備を用いずに、薄膜の磁性層2を連続的に形成でき
る。
ル、ボールミル、サンドミル、アジター、ニーダー、ホ
モジナイザー、超音波分散機等を用いることができる。
調製された磁性塗料を非磁性支持体3上に塗布するに
は、例えばグラビアコーター、ナイフコーター、ワイヤ
ーバーコーター、ドクターブレードコーター、リバース
ロールコーター、ディッピングコーター、エアナイフコ
ーター、コンマコーター、ダイコーター等を用いること
ができる。これらのコーターによれば、例えば長尺状の
非磁性支持体3にも連続的に磁性塗料を塗布することが
できる。したがって、例えば押出成形のように高温高圧
設備を用いずに、薄膜の磁性層2を連続的に形成でき
る。
【0054】磁性層2には、必要に応じて潤滑剤、補強
粒子、帯電防止剤、導電性粒子、界面活性剤等を添加し
てもよい。潤滑剤としては、例えば黒鉛、二酸化モリブ
デン、シリコーンオイル、フッ素系化合物、シリコン系
粒子、フッ素系粒子、炭素数10〜20の脂肪酸、これ
らの脂肪酸と炭素数2〜22のアルコールからなる脂肪
酸エステル、テルペン系化合物、これらのテルペン系化
合物のオリゴマー等が挙げられる。
粒子、帯電防止剤、導電性粒子、界面活性剤等を添加し
てもよい。潤滑剤としては、例えば黒鉛、二酸化モリブ
デン、シリコーンオイル、フッ素系化合物、シリコン系
粒子、フッ素系粒子、炭素数10〜20の脂肪酸、これ
らの脂肪酸と炭素数2〜22のアルコールからなる脂肪
酸エステル、テルペン系化合物、これらのテルペン系化
合物のオリゴマー等が挙げられる。
【0055】補強粒子としては、例えば酸化アルミニウ
ム、酸化ケイ素、炭酸カルシウム等が使用できる。これ
らの添加量は、強磁性粉末100重量部に対して20重
量部以下、好適には10重量部以下とする。帯電防止
剤、導電性粒子としては、カーボンブラック、黒鉛、そ
の他の金属粒子が使用できる。界面活性剤としてはノニ
オン系、カチオン系、アニオン系、両性の界面活性剤が
使用できる。
ム、酸化ケイ素、炭酸カルシウム等が使用できる。これ
らの添加量は、強磁性粉末100重量部に対して20重
量部以下、好適には10重量部以下とする。帯電防止
剤、導電性粒子としては、カーボンブラック、黒鉛、そ
の他の金属粒子が使用できる。界面活性剤としてはノニ
オン系、カチオン系、アニオン系、両性の界面活性剤が
使用できる。
【0056】本実施形態の磁気吸着シートの全厚は0.
08〜0.25mmが好ましい。磁性層2を含む全厚が
0.25mmを超えると、一般家庭用印刷機で印刷を行
うことが困難となる。本実施形態の磁気吸着シートは、
磁極間距離が磁性層の厚さに依存しないため、磁性層を
薄くしても磁極間距離を十分に確保でき、反磁界が増大
しない。したがって、減磁しにくく、上記のように磁性
層の厚さを0.03〜0.15mm、全厚を0.08〜
0.25mmに薄膜化でき、普通印刷用紙と同等の薄さ
を実現できる。
08〜0.25mmが好ましい。磁性層2を含む全厚が
0.25mmを超えると、一般家庭用印刷機で印刷を行
うことが困難となる。本実施形態の磁気吸着シートは、
磁極間距離が磁性層の厚さに依存しないため、磁性層を
薄くしても磁極間距離を十分に確保でき、反磁界が増大
しない。したがって、減磁しにくく、上記のように磁性
層の厚さを0.03〜0.15mm、全厚を0.08〜
0.25mmに薄膜化でき、普通印刷用紙と同等の薄さ
を実現できる。
【0057】本実施形態の磁気吸着シートは、磁性層の
面内方向の角形比が80%以上となるように、磁化容易
軸が配向されている。磁性層の面内方向の角形比が80
%未満の場合、着磁しても磁気吸着力が不足する。磁化
容易軸を磁性層の面内方向に配向させるには、磁性塗料
の塗布後、強磁性粉末の保磁力の1/3以上の外部磁場
を有する電磁石を用いる。外部磁場が強磁性粉末の保磁
力の1/3未満の場合、十分に面内配向させることが困
難となる。
面内方向の角形比が80%以上となるように、磁化容易
軸が配向されている。磁性層の面内方向の角形比が80
%未満の場合、着磁しても磁気吸着力が不足する。磁化
容易軸を磁性層の面内方向に配向させるには、磁性塗料
の塗布後、強磁性粉末の保磁力の1/3以上の外部磁場
を有する電磁石を用いる。外部磁場が強磁性粉末の保磁
力の1/3未満の場合、十分に面内配向させることが困
難となる。
【0058】磁性塗料が塗布された直後の非磁性支持体
を、非磁性支持体の進行方向と平行な磁束の磁界中で通
過させ、強磁性粉末の磁化容易軸を塗膜面内方向に連続
的に磁場配向させる。図2は、ソレノイドコイル11か
ら外部磁界を印加して、磁化容易軸を面内方向に配向さ
せる方法を示す模式図である。図2に示すように、1対
のソレノイドコイル11の間を磁性塗膜12が通過する
ことにより、磁性粉末が配向する。ソレノイドコイル1
1の間には、磁力線13で示される磁界が発生する。
を、非磁性支持体の進行方向と平行な磁束の磁界中で通
過させ、強磁性粉末の磁化容易軸を塗膜面内方向に連続
的に磁場配向させる。図2は、ソレノイドコイル11か
ら外部磁界を印加して、磁化容易軸を面内方向に配向さ
せる方法を示す模式図である。図2に示すように、1対
のソレノイドコイル11の間を磁性塗膜12が通過する
ことにより、磁性粉末が配向する。ソレノイドコイル1
1の間には、磁力線13で示される磁界が発生する。
【0059】図3は、磁性塗膜12に1対の永久磁石1
4a、14bから外部磁界を印加して、磁性粉末を磁性
塗膜12の面内方向に配向させる方法を示す模式図であ
る。図3に示すように、永久磁石14a、14bを同極
が対向するように配置すると、磁気的反発により磁性塗
膜12の進行方向に、磁力線13で示される磁界が発生
する。この空間を磁性塗膜12が通過することにより、
磁性粉末が配向する。
4a、14bから外部磁界を印加して、磁性粉末を磁性
塗膜12の面内方向に配向させる方法を示す模式図であ
る。図3に示すように、永久磁石14a、14bを同極
が対向するように配置すると、磁気的反発により磁性塗
膜12の進行方向に、磁力線13で示される磁界が発生
する。この空間を磁性塗膜12が通過することにより、
磁性粉末が配向する。
【0060】磁化容易軸を十分に面内配向させるには、
磁性塗膜の磁場中乾燥を行うことが望ましい。ソレノイ
ドコイル等の電磁石で面内配向させた後、磁場を印加せ
ずに磁性塗膜を乾燥させると、強磁性粉末の配向戻りが
生じる。磁場中乾燥を行うと、十分に面内配向した状態
のまま、磁性塗膜を乾燥させることができる。
磁性塗膜の磁場中乾燥を行うことが望ましい。ソレノイ
ドコイル等の電磁石で面内配向させた後、磁場を印加せ
ずに磁性塗膜を乾燥させると、強磁性粉末の配向戻りが
生じる。磁場中乾燥を行うと、十分に面内配向した状態
のまま、磁性塗膜を乾燥させることができる。
【0061】また、図4に示すように、非磁性支持体3
の磁性塗膜12が形成されていない側の面に、強磁性粉
末の保磁力の1/2以上の外部磁場を有する永久磁石1
4の一方の極のみを対向させて、磁化容易軸を面内方向
に配向させることもできる。この配向方法は、図2およ
び図3に示す配向方法において、磁性塗膜12の進行方
向に平行に磁界を発生させて配向を行うのとは異なる。
の磁性塗膜12が形成されていない側の面に、強磁性粉
末の保磁力の1/2以上の外部磁場を有する永久磁石1
4の一方の極のみを対向させて、磁化容易軸を面内方向
に配向させることもできる。この配向方法は、図2およ
び図3に示す配向方法において、磁性塗膜12の進行方
向に平行に磁界を発生させて配向を行うのとは異なる。
【0062】磁性塗料が塗布された非磁性支持体3を、
矢印で示すように一方向に進行させる。非磁性支持体3
上に塗布された無配向の磁性塗料は、永久磁石14上を
通過するとき、永久磁石14に引き寄せられ、最も磁界
の強い部分へ集中しようとする。非磁性支持体3は一定
の速度で進行するため、非磁性支持体3の移動に伴い、
永久磁石14に吸引されていた部分が永久磁石14から
引き離される。引き離されたときの状態で配向が保持さ
れる。この配向方法によれば、外部磁場が強磁性粉末の
保磁力の1/2未満のとき、十分に配向させることが困
難である。高保磁力の永久磁石としては、希土類磁石が
挙げられる。
矢印で示すように一方向に進行させる。非磁性支持体3
上に塗布された無配向の磁性塗料は、永久磁石14上を
通過するとき、永久磁石14に引き寄せられ、最も磁界
の強い部分へ集中しようとする。非磁性支持体3は一定
の速度で進行するため、非磁性支持体3の移動に伴い、
永久磁石14に吸引されていた部分が永久磁石14から
引き離される。引き離されたときの状態で配向が保持さ
れる。この配向方法によれば、外部磁場が強磁性粉末の
保磁力の1/2未満のとき、十分に配向させることが困
難である。高保磁力の永久磁石としては、希土類磁石が
挙げられる。
【0063】本実施形態の磁気吸着シートにおいては、
磁性層2の形成後、保護層を形成する。保護層は、ガラ
ス転移温度Tg が80℃以上である樹脂を含む溶液を塗
布して形成する。磁性層2には、柔軟性を与えるため結
合剤が混合されるが、特に高温で保存した場合等には、
結合剤による粘着が問題となる。結合剤による粘着が著
しい場合、磁気吸着した磁気吸着シートを剥離したとき
に、粘着によって粉落ちが生じたり、磁性層が剥離した
りする。磁性層2上に保護層を設けることにより、磁性
層の粘着が抑制される。
磁性層2の形成後、保護層を形成する。保護層は、ガラ
ス転移温度Tg が80℃以上である樹脂を含む溶液を塗
布して形成する。磁性層2には、柔軟性を与えるため結
合剤が混合されるが、特に高温で保存した場合等には、
結合剤による粘着が問題となる。結合剤による粘着が著
しい場合、磁気吸着した磁気吸着シートを剥離したとき
に、粘着によって粉落ちが生じたり、磁性層が剥離した
りする。磁性層2上に保護層を設けることにより、磁性
層の粘着が抑制される。
【0064】保護層に用いることができるTg ≧80
(℃)の樹脂としては、ポリエステルポリウレタン系樹
脂(例えば、東洋紡製 UR1400 Tg =83(℃))、
アクリル系樹脂(例えば、呉羽化学社製 バイヨンTg
=80(℃))、アセタール系樹脂(例えば、積水化学
社製 KS-10 Tg =106(℃)、KS-5 Tg =110
(℃)、BX-5 Tg =86(℃))、ポリイミドアミド
(例えば、東洋紡製 T100NR Tg =175(℃))、
ニトロセルロース(例えば、旭化成製 NC-H301、HIG-
1、SL-1、HI-1000 全てTg ≧150(℃))等が挙げ
られる。
(℃)の樹脂としては、ポリエステルポリウレタン系樹
脂(例えば、東洋紡製 UR1400 Tg =83(℃))、
アクリル系樹脂(例えば、呉羽化学社製 バイヨンTg
=80(℃))、アセタール系樹脂(例えば、積水化学
社製 KS-10 Tg =106(℃)、KS-5 Tg =110
(℃)、BX-5 Tg =86(℃))、ポリイミドアミド
(例えば、東洋紡製 T100NR Tg =175(℃))、
ニトロセルロース(例えば、旭化成製 NC-H301、HIG-
1、SL-1、HI-1000 全てTg ≧150(℃))等が挙げ
られる。
【0065】特に、セルロースアセテートブチラート
(例えば、イーストマンケミカル社製CAB-381-0.1 Tg
=123(℃)、CAB-381-0.5 Tg =130(℃)、CA
B-551-0.2 Tg =101(℃))やセルロースアセテー
トプロピオネート(例えば、イーストマンケミカル社製
CAP-482-0.5 Tg =142(℃)、CAP-482-20 T g
=147(℃))等のセルロースアセテート系樹脂を結
合剤として用いた場合には、磁性層の粘着が効果的に防
止される。
(例えば、イーストマンケミカル社製CAB-381-0.1 Tg
=123(℃)、CAB-381-0.5 Tg =130(℃)、CA
B-551-0.2 Tg =101(℃))やセルロースアセテー
トプロピオネート(例えば、イーストマンケミカル社製
CAP-482-0.5 Tg =142(℃)、CAP-482-20 T g
=147(℃))等のセルロースアセテート系樹脂を結
合剤として用いた場合には、磁性層の粘着が効果的に防
止される。
【0066】これらの樹脂のTg が80℃より低い場合
は、十分な粘着防止効果が得られない。本実施形態にお
いて、ガラス転移温度Tg は熱分析のJIS規格(JISK
7121)または熱分析のISO規格(ISO11357-1/-2)に規
定されるものとした。
は、十分な粘着防止効果が得られない。本実施形態にお
いて、ガラス転移温度Tg は熱分析のJIS規格(JISK
7121)または熱分析のISO規格(ISO11357-1/-2)に規
定されるものとした。
【0067】図5は、多極着磁された磁性層を模式的に
示す斜視図である。磁性層2は面内方向に磁化容易軸を
有し、磁性層には磁化容易軸に沿って(N−S)(S−
N)(N−S)・・・の多極着磁が施される。磁性層2
からは磁力線15で示すような磁界が発生する。
示す斜視図である。磁性層2は面内方向に磁化容易軸を
有し、磁性層には磁化容易軸に沿って(N−S)(S−
N)(N−S)・・・の多極着磁が施される。磁性層2
からは磁力線15で示すような磁界が発生する。
【0068】また、S−SまたはN−Nの対向磁極面か
らは、磁性層面に対して垂直方向に極大となるような漏
れ磁束が発生する。これにより、磁性層2と被吸着体1
6である鋼板等との間に、効果的に磁気吸着力が作用す
る。磁気吸着時には被吸着体16がヨークとなり、ほぼ
完全に磁気回路が閉じ、漏れ磁束を極小とすることがで
きる。
らは、磁性層面に対して垂直方向に極大となるような漏
れ磁束が発生する。これにより、磁性層2と被吸着体1
6である鋼板等との間に、効果的に磁気吸着力が作用す
る。磁気吸着時には被吸着体16がヨークとなり、ほぼ
完全に磁気回路が閉じ、漏れ磁束を極小とすることがで
きる。
【0069】着磁方法としては、図6に示すように、N
極およびS極が交互に着磁されている1対の複合永久磁
石21a、21bを、被着磁体22の両面側に同極が対
向するように配置する方法が挙げられる。これにより、
磁性層の面内方向に分極方向が反転するように多極着磁
が施される。複合永久磁石21a、21bはそれぞれ複
数の平板状永久磁石を積層して構成される。複合永久磁
石21a、21bからは磁力線23で示すように磁界が
発生する。
極およびS極が交互に着磁されている1対の複合永久磁
石21a、21bを、被着磁体22の両面側に同極が対
向するように配置する方法が挙げられる。これにより、
磁性層の面内方向に分極方向が反転するように多極着磁
が施される。複合永久磁石21a、21bはそれぞれ複
数の平板状永久磁石を積層して構成される。複合永久磁
石21a、21bからは磁力線23で示すように磁界が
発生する。
【0070】図7に示すように、複合永久磁石21a、
21bをヨーク24上に配置し、永久磁石21a、21
bと被着磁体22を相対的に移動させることにより、連
続的に多極着磁を行うことも可能である。また、被着磁
体22の両面側でなく、磁性層側の面のみに永久磁石を
配置して着磁を行うこともできる。矢印Aは被着磁体2
2の進行方向を示す。
21bをヨーク24上に配置し、永久磁石21a、21
bと被着磁体22を相対的に移動させることにより、連
続的に多極着磁を行うことも可能である。また、被着磁
体22の両面側でなく、磁性層側の面のみに永久磁石を
配置して着磁を行うこともできる。矢印Aは被着磁体2
2の進行方向を示す。
【0071】また、図8および図9に示すように、円周
方向に(ラジアルに)N極とS極が交互に多極着磁され
た円柱状の複合永久磁石25、25a、25bを用い
て、被着磁体22の着磁を行うこともできる。図8に示
すように、複合永久磁石25は少なくとも被着磁体22
の磁性塗膜12側の面に配置すればよい。
方向に(ラジアルに)N極とS極が交互に多極着磁され
た円柱状の複合永久磁石25、25a、25bを用い
て、被着磁体22の着磁を行うこともできる。図8に示
すように、複合永久磁石25は少なくとも被着磁体22
の磁性塗膜12側の面に配置すればよい。
【0072】図9に示すように、被着磁体22の両面側
に1対の複合永久磁石25a、25bを配置する場合
は、被着磁体22を介して同極が対向するようにする。
円柱状の複合永久磁石25(または25a、25b)の
中心軸と被着磁体22の磁化容易軸とが直交する状態
で、円柱状の複合永久磁石を回転させ、複合永久磁石の
中心軸に対して直交する方向に磁気吸着シートを進行さ
せれば、長尺状の被着磁体22にも効率よく連続的に多
極着磁を行うことができる。
に1対の複合永久磁石25a、25bを配置する場合
は、被着磁体22を介して同極が対向するようにする。
円柱状の複合永久磁石25(または25a、25b)の
中心軸と被着磁体22の磁化容易軸とが直交する状態
で、円柱状の複合永久磁石を回転させ、複合永久磁石の
中心軸に対して直交する方向に磁気吸着シートを進行さ
せれば、長尺状の被着磁体22にも効率よく連続的に多
極着磁を行うことができる。
【0073】上記のような永久磁石を用いる着磁方法に
よれば、着磁用コンデンサのような大規模で消費電力の
大きい装置が不要である。したがって、磁気吸着シート
の製造コストを低減できる。特に、着磁用永久磁石とし
て希土類磁石を用いた場合には、効率よく多極着磁を行
うことができる。また、永久磁石を用いて着磁を行う場
合、磁界を発生させるために外部からエネルギーを取り
入れる必要がなく、半永久的に着磁が可能である。
よれば、着磁用コンデンサのような大規模で消費電力の
大きい装置が不要である。したがって、磁気吸着シート
の製造コストを低減できる。特に、着磁用永久磁石とし
て希土類磁石を用いた場合には、効率よく多極着磁を行
うことができる。また、永久磁石を用いて着磁を行う場
合、磁界を発生させるために外部からエネルギーを取り
入れる必要がなく、半永久的に着磁が可能である。
【0074】着磁処理を行う時期は特に限定されず、例
えば、磁性層が形成され、磁化容易軸が配向された直後
に行われてもよく、また、磁化容易軸の配向工程後、一
度巻き取られ、被着磁体が所定の大きさに裁断された後
に行われてもよい。磁性層上に印刷受容層が形成され、
磁化容易軸の配向工程後、一度巻き取られ、被着磁体が
所定の大きさに裁断され、印刷受容層上に印刷が施され
るのと同時に着磁処理が行われてもよい。あるいは、磁
性層上に印刷受容層が形成され、磁化容易軸の配向工程
後、一度巻き取られ、被着磁体が所定の大きさに裁断さ
れ、印刷受容層上に印刷が施された後または前に、着磁
処理が行われてもよい。
えば、磁性層が形成され、磁化容易軸が配向された直後
に行われてもよく、また、磁化容易軸の配向工程後、一
度巻き取られ、被着磁体が所定の大きさに裁断された後
に行われてもよい。磁性層上に印刷受容層が形成され、
磁化容易軸の配向工程後、一度巻き取られ、被着磁体が
所定の大きさに裁断され、印刷受容層上に印刷が施され
るのと同時に着磁処理が行われてもよい。あるいは、磁
性層上に印刷受容層が形成され、磁化容易軸の配向工程
後、一度巻き取られ、被着磁体が所定の大きさに裁断さ
れ、印刷受容層上に印刷が施された後または前に、着磁
処理が行われてもよい。
【0075】本実施形態の磁気吸着シートには、例えば
Srフェライト粉末やBaフェライト粉末等の強磁性酸
化鉄粉末を用いる。強磁性粉末の保磁力は700〜40
00Oeの範囲が好ましい。一般に、磁性体の着磁に
は、着磁される磁性体の保磁力以上の磁界が必要とされ
る。好適には、磁性体の2倍以上の外部磁場で着磁する
ことが望ましい。
Srフェライト粉末やBaフェライト粉末等の強磁性酸
化鉄粉末を用いる。強磁性粉末の保磁力は700〜40
00Oeの範囲が好ましい。一般に、磁性体の着磁に
は、着磁される磁性体の保磁力以上の磁界が必要とされ
る。好適には、磁性体の2倍以上の外部磁場で着磁する
ことが望ましい。
【0076】上記のような強磁性酸化鉄粉末の保磁力
は、通常、4000Oe以下であり、希土類の永久磁石
の磁界によって、十分に着磁することができる。希土類
の永久磁石としては、具体的にはSm−Co磁石、Sm
−Fe−N磁石、Nd−Fe−B磁石等が挙げられる。
希土類の永久磁石を用いて着磁用の角柱状あるいは円柱
状の永久磁石を形成した場合、8000Oe以上の磁界
を発生させることが可能であり、Srフェライト粉末等
の強磁性酸化鉄粉末に十分な着磁を行うことができる。
は、通常、4000Oe以下であり、希土類の永久磁石
の磁界によって、十分に着磁することができる。希土類
の永久磁石としては、具体的にはSm−Co磁石、Sm
−Fe−N磁石、Nd−Fe−B磁石等が挙げられる。
希土類の永久磁石を用いて着磁用の角柱状あるいは円柱
状の永久磁石を形成した場合、8000Oe以上の磁界
を発生させることが可能であり、Srフェライト粉末等
の強磁性酸化鉄粉末に十分な着磁を行うことができる。
【0077】フェライト永久磁石は飽和磁束密度が40
00G以下である。発生する磁界の最大値は飽和磁束密
度を超えないため、磁性層の着磁に6000〜8000
Oeあるいはそれ以上の磁界が必要とされる場合、フェ
ライト永久磁石は適さない。希土類の永久磁石は、通
常、8000〜15000Gあるいはそれ以上の飽和磁
束密度を有するため、磁性層の着磁に好適である。
00G以下である。発生する磁界の最大値は飽和磁束密
度を超えないため、磁性層の着磁に6000〜8000
Oeあるいはそれ以上の磁界が必要とされる場合、フェ
ライト永久磁石は適さない。希土類の永久磁石は、通
常、8000〜15000Gあるいはそれ以上の飽和磁
束密度を有するため、磁性層の着磁に好適である。
【0078】本実施形態の磁気吸着シートは、図10に
示すように、非磁性支持体3の磁性層2と反対側の面
に、印刷層31が形成され、印刷層31上に耐アルコー
ル性インク層32が形成された構成であってもよい。耐
アルコール性インク層32は、接着層33を介して非磁
性支持体3上に接着される。耐アルコール性インク層3
2はアルコール系溶媒に不溶なプラスチックフィルムで
あり、耐アルコール性インク層32を設けることによ
り、印刷層31の保護、耐水性付与、屋外での使用等が
可能となる。
示すように、非磁性支持体3の磁性層2と反対側の面
に、印刷層31が形成され、印刷層31上に耐アルコー
ル性インク層32が形成された構成であってもよい。耐
アルコール性インク層32は、接着層33を介して非磁
性支持体3上に接着される。耐アルコール性インク層3
2はアルコール系溶媒に不溶なプラスチックフィルムで
あり、耐アルコール性インク層32を設けることによ
り、印刷層31の保護、耐水性付与、屋外での使用等が
可能となる。
【0079】耐アルコール性インク層32の材料とし
て、具体的にはポリエステル系樹脂、オレフィン系樹
脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。耐
アルコール性インク層32を設けることにより、市販の
ホワイトボード用ペンで印刷層31上に筆記したり、筆
記したものを消去したりすることが可能となる。
て、具体的にはポリエステル系樹脂、オレフィン系樹
脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。耐
アルコール性インク層32を設けることにより、市販の
ホワイトボード用ペンで印刷層31上に筆記したり、筆
記したものを消去したりすることが可能となる。
【0080】
【実施例】以下、実際に作製したサンプルに基づいて、
本発明の磁気吸着シートを説明するが、本発明の磁気吸
着シートはこれらの実施例に限定されない。 (実験例1)下記の組成成分をボールミルで混合し、均
一に分散させて、磁性塗料を作製した。
本発明の磁気吸着シートを説明するが、本発明の磁気吸
着シートはこれらの実施例に限定されない。 (実験例1)下記の組成成分をボールミルで混合し、均
一に分散させて、磁性塗料を作製した。
【0081】
(磁性塗料組成)
磁性粉末 Srフェライト 100重量部
結合剤 10重量部
溶剤 メチルエチルケトン 74重量部
【0082】Srフェライト粉末としては、平均粒径
1.2μm、飽和磁化量σS =59(emu/g)、保
磁力Hc=2800(Oe)の形状等方性粒子を用い
た。結合剤はポリエステルポリウレタン樹脂:セルロー
スアセテートブチラート=70:30(重量比)の混合
物を用いた。ポリエステルポリウレタン樹脂としては、
商品名ニッポラン(日本ポリウレタン社製)、数平均分
子量Mn=30000、ガラス転移温度Tg =−10
(℃)のものを用いた。セルロースアセテートブチラー
トとしては、イーストマンケミカル社製のTg =101
(℃)のものを用いた。
1.2μm、飽和磁化量σS =59(emu/g)、保
磁力Hc=2800(Oe)の形状等方性粒子を用い
た。結合剤はポリエステルポリウレタン樹脂:セルロー
スアセテートブチラート=70:30(重量比)の混合
物を用いた。ポリエステルポリウレタン樹脂としては、
商品名ニッポラン(日本ポリウレタン社製)、数平均分
子量Mn=30000、ガラス転移温度Tg =−10
(℃)のものを用いた。セルロースアセテートブチラー
トとしては、イーストマンケミカル社製のTg =101
(℃)のものを用いた。
【0083】作製された磁性塗料を、ナイフコーターに
より塗布スピード10m/分で非磁性支持体上に塗布し
た。非磁性支持体としては、厚さ0.09mmのインク
ジェット対応受容層付き白色合成紙(商品名トヨジェッ
ト(東洋紡社製))を用いた。
より塗布スピード10m/分で非磁性支持体上に塗布し
た。非磁性支持体としては、厚さ0.09mmのインク
ジェット対応受容層付き白色合成紙(商品名トヨジェッ
ト(東洋紡社製))を用いた。
【0084】磁性塗料を白色合成紙のインクジェット受
容層の裏面に塗布し、ソレノイドコイルによる配向磁場
2kG中を通過させると同時に塗膜を乾燥させて(磁場
中配向)、面内配向を行った。その後、磁性塗膜をさら
に乾燥させ、磁性層厚0.06mm、全厚0.15mm
の原反を得た。
容層の裏面に塗布し、ソレノイドコイルによる配向磁場
2kG中を通過させると同時に塗膜を乾燥させて(磁場
中配向)、面内配向を行った。その後、磁性塗膜をさら
に乾燥させ、磁性層厚0.06mm、全厚0.15mm
の原反を得た。
【0085】得られた原反を、60℃の環境中で20時
間以上保存して硬化処理した。その後、図7に示すよう
に、面内方向に分極するように交互に多極着磁を施し
た。磁極幅(着磁ピッチ)は2.0mmとした。着磁に
は、Nd−Fe−B系永久磁石が互いに異極対向するよ
うに積層された複合永久磁石を用いた。1対の複合永久
磁石を原反の両面側に、同極が対向するように配置し
て、多極着磁を行った。
間以上保存して硬化処理した。その後、図7に示すよう
に、面内方向に分極するように交互に多極着磁を施し
た。磁極幅(着磁ピッチ)は2.0mmとした。着磁に
は、Nd−Fe−B系永久磁石が互いに異極対向するよ
うに積層された複合永久磁石を用いた。1対の複合永久
磁石を原反の両面側に、同極が対向するように配置し
て、多極着磁を行った。
【0086】(実験例2)実験例1の磁性塗料に、カル
ボン酸化合物であるミリスチン酸を0.3重量部添加
し、それ以外は実験例1と同様にして磁気吸着シートを
作製した。 (実験例3〜8)実験例2のミリスチン酸の代わりに、
表1に示す各カルボン酸化合物を添加した。それ以外は
実験例2と同様にして磁気吸着シートを作製した。 (実験例9〜12)実験例2のミリスチン酸の添加量
を、表1に示す添加量に変更した。それ以外は実験例2
と同様にして磁気吸着シートを作製した。
ボン酸化合物であるミリスチン酸を0.3重量部添加
し、それ以外は実験例1と同様にして磁気吸着シートを
作製した。 (実験例3〜8)実験例2のミリスチン酸の代わりに、
表1に示す各カルボン酸化合物を添加した。それ以外は
実験例2と同様にして磁気吸着シートを作製した。 (実験例9〜12)実験例2のミリスチン酸の添加量
を、表1に示す添加量に変更した。それ以外は実験例2
と同様にして磁気吸着シートを作製した。
【0087】実験例1〜12で得られたシートの臭気の
評価を、以下のように行った。各シートをB5サイズに
切り出し、チャック機能を有するA4サイズのビニール
袋に入れ、室温環境に1日放置した。その後、臭いをか
ぎ、臭気が気にならないものを○、悪臭(嫌忌性臭気)
がしたものを×と評価した。
評価を、以下のように行った。各シートをB5サイズに
切り出し、チャック機能を有するA4サイズのビニール
袋に入れ、室温環境に1日放置した。その後、臭いをか
ぎ、臭気が気にならないものを○、悪臭(嫌忌性臭気)
がしたものを×と評価した。
【0088】実験例1では悪臭が感じられ、印刷物を掲
示しておくには不快感を感じる程度であった。実験例2
では、臭気が気にならなかった。これらのシートの臭気
成分を、ガスクロマトグラフィ(GC)で分離した。図
11(a)は実験例1のGCチャート、図11(b)は
実験例2のGCチャートを示す。図11(a)および
(b)はトータルイオンクロマトグラム(TIC)を示
す。分離された各成分について、質量分析を行った。
示しておくには不快感を感じる程度であった。実験例2
では、臭気が気にならなかった。これらのシートの臭気
成分を、ガスクロマトグラフィ(GC)で分離した。図
11(a)は実験例1のGCチャート、図11(b)は
実験例2のGCチャートを示す。図11(a)および
(b)はトータルイオンクロマトグラム(TIC)を示
す。分離された各成分について、質量分析を行った。
【0089】実験例1では、メチルエチルケトンの2量
体変成物および2量体変成物の脱水縮合物に帰属される
ピーク(図11(a)で点線で囲まれたピーク)が複数
確認された。これに対し、実験例2では変成物のピーク
がほとんど確認されなかった。これらの結果から、カル
ボン酸化合物を磁性塗料に添加することにより、溶媒成
分であるメチルエチルケトンの変成が抑制され、磁気吸
着シートの悪臭を防止できることがわかる。
体変成物および2量体変成物の脱水縮合物に帰属される
ピーク(図11(a)で点線で囲まれたピーク)が複数
確認された。これに対し、実験例2では変成物のピーク
がほとんど確認されなかった。これらの結果から、カル
ボン酸化合物を磁性塗料に添加することにより、溶媒成
分であるメチルエチルケトンの変成が抑制され、磁気吸
着シートの悪臭を防止できることがわかる。
【0090】実験例3〜12のシートについても、同様
に臭気を評価した。また、実験例1〜12のシートの角
形比、磁気吸着力、貼り付き状態、塗膜曲げ状態を評価
し、表1に結果をまとめた。
に臭気を評価した。また、実験例1〜12のシートの角
形比、磁気吸着力、貼り付き状態、塗膜曲げ状態を評価
し、表1に結果をまとめた。
【0091】
【表1】
【0092】角形比の測定には、振動式磁気特性測定装
置(商品名VSM(東英工業社製))を用いた。磁気吸
着力の評価は、シートを100mm×100mmに切り
出し、磁気吸着面の裏側にシートと同形の樹脂板を粘着
剤で貼りつけ、それを水平に固定した0.5mm厚鋼板
上に磁気吸着させて、鋼板より垂直上方に剥離する際の
最小剥離力をばね秤にて測定し、{剥離力−(シート重
量+粘着剤重量+樹脂板重量)}/シート面積=磁気吸
着力とした。
置(商品名VSM(東英工業社製))を用いた。磁気吸
着力の評価は、シートを100mm×100mmに切り
出し、磁気吸着面の裏側にシートと同形の樹脂板を粘着
剤で貼りつけ、それを水平に固定した0.5mm厚鋼板
上に磁気吸着させて、鋼板より垂直上方に剥離する際の
最小剥離力をばね秤にて測定し、{剥離力−(シート重
量+粘着剤重量+樹脂板重量)}/シート面積=磁気吸
着力とした。
【0093】貼り付き状態は、各シートをA4サイズで
切り出し、鉛直面である0.5mm厚鋼板上にシートを
磁気吸着させて確認した。シートの滑り落ちが見られな
い場合を○、滑り落ちが見られる場合を×と評価した。
塗膜曲げ状態は、磁性層を外側へ向けるようにして、磁
性層を180°折り曲げたときにクラックが発生するか
を確認した。クラックが発生しない場合を○、クラック
が発生した場合を×と評価した。
切り出し、鉛直面である0.5mm厚鋼板上にシートを
磁気吸着させて確認した。シートの滑り落ちが見られな
い場合を○、滑り落ちが見られる場合を×と評価した。
塗膜曲げ状態は、磁性層を外側へ向けるようにして、磁
性層を180°折り曲げたときにクラックが発生するか
を確認した。クラックが発生しない場合を○、クラック
が発生した場合を×と評価した。
【0094】実験例1と他の実験例との比較から、カル
ボン酸化合物を表1に示す範囲の添加量で添加すると、
角形比はやや高くなる傾向が見られる。これに伴い、ミ
リスチン酸の添加量が最も多い実験例12を除けば、磁
気吸着力もわずかに増加する。また、実験例2〜12に
おいて、カルボン酸化合物の添加による貼り付き状態の
悪化は見られなかった。
ボン酸化合物を表1に示す範囲の添加量で添加すると、
角形比はやや高くなる傾向が見られる。これに伴い、ミ
リスチン酸の添加量が最も多い実験例12を除けば、磁
気吸着力もわずかに増加する。また、実験例2〜12に
おいて、カルボン酸化合物の添加による貼り付き状態の
悪化は見られなかった。
【0095】実験例12を除き、塗膜曲げ状態に問題は
見られなかった。カルボン酸化合物を添加していない実
験例1と、カルボン酸化合物(ミリスチン酸)の添加量
が最も少ない実験例9を除き、嫌忌性臭気は確認され
ず、カルボン酸化合物の添加により悪臭の発生が防止さ
れた。
見られなかった。カルボン酸化合物を添加していない実
験例1と、カルボン酸化合物(ミリスチン酸)の添加量
が最も少ない実験例9を除き、嫌忌性臭気は確認され
ず、カルボン酸化合物の添加により悪臭の発生が防止さ
れた。
【0096】実験例1、2および9〜12の結果から、
カルボン酸化合物の添加量が0.03重量部以上であれ
ば、磁気吸着力を損なわずに臭気を抑制できることがわ
かる。また、カルボン酸化合物の添加量が3重量部を超
えると、磁気吸着力と塗膜曲げ状態が悪化した。したが
って、カルボン酸化合物であるミリスチン酸の添加量
は、強磁性粉末100重量部に対して0.03〜3重量
部が適当であることがわかる。
カルボン酸化合物の添加量が0.03重量部以上であれ
ば、磁気吸着力を損なわずに臭気を抑制できることがわ
かる。また、カルボン酸化合物の添加量が3重量部を超
えると、磁気吸着力と塗膜曲げ状態が悪化した。したが
って、カルボン酸化合物であるミリスチン酸の添加量
は、強磁性粉末100重量部に対して0.03〜3重量
部が適当であることがわかる。
【0097】(実験例13〜17)実験例2において、
カルボン酸の種類をミリスチン酸から無水クエン酸に変
更し、結合剤の配合量を表2に示すように変化させた。
それ以外は実験例2と同様にして磁気吸着シートを作製
した。実験例13〜17のシートについて、実験例1〜
12と同様に角形比、磁気吸着力、貼り付き状態、塗膜
曲げ状態および臭気を評価し、表2に結果をまとめた。
カルボン酸の種類をミリスチン酸から無水クエン酸に変
更し、結合剤の配合量を表2に示すように変化させた。
それ以外は実験例2と同様にして磁気吸着シートを作製
した。実験例13〜17のシートについて、実験例1〜
12と同様に角形比、磁気吸着力、貼り付き状態、塗膜
曲げ状態および臭気を評価し、表2に結果をまとめた。
【0098】
【表2】
【0099】表2に示すように、結合剤の配合量が10
重量部未満のとき、塗膜曲げ状態が悪化した。また、結
合剤の配合量が30重量部を超えると、磁気吸着力が低
下して、貼り付き状態に問題が生じた。したがって、臭
気を抑制し、かつ磁気吸着力や塗膜曲げ状態を損なわな
いためには、結合剤の配合量は10〜30重量部が適当
とわかる。
重量部未満のとき、塗膜曲げ状態が悪化した。また、結
合剤の配合量が30重量部を超えると、磁気吸着力が低
下して、貼り付き状態に問題が生じた。したがって、臭
気を抑制し、かつ磁気吸着力や塗膜曲げ状態を損なわな
いためには、結合剤の配合量は10〜30重量部が適当
とわかる。
【0100】(実験例18〜22)実験例13におい
て、非磁性支持体をインクジェット受容層付きのポリプ
ロピレン基材(厚さ0.12mm、王子製紙製)に変更
し、結合剤の配合量を表3に示すように変化させた。そ
れ以外は実験例13と同様にして磁気吸着シートを作製
した。実験例18〜22のシートについて、実験例1〜
17と同様に角形比、磁気吸着力、貼り付き状態、塗膜
曲げ状態および臭気を評価し、表3に結果をまとめた。
て、非磁性支持体をインクジェット受容層付きのポリプ
ロピレン基材(厚さ0.12mm、王子製紙製)に変更
し、結合剤の配合量を表3に示すように変化させた。そ
れ以外は実験例13と同様にして磁気吸着シートを作製
した。実験例18〜22のシートについて、実験例1〜
17と同様に角形比、磁気吸着力、貼り付き状態、塗膜
曲げ状態および臭気を評価し、表3に結果をまとめた。
【0101】
【表3】
【0102】表3に示すように、結合剤の配合量が15
重量部未満のとき、塗膜曲げ状態が悪化した。また、結
合剤の配合量が30重量部を超えると、磁気吸着力が低
下して、貼り付き状態に問題が生じた。したがって、オ
レフィン系材料からなる非磁性支持体を用いる場合、臭
気を抑制し、かつ磁気吸着力や塗膜曲げ状態を損なわな
いためには、結合剤の配合量は15〜30重量部が適当
とわかる。
重量部未満のとき、塗膜曲げ状態が悪化した。また、結
合剤の配合量が30重量部を超えると、磁気吸着力が低
下して、貼り付き状態に問題が生じた。したがって、オ
レフィン系材料からなる非磁性支持体を用いる場合、臭
気を抑制し、かつ磁気吸着力や塗膜曲げ状態を損なわな
いためには、結合剤の配合量は15〜30重量部が適当
とわかる。
【0103】(実験例23〜26)実験例2において、
カルボン酸化合物をミリスチン酸からステアリン酸に変
更し、外部磁場を表4に示すように変化させた。それ以
外は実験例2と同様にして磁気吸着シートを作製した。
実験例23〜26のシートについて、実験例1〜22と
同様に角形比、磁気吸着力、貼り付き状態、塗膜曲げ状
態および臭気を評価し、表4に結果をまとめた。
カルボン酸化合物をミリスチン酸からステアリン酸に変
更し、外部磁場を表4に示すように変化させた。それ以
外は実験例2と同様にして磁気吸着シートを作製した。
実験例23〜26のシートについて、実験例1〜22と
同様に角形比、磁気吸着力、貼り付き状態、塗膜曲げ状
態および臭気を評価し、表4に結果をまとめた。
【0104】
【表4】
【0105】表4に示すように、外部磁場が強磁性粉末
の保磁力(=2800(Oe))の1/3より小さい場
合、角形比が80%未満となり、磁気吸着力が不足し
て、貼り付き状態に問題が生じる。したがって、臭気を
抑制し、かつ磁気吸着力や塗膜曲げ状態を損なわないた
めには、外部磁場は強磁性粉末の保磁力の1/3以上が
適当とわかる。
の保磁力(=2800(Oe))の1/3より小さい場
合、角形比が80%未満となり、磁気吸着力が不足し
て、貼り付き状態に問題が生じる。したがって、臭気を
抑制し、かつ磁気吸着力や塗膜曲げ状態を損なわないた
めには、外部磁場は強磁性粉末の保磁力の1/3以上が
適当とわかる。
【0106】(実験例27〜30)実験例23におい
て、カルボン酸化合物をステアリン酸から酒石酸に変更
し、配向方法をソレノイドコイルを用いる方法から永久
磁石を用いる方法に変更した。配向用の永久磁石は、図
4に示すように非磁性支持体の磁性塗膜と反対側の面に
配置した。外部磁場の大きさは、表5に示すように変化
させた。それ以外は実験例23と同様にして磁気吸着シ
ートを作製した。実験例1〜26と同様に角形比、磁気
吸着力、貼り付き状態、塗膜曲げ状態および臭気を評価
し、表5に結果をまとめた。
て、カルボン酸化合物をステアリン酸から酒石酸に変更
し、配向方法をソレノイドコイルを用いる方法から永久
磁石を用いる方法に変更した。配向用の永久磁石は、図
4に示すように非磁性支持体の磁性塗膜と反対側の面に
配置した。外部磁場の大きさは、表5に示すように変化
させた。それ以外は実験例23と同様にして磁気吸着シ
ートを作製した。実験例1〜26と同様に角形比、磁気
吸着力、貼り付き状態、塗膜曲げ状態および臭気を評価
し、表5に結果をまとめた。
【0107】
【表5】
【0108】表5に示すように、外部磁場が強磁性粉末
の保磁力の1/2より小さい場合、角形比が80%未満
となり、磁気吸着力が不足して、貼り付き状態に問題が
生じる。したがって、図4に示す配向方法を採用する場
合、臭気を抑制し、かつ磁気吸着力や塗膜曲げ状態を損
なわないためには、外部磁場は強磁性粉末の保磁力の1
/2以上が適当とわかる。
の保磁力の1/2より小さい場合、角形比が80%未満
となり、磁気吸着力が不足して、貼り付き状態に問題が
生じる。したがって、図4に示す配向方法を採用する場
合、臭気を抑制し、かつ磁気吸着力や塗膜曲げ状態を損
なわないためには、外部磁場は強磁性粉末の保磁力の1
/2以上が適当とわかる。
【0109】(実験例31)実験例2において、着磁に
1対の平面状(板状)に配列された永久磁石を用いる代
わりに、図8に示すような1個の円柱状複合永久磁石を
用いた。実験例2と同様に磁極幅を2.0mmとし、N
d−Fe−B系永久磁石を用いた。円周方向にN極とS
極が交互に多極着磁された円柱状の複合永久磁石を、磁
性層側の表面に接するように配置して、永久磁石の中心
軸と磁化容易軸とが直交する状態で永久磁石を回転さ
せ、複合永久磁石の中心軸に対して直交する方向に、複
合永久磁石と磁気吸着シートを相対的に移動させて多極
着磁を行った。
1対の平面状(板状)に配列された永久磁石を用いる代
わりに、図8に示すような1個の円柱状複合永久磁石を
用いた。実験例2と同様に磁極幅を2.0mmとし、N
d−Fe−B系永久磁石を用いた。円周方向にN極とS
極が交互に多極着磁された円柱状の複合永久磁石を、磁
性層側の表面に接するように配置して、永久磁石の中心
軸と磁化容易軸とが直交する状態で永久磁石を回転さ
せ、複合永久磁石の中心軸に対して直交する方向に、複
合永久磁石と磁気吸着シートを相対的に移動させて多極
着磁を行った。
【0110】(実験例32)実験例2において、着磁に
図9に示すような1対の円柱状複合永久磁石を用いた。
実験例2と同様に磁極幅を2.0mmとし、Nd−Fe
−B系永久磁石を用いた。円周方向にN極とS極が交互
に多極着磁された1対の円柱状の複合永久磁石を、磁気
吸着シートの両面に接するように配置した。1対の円柱
状の複合永久磁石は、磁気吸着シートを介して同極が対
向するように配置した。1対の複合永久磁石を同一の速
度で回転させ、磁気吸着シートを移動させて多極着磁を
行った。
図9に示すような1対の円柱状複合永久磁石を用いた。
実験例2と同様に磁極幅を2.0mmとし、Nd−Fe
−B系永久磁石を用いた。円周方向にN極とS極が交互
に多極着磁された1対の円柱状の複合永久磁石を、磁気
吸着シートの両面に接するように配置した。1対の円柱
状の複合永久磁石は、磁気吸着シートを介して同極が対
向するように配置した。1対の複合永久磁石を同一の速
度で回転させ、磁気吸着シートを移動させて多極着磁を
行った。
【0111】実験例31および32のシートについて、
実験例1〜30と同様に角形比、磁気吸着力、貼り付き
状態、塗膜曲げ状態および臭気を評価し、表6に結果を
まとめた。参考のため、着磁に平面状の複合永久磁石を
用いた実験例2の結果も示した。
実験例1〜30と同様に角形比、磁気吸着力、貼り付き
状態、塗膜曲げ状態および臭気を評価し、表6に結果を
まとめた。参考のため、着磁に平面状の複合永久磁石を
用いた実験例2の結果も示した。
【0112】
【表6】
【0113】表6に示すように、円柱状の永久磁石を用
いても、平面状の永久磁石を用いる場合と同様に多極着
磁が可能であることが確認された。実験例31、32の
シートは角形比、磁気吸着力、貼り付き状態、塗膜曲げ
状態および臭気について、すべて問題がなかった。
いても、平面状の永久磁石を用いる場合と同様に多極着
磁が可能であることが確認された。実験例31、32の
シートは角形比、磁気吸着力、貼り付き状態、塗膜曲げ
状態および臭気について、すべて問題がなかった。
【0114】(実験例33)実験例2のシートを作製
後、印刷層(インクジェット受容層)側にアクリル系粘
着層を介してポリプロピレン(PP)フィルムを貼付し
た。PPフィルムは厚さ38μmのものを用いた。
後、印刷層(インクジェット受容層)側にアクリル系粘
着層を介してポリプロピレン(PP)フィルムを貼付し
た。PPフィルムは厚さ38μmのものを用いた。
【0115】(実験例34)実験例2のシートを作製
後、印刷層(インクジェット受容層)に印刷を施してか
ら、印刷層上に実験例33と同様に、アクリル系粘着層
を介して厚さ38μmのPPフィルムを貼付した。
後、印刷層(インクジェット受容層)に印刷を施してか
ら、印刷層上に実験例33と同様に、アクリル系粘着層
を介して厚さ38μmのPPフィルムを貼付した。
【0116】(実験例35)実験例33において、PP
フィルムを貼付するかわりに、厚さ38μmのポリエチ
レン(PE)フィルムを貼付した。それ以外は実験例3
3と同様にして磁気吸着シートを作製した。
フィルムを貼付するかわりに、厚さ38μmのポリエチ
レン(PE)フィルムを貼付した。それ以外は実験例3
3と同様にして磁気吸着シートを作製した。
【0117】(実験例36)実験例34において、PP
フィルムを貼付するかわりに、厚さ38μmのPEフィ
ルムを貼付した。それ以外は実験例34と同様にして磁
気吸着シートを作製した。
フィルムを貼付するかわりに、厚さ38μmのPEフィ
ルムを貼付した。それ以外は実験例34と同様にして磁
気吸着シートを作製した。
【0118】(実験例37)実験例33において、PP
フィルムを貼付するかわりに、厚さ38μmのポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルムを貼付した。そ
れ以外は実験例33と同様にして磁気吸着シートを作製
した。
フィルムを貼付するかわりに、厚さ38μmのポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルムを貼付した。そ
れ以外は実験例33と同様にして磁気吸着シートを作製
した。
【0119】(実験例38)実験例34において、PP
フィルムを貼付するかわりに、厚さ38μmのPETフ
ィルムを貼付した。それ以外は実験例34と同様にして
磁気吸着シートを作製した。
フィルムを貼付するかわりに、厚さ38μmのPETフ
ィルムを貼付した。それ以外は実験例34と同様にして
磁気吸着シートを作製した。
【0120】実験例33〜38で貼付されたPP、PE
またはPETフィルムに汎用のホワイトボード用ペンで
筆記を行った後、消去する作業を繰り返した。ホワイト
ボードペンにはアルコール系インクが用いられている。
筆記と消去が可能であったものを○、筆記と消去が不可
能であったものを×と評価した。また、角形比、磁気吸
着力、貼り付き状態、塗膜曲げ状態および臭気について
も実験例1〜32と同様に評価し、表7に結果をまとめ
た。参考のため、プラスチックフィルムを貼付しない実
験例2の結果も示した。
またはPETフィルムに汎用のホワイトボード用ペンで
筆記を行った後、消去する作業を繰り返した。ホワイト
ボードペンにはアルコール系インクが用いられている。
筆記と消去が可能であったものを○、筆記と消去が不可
能であったものを×と評価した。また、角形比、磁気吸
着力、貼り付き状態、塗膜曲げ状態および臭気について
も実験例1〜32と同様に評価し、表7に結果をまとめ
た。参考のため、プラスチックフィルムを貼付しない実
験例2の結果も示した。
【0121】
【表7】
【0122】表7に示すように、PP、PEまたはPE
Tフィルムのようなプラスチックフィルムを印刷層上に
貼付することにより、磁気吸着シート上に筆記したり、
筆記された内容を消去したりすることが可能となる。ま
た、印刷受容層に印刷を行う前にフィルムを貼付して
も、印刷後にフィルムを貼付しても、同様の効果が得ら
れた。プラスチックフィルムを設けない実験例2の場
合、アルコール系インクが浸透し、書き込みが滲んだ
り、書き込み後に消去できなかったりする問題が起こ
る。
Tフィルムのようなプラスチックフィルムを印刷層上に
貼付することにより、磁気吸着シート上に筆記したり、
筆記された内容を消去したりすることが可能となる。ま
た、印刷受容層に印刷を行う前にフィルムを貼付して
も、印刷後にフィルムを貼付しても、同様の効果が得ら
れた。プラスチックフィルムを設けない実験例2の場
合、アルコール系インクが浸透し、書き込みが滲んだ
り、書き込み後に消去できなかったりする問題が起こ
る。
【0123】プラスチックフィルムは磁気吸着シートの
磁性層と反対側の面に貼付されるため、磁性層の各種特
性には影響を及ぼさず、プラスチックフィルムを設けな
い場合(実験例2)と同等の角形比および磁気吸着力が
得られた。また、悪臭の発生も抑制された。貼付される
プラスチックフィルムは極めて薄く、軽量であるため、
実験例33〜38のシートの貼り付き状態や塗膜曲げ状
態に問題は生じなかった。
磁性層と反対側の面に貼付されるため、磁性層の各種特
性には影響を及ぼさず、プラスチックフィルムを設けな
い場合(実験例2)と同等の角形比および磁気吸着力が
得られた。また、悪臭の発生も抑制された。貼付される
プラスチックフィルムは極めて薄く、軽量であるため、
実験例33〜38のシートの貼り付き状態や塗膜曲げ状
態に問題は生じなかった。
【0124】上記の本発明の実施形態の磁気吸着シート
によれば、悪臭が抑制され、かつ筆記と筆記内容の消去
とを繰り返し行うことが可能となり、磁気吸着シートの
耐水性も向上する。また、上記の実施形態の磁気吸着シ
ートの磁気吸着力は自重の支持に十分であり、プリンタ
ーでの印刷にも適している。磁気吸着力が約1.0gf
/cm2 以下であることから、シート同士の吸着や、シ
ートと金属製のプリンター部材との相互作用、あるいは
シート間の反発等が抑制され、一般用プリンターでの連
続印刷や、ロール状からの印刷も正常に行うことができ
る。
によれば、悪臭が抑制され、かつ筆記と筆記内容の消去
とを繰り返し行うことが可能となり、磁気吸着シートの
耐水性も向上する。また、上記の実施形態の磁気吸着シ
ートの磁気吸着力は自重の支持に十分であり、プリンタ
ーでの印刷にも適している。磁気吸着力が約1.0gf
/cm2 以下であることから、シート同士の吸着や、シ
ートと金属製のプリンター部材との相互作用、あるいは
シート間の反発等が抑制され、一般用プリンターでの連
続印刷や、ロール状からの印刷も正常に行うことができ
る。
【0125】本発明の磁気吸着シートの実施形態は、上
記の説明に限定されない。例えば、上記の実施例に挙げ
た以外のカルボン酸やカルボン酸無水物を磁性塗料に添
加して、ケトン系溶媒の変成を防止することもできる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更
が可能である。
記の説明に限定されない。例えば、上記の実施例に挙げ
た以外のカルボン酸やカルボン酸無水物を磁性塗料に添
加して、ケトン系溶媒の変成を防止することもできる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更
が可能である。
【0126】
【発明の効果】本発明の磁気吸着シートによれば、磁性
塗料の溶媒の変成・重合に起因する悪臭の発生が抑制さ
れ、磁気吸着シートへの筆記やその消去を繰り返し行う
ことが可能となる。また、磁気吸着シートの耐水性も向
上し、磁気吸着シートをより多様な環境で使用すること
が可能となる。
塗料の溶媒の変成・重合に起因する悪臭の発生が抑制さ
れ、磁気吸着シートへの筆記やその消去を繰り返し行う
ことが可能となる。また、磁気吸着シートの耐水性も向
上し、磁気吸着シートをより多様な環境で使用すること
が可能となる。
【図1】図1は本発明の磁気吸着シートの断面図であ
る。
る。
【図2】図2は本発明の磁気吸着シートに配向処理を行
う方法を示す模式図である。
う方法を示す模式図である。
【図3】図3は本発明の磁気吸着シートに配向処理を行
う方法を示す模式図である。
う方法を示す模式図である。
【図4】図4は本発明の磁気吸着シートに配向処理を行
う方法を示す模式図である。
う方法を示す模式図である。
【図5】図5は本発明の磁気吸着シートの断面図であ
り、磁性層の面内方向に多極着磁が施された状態を示
す。
り、磁性層の面内方向に多極着磁が施された状態を示
す。
【図6】図6は本発明の磁気吸着シートに多極着磁を行
う方法を示す模式図である。
う方法を示す模式図である。
【図7】図7は本発明の磁気吸着シートに多極着磁を行
う方法を示す模式図である。
う方法を示す模式図である。
【図8】図8は本発明の磁気吸着シートに多極着磁を行
う方法を示す模式図である。
う方法を示す模式図である。
【図9】図9は本発明の磁気吸着シートに多極着磁を行
う方法を示す模式図である。
う方法を示す模式図である。
【図10】図10は本発明の磁気吸着シートの断面図で
ある。
ある。
【図11】図11(a)および(b)は本発明の実施例
の磁気吸着シートの臭気成分を示すGC−MSチャート
である。
の磁気吸着シートの臭気成分を示すGC−MSチャート
である。
【図12】図12は従来の垂直配向の磁気吸着シートの
断面図である。
断面図である。
1…磁気吸着シート、2…磁性層、3…非磁性支持体、
4…印刷受容層、11…ソレノイドコイル、12…磁性
塗膜、13…磁力線、14a、14b…永久磁石、15
…磁力線、16…被吸着体、21a、21b…複合永久
磁石、22…被着磁体、23…磁力線、24…ヨーク、
25、25a、25b…複合永久磁石、31…印刷層、
32…耐アルコール性インク層、33…接着層。
4…印刷受容層、11…ソレノイドコイル、12…磁性
塗膜、13…磁力線、14a、14b…永久磁石、15
…磁力線、16…被吸着体、21a、21b…複合永久
磁石、22…被着磁体、23…磁力線、24…ヨーク、
25、25a、25b…複合永久磁石、31…印刷層、
32…耐アルコール性インク層、33…接着層。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 松村 伸一
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ
ー株式会社内
Fターム(参考) 4F100 AH02B AJ06 AK01B AK51
AR00B AT00A BA02 BA03
BA04 BA07 BA25 DE01B
DG10 DG10A EH46 EJ08
EJ86 GB90 HB31C HB31D
JB07 JG06B JL05 YY00B
Claims (8)
- 【請求項1】非磁性支持体と、 前記非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤を主成分と
し、かつケトン系溶媒を含む磁性塗料の塗布、配向およ
び乾燥を行って形成された磁性層とを有し、 前記磁性層の厚さは0.03〜0.15mmであり、 前記磁性層の面内方向の角形比が80%以上であり、か
つ面内方向に分極するように交互に多極着磁され、 前記磁性塗料は強磁性粉末100重量部に対してカルボ
ン酸あるいはカルボン酸無水物を0.03〜3重量部含
有することにより、前記ケトン系溶媒の変成が抑制され
ていることを特徴とする磁気吸着シート。 - 【請求項2】前記磁性層は強磁性粉末100重量部に対
して結合剤を10〜30重量部含有する請求項1記載の
磁気吸着シート。 - 【請求項3】前記非磁性支持体を含む全厚が0.08〜
0.25mmである請求項1記載の磁気吸着シート。 - 【請求項4】前記磁気吸着シートの前記非磁性支持体側
の表面に、アルコール系インクによる筆記と、筆記され
た内容の消去が可能である耐アルコール系インク層をさ
らに有する請求項1記載の磁気吸着シート。 - 【請求項5】前記磁気吸着シートの前記非磁性支持体側
の表面に、印刷が施された印刷層をさらに有する請求項
1記載の磁気吸着シート。 - 【請求項6】前記印刷層上に、アルコール系インクによ
る筆記と、筆記された内容の消去が可能である耐アルコ
ール系インク層をさらに有する請求項5記載の磁気吸着
シート。 - 【請求項7】前記磁気吸着シートの前記非磁性支持体側
の表面に、印刷が可能である印刷受容層をさらに有する
請求項1記載の磁気吸着シート。 - 【請求項8】非磁性支持体と、 前記非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤を主成分と
する磁性塗料の塗布、配向および乾燥を行って形成され
た磁性層とを有し、 前記磁性層の厚さは0.03〜0.15mmであり、 前記磁性層の面内方向の角形比が80%以上であり、か
つ面内方向に分極するように交互に多極着磁され、 前記非磁性支持体側の表面に、アルコール系インクによ
る筆記と、筆記された内容の消去が可能である耐アルコ
ール系インク層をさらに有する磁気吸着シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002119844A JP2003318018A (ja) | 2002-04-22 | 2002-04-22 | 磁気吸着シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002119844A JP2003318018A (ja) | 2002-04-22 | 2002-04-22 | 磁気吸着シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003318018A true JP2003318018A (ja) | 2003-11-07 |
Family
ID=29536270
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002119844A Abandoned JP2003318018A (ja) | 2002-04-22 | 2002-04-22 | 磁気吸着シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003318018A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019071327A (ja) * | 2017-10-06 | 2019-05-09 | 日本電信電話株式会社 | 着磁器および着磁用部品 |
JP2022530911A (ja) * | 2019-05-22 | 2022-07-04 | アップル インコーポレイテッド | 磁気結合を備えたリストバンド |
JP7246787B1 (ja) | 2022-05-20 | 2023-03-28 | 大和化成商事株式会社 | 磁性シート、ホワイトボード、および磁性シートの製造方法 |
-
2002
- 2002-04-22 JP JP2002119844A patent/JP2003318018A/ja not_active Abandoned
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019071327A (ja) * | 2017-10-06 | 2019-05-09 | 日本電信電話株式会社 | 着磁器および着磁用部品 |
JP2022530911A (ja) * | 2019-05-22 | 2022-07-04 | アップル インコーポレイテッド | 磁気結合を備えたリストバンド |
JP7289932B2 (ja) | 2019-05-22 | 2023-06-12 | アップル インコーポレイテッド | 磁気結合を備えたリストバンド |
JP7564290B2 (ja) | 2019-05-22 | 2024-10-08 | アップル インコーポレイテッド | 磁気結合を備えたリストバンド |
JP7246787B1 (ja) | 2022-05-20 | 2023-03-28 | 大和化成商事株式会社 | 磁性シート、ホワイトボード、および磁性シートの製造方法 |
JP2023171076A (ja) * | 2022-05-20 | 2023-12-01 | 大和化成商事株式会社 | 磁性シート、ホワイトボード、および磁性シートの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050311 |
|
A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20070614 |