JPH10238595A - エンジンのバランサ装置 - Google Patents

エンジンのバランサ装置

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JPH10238595A
JPH10238595A JP9025583A JP2558397A JPH10238595A JP H10238595 A JPH10238595 A JP H10238595A JP 9025583 A JP9025583 A JP 9025583A JP 2558397 A JP2558397 A JP 2558397A JP H10238595 A JPH10238595 A JP H10238595A
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JP
Japan
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crankshaft
engine
balance
balancer
bearing
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Application number
JP9025583A
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English (en)
Inventor
Makoto Ishikawa
誠 石川
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Priority to EP97114777A priority patent/EP0851148B1/en
Priority to DE1997627780 priority patent/DE69727780T2/de
Priority to US08/938,624 priority patent/US5875753A/en
Publication of JPH10238595A publication Critical patent/JPH10238595A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/22Compensation of inertia forces
    • F16F15/26Compensation of inertia forces of crankshaft systems using solid masses, other than the ordinary pistons, moving with the system, i.e. masses connected through a kinematic mechanism or gear system
    • F16F15/264Rotating balancer shafts

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、エンジン・ルームでの配置までも含
む総合的な設計の点をも考慮し、軽量化を図れ、スペー
ス効率も高いバランサ装置の提供を課題とする。 【解決手段】複数のシリンダを有する多気筒エンジン
の、複数のクランクアーム軸受け部のうち、トランスミ
ッションの反対側から数えて、第2番目の軸受け部(第
2ジャーナル)#2に対応した位置に、エンジンの二次
振動を抑制するバランス・ウエイトを集中配置し、ウエ
イト自体の軽量化を図るとともに、エンジン周りのスペ
ース効率を高めた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのバラン
サ装置に係り、特に、バランス・ウエイトの配置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】直列4気筒エンジンでは、例えば、4つ
のシリンダを直列に配するとともに、各シリンダ内に設
けたピストンにそれぞれコンロッドを連結し、各コンロ
ッドをクランクシャフトのクランクアームに回動自在に
連結し、かつ、クランクシャフトを各クランクアームを
間にして複数の軸受け部で回転自在に支持した構成を備
えている。
【0003】このようなエンジンでは、エンジンのピス
トン、コンロッド等による慣性力や慣性偶力により、シ
リンダの軸方向(上下方向)に二次振動が生じ、これが
車内こもり音の原因となる。そこで、この二次振動を減
衰させるために、クランクシャフトの回転に伴って回転
駆動されるバランス・ウエイトを備えたバランサ装置を
設けている。
【0004】このようなバランサ装置では、エンジンセ
ンターに対し、エンジン前後方向に複数のバランス・ウ
エイトを対称配置するのが一般的であり、通例、前記軸
受け部に対応した空間部分に配置する。
【0005】また、特開平4−224338号公報に示
されたように、4気筒エンジンにおいて、クランクシャ
フトの5つの軸受け部の内、中央に位置する第3の軸受
け部に対応した空間部分にバランス・ウエイトを集中配
置した例も見られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】バランサ装置の理想か
らいえば、バランス率を100%として、前記二次振動
を完全に抑制できることが望まれる。バランス率とは、
二次不平衡慣性力とバランスシャフト(バランス・ウエ
イト)の慣性力(遠心力)との比のことをいう。さら
に、バランサ装置全体を小型化することも、エンジン設
計上望まれることである。
【0007】この点、前記特開平4−224338号公
報に記載の装置は、エンジン中央に位置する第3の軸受
け部に対応した空間部分にバランス・ウエイトを集中配
置しているので、バランス率を100%としやすく、ま
た、小型化には資する構成となっている。
【0008】ところで、バランサ装置の理想からいえ
ば、バランス率を100%として、前記二次振動を完全
に抑制できることが望まれるが、バランス率は犠牲にし
てでも、ウエイトを軽くすることを優先することが、場
合によっては必要である。
【0009】さらに、最近では、エンジン出力向上のた
めに、排気管の大径化、排気規制強化による触媒の設
置、さらにはボディ剛性強化のための部材の導入等で、
エンジンルームのスペース効率が悪化し、当然バランサ
装置の配置も設計上難しくなってきている。この点、前
記特開平4−224338号公報に記載の装置では、設
計上不利な面もある。
【0010】本発明は、エンジン・ルームでの配置まで
も含む総合的な設計の点をも考慮し、軽量化を図れ、ス
ペース効率も高いバランサ装置の提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の手段とした。複数のシリンダを有す
るとともに、各シリンダ内に設けたピストンにそれぞれ
コンロッドを連結し、各コンロッドをクランクシャフト
のクランクアームに回動自在に連結し、かつ、クランク
シャフトを各クランクアームを間にして複数の軸受け部
で回転自在に支持し、クランクシャフトの一端側にトラ
ンスミッションを連結してなるとともに、前記ピストン
の往復動に伴い前記シリンダに二次振動を生じる多気筒
エンジンに備えられ、前記クランクシャフトの回転に伴
って回転駆動されるバランス・ウエイトによりエンジン
の二次振動を抑制するバランサ装置において、前記トラ
ンスミッションの反対側から数えて第2番目に位置する
軸受け部に対応した空間部分のみに、前記バランス・ウ
エイトを集中配置したことを特徴とする。
【0012】本発明は、二次振動の発生するエンジンに
適用できる。このようなエンジンとしては、単気筒エン
ジン、直列2気筒、直列4気筒エンジンやV型6気筒エ
ンジン、一部のV型8気筒エンジンであるが、前記2番
目の軸受け部を有するエンジンに適用され、とりわけ直
列4気筒エンジンに好適に適用される。
【0013】その場合、前記多気筒エンジンは、4つの
シリンダを直列に配するとともに、各シリンダ内に設け
たピストンにそれぞれコンロッドを連結し、各コンロッ
ドをクランクシャフトのクランクアームに回動自在に連
結し、かつ、クランクシャフトを各クランクアームを間
にして複数の軸受け部で回転自在に支持し、クランクシ
ャフトの一端側にトランスミッションを連結してなる直
列4気筒エンジンである。
【0014】バランス・ウエイトを前記位置に集中配置
することで、トランスミッション側の軸受け部に対応す
る空間部分が空き、この空間部分に他の部品等を配置で
きる。また、前記位置は、エンジンの中心からずれた位
置であるため、エンジン中心に対応してバランス・ウエ
イトを配置した場合に比べ、軽いウエイトで二次振動を
抑えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の好適実施例を図面を
参照して説明する。 <装置構成の説明>図1には、いわゆるFF横置き型の
直列4気筒エンジンのクランクシャフト周りの構造が示
されている。
【0016】直列4気筒エンジンは、図示していない
が、周知のとおり、4つのシリンダを直列に配するとと
もに、各シリンダ内に設けたピストンにそれぞれコンロ
ッドを連結し、各コンロッドをクランクシャフト1のク
ランクアーム2にクランク軸3にて回動自在に連結して
いる。クランク軸はシリンダ数に対応して4つ存在する
が、これらの位置する部位は、図1の左から順に1番ピ
ンジャーナル〜4番ピンジャーナルと呼ばれている。な
お、クランクアーム2には、クランク軸3の反対側に、
エンジンの縦方向振動(一次振動)を抑制するカウンタ
ーウエイト4が設けられている。さらに、クランクシャ
フト1を各クランクアーム2を間にして、図1の左から
順に、エンジン本体に対し、第1から第5の軸受け部#
1〜#5で回転自在に支持している。これら軸受け部#
1〜#5は、通称として第1ジャーナル〜第5ジャーナ
ルと呼ばれる。
【0017】クランクシャフトの一端側、図1において
右側には、トランスミッション6等よりなるパワートレ
インが連結され、クランクシャフト1の回転力が、パワ
ートレインを介して車輪に伝達される。
【0018】エンジンのシリンダ配列方向において、ト
ランスミッションの反対側から順に数えて第2番目の軸
受け部(第2ジャーナル)#2に対応して、その下方空
間には、前記クランクシャフトの回転に伴って回転駆動
されるバランス・ウエイトによりエンジンの二次振動を
抑制するバランサ装置7が配置されている。
【0019】このバランサ装置は、装置本体としてハウ
ジングを形成するバランサケース9と、このバランサケ
ース9内に設けた固定軸15とを有し、重心を偏位した
状態でバランス・ウエイト13,14を固定軸周りに、
回転自在に設けてなる。さらに、バランス・ウエイト1
3,14は、第2軸受け部#2のクランクシャフト1に
同軸に設けられ、クランクシャフト1の回転により回転
する駆動ギア8によって、被動ギヤ18、19を介して
回転駆動されるようになっている。バランス・ウエイト
13,14は第2軸受け部#2に対応し、この部分に対
応した空間部分のみに集中配置され、その結果、他の部
位には、スペースが確保される。
【0020】図1からは明確ではないが、図2、図3に
示したように、バランス・ウエイト13,14は一対設
けられている。バランサ装置をさらに詳細に述べると、
図3に示すように、バランサ装置2の本体であるバラン
サケース9は、互いに平行した状態で左右方向へ延びる
一対の支持片10,11と、両支持片10,11の対向
する左右端部間を繋ぐ一対の連結片12とから四角枠状
に形成されている。そして、バランサケース9は、その
四隅においてボルト(図示しない)によってシリンダブ
ロックに固定されている。
【0021】さらに、バランサケース9には、バランス
・ウエイトとして、第1のウェイト13及び第2のウェ
イト14が一対の固定軸15により回転可能に支持され
ている。すなわち、各固定軸15の両端部は、前後各支
持片10,11に貫設された左右一対の孔17内に挿入
係止され、回転不能となっている。また、第1及び第2
のウェイト13,14は略半円状をなして、重心を固定
軸15に対し、偏心させており、軸受部13a,14a
にて前記固定軸15上に回転不能に外嵌されている。
【0022】前記第1及び第2のウェイト13,14の
後部には、前記駆動ギア8よりも小径状の第1及び第2
の被動ギア18,19が外嵌固定されている。両被動ギ
ア18,19は、前記第1及び第2のウェイト13,1
4と一体で前記固定軸15上を回転可能である。前記両
被動ギア18,19は、前記駆動ギア8と同様にはすば
歯車によって構成されている。第1の被動ギア18のね
じれ方向は右ねじれ(右肩上がり)に、また第2の被動
ギア19のねじれ方向は左ねじれ(左肩上がり)に設定
されている。
【0023】そして、図4に示すように、第1の被動ギ
ア18が駆動ギア8に噛み合うとともに、同第1の被動
ギア18の第2の被動ギア19が噛み合っている。前記
のようにギア同士が噛み合った状態では、図1に示すよ
うに、第1及び第2のウェイト13,14が第2ジャー
ナル#2に対応するエンジン前後方向長さ内に集中配置
されている。
【0024】そして、駆動ギア8がクランクシャフト1
と一体回転すると、その回転は第1の被動ギア18に伝
達され、第1のウェイト13が固定軸15上を回転す
る。また、第1の被動ギア18の回転は第2の被動ギア
19に伝達され、第2のウェイト14が固定軸15上を
回転する。両ウェイト13,14の回転により、ピスト
ン、コンロッド7等による慣性力や慣性偶力を消去する
方向の荷重が発生し、同荷重がクランクシャフト1の振
動を低減させる。
【0025】なお、バランサ装置を内包する形で、エン
ジンオイルを収容する器状のオイルパン51がエンジン
下部に設けられている。このため、バランサ装置はオイ
ル内に浸漬され、オイルがバランサ装置に充填される結
果となっている。このオイルパン51は、外側底面から
みて前記第5から第3軸受け#5〜#3部に至る空間部
分に深く入り込むえぐれ部52を形成している。このよ
うなえぐれ部52を形成できるのは、バランス・ウエイ
トを第2軸受け部#2に臨んだ空間部分のみに、集中配
置し、その結果他の部位にスペースを確保したが故の結
果である。よって、エンジンルームのスペース効率が高
くなり、具体的には、えぐれ部52の外側にあたるエン
ジン下方に、排気装置を形成する排気管53および触媒
54やボディ補強のためのセンターメンバー55を無理
なく配置可能となった。
【0026】なお、図3では、固定軸をバランサケース
9に固定し、この固定軸周りにバランス・ウエイトを回
転自在に設けたが、図5に示したように、固定軸の代わ
りに、本体であるバランサケース19a、19b内に、
回転自在のバランスシャフト25を設け、このバランス
シャフト25にバランス・ウエイト14、15を固定し
てもよいことは言うまでもない。
【0027】また、前記例では駆動ギヤ8でバランス・
ウエイト14,15を回転駆動しているが、駆動ギヤを
廃止し、エンジンフロントすなわち図1の左側からクラ
ンクシャフトにより駆動されるチェーンまたはタイミン
グベルトでバランスシャフトを回転駆動するようにして
もよい。この場合は、バランス・ウエイトを回転駆動す
るバランスシャフトをエンジンフロントまで延長する必
要があるが、本発明のように、エンジンフロント側によ
り近い、第2軸受け部に対応して、バランス・ウエイト
を集中配置したので、エンジンフロント側へバランスシ
ャフトを延長する長さを短くすることができる。 <二次振動の抑制>次に、バランス・ウエイトを第2軸
受け部に集中配置することによる二次振動抑制効果につ
いて検討する。
【0028】図6から図10は、エンジンの概略図であ
る。二次振動がどの程度抑制されるかは、左右のエンジ
ンマウントに入力する二次慣性力の大きさによってわか
る。マウントに入力される二次慣性力が小さいほど二次
振動が抑制されたことを意味する。
【0029】なお、図6から図10において示したRh
マウント、Lhマウントは、車両の進行方向を基準に左
右を決定したマウントであり、図上での左右を示すもの
ではない。 <比較例1>(バランサ装置無しの場合) 次の仕様のエンジンにおいて、バランサ装置なしの場合
について、二次振動がどのようになるか、試算した(図
6参照)。 r:クランク回転半径(45.5mm) l:コンロッド長(138mm) ρ:r/l(0.33) m:往復運動部重量(682g) F:6000rpm時に発生する2次不平衡慣性力 FR:Rhマウントへ入力する2次慣性力 FL:Lhマウントへ入力する2次慣性力 とする。 F=mrω2ρ×4 ここで ω=2πf=2π×6000/60 よって、F=16172(N) ………(1) 力の釣り合いより F=FR+FL …………(2) モーメントの釣り合いより (328.5+122.5)FR−122.5F=423.5FL ………(3) (1),(2),(3)より FR=10097(N)、FL=6075(N) ………(4) これは、左右のエンジンマウントに、大きな二次振動が
入力されていること、すなわち、エンジンの二次振動が
抑制されていないことを意味している。 <実施例1>(82%バランサ付) 比較例1と同一の仕様のエンジンにおいて、第2軸受け
部(第2ジャーナル)下方にバランス・ウエイト(バラ
ンス率82%)を集中配置した場合の二次振動抑制効果
を試算した(図7参照)。 FB:バランス・ウエイトによる遠心力とすると FB=0.82F ………(5) 力の釣り合いより F−FB=FR+FL ………(6) モーメントの釣り合いより (328.5+122.5)FR+122.5FB−122.5F =423.5FL ………(7) (5),(6),(7)より FR=1817(N)、 FL=1094(N) ………(8) <比較例2>{第3軸受け部(第3ジャーナル)下部に
100%バランサ} この例では、仕様が、 r:クランク回転半径(51mm) ρ:r/l(0.
32) l:コンロッド長(158mm) m:往復運動部重
量(530g) F:6000rpm時に発生する2次不平衡慣性力 FR:Rhマウントへ入力する2次慣性力 FL:Lhマウントへ入力する2次慣性力 であるエンジンにつき、第3軸受け部(第3ジャーナル
下方にバランス率100%のバランス・ウエイトを集中
配置した場合の二次振動の抑制度を試算した(図8参
照)。 F=mrω2ρ×4 ここで、ω=2πf=2π× 6000/60であり、
よって F=13658(N) ………(9) バランス率100%であるから F=FB ………(10) (FB:バランス・ウエイトによる遠心力)そして、力
の釣り合いより F−FB=FR+FL ………(11) モーメントの釣り合いより (328.5+122.5)FR+122.5FB−122.5F =423.5FL ………(12) (9),(10),(11),(12)より FR=0(N)、FL=0(N) ………(13) <実施例2>{第2軸受け部(第2ジャーナル)下部に
100%バランサ} 比較例2と同様のエンジンで、第2軸受け部下方に10
0%バランス率のバランス・ウエイトを集中配置した場
合の二次振動抑制度を試算した(図9参照)。まず、こ
こで、 バランス率100%であるから F=FB ………(14) 力の釣り合いより F−FB=FR+FL ………(15) モーメントの釣り合いより (328.5+122.5)FR+(122.5+96)FB−122.5F =423.5FL ………(16) (14),(15),(16)より FR=−1500(N)、FL= 1500(N) ………(17) <実施例3>{第2軸受け部(第2ジャーナル)下部に
α%(100%未満)バランサ} 比較例2と同様のエンジンで、第2軸受け部下方に10
0%未満のα%バランス率のバランス・ウエイトを集中
配置した場合の二次振動抑制度を試算した(図10参
照)。バランサ率α%であるから、 FB=0.01αF ………(18) 力の釣り合いより F−FB=FR+FL ………(19) モーメントの釣り合いより (328.5+122.5)FR+(122.5+96)FB−122.5F =423.5FL ………(20) (18),(19),(20)より FR=8527.5−100.3α(N) FL=5130.5−36.3α(N) ………(21) これをグラフ図とすると、図11のようになるが、この
図11よりRhマウント入力はバランス率85.0%で
0(N)となりLhマウント入力はバランス率141.
3%で0(N)となる。バランサーの軽量化、フリクシ
ョンさらにRhマウント、Lhマウント合計での入力荷
重を考えると、バランス・ウエイトを第2軸受け部(第
2ジャーナル)下方に配置する場合、バランス率は8
5.0%が最も良いといえる。またこのときのFR,F
Lは FR=0(N) FL=2045(N) ………(22) また車内音(こもり音)へはFRとFLの絶対値の合力が影響する。 F=|FR|+|FL| ………(23) FR=8527.5−100.3α(N) FL=5130.5−36.3α(N) の各式に、αを60から115に順次変化させて、バラ
ンス値による|FR|、|FL|、|FR|+|FL|
の値を求め表にしたところ、表1のようになった。
【0030】
【表1】 以上のことから、車内でのこもり音という観点でみた場
合も、本例では85%バランス率とするのがよいと理解
できる。なお、図12に、バランス率と各マウントでの
二次慣性力入力値合計との関係を示すグラフを示す。
【0031】このグラフにおいて、トヨタ自動車株式会
社製実機、型番5SFE(1992年11月発行のトヨ
タセプター新型車解説書に示す5S−FEエンジン)の
車内音(図13のA参照)と同一レベルを確保するとす
るなら、バランス率79〜99%とすればよいことがわ
かる。
【0032】この程度にすれば、十分実用的な室内音レ
ベルにすることができる。車内騒音は必ずしも0dBに
する必要はなく、ある程度(運転者等の乗員が体感しな
い程度)の騒音は許容されるのである。 <実施例と比較例との比較> (実施例1と比較例1との比較)式 (4),(8)よりRh
マウントに入力する2次慣性力の大きさの違いをdBで
表すと L=20log10 {FR(バランサなし)/FR(バランサ付)} =20log10 {10097/1817} =14.9(dB) である。
【0033】これは、トヨタ自動車株式会社製実機、型
番5SFEのRhマウント付け根での振動レベルの差
(バランサありと無し)に近い値である。ちなみに、型
番5SFEのエンジンにおけるバランサの有無による車
内音(前席中央部こもり音)の差を図13に示す。図1
3でAがバランサなし、Bがバランサ(82%バランス
率)ありである。差は最大10dBある。このときの、
二次慣性力入力値の合力の差は、16172(N)−2
911(N)=13261(N)でありおよそ1300
(N)のマウント入力値の低減で車内音1dBの低減効
果があるので、結果として最大10dBである。 (実施例3と実施例1及び比較例1との比較)バランス
値による|FR|、|FL|、|FR|+|FL|の関
係を、実施例1、比較例1についても試算し、実施例3
と比較した。実施例1(82%バランサ付)では |FR|:1817(N)、|FL|:1094(N) |FR|+|FL|:2911(N) また、比較例1(バランサなし)では |FR|:10097(N)、|FL|:6075
(N) |FR|+|FL|:16172(N) 以上の結果、マウント入力値16172(N)と291
1(N)の違いを車内音(こもり音)で見ると最大10
dBの違いとなる。 (比較例2と実施例2の比較)比較例の(12)式より、モ
ーメントの釣り合いは、 (328.5+122.5)FR+122.5FB−1
22.5F=423.5FL である。これに対し、実施例2で、モーメントの釣り合
いは、(16)式より、 (328.5+122.5)FR+(122.5+9
6)FB−122.5F=423.5FL である。ここで、各式の第2項に着眼すると、比較例2
では122.5FBであるのに対し、実施例2では、
(122.5+96)FBである。このことは、第2軸
受け部(第2ジャーナル)では、FB:バランス・ウエ
イトによる遠心力が、第軸受け部(第3ジャーナル)の
場合に比較して、小さい値ですむことを意味する。
【0034】周知のように、遠心力の大きさは、物体の
質量の大きさに比例するので、FBが小さくてよいとい
うのは、とりもなおさずバランス・ウエイトの質量を小
さくすることができることを意味する。
【0035】よって、第2軸受け部(第2ジャーナル)
下方にバランス・ウェイトを配置するなら、バランス・
ウエイトを軽くすることができる。そして、このこと
は、バランサ装置での摩擦を軽くすることに資する。
【0036】流体潤滑軸受における摩擦モーメントMは M=2π・(ηVR2L/C) V=Rωより =2π・(ηVR3L/C)(∝R3) ………(24) で現すことができる。ここで、 C:バランス・ウエイトとバランサケースとの間の半径
クリアランス R:バランス・ウエイト軸半径 L:バランス・ウエイト軸受巾 V:バランス・ウエイト周速 η:動粘度係数 ω:バランス・ウエイト角速度 である。摩擦モーメントは、軸受け径の3乗及び軸受巾
に比例しクリアランスに反比例する。バランス・ウエイ
トの質量を軽くすると、遠心力が小さくなり、クリアラ
ンスCを小さくできる。また、 軸受け面圧=mrω2/2RL においてm(質量)が小さくなるので、RLを小さくで
きる。この結果、(23)式で、Cを大きく、RLを小さく
でき、よって、摩擦モーメントを小さくできる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、第2軸受け部に対応し
て、バランス・ウエイトを集中配置したので、スペース
効率のよいエンジン設計とすることができるとともに、
バランス・ウエイトを軽量化でき、バランス・ウエイト
回転時の摩擦等において有利な設計を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件発明に係るエンジンクランクシャフト周り
の側面断面図
【図2】本件発明に係るエンジンクランクシャフト周り
の正面断面図
【図3】バランサ装置の一形態を示す斜視図
【図4】バランサ装置駆動ギヤ系を示した図
【図5】バランサ装置の他の例を示した図
【図6】比較例1の計算のための概念図
【図7】実施例1の計算のための概念図
【図8】比較例2の計算のための概念図
【図9】実施例2の計算のための概念図
【図10】実施例3の計算のための概念図
【図11】実施例3におけるバランス率とマウント入力荷
重との関係を示した図
【図12】実施例3におけるバランス率とマウント入力値
との関係を示したグラフ図
【図13】車内こもり音の大きさをエンジン回転数との関
連で示したグラフ図
【符号の説明】
1…クランクシャフト 2…クランクアーム 3…クランク軸 4…カウンターウエイト #1〜#5…第1から第5の軸受け部(第1ジャーナル
〜第5ジャーナル) 6…トランスミッション 7…バランサ装置 8…駆動ギヤ 9(19a、19b)…バランサケース 15…固定軸 13,14…バランス・ウエイト 18、19…被動ギヤ 10,11…支持片 12…一対の連結片 13a,14a…軸受部 25…バランスシャフト 51…オイルパン 52…えぐれ部 53…排気管 54…触媒 55…センターメンバー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシリンダを有するとともに、各シ
    リンダ内に設けたピストンにそれぞれコンロッドを連結
    し、各コンロッドをクランクシャフトのクランクアーム
    に回動自在に連結し、かつ、クランクシャフトを各クラ
    ンクアームを間にして複数の軸受け部で回転自在に支持
    し、クランクシャフトの一端側にトランスミッションを
    連結してなるとともに、前記ピストンの往復動に伴い前
    記シリンダに二次振動を生じる多気筒エンジンに備えら
    れ、前記クランクシャフトの回転に伴って回転駆動され
    るバランス・ウエイトによりエンジンの二次振動を抑制
    するバランサ装置において、 前記トランスミッションの反対側から数えて第2番目に
    位置する軸受け部に対応した空間部分のみに、前記バラ
    ンス・ウエイトを集中配置したことを特徴とするエンジ
    ンのバランサ装置。
  2. 【請求項2】 前記多気筒エンジンは、4つのシリンダ
    を直列に配するとともに、各シリンダ内に設けたピスト
    ンにそれぞれコンロッドを連結し、各コンロッドをクラ
    ンクシャフトのクランクアームに回動自在に連結し、か
    つ、クランクシャフトを各クランクアームを間にして複
    数の軸受け部で回転自在に支持し、クランクシャフトの
    一端側にトランスミッションを連結してなる直列4気筒
    エンジンである請求項1記載のバランサ装置。
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