JP2002049318A - 可撓性磁石シート - Google Patents

可撓性磁石シート

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JP2002049318A
JP2002049318A JP2000234257A JP2000234257A JP2002049318A JP 2002049318 A JP2002049318 A JP 2002049318A JP 2000234257 A JP2000234257 A JP 2000234257A JP 2000234257 A JP2000234257 A JP 2000234257A JP 2002049318 A JP2002049318 A JP 2002049318A
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coating film
magnet sheet
magnetic coating
flexible magnet
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Yoshinosuke Shimamura
佳ノ助 島村
Toshiaki Adachi
敏明 安達
Tesshu Miyahara
鉄州 宮原
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体に磁性塗料を塗布して得られる可撓性
磁石シートにおいて、カール量を低減化することにより
薄膜で強力な磁気吸着力を有し、さらに、印字・印刷等
が可能な情報表示用シートとしての可撓性磁石シートの
提供。 【解決手段】 結合剤中に硬質磁性粉末を分散した磁性
塗料を、少なくとも支持体の片面に塗布して磁性塗膜を
形成した可撓性磁石シートにおいて、磁性塗膜に微細な
亀裂を形成することにより塗膜の内部応力を緩和し、さ
らに、磁性層と反対面にインク受理層等の機能層を付設
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、適切な被吸着物に
吸着させて使用する薄膜の可撓性磁石シートに関するも
のであり、被印字・印刷材料としても用いられる情報表
示用シートに関する。
【従来の技術】
【0002】従来、塗布型の可撓性磁石シートあるいは
フィルムを得る方法としては、結合剤中に硬質磁性粉末
を分散させた塗料を支持体に塗布・乾燥させて磁性塗膜
を得た後、平板状多極型着磁ヨークおよびコンデンサー
式着磁電源を用いて、磁性塗膜にN、S極が周期的にで
きる様に着磁する方法が開示されている(特開昭50−
85897号)。
【0003】しかしながら、上記方法によって調製され
た磁石シートは、磁性層単位厚み当りの磁気吸着力がか
なり弱いものである。そのため、その磁石シートを鉄板
面などに吸着・貼付させて使用する情報表示用シートに
用いた場合、その磁石シートを構成する硬質磁性粉の種
類や含有量またはシート塗膜の表面性あるいは単位面積
当りの磁極数などにも依るが、通常は、磁性層の厚みが
数10μm以下のシートでは実用に供することは困難で
ある。そこで、情報表示用シート向けとしては、磁性層
の厚みを、一般的には、数10μm〜数100μmとい
う非常に厚いものとする必要が有り、それにより、要求
される磁気吸着力を持たせざるを得ないのが実情であっ
た。
【0004】一方、前記特開昭50−85897号に開
示されているような方法あるいは磁気記録を目的とした
従来公知の方法によって磁性塗膜を形成した場合、その
シートまたはフィルム状塗工物には、カールという現象
が発生する。このカールという現象は、磁性塗料乾燥時
における基体と磁性塗膜の体積収縮率の差が原因となっ
て起きるものであり、塗工物シートあるいはフィルムが
反る・湾曲するというものである。これが、上記のよう
な、数10μm〜数100μmの厚みの磁性塗膜を形成
する可撓性磁石シートにおいては顕現化し、磁性塗膜を
内側にした塗工物の大きなカールが起きることとなる。
このような大きな量のカールは、磁石シートと被吸着物
との吸着領域ないし吸着点の減少化を引き起こし、結果
的に、磁石シートの磁気吸着力を極端に喪失させて欠点
となるものである。
【0005】ここで、このような塗膜を設けたシートあ
るいはフィルムのカールを低減化する方法として、塗
料中に可塑剤を添加する塗料中の結合剤の割合を少な
くする塗布される支持体として剛性の強い材料を用い
る、などの手段が用いられているが、の手段では、乾
燥後の塗膜表面からの可塑剤の滲み出しによる耐候性の
低下、では、塗膜塑性化による物性の低下、では、
シートあるいはフィルムが本来持つべき加工性や柔軟性
などの機能性の低下などの問題があって、いずれも根本
的な解決策とはなりえていず、未解消の欠点である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような欠点を克
服して、必要とされる磁気吸着力を出すための条件であ
る磁性層の厚みを数10μm〜数100μmに維持しな
がら、その際発生するカールの量を極小にすることによ
って、シートが本来持つべき吸着領域ないし吸着点を確
保して、見栄えが良く、自重や振動においても被吸着体
からの剥がれや浮きが生じず貼付時などで落下のない、
実用に適した磁気吸着力を保持する可撓性磁石シートの
提供を目的とする。さらに、情報表示用シートとしての
活用性を増すために、印字・印刷などが可能な機能層を
付設する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために、磁性塗膜を支持体上に形成する際、磁
性塗膜に、表面から塗膜内部にかけて、微細な亀裂を形
成させることにより、磁性塗料中の揮発成分の揮発や結
合剤の乾燥収縮に伴い発生する塗膜の内部応力を緩和で
き、これにより可撓性磁石シートにおけるカール量を大
幅に低減化できることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0008】すなわち本発明は、結合剤中に硬質磁性粉
末を分散した塗料を、少なくとも支持体の片面に塗布・
乾燥させて磁性塗膜を形成した積層体において、その磁
性塗膜に5〜500μmの幅の微細な亀裂を形成させた
ことを特徴とする可撓性磁石シートであって、該磁性塗
膜が多層塗工により形成されており、また、支持体上に
設けられた磁性塗膜に熱圧処理を施し、前同部分に多極
着磁を施したことを特徴とする可撓性磁石シートを提供
する。さらに、支持体上に磁性塗膜を設けた積層体の該
可撓性磁石シートの少なくとも片面に、情報表示可能な
機能層を設けたことを特徴とする可撓性磁石シートをも
提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の可撓性磁石シー
トについて詳しく説明する。
【0010】可撓性磁石シートは、図1に示すように支
持体1の上に、結合剤中に硬質磁性粉末を分散させた塗
料を塗布・乾燥させて得られる磁性塗膜2を設けた積層
構造をしており、磁性塗膜2には微細な亀裂が形成され
ている。
【0011】ここで使用できる支持体1としては、例え
ばポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
ビニルアルコール、ポリカーボネート、ナイロン、ポリ
スチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはその
ケン化物、ポリメチルペンテン、アイオノマー、ポリメ
チルメタクリレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リアクリロニトリル、などのプラスチックフィルムまた
はシート、さらにセロハン、紙、含浸紙、各種金属板、
あるいはこれらの各材料からなる複合体が挙げられ、こ
れら以外の材料であっても必要な強度・剛性を備えてい
れば、特に制限なく使用できる。
【0012】支持体1の厚みには特に制限はないが、薄
型磁石シートとして使用する場合は10〜300μm程
度が好ましい。また、特に情報表示可能な機能層を持た
せた可撓性磁石シートは、プリンターや複写機内を通過
させるため、50〜100μm程度が好ましい。さらに
可撓性磁石シートとしては加工性・柔軟性などのハンド
リングの良さが求められるので、支持体は柔軟であるこ
とが好ましい。
【0013】次に磁性塗膜2に用いられる結合剤として
は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルまた
は酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アク
リル酸共重合体あるいはそのケン化物、塩化ビニル−ア
クリロニトリル共重合体、スルホン酸基またはアミノ基
等の極性基を有する塩化ビニル系共重合体の如き塩化ビ
ニル系共重合体、ニトロセルロースの如きセルロース誘
導体、ポリビニルアセタール、アクリル、ポリビニルブ
チラール、エポキシ、ポリウレタン、ポリエステルポリ
ウレタン、スルホン酸基等の極性基を有するポリウレタ
ン、ポリカーボネート、ポリカーボネートポリウレタ
ン、等の各樹脂が挙げられる。これら結合剤として用い
る樹脂は単独で使用することもできるが、2種類以上の
樹脂を組合せて使用することもできる。
【0014】さらに必要に応じて、分散剤・可塑剤・表
面調整剤・消泡剤・増粘防止剤・ゲル化防止剤・架橋剤
・充填剤・潤滑剤・着色剤・難燃剤・帯電防止剤等の添
加剤を添加することもできる。
【0015】磁性塗膜2に分散させる硬質磁性粉末とし
ては、Fe−Al−Ni−Co系、BaO・6Fe23
系、SrO・6Fe23系、Sm−Co系、Nd−Fe
−B系などの従来公知のものが使用できる。
【0016】磁性塗料は、例えば上述の硬質磁性粉末、
結合剤、添加剤、溶媒を配合し、各種の混練・分散機を
用いて調製する。
【0017】上記溶媒としてはメチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン
系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、トルエ
ン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素系、メタ
ノール、プロパノール、エタノールなどのアルコール系
グリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のエーテル系の溶剤、あるいはこれらの混合溶剤、水、
などを用いることが出来る。
【0018】混練・分散に当たっては、ボール型回転ミ
ル、ビーズ撹拌型ミル、ほか各種の分散・撹拌機に、上
述の各成分を全て同時に、或いは順次投入する。
【0019】このようにして調製した塗料を、支持体1
の片面に塗布・乾燥させることにより、磁性塗膜2を形
成する。また磁性塗膜中の磁性粉の向きを揃える目的
で、塗布直後の磁性塗膜に磁場配向を行っても良い。
【0020】塗布方法としては、例えばエアドクター、
ブレード、ロッド、押し出し、エアーナイフ、スクイ
ズ、含浸、リバース、トランスファー、グラビア、キ
ス、キャスト、スプレイ、ダイ、などの各コート法が挙
げられる。
【0021】磁性塗膜2の厚みには特に制限はなく、必
要とする吸着力により適宜調整できるが、金属面への十
分な磁気吸着力を持つ薄膜磁石シートとして使用するに
は50〜150μm程度が好ましい。
【0022】次に磁性塗膜中の硬質磁性粉末の配向方法
としては、永久磁石あるいは電磁石(ソレノイドコイ
ル)のような従来公知の方法を用いて、一定の方向に配
向することができる。
【0023】硬質磁性粉末の配向後、支持体1上の塗膜
は直ちに熱風乾燥機などの乾燥ゾーンを通り、磁性塗膜
2が形成されるが、このとき、磁性塗膜2に、微細な亀
裂を形成させることが重要である。
【0024】磁性塗膜に微細な亀裂を形成させる最も有
効な方法は、磁性塗膜を多層に分けて塗工・強制乾燥さ
せる方法である。多層に分けて塗工・乾燥させることに
より、見かけ上、2層目以降の塗膜は全体として不揮発
成分の割合が高くなり(すなわち、すでに乾燥塗膜とな
っている前層の上に多層目の塗料が塗工されたとき、多
層目塗料の溶媒の一部が前層に浸透して行き、前層と混
合した擬似塗料と見なされることによる)、この状態か
ら熱風乾燥機などで強制乾燥すると、塗料層の表面部分
が先に乾燥・固化した塗膜を形成し、その後、塗膜全体
の乾燥が進むに及んで表面層以外残り大部分の塗膜の収
縮が起こり、先に乾燥・固化した塗膜表面部分に微細な
亀裂を生成する。
【0025】さらにまた、塗工層内部からではなく、塗
工層表面層部分から先に乾燥させることを目的として次
の手段を採用することにより、一層、塗膜に微細な亀裂
を生成し易くすることが出来る。それらは、磁性塗料調
製手段として、磁性塗料用溶媒は、低沸点で揮発し易
い溶媒を選択使用する、磁性塗料への添加剤は、比重
の小さい粒状固形物を使用する、磁性塗料中の不揮発
成分量の割合は、できるだけ高くする、等であり、さら
に成膜調製手段としての、熱風乾燥機等の強制乾燥条
件は、各種塗料材料等に応じて、適宜、選定するなどで
ある。
【0026】形成される亀裂の大きさは、結合剤の種
類、硬質磁性粉の種類や粒径および形状、溶媒の種類、
添加剤の種類、あるいはこれらの混合比率などにより異
なる。
【0027】その大きさの代表値である亀裂の幅は、磁
性塗膜の厚さにより異なるが、5〜500μmの範囲が
好ましい。5μm未満だと塗膜の内部応力を緩和させる
効力に欠けるため可撓性磁石シートのカールを除去しき
れず、また逆に、500μmより大きいと塗膜としての
物性を劣化させ、折り曲げた場合に塗膜が破壊される恐
れがある。
【0028】以上の塗膜亀裂に関して、その生成メカニ
ズムの詳細については不明な点が多いが、その原理とし
ては、塗膜内部からの溶剤揮発力によって、先に固化
した表層部分で微小層欠陥が起きる、次に、前記したよ
うに、乾燥途中ないし乾燥後における全体の体積収縮
によって、表面に対して塗膜層を垂直に割る方向での引
張り破壊が起きる、および、それらの複合作用が塗膜
表面層部分に働く、などのためであろうと推定してい
る。
【0029】この亀裂の生成および存在が、磁性塗料中
の揮発成分の揮発や結合剤の乾燥収縮に伴い発生する塗
膜の内部応力を緩和させ、結果として、可撓性磁石シー
トにおけるカールの量を大幅に減少させる働きをするも
のである。
【0030】形成された磁性塗膜には熱圧処理を施して
も良い。本発明の可撓性磁石シートは、磁性塗膜に微細
な亀裂が形成されているが、熱圧処理により、この亀裂
を圧縮し、ほとんど消滅させることができる。これによ
り、磁性塗膜の薄膜化磁性塗膜の強度増加磁性塗
膜の柔軟化磁性塗膜表面の平滑化等を図ることが可能
になり、可撓性磁石シートとしての価値を著しく向上さ
せる効果がある。
【0031】熱圧処理の方法は、2つのロール間に塗布
・乾燥後の可撓性磁石シートを挟みロールを回転させな
がら熱圧を加える、いわゆるカレンダー法や、2枚の平
板の間に塗布・乾燥後の可撓性磁石シートを挟み熱圧を
加える、プレス法などが可能であるが、特にこれらに限
定されるものではなく、磁性塗膜面に必要な熱圧を与え
られる方法ならば、他の手段でも全くかまわない。
【0032】次に磁性塗膜への着磁は、例えば、平板状
多極型着磁ヨークおよびコンデンサー式着磁電源を用い
るなど、各種の公知方法が適用可能である。着磁後にお
ける磁石シートの磁極配置は、一例としては図4に示す
ように、異極が交互に並ぶ配置があげられる。着磁は磁
性塗膜の塗布・乾燥後でも良いし、熱圧処理後でも良
い。
【0033】なお、塗布・乾燥後あるいは熱圧処理後ま
たは着磁後の磁性塗膜層の表面には、磁性塗膜層の酸化
防止や耐候性向上および表面平滑化等を目的とした保護
層を設けることもできる。
【0034】さらに、可撓性磁石シートの片面あるいは
両面に情報表示可能な種々の機能層を設けることができ
る。例えば、支持体の片面に磁性塗膜を設けた可撓性磁
石シートでは、その反対面にインク受理層等を設けて情
報表示可能な機能性磁石シートとすることができる。
【0035】インク受理層の他にも、可撓性磁石シート
の片面あるいは両面に、電子写真用トナー受理層、感熱
転写受理層、放電破壊層、電界発色層、感熱発色層、感
圧印字層、筆記層などを設けることにより、情報表示可
能な機能性磁石シートを得ることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例と比較例を用いて、本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0037】<磁性塗料の調製>硬質磁性粉末として
「FH801」(戸田工業(株)製)100重量部、結
合剤として塩化ビニール樹脂「エスレックA」(積水化
学工業(株)製)15重量部、ポリウレタン樹脂「ニッ
ポラン3022」(日本ポリウレタン(株)製)43重
量部 (固形分15重量部)、メチルエチルケトン・ト
ルエン・シクロヘキサノンの等重量混合液100重量部
を、分散撹拌機に投入、分散して磁性塗料を得た。
【0038】(実施例1)上記で調製した磁性塗料を、
厚さ38μmの白色PETフィルムの片面に、乾燥後の
塗膜重量が180g/m2になるように塗布し、配向処
理を行った後、100℃の熱風乾燥機に1分間入れ、磁
性塗膜を得た。この磁性塗膜の上に、全く同様の方法で
さらにもう1層の磁性塗膜を設け、2層塗工により、ト
ータル360g/m2の重さの磁性塗膜を形成した。こ
の時、得られた磁性塗膜には図3のように幅50μmの
微細な亀裂が一面に形成されており、その面積比は全体
の20%であった。また、乾燥後の磁性塗膜の厚さは1
40μmであった。塗布はリバース方式で塗工速度30
m/min、配向処理には未乾燥の塗膜面に4000ガ
ウスの磁場強度を与えられるような強さの同極対向永久
磁石を用い、図2のように塗膜中の硬質磁性粉末の磁化
容易軸をPETフィルム面に平行な進行方向に配向させ
た。次に、得られた磁性塗膜に、平面型着磁用ヨーク
(日本電磁測機(株))を用いて磁性塗膜面側から、図
4のように磁性粉配向方向と同一方向に多極着磁を施し
可撓性磁石シートを得た(着磁条件:ピッチ1.25m
m、電荷容量1000μF/印加電圧1400V)。
【0039】(実施例2)実施例1で得られた可撓性磁
石シートに対して、カレンダーロール法にて熱圧処理
(70℃100kg/cm2)を施し、表面を平滑化し
た可撓性磁石シートを得た。熱圧処理後の膜厚は120
μmとなり、処理前の140μmから約20μmの膜厚
が減少した。また、磁性塗膜に形成されていた亀裂の幅
は約40μmになり、処理前の50μmから約10μm
の幅が減少した。この熱圧処理での表面平滑化により、
目視による外見上からは、亀裂は確認できない状態にな
った。
【0040】(比較例1)乾燥後の塗膜重量が360g
/m2になるような磁性塗膜を1層塗工で形成した以外
は、実施例1と同様の方法にて、可撓性磁石シートを得
た。この時、得られた磁性塗膜には微細な亀裂は形成さ
れておらずその膜厚は120μmだった。
【0041】(比較例2)磁性塗膜の乾燥を100℃の
代わりに40℃の熱風乾燥機とした以外は、実施例1と
同様な方法にて、360g/m2の重さの磁性塗膜を2
層塗工で形成して、可撓性磁石シートを得た。この時、
得られた磁性塗膜には微細な亀裂は形成されておらずそ
の膜厚は120μmだった。
【0042】(比較例3)磁性塗膜の乾燥を100℃の
代わりに40℃の熱風乾燥機とし、乾燥後の塗膜重量が
360g/m2になるような磁性塗膜を1層塗工で形成
した以外は、実施例1と同様の方法にて、可撓性磁石シ
ートを得た。この時、得られた磁性塗膜には微細な亀裂
は形成されておらずその膜厚は120μmだった。
【0043】以上のようにして得られた5種類の可撓性
磁石シートを、10cm×20cmの大きさで、磁性粉
の配向方向が長手方向になるように切り出し、0℃、1
0℃、20℃、30℃の温度下に1時間放置した後の可
撓性磁石シートのカール量(図5)と、シートを垂直な
スチール面に磁気吸着させた時のシートの吸着状態を測
定・観察した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】この表1の結果から明らかなように、磁性
塗膜に幅50μmの微細な亀裂を形成させた実施例1の
可撓性磁石シートには殆どカールは見られず、スチール
面に吸着させた場合にも問題なく平らに吸着する。ま
た、熱圧処理を施し磁性塗膜表面の平滑化を図った実施
例2の可撓性磁石シートも、同様に問題なく平らに吸着
する。一方、表面に微細な亀裂を形成していない比較例
1、2、3の可撓性磁石シートはカールが大きく、スチ
ール面に吸着させた場合スチール面から浮いてしまった
り、さらには磁気吸着が出来ない場合もある。
【0046】以上の結果より、磁性塗膜に微細な亀裂を
形成させた本発明による可撓性磁石シートは、鉄板面に
磁気吸着させて使用した場合、使用上、全く問題なく吸
着する。また熱圧処理により、この微細な亀裂を殆ど確
認出来ない程度に平滑化することが可能で、この処理を
施した磁石シートも、全く同様に、問題なく鉄板面に吸
着させることが出来る。一方、磁性塗膜に微細な亀裂を
形成させなかった可撓性磁石シートは、鉄板面に磁気吸
着させて使用するものとしては、使用上、著しく不都合
なものとなっている。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、磁性塗料乾燥時の体積
収縮に伴って発生する大きなカール量のために実用に供
し得ない磁気吸着力となってしまう可撓性磁石シート
を、そのカール量を低減化することにより、充分な吸着
力を保持した、非常に優れた塗布型の可撓性磁石シート
とすることが可能である。
【0048】さらに本発明の可撓性磁石シートは、単体
として着脱可能なシート部材、他の任意の部材に貼付さ
れて使用される固定用部材などに使用できるとともに、
インクあるいはトナー受理層や感熱印字層など、機能層
を付加して印刷用紙、名刺、教材、マーキングフィル
ム、玩具などの機能性磁気吸着シート、さらにはモー
タ、磁気センサー、スイッチなどの精密工業用部材とし
て使用することもできる。
【0049】特に本発明の可撓性磁石シートは、カール
から生じる取扱上あるいは印字上のトラブルや、実施例
に示したように、磁気吸着力で掲示する場合の浮き・剥
がれ等による落下が防止できるので、情報表示可能な機
能層を設けた薄型の可撓性磁石シートとして非常に好適
なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可撓性磁石シートの構成を示した模式
図である。
【図2】硬質磁性粉末の配向方法の1例を示した模式図
である。
【図3】本発明の実施例による可撓性磁石シートの1例
を示した模式図である。
【図4】多極着磁を施した、本発明の可撓性磁石シート
の模式図の1例である。
【図5】可撓性磁石シートのカールの様子を示した模式
図である。
【0050】
【符号の説明】
1 支持体 2 磁性塗膜 3 微細な亀裂 4 同極対向永久磁石 5 カール量
フロントページの続き (72)発明者 宮原 鉄州 埼玉県上尾市緑丘4−12−8富吉コーポ 206 Fターム(参考) 5E040 AA01 AA04 AA06 AB04 AB05 AB09 BD01 CA01 HB07 HB14 5E062 CC04 CD05 CE01 CF05 CG07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合剤中に硬質磁性粉末を分散した磁性
    塗料を、少なくとも支持体の片面に塗布・乾燥させて磁
    性塗膜を形成した積層体において、その磁性塗膜に5〜
    500μmの幅の微細な亀裂を形成させたことを特徴と
    する可撓性磁石シート。
  2. 【請求項2】 磁性塗膜が多層塗工により形成されてい
    ることを特徴とする、請求項1記載の可撓性磁石シー
    ト。
  3. 【請求項3】 支持体上に設けられた磁性塗膜に、熱圧
    処理を施したことを特徴とする、請求項1、2記載の可
    撓性磁石シート。
  4. 【請求項4】 支持体上に設けられた磁性塗膜に、多極
    着磁を施したことを特徴とする、請求項1、2、3記載
    の可撓性磁石シート。
  5. 【請求項5】 支持体上に磁性塗膜を設けた積層体の少
    なくとも片面に、情報表示可能な機能層を設けたことを
    特徴とする、請求項1、2、3、4記載の可撓性磁石シ
    ート。
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